由布市の国民健康保険|令和8年度の保険税・減免・申請窓口を完全ガイド
由布市は大分県のほぼ中央、由布岳のふもとに広がる温泉の市です。2005年に挾間町・庄内町・湯布院町が合併して誕生し、湯布院温泉や金鱗湖で知られる観光地と、挾間・庄内の田園地帯・住宅地が同居しています。
この記事では、市の公式ページ「令和8年度国民健康保険税率について」「国民健康保険の減免・軽減制度について」などで確認した令和8年度の税率をもとに、由布市の国保税の計算方法、軽減・減免、産前産後の免除、窓口をまとめました。
由布市の国保でまず押さえたいのは3つのポイントです。
①令和8年度は医療分が引き下げ。医療分の所得割は9.92%から9.60%へ、均等割は30,000円から28,900円へ、平等割は19,300円から18,700円へ下がりました。ただし新設の子ども・子育て支援金分(所得割0.32%)が上乗せされるため、全体の負担は後述のとおりほぼ横ばいです。
②大分県は令和11年度に県内の税水準の統一を目指しており、由布市は「県の試算値と大きな差がある」と市自身が公表しています。基金残高も令和6年度末には約1億2,706万円まで減っており、今後の改定に注意が必要です。
③窓口は本庁舎の保険課と、挾間・湯布院の両振興局。合併市らしく、3地域のどこでも届出ができます。
数字はすべて市の公表値です。計算例は当サイトの試算で、市の試算ではありません。
1. 由布市の国民健康保険の概要
由布市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
由布市の保険税は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。
由布市の国保は「保険税」ではなく「保険税」です。市の公式ページの見出しも「国民健康保険税率」で、資産割はありません(所得割・均等割・平等割の3方式)。医療分・後期高齢者支援金分・介護分・子ども・子育て支援金分の4区分すべてに平等割があります(介護分は世帯に40〜64歳の人がいるときだけ)。
納税義務者は世帯主です。市は「世帯主が勤務先の健康保険に入っていても、世帯の誰かが国保に加入していれば、世帯主が納税義務者になる」と案内しています。
市は国保の構造的な課題として「加入者に高齢者が多く、1人あたり医療費が増えていること」「加入者に低所得者が多く、保険税の負担が重いこと」の2点を挙げています。令和8年度からは子ども・子育て支援金制度が始まり、国保税に4つ目の区分が加わりました。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険税の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 平等割(1世帯年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 9.60% | 28,900円 | 18,700円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 3.49% | 10,500円 | 6,800円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 3.26% | 11,500円 | 5,700円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.32% | 1,000円 (子ども・子育て支援金分は「所得割0.32%・均等割(被保険者1人900円+18歳以上1人100円)・平等割600円」。市の税率表は「子ども・子育て支援金分 900円」と「18歳以上均等割 100円」の2行に分かれており、国の制度では18歳未満の子ども分の均等割は全額軽減されるため、18歳未満は0円、18歳以上は900円+100円=1,000円) | 600円 | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども・子育て支援金分は「所得割0.32%・均等割(被保険者1人900円+18歳以上1人100円)・平等割600円」。市の税率表は「子ども・子育て支援金分 900円」と「18歳以上均等割 100円」の2行に分かれており、国の制度では18歳未満の子ども分の均等割は全額軽減されるため、18歳未満は0円、18歳以上は900円+100円=1,000円。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は16.67%(医療分9.60%+支援金分3.49%+介護分3.26%+子ども・子育て支援金分0.32%/40〜64歳)。40歳未満と65歳以上なら13.41%です。令和7年度(医療9.92%・支援金3.49%・介護3.26%)の合計は40〜64歳で16.67%、40歳未満・65歳以上で13.41%で、合計の率は変わっていません。医療分の0.32ポイント引き下げと、子ども・子育て支援金分の0.32%がちょうど打ち消し合う形です。
