横須賀市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
横須賀市は人口約37万人、神奈川県三浦半島の中心都市です。
この記事では、令和8年度の最新料率にもとづく横須賀市の国保料の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
横須賀市には他市と大きく違う点が2つあります。ひとつは平等割(世帯割)が4区分合計で年59,000円と全国でも最上位クラスに高いこと。もうひとつは保険料率を条例で定めず「告示方式」で毎年5月下旬に決めることです。そのため4月・5月は実際の料率で試算できません。
1. 横須賀市の国民健康保険の概要
横須賀市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
横須賀市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。
横須賀市は「保険税」ではなく「保険料」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。
料率の決め方が特徴的です。市は平成26年度から「条例明示方式」から「告示方式」に変更しました。条例には「所得に応じてかかる保険料」「被保険者1人あたりにかかる保険料」「世帯ごとにかかる保険料」の比率だけを規定し、実際の料率はその年の医療費見込み額をもとに毎年計算します。
市自身が「より実態に合った料率を決められる反面、料率の決定時期が毎年5月下旬ごろとなるため、4月・5月は実際の料率で試算することができません」と説明しています。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 平等割(1世帯年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療保険分(基礎賦課額) | 7.46% | 23,170円 | 34,220円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.85% | 8,940円 | 13,210円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.77% | 8,960円 | 10,180円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.30% | 988円 (子ども・子育て支援納付金分の均等割988円は「均等割940円+18歳以上均等割額48円」の合計。18歳未満の被保険者の均等割額は全額軽減され、その軽減分は18歳以上の被保険者で負担します) | 1,390円 | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療保険分(基礎賦課額)・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども・子育て支援納付金分の均等割988円は「均等割940円+18歳以上均等割額48円」の合計。18歳未満の被保険者の均等割額は全額軽減され、その軽減分は18歳以上の被保険者で負担します。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
令和8年度は全区分で引き上げられました。医療保険分は所得割72.6/1,000→74.6/1,000(+2.0)、均等割22,030円→23,170円(+1,140円)、平等割33,200円→34,220円(+1,020円)、賦課限度額66万円→67万円です。
後期高齢者支援金分は所得割27.9/1,000→28.5/1,000、均等割8,450円→8,940円、平等割12,740円→13,210円。介護納付金分は27.0/1,000→27.7/1,000、均等割8,400円→8,960円、平等割9,420円→10,180円。
令和8年度から子ども・子育て支援納付金分が新設されました(所得割3.0/1,000・均等割940円・18歳以上均等割48円・平等割1,390円・賦課限度額3万円)。
平等割の合計は年59,000円(医療34,220+後期支援13,210+介護10,180+子ども1,390)。全国的に見てもかなり高い水準です。賦課限度額の合計は113万円。
令和8年度国民健康保険料決定通知書は令和8年6月11日に発送されました。配達までに1週間程度かかる場合があります。
令和8年度の料率——全区分で引き上げ
| 区分 | 令和7年度 | 令和8年度 | 増減 | |
|---|---|---|---|---|
| 医療保険分 (基礎賦課額) | 所得割料率 | 72.6/1,000 | 74.6/1,000 | +2.0/1,000 |
| 均等割額 | 22,030円 | 23,170円 | +1,140円 | |
| 平等割額 | 33,200円 | 34,220円 | +1,020円 | |
| 賦課限度額 | 660,000円 | 670,000円 | +10,000円 | |
| 後期高齢者 支援金分 | 所得割料率 | 27.9/1,000 | 28.5/1,000 | +0.6/1,000 |
| 均等割額 | 8,450円 | 8,940円 | +490円 | |
