加須市の国民健康保険|令和8年度の保険税・減免・申請窓口を完全ガイド
加須市は人口約11万人、埼玉県の北東端にあり、利根川と渡良瀬川に挟まれた平らな土地に広がる市です。2010年に加須市・騎西町・北川辺町・大利根町が合併してできた市で、こいのぼりの生産で知られる「こいのぼりの街」、農業の盛んな土地柄として知られます。
この記事でまず伝えたいのは、加須市の国保税は、令和8年度にいよいよ所得割が8年ぶりに動いたということです。所得割率は平成30年度から令和7年度まで、医療給付費分7.50%・後期高齢者支援金分2.30%・介護納付金分2.40%のままでした。
令和8年度の税率は医療給付費分7.98%・47,700円、後期高齢者支援金分2.86%・13,500円、介護納付金分2.44%・11,000円。新設の子ども・子育て支援納付金分0.26%・1,573円(18歳以上は+119円)を足すと、所得割13.54%・均等割73,892円(40〜64歳・18歳以上)です。
背景には、埼玉県が令和9年度に「準統一」、令和12年度に「完全統一」を進めていることがあります。市は令和7年12月の「税率等改正にあたっての基本方針」で、令和9年度の準統一に向けて令和8年度・9年度の2年間で税率を引き上げていく必要があると明記しました。
加須市の資料でもうひとつ注目したいのは、令和8年度の改正による影響額を市が公表していること。全体で約3億3,695万円の増収(1世帯あたり22,039円、1人あたり14,707円の増)、世帯の約半数(47.3%)が軽減なし、約半数の52.7%が7割・5割・2割のいずれかの軽減という構成も示されています。
もう一つ、国保に入っている人だけが使える制度として人間ドック・脳ドック・併診ドックの利用助成があります(人間ドック・脳ドック2万円、併診ドック3万円)。条件は「国民健康保険税を完納している世帯」です。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく加須市の国保税の計算方法、令和4年度からの推移、県の標準税率との差、軽減制度、失業したときの軽減、そして窓口の使い分けまで、市の公表資料をもとにまとめました。
1. 加須市の国民健康保険の概要
加須市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
加須市の保険税は2方式(所得割+均等割)で計算します。世帯単位でかかる平等割はありません。単身世帯にとっては比較的有利な設計です。
加須市の国保は「保険料」ではなく「保険税」方式で、2方式(所得割+均等割)です。平等割も資産割もありません。納税義務者は世帯主で、市は「世帯主本人が国民健康保険に加入していない場合は擬制世帯主と呼び、同様に納税義務が生じる」と説明しています。擬制世帯主の税額は加入者の所得・人数で計算され、世帯主の所得は計算に含まれません。ただし低所得の軽減判定には、擬制世帯主の所得も含まれます。
市の国保は加入者約22,200人(令和7年9月末・前年同月比△1,116人)。市の人口の約20%、世帯の約29%が国保で、65〜74歳の割合(高齢化率)は49.4%と加入者の約半分です。加入者が減り、1人あたり医療費は増え続けるという構図が、税率引き上げの下地になっています。
令和8年度の合計は、所得割13.54%・均等割73,892円・賦課限度額112万円(40〜64歳・18歳以上)。40歳未満と65歳以上なら所得割11.10%・均等割62,892円です。
令和8年度の改正は「所得割も均等割も、ほぼ全区分で上げた」改正です。市の公表資料から並べると——
医療給付費分:所得割7.50%→7.98%(+0.48pt)、均等割40,700円→47,700円(+7,000円)、限度額65万円→66万円。
後期高齢者支援金分:所得割2.30%→2.86%(+0.56pt)、均等割10,500円→13,500円(+3,000円)、限度額24万円→26万円。
介護納付金分:所得割2.40%→2.44%(+0.04pt)、均等割11,000円で据え置き、限度額17万円のまま。
子ども・子育て支援納付金分:新設(所得割0.26%、均等割1,573円、18歳以上均等割119円、限度額3万円)。
医療・後期・介護の3区分だけで見ると、所得割は12.20%→13.28%(+1.08pt)、均等割は62,200円→72,200円(+10,000円)(40〜64歳)。そこに子ども分が乗って、13.54%・73,892円になります。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険税の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|
