長崎県 長崎市の国民健康保険|保険料・減免・申請窓口まとめ

長崎市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド

長崎市は人口約39万人、長崎県の県庁所在地です。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく長崎市の国保税の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
最初に押さえておきたいのは、長崎市の所得割の合計が15.62%だという点です。これは全国でもトップクラスの高さで、統一保険料率で知られる大阪府(15.44%)をも上回ります。
もうひとつ、長崎市は「国保税の申告が必要な世帯」と「不要な世帯」を条件ごとにリスト化して公開しています。夫の確定申告で扶養に入っている妻は申告が必要——といった細かい線引きまで書かれており、軽減を逃さないために重要な情報です。この記事ではその両方を詳しく扱います。

1. 長崎市の国民健康保険の概要

長崎市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。

長崎市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。

長崎市は「保険料」ではなく「保険税」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。
4区分すべてに平等割があります(基礎課税分19,800円・後期高齢者医療支援分6,900円・介護納付金分5,400円・子ども・子育て支援金分707円)。
国保税は世帯主に課税されます。市は「世帯主が国保の被保険者でない場合でも、その世帯内に国保の被保険者がいる場合には、その世帯主が納税義務者となります。このような世帯主を『擬制世帯主』といいます」と説明しています。
課税標準額は「総所得金額等から基礎控除(43万円)を差し引いた金額」。総所得金額等は社会保険料控除・配偶者控除・扶養控除などの各種所得控除前の金額で、退職所得以外の分離課税の所得(土地・建物の譲渡所得=特別控除後の額、株式等の譲渡所得など)も含まれます。

国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。

2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率

令和8年度 長崎市国民健康保険料 料率
区分所得割率均等割(1人年額)平等割(1世帯年額)賦課限度額
基礎課税分(医療分)9.30%27,700円19,800円670,000円
後期高齢者支援金分3.30%9,700円6,900円260,000円
介護分(40〜64歳)2.70%9,500円5,400円170,000円
子ども・子育て支援金分0.32%1,180円
(子ども・子育て支援金分の均等割1,180円は「均等割1,130円+18歳以上均等割50円」の合計で、18歳以上被保険者にかかります。18歳未満の方の均等割額は全額軽減されます)
707円30,000円
  • 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
  • 40歳未満は基礎課税分(医療分)・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
  • 子ども・子育て支援金分の均等割1,180円は「均等割1,130円+18歳以上均等割50円」の合計で、18歳以上被保険者にかかります。18歳未満の方の均等割額は全額軽減されます。申請は不要です。
  • 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。

所得割の合計は15.62%(基礎課税分9.3%+後期高齢者医療支援分3.3%+介護納付金分2.7%+子ども・子育て支援金分0.32%/40〜64歳)。全国でもトップクラスの高さです。40歳未満でも12.92%あります。

とくに基礎課税分(医療分)の9.3%が突出しています。全国の中核市・県庁所在地では6〜8%台が多く、9%を超える自治体は多くありません。

一方で均等割・平等割は比較的抑えめです。均等割の合計は1人48,080円(27,700+9,700+9,500+1,180)、平等割の合計は年32,807円(19,800+6,900+5,400+707)。単身40〜64歳なら所得ゼロでも年80,887円が基本です(軽減の対象にはなります)。

つまり長崎市は「所得が高いほど負担が重く、所得が低いと相対的に軽い」構造です。所得割の比重が大きいぶん、非自発的失業者の軽減や所得減少による減免の効果が大きくなります。

課税限度額は令和8年度現在113万円(基礎課税分67万円・後期高齢者医療支援分26万円・介護納付金分17万円・子ども・子育て支援金分3万円)。

課税標準額の計算は所得の種類ごとに次のとおりです。年金=年金収入-公的年金等控除-43万円/給与=給与収入-給与所得控除-43万円/事業=事業収入-必要経費-専従者控除-43万円/譲渡=譲渡収入-必要経費-特別控除-43万円。

令和8年度の税率

長崎市 令和8年度の国保税率
所得割額均等割額
(1人につき)
平等割額
(1世帯につき)
課税限度額
基礎課税分(医療分)課税標準額×9.3%27,700円19,800円67万円
後期高齢者医療支援分課税標準額×3.3%9,700円6,900円26万円
介護納付金分
(40〜64歳のみ)
課税標準額×2.7%9,500円5,400円17万円
子ども・子育て支援金分
(18歳以上被保険者)
課税標準額×0.32%1,130円
+18歳以上均等割50円
707円3万円
合計15.62%48,080円32,807円113万円

