
前橋市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
前橋市は人口約32万人、群馬県の県庁所在地です。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく前橋市の国保税の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
前橋市の料率で他市とはっきり違うのが、令和8年度に新設された子ども支援分にも平等割800円がある点です。子ども支援分を所得割+均等割だけで組む自治体が多いなか、前橋市は世帯割まで設定しています。
もうひとつ、医療分の課税限度額が前年度から1万円引き上げられて67万円になりました。4区分の合計は113万円で、112万円にとどめている自治体より1万円高い上限です。
前橋市は未就学児の均等割の減額後の実額を、軽減区分ごとに円単位で公開しています。数式を追わなくても自分の子の額がわかります。
1. 前橋市の国民健康保険の概要
前橋市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
前橋市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。
前橋市は「保険料」ではなく「保険税」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。群馬県内では標準的な構成です。
納税義務者は世帯主。市は「世帯主が国民健康保険に加入していなくても、世帯内の国保加入者に係る国保税が、世帯主に対して賦課されます」としています。
納税通知書は毎年7月中旬に世帯主宛に郵送されます。「7月以後に加入手続きをした場合は、手続きの翌月に郵送します」。
課税標準額は「各被保険者について、令和7年中の総所得金額等から基礎控除額を控除した金額を算出し、全員分足し上げたもの」。加入者ごとに基礎控除を引いてから合算する方式です。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 平等割(1世帯年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 7.00% | 29,000円 | 19,400円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 3.10% | 12,600円 | 8,400円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.50% | 12,200円 | 6,200円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.30% | 1,300円 (子ども支援分の均等割1,300円は18歳以上の被保険者にのみかかります。市は「子ども支援分の18歳未満における均等割額は全額軽減されます」「均等割額に18歳以上均等割額(1人あたり100円)を含んでいます」としています。子ども支援分にも平等割800円があります) | 800円 | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども支援分の均等割1,300円は18歳以上の被保険者にのみかかります。市は「子ども支援分の18歳未満における均等割額は全額軽減されます」「均等割額に18歳以上均等割額(1人あたり100円)を含んでいます」としています。子ども支援分にも平等割800円があります。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は12.9%(医療分7.0%+支援金分3.1%+介護分2.5%+子ども支援分0.3%/40〜64歳)。全国的には標準的な水準です。
均等割の合計は1人55,100円(医療29,000+支援12,600+介護12,200+子ども1,300/18歳以上・40〜64歳)。40歳未満なら42,900円、18歳未満なら41,600円です。
平等割の合計は1世帯34,800円(医療19,400+支援8,400+介護6,200+子ども800)。子ども支援分にも平等割800円が設定されているのは全国的に珍しい構成です。
子ども支援分の均等割1,300円は18歳以上の被保険者にのみかかります。市は「子ども支援分の18歳未満における均等割額は全額軽減されます」とし、「均等割額に18歳以上均等割額(1人あたり100円)を含んでいます」と内訳まで示しています。
医療分の課税限度額が67万円になりました。市は「医療分の課税限度額(上限)が、前年度から1万円引き上げられました」と明記しています。4区分の合計は113万円です。
基礎控除額は合計所得金額によって4段階です。2,400万円以下は43万円、2,400万円超2,450万円以下は29万円、2,450万円超2,500万円以下は15万円、2,500万円超は適用なし。市は表で明示しています。
令和8年度の税率