| 医療給付費分 | 7.98% | 47,700円 | 660,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.86% | 13,500円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.44% | 11,000円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.26% | 1,692円 (市の税率表は均等割1,573円+「18歳以上被保険者均等割」119円の2行。18歳に達する日以後の最初の3月31日までの被保険者は、均等割の1,573円が全額軽減されます(市の基本方針資料)。表の1,692円は18歳以上の1人あたり(1,573円+119円)) | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療給付費分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 市の税率表は均等割1,573円+「18歳以上被保険者均等割」119円の2行。18歳に達する日以後の最初の3月31日までの被保険者は、均等割の1,573円が全額軽減されます(市の基本方針資料)。表の1,692円は18歳以上の1人あたり(1,573円+119円)。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
賦課限度額は医療分66万円・後期分26万円・介護分17万円・子ども分3万円の合計112万円(令和7年度は106万円)。市の基本方針(令和7年12月)の段階では、子ども分を除いた医療66万円+支援26万円+介護17万円=109万円と説明されており、子ども分3万円が「政令と同日から適用」されて加わった形です。市は方針の中で、「令和9年度までには、税制改正により法定賦課限度が改正された場合、政令と同日から適用する」としています。
所得割の計算ベースは「所得割算定基礎額(前年の総所得金額等−43万円)」。市はこう書いています——所得割率×所得割算定基礎額(前年の総所得金額等-43万円)=所得割額。
所得割の合計(子ども分を含む)は、40〜64歳で13.54%、40歳未満・65〜74歳で11.10%。均等割は40〜64歳の18歳以上で73,892円、40歳未満・65〜74歳の18歳以上で62,892円、18歳未満は子ども分の均等割が全額軽減されるため72,200円(40〜64歳)/61,200円(40歳未満・65歳以上)の計算になります(医療+支援+介護/医療+支援)。
県の標準税率(令和7年11月28日公表の「秋の試算」時点)と比べると、加須市の令和8年度は所得割が4区分すべて標準と同じ(医療7.98%・支援2.86%・介護2.44%・子ども0.26%)。一方均等割は標準より低い——医療47,700円(標準48,474円)、支援13,500円(標準17,249円)、介護11,000円(標準17,272円)。合計の均等割は加須市73,892円(18歳以上)に対して標準84,687円で、差は10,795円です。
加須市の税率の推移(令和4年度〜令和8年度)
| 区分 | R4 | R5 | R6 | R7 | R8 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 医療給付費分 | 所得割率 | 7.50% | 7.50% | 7.50% | 7.50% | 7.98% |
| 均等割額 | 23,000円 | 27,700円 | 32,700円 | 40,700円 | 47,700円 | |
| 後期高齢者支援金分 | 所得割率 | 2.30% | 2.30% | 2.30% | 2.30% | 2.86% |
| 均等割額 | 10,500円 | 10,500円 | 10,500円 | 10,500円 | 13,500円 | |
| 介護納付金分 | 所得割率 | 2.40% | 2.40% | 2.40% | 2.40% | 2.44% |
| 均等割額 | 11,000円 | 11,000円 | 11,000円 | 11,000円 | 11,000円 | |
| 子ども・子育て支援納付金分 | 所得割率 | ― | ― | ― | ― | 0.26% |
| 均等割額 | ― | ― | ― | ― | 1,573円(18歳以上+119円) | |
| 賦課限度額(合計) | 99万円 | 102万円 | 104万円 | 106万円 | 112万円(子ども分3万円を含む) |
加須市の税率表でまず目を引くのは、所得割率が平成30年度の県単位化以来、令和7年度まで8年間まったく動いていなかったことです(医療給付費分7.50%・後期高齢者支援金分2.30%・介護納付金分2.40%、3区分合計12.20%)。この間に動いたのは均等割と賦課限度額だけ。医療給付費分の均等割は、平成30年度の21,000円から令和7年度の40,700円まで上がり、令和8年度は47,700円です。令和4年度からの4年間で、医療給付費分の均等割は23,000円→47,700円(+24,700円・約2.07倍)になりました。
令和8年度は、ついに所得割も動きました。医療給付費分は+0.48pt、後期高齢者支援金分は+0.56pt、介護納付金分は+0.04pt、そこに新設の子ども分0.26%が加わって、所得割の合計は12.20%→13.54%(+1.34pt)。市の資料はこの3区分の所得割を「県が示す標準保険税率と同じ値」に設定しています(医療7.98%・支援2.86%・介護2.44%・子ども0.26%)。
同じ世帯で、5年間の保険税はどう変わったか
| モデル世帯 | R4 | R5 | R6 | R7 | R8 |
|---|---|---|---|---|---|
| 40歳単身・給与収入300万円(基準総所得金額159万円) | 238,480円 | 243,180円 | 248,180円 | 256,180円 | 289,178円 |
