東近江市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
東近江市は人口約11万人、滋賀県の東部・琵琶湖の東岸から鈴鹿山脈のふもとまで広がる市です。旧八日市市・永源寺町・五個荘町・愛東町・湖東町・能登川町・蒲生町が合併した市で、市役所のほかに6つの支所があります。国保の加入者は18,247人・12,176世帯(令和8年4月末)。市民の約6人に1人(16.5%)が国保です。
この記事では、令和8年度の最新料率にもとづく東近江市の国民健康保険料の計算方法、軽減・減免、会社都合退職の特例軽減、窓口と納付方法をまとめました。
令和8年度の東近江市でいちばん大事な数字は、市の運営協議会の資料にある財政調整基金の活用計画です。令和4年度末に5億6,500万円あった基金を、令和5年度から毎年取り崩してきました(令和5年度2億3,500万円・令和6年度1億8,300万円・令和7年度9,700万円)。令和8年度は5,000万円を使い、計画上の残額は0円です。
つまり令和8年度の保険料は、県が示した標準の料率(所得割12.98%)より市の貯金で0.68ポイント安く抑えた水準です。しかも令和9年度からは滋賀県内の保険料が統一され、市の基金は保険料を下げるために原則使えなくなります。市は「令和9年度の統一後の保険料を調整する財源としては、県の剰余金及び財政安定化基金を活用される予定」と説明しています。この記事ではその数字を、市の公表資料から順に確かめます。
1. 東近江市の国民健康保険の概要
東近江市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
東近江市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。
東近江市の国保は「保険税」ではなく「保険料」です。滋賀県内でも草津市・守山市・湖南市・野洲市・甲賀市などは「国民健康保険税」なので、隣の市と呼び方が違うことがあります(計算のしくみはほぼ同じ)。法律上の違いは時効で、保険料は2年(国民健康保険法)、保険税は5年(地方税法)です。ただし督促や分納の約束で時効は更新されるので、「2年待てば消える」と考えるのは禁物です。
算定は医療分・後期高齢者支援金等分・介護分・子ども・子育て支援金分の4項目を、それぞれ所得割・均等割・平等割の3方式で計算して足し合わせます。市の資料では、国保加入者の46.3%が65歳以上(令和8年4月末)で、国保世帯数・被保険者数は年々減っています(被保険者数は令和6年度末18,691人→令和7年度末17,952人)。市は理由を「少子化により若い世代の加入者が減少していること」「後期高齢者医療制度へ移行する世代の人数が多いこと」「被用者保険の適用拡大」と説明しています。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 平等割(1世帯年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 7.10% | 31,000円 | 20,000円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.70% | 11,200円 | 7,800円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.30% | 12,000円 | 6,000円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.20% | 1,200円 (18歳に達する日以後の最初の3月31日以前までの加入者(高校生世代まで)は、子ども・子育て支援金分の均等割1,200円が全額軽減されます) | 700円 | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 18歳に達する日以後の最初の3月31日以前までの加入者(高校生世代まで)は、子ども・子育て支援金分の均等割1,200円が全額軽減されます。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は12.30%(医療7.10%+支援2.70%+介護2.30%+子ども0.20%/40〜64歳)。40歳未満と65歳以上は介護分がないので10.00%です。
均等割の合計は1人55,400円(医療31,000+支援11,200+介護12,000+子ども1,200/18歳以上・40〜64歳)。40歳未満なら43,400円。市は子ども分の均等割について「18歳未満の被保険者の均等割額は全額が減額され、減額された分は18歳以上の被保険者に『18歳以上均等割額』として賦課される」と運営協議会資料で説明しています。
平等割は1世帯あたり年34,500円(医療20,000+支援7,800+介護6,000+子ども700)。介護分の対象者(40〜64歳)がいない世帯は28,500円です。
滋賀県内の他市と並べると、均等割の合計55,400円は、当サイトで令和8年度の料率を調べた県内10市の中で最も高く(次いで大津市54,547円・湖南市54,327円)、所得割12.30%は高いほうから5番目(甲賀市12.67%・彦根市12.47%・近江八幡市12.46%・野洲市12.43%の次)。平等割34,500円は野洲市と並んで甲賀市34,800円に次ぐ高さです。所得が低く人数の多い世帯ほど、均等割の高さが効いてきます。
令和7年度→令和8年度で何が変わったか(東近江市の公表値)