| 平等割額 | 12,740円 | 13,210円 | +470円 | |
| 賦課限度額 | 260,000円 | 260,000円 | 0円 | |
| 介護納付金分 (40〜64歳) | 所得割料率 | 27.0/1,000 | 27.7/1,000 | +0.7/1,000 |
| 均等割額 | 8,400円 | 8,960円 | +560円 | |
| 平等割額 | 9,420円 | 10,180円 | +760円 | |
| 賦課限度額 | 170,000円 | 170,000円 | 0円 | |
| 子ども・子育て 支援納付金分 (令和8年度新設) | 所得割料率 | - | 3.0/1,000 | 新設 |
| 均等割額 | - | 940円 | 新設 | |
| 18歳以上均等割額 | - | 48円 | 新設 | |
| 平等割額 | - | 1,390円 | 新設 | |
| 賦課限度額 | - | 30,000円 | 新設 |
横須賀市の料率は「◯◯/1,000」という書き方をします。74.6/1,000=7.46%、28.5/1,000=2.85%、27.7/1,000=2.77%、3.0/1,000=0.30%です。40〜64歳の所得割合計は13.38%になります。
平等割の合計59,000円は全国でも最上位クラスです。単身世帯でも所得ゼロの世帯でも、この額が基本になります(軽減の対象にはなります)。
特定世帯・特定継続世帯なら平等割が下がります
同じ世帯の国保被保険者が後期高齢者医療制度へ移行して国保加入者が単身世帯になったとき、平等割が軽減されます。横須賀市は軽減後の金額まで公表しています。
| 区分 | 通常 | 特定世帯 (当初5年間・1/2軽減) | 特定継続世帯 (6年目からの3年間・1/4軽減) |
|---|---|---|---|
| 医療保険分(基礎賦課額) | 34,220円 | 17,110円 | 25,665円 |
| 後期高齢者支援金分 | 13,210円 | 6,605円 | 9,908円 |
| 子ども・子育て支援納付金分 | 1,390円 | 695円 | 1,043円 |
介護納付金賦課額の平等割額は軽減されません。また軽減が対象外になる事由が2つ明記されています。①世帯主が変わったとき、②国民健康保険被保険者が全員資格を喪失したとき(国保に再加入しても対象外となり軽減できません)。
とくに②は要注意です。いったん全員が社会保険などに移って国保を抜けると、あとで国保に戻ってきても特定世帯の軽減は復活しません。年間で最大2万円以上の差になるので、判断の前に健康保険課へ確認してください。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 191,722円 + 均等割 81,095円 + 平等割 34,220円 ⇒ 307,037円
- 後期支援分: 所得割 73,245円 + 均等割 31,290円 + 平等割 13,210円 ⇒ 117,745円
- 介護分: 所得割 71,189円 + 均等割 17,920円 + 平等割 10,180円 ⇒ 99,289円
- 子ども分: 所得割 7,710円 + 均等割 1,976円 + 平等割 1,390円 ⇒ 11,076円
合計: 年間 約535,147円(月あたり約44,600円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 118,614円 + 均等割 23,170円 + 平等割 34,220円 ⇒ 176,004円
- 後期支援分: 所得割 45,315円 + 均等割 8,940円 + 平等割 13,210円 ⇒ 67,465円
- 介護分: 所得割 44,043円 + 均等割 8,960円 + 平等割 10,180円 ⇒ 63,183円
- 子ども分: 所得割 4,770円 + 均等割 988円 + 平等割 1,390円 ⇒ 7,148円
合計: 年間 約313,800円(月あたり約26,200円)
単身世帯でも平等割が合計で年59,000円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 231,208円 / 後期支援分 88,555円 / 介護分 83,681円 / 子ども分 9,368円 ⇒ 合計 約412,812円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 75,603円 / 後期支援分 29,063円 / 介護分 26,337円 / 子ども分 3,096円 ⇒ 合計 約134,099円
差額は年間およそ27万9千円。届出書1枚でこれだけ違います。横須賀市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は横須賀市公式の保険料試算でご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療保険分(基礎賦課額) 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 横須賀市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援納付金分の均等割988円は「均等割940円+18歳以上均等割額48円」の合計。18歳未満の被保険者の均等割額は全額軽減され、その軽減分は18歳以上の被保険者で負担します。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 横須賀市 民生局健康部 健康保険課
