保険料に大きな差が出る?国民健康保険と任意継続はどちらがお得か

健康保険の任意継続の特徴

会社員が加入するのが社会保険です。社会保険は協定などで労使折半になっており、保険料の半額を勤務先の会社が負担します。実質保険料が半額になるわけですが、会社を退職した後は社会保険も資格が喪失されてしまいます。

資格喪失後は国民健康保険への切り替えが欠かせないものの、諸々の理由で社会保険を続けたい方も多いと思います。そのような方のために用意されているのが任意継続で、以下のような特徴を持ちます。

最長2年間社会保険を継続できる

任意継続は退職後最長2年間続けることが可能です。途中で国民健康保険へ切り替えたり、再就職して新たな社会保険へ加入すると資格喪失となります。

2年過ぎた後は自動で資格喪失となり、国民健康保険などへの加入が必要になるので気を付けましょう。

保障そのものは社会保険とほぼ同等

保険で利用できる制度などは社会保険とほぼ同じです。健康保険組合によって異なりますが、条件を満たせば給付金が支給される場合もあります。

会社折半が無くなる

保険料は会社折半が無くなる点に注意が必要です。仮に今まで月2万円の保険料を支払っていた方は、一気に4万円へ跳ね上がることになります。気を付けましょう。

保険料は各都道府県の保険料率が元になる

保険料の計算方法がかなり特殊で、国民健康保険とは異なり都道府県の保険料率を元に計算します。国民健康保険は市区町村ごとに異なりますが、任意継続はお住まいの都道府県が同じであれば変動することはありません。

任意継続は以上のような特徴があります。

こう見ると、2年間の期限が付いていたり、保険料や計算方法が違ったりと、国民健康保険とはかなり異なった制度であることが分かると思います。何より保険料が割高になるのが欠点に見えてくるのではないでしょうか。

では国民健康保険のほうがお得かというと、実際はそうでもありません。場合によっては任意継続を行ったほうが良いケースもあるため、慎重に判断したほうが良いでしょう。

どちらがお得か判断するポイント

任意継続か国民健康保険への切り替えか判断に迷っている方も多いと思います。退職後に国民健康保険に切り替える方も多いのが実情ですが、判断に悩んだ時は以下4つのポイントを見て決めましょう。いずれも支払う保険料に影響しますので、お得な方を選ぶことが大切です。

家族の扶養が必要か

家族が社会保険の扶養に入っている方もいらっしゃると思います。扶養は社会保険独自の制度で、配偶者やご自身の子供など、養っている家族全般が対象になっています。こうした扶養家族も保険には加入しないといけませんが、国民健康保険では扶養という考え方自体がないため、家族の人数が増えるほど国民健康保険の保険料負担も増加するのがネックです。

しかし、社会保険には扶養があるため、家族が増えたとしても保険料の負担は増えません。例えば社会保険の被保険者が2人・3人になったとしても、支払う保険料は一定のままで済むのです。

この扶養は任意継続でも引き継がれるため、家族の扶養が必要な場合は任意継続のほうがお得になります。家計全体で保険料の増加を抑えられますので、今まで扶養を適用していたなら任意継続を選ぶべきでしょう。

ただ、2年間という期限が付いている点を忘れてはいけません。

前年の年収はどれ位あったか

もし扶養の対象になっていない場合や独身の方は、前年度の稼ぎが国民健康保険と任意継続の分け目となります。国民健康保険は前年度の所得によって保険料が決まるため、稼いでいる方ほど保険料の負担が増える仕組みです。仮に退職して収入が途絶えても、前年の稼ぎが多かった場合は任意継続のほうが安く済む可能性もあります。

ただし、国民健康保険は免除や減免などの制度が充実しており、国民健康保険料が7割程度抑えられる場合もあるのです。任意継続のほうが割高になる可能性もあるため、国民健康保険も選択肢に入るでしょう。

市区町村の保険料平均とどちらが安いか

任意継続の保険料は、都道府県の保険料率によって変動します。一方の国民健康保険ですが、各市区町村が定める保険料率により変わるため、どちらが安く済むか比較することも大切です。

国民健康保険のほうが安く済むのが一般的ではあるものの、自治体によっては任意継続が安いケースもあるのでチェックしてみましょう。

再就職の予定はあるか(いつ頃再就職予定か)

再就職の予定があるなら任意継続を選ぶのもおすすめです。保険料が割高になる可能性はありますが、扶養を継続しつつ再就職先の社会保険への切り替えがスムーズにいきます。もし2年以内に再就職を検討中の方は、任意継続を続けることも検討してみると良いでしょう。

まとめ

通常は国民健康保険のほうが保険料は安くなりますが、任意継続のほうが保険料を抑えられる場合もあります。

ケースバイケースのため一概に言えませんので、保険料の試算を行ったり、扶養の有無で判断することをおすすめします。

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