| 区分 | 令和7年度 | 令和8年度 | 増減 | |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 所得割 | 6.9% | 7.1% | +0.2pt |
| 均等割 | 29,000円 | 31,000円 | +2,000円 | |
| 平等割 | 20,000円 | 20,000円 | 据え置き | |
| 支援分 (後期高齢者支援金等) | 所得割 | 2.7% | 2.7% | 据え置き |
| 均等割 | 11,200円 | 11,200円 | 据え置き | |
| 平等割 | 7,800円 | 7,800円 | 据え置き | |
| 介護分 (40〜64歳) | 所得割 | 2.3% | 2.3% | 据え置き |
| 均等割 | 12,000円 | 12,000円 | 据え置き | |
| 平等割 | 6,000円 | 6,000円 | 据え置き | |
| 子ども・子育て支援金分 (令和8年度新設) | 所得割 | ― | 0.2% | 新設 |
| 均等割 | ― | 1,200円 | 新設(18歳年度末までは全額軽減) | |
| 平等割 | ― | 700円 | 新設 | |
| 合計(40〜64歳) | 所得割11.9% 均等割52,200円 平等割33,800円 | 所得割12.3% 均等割55,400円 平等割34,500円 | +0.4pt +3,200円 +700円 | |
令和7年度の市の運営協議会資料(令和8年度の料率案)の「令和7年度との差」の表がそのまま出ています。所得割の増加0.4ptのうち半分の0.2ptが子ども分、残り0.2ptが医療分。均等割の増加3,200円のうち2,000円が医療分、1,200円が子ども分です。支援分と介護分は3方式ともまったく動いていません。上がった原因は「医療分の引き上げ」と「子ども分の新設」の2つだけ、と読めます。
県の標準保険料率と比べると
| 区分 | 所得割 | 均等割 | 平等割 |
|---|---|---|---|
| 県の標準保険料率(合計) | 12.98% | 58,658円 | 35,353円 |
| 実際の料率(合計) | 12.30% | 55,400円 | 34,500円 |
| 差(実際-標準) | ▲0.68pt | ▲3,258円 | ▲853円 |
標準保険料率は、県が「市が納付金を賄うにはこの水準が必要」と算出した参考値で、合わせる義務はありません。ただし市は「令和9年度の統一に向けて標準保険料率に合わせていく必要がある」と明記しています。令和8年度は標準と実際の差が残った年で、その差を埋めたのが基金です。表の「標準」の数字は、子ども分の均等割に「18歳以上均等割」を含む形で県が示したものです。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 182,470円 + 均等割 108,500円 + 平等割 20,000円 ⇒ 310,970円
- 後期支援分: 所得割 69,390円 + 均等割 39,200円 + 平等割 7,800円 ⇒ 116,390円
- 介護分: 所得割 59,110円 + 均等割 24,000円 + 平等割 6,000円 ⇒ 89,110円
- 子ども分: 所得割 5,140円 + 均等割 2,400円 + 平等割 700円 ⇒ 8,240円
合計: 年間 約524,710円(月あたり約43,700円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 112,890円 + 均等割 31,000円 + 平等割 20,000円 ⇒ 163,890円
- 後期支援分: 所得割 42,930円 + 均等割 11,200円 + 平等割 7,800円 ⇒ 61,930円
- 介護分: 所得割 36,570円 + 均等割 12,000円 + 平等割 6,000円 ⇒ 54,570円
- 子ども分: 所得割 3,180円 + 均等割 1,200円 + 平等割 700円 ⇒ 5,080円
合計: 年間 約285,470円(月あたり約23,800円)
単身世帯でも平等割が合計で年34,500円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 216,430円 / 後期支援分 81,910円 / 介護分 71,590円 / 子ども分 6,560円 ⇒ 合計 約376,490円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 69,058円 / 後期支援分 25,946円 / 介護分 23,554円 / 子ども分 2,316円 ⇒ 合計 約120,874円
差額は年間およそ25万6千円。届出書1枚でこれだけ違います。東近江市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は東近江市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 東近江市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、18歳に達する日以後の最初の3月31日以前までの加入者(高校生世代まで)は、子ども・子育て支援金分の均等割1,200円が全額軽減されます。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 東近江市役所の保険料課(本庁舎新館1階)または各支所。市の公式ページに案内のPDFがあります