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
横須賀市の非自発的失業者の軽減には、他市にはない大きなメリットがあります。市の説明は「雇用保険の『特定受給資格者』または『特定理由離職者』は、保険料の軽減及び高額療養費自己負担額の減額を受けられる場合があります」。
保険料が下がるだけでなく、高額療養費の自己負担限度額の区分も下がるということです。前年の給与所得を100分の30として見るため、所得区分が下がり、入院や手術のときの窓口負担の上限も下がります。退職直後に体調を崩しやすい時期だけに、この効果は大きいです。
届け出が必要です。自動では適用されません。
横須賀市は均等割・平等割が単身40〜64歳で年100,668円と全国最上位クラスに重いので、判定所得が下がって7割・5割・2割の軽減が効くかどうかも大きな分かれ目になります。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 横須賀市の減免制度|要申請
横須賀市の軽減は4種類、減免は5種類に整理されています。法定軽減・後期高齢者医療制度創設に伴う措置・未就学児軽減は申請不要、非自発的失業者の軽減は届け出が必要、減免はすべて申請が必要です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| (1)法令による低所得世帯への軽減 (申請不要/要・所得申告) | 世帯主(国保被保険者でない場合を含む)・被保険者・特定同一世帯所属者の前年の総所得金額等が①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②①+31万円×(被保険者数と特定同一世帯所属者数)以下=5割、③①+57万円×(同)以下=2割 | 医療保険分・後期高齢者支援金分・介護納付金分それぞれの均等割額と平等割額を軽減。判定は4月1日(年度途中加入は加入日)の世帯状況で |
| (2)後期高齢者医療制度創設に伴う措置 (申請不要) | 同じ世帯から後期高齢者医療制度へ移行した方がいる世帯 | (ア)移行した方の所得・人数を含めて軽減判定。(イ)国保加入者が単身になったとき、医療・後期支援・子ども分の平等割を当初5年間1/2(特定世帯)、6年目からの3年間1/4(特定継続世帯)軽減 |
| (3)非自発的失業者に係る法定軽減 (届け出が必要) | 雇用保険の特定受給資格者または特定理由離職者 | 保険料の軽減に加えて高額療養費自己負担額の減額も受けられる場合があります |
| (4)未就学児に係る均等割保険料軽減 (申請不要) | 未就学児 | 均等割保険料を軽減 |
| 減免(1)災害にあったとき (要申請) | 災害により被害を受けた世帯 | 保険料の減免 |
| 減免(2)療養の給付の制限を受けているとき (要申請) | 刑事施設や少年院等に収容され、給付を受けられない方 | 保険料の減免 |
| 減免(3)生活困窮のとき (要申請) | 生活が困窮している世帯 | 保険料の減免 |
| 減免(4)旧被扶養者のとき (要申請) | 被用者保険の被保険者が後期高齢者医療制度に移行したことに伴い、被用者保険の旧被扶養者から国保の被保険者となった65歳以上の方 | 保険料の減免 |
| 減免(5)原発事故に伴う警戒区域等の被災者のとき (要申請) | 東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う警戒区域等の被災者 | 保険料の減免 |
横須賀市の軽減で必ず押さえておきたい注意点が2つあります。
①未申告者がいる世帯は軽減できません。市の記載は具体的です。「所得が不明な方がいる世帯は軽減することができませんので、前年または前々年に、収入が全くなかった方や障害年金または遺族年金、恩給、老齢福祉年金を受給している等の非課税所得のみの方についても、所得の申告書をご提出ください」。障害年金・遺族年金・恩給・老齢福祉年金だけの方も申告が必要と名指しで書いています。
横須賀市の均等割・平等割は単身40〜64歳で年100,668円。7割軽減が外れれば年7万円以上の差になります。世帯全員の申告状況を必ず確認してください。
②特定世帯の軽減が消える事由があります。「次の事由が生じたときは対象外となり、軽減ができなくなります」として、「世帯主が変わったとき」「国民健康保険被保険者が全員資格を喪失したとき(国保に再加入しても対象外となり軽減できません)」の2つが挙げられています。いったん抜けると戻れません。
軽減判定は毎年4月1日(年度途中に新規加入したときは加入日)の世帯の状況をもとに、世帯主および世帯に属する被保険者全員(特定同一世帯所属者を含む)の総所得金額等を合算して行います。世帯主は国民健康保険に加入していなくても軽減判定の対象です。
なお1月1日現在で65歳以上の年金所得者は、年金所得から最高15万円を控除した金額で判定されます。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
