伊万里市の国民健康保険|令和8年度の保険税・減免・申請窓口を完全ガイド
伊万里市は人口約5万人、佐賀県の北西部にある市です。伊万里焼の積み出し港として栄えた歴史があり、いまも伊万里港をかかえる港のまちで、農業や畜産(伊万里牛)も盛んです。
伊万里市の国民健康保険税(国保税)には、はっきりした特徴が3つあります。
1つめは、平等割(世帯にかかる定額)が全国でもトップクラスに高いことです。令和8年度の4区分合計は1世帯あたり52,300円。当サイトで令和8年度の料率を調べた538市のなかで横須賀市(59,000円)に次ぐ2位で、中央値33,700円の約1.6倍です。しかも平等割(52,300円)が均等割(45,900円)を上回る「逆転」になっています。この逆転がある市は538市中26市だけです。
2つめは、国保の窓口が3つの課に分かれていることです。加入・給付は市民課、税額の計算や軽減は税務課、納付や口座振替は収納管理課——と役割が分かれていて、問い合わせ先を間違えやすい市です(後述の窓口一覧で整理しました)。
3つめは、令和5年度から「集合徴収」をやめたことです。昭和42年から約55年続けた「市・県民税、固定資産税、国保税を1枚にまとめて納める」方式を廃止し、いまは税目ごとの納付書で納めます。国保税の納期は10期のまま変わりませんでしたが、納付書の見た目と督促の仕組み(督促手数料は税目ごとに100円)が変わりました。
そして、佐賀県は令和9年度に県内の国保税率を一本化し、令和12年度に完全統一すると県と市町が合意しています。伊万里市のいまの税率は、数年で県内共通の税率へ移っていきます。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく伊万里市の国保税の計算方法、市が公表している3つの計算例の検算、唐津市・佐賀市との比較、軽減・減免、納付の実務、3つの窓口までまとめました。
1. 伊万里市の国民健康保険の概要
伊万里市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
伊万里市の保険税は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。
伊万里市は「保険税」ではなく「保険税」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。資産割はありません。佐賀県では県内20市町すべてが3方式で、賦課限度額もすべて国の基準(地方税法施行令)どおりです(佐賀県国民健康保険運営方針)。
4区分すべてに平等割があります。医療保険分35,800円+後期高齢者支援金分9,700円+介護保険分6,200円+子ども・子育て支援金分600円=1世帯あたり年52,300円(40〜64歳の加入者がいない世帯は46,100円)。
令和8年度の合計は所得割14.5%・均等割45,900円・平等割52,300円・賦課限度額113万円(40〜64歳・18歳以上)。
納税義務者は世帯主です。市は「国民健康保険税は、国民健康保険に加入している人を有する世帯主が負担するもの」と説明しています。世帯主が国保に入っていなくても納税義務者になる点は、市が「擬制世帯主」として別に定義しています。
所得割は「被保険者各個人の所得から、それぞれ基礎控除を引いた後合算して税率をかけます」。計算式は各区分とも「(前年の総所得金額等-基礎控除額43万円)×税率」です。擬制世帯主と特定同一世帯所属者の所得は、所得割の計算には含めません(軽減判定には含めます)。
市は税額を「基礎課税額(医療分)、後期高齢者支援金等課税額、介護納付金課税額、子ども・子育て支援金課税額の合計」としています。令和6年度の改正では税率の改正はなく、賦課限度額(後期支援分が22万→24万円)と軽減判定所得だけが変わりました。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険税の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 平等割(1世帯年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療保険分 | 9.40% | 26,000円 | 35,800円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.70% | 8,100円 | 9,700円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.20% | 10,800円 | 6,200円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.20% | 1,000円 (均等割は「1,000円(均等割900円+18歳以上均等割100円)」。市は「18歳未満の子どもの均等割額については10割軽減」としており、18歳未満には負担がありません。平等割600円は世帯単位でかかります) | 600円 | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療保険分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 均等割は「1,000円(均等割900円+18歳以上均等割100円)」。市は「18歳未満の子どもの均等割額については10割軽減」としており、18歳未満には負担がありません。平等割600円は世帯単位でかかります。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は14.5%(医療9.4+後期支援2.7+介護2.2+子ども0.2/40〜64歳)。40歳未満・65歳以上なら12.3%。当サイトで調べた538市の中央値13.0%より1.5ポイントほど高く、上から数えて72番目です。同じ佐賀県の唐津市(16.06%)より低く、佐賀市(14.20%)とほぼ同水準です。