均等割の合計は1人年51,600円(医療28,900+支援10,500+介護11,500+子ども分1,000/40〜64歳の18歳以上)。40歳未満・65歳以上の18歳以上は40,400円、18歳未満は39,400円(医療+支援。子ども分は軽減で0円)。未就学児は国の制度で医療分・支援金分の均等割がさらに5割軽減されます。
平等割は1世帯あたり年31,800円(医療18,700+支援6,800+介護5,700+子ども600)。介護分は世帯に40〜64歳の加入者がいるときだけなので、いなければ26,100円です。
賦課限度額は医療分67万円・支援金分26万円・介護分17万円・子ども分3万円で、合計113万円です(国が定める上限)。
医療分の引き下げが「実質ゼロ」になる理由:均等割で見ると、医療分は1,100円下がる一方、子ども分が18歳以上で1,000円(900円+100円)増えるため、差し引き100円しか動きません。平等割も医療分が600円下がり、子ども分の平等割600円が加わるので世帯の固定費は同額です。18歳未満の子どもがいる世帯だけは、子ども分の均等割が軽減されるぶん、医療分の引き下げの恩恵を受けます。
所得の申告は、所得がない人も必要です。軽減の判定は申告された所得で行われるため、未申告の人が世帯にいると軽減が正しく判定されません。
令和7年度→令和8年度の税率の動き(由布市公表)
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人) | 平等割(1世帯) |
|---|---|---|---|
| 医療分 | 9.60%(9.92%) | 28,900円(30,000円) | 18,700円(19,300円) |
| 後期高齢者支援金分 | 3.49%(3.49%) | 10,500円(10,500円) | 6,800円(6,800円) |
| 介護分(40〜64歳) | 3.26%(3.26%) | 11,500円(11,500円) | 5,700円(5,700円) |
| 子ども・子育て支援金分(新設) | 0.32% | 900円+18歳以上100円 | 600円 |
据え置きだったのは後期高齢者支援金分と介護分で、動いたのは医療分の引き下げと子ども・子育て支援金分の新設です。医療分の下げ幅(所得割0.32ポイント)と新設分(0.32%)が同じ数字なのは偶然ではなく、負担が大きく増えないように医療分で調整したと読めます(市の公表資料に調整の理由の記載はなく、これは税率表からの当サイトの推測です)。
実際に、40歳未満の単身世帯・総所得200万円(基準総所得金額157万円)で試算すると、令和7年度は年約277,100円、令和8年度は年約277,000円で、差は100円ほどです。40〜64歳の単身では約345,500円が約345,400円で、こちらも同水準です。
由布市が公表している国保財政の数字
由布市の税率ページには、国保の状況を示す3つのグラフが載っています。数字を読み取ると、由布市の事情がよくわかります。
| 項目 | 平成30年度 | 令和3年度 | 令和5年度 | 令和6年度 |
|---|---|---|---|---|
| 国保加入者数 | 7,426人 | 6,890人 | 6,150人 | ― |
| 保険税収納額 | 約6億4,834万円 | 約6億2,578万円 | 約5億5,532万円 | ― |
| 1人あたり医療費 | 452,857円 | 486,058円 | 508,564円 | ― |
| 基金残高 | 約4億2,851万円 | 約3億141万円 | 約2億1,227万円 | 約1億2,706万円 |
加入者は5年間で約1,300人(17%)減り、税収は約9,300万円減りました。その一方で1人あたり医療費は約5万6千円増えて、令和5年度に50万円を超えました。そのすき間を埋めてきたのが基金で、平成30年度の約4億2,851万円から令和6年度の約1億2,706万円まで、6年で約7割減っています。市は「基金の残高が少なくなり、このままでは財源不足を補填できなくなる見込み」と明記しています。将来の税率改定の可能性が、数字ではっきり見える自治体です。
県内の臼杵市・豊後大野市と比べると
市は「大分県が試算した推計値と由布市の税率には大きな差がある」としています。参考に、当サイトが記事化した臼杵市・豊後大野市の令和8年度の税率と並べ、40歳未満の単身世帯・総所得200万円(基準総所得金額157万円)の年間税額を試算しました。
| 市 | 所得割の合計率 (40歳未満) | 医療分の均等割 | 医療分の平等割 | 年間税額の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 由布市 | 13.41% | 28,900円 | 18,700円 | 約277,000円 |
| 豊後大野市 | 12.71% | 24,000円 | 19,000円 | 約259,300円 |
| 臼杵市 | 11.60% | 21,500円 | 19,400円 | 約235,200円 |
