【2026年最新版】出産前後の国民年金・国民健康保険料の免除・軽減制度|産前産後の手続きを完全ガイド

出産は、うれしい一方でお金の不安もつきまとうもの。「働けない時期の保険料、なんとかならないの?」――そう思った人に、ぜひ知っておいてほしい制度があります。出産前後の一定期間、国民年金の保険料が”免除”され、国民健康保険料も”軽減(免除)”される仕組みです。しかも国保の軽減は、2024年(令和6年)1月にスタートしたばかりの新しい制度。知らずに払い続けている人、けっこう多いんです。これは絶対に申請したほうがいい。

この記事では、産前産後の「国民年金の保険料免除」と「国民健康保険料の軽減」を、対象期間・条件・手続きまで2026年の最新情報で整理します。会社員(厚生年金・社保)ではなく、自営業・フリーランス・無職などで国民年金・国保に入っている人が対象です。

2つの制度をまず整理
国民年金の産前産後免除…2019年4月から。保険料が全額免除、しかも免除期間も「納付済み」扱いで将来の年金が減らない
国民健康保険料の産前産後軽減…2024年1月からの新制度。所得割・均等割の該当分を軽減(免除)

① 国民年金の産前産後期間の保険料免除(2019年4月〜)

国民年金の第1号被保険者(自営業・フリーランス・学生・無職など)が出産する場合、産前産後期間の保険料が全額免除されます。

対象期間

  • 出産予定日(または出産日)が属する月の前月から4か月間
  • 多胎妊娠(双子以上)は、出産予定月の3か月前から6か月間

この制度のすごいところ

普通の免除と違い、産前産後免除は免除された期間も「保険料を納めた期間」として扱われ、将来の年金額が満額で計算されます。つまり、保険料を払わなくても損をしない。これがミソ。ここがやっかいなんですが、申請しないと適用されないので、出産予定日の6か月前から届け出ておきましょう(出産後でも届出可)。

② 国民健康保険料の産前産後軽減(2024年1月〜の新制度)

こちらが新顔。2024年(令和6年)1月から、出産する国保加入者の保険料(所得割・均等割)が、産前産後期間に相当する分だけ軽減(免除)されるようになりました。

対象期間

  • 出産予定月(または出産月)の前月から2か月後まで=計4か月分の保険料を軽減
  • 多胎妊娠は、出産予定月の3か月前から=計6か月分を軽減

対象になる人

  • 国保に加入していて、2023年11月1日以降に出産(予定)の人(制度開始の経過措置で初年度は一部月のみ対象)
  • 妊娠85日(4か月)以上の出産が対象。死産・流産・早産・人工妊娠中絶も含む

軽減されるのは「その人の分」の所得割・均等割。世帯の国保料からこの該当分が減額されます。低所得世帯の7割・5割・2割軽減とは別枠で、重ねて受けられるのもポイント。

計算例:産前産後の国保料はどれだけ減る?

たとえば、出産する人本人の国保料(所得割+均等割)が年間18万円(月1.5万円相当)だとします。

  • 単胎:4か月分が軽減 → 1.5万円 × 4 = 約6万円の軽減
  • 多胎:6か月分が軽減 → 1.5万円 × 6 = 約9万円の軽減

金額は自治体の料率や本人の所得で変わりますが、数万円〜が戻る・かからなくなる計算。これは申請しないと損です。

手続き・必要なもの

どちらの制度も、住んでいる市区町村の窓口で申請します(年金は年金窓口、国保は国保窓口。多くは同じ役所内)。

  • 母子健康手帳など、出産予定日・出産日が分かるもの
  • マイナンバーが分かるもの・本人確認書類
  • (出産後の申請なら)親子関係が分かる書類など

国民年金は出産予定日の6か月前から、国保軽減も出産予定日の前から申請できます。出産後の申請も可能ですが、早めに動くのが安心。

ケース別モデルケース

ケース1:フリーランスで第1子出産の佐藤さん(31歳・国民年金+国保)

5月出産予定。
→ 国民年金は4〜7月の4か月分が全額免除(将来の年金は減らない)。国保も4〜7月相当の本人分保険料が軽減。両方の窓口で母子手帳を見せて申請。合計で十数万円の負担減に。