均等割の合計は1人45,900円(医療26,000+後期8,100+介護10,800+子ども1,000/18歳以上・40〜64歳)。18〜39歳なら35,100円、18歳未満なら34,100円、未就学児は17,050円。538市の中央値53,900円より約8,000円低めです。
平等割の合計は1世帯52,300円で、538市中2位(1位は横須賀市59,000円、3位は札幌市51,100円)。医療保険分(26,000円<35,800円)、後期高齢者支援金分(8,100円<9,700円)、介護保険分(10,800円>6,200円)のうち、医療・後期支援の2区分で平等割が均等割を上回り、4区分合計でも逆転しています。
賦課限度額は医療保険分67万円・後期高齢者支援金分26万円・介護保険分17万円・子ども・子育て支援金分3万円で、合計113万円です。
子ども・子育て支援金分の均等割は、市の表で「被保険者の人数×1,000円(18歳以上均等割額100円含む)」と書かれ、本文で「均等割900円+18歳以上均等割100円」と説明されています。18歳未満の均等割は10割軽減なので、18歳以上の人だけが100円分を負担する設計です。
所得割の基礎控除額は430,000円。所得が基礎控除額を下回る人は、市の注記どおり「所得割額の計算の対象にはなりません」。
介護納付金課税額は、40歳以上65歳未満の被保険者がいる世帯だけにかかります。65歳になる年度は「誕生日前日の前月分まで」、40歳になる人は「誕生日の前日の属する月分から」課税されます。このとき介護分の所得割の基準になるのは、40〜64歳の人だけの所得の合計です。
国民健康保険税は、市の説明では「医療費の総額(1年分)を推計し、国の補助金や一部負担金を差し引いた額を基に決定」されます。医療費が増えれば税率に響く仕組みです。
伊万里市・唐津市・佐賀市の令和8年度税率を並べる
| 項目 | 伊万里市 | 唐津市 | 佐賀市 |
|---|---|---|---|
| 所得割(合計) | 14.5% | 16.06% | 14.20% |
| うち医療保険分 | 9.4% | 10.1% | 9.2% |
| 均等割(1人・合計) | 45,900円 | 42,000円 | 52,200円 |
| 平等割(1世帯・合計) | 52,300円 | 47,500円 | 47,400円 |
| 単身の固定部分 (均等割+平等割) | 98,200円 | 89,500円 | 99,600円 |
| 賦課限度額 | 113万円 | 113万円 | 113万円 |
伊万里市の所得割(14.5%)は佐賀市(14.20%)に近く、唐津市(16.06%)より1.56ポイント低い水準です。一方で平等割52,300円は3市で最も高く、唐津市より4,800円、佐賀市より4,900円高くなっています。
「所得割は県内並み、世帯にかかる定額だけが突出して高い」。これが伊万里市の設計の特徴です。
年収別:伊万里市・唐津市・佐賀市の比較(40歳単身・給与収入のみ)
| 給与収入 | 軽減 | 伊万里市 | 唐津市 | 佐賀市 | 伊万里の差 (対唐津/対佐賀) |
|---|---|---|---|---|---|
| 0万円 | 7割 | 約29,500円 | 約26,800円 | 約29,900円 | +2,600円/-400円 |
| 150万円 | 2割 | 約139,500円 | 約139,100円 | 約139,300円 | +400円/+100円 |
| 200万円 | なし | 約227,200円 | 約232,400円 | 約226,000円 | -5,200円/+1,300円 |
| 300万円 | なし | 約328,800円 | 約344,900円 | 約325,400円 | -16,100円/+3,400円 |
| 400万円 | なし | 約436,000円 | 約463,700円 | 約430,500円 | -27,600円/+5,600円 |
| 600万円 | なし | 約668,000円 | 約720,700円 | 約657,700円 | -52,600円/+10,400円 |
| 800万円 | なし | 約920,400円 | 約1,000,100円 | 約904,700円 | -79,800円/+15,600円 |