同じ条件で、由布市は豊後大野市より年約17,700円、臼杵市より年約41,800円高い水準です。所得割も均等割も3市で最も高く、平等割だけが医療分で最も低い(18,700円)という並びです。県内統一の水準に向けて差が縮まる方向になるのか、由布市が上がるのかは、令和11年度に向けた市の改定次第です(試算は当サイトによる概算で、各市の令和8年度の公表税率を使用しています)。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 246,720円 + 均等割 101,150円 + 平等割 18,700円 ⇒ 366,570円
- 後期支援分: 所得割 89,693円 + 均等割 36,750円 + 平等割 6,800円 ⇒ 133,243円
- 介護分: 所得割 83,782円 + 均等割 23,000円 + 平等割 5,700円 ⇒ 112,482円
- 子ども分: 所得割 8,224円 + 均等割 2,000円 + 平等割 600円 ⇒ 10,824円
合計: 年間 約623,119円(月あたり約51,900円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 152,640円 + 均等割 28,900円 + 平等割 18,700円 ⇒ 200,240円
- 後期支援分: 所得割 55,491円 + 均等割 10,500円 + 平等割 6,800円 ⇒ 72,791円
- 介護分: 所得割 51,834円 + 均等割 11,500円 + 平等割 5,700円 ⇒ 69,034円
- 子ども分: 所得割 5,088円 + 均等割 1,000円 + 平等割 600円 ⇒ 6,688円
合計: 年間 約348,753円(月あたり約29,100円)
単身世帯でも平等割が合計で年31,800円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 271,280円 / 後期支援分 98,617円 / 介護分 93,158円 / 子ども分 9,056円 ⇒ 合計 約472,111円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 76,288円 / 後期支援分 27,730円 / 介護分 26,735円 / 子ども分 2,554円 ⇒ 合計 約133,307円
差額は年間およそ33万9千円。届出書1枚でこれだけ違います。由布市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は由布市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険税の上限)
- 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 由布市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険税が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援金分は「所得割0.32%・均等割(被保険者1人900円+18歳以上1人100円)・平等割600円」。市の税率表は「子ども・子育て支援金分 900円」と「18歳以上均等割 100円」の2行に分かれており、国の制度では18歳未満の子ども分の均等割は全額軽減されるため、18歳未満は0円、18歳以上は900円+100円=1,000円。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険税軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 由布市 保険課(本庁舎本館1階・097-582-1121)、挾間振興局地域振興課 福祉保健係、湯布院振興局地域振興課 保険係
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
由布市の非自発的失業者軽減は、離職の翌日から翌年度末までの期間が対象で、前年の給与所得を100分の30とみなして税額を算定します。市の案内では、雇用保険受給資格者証の「12 離職理由」の欄が11・12・21・22・23・31・32・33・34のいずれかの人が対象です。離職日に65歳以上の人は対象外で、雇用保険特例受給資格者証の[特][高]の人も対象になりません。受給資格者証の「11 離職年月日」の翌日から翌年度末までが軽減期間になります。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険税軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 由布市の減免制度|要申請