ケース2:双子を出産する田中さん(34歳・自営業)

多胎妊娠で8月出産予定。
→ 国民年金は5〜10月の6か月免除、国保も6か月分軽減。多胎は期間が長いぶん恩恵も大きい。早めに届け出て満額カバー。

ケース3:制度を知らず払い続けていた鈴木さん(29歳)

2024年に出産したが、国保の産前産後軽減を知らずに保険料を全額納付。
→ あとで制度を知り役所に相談。さかのぼって軽減・還付の手続きができた。新制度は見落とされがちなので、出産したら必ず確認を。

ケース4:会社員(社保)の高橋さん(33歳)

勤務先の社会保険(厚生年金・健保)に加入。
→ この記事の国民年金・国保の制度ではなく、社保側の「産前産後休業の保険料免除」が適用される(会社経由で手続き)。自分がどの保険かで制度が違う点に注意。

自分が対象か判断するフロー

  1. あなたは国民年金(第1号)・国民健康保険に加入している? → Yes なら対象(会社の社保なら別制度)
  2. 妊娠85日以上の出産(予定)? → 死産・流産・早産も含む
  3. 国民年金:出産予定月の前月から4か月(多胎は3か月前から6か月)を免除申請
  4. 国保:同様の期間の本人分保険料の軽減を申請
  5. 出産予定日の6か月前から窓口へ(出産後でも可)

よくある質問(FAQ)

Q1. 国民年金の産前産後免除は、将来の年金が減りますか?

減りません。産前産後免除の期間は「保険料を納付した期間」として扱われ、将来の老齢基礎年金が満額で計算されます。普通の免除(全額免除など)とは違う、優遇された仕組みです。

Q2. 国保の産前産後軽減はいつから始まった制度ですか?

2024年(令和6年)1月からです。比較的新しいため見落とされがち。2023年11月以降の出産が対象(初年度は経過措置あり)で、妊娠85日以上の出産が対象です。

Q3. 流産・死産でも対象になりますか?

妊娠85日(4か月)以上であれば、死産・流産・早産・人工妊娠中絶も対象になります。母子手帳がない場合の証明方法は窓口で相談してください。

Q4. 低所得の軽減(7・5・2割)を受けていても、産前産後軽減は受けられますか?

受けられます。産前産後軽減は別枠で、低所得世帯向けの軽減と重ねて適用されます。

Q5. 出産後に申請しても間に合いますか?

間に合います。出産予定日の6か月前から、出産後でも申請可能です。ただし手続きが遅れると軽減の反映や還付に時間がかかるため、早めに。

Q6. 夫(配偶者)の分も免除されますか?

原則として、出産する本人の保険料が対象です。配偶者の国民年金・国保料は対象外です(社保の育休免除など別制度は別途確認を)。

まとめ:産前産後の免除・軽減チェックリスト

  • ☑ 対象は国民年金(第1号)・国保に入っている人(社保は別制度)
  • 国民年金:前月から4か月(多胎6か月)全額免除、年金は減らない
  • 国保:2024年1月開始の新制度で4か月分(多胎6か月)軽減
  • ☑ 妊娠85日以上の出産が対象(死産・流産も含む)
  • 低所得軽減と重ねて受けられる
  • 出産予定日の6か月前から申請(出産後も可)。知らないと損

出産という大きな出費の時期に、保険料の負担が数万円〜減るのは大きい。とくに国保の産前産後軽減は始まったばかりで見落とされがちです。妊娠が分かったら、母子手帳を持って役所の年金・国保窓口へ。これだけで、もらえるはずの軽減を取りこぼさずに済みます。なお出産時にもらえるお金は「出産育児一時金(1児50万円)」の記事もあわせてどうぞ。


※本記事は2026年6月時点の制度に基づきます。産前産後期間の対象月・申請方法・経過措置の取り扱いは、自治体により異なり、変更されることがあります。正確な内容・手続きは、日本年金機構およびお住まいの市区町村(国民年金・国民健康保険の窓口)の公式情報をご確認ください。
主な出典:日本年金機構「国民年金保険料の産前産後期間の免除制度」、各市区町村(西宮市・中央区・江東区・浜松市・岡山市ほか)「産前産後期間に係る国民健康保険料の軽減」案内。

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