| 区分 | 所得割 (課税標準額×) | 均等割 (被保険者数×) | 平等割 (1世帯につき) | 課税限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 病気にかかったときなどの医療費として被保険者全員が負担 | 7.0% | 29,000円 | 19,400円 | 67万円 |
| 支援金分 後期高齢者医療制度への財源として被保険者全員が負担 | 3.1% | 12,600円 | 8,400円 | 26万円 |
| 介護分 介護保険事業への納付金として40歳から64歳の被保険者が負担 | 2.5% | 12,200円 (40歳〜64歳の被保険者数) | 6,200円 | 17万円 |
| 子ども支援分 子ども・子育て支援金制度への財源として被保険者が負担(令和8年度から創設) | 0.3% | 1,300円 (18歳以上の被保険者数) | 800円 | 3万円 |
| 世帯全体の国保税年税額 | 12.9% | 55,100円 | 34,800円 | 113万円 |
市が公表している注記は次のとおりです。
「※3 医療分の課税限度額(上限)が、前年度から1万円引き上げられました」
「※4 子ども支援分は令和8年度から創設されました。子ども支援分の18歳未満における均等割額は全額軽減されます」
「※5 均等割額に18歳以上均等割額(1人あたり100円)を含んでいます」
「※2 未就学児(0歳児から令和8年度中に6歳になる方まで)の均等割額は、5割軽減されます」
子ども支援分に平等割があるのは珍しい
令和8年度に新設された子ども・子育て支援納付金分は、多くの自治体が所得割+均等割だけで組んでいます。前橋市は平等割800円まで設定しました。
| 自治体 | 方式 | 所得割 | 均等割 | 平等割 |
|---|---|---|---|---|
| 前橋市 | 3方式 | 0.30% | 1,300円 (18歳以上) | 800円 |
| 三鷹市(東京) | 2方式 | 0.30% | 1,846円+18歳以上98円 | なし |
| 新座市(埼玉) | 2方式 | 0.29% | 1,800円+18歳以上100円 | なし |
前橋市の書き方も独特です。均等割そのものを「18歳以上の被保険者数×1,300円」と定義し、そのうえで「均等割額に18歳以上均等割額(1人あたり100円)を含んでいます」と補足しています。
つまり1,300円=子ども支援分の本体1,200円+18歳未満の子の分を肩代わりする100円という構造です。
18歳未満は均等割0円。所得割0.3%と平等割800円は世帯として負担します。
未就学児の均等割は減額後の実額が公開されている
前橋市は未就学児の均等割について、軽減区分ごとの減額後の実額を円単位で公開しています。
| 世帯の軽減区分 | 医療給付費分 | 後期高齢者支援金分 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 7割軽減世帯 | 4,350円 | 1,890円 | 6,240円 |
| 5割軽減世帯 | 7,250円 | 3,150円 | 10,400円 |
| 2割軽減世帯 | 11,600円 | 5,040円 | 16,640円 |
| 上記以外(軽減なし) | 14,500円 | 6,300円 | 20,800円 |
軽減なしの未就学児は医療29,000円+支援12,600円=41,600円が、5割減額されて20,800円。7割軽減世帯なら6,240円まで下がります。
対象は「0歳児から当年度中に6歳になる方まで」。市は「令和4年度から」の制度としています。申請は不要です。
未就学児には介護分がかからず、子ども支援分の均等割も18歳未満は全額軽減なので、均等割は医療分と支援金分の2つだけです。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 179,900円 + 均等割 101,500円 + 平等割 19,400円 ⇒ 300,800円
- 後期支援分: 所得割 79,670円 + 均等割 44,100円 + 平等割 8,400円 ⇒ 132,170円
- 介護分: 所得割 64,250円 + 均等割 24,400円 + 平等割 6,200円 ⇒ 94,850円
- 子ども分: 所得割 7,710円 + 均等割 2,600円 + 平等割 800円 ⇒ 11,110円
合計: 年間 約538,930円(月あたり約44,900円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 111,300円 + 均等割 29,000円 + 平等割 19,400円 ⇒ 159,700円
- 後期支援分: 所得割 49,290円 + 均等割 12,600円 + 平等割 8,400円 ⇒ 70,290円
- 介護分: 所得割 39,750円 + 均等割 12,200円 + 平等割 6,200円 ⇒ 58,150円
- 子ども分: 所得割 4,770円 + 均等割 1,300円 + 平等割 800円 ⇒ 6,870円
合計: 年間 約295,010円(月あたり約24,600円)
