日本の保険制度は、医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5種類の社会保険制度があります。
- 日本の国民が病気に掛かったり怪我になった時の医療保険
- 高齢化で働けなくなった際の生活を保障する年金保険
- 高齢化で介護を必要とする場合の費用を負担する介護保険
- 会社が倒産したりリストラに遭った場合に次の仕事が見つかるまでの生活費を保障する雇用保険
- 仕事中に事故に遭った場合に病気や怪我になった時の医療費や労働災害で死亡した場合に遺族に保険金が給付される労災保険
医療保険には、健康保険・船員保険・国民健康保険・日雇健康保険・共済組合保険とあります。
社会保険は、加入が任意の民間保険とは違い、日本の国民が必ず加入する義務がある強制保険です。日本の医療保険制度は国民全員が社会保険に加入して、病気に掛かったり怪我になった時にお互いに医療費を支え合う国民皆保険制度です。
一般にサラリーマンは社保とも呼ばれる健康保険に加入していますが、健康保険も主に中小企業のサラリーマンが加入している「全国健康保険協会」と、主に上場企業など大企業のサラリーマンが加入している「健康保険組合」と2つありますが、船員保険はこれらとはまた別の独立した社会保険の一つです。
船員保険の対象者
船員保険の対象者は船員法第1条に規定されている船長・海員・予備船員など海上で働く船員です。船員として船舶所有者に雇用された日から被保険者の資格を取得します。
ただし、
- 日本船舶以外の船舶で日本人や日本法人が借り入れている
- 外国の港まで航海を請け負った船舶や日本政府が配乗を行っている船舶のうち5トン未満の船舶
- 湖・川・港内のみを航行する船舶
- 30トン未満の漁船の一部
- スポーツやレクリエーションの用のヨットやモーターボート
これらは対象外です。
船員保険の給付と保険料
船員保険の保険給付は手厚くなっています。基本的には健康保険と同等ですが、労災保険の部分に上乗せがあります。
船員保険では職務以外での病気や怪我や、出産や死亡の際の保険金給付が行われます。さらに労働者災害補償保険の保険給付と職務上または通勤による病気や怪我や、障害や死亡についての保険給付も行われます。
船員保険の対象者と保険料は被保険者の給料とボーナスに保険料率に基づいて計算され、保険料は労使折半で負担するのが原則ですが災害保険福祉保険料は事業主が全額負担します。
船員保険にも任意継続があります
もし船舶所有者に解雇され船員保険の資格を喪失しても、喪失の日の前日まで継続して2月以上のあいだ船員保険の被保険者であった方は、全国健康保険協会に申し出れば継続して船員保険の被保険者になることができます。(疾病任意継続)
ただしこの申し出は被保険者の資格を喪失した日から20日以内にしなければならず、もし20日を過ぎると船員保険の被保険者になることができません。疾病任意継続できる期間は最長で2年間です。
船員だけが加入できる船員保険。加入できる、といっても対象者は強制加入なので選びようはないのですが、国保やサラリーマンの健康保険に比べて手厚い給付がある、ということは知っておいて損はないでしょう。