18歳未満の被保険者は、子ども・子育て支援金分の所得割額も均等割額も全額軽減されます。

長崎市の所得割15.62%は全国でも最上位クラス

国保の所得割は自治体によって大きく異なります。長崎市の水準を全国と比べてみます。

所得割合計(40〜64歳)の比較
自治体所得割合計均等割合計平等割合計
長崎市15.62%48,080円32,807円
大阪府(統一保険料率)15.44%66,704円44,753円
熊本市12.51%63,700円26,600円
倉敷市12.80%46,630円34,880円
東京23区(21区共通)13.01%84,873円なし

長崎市は所得割が最も高い一方、均等割は比較的低めという特徴があります。
この構造の意味を実額で確認します。課税標準額200万円の単身40〜64歳世帯なら、所得割は200万×15.62%=312,400円。均等割48,080円と平等割32,807円を足して年393,287円です。
同じ条件で東京23区なら、所得割200万×13.01%=260,200円+均等割84,873円=345,073円。長崎市のほうが約4.8万円高い計算になります。
逆に所得ゼロの単身世帯で比べると、長崎市は80,887円、東京23区は84,873円で長崎市のほうが安い。所得が上がるほど長崎市の負担が重くなる構造です。
裏を返せば、所得が下がったときの減り幅も大きいということ。会社都合の退職や所得減少があったときは、軽減・減免の申請を必ず検討してください。

【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円

所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円

  • 医療分: 所得割 239,010円 + 均等割 96,950円 + 平等割 19,800円 ⇒ 355,760円
  • 後期支援分: 所得割 84,810円 + 均等割 33,950円 + 平等割 6,900円 ⇒ 125,660円
  • 介護分: 所得割 69,390円 + 均等割 19,000円 + 平等割 5,400円 ⇒ 93,790円
  • 子ども分: 所得割 8,224円 + 均等割 2,360円 + 平等割 707円 ⇒ 11,291円

合計: 年間 約586,501円(月あたり約48,900円)

この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。

【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)

基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円

  • 医療分: 所得割 147,870円 + 均等割 27,700円 + 平等割 19,800円 ⇒ 195,370円
  • 後期支援分: 所得割 52,470円 + 均等割 9,700円 + 平等割 6,900円 ⇒ 69,070円
  • 介護分: 所得割 42,930円 + 均等割 9,500円 + 平等割 5,400円 ⇒ 57,830円
  • 子ども分: 所得割 5,088円 + 均等割 1,180円 + 平等割 707円 ⇒ 6,975円

合計: 年間 約329,245円(月あたり約27,400円)

単身世帯でも平等割が合計で年32,807円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。

【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円

ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。

軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)

  • 医療分 264,190円 / 後期支援分 93,490円 / 介護分 77,810円 / 子ども分 9,343円 ⇒ 合計 約444,833円

非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)

  • 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
  • 医療分 75,014円 / 後期支援分 26,414円 / 介護分 22,666円 / 子ども分 2,783円 ⇒ 合計 約126,877円

差額は年間およそ31万8千円。届出書1枚でこれだけ違います。長崎市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。

(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は長崎市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。

3. 賦課限度額(保険料の上限)

  • 基礎課税分(医療分) 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
  • 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)

所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。

4. 長崎市の軽減・減免制度

制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。

4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用

令和8年度 軽減判定の所得基準
軽減率世帯の総所得金額等が以下の額以下
7割軽減43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
5割軽減43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
2割軽減43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)

軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。

4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用

未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。

4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用

令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援金分の均等割1,180円は「均等割1,130円+18歳以上均等割50円」の合計で、18歳以上被保険者にかかります。18歳未満の方の均等割額は全額軽減されます。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。

4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請

倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。

  • 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
  • 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
  • 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
  • 届出先: 中央地域センター(市役所1階)または最寄りの地域センター
  • 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です