単身世帯でも平等割が合計で年34,800円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 211,500円 / 後期支援分 93,230円 / 介護分 76,650円 / 子ども分 9,090円 ⇒ 合計 約390,470円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 66,580円 / 後期支援分 29,138円 / 介護分 24,670円 / 子ども分 2,874円 ⇒ 合計 約123,262円
差額は年間およそ26万7千円。届出書1枚でこれだけ違います。前橋市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は前橋市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 前橋市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども支援分の均等割1,300円は18歳以上の被保険者にのみかかります。市は「子ども支援分の18歳未満における均等割額は全額軽減されます」「均等割額に18歳以上均等割額(1人あたり100円)を含んでいます」としています。子ども支援分にも平等割800円があります。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 前橋市 健康部 国民健康保険課 賦課係(027-898-6250)
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
会社都合で離職された方は、非自発的失業者に係る軽減が使えます。前橋市の条件は「離職時点の年齢が65歳未満」かつ「雇用保険を受給しており雇用保険受給資格者証又は同通知の離職理由が11、12、21、22、23、31、32、33、34のいずれか」。離職理由コードを9種類すべて列挙しているので、受給資格者証と突き合わせればすぐ判定できます。
軽減内容は「該当者の給与所得を30%に減額して算定」です。
給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯で試算します。課税標準額は276万-43万=233万円。所得割は233万×12.9%=300,570円、均等割55,100円と平等割34,800円を足して年約39.0万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。課税標準額は39.8万円まで下がり、所得割は51,342円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割の軽減判定も行われます。単身世帯なら2割軽減の基準は43万+57万=100万円。82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割+平等割の89,900円が71,920円に。
合計は約12.3万円。差はおよそ26.7万円です。
前橋市は平等割があるぶん軽減の効果も大きくなります。7割軽減なら均等割+平等割から年約6.3万円が減ります。
注意すべき落とし穴が3つあります。
①「離職後、引き続き2年間任意継続してから国保に加入した場合は適用になりません」。任意継続を満了してから国保に入ると、この軽減は使えません。任意継続と国保、どちらが安いかを判断する際に必ず考慮すべき点です。
②「他市区町村で減額を受けていた方が本市へ転入した場合、再申告が必要です」。軽減は自動では引き継がれません。
③申告が必要です。市は「申告には、雇用保険受給資格者証又は同通知(ハローワーク発行)が必要です」としています。ただし「雇用保険受給資格者証の提出が困難な場合には、マイナンバーを利用した情報連携により、手続きできる場合があります」。
窓口は国民健康保険課 賦課係(027-898-6250)です。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 前橋市の減免制度|要申請
前橋市の軽減制度は1〜4の4種類、減免制度は別枠で整理されています。軽減制度1(低所得軽減)と2(未就学児)は申請不要、3(非自発的失業)と4(産前産後)は申告・届出が必要です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 軽減制度1 所得が一定額以下の世帯への軽減 (申請不要/要・所得申告) | 軽減判定所得(世帯主・国保被保険者・特定同一世帯所属者全員の前年所得の合計)が①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②43万円+31万円×被保険者数+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=5割、③43万円+57万円×被保険者数+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=2割 | 均等割額及び平等割額が減額。市は「申告をしていないと軽減されません」と明記しています |
| 軽減制度2 未就学児に係る均等割額の減額 (申請不要) | 未就学児(0歳児から当年度中に6歳になる方まで) | 均等割額が5割減額。市は軽減区分ごとの減額後の実額を公開(7割軽減世帯なら医療4,350円・支援1,890円) |