給与収入0円(7割軽減)では、伊万里市は唐津市より年2,600円ほど高く、佐賀市より400円ほど安い計算です。給与収入150万円(2割軽減)ではほぼ同額(唐津+400円、佐賀+100円)。それ以上に所得が上がると、所得割が低い伊万里市は唐津市より安くなり、給与収入400万円で年約2.8万円、800万円で年約8.0万円の差がつきます。佐賀市と比べると、給与収入200万円以上では伊万里市が年1,000〜16,000円ほど高めです。
どの水準でも市同士の差は小さく、県内一本化(令和9年度〜)で縮んでいくと考えられます。
年齢別の均等割と、世帯の固定部分
| 年齢 | 内訳 | 均等割合計 |
|---|---|---|
| 40〜64歳 | 26,000+8,100+10,800+1,000 | 45,900円 |
| 18〜39歳・65〜74歳 | 26,000+8,100+1,000 | 35,100円 |
| 小学生〜17歳 | 26,000+8,100(子ども分は全額軽減) | 34,100円 |
| 未就学児 | 13,000+4,050(医療・後期支援は5割軽減/子ども分は全額軽減) | 17,050円 |
世帯の固定部分(平等割)は40〜64歳がいる世帯で年52,300円、いない世帯で46,100円(35,800+9,700+600)。単身・40歳なら均等割とあわせた固定部分は98,200円です(軽減前)。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 241,580円 + 均等割 91,000円 + 平等割 35,800円 ⇒ 368,380円
- 後期支援分: 所得割 69,390円 + 均等割 28,350円 + 平等割 9,700円 ⇒ 107,440円
- 介護分: 所得割 56,540円 + 均等割 21,600円 + 平等割 6,200円 ⇒ 84,340円
- 子ども分: 所得割 5,140円 + 均等割 2,000円 + 平等割 600円 ⇒ 7,740円
合計: 年間 約567,900円(月あたり約47,300円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 149,460円 + 均等割 26,000円 + 平等割 35,800円 ⇒ 211,260円
- 後期支援分: 所得割 42,930円 + 均等割 8,100円 + 平等割 9,700円 ⇒ 60,730円
- 介護分: 所得割 34,980円 + 均等割 10,800円 + 平等割 6,200円 ⇒ 51,980円
- 子ども分: 所得割 3,180円 + 均等割 1,000円 + 平等割 600円 ⇒ 4,780円
合計: 年間 約328,750円(月あたり約27,400円)
単身世帯でも平等割が合計で年52,300円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 280,820円 / 後期支援分 80,710円 / 介護分 68,260円 / 子ども分 6,260円 ⇒ 合計 約436,050円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 86,852円 / 後期支援分 24,986円 / 介護分 22,356円 / 子ども分 2,076円 ⇒ 合計 約136,270円
差額は年間およそ30万円。届出書1枚でこれだけ違います。伊万里市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は伊万里市公式の保険税試算でご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険税の上限)
- 医療保険分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 伊万里市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険税が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、均等割は「1,000円(均等割900円+18歳以上均等割100円)」。市は「18歳未満の子どもの均等割額については10割軽減」としており、18歳未満には負担がありません。平等割600円は世帯単位でかかります。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険税軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 伊万里市役所 税務課 市民税係(0955-23-2148)
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
伊万里市の案内では、対象は「次の要件に全て該当する人」——離職時点で65歳未満で、「雇用保険受給資格者証」の離職コードが「11・12・21〜23・31〜34」のいずれかに該当する人です(平成21年3月31日以降の離職)。
計算は「離職した人の給与所得を30/100に軽減した上で保険税を算定」します。軽減期間は「離職日の翌日の属する月から、その月の属する年度の翌年度まで」。
申請には雇用保険受給資格者証と印鑑を持って、市役所税務課の窓口へ行きます(市の案内)。この市の案内ページは平成22年のままの記載で、現在はマイナンバーの確認書類などが求められる場合があります。念のため事前に電話(0955-23-2148)で持ち物を確認しておくと確実です。