R4→R8で50,698円(+21.3%)、R7→R8の1年だけでも32,998円(+12.9%)の増加です(介護分を含む40〜64歳・軽減なしの試算)。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 205,086円 + 均等割 166,950円 ⇒ 372,036円
- 後期支援分: 所得割 73,502円 + 均等割 47,250円 ⇒ 120,752円
- 介護分: 所得割 62,708円 + 均等割 22,000円 ⇒ 84,708円
- 子ども分: 所得割 6,682円 + 均等割 3,384円 ⇒ 10,066円
合計: 年間 約587,562円(月あたり約49,000円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 126,882円 + 均等割 47,700円 ⇒ 174,582円
- 後期支援分: 所得割 45,474円 + 均等割 13,500円 ⇒ 58,974円
- 介護分: 所得割 38,796円 + 均等割 11,000円 ⇒ 49,796円
- 子ども分: 所得割 4,134円 + 均等割 1,692円 ⇒ 5,826円
合計: 年間 約289,178円(月あたり約24,100円)
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 233,634円 / 後期支援分 80,138円 / 介護分 67,852円 / 子ども分 7,750円 ⇒ 合計 約389,374円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 69,920円 / 後期支援分 22,183円 / 介護分 18,511円 / 子ども分 2,388円 ⇒ 合計 約113,003円
差額は年間およそ27万6千円。届出書1枚でこれだけ違います。加須市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は加須市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険税の上限)
- 医療給付費分 660,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年112万円(1,120,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 加須市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険税が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、市の税率表は均等割1,573円+「18歳以上被保険者均等割」119円の2行。18歳に達する日以後の最初の3月31日までの被保険者は、均等割の1,573円が全額軽減されます(市の基本方針資料)。表の1,692円は18歳以上の1人あたり(1,573円+119円)。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険税軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 国保年金課(本庁舎1階)または各総合支所の市民税務担当
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
加須市の失業軽減の条件は、①離職日が平成21年3月31日以降で離職日現在65歳未満、②離職後に国保以外の社会保険等に加入していない(任意継続は除く)、③「雇用保険受給資格者証」の離職理由コードが特定受給資格者の11・12・21・22・31・32、または特定理由離職者の23・33・34。「特例受給資格者証」「高年齢受給資格者証」は対象外と、市ははっきり書いています。
軽減の中身は前年の給与所得を100分の30とみなして税額を計算するもの。対象期間は離職日の翌日の属する月から、その月の属する年度の翌年度末までで、社会保険等に加入して国保を脱退した時点で終了します。申請は「雇用保険受給資格者証」とマイナ保険証(または資格確認書)を持って、国保年金課または各総合支所の市民税務担当へ。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険税軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 加須市の減免制度|要申請
加須市の低所得の軽減(7割・5割・2割)と未就学児の均等割5割軽減のうち、未就学児の軽減は申請不要です。一方、低所得の軽減は「国保に加入している方全員(15歳以下を除く)の申告が必要」と市が明記しています。所得がなかった方も、申告をしないと軽減判定の対象になりません。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 納付が困難な場合の減免(納付相談) | 火災などの被災、事業の休廃止、長期入院など、被保険者または生計維持者の収入が著しく減ったなど特別な事情で納付が困難と認められる方 | 申請により減免となる場合があります。市のページには減免の割合・期間の記載がないため、国保年金課または各総合支所の市民税務担当で個別に確認。納付回数の変更などの納付相談も同じ窓口 |