| 軽減制度3 非自発的失業者に係る軽減 (要申告) | 離職時点の年齢が65歳未満かつ、雇用保険受給資格者証等の離職理由が11・12・21・22・23・31・32・33・34のいずれか | 該当者の給与所得を30%に減額して算定。「離職後、引き続き2年間任意継続してから国保に加入した場合は適用になりません」 |
| 軽減制度4 産前産後期間に係る軽減 (要届出) | 出産(予定)日が令和5年11月1日以降の被保険者。「出産とは、妊娠85日以上の分娩をいい、死産、流産、早産及び人工妊娠中絶を含みます」 | 産前産後の一定期間(単胎妊娠4か月分・多胎妊娠6か月分)の所得割額・均等割額が軽減 |
| 減免制度(要申請・納期限まで) | ①社会保険の被保険者が後期高齢者医療制度に移行し、65歳以上の被扶養者が国保に加入した場合 ②災害に遭ったときや、傷病・廃業などにより課税年の世帯の所得が前年に比べて皆無又は著しく減少する見込みの場合 ③収監されている場合 | ②は「納期限までに理由を証明する書類を添えて申請されたものが対象」。「納付済みのものや、納期限を過ぎた期別の税額は減免の対象にはなりません」 |
| 後期高齢者医療制度移行に伴う国保税緩和措置 | 国保から後期高齢者医療制度に移行したことで世帯の国保被保険者が減少した世帯 | 特定同一世帯所属者の人数及び所得を含めて軽減判定。「後期高齢者医療制度に移行した後に、世帯主変更などがあった場合は適用されなくなります」 |
前橋市の軽減判定所得には、通常の所得計算とは異なる5つのルールが適用されます。市が明記しているのは次のとおりです。
①「専従者給与は、事業主の事業所得に繰り戻されます」——青色事業専従者給与を家族に払っている自営業世帯では、その分が事業主側の所得に戻されて判定されます。
②「土地建物等の譲渡所得には、特別控除が適用されません」——マイホームを売った3,000万円特別控除などは、軽減判定では効きません。不動産を売った年は軽減から外れる可能性が高いということです。
③「雑損失の繰越控除が適用されます」——災害や盗難による損失の繰越が、軽減判定では引けます。所得割の計算では引けない自治体が多いなか、判定側では有利に働く扱いです。
④「賦課年度の前年の12月31日現在で65歳以上の方の公的年金所得から15万円が控除されます」——65歳以上の年金受給者は、判定所得が15万円下がります。境界線上の世帯では軽減区分が1段階変わることがあります。
⑤「青色申告で繰越純損失がある場合、専従者給与分を繰越純損失から除きます」。
市は具体的な軽減世帯対象例も示しています。
「世帯構成:世帯主(夫)/自営業、妻/年金所得者(給与所得者等)、子/給与所得者(給与所得者等)」「3名の令和7年中の所得合計(軽減判定所得):200万円」
「軽減判定基準額=43万円+57万×3(被保険者数)+10万円×(2(給与所得者等の数)-1)=224万円>200万円」「結果:2割軽減該当」
給与所得者等が2人いるので、10万円が1回だけ加算されて224万円。所得合計200万円がこれを下回るので2割軽減、という流れです。「給与所得者等の数-1」という式の意味が、実例で確認できます。
「給与所得者等」の定義も明示されています。「給与収入55万円超、65歳未満で年金受給額60万円超又は65歳以上で年金受給額125万円超の者」。
そして軽減には所得申告が必須です。市は「収入がなかった方や遺族年金・障害年金などの非課税所得のみだった方も、市・県民税又は国民健康保険税の申告が必要です」としています。収入ゼロでも申告しないと7割軽減が受けられません。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
- スマホ決済(請求書払い)
- コンビニ納付
- 納付書による金融機関窓口払い
- 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)
前橋市の国保税は普通徴収(納付書又は口座振替)で年8期+随時1期という構成です。
市の納期表はこうなっています。第1期7月31日/第2期8月31日/第3期9月30日/第4期11月2日/第5期11月30日/第6期12月25日/第7期2月1日/第8期3月1日、そして3月31日に「随1期」。
4月・5月・6月には納期がありません。令和8年4月から令和9年3月までの12か月分を、7月から翌年2月までの8期に振り分ける方式です。
市は「国保加入等の届出の時期によって、振り分けられる納期が変わりますので、1期分が1か月分の税額とは限りません」と注意しています。7月以降に加入した人は残りの期数で割るので、1期あたりの金額が大きくなります。
第6期の納期限が12月25日と月末より早い点、口座振替は各納期限に引き落としされる点も押さえておきましょう。
年齢の節目についての説明も具体的です。
「介護納付金分は、40歳に到達する月から月割して課税となります。なお、1日が誕生日の場合、前月分から課税となります」——1日生まれは1か月早く介護分が始まります。年齢到達日が「誕生日の前日」となる民法の考え方によるものです。