- スマホ決済(請求書払い)
- コンビニ納付
- 納付書による金融機関窓口払い
- 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)
令和8年度の国民健康保険料決定通知書は令和8年6月11日に発送されました。市は「配達されるまでに1週間程度かかる場合があります」と案内しています。
横須賀市の保険料率は毎年5月下旬に決定されるため、4月・5月は実際の料率で試算できません。この時期に試算する場合は前年度の料率を使うことになります。市も「前年の料率で試算することとなります」と明記しています。
退職して国保に入るか任意継続にするかを4〜5月に判断する方は、前年度の料率で試算したうえで、上がる可能性を織り込んでおくのが安全です。実際、令和8年度は全区分で引き上げられました。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 横須賀市の国保窓口一覧
国保の加入・脱退、保険料の計算や軽減・減免の相談は横須賀市 民生局健康部 健康保険課が窓口です。
| 窓口 | 主な業務 |
|---|---|
| 民生局健康部 健康保険課 | 国保の加入・脱退、保険料の算定・賦課、法定軽減、非自発的失業者の軽減(届け出)、各種減免の申請、保険料の試算 |
保険料率が決まるのは毎年5月下旬です。4月・5月に正確な試算をしたい場合は、決定を待つか、前年度料率での概算になることを理解したうえで相談してください。
市の公式サイトに「国民健康保険料の試算」のページがあります。決定後の料率で試算できます。
非自発的失業者の軽減は「届け出が必要」です。保険料だけでなく高額療養費の自己負担限度額の区分も下がるので、該当する方は必ず届け出てください。
横須賀市の国民健康保険条例は市の例規集で公開されています。料率は条例ではなく告示で定められている点に注意してください。
8. よくある質問(横須賀市の国保)
Q1. 4月に国保料を試算したいのですが、正確な金額がわかりません。なぜですか?
A. 横須賀市は「告示方式」を採用しているため、料率が決まるのは毎年5月下旬です。
市の説明はこうです。「本市の国民健康保険では、条例に保険料率を規定する『条例明示方式』を採用していましたが、平成26年度から『告示方式』に変更しました」。
告示方式とは「保険料額全体に対する『所得に応じてかかる保険料』『被保険者1人あたりにかかる保険料』『世帯ごとにかかる保険料』の比率のみを条例に規定するもので、実際の保険料率は、その年の医療費の見込み額などを元に計算して、毎年皆様にお伝えします」。
市自身がデメリットも書いています。「より実態に合った料率を決められる反面、料率の決定時期が毎年5月下旬ごろとなるため、4月・5月は実際の料率で試算することができません(前年の料率で試算することとなります)」。
退職して国保と任意継続のどちらにするかを4〜5月に決める方は、前年度料率での試算に「引き上げの可能性」を上乗せして考えてください。実際、令和8年度は全区分で引き上げられました(任意継続 vs 国民健康保険)。
Q2. 横須賀市の平等割が高いと聞きました。いくらですか?
A. 4区分合計で年59,000円です。全国でも最上位クラスの高さです。
内訳は医療保険分34,220円・後期高齢者支援金分13,210円・介護納付金分10,180円・子ども・子育て支援納付金分1,390円。平等割は1世帯あたりにかかる額なので、単身でも4人家族でも同じ59,000円です。
均等割(医療23,170円・後期支援8,940円・介護8,960円・子ども988円)と合わせると、単身40〜64歳の方は所得ゼロでも年100,668円が基本額になります。
ただし平等割・均等割は7割・5割・2割の法定軽減の対象です。7割軽減なら年約30,200円まで下がります。軽減を受けるには世帯全員の所得申告が必要なので、収入がなくても必ず申告してください。
さらに、後期高齢者医療への移行で国保加入者が単身になった世帯(特定世帯)は、医療・後期支援・子ども分の平等割が5年間半額(34,220円→17,110円など)になります。
Q3. 会社都合で退職しました。医療費の負担も軽くなりますか?
A. なります。横須賀市は保険料だけでなく高額療養費の自己負担額も減額されると明記しています。
市の説明は「雇用保険の『特定受給資格者』または『特定理由離職者』は、保険料の軽減及び高額療養費自己負担額の減額を受けられる場合があります」。
非自発的失業者の軽減では前年の給与所得を100分の30とみなして計算します。この「みなし所得」は保険料の計算だけでなく高額療養費の所得区分の判定にも使われるため、入院や手術をしたときの1か月の自己負担限度額の上限も下がります。
たとえば給与収入400万円だった方は、通常なら年収約370万〜770万円の区分(自己負担限度額 約8万円+α)ですが、軽減後は所得が約83万円相当まで下がるので、より低い区分(限度額 約5万7,600円)に該当し得ます。
届け出が必要です。自動では適用されないので、雇用保険受給資格者証を持って健康保険課へ(失業時の軽減制度、高額療養費制度)。
Q4. 世帯主が後期高齢者医療に移って平等割が半額になっています。世帯主を変えても続きますか?