倒産・解雇・雇い止めなどの非自発的な事由により離職され、失業給付を受ける方は、前年の給与所得を100分の30として計算する軽減が使えます。
対象は雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知で「特定受給資格者」または「特定理由離職者」と確認できる方。離職理由の番号が11・12・21・22・23・31・32・33・34に該当し、離職日時点で65歳未満であることが条件です。対象期間は離職日の翌日が属する月から翌年度末まで。
長崎市は所得割の合計が15.62%と全国最上位クラスなので、この軽減の効果はきわめて大きくなります。
給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯で試算します。課税標準額は276万-43万=233万円。所得割は233万×15.62%=363,946円、これに均等割48,080円と平等割32,807円を足して年約44.5万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。課税標準額は39.8万円まで下がり、所得割は62,168円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割の減額判定も行われます。単身世帯・給与所得者等1人なら2割減額の基準は43万+57万=100万円。82.8万円は基準以下なので2割減額が適用され、均等割・平等割80,887円が64,710円に。
合計は約12.7万円。差はおよそ31.8万円です。
ただし市は重要な注意も書いています。「所得割額が0円のかたや給与所得のないかたは手続きをされても減額となりませんので、ご注意ください」。自営業だけの方や、前年に給与収入がなかった方には効果がありません。
申告に必要なものは①雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知、②マイナ保険証または資格確認書、③マイナンバーがわかるもの。中央地域センター(市役所1階)または最寄りの地域センターへ。

書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。

4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出

出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。

4-6. 長崎市の減免制度|要申請

長崎市の所得減額(7割・5割・2割)、未就学児の減額、18歳未満の子ども分軽減、後期移行に伴う平等割の減額は申請不要です(ただし未申告の場合は減額されません)。非自発的失業の軽減・産前産後の減額・旧被扶養者の減免・各種減免は申請が必要です。

長崎市 国民健康保険料の減免
種類主な要件減免内容・手続き
所得が一定以下の世帯の減額
(申請不要/要・所得申告)
世帯主・被保険者・特定同一世帯所属者の前年中の所得の合計が①43万円+(給与所得者等の数-1)×10万円以下=7割、②①+31万円×[被保険者数+特定同一世帯所属者数]以下=5割、③①+57万円×[同]以下=2割均等割額と平等割額を減額。未申告の場合は減額されません
未就学児の均等割額の減額
(申請不要)
未就学児均等割額を5割減額。所得減額が適用される世帯では減額後に残った均等割額の5割をさらに減額。未申告世帯の未就学児は正しく減額されない場合があります
18歳未満の子ども・子育て支援金分の軽減
(申請不要)
18歳未満の被保険者所得割額・均等割額とも全額軽減。軽減分は18歳以上被保険者の均等割に50円上乗せして徴収されます
産前産後期間の所得割額および均等割額の減額
(要届出)
長崎市の国保被保険者で出産日が令和5年11月1日以降の方(妊娠85日以上の出産。死産・流産・早産・人工妊娠中絶を含む)出産予定月(出産月)の前月から4か月間(多胎妊娠は3か月前から6か月間)の所得割額と均等割額を減額。※産前産後期間の国保税が0円になるとは限りません。届出は出産予定日の6か月前から可能、出産後はいつでも可
非自発的失業者の軽減
(要申告)
雇用保険受給資格者証または受給資格通知で特定受給資格者・特定理由離職者と確認でき、離職理由番号が11・12・21・22・23・31・32・33・34、離職日時点で65歳未満の方前年の給与所得を100分の30として計算。期間は離職日の翌日が属する月から翌年度末まで。所得割額が0円の方や給与所得のない方は減額となりません
後期高齢者医療制度への移行に伴う平等割の減額
(申請不要)
被保険者が後期高齢者医療制度に移行して、残った国保被保険者が1人になる世帯基礎課税分と後期高齢者支援金等分の平等割額が移行後5年間は半額、5年経過後の3年間は4分の3になります
旧被扶養者の減免
(要申請)
社会保険などの被保険者が後期高齢者医療制度に移行することで、その被扶養者だった75歳未満の方が国保に加入し、加入日時点で65歳以上の方所得割額が全額減免。国保加入月以後2年を経過する月まで、7割・5割減額に該当する場合を除き均等割額が半額減免。旧被扶養者のみで構成される世帯は平等割額も半額減免
減免制度(低所得)
(要申請)
貧困により、生活のため公私の扶助を受けている場合全額免除
減免制度(長期入院・障害等)
(要申請)
長期間入院または心身に重大な障害を受け、当該年中の合計所得金額が大幅に減少し、納付が困難と認められる場合国保税の一部減額または全額免除
減免制度(所得減少)
(要申請)
失業(自己都合以外)または廃業により、当該年中の合計所得金額が大幅に減少し、納付が困難と認められる場合国保税の一部減額または全額免除。国民健康保険課へ相談を