「75歳になると後期高齢者医療制度の被保険者に移行します。年度の途中に75歳を迎える人は、75歳に達する月の前月までの分を、納期(最大年8回)に分割して課税となります」。
加入手続きが遅れた場合についても明記されています。「前橋市へ転入した日、職場の健康保険の資格喪失日、生まれた日などが国保の加入日です。加入手続きが遅れても、国保の資格が発生した日にさかのぼって国民健康保険に加入することとなり、加入日以降の期間について国保税がかかります」。届出が遅れても保険税は減りません。
年度途中の加入・脱退は「国保に加入した月分から、国保を脱退した月の前月分までの月割税額が賦課されます」。
市は「令和8年度国民健康保険税の試算をしたいとき」という専用ページを公開しています。窓口は国民健康保険課 賦課係(027-898-6250)で、自動応答を導入中、職員対応は平日9時から17時までです。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 前橋市の国保窓口一覧
国保税の計算・軽減・減免の相談は前橋市役所 健康部 国民健康保険課 賦課係が窓口です。電話は自動応答を導入中で、職員対応は平日9時から17時までです。
| 窓口 | 電話番号 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 健康部 国民健康保険課 賦課係 〒371-8601 群馬県前橋市大手町二丁目12番1号 職員対応は平日9時〜17時 | 027-898-6250 (自動応答を導入中) ファクス 027-243-9243 | 国保税の算定・課税、低所得軽減、未就学児の減額、非自発的失業者に係る軽減、産前産後期間の軽減、各種減免、保険税の試算、国民健康保険税申告 |
非自発的失業の軽減は「離職後、引き続き2年間任意継続してから国保に加入した場合は適用になりません」。任意継続と国保の比較では必ず考慮してください。
他市区町村で減額を受けていた方が前橋市へ転入した場合、再申告が必要です。軽減は自動では引き継がれません。
雇用保険受給資格者証の提出が困難な場合、マイナンバーを利用した情報連携で手続きできる場合があります。まず賦課係へ相談を。
減免(災害・傷病・廃業など)は納期限までに申請したものが対象です。納付済み・納期限経過分は対象外になります。
収入がなかった方や遺族年金・障害年金などの非課税所得のみだった方も申告が必要です。申告しないと軽減されません。
8. よくある質問(前橋市の国保)
Q1. 医療分の限度額が67万円になったと聞きました。
A. 令和8年度から前年度より1万円引き上げられました。4区分の合計は113万円です。
市は「医療分の課税限度額(上限)が、前年度から1万円引き上げられました」と明記しています。
令和8年度の課税限度額は次のとおりです。
医療分:67万円(前年度から1万円引き上げ)
支援金分:26万円
介護分:17万円
子ども支援分:3万円
合計:113万円
医療分を66万円のままにしている自治体も多く、その場合の合計は112万円です。前橋市は1万円高い上限ということになります。
限度額に到達する所得の目安を出します。単身40〜64歳で医療分だけを見ると、67万円-平等割19,400円=650,600円が所得割の上限。650,600円÷7.0%=約930万円の課税標準額(給与収入なら約1,150万円程度)で医療分が上限に達します。
上限に達すると、それ以上所得が増えても保険税は増えません。逆にいえば年収1,000万円台の自営業世帯では113万円で頭打ちになります。
限度額は区分ごとに判定されるので、医療分だけ上限で支援金分は上限未満ということも起こります。
限度額の引き上げは、高所得層の負担を増やして中間層の税率上昇を抑えるという考え方によるものです。
Q2. 子ども支援分に平等割があるのはなぜですか?
A. 前橋市は子ども支援分を3方式(所得割+均等割+平等割)で組んでいます。全国的には珍しい構成です。
令和8年度に新設された子ども・子育て支援納付金分は、多くの自治体が所得割+均等割だけで組んでいます。前橋市は平等割800円まで設定しました。
他市と比べてみます。
前橋市:所得割0.30%/均等割1,300円(18歳以上)/平等割800円
三鷹市(東京):0.30%/1,846円+18歳以上98円/平等割なし
新座市(埼玉):0.29%/1,800円+18歳以上100円/平等割なし
理由は前橋市がもともと3方式の自治体だからです。医療分・支援金分・介護分のすべてに平等割があるので、新設された子ども支援分も同じ構成に揃えたと考えられます。
均等割の書き方も独特です。市は「18歳以上の被保険者数×1,300円」と定義したうえで、「均等割額に18歳以上均等割額(1人あたり100円)を含んでいます」と補足しています。
つまり1,300円=本体1,200円+18歳未満の子の分を肩代わりする100円という構造です。
18歳未満の均等割は0円。市は「子ども支援分の18歳未満における均等割額は全額軽減されます」としています。
単身世帯だと子ども支援分は所得割0.3%+均等割1,300円+平等割800円。課税標準額200万円なら6,000円+2,100円=8,100円です。
Q3. 未就学児の均等割はいくらになりますか?