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
東近江市の公式ページは、軽減の対象を「失業時点で65歳未満で、雇用保険の特定受給資格者(倒産・解雇等の事業主都合)と特定理由離職者(雇用期間満了など)の受給資格がある国保被保険者」と説明しています。対象期間は離職日の翌日の属する月から、離職日の属する年の翌年度末まで。
東近江市の料率で試算します。給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯なら、基準総所得金額は276万-43万=233万円。所得割は233万×12.30%=286,590円、均等割55,400円と平等割34,500円を足して年約376,000円(約31,300円/月)になります。
軽減を届け出ると給与所得が30%の82.8万円になり、基準総所得金額は39.8万円。所得割は約49,000円まで下がります。さらに判定所得が82.8万円になるため、2割軽減(基準は43万円+57万円×1人=100万円以下)にも当てはまり、均等割・平等割が2割引きになります。合計は年約121,000円まで下がり、差額は年25万円以上です(下の計算例3で自動計算した数字)。
市が自動で対象者を拾ってくれるわけではないので、雇用保険の受給資格者証を持って早めに届け出てください。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 東近江市の減免制度|要申請
東近江市の低所得軽減(7割・5割・2割)と未就学児の軽減は申請不要ですが、市は「世帯主および被保険者(18歳以上)のうち、お一人でも令和7年中の所得申告をしていない場合は、所得額が基準額以下でも軽減をすることができません」と明記しています。非自発的失業の軽減、旧被扶養者の減免、納付が困難な場合の減免・猶予、産前産後の免除は申請(届出)が必要です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 世帯所得による軽減 (申請不要/要・所得申告) | 世帯の合計所得(世帯主が国保に入っていなくても世帯主の所得を含む)が、7割=43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下/5割=同+31万円×被保険者等の数以下/2割=同+57万円×被保険者等の数以下 | 均等割・平等割を軽減。令和7年度と令和8年度で判定基準が違います(5割は30万5千円→31万円、2割は56万円→57万円に引き上げ)。65歳以上で公的年金所得のある人は最大15万円を特別控除して判定 |
| 未就学児の均等割軽減 (申請不要) | 未就学児(小学校入学前の子ども) | 均等割を2分の1に軽減。低所得軽減に該当する場合は軽減後の額の2分の1を軽減(7割→8.5割、5割→7.5割、2割→6割) |
| 子ども・子育て支援金分の均等割軽減 (申請不要) | 18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である人 | 子ども・子育て支援金分の均等割1,200円を全額軽減。平等割700円は世帯にかかります |
| 非自発的失業者の軽減 (要申請) | 失業時65歳未満で、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者の受給資格がある国保被保険者 | 前年の給与所得を100分の30として算定。離職日の翌日の属する月から離職年の翌年度末まで |
| 後期高齢者医療への移行に伴う平等割の軽減 (申請不要) | 75歳以上の人が後期高齢者医療に移り、国保加入者が1人だけになった世帯 | 医療分・支援金等分の平等割を5年間2分の1、その後3年間4分の1に軽減。軽減判定には移行した人も加えて、国保加入時と同条件で判定 |
| 旧被扶養者の減免 (要申請) | 社会保険(国保組合を除く)の被保険者が75歳になり後期高齢者医療に移ったため、被扶養者だった65歳以上75歳未満の人が国保に入った場合 | 所得割は全額・均等割は半額を免除。旧被扶養者だけの世帯は平等割も半額。資格取得月から2年を経過する月まで。5割・7割軽減に該当する場合はそちらを優先 |
| 納付が困難な場合の減免・徴収猶予 (要申請) | 事業の休廃業・失業・疾病・長期入院などで所得が減り生活が著しく困難/震災・風水害・火災などで著しい損害/収監・拘留されていた期間 | 申請後に納期限が来る保険料の減額や徴収猶予。審査があります。窓口用チラシ(PDF)を市が公開 |
| 産前産後期間の免除 (要届出) | 出産予定または出産した被保険者(妊娠85日以上。死産・流産・早産・人工妊娠中絶を含む) | 単胎は出産予定日または出産日の属する月の前月から4か月、多胎は3か月前から6か月の所得割・均等割を免除。出産予定日の6か月前から届出可能。母子健康手帳が必要。出産日が令和5年11月1日以降が対象 |
| 一部負担金(窓口負担)の徴収猶予・免除 (要申請) | 災害、干ばつ・冷害・凍霜害などによる農作物の不作や不漁、事業の休廃止・失業などで収入が著しく減少 | 徴収猶予は入院・外来が対象で最長6か月。免除は入院のみで最長3か月(世帯収入が生活保護基準以下で、預貯金が基準の3か月分以下)。担当は保険年金課 |