伊万里市は所得割が14.5%で、給与所得を3割に圧縮すると効果が大きい制度です。届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険税軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 伊万里市の減免制度|要申請
伊万里市の軽減・減免は、税額の計算で自動的に反映されるものと、届出や申請が必要なものに分かれます。とくに産前産後の軽減は「届出」が必要で、市が出産の事実を確認できたときだけ職権で免除する場合がある、という書き方です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 低所得世帯の軽減 (申請不要/要・所得申告) | 世帯の合計所得が、7割=43万円+10万円×(年金・給与所得者数-1)、5割=43万円+31万円×被保険者数+10万円×(年金・給与所得者数-1)、2割=43万円+57万円×被保険者数+10万円×(年金・給与所得者数-1)以下 | 均等割・平等割を7割・5割・2割軽減。申告をしていない人がいる世帯は所得が把握できず軽減できません |
| 未就学児の軽減 (申請不要) | 国保に加入している未就学児 | 均等割額が5割軽減(令和4年度〜)。7割・5割・2割軽減世帯の未就学児は軽減後の金額から5割 |
| 18歳未満の子ども・子育て支援金分 (申請不要) | 18歳未満の国保加入者 | 子ども・子育て支援金分の均等割(900円)を10割軽減 |
| 非自発的失業者の軽減 (要申請) | 倒産・解雇などで離職した65歳未満の人。雇用保険受給資格者証の離職コードが11・12・21〜23・31〜34 | 給与所得を30/100に軽減して算定。離職日の翌日の属する月から翌年度末まで |
| 産前産後期間の軽減 (要届出) | 国保の被保険者で、妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産も含む) | 所得割・均等割を4か月分(多胎は6か月分)免除。出産予定日の6か月前から届出可能 |
| 一部負担金の減免 (要申請) | 災害・不作や不漁・事業の休廃止や失業などで収入が著しく減少し、資産を活用してもなお生活が著しく困難な世帯 | 病院窓口での自己負担額の減免または徴収猶予。申請書(様式第1〜3号)などが必要 |
| 市税の猶予制度 (要申請) | 災害・盗難・病気・負傷・事業の休廃止などで一時に納付することが困難な人 | 徴収の猶予または換価の猶予。認められると延滞金の全部または一部が免除され、差押えや公売が猶予される。窓口は収納管理課 |
伊万里市の軽減判定には、見落としやすい点が5つあります。市の「国民健康保険税について」から引きます。
①「65歳以上の人で合計所得金額に年金所得が含まれる場合は年金所得から15万円引いた額で判定」します。
②「擬制世帯主、特定同一世帯所属者に所得がある場合、その所得も軽減を判定する際に考慮」されます。世帯主が国保に入っていなくても、世帯主の所得が判定に入るということです。
③「申告をしていない人がいる世帯については、所得の把握ができないため、軽減ができません」。無収入でも申告は必須です。
④「年金(給与)収入があっても、所得が発生しない場合は年金・給与所得者には含みません」。「年金・給与所得者数-1」に10万円を足す計算では、実際に所得がある人だけを数えます。
⑤世帯内被保険者数に特定同一世帯所属者を含めます(後期高齢者医療に移ったあとも同じ世帯にいる人)。
いずれも市の判定ルールで、計算例の作り方にも関わります。
保険税が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(佐賀銀行・十八親和銀行・西日本シティ銀行。振替日は納付月の26日、12月のみ25日)
- 納付書(6月から翌年3月までの10期。全期前納用の納付書もあり)
- キャッシュレス納付(納付書のQRコードをPayPay・楽天ペイ・d払いなどで読み取り、または地方税お支払サイトでクレジットカード・ペイジー)
- 納付相談・猶予の申請(収納管理課。失業や長期入院などで困難なときは分割納付や徴収の猶予ができることがあります)
伊万里市の国保税の納期は10期(6月〜翌年3月)です。市の納期表では、第1期が6月、第2期が7月、第3期が8月、第4期が9月、第5期が10月、第6期が11月、第7期が12月、第8期が1月、第9期が2月、第10期が3月。納期限は「納期が属する月の月末」ですが、12月のみ25日で、月末が土・日・祝日のときは翌営業日になります(令和8年度の日付は市の「令和8年度市税納期カレンダー」で確認してください)。
口座振替日は納付月の26日(12月のみ25日)で、土日祝は翌営業日。引き落とせなかったときは翌月10日に再振替され、事前に「口座再振替のお知らせ」が届きます。振替の開始時期は、ゆうちょ銀行が申込日の翌々月から、その他の金融機関が翌月からです。
納期限までに納付しないと、納期限後20日以内に督促状が発送され、1通につき100円の督促手数料がかかります。令和5年度から税目ごとに督促状が出るため、国保税だけでなく市県民税や固定資産税も滞ると、それぞれ100円がかかります。