由布市の公式ページ「国民健康保険の減免・軽減制度について」に載っている制度の一覧です。税の減免は事前に申請書を出すことが条件で、申請日以後に来る納期の分が対象(さかのぼって減免されるわけではありません)。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 所得割減免 (要申請) | 退職・失業・疾病などで当年の所得が前年に比べて著しく減ったとき。世帯主と国保加入者全員の前年中の所得金額の合計が400万円以下で、かつ当年中の所得金額等の合計が前年の10分の7以下に減ると見込まれること | 所得割額が減免される。申請は納期の前に。所得の見込みを示す書類が必要(詳細は保険課へ) |
| 天災等による減免 (要申請) | 天災で納税義務者が障がいを負ったとき、災害で住宅や農作物に被害が出たとき | 被害の程度に応じて減免。罹災証明などが必要になる場合がある |
| その他の減免 (要申請) | 前年と当年の収入が、生活保護基準等を準用した金額以下のとき | 生活保護基準に準じた収入の判定で減免。担当課への相談が前提 |
| 被扶養者に係る減免 (要申請) | 後期高齢者医療制度の創設に伴い、被用者保険(社会保険等)から後期高齢者医療に移った人の65歳以上の被扶養者が国保被保険者になったとき | 国保税が減免される(いわゆる「旧被扶養者」の減免) |
| 産前産後の免除 (要届出) | 出産する国保被保険者(妊娠85日=4か月以上の出産。死産・流産・早産を含む)。所得制限なし | 所得割額と均等割額を4か月分(多胎は6か月分)免除。令和6年1月分から実施。届出は出産予定日の6か月前から。提出先は保険課・挾間振興局・湯布院振興局 |
| 非自発的失業者の軽減 (要申請) | 雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者(離職理由コード11・12・21・22・23・31・32・33・34)。離職日に65歳未満 | 前年の給与所得を30/100とみなして算定。離職の翌日から翌年度末まで |
| 一部負担金(窓口負担)の減免 (要申請) | 震災・風水害・火災などの災害、干ばつ・冷害などによる収入の著しい減少、事業の休廃止・失業(自主廃業・定年退職を除く)などで、申請日の過去6か月以内に生活が困窮し、入院療養を受ける世帯。預貯金が生活保護基準生活費の3か月分以下であること。国保税を完納していること | 世帯の実収入月額が基準生活費の1.155倍以下で全額免除、1.155倍超〜1.2倍以下で2分の1に減額(原則3か月まで)。1.3倍以下で6か月以内に納付できる見込みがあれば、市が医療費を一旦立て替える徴収猶予 |
由布市のページで特徴的なのは、一部負担金の減免の倍率が「1.155倍」と細かいことです。市は計算例も載せています。たとえば71歳単身の世帯で、年金収入が月66,000円、社会保険料・税金が月5,000円、医療費が月24,000円なら、実収入月額は37,000円。基準生活費(生活扶助63,860円、持ち家で住宅扶助0円)の1.155倍=73,758円を下回るため、全額免除になります。一方、61歳の夫婦世帯で、年金収入が月245,000円、医療費が月67,800円の例は、実収入月額157,200円が基準生活費(114,410円)の1.3倍=148,733円を上回り、非該当です。なお、市の例は令和元年10月時点の基準生活費で計算されているため、実際の判定は最新の基準で行われます。すでに支払った一部負担金は対象外なので、支払う前に保険課へ相談するのが鉄則です。
保険税が重いと感じたときの選択肢は保険税が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(由布市指定の金融機関または市役所に備え付けの「口座振替利用申込書」で申込み。納め忘れがなく市もすすめている方法)
- 納付書(市役所会計課・挾間庁舎・湯布院庁舎、指定金融機関の大分銀行、収納代理機関の豊和銀行・大分みらい信用金庫・大分県信用組合)
- コンビニ納付(MMK設置店・スリーエイト・生活彩家・ローソンストア100)
- 郵便局(近くに納付場所がない場合は、全国の郵便局で使える払込取扱票を送付。税務課収納対策推進室へ連絡)
由布市の公式ページでは、国保税の納期の日付は公開されていません(税率ページにも納付ページにも記載なし)。納期は毎年度の納税通知書で確認してください。納付場所は市役所(会計課)・挾間庁舎・湯布院庁舎の3か所が窓口、金融機関は大分銀行(指定)・豊和銀行・大分みらい信用金庫・大分県信用組合です。
コンビニでは使えない納付書があります:①納期限が過ぎたもの、②バーコードが印字されていないもの、③1枚あたりの金額が30万円を超えるもの、④破損・汚損でバーコードが読み取れないもの、⑤金額を訂正したもの。
滞納の措置は市のページに具体的に書かれています。納期限を過ぎると督促が行われ延滞金がかかることがあり、納期限から1年6か月を過ぎると、国保の給付の全部または一部が差し止めになることがあります。さらに1年以上の滞納(特別の事情がない場合)で「特別療養費」に変更されます。令和6年12月2日のマイナ保険証への一本化で従来の短期被保険者証は廃止され、代わりに医療機関の窓口で医療費を10割負担し、後日、領収書を持って申請すると3割(または2割)を引いた額が支給される仕組みです。変更前には事前通知が届きます。払うのが難しいときは、税務課収納対策推進室(097-529-8788)か保険課へ早めに相談してください。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保税の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 由布市の国保窓口一覧