長崎市の減額判定には、所得割の計算とは違う3つのルールがあります。市が明示しているものです。
①65歳以上(昭和36年1月1日以前生まれ)の年金所得者は、年金所得から15万円が控除されます(年金所得が15万円未満の場合は全額)。判定でだけ有利になる特例で、所得割の計算では引けません。
②土地・家屋等の譲渡所得は、特別控除を差し引く前の金額で計算されます。所得割は特別控除後で計算されるのに、判定は控除前——正反対です。マイホームを3,000万円特別控除で売った翌年度は、所得割はほとんど増えないのに減額だけが外れることになります。
③事業所得は、専従者控除(専従者給与)を差し引く前の金額で計算されます。自営業で家族に給与を払っている世帯は、確定申告の所得より判定所得が大きくなります。
そして長崎市でとくに重要なのが「国保税の申告」です。市は申告が必要な世帯と不要な世帯を条件ごとに整理しています。
【申告が必要な方(1人でもいれば世帯として申告が必要)】
①収入が無い方(申告期限までに確定申告・市県民税申告を行った方を除く)
②遺族年金や障害年金等の非課税となる公的年金のみを受給している方
③確定申告・市県民税申告を行った方の控除対象配偶者や被扶養者(勤務先等から給与支払報告書が提出されている方、公的年金を受給している方を除く)
④給与支払報告書が勤務先等から市へ提出されていない方
⑤公的年金や給与(給与支払報告済)以外にも収入等があった方
市はとくに「夫の確定申告書などで被扶養者として記載された妻などは、国保税の申告が必要です」と例示しています。夫が確定申告で配偶者控除を受けていても、妻本人の国保税の申告は別に必要ということです。ここを見落として減額を逃すケースは珍しくありません。
申告書を出していないと、「所得が一定以下の世帯に対する国保税の減額(均等割額および平等割額の7割、5割または2割減額)や高額療養費等の支給を受けられない場合があります」。保険税が高くなるだけでなく、医療費の払い戻しにも影響します。
申告書は国民健康保険課または各地域センターで受け取れます(地域センター窓口にも置かれています)。

保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。

4-7. 払えないときは滞納する前に相談

滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。

5. 納付方法

  • 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
  • スマホ決済(請求書払い)
  • コンビニ納付
  • 納付書による金融機関窓口払い
  • 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)

長崎市に転入して国保に加入した方は、税額が後から変わる可能性があります。市の説明はこうです。「長崎市に転入されたかたには、加入の手続きの際の申告内容に基づき国保税を計算し、税額を通知いたします。その後長崎市から前住所の市区町村に前年中所得を問い合わせ、再計算を行いますが、その結果、税額に差額が生じた場合にはあらためて税額を通知します」。最初の通知額が最終額とは限りません。
また「所得の申告が遅れたり、修正申告や調査により所得金額が修正されると、修正後の所得をもとに再計算しますので、税額が変更になる場合があります」。
年齢の節目については、市が3パターンを整理しています。
年度の途中で40歳になる方:40歳になる月(1日生まれの人はその前月)から介護保険分を納めます。40歳到達後に介護保険分を含んだ納付書が送られます。
年度の途中に65歳になる方:65歳になる月の前月(1日生まれの人はその前々月)までの介護保険分を、3月期までの納期に分けて納めます。年度当初から見込んで割り振られているので、途中で急に変わることはありません。
年度の途中で75歳になる方:4月から75歳になる月の前月までは月割で計算した国保税を納め、75歳になる月からは後期高齢者医療保険料を納めます(後期高齢者医療室から別途納付書)。
この75歳のケースについて、市はわかりにくい点を先回りして説明しています。「75歳になった後も、同じ世帯の人が引き続き国保に加入している場合、国保税は75歳になる月の前月分までで最初から計算されてすべての納期に按分されているので、国保税と後期高齢者医療保険料の支払いが重なりますが、国保税の計算期間は重複しません」。
2つの請求が同時に来ても、二重払いではありません。国保税は「75歳になる月の前月分まで」を年度当初から全納期に均等割りしてあるので、75歳以降も国保税の納付書が届き続けるだけです。この説明を知らないと「後期に移ったのに国保税の請求が来る」と驚くことになります。
各種届出の窓口は中央地域センター(市役所1階)または最寄りの地域センターです。産前産後の減額も非自発的失業の軽減もここで受け付けています。減免の相談は国民健康保険課へ。