伊万里市は令和5年度から「集合徴収」を廃止しました。昭和42年4月から約55年続けた「市・県民税、固定資産税、国民健康保険税の3税をまとめて納める方式」をやめ、全国標準の「単税徴収方式」(税目ごとに納付)に変えています。自治体システムの全国標準化に合わせた措置で、国保税の納付回数・納付月は変わりませんでした。納税通知書は税目ごとに年間分の納付書をまとめて送付し、口座振替は税目ごとに別の口座を指定できます。同じ佐賀県の唐津市は令和8年度も集合徴収を続けています。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保税の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 伊万里市の国保窓口一覧
伊万里市の国保の手続きは、内容によって3つの課に分かれています。加入・脱退・給付は市民課 年金保険係、税額の計算・軽減・失業の届出・産前産後の届出は税務課 市民税係、納付・口座振替・猶予は収納管理課です。いずれも伊万里市役所本庁(立花町1355番地1)にあります。市役所の開庁時間は平日8時30分から17時15分までです。
国保の窓口を探すときに迷いやすいのは、「国保税の担当は税務課」という点です。保険証の手続きだけなら市民課で済みますが、税額に関する相談や軽減の届出は税務課になります。引っ越しや就職で加入・脱退したときは、市民課で資格の手続きをしたあとに、税額の確認を税務課に聞く流れになります。
| 窓口 | 所在地・連絡先 | 主な業務・注意点 |
|---|---|---|
| 市民課 年金保険係(保険) | 〒848-8501 伊万里市立花町1355番地1 Tel 0955-23-2153/Fax 0955-23-2121 [email protected] | 国保の加入・脱退(喪失)、資格確認書・資格情報のお知らせ、出産育児一時金、葬祭費、療養費、高額療養費などの給付の申請 |
| 税務課 市民税係 | 同上 Tel 0955-23-2148(直通)/Fax 0955-23-1472 [email protected] | 国保税の計算・賦課、7割・5割・2割軽減、非自発的失業者の軽減の届出、産前産後期間の軽減の届出、所得の申告の相談 |
| 収納管理課 | 同上 Tel 0955-23-2152/Fax 0955-23-1472 [email protected] | 納付の相談、口座振替の申込み、納付が困難なときの猶予の相談、納税通知書の再発行 |
国保の資格喪失は、マイナンバーカードでオンライン申請ができます(電子申請システム「LoGoフォーム」。署名用電子証明書とxIDアプリが必要)。申請後に、保険証・資格確認書・資格情報のお知らせを市民課へ返却します。
加入の手続きには、マイナンバーが分かるもの、本人確認書類のほか、職場の健康保険をやめたときは健康保険喪失証明書または離職票が必要です。職場に様式がないときは、市が提供している「健康保険・厚生年金保険資格取得・喪失証明書」の様式を使えます。
市は「届け出が遅れると、被保険者になった月までさかのぼって保険税を納めなければなりません」と注意しています。無保険の期間が長いと、その分がまとめて課税されます。
出産育児一時金は50万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関は48万8千円)。直接支払制度を使えば窓口での支払いは不要で、申請期限は出産した日の翌日から2年です。申請は世帯主が行います。
葬祭費は3万円。葬儀を行った日から2年以内に市民課年金保険係で申請します。
市役所は毎週火曜日、証明書発行業務について19時まで延長しています(市の案内)。国保の窓口が19時まで開いているかどうかは、事前に電話で確認してください。
8. よくある質問(伊万里市の国保)
Q1. 伊万里市の国保税は、唐津市や佐賀市と比べて高いですか?
A. 所得によって変わります。伊万里市は所得割が14.5%で唐津市(16.06%)より低く、佐賀市(14.20%)とほぼ同じ水準。ただし平等割は52,300円で3市で最も高いです。
本記事の試算(40歳単身・給与収入のみ)では、給与収入0円(7割軽減)では唐津市より年2,600円ほど高く、150万円前後でほぼ同額、それより収入が上がると唐津市より安くなります。給与収入400万円なら唐津市より年約2.8万円、800万円なら年約8.0万円安い計算です。佐賀市と比べると、給与収入200万円以上では年1,000〜16,000円ほど高めです。
ただし佐賀県は令和9年度に県内の税率を一本化し、令和12年度に完全統一する予定なので、この差は数年で縮んでいきます。
Q2. 伊万里市の国保税は「保険料」ですか、「保険税」ですか?
A. 「保険税」です。伊万里市は地方税法にもとづく国民健康保険税として課税しています。このため、納付や猶予の相談窓口が税の担当(税務課・収納管理課)になります。介護保険の「保険料」は別の制度(介護保険料)で、国保税とは別に計算・納付します。
Q3. 佐賀県の国保税率の「一本化」とは何ですか?伊万里市の税率はどうなりますか?