東近江市の軽減で最初に押さえるべきは「世帯に1人でも所得の申告がないと、軽減がまるごと外れる」ことです。令和8年度の東近江市の均等割+平等割(40〜64歳単身)は89,900円。7割軽減を逃すと年約6.3万円の差になります。
運営協議会の資料によると、国保世帯の所得階級別の割合は所得0円が16%、43万円以下が9%、100万円以下が15%(未申告世帯が2%)。世帯の4割(40%)が所得100万円以下です。軽減は東近江市の国保の「標準装備」に近く、申告の有無がそのまま保険料の差になります。
同じ資料で、令和8年度の市の試算を見ると、低所得世帯ほど上がり率が大きいことがわかります(40歳未満・所得0円の単身 20,400円→21,500円+5.4%/65歳以上夫婦・年金収入80万円 32,400円→34,500円+6.5%/40代夫婦と子ども2人・給与収入400万円 495,800円→516,200円+4.1%)。均等割が+3,200円、平等割が+700円と「定額部分」が上がったためです。
窓口にも注意点があります。保険料・軽減は保険料課、一部負担金の猶予は保険年金課で、担当が分かれています。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(滋賀銀行・関西みらい銀行・湖東信用金庫。ゆうちょ銀行は郵便局窓口で手続き。受理した月の翌月分から振替)
- 納付書(各金融機関、郵便局、コンビニエンスストア、市役所会計課・各支所)
- クレジットカード(令和4年5月2日から。専用の納付サイトあり)・PayB・スマートフォン決済
- 年金からの特別徴収(65〜74歳の世帯で、世帯主の年金が年18万円以上などの条件あり)
東近江市の普通徴収は6月から翌年3月までの10期です。令和8年度の納期限は6月30日・7月31日・8月31日・9月30日・11月2日・11月30日・12月25日・令和9年2月1日・3月1日・3月31日。納期限は月末日ですが、土日祝日なら翌営業日。12月だけは25日と決まっているので、年末の納め忘れに注意してください。納付書は毎月14日頃(6月〜翌3月)に1期分ずつ届きます。
年金の特別徴収の条件は3つすべてに当てはまること。①国保加入の世帯主と世帯員の全員が65歳以上75歳未満、②世帯主の年金額が年18万円以上、③世帯主の介護保険料と国保料の合計が、年金額の2分の1以下。1つでも外れると普通徴収です。口座振替に変えたいときは「国民健康保険料納付方法変更申出書」を提出しますが、切り替えまでおおむね3〜4か月かかり、その間は年金からの引き去りが続きます。
税金の面でも違いが出ます。年金から引き去りの場合は世帯主本人の所得にのみ社会保険料控除が適用され、口座振替なら支払った人の所得に適用されます。世帯に収入のある人が複数いる場合は、誰の口座から払うかで所得税・住民税が変わります。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 東近江市の国保窓口一覧
国保の加入・脱退は保険年金課(0748-24-5631)、保険料の算定・軽減・納付は保険料課(0748-24-5632)です。どちらも本庁舎の新館1階にあります。旧町の6支所でも届出を受け付けています。
| 窓口 | 所在地・電話 | 国保で扱うこと |
|---|---|---|
| 健康医療部 保険年金課(本庁舎) | 〒527-8527 東近江市八日市緑町10番5号(新館1階) 0748-24-5631/FAX 0748-24-5576 | 加入・脱退の届出、資格確認書、一部負担金の徴収猶予・免除。マイナンバーカードでのオンライン脱退手続き(スマート申請) |
| 健康医療部 保険料課(本庁舎) | 同上(新館1階) 0748-24-5632/FAX 0748-24-5576 | 保険料の算定・軽減・減免、非自発的失業の軽減、産前産後の免除、納付相談、口座振替 |
| 永源寺支所 | 0748-27-2183 | 国保の各種届出・保険料の相談 |
| 能登川支所 | 0748-42-9912 | 国保の各種届出・保険料の相談 |
| 蒲生支所 | 0748-55-4884 | 国保の各種届出・保険料の相談 |
| 愛東支所 | 加入・脱退の案内 0749-46-0211/保険料の案内 0749-46-2261 | 国保の各種届出・保険料の相談 |
| 五個荘支所 | 加入・脱退の案内 0748-48-3111/保険料の案内 0748-48-7310 | 国保の各種届出・保険料の相談 |
| 湖東支所 | 加入・脱退の案内 0749-45-0511/保険料の案内 0749-45-3703 | 国保の各種届出・保険料の相談 |
3つの支所は、市の「加入・脱退」のページと「保険料」のページで載っている電話番号が違います(愛東・五個荘・湖東)。上の表は市の公式ページの記載をそのまま並べたものです。迷ったら本庁の番号にかけるのが確実です。
加入の届出が遅れると、保険料をさかのぼって納めることになります。届出は14日以内。本人または同一世帯以外の人が届け出る場合は委任状が必要です。
就職して社保に入ったあと、国保の資格確認書で受診しないこと。市は「社会保険に加入した日(資格取得日)以降に誤って東近江市の資格確認書を使って受診した場合、市が負担した医療費(7〜8割分)を後日返還することになる」と注意しています。
外国籍の人は、市内に住所があり3か月以上日本に滞在すると認められた中長期在留者は国保に加入する義務があります(後期高齢者医療・職場の保険・生活保護の人を除く)。
8. よくある質問(東近江市の国保)
Q1. 令和8年度に保険料が上がったのはなぜですか?