A. 前橋市は軽減区分ごとの減額後の実額を円単位で公開しています。軽減なしで20,800円、7割軽減世帯なら6,240円です。
市が公表している表は次のとおりです(令和8年度)。
7割軽減世帯:医療給付費分4,350円/後期高齢者支援金分1,890円(合計6,240円)
5割軽減世帯:7,250円/3,150円(合計10,400円)
2割軽減世帯:11,600円/5,040円(合計16,640円)
上記以外(軽減なし):14,500円/6,300円(合計20,800円)
計算を確認します。未就学児の均等割は医療29,000円+支援12,600円=41,600円。ここからまず世帯の法定軽減を適用し、その後さらに5割減額します。
7割軽減世帯なら29,000×0.3×0.5=4,350円、12,600×0.3×0.5=1,890円。市の公表値とぴったり一致します。
対象は「0歳児から当年度中に6歳になる方まで」。市は「令和4年度から」の制度としています。
未就学児には介護分がかからず、子ども支援分の均等割も18歳未満は全額軽減されるので、均等割は医療分と支援金分の2つだけです。
申請は不要です。ただし法定軽減の判定には所得申告が必要なので、収入がなくても申告は済ませておいてください。
Q4. 任意継続を2年間使ってから国保に入ると、失業の軽減は使えますか?
A. 使えません。前橋市は「離職後、引き続き2年間任意継続してから国保に加入した場合は適用になりません」と明記しています。
これは見落としやすい落とし穴です。退職直後に国保へ入れば軽減が使えたのに、任意継続を選んだために使えなくなるケースがあります。
非自発的失業者の軽減は「離職日の翌日から翌年度末まで」という期間限定の制度です。任意継続の2年間はこの期間とほぼ重なるため、満了後に国保へ入ってももう対象期間が終わっているのです。
退職直後にどちらが安いかを比べるときは、この軽減を織り込んで計算してください。
実額で見ます。給与収入400万円の40代単身世帯なら、
軽減なしの国保:年約39.0万円
軽減ありの国保:年約12.3万円
差は約26.7万円。任意継続の保険料が国保より年20万円安かったとしても、軽減を使った国保のほうが有利になる可能性があります。
もうひとつの落とし穴が転入時の再申告です。市は「他市区町村で減額を受けていた方が本市へ転入した場合、再申告が必要です」としています。軽減は自動では引き継がれません。
対象となる離職理由コードは11、12、21、22、23、31、32、33、34の9種類。雇用保険受給資格者証で確認できます。
「雇用保険受給資格者証の提出が困難な場合には、マイナンバーを利用した情報連携により、手続きできる場合があります」。まずは国民健康保険課 賦課係(027-898-6250)へ相談してください。
Q5. 家を売った年は軽減が受けられなくなりますか?
A. 受けられなくなる可能性が高いです。前橋市は「土地建物等の譲渡所得には、特別控除が適用されません」と明記しています。
所得税や住民税では、マイホームを売ったときに3,000万円の特別控除が使えます。ところが国保税の軽減判定所得では、この特別控除が適用されません。
具体例で見ます。3,500万円で買った家を4,000万円で売った方(譲渡益500万円)。
所得税・住民税:500万-3,000万=0円(課税なし)
国保税の軽減判定所得:500万円がそのまま算入
年金収入だけで暮らしていて7割軽減を受けていた世帯でも、家を売った翌年度は軽減がなくなり、所得割も課されることになります。
前橋市の所得割は12.9%なので、500万円の譲渡益で年約64.5万円の増。限度額113万円に達する可能性もあります。
軽減判定所得には、他にも通常と異なるルールが適用されます。市が挙げているのは次の5点です。
「専従者給与は、事業主の事業所得に繰り戻されます」
「土地建物等の譲渡所得には、特別控除が適用されません」
「雑損失の繰越控除が適用されます」
「賦課年度の前年の12月31日現在で65歳以上の方の公的年金所得から15万円が控除されます」
「青色申告で繰越純損失がある場合、専従者給与分を繰越純損失から除きます」
65歳以上の年金所得から15万円の控除は有利に働くルールです。境界線上の世帯では軽減区分が1段階変わることがあります。
不動産の売却を予定している方は、売る年をずらすだけで国保税が数十万円変わることもあります。事前に賦課係へ相談してください。
Q6. 4月から5月に納付書が届きません。滞納になりますか?