A. 佐賀県と県内20市町は、令和2年10月16日の第10回佐賀県国民健康保険運営連携会議で「令和9年度に保険税の一本化(納付金ベースの統一)、令和12年度に完全統一」を合意しています(佐賀県国民健康保険運営方針・令和6年3月)。
完全統一とは、県の言葉で「同一所得・同一世帯構成であれば県内どこの市町に住所を有していても同一税率・同一税額となる状況」のことです。
そのための準備として、県は市町ごとの医療費水準を納付金に反映させる係数(α)を令和3年度0.7から毎年0.1ずつ下げて令和8年度0.2とし、令和9年度以降は0にします。
伊万里市は平等割(世帯にかかる定額)が突出して高い市なので、統一の過程で県内共通の料率へ近づいていくときに、平等割の扱いが大きな変化点になる可能性があります。具体的な令和9年度の税率は、当サイトでは確認できていません。毎年4月ごろに更新される市の「国民健康保険税について」のページで確認してください。
Q4. 伊万里市の国保税の相談は、どの課に行けばいいですか?
A. 内容によって3つの課に分かれます。加入・脱退・給付(出産育児一時金・葬祭費など)は市民課 年金保険係(0955-23-2153)、税額・軽減・失業や産前産後の届出は税務課 市民税係(0955-23-2148)、納付・口座振替・猶予は収納管理課(0955-23-2152)です。
Q5. 市の計算例は本当に正しいですか?
A. 市が公表している3つの計算例(370,700円・395,600円・678,600円)を、市の公表税率で計算し直したところ、3例とも市の数字と一致しました(区分ごとに100円未満切り捨て)。本記事の計算例は、同じ方法で作っています。
Q6. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得世帯の軽減
(申請不要/要・所得申告)・未就学児の軽減
(申請不要)・18歳未満の子ども・子育て支援金分
(申請不要)・非自発的失業者の軽減
(要申請)・産前産後期間の軽減
(要届出)・一部負担金の減免
(要申請)・市税の猶予制度
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q7. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に伊万里市役所 税務課 市民税係(0955-23-2148)/市民課 年金保険係(0955-23-2153)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険税もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|伊万里市の国保で押さえるべきポイント
- 伊万里市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療保険分9.40%・後期支援分2.70%・介護分2.20%・子ども分0.20%
- 均等割は医療保険分26,000円・後期支援8,100円・介護10,800円・子ども1,000円、平等割は合計で年52,300円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 平等割52,300円は調査538市中2位(1位は横須賀市59,000円)。平等割>均等割45,900円の逆転がある市は538市中26市のみ
- 所得割14.5%は中央値13.0%より1.5ポイント高いが、唐津市(16.06%)よりは低く、佐賀市(14.20%)に近い
- 国保の窓口は3課に分かれる:加入・給付=市民課、税額・軽減=税務課、納付=収納管理課
- 令和5年度に集合徴収を廃止(昭和42年から約55年)。国保税は10期のまま。唐津市は令和8年度も集合徴収を継続
- 佐賀県は令和9年度に税率を一本化、令和12年度に完全統一。平等割が高い伊万里市は変化が大きい可能性
- 市の計算例3つ(370,700円・395,600円・678,600円)は検算で一致
- 産前産後の軽減は4か月分(多胎6か月)。届出が必要で、市が出産を確認できたときは職権で免除する場合も
- 失業の軽減は給与所得を3割。離職コード11・12・21〜23・31〜34、申請は税務課の窓口
- 納期は10期(6月〜3月)、12月のみ納期限25日。口座振替は毎月26日・再振替は翌月10日
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年30万円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は伊万里市役所 税務課 市民税係(0955-23-2148)/市民課 年金保険係(0955-23-2153)
出典・参考:
・伊万里市公式:国民健康保険税について(令和8年度の税率・計算例・軽減)
・伊万里市公式:令和6年度の国民健康保険税の改正について
・伊万里市公式:令和4年度から未就学児にかかる国民健康保険税の軽減制度が設けられます
・伊万里市公式:非自発的失業者の国民健康保険が軽減されます!
・伊万里市公式:国民健康保険税の産前産後軽減制度が始まります
・伊万里市公式:市税の納付(納期・口座振替)
・伊万里市公式:令和5年度から市税の納め方が変わります(集合徴収方式を廃止して税目ごとに納付)
・伊万里市公式:市税のキャッシュレス納付ができます
・伊万里市公式:市税の猶予制度について
・伊万里市公式:一部負担金の減免
・伊万里市公式:国民健康保険とは(加入・脱退の手続き)
・伊万里市公式:出産育児一時金
・伊万里市公式:葬祭費の支給
・佐賀県:佐賀県国民健康保険運営方針(令和6年3月)
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は伊万里市公式サイトでご確認ください。