6. 加入・脱退の手続き

6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)

状況別 加入時の必要書類
事由必要書類
会社を退職した健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
他市区町村から転入本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可)
子どもが生まれた本人確認書類、母子健康手帳
生活保護が廃止された保護廃止(停止)通知書、本人確認書類

6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)

状況別 脱退時の必要書類
事由必要書類
就職して社保に加入した新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類
他市区町村へ転出本人確認書類(転出届と同時に手続き可)
生活保護の受給開始保護決定通知書、本人確認書類
死亡本人確認書類、死亡を確認できる書類

脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。

7. 長崎市の国保窓口一覧

長崎市の国保の手続きは中央地域センター(市役所1階)または最寄りの地域センターが窓口です。減免の相談は国民健康保険課になります。

長崎市 国保の窓口
窓口主な業務備考
中央地域センター
(市役所1階)
国保の加入・脱退、非自発的失業者の軽減の申告、産前産後期間の減額の届出、各種届出市内各地の地域センターでも同じ手続きができます
最寄りの地域センター同上/国保税の申告書の配布・受付申告書は地域センター窓口にも置かれています
国民健康保険課 賦課係国保税の算定・賦課に関する相談、産前産後の減額の詳細相談-
国民健康保険課減免制度の相談(低所得・長期入院・障害等・所得減少)天災・生活困窮その他特別な事情での減免

夫の確定申告で扶養に入っている妻も、国保税の申告が必要です。市が明示している見落としやすいケースです。

申告書は国民健康保険課または各地域センターで受け取れます。地域センター窓口にも置かれています。

非自発的失業の軽減は、所得割額が0円の方や給与所得のない方は手続きしても減額になりません。自営業のみの方には効果がありません。

転入した方の税額は、前住所地への所得照会後に変わることがあります。最初の通知が最終額とは限りません。

申告がないと、7割・5割・2割の減額だけでなく高額療養費等の支給も受けられない場合があります。収入がなくても申告してください。

8. よくある質問(長崎市の国保)

Q1. 長崎市の国保税はなぜ高いのですか?
A. 所得割の合計15.62%が全国トップクラスだからです。均等割・平等割はむしろ低めなので、所得が高いほど負担が重くなる構造です。
内訳は基礎課税分9.3%+後期高齢者医療支援分3.3%+介護納付金分2.7%+子ども・子育て支援金分0.32%。統一保険料率で知られる大阪府(15.44%)をも上回ります。とくに基礎課税分の9.3%が突出しており、全国の県庁所在地では6〜8%台が多いなかで際立っています。
一方で均等割の合計は1人48,080円、平等割の合計は年32,807円と、こちらは全国平均並みかやや低めです。東京23区の均等割84,873円と比べると大きく下回ります。
実額で比較してみます。課税標準額200万円・単身40〜64歳の場合、
長崎市:所得割312,400円+均等割48,080円+平等割32,807円=393,287円
東京23区:所得割260,200円+均等割84,873円=345,073円
長崎市のほうが約4.8万円高い計算です。
ところが所得ゼロの単身世帯なら、長崎市80,887円に対し東京23区84,873円で長崎市のほうが安い。所得が上がるほど長崎市が不利になる構造です。
これは裏を返せば、所得が下がったときに保険税が大きく下がるということでもあります。会社都合の退職、廃業、長期入院などがあったときは、非自発的失業の軽減や減免制度の効果が非常に大きいので必ず相談してください。
課税限度額は113万円なので、所得が非常に高い世帯はここで頭打ちになります。

Q2. 夫の扶養に入っています。国保税の申告は必要ですか?
A. 必要です。長崎市は「夫の確定申告書などで被扶養者として記載された妻などは、国保税の申告が必要です」と明示しています。
市は申告が不要な世帯を3つ挙げていますが、その1つ目「申告期限までに確定申告・市県民税申告を済ませているかた」に注釈がついています。「確定申告または市県民税申告において、配偶者控除・扶養控除の対象となったかたは含まれません」。
つまり夫が確定申告で配偶者控除を受けていても、妻本人が申告したことにはならないということです。妻自身の国保税の申告が別に必要になります。
ただし例外があります。市は申告が必要な方の③に「ただし、勤務先等から給与支払報告書が提出されているかた、公的年金を受給しているかたを除く」と書いています。パート先から給与支払報告書が市に出ていれば、それで所得が把握できるので申告は不要です。
申告をしないとどうなるか。市の説明は「所得が一定以下の世帯に対する国保税の減額(均等割額および平等割額の7割、5割または2割減額)や高額療養費等の支給を受けられない場合があります」。
長崎市の均等割48,080円+平等割32,807円=80,887円(40〜64歳・単身)が減額の対象なので、7割減額を逃すと年約5.7万円の差になります。さらに高額療養費の支給にも影響します。
申告書は国民健康保険課または各地域センターで受け取れます。地域センターの窓口にも置かれています。