| 旧被扶養者の軽減(65〜74歳) | 社会保険等の被保険者本人が後期高齢者医療制度へ移行したため、被扶養者だった方が国保に加入した場合(65歳以上75歳未満) | 所得割額は免除、均等割額は資格取得後2年間(24か月)半額。要申請。会社員の夫(妻)が75歳になり、扶養されていた配偶者が国保に入るケースが典型 |
| 産前産後期間の国保税減額 | 国保加入の被保険者(母親)で、妊娠85日(4か月)以上の出産(死産・流産・早産・人工妊娠中絶も含む) | 出産予定月(または出産月)の前月から4か月分(多胎は3か月前から6か月分)の所得割額・均等割額が減額。届出が必要で、受付は出産予定日の6か月前から。出産後の届出も可 |
加須市の軽減で、令和8年度に変わった点が1つあります。5割軽減・2割軽減の基準額が拡大しました——5割軽減は被保険者1人あたり30.5万円→31万円、2割軽減は56万円→57万円。市の令和7年12月の基本方針では「見込み」として30.5万円・56万円のままでしたが、令和8年度の正式な計算方法のページでは31万円・57万円になっています。
また、7割軽減は「43万円以下」、給与所得者等が2人以上いれば10万円×(人数−1)を加算します。加須市の軽減世帯の割合は、令和7年4月現在で7割26.8%・5割14.2%・2割11.7%、合計52.7%(世帯ベース)と、半数以上の世帯が何らかの軽減を受けています。
保険税が重いと感じたときの選択肢は保険税が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
- 納付書による納付(金融機関・コンビニなど。詳細は市の「市税の納付方法」ページ)
- 年金からの特別徴収(年金天引き)(世帯主が65〜74歳・世帯の加入者全員が65〜74歳・年金年額18万円以上などの条件あり)
納期は年9回(7月〜翌年3月)、毎月月末(土日祝の場合は翌営業日)です。当初の納税通知書は7月中旬に送られます。年度の途中で加入した場合は月割計算で、届出の翌月または翌々月から3月までの回数で納めます。
年金天引き(特別徴収)の条件は、世帯の国保加入者が全員65歳以上75歳未満で、世帯主の年金が年額18万円(月額15,000円)以上、かつ国保税と介護保険料の合計が年金受給額の2分の1を超えないこと。4月・6月・8月が仮徴収、10月・12月・2月が本徴収で、原則として2月の額が翌年度4月・6月・8月の仮徴収額になります。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 加須市の国保窓口一覧
加須市の国保は健康スポーツ部 国保年金課(本庁舎1階)が担当しています。本庁舎は加須市三俣二丁目1番地1。加入・脱退・軽減・給付などの手続きは本庁の国保年金課のほか、各総合支所の市民税務担当でも受け付けており、合併前の旧町(騎西・北川辺・大利根)の窓口がそのまま残っているのが加須市の特徴です。
| 窓口 | 場所・連絡先 | 国保で扱う主な業務・注意点 |
|---|---|---|
| 国保年金課(本庁舎1階) | 〒347-8501 加須市三俣二丁目1番地1 0480-62-1111(代表)/FAX 0480-61-4281 | 税額・軽減・減免の相談、加入・脱退の届出、非自発的失業の軽減、産前産後の減額の届出、人間ドック・脳ドック助成、出産育児一時金・葬祭費(5万円)の申請 |
| 各総合支所 市民税務担当 | 旧騎西町・北川辺町・大利根町の各総合支所 | 加入・脱退、軽減・減額の届出、人間ドック助成の申請、出産育児一時金・葬祭費の申請など、本庁の国保年金課と同じ業務の多くを扱う(窓口の所在地は市の総合支所案内で確認) |
| ハローワーク | 最寄りのハローワーク | 非自発的失業者の軽減に必要な雇用保険受給資格者証の発行・記載内容の確認 |
| 医療機関(ドック) | 済生会加須病院(加須市上高柳1680・0480-70-0666)ほか指定医療機関 | 脳ドック・併診ドックは済生会加須病院のみ(令和5年3月の加須市医療診断センター閉館に伴う)。人間ドック・脳ドックは助成2万円、併診ドックは3万円 |
届出は「事実が発生した日から原則14日以内」です。この手続きはマイナ保険証の有無に関わらず必要と市は書いています。届出に来る方は、顔写真付きの本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証・運転経歴証明書)を持参します。
加入の際の必要書類:他市区町村からの転入は転出証明書と前年の所得が分かる書類、会社の健康保険をやめたときは資格喪失証明書または退職証明書とマイナンバーカード等、子どもが生まれたときは母子健康手帳、生活保護をやめたときは生活保護廃止決定通知書。
出産育児一時金は、産科医療補償制度の対象の出産で50万円、それ以外は48万8千円。直接支払制度を使えば、出産前の市への申請は不要で、費用が50万円に満たないときは差額を市が世帯主宛てに支給します(申請書は市から送付されますが、お届けまで出産後2〜3か月程度かかると市は案内しています)。妊娠12週(85日)以上なら流産・死産でも対象。
葬祭費は、国保加入者が亡くなったとき、葬祭を執り行った方に5万円。死亡届を出した際に申請書が渡され、本庁国保年金課または各総合支所の市民税務担当に提出します。
令和6年12月の保険証の新規発行廃止以降は、資格確認書または資格情報のお知らせが発行されています。市は被保険者向けに「資格確認書」「資格情報のお知らせ」の一斉交付も案内しています。
8. よくある質問(加須市の国保)
Q1. 加須市の国保税は、令和9年度にさらに上がるのですか?