由布市の国保の窓口は、本庁舎本館1階の保険課です。挾間振興局(地域振興課 福祉保健係)と湯布院振興局(地域振興課 保険係)でも、産前産後免除の届出などを受け付けています。転出入や出産・死亡などの異動は、先に市民課・地域振興課で届出をしてから国保の手続きに進みます。
| 窓口 | 電話番号 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 保険課 (本庁舎本館1階) | 097-582-1121 | 加入・脱退の届出、税率・税額の相談、減免申請、非自発的失業者の軽減、産前産後免除、高額療養費、限度額適用認定、出産育児一時金・葬祭費、一部負担金の減免 |
| 挾間振興局 地域振興課 福祉保健係 | 電話番号は由布市公式サイトの各庁舎案内で確認 | 産前産後免除の届出(市の案内に提出先として記載)、国保関連の窓口 |
| 湯布院振興局 地域振興課 保険係 | 電話番号は由布市公式サイトの各庁舎案内で確認 | 産前産後免除の届出(市の案内に提出先として記載)、国保関連の窓口 |
| 税務課 収納対策推進室 (本庁舎本館1階) | 097-529-8788 | 滞納・納付の相談、郵便局払込取扱票の送付依頼 |
加入・脱退の届出は14日以内です。市は「国保の加入者になるのは、届出をした日ではなく実際の異動があった日。届出が遅れても、さかのぼって保険税を納めていただく」と案内しています。
共通して必要なものは、世帯主と対象者のマイナンバーが確認できるもの、窓口に来る人の身分証明書、別世帯の人が来るときの委任状です。職場の健康保険をやめたときは、健康保険喪失連絡票(離職票・雇用保険受給資格者証とは別のもの)が必要です。
脱退のときは、職場の健康保険に入った日の翌日が資格喪失日です。国保の保険証等(対象者全員分)と、新しい保険証等、口座のわかる通帳などを持参します。保険証等には、保険証・資格確認書・資格情報のお知らせが含まれます。
マイナ保険証があれば限度額適用認定証は申請不要です。マイナ保険証がない人で認定証が必要な場合は、医療機関にかかる前に保険課で申請します(保険税を滞納していると限度額の適用が受けられないことがあります)。
8. よくある質問(由布市の国保)
Q1. 由布市の令和8年度の国保税は、令和7年度より上がりましたか?
A. ほぼ横ばいです。医療分は所得割9.92%→9.60%、均等割30,000円→28,900円、平等割19,300円→18,700円に下がりましたが、令和8年度から子ども・子育て支援金分(所得割0.32%・均等割900円+18歳以上100円・平等割600円)が新たに加わりました。
40歳未満の単身・総所得200万円の試算では、令和7年度が年約277,100円、令和8年度が約277,000円で、差は100円ほどです(当サイトの試算)。ただし、基金が減り、県内統一(令和11年度)も控えているため、今後は改定の可能性があります。
Q2. 由布市の国保税は、県内の他の市と比べて高いですか?
A. 当サイトの試算では、臼杵市・豊後大野市より高い水準です。40歳未満の単身・総所得200万円で、由布市は約277,000円、豊後大野市は約259,300円、臼杵市は約235,200円でした。
由布市の所得割の合計(40歳未満)は13.41%で、臼杵市の11.60%、豊後大野市の12.71%を上回ります。市も「県の推計値と由布市の税率には大きな差がある」としており、令和11年度の県内統一に向けて見直しが入る見込みです。
Q3. 国保の基金とは何ですか。残高が減っているとどうなりますか?
A. 基金は、医療費が想定より増えたときなどに税収の不足を補うための積立金です。由布市の基金残高は、平成30年度の約4億2,851万円から令和6年度の約1億2,706万円まで減っています。
市は「歳入を補填するために基金を取り崩してきたが、残高が少なくなり、このままでは財源不足を補填できなくなる見込み」と説明しています。基金に頼れなくなると、必要な財源を税率で賄うことになるため、税率が上がる要因になります。
Q4. 所得がゼロでも国保税はかかりますか?
A. かかります。所得がなくても均等割と平等割はかかり、低所得軽減(7割・5割・2割)で減るだけです。たとえば40歳未満の単身で所得がない場合、均等割(医療28,900+支援10,500+子ども分1,000=40,400円)と平等割(医療18,700+支援6,800+子ども分600=26,100円)の合計66,500円が軽減前の額で、7割軽減が適用されると約19,950円になります。
ただし所得の申告が前提です。「所得がない」旨の申告をしないと軽減の判定が正しく行われません。
Q5. 退職や病気で収入が減りました。税を減らす方法はありますか?