A. 医療分の料率引き上げと、子ども・子育て支援金分の新設の2つです。市の運営協議会の資料では、所得割が合計+0.40pt(医療+0.20、子ども+0.20)、均等割が+3,200円(医療+2,000、子ども+1,200)、平等割が+700円(子ども分のみ)でした。支援分・介護分は3方式とも据え置きです。
市の公式の計算例では、夫婦・子ども(41歳・38歳・10歳)で41歳の所得243万円の世帯は年404,400円から421,500円へ+17,100円(+4.2%)、年金所得のみの67歳・66歳夫婦(5割軽減)は92,500円から97,600円へ+5,100円(+5.5%)です(いずれも市の令和7・8年度の計算例を比較)。
それ以外の理由として、所得の増加、加入者の増加、40歳になって介護分が加わった、軽減の対象外になった(所得の未申告を含む)なども考えられます。所得も人数も変わらないのに軽減が外れた場合は、所得の申告漏れを疑ってください。
Q2. 滋賀県の保険料統一で、東近江市の保険料はどうなりますか?
A. 令和9年度に県内の保険料率が統一され、東近江市の基金は原則として使えなくなります。令和9年度にどれだけ上がるかは、現時点で公表されていません。
運営協議会の資料はこう書いています——「令和9年度の保険料水準の統一に向けて、滋賀県で算定される標準保険料率を踏まえ、被保険者の急激な負担増とならないよう財政調整基金等を活用し、段階的に保険料を調整します」。
ポイントは3つです。
①基金は令和8年度末でほぼゼロ——令和7年度末に約5,000万円あった基金を令和8年度に5,000万円使い、計画上の残額は0円。委員の質問に市は「令和9年度以降は県下統一の保険料率となるため、保険料を軽減するために各市町の基金は原則使えなくなる」と答えています。統一後の残高は利息分の140万円程度の見込みです。
②標準との差はまだ残っている——県が示した令和8年度の「統一標準保険料」は1人あたり142,759円(県内で高いほうから4番目)、市の実際の保険料(想定)は132,125円(同6番目)。差は▲10,634円です。市は「令和8年度保険料は、統一標準保険料の水準に近づける必要があり、急激な上昇にならないよう基金等を活用し調整しました」と説明しています。
③統一後の調整財源は県が持つ——市は「県の剰余金及び財政安定化基金を活用される予定」と説明しています。
なお、同じ滋賀県でも長浜市は令和12年度を目途に段階的に統一保険料へ移行するとしており、移行のペースは市によって違います。東近江市の令和9年度の料率は、今後の運営協議会で議論される見通しです。毎年4月に市のページで新しい料率が公表されます。
Q3. 保険料の滞納はどうなりますか?収納率はどのくらいですか?
A. 東近江市の令和7年度の現年分の収納率は95.85%でした(令和6年度96.20%から0.35ポイント低下)。市は「被保険者数に応じて区分された滋賀県の保険者規模別目標収納率94.5%を上回る結果」と説明しています。過年度分(滞納繰越分)の収納率は20.98%で、令和6年度の23.84%から下がりました。
納期限を過ぎると督促手数料と延滞金がかかり、特別な理由なく滞納が続くと滞納処分になります。滞納が続くと、医療費がいったん全額自己負担になる「特別療養費」の対象になる場合があると市は案内しています。払えないときは、納期限までに保険料課へ相談すれば、減免や徴収猶予が使えることがあります。
Q4. 収入がない年でも、何か手続きが必要ですか?
