一般的な国民健康保険の保険料は?
国民健康保険の年間保険料は「所得割額」と「均等割額」(地域によっては「資産割額」や「平等割額」もある)の合計額になります。それぞれの割合は市区町村で定められています。そのため、国民健康保険料は住んでいる市区町村で変わります。高額な地域と低額な地域の差は年間10万円以上、月額にして2万円程度の差が出ることもあります。
家計に気を遣っている世帯の年間10万円はとても大きい額ですよね。
国民健康保険料は減免してもらえる!?
会社負担分がなくどうしても高額になりがちな国民健康保険料。ですが、お金のない人からも無理やり保険料を搾取する、というわけではありません。それぞれの市区町村で国民健康保険料の減免制度があります。
例えば北海道札幌市であれば、「前年度所得が33万円(家族がいる場合は、世帯主を除く被保険者数×265,000円または480,000円)以下」で7割・5割・2割の軽減制度があります。また千葉県千葉市などは年間見込所得額が基準額以下でかつ前年度より規定の割合以上の減収になる場合に国民保険料を軽減してもらえます。
それぞれ軽減・減免の基準が市区町村で違います。また、経済的理由での減免申請には審査があります。所得や資産についての書類の提出を求められることがほとんどでしょう。所得状況などを調べて結果減免されるかが決定されるまである程度の時間がかかります。
減免申請ができる条件の経済的理由には、低収入の他に病気やけがで医療費がかさみ一時的に家計が困窮したり収入が減った場合や、保険料を納めるべき世帯主が死亡したり障がい者になってしまい今までの収入が見込めなくなった場合も入ります。このようなケースだと給与や収入の証明書の他に医師の診断書が必要になります。
免除申請で全額免除になる条件は?
自発的な理由ではなくやむを得ない理由で収入が減ったり、または無収入になったりすることもあります。そういった場合に免除申請すると減免ではなく「全額免除」を申請することができます。
全額免除の条件としてはおおかた、
- 天災その他特別な事情で収入が激減した場合
- 失業により所得がなくなってしまった場合
です。
1.天災その他特別な事情で収入が激減した場合
天災、つまり地震などの自然災害の被災者になってしまったり、また農家や漁業を営む世帯では冷害や猛暑などが収入に影響した場合に全額免除になるケースがあります。市区町村のHPなどでは曖昧な表現にとどまっているので、よほどの大きな被害がないと適用されないと思っていた方が良いかもしれません。
2.失業により所得がなくなってしまった場合
こちらは、自己都合ではなく会社都合で無職になった場合です。倒産や解雇など不可抗力によって無職になった場合は全額免除が適用されます。倒産や解雇で無職になった場合、離職票をもらい失業保険をもらうためにハローワークへいくかと思います。それと同時に市区町村役所にも行くと国民健康保険の全額免除の免除申請ができます。この場合は支払いが困難な理由と状況がはっきりしていますので、さほど時間もかからず結果が通知されます。申請を出した時点から免除が適用されるので、失業後の手続きとしては最優先のものの一つです。万が一会社都合で無職になった場合は、ハローワークとともに役所に出向くのも忘れないようにしたいですね。
保険料額の算出と同様にこちらの条件も市区町村によって多少の差があります。あちらの市では全額免除だけどこちらの市では7割軽減にとどまった、ということもあるかもしれません。この「市区町村による」というのが国民健康保険のややこしいイメージのもとになっている気がしますが。
保険料の支払いがキツイと思ったら迷わず相談
収入があって減免は難しいかもしれないけれど、生活の状況では保険料の支払いが困難な場合もあります。前年度の収入が大きくても、今年度の収入見込みは減るだろうということもあります。保険料の未納や滞納は最悪の場合給与や資産の差し押さえとなってしまいます。そうなってしまう前に、まずは経済状況から支払が困難なことを市区町村の国民健康保険の窓口に相談をしに行きましょう。保険料の支払・加入脱退の他に、必ず相談の窓口があります。じっとしていても払えない保険料が減るわけではありません。
例えば、軽減や免除が適用されなくても保険料の分納や猶予を提案してもらえることもあります。状況によっては、「あとこのくらい収入が少なくなったら減免になります」という情報がもらえるかもしれません。
わからないことや困ったことは誰かに相談してみるのが一番です。健保や法律で定められた最低限の生活や保障を自ら手放すことはありませんよ。