A. なりません。前橋市の納税通知書は毎年7月中旬発送で、第1期の納期限は7月31日です。
市は「納税通知書は、毎年7月中旬に世帯主宛に郵送します。7月以後に加入手続きをした場合は、手続きの翌月に郵送します」としています。
4月・5月・6月には納期がありません。令和8年4月から令和9年3月までの12か月分を、7月から翌年2月までの8期に振り分けるためです。
令和8年度の納期限は次のとおりです。
第1期7月31日/第2期8月31日/第3期9月30日/第4期11月2日/第5期11月30日/第6期12月25日/第7期2月1日/第8期3月1日、そして3月31日に「随1期」。
第6期が12月25日と月末より早い点に注意してください。年末は金融機関の営業日の関係で前倒しになります。
1期分=1か月分ではありません。市は「国保加入等の届出の時期によって、振り分けられる納期が変わりますので、1期分が1か月分の税額とは限りません」と注意しています。
たとえば10月に加入した人は、10月〜3月の6か月分を第4期以降の5期に割るので、1期あたりの金額が大きくなります。
口座振替の場合は各納期限に引き落としされます。市は「口座情報は、納税通知書に記載されます」としています。
年度途中で加入・脱退した場合は「国保に加入した月分から、国保を脱退した月の前月分までの月割税額が賦課されます」。
減免を申請する場合は納期限までに。市は「納付済みのものや、納期限を過ぎた期別の税額は減免の対象にはなりません」としています。
Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、軽減制度1 所得が一定額以下の世帯への軽減
(申請不要/要・所得申告)・軽減制度2 未就学児に係る均等割額の減額
(申請不要)・軽減制度3 非自発的失業者に係る軽減
(要申告)・軽減制度4 産前産後期間に係る軽減
(要届出)・減免制度(要申請・納期限まで)・後期高齢者医療制度移行に伴う国保税緩和措置などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に前橋市 健康部 国民健康保険課 賦課係(027-898-6250)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|前橋市の国保で押さえるべきポイント
- 前橋市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分7.00%・後期支援分3.10%・介護分2.50%・子ども分0.30%
- 均等割は医療分29,000円・後期支援12,600円・介護12,200円・子ども1,300円、平等割は合計で年34,800円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 医療分の課税限度額が前年度から1万円引き上げられて67万円。4区分の合計は113万円(112万円の自治体より1万円高い)
- 子ども支援分にも平等割800円がある全国的に珍しい構成。均等割1,300円は18歳以上のみ(うち100円が肩代わり分)
- 未就学児の均等割は減額後の実額を公開。軽減なし20,800円、7割軽減世帯なら6,240円
- 非自発的失業の軽減は「2年間任意継続してから国保に加入した場合は適用になりません」。任意継続との比較時は要注意
- 軽減判定所得では土地建物等の譲渡所得に特別控除が適用されない。家を売った翌年度は軽減が外れる可能性
- 納期は7月〜翌2月の8期+3月31日の随1期。4〜6月に納期はなく、納税通知書は7月中旬に届く
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年26万7千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は前橋市 健康部 国民健康保険課 賦課係(027-898-6250)
出典・参考:
・前橋市公式:国民健康保険税(国保税)について(令和8年度税率)
・前橋市公式:国民健康保険税の軽減・減免
・前橋市公式:令和8年度国民健康保険税の試算をしたいとき
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は前橋市公式サイトでご確認ください。