A. 2つの道があります。1つめは、会社都合の離職なら非自発的失業者の軽減(前年の給与所得を30/100として算定)。2つめは、所得割減免です。前年の所得合計が400万円以下で、当年の所得が前年の10分の7以下に減ると見込まれる場合に申請できます。
どちらも事前の申請が必要で、減免は申請日以後に来る納期の分が対象です。納期が過ぎた分はさかのぼれないため、収入が減った時点で早めに保険課へ相談してください。
Q6. 入院して窓口の支払いが大変です。軽くする制度はありますか?
A. 「一部負担金の減免等」があります。災害・農作物の不作・失業や事業の休廃止などで収入が著しく減り、入院療養を受ける世帯が対象です。世帯の実収入月額が生活保護の基準生活費の1.155倍以下なら全額免除、1.2倍以下なら2分の1に減額、1.3倍以下で6か月以内に払える見込みがあれば市が一旦立て替える徴収猶予です。
期間は原則3か月まで。国保税を完納していることが条件で、すでに払った分は対象外です。まず保険課へ相談してください。
Q7. 子どもが生まれました。国保税はどうなりますか?
A. 子ども分の均等割は軽減され、未就学児は医療分・支援金分の均等割も5割軽減されます(国の制度。申請不要)。未就学児1人あたり、医療分28,900円+支援金分10,500円=39,400円の5割で19,700円が軽減されます。
出産する本人は産前産後の免除(所得割と均等割の4か月分。所得制限なし)を届出できます。出産育児一時金は50万円(産科医療補償制度の対象外は48万8千円)で、基本は医療機関への直接支払制度を使うため申請は不要です。
Q8. 国保でもらえるお金(出産・葬祭)はいくらですか?
A. 出産育児一時金は50万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関などでの出産は48万8千円)、葬祭費は2万円(葬祭を行った喪主に支給)です。
出産費用が一時金より少なかった場合は、差額を被保険者が請求します。必要なものは、請求書、保険証等、母子手帳の写し、医療機関の明細書・領収書、口座のわかるもの、マイナンバーが確認できるものです。葬祭費は、請求書、会葬御礼のはがきなどが必要です。窓口は保険課です。
Q9. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、所得割減免
(要申請)・天災等による減免
(要申請)・その他の減免
(要申請)・被扶養者に係る減免
(要申請)・産前産後の免除
(要届出)・非自発的失業者の軽減
(要申請)・一部負担金(窓口負担)の減免
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q10. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に由布市 保険課(本庁舎本館1階・097-582-1121)/挾間振興局地域振興課 福祉保健係/湯布院振興局地域振興課 保険係で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険税もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|由布市の国保で押さえるべきポイント
- 由布市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分9.60%・後期支援分3.49%・介護分3.26%・子ども分0.32%
- 均等割は医療分28,900円・後期支援10,500円・介護11,500円・子ども1,000円、平等割は合計で年31,800円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 所得割は40〜64歳で16.67%(40歳未満・65歳以上は13.41%)。医療分は引き下げだが、子ども・子育て支援金分(0.32%)の新設で負担はほぼ横ばい
- 県内統一は令和11年度を目標。市は「県の試算値と由布市の税率には大きな差がある」と公表。基金は約4億2,851万円(平成30年度)→約1億2,706万円(令和6年度)に減少
- 当サイトの試算では、単身・総所得200万円で臼杵市・豊後大野市より高い水準(由布市 約277,000円/豊後大野市 約259,300円/臼杵市 約235,200円)
- 所得割減免(前年400万円以下・当年は前年の7割以下)や、一部負担金の減免(基準生活費の1.155倍以下で全額免除)など、市独自の公表基準あり
- 窓口は保険課(本庁舎本館1階・097-582-1121)。産前産後免除の届出は挾間・湯布院の両振興局でも可能
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年33万9千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は由布市 保険課(本庁舎本館1階・097-582-1121)/挾間振興局地域振興課 福祉保健係/湯布院振興局地域振興課 保険係
出典・参考:
・由布市公式:令和8年度国民健康保険税率について
・由布市公式:国民健康保険の減免・軽減制度について
・由布市公式:令和6年1月から国民健康保険税の産前産後免除制度が始まります
・由布市公式:どんなときに届け出をするの?
・由布市公式:出産育児一時金
・由布市公式:高額療養費・限度額適用認定証
・由布市公式:市税の納付場所
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は由布市公式サイトでご確認ください。