A. 上がる可能性が高い見通しです。
市は令和7年12月の基本方針で「令和9年度からの準統一に向け、令和8年度、9年度の2年間で税率を改正(引上げ)していく必要がある」と明記しています。令和8年度の標準税率(秋の試算)と加須市の税率の差は、所得割が0(4区分とも同じ)、均等割が合計で10,795円(標準84,687円・加須市73,892円)。標準税率のまま合わせた場合、40歳単身・給与収入300万円で年約1万円の増(本記事の試算)です。
ただし令和9年度の標準税率は県が改めて示します。標準税率は毎年度、県への納付金の見込みや被保険者の所得水準で変わるので、最新の数字は市の国保のページで確認してください。
Q2. 令和8年度は、どうして所得割も均等割も上がったのですか?
A. 県の標準税率に所得割をそろえ、均等割を近づけるためです。
市の基本方針は、税率改正の考え方として「所得割についても、標準保険税率を下回った場合、負担の公平性の観点からも引き上げを検討する」と書いています。令和7年度の加須市の所得割は、医療7.50%・支援2.30%・介護2.40%で、標準(医療6.92%・支援2.73%・介護2.22%)との比較では医療と介護は上回っていましたが、令和8年度の標準は医療7.98%・支援2.86%・介護2.44%と大きく上がり、加須市は3区分ともその値に合わせることになりました。
あわせて、法定外繰入金は令和7年度当初予算の約3億9,926万円から、令和8年度は約1億2,000万円に減らすと市の資料にあります。減った繰入金を税で補う分が、増収約2億7,700万円(現年課税分20.06億円→22.83億円)として見込まれています。
Q3. 令和8年度の改正で、モデル世帯の負担はどれくらい増えるのですか?
A. 市が基本方針の中で、子ども・子育て支援分を含む試算を公表しています(令和7年4月現在の加入者・軽減適用状況で試算した(案)の数字)。
・7割軽減の単身(所得43万円以下):年15,300円→18,800円(+3,500円)
・5割軽減の単身(所得70万円):年52,000円→61,200円(+9,200円)
・2割軽減の4人世帯(所得200万円):年317,600円→375,400円(+57,800円)
・軽減なしの4人世帯(所得300万円・40〜64歳):年562,200円→643,400円(+81,200円)
全世帯の平均では1世帯あたり+22,039円、1人あたり+14,707円。世帯の構成や年齢・所得によって幅があるので、本記事の計算例や市の試算フォームで確認してください。
Q4. 加須市の国保税は、埼玉県内の他市と比べて高いですか?
A. 県内では低めの位置にあります。
市の資料(令和6年度決算・県内40市)によると、1人あたり調定額は加須市95,299円で32位(1位は戸田市121,100円)、1世帯あたり調定額は144,125円で30位(1位は八潮市173,218円)。現年分の収納率は94.60%で25位でした。
令和8年度の税率で比べると、隣の久喜市は所得割13.57%・均等割83,300円(40〜64歳・18歳以上)で、加須市の13.54%・73,892円より均等割が約9,400円高い計算です。ただし県は令和9年度から税率水準を揃えていく(準統一)ので、こうした市ごとの差は今後縮まる見通しです。
Q5. 加須市で国保に入っている人だけが使える助成はありますか?
A. 人間ドック・脳ドック・併診ドックの利用助成があります。
助成額は人間ドック・脳ドックが2万円、併診ドックが3万円。受診日時点で国保に加入し、国保税を完納している世帯の方が対象です。指定医療機関で受診する場合は受診前に申請(受診票を発行)、指定外の医療機関で人間ドックを受ける場合は受診後に申請(脳ドック・併診ドックの助成はなし)。人間ドックと国保健診(特定健康診査)は選択制で、両方受けると人間ドックの助成金を返還します。
Q6. 加須市の国保税は「保険料」ですか「保険税」ですか?