Q3. 家を売りました。所得割は増えないのに減額が外れると聞きました。
A. そのとおりです。長崎市では譲渡所得の特別控除が「所得割では効く/減額判定では効かない」ためです。
長崎市は課税標準額の計算式を所得の種類ごとに示しており、譲渡所得者は「譲渡収入-必要経費-特別控除-基礎控除(43万円)」としています。所得割の計算では特別控除が引けます。
一方、減額の判定については「土地・家屋等の譲渡所得については、特別控除を差し引く前の金額で計算されます」と明記されています。判定では特別控除が引けません。
具体例で見ます。マイホームを売って譲渡益3,200万円、3,000万円の特別控除を使ったケース。所得割の課税標準額は200万円-43万円=157万円で済みますが、減額の判定では3,200万円。7割減額どころか2割減額にも届きません。
長崎市は均等割48,080円+平等割32,807円=80,887円が減額対象なので、7割減額が消えると年約5.7万円の増額です。
なお減額判定には、ほかにも所得割と異なるルールが2つあります。
①65歳以上(昭和36年1月1日以前生まれ)の年金所得者は、年金所得から15万円が控除されます(判定でだけ有利)。
②事業所得は、専従者控除(専従者給与)を差し引く前の金額で計算されます(判定で不利)。
影響は売却の翌年度の1年間だけです。翌々年度には元の判定に戻ります。売却を予定している方は、その年度に減額が外れる分を見込んでおいてください。

Q4. 75歳になったのに国保税の納付書が届きます。二重払いですか?
A. 二重払いではありません。長崎市はこの点を公式に説明しています。
市の説明を引きます。「75歳になった後も、同じ世帯の人が引き続き国保に加入している場合、国保税は75歳になる月の前月分までで最初から計算されてすべての納期に按分されているので、国保税と後期高齢者医療保険料の支払いが重なりますが、国保税の計算期間は重複しません」。
仕組みはこうです。たとえば10月に75歳になる方の場合、国保税は4月〜9月分(6か月分)だけが計算されます。ところがその6か月分は、年度当初から「すべての納期」に均等に割り振られているので、10月以降も納付書が届きます。
同時に、10月からは後期高齢者医療保険料が始まり、後期高齢者医療室から別の納付書が来ます。2つの請求が並ぶのはこのためです。
金額の対象期間は重なっていません。国保税は9月分まで、後期高齢者医療保険料は10月分から。払っている期間が違うだけです。
なお、世帯にほかに国保加入者がいない(単身世帯など)場合は、75歳になった時点で国保世帯そのものが終わるので、精算のうえ納付が完了します。
75歳になった方が抜けて国保加入者が1人だけになる世帯には、平等割の減額があります。基礎課税分と後期高齢者支援金等分の平等割が移行後5年間は半額、5年経過後の3年間は4分の3になります(申請不要)。

Q5. 自営業です。会社都合の退職ではありませんが、収入が減りました。
A. 「所得減少」による減免制度があります。ただし非自発的失業者の軽減とは別の制度で、申請が必要です。
まず注意点から。非自発的失業者の軽減は自営業の方には使えません。市は「所得割額が0円のかたや給与所得のないかたは手続きをされても減額となりませんので、ご注意ください」としています。この軽減は給与所得を100分の30にする仕組みなので、給与所得がなければ効果がありません。
代わりに使えるのが減免制度です。長崎市は減免事由を3つ示しています。
①低所得——貧困により、生活のため公私の扶助を受けている場合 → 全額免除
②長期間入院・障害等——長期間入院または心身に重大な障害を受け、当該年中の合計所得金額が大幅に減少し、納付が困難と認められる場合 → 一部減額または全額免除
③所得減少——失業(自己都合以外)または廃業により、当該年中の合計所得金額が大幅に減少し、納付が困難と認められる場合 → 一部減額または全額免除
③の「廃業」は自営業の方が対象になり得ます。ただし「大幅に減少し、納付が困難と認められる場合」という要件があり、単に売上が落ちただけでは通らないこともあります。
長崎市は所得割15.62%と負担が重いぶん、所得が下がれば翌年度の国保税は自然に大きく下がります。減免はその「今年度分」を軽くする制度です。
相談窓口は国民健康保険課です。「天災、生活困窮、その他の特別な事情によりどうしても国保税を納めることが困難な場合」に該当しそうなら、まず相談してください。