A. 続きません。横須賀市は軽減が消える事由を2つ明記しています。
「次の事由が生じたときは対象外となり、軽減ができなくなります」として挙げられているのは、①世帯主が変わったとき、②国民健康保険被保険者が全員資格を喪失したとき——そして②には「(国保に再加入しても対象外となり軽減できません。)」という但し書きが付いています。
いったん軽減が切れると復活しません。金額でいうと、特定世帯なら医療保険分の平等割が34,220円→17,110円、後期支援分が13,210円→6,605円、子ども分が1,390円→695円で、合計およそ24,400円の軽減。特定継続世帯でも約12,200円です。
そもそも軽減の前提である「特定同一世帯所属者」の定義自体が、後期高齢者医療の資格を取得した日以降、継続して同一の世帯に属する者となっています。世帯主変更や世帯分離を検討する際は、必ず事前に健康保険課へ影響を確認してください。
Q5. 障害年金だけで暮らしています。申告しないと軽減されませんか?
A. されません。横須賀市は非課税所得だけの方も名指しで申告を求めています。
市の記載はこうです。「所得が不明な方がいる世帯は軽減することができませんので、前年または前々年に、収入が全くなかった方や障害年金または遺族年金、恩給、老齢福祉年金を受給している等の非課税所得のみの方についても、所得の申告書をご提出ください」。
障害年金・遺族年金・恩給・老齢福祉年金は税法上の非課税所得なので確定申告の対象になりませんが、申告がないと市には「所得不明」としか見えず、世帯全体の軽減が止まります。
横須賀市の均等割・平等割は単身40〜64歳で年100,668円。7割軽減が外れると年7万円以上の負担増です。世帯に1人でも未申告の方がいると世帯全員が軽減対象外になるので、家族全員の申告状況を確認してください。
判定は毎年4月1日(年度途中加入は加入日)の世帯状況で行われ、国保に加入していない世帯主の所得も合算されます。
Q6. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、(1)法令による低所得世帯への軽減
(申請不要/要・所得申告)・(2)後期高齢者医療制度創設に伴う措置
(申請不要)・(3)非自発的失業者に係る法定軽減
(届け出が必要)・(4)未就学児に係る均等割保険料軽減
(申請不要)・減免(1)災害にあったとき
(要申請)・減免(2)療養の給付の制限を受けているとき
(要申請)・減免(3)生活困窮のとき
(要申請)・減免(4)旧被扶養者のとき
(要申請)・減免(5)原発事故に伴う警戒区域等の被災者のとき
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q7. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に横須賀市 民生局健康部 健康保険課で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|横須賀市の国保で押さえるべきポイント
- 横須賀市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療保険分(基礎賦課額)7.46%・後期支援分2.85%・介護分2.77%・子ども分0.30%
- 均等割は医療保険分(基礎賦課額)23,170円・後期支援8,940円・介護8,960円・子ども988円、平等割は合計で年59,000円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 平等割が4区分合計で年59,000円と全国最上位クラス。均等割と合わせると単身40〜64歳で年100,668円
- 「告示方式」で料率は毎年5月下旬に決定。4〜5月は実際の料率で試算できない
- 令和8年度は全区分で引き上げ(医療の所得割72.6→74.6/1,000、限度額66万→67万円)。決定通知書は6月11日発送
- 非自発的失業者は保険料だけでなく高額療養費の自己負担額も減額される
- 特定世帯の平等割軽減は「世帯主が変わったとき」「加入者が全員資格喪失したとき」に消え、再加入しても復活しない
- 障害年金・遺族年金・恩給・老齢福祉年金のみの方も所得申告が必要。未申告者が1人でもいると世帯全体が軽減対象外
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年27万9千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は横須賀市 民生局健康部 健康保険課
出典・参考:
・横須賀市公式:令和8年度国民健康保険料率が決定されました
・横須賀市公式:このようなときは保険料を減額します
・横須賀市公式:保険料のしくみ
・横須賀市公式:国民健康保険料の試算
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は横須賀市公式サイトでご確認ください。