A. 加須市は「保険税」です。市の公式ページでも「国民健康保険税」と表記されています。本記事では市の表記に合わせて「保険税」と書きます。
Q7. 令和8年度の新しい「子ども・子育て支援納付金分」とは何ですか?
A. 令和8年度から国保税に加わった新しい区分です。加須市の税率は所得割0.26%、均等割1,573円、18歳以上の被保険者は+119円、限度額3万円。18歳に達する日以後の最初の3月31日までの被保険者は、均等割の1,573円が全額軽減されます(18歳以上均等割の119円は別)。市は税率を県の標準保険税率に合わせたと説明しています。
Q8. 国保の「準統一」「完全統一」とは何ですか?
A. 埼玉県の「第3期国民健康保険運営方針」が定める、県内の保険税水準をそろえていく計画です。納付金ベースの統一(令和6年度完了)→準統一(令和9年度)→完全統一(令和12年度)の3段階。準統一では、収納率の格差以外の項目を統一し、県内すべての市町村が「市町村標準保険税率」どおりに賦課します。完全統一では「県標準保険税率」に一本化されます。
Q9. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、納付が困難な場合の減免(納付相談)・旧被扶養者の軽減(65〜74歳)・産前産後期間の国保税減額などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q10. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に加須市 健康スポーツ部 国保年金課(本庁舎1階・0480-62-1111)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険税もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|加須市の国保で押さえるべきポイント
- 加須市は2方式(所得割+均等割)。令和8年度の料率は医療給付費分7.98%・後期支援分2.86%・介護分2.44%・子ども分0.26%
- 均等割は医療給付費分47,700円・後期支援13,500円・介護11,000円・子ども1,692円。賦課限度額は世帯合計で年112万円
- 令和8年度の所得割は4区分すべて、県の標準税率と同じ(医療7.98%・支援2.86%・介護2.44%・子ども0.26%)。均等割は標準より合計10,795円低い
- 所得割率は平成30年度から令和7年度まで8年間据え置き(医療7.50%・支援2.30%・介護2.40%)。動いたのは均等割と限度額だけで、令和8年度に初めて所得割も上がった
- 令和4年度→8年度で、医療分の均等割は23,000円→47,700円(約2.07倍)。40〜64歳の3区分の均等割は44,500円→72,200円(+62.2%)
- 市の試算では、令和8年度の改正で全体約3.37億円の増収(1世帯+22,039円・1人+14,707円)
- 賦課限度額は合計112万円(令和7年度106万円)。子ども分の3万円を含む
- 県内40市中、1人あたり調定額は32位(95,299円)、現年収納率は25位(94.60%)
- 令和9年度の準統一に向け、令和8・9年度の2年間で税率を引き上げると市が基本方針で明記。標準税率のままなら40歳単身で年約1万円の増
- 5割・2割の軽減基準が令和8年度に拡大(30.5万→31万円、56万→57万円)。軽減世帯は全体の52.7%
- 人間ドック・脳ドックの助成は2万円、併診ドックは3万円。条件は国保税の完納
- 国保年金課(本庁)と各総合支所の市民税務担当で受付。合併前の旧町の窓口が残っている
- 納期は年9回(7月〜3月)の月末
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年27万6千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は加須市 健康スポーツ部 国保年金課(本庁舎1階・0480-62-1111)
出典・参考:
・加須市公式:国民健康保険税・計算方法(令和8年度の税率)
・加須市公式:国民健康保険税の軽減
・加須市公式:国民健康保険税率等改正にあたっての基本方針(令和7年12月・PDF)
・加須市公式:国民健康保険税の納期・納付方法
・加須市公式:国民健康保険税の賦課・更正
・加須市公式:倒産や解雇などで離職された方の国民健康保険税の軽減措置
・加須市公式:産前産後期間に係る国民健康保険税減額
・加須市公式:世帯で後期高齢者医療制度に加入された方がいるとき
・加須市公式:納付相談・保険料の減免など
・加須市公式:国民健康保険に加入するとき
・加須市公式:出産育児一時金
・加須市公式:葬祭費
・加須市公式:人間ドック・脳ドック・併診ドック利用助成
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は加須市公式サイトでご確認ください。