Q6. 出産予定です。産前産後の減額で国保税は0円になりますか?
A. 0円になるとは限りません。長崎市はこの点をはっきり注記しています。
市の説明は「出産する被保険者にかかる産前産後期間相当分の所得割額および均等割額が減額されます。※産前産後期間の国保税が0円になるとは限りません」。
減額されるのは「出産する被保険者本人の、所得割額と均等割額」の産前産後期間相当分です。平等割額(4区分合計32,807円)は減額されませんし、世帯のほかの加入者の分も減りません。
単身世帯で考えると、均等割48,080円+平等割32,807円=80,887円のうち、減額されるのは均等割48,080円の4か月分(16,027円)と所得割の4か月分。平等割32,807円はそのまま残ります。
対象・期間は次のとおりです。
対象:長崎市の国保被保険者で出産日が令和5年11月1日以降の方。妊娠85日(4か月)以上の出産で、死産・流産(人工妊娠中絶を含む)・早産も対象。
期間:出産予定月(または出産月)の前月から4か月間。多胎妊娠は出産予定月の3か月前から6か月間。
届出時期:出産予定日の6か月前から届出でき、出産後の届出はいつでも可能です。
必要書類は①出産被保険者の資格確認書(交付を受けた方のみ)、②母子健康手帳など出産予定日の確認できる書類、③マイナンバーがわかるもの(世帯主および対象者の分)。出産後の届出で長崎市が出産日を確認できる場合は②は不要です。
届出先は中央地域センター(市役所1階)または最寄りの地域センターです。

Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、所得が一定以下の世帯の減額
(申請不要/要・所得申告)・未就学児の均等割額の減額
(申請不要)・18歳未満の子ども・子育て支援金分の軽減
(申請不要)・産前産後期間の所得割額および均等割額の減額
(要届出)・非自発的失業者の軽減
(要申告)・後期高齢者医療制度への移行に伴う平等割の減額
(申請不要)・旧被扶養者の減免
(要申請)・減免制度(低所得)
(要申請)・減免制度(長期入院・障害等)
(要申請)・減免制度(所得減少)
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。

Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に長崎市 中央地域センター(市役所1階)または最寄りの地域センターで。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。

9. まとめ|長崎市の国保で押さえるべきポイント

  • 長崎市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は基礎課税分(医療分)9.30%・後期支援分3.30%・介護分2.70%・子ども分0.32%
  • 均等割は基礎課税分(医療分)27,700円・後期支援9,700円・介護9,500円・子ども1,180円、平等割は合計で年32,807円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
  • 所得割の合計15.62%は全国トップクラス(大阪府統一の15.44%を上回る)。一方で均等割・平等割は低めで、所得が高いほど負担が重くなる構造
  • 夫の確定申告で扶養に入っている妻も、国保税の申告が必要。申告がないと減額も高額療養費も受けられない場合がある
  • 減額判定は所得割と3点で違う。65歳以上の年金所得から15万円控除、譲渡所得は特別控除前、事業所得は専従者控除前
  • 非自発的失業の軽減は「所得割額が0円の方や給与所得のない方」には効果がない。自営業のみの方は減免制度を検討
  • 75歳になっても国保税の納付書が届くのは二重払いではない。国保税は前月分までを全納期に按分してあるため
  • 窓口は中央地域センター(市役所1階)または最寄りの地域センター。減免の相談は国民健康保険課
  • 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年31万8千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
  • 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
  • 窓口は長崎市 中央地域センター(市役所1階)または最寄りの地域センター

出典・参考:
・長崎市公式:国民健康保険税(令和8年度税率・計算方法・減額制度)
・長崎市公式:国民健康保険税 最新情報
・長崎市国民健康保険税条例

※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は長崎市公式サイトでご確認ください。

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