A. 住民税の申告が必要です。世帯の合計所得が基準以下なら均等割・平等割が7割・5割・2割軽減されますが、所得を申告していない世帯には軽減が適用されません。市は「世帯主および被保険者(18歳以上)のうち、お一人でも所得申告をしていない場合は軽減できない」と明記しています。世帯主が社会保険に入っていて国保に入っていない場合も、世帯主の所得が判定に含まれます。
Q5. 75歳になった家族が後期高齢者医療に移ったら、残った人の保険料は?
A. 国保に残る人が1人になった世帯は、医療分・支援金等分の平等割が5年間2分の1、その後3年間4分の1に軽減されます(申請不要)。また軽減判定には、後期高齢者医療に移った人も加えて、国保加入時と同じ条件で判定されます。
会社員(社保)の75歳の家族の被扶養者だった65〜74歳の人が国保に入った場合は旧被扶養者の減免(要申請)があり、所得割は全額・均等割は半額が免除されます。資格取得月から2年を経過する月までで、5割・7割軽減に当たる場合はそちらが優先されます。
Q6. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、世帯所得による軽減
(申請不要/要・所得申告)・未就学児の均等割軽減
(申請不要)・子ども・子育て支援金分の均等割軽減
(申請不要)・非自発的失業者の軽減
(要申請)・後期高齢者医療への移行に伴う平等割の軽減
(申請不要)・旧被扶養者の減免
(要申請)・納付が困難な場合の減免・徴収猶予
(要申請)・産前産後期間の免除
(要届出)・一部負担金(窓口負担)の徴収猶予・免除
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q7. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に東近江市 健康医療部 保険料課(0748-24-5632/本庁舎新館1階)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|東近江市の国保で押さえるべきポイント
- 東近江市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分7.10%・後期支援分2.70%・介護分2.30%・子ども分0.20%
- 均等割は医療分31,000円・後期支援11,200円・介護12,000円・子ども1,200円、平等割は合計で年34,500円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 令和8年度は所得割12.30%(+0.40pt)・均等割55,400円(+3,200円)・平等割34,500円(+700円)。上がったのは医療分と新設の子ども分だけで、支援分・介護分は据え置き。市の公式計算例は円単位で検算一致
- 県の標準保険料率より0.68pt安い水準を、財政調整基金で維持。基金は令和4年度末の5億6,500万円から、令和8年度末に計画上0円へ
- 令和9年度は県内統一。市の基金は原則使えないため、料率の見通しは未公表。統一標準保険料は1人142,759円、令和8年度の実際の保険料(想定)は132,125円で差は▲10,634円
- 均等割の合計55,400円は、当サイトで調べた滋賀県10市の中で最も高い。所得の低い世帯では定額部分の負担感が大きい
- 世帯の4割が所得100万円以下(市の資料)。所得の申告がないと軽減が外れるので、収入がない年も住民税の申告を
- 保険年金課(資格・一部負担金)と保険料課(保険料・軽減)で窓口が分かれる。年金特別徴収は「3条件すべて」
- 納期は6月〜3月の10期。12月の納期限だけは25日
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年25万6千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は東近江市 健康医療部 保険料課(0748-24-5632/本庁舎新館1階)
出典・参考:
・東近江市公式:令和8年度の国民健康保険料率
・東近江市公式:令和7年度の国民健康保険料率
・東近江市公式:保険料の算定方法
・東近江市公式:保険料の納付方法・納期
・東近江市公式:保険料の軽減
・東近江市公式:非自発的理由で失業された方へ
・東近江市公式:後期高齢者医療保険へ移行した場合の緩和措置
・東近江市公式:納付が困難な方へ
・東近江市公式:産前産後期間の国民健康保険料の免除制度
・東近江市公式:国民健康保険一部負担金の徴収猶予および免除制度
・東近江市公式:国民健康保険の加入(脱退)の手続
・東近江市公式:オンラインで申請できる手続(国民健康保険)
・東近江市国民健康保険事業運営協議会(令和7年度第2回 会議資料・議事録/令和8年度第1回 会議資料)
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は東近江市公式サイトでご確認ください。