日本は1961年に国民健康保険法が改正されて以降、国民皆保険の国です。日本国民の全員が、サラリーマンが会社で加入する健康保険か、もしくは国民健康保険に必ず加入する必要があります。
国民皆保険制度は、もし万が一けがや病気に罹った場合でも、どこの病院でも医療機関に関わらず診察や治療が受けられる素晴らしい制度です。
会社を辞めたら、国民健康保険
もし会社勤めを辞めた場合、通常は国民健康保険に加入します。
中には会社が倒産したりリストラに遭って失業する場合もありますが、失業して働いていなくても無職であっても、日本は国民皆保険なので、何かしらの健康保険に加入する必要があります。失業した場合、ほとんどの人は国民健康保険には加入することになります。
そして、収入のあるなしに関係なく、国民健康保険の保険料は自分が住んでいる地方自治体に納めなければいけません。
ただし、病気に罹って働けない場合や、会社が倒産したりリストラで失業し、次の仕事が見つからずどうしても国民健康保険の保険料が払えないというような場合には、保険料の軽減・減額・減免・免除の制度が設けられています。
また、東北大震災や熊本県の大地震のような水害や地震などで、住む家がなくなったり仕事を失い前年よりも前年より大幅に減った場合も、保険料の支払いの免除や支払いの一部が免除されます。
収入が一定額以下になれば国民健康保険の保険料が軽減される
住んでいる市区町村の地方自治体によって、国民健康保険の保険料が、軽減される要件や軽減される金額は異なってきます。
前の年の世帯所得額と世帯主を省く世帯内の加入者数によって、軽減の割合が7割・5割・2割と分かれています。
保険料の7割軽減の目安
あくまで目安ですが、
- 世帯内の加入者数が1~4人の場合で、世帯所得額が33万円以下
であれば保険料の7割軽減が適用されます。
保険料の5割軽減の目安
- 世帯内の加入者数が1人の場合で世帯所得額が57万5000円以下
- 世帯内の加入者数が2人の場合で世帯所得額が82万円以下
- 世帯内の加入者数が3人の場合で世帯所得額が106万5000円以下
- 世帯内の加入者数が4人の場合で世帯所得額が131万円以下
であれば保険料の5割軽減が適用されます。
保険料の2割軽減の目安
- 世帯内の加入者数が1人の場合で世帯所得額が78万円以下
- 世帯内の加入者数が2人の場合で世帯所得額が123万円以下
- 世帯内の加入者数が3人の場合で世帯所得額が168万円以下
- 世帯内の加入者数が4人の場合で世帯所得額が213万円以下
であれば保険料の2割軽減が適用されます。
自治体によって軽減の割合が異なることがあります
基本的には軽減の割合は7割・5割・2割の3つですが、住んでいる市区町村によっては3割の軽減を行っているの地方自治体もあります。
詳しくは、住んでいる市区町村役場の国民健康保険にお問い合わせください。
国民健康保険の保険料が軽減される対象所得金額
国民健康保険の保険料の軽減を決める所得金額は、世帯主の所得も含め、国民健康保険の資格がある人と同じ世帯者の全ての所得です。
また65歳以上の人は、年金など公的所得から15万円を差し引いた後の金額が所得と見なされ、事業専従者控除がある人は控除前の金額が所得と見なされます。
ただし、専従者の場合の給料は事業者の所得と見なされるため、専従者の所得としては計算されませんので注意が必要です。
また、国民健康保険の保険料の軽減は基本的に、自分の所得金額を自分で計算する必要がありあません。自分が住んでいる市役所や町役場に国民健康保険の保険料の軽減を申請すれば、申請人の所得金額を役所で調べ軽減の割合が7割・5割・2割のいずれかに決まります。
ただし地方自治体にによっては申請が必要な場合もありますので、各市区町村に直接お問い合わせください。
また、この場合の世帯人数とは、
- 国民健康保険の保険料の軽減を申請する年の4月1日の時点で
- 家族の中で国民健康保険の人数と国民健康保険から後期高齢者医療制度へ変更した人数を合わせたもの
です。
会社が倒産したりリストラに遭った場合は軽減措置を活用しよう
2013年3月31日以降に会社が倒産したりリストラに遭って失業した場合は、国民健康保険の保険料の軽減措置があります。適用となるのは、医療分保険料と後期高齢者支援金分保険料と介護保険料です。
対象期間は、会社を退職した日の翌日から翌年の年度末までで、対象になる要件は雇用保険受給資格者の離職理由によって異なります。
会社の倒産やリストラの場合は、軽減措置の適用になりますが、自己都合退職と呼ばれる転職など自分の都合で退職する場合は軽減措置の適用外になります。
会社の倒産やリストラや災害などで仕事を失ったり働けくなった場合は、市役所や町役場に相談して、国民健康保険料の軽減措置を活用できるかどうか確認し、払える金額で納めていくことをおすすめします。