
佐伯市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
佐伯市は人口約6万4千人、大分県の南東端にあり、九州で最も面積の広い市です。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく佐伯市の国保税の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
佐伯市の国保加入者は、令和8年度の納税通知書を必ず確認してください。市は「令和8年度国民健康保険税の賦課誤りについて」と「令和8年度国民健康保険税の賦課誤りの再発生について」という2つの発表を行っています。「小・中学生均等割額軽減」が反映されていない納付書が189世帯に発送され、その修正後にさらに7世帯で誤りが再発しました。
この「小・中学生均等割額軽減」こそ、佐伯市の大きな特徴です。国の制度は未就学児のみ5割軽減ですが、佐伯市は中学生まで(15歳の誕生日以降の最初の3月31日まで)の均等割を2分の1軽減しています(令和4年度から)。この記事ではその中身も詳しく扱います。
1. 佐伯市の国民健康保険の概要
佐伯市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
佐伯市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。
佐伯市の国保は「保険料」ではなく「保険税」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。資産割はありません。
特徴的なのは平等割の置き方です。市は医療分18,800円・支援金分7,200円・介護分4,400円・子ども・子育て支援金分620円と、4区分すべてに平等割を設定しています。合計1世帯あたり年31,020円。介護分と子ども分にまで平等割を置いている自治体は全国的に少数派です。
納税義務者は世帯主です。市は「世帯主が国民健康保険の加入者であるかどうかにかかわらず、世帯の加入者全員分の保険税が世帯主に課税されます」としています。
令和8年度は税率が大きく変わりました。市は「税制改正(令和8年4月1日施行)により、国民健康保険税の課税額、医療分の賦課限度額の引上げ、軽減割合を判定するための所得額基準の変更がされました。また、『子ども・子育て支援金制度』の導入に伴い、国民健康保険税の新たな項目として『子ども・子育て支援金分』が新設されました」と説明しています。
医療分の所得割は9.5%から8.05%へ大幅に下がり、一方で支援金分と介護分は上がりました。詳しくは下の比較表をご覧ください。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 平等割(1世帯年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 8.05% | 23,000円 | 18,800円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 3.20% | 9,500円 | 7,200円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.24% | 9,400円 | 4,400円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.32% | 1,030円 (子ども・子育て支援金分の均等割は「被保険者数×990円+18歳以上被保険者数×40円」で、18歳以上は合計1,030円。なお佐伯市は子ども・子育て支援金分にも平等割620円を設けています) | 620円 | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども・子育て支援金分の均等割は「被保険者数×990円+18歳以上被保険者数×40円」で、18歳以上は合計1,030円。なお佐伯市は子ども・子育て支援金分にも平等割620円を設けています。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は13.81%(医療分8.05%+支援金分3.20%+介護分2.24%+子ども・子育て支援金分0.32%/40〜64歳)。40歳未満なら11.57%です。
均等割の合計は1人42,930円(医療23,000+支援9,500+介護9,400+子ども1,030/18歳以上・40〜64歳)。40歳未満なら33,530円。
平等割は1世帯あたり年31,020円(医療18,800+支援7,200+介護4,400+子ども620)。介護分と子ども・子育て支援金分にまで平等割があるのは全国的に少数派です。
賦課限度額は医療分67万円・支援金分26万円・介護分17万円・子ども分3万円で、合計113万円です。令和7年度は医療分66万円だったので1万円の引き上げです。
前年中の総所得には総所得金額、山林所得金額、分離長期・短期譲渡所得金額、株式等に係る譲渡所得金額、先物取引に係る雑所得金額等が含まれます。退職所得は含めません。雑損失の繰越控除は適用しません。
令和8年度と令和7年度の税率比較(佐伯市公表)
佐伯市は令和7年度の税率を同じページに併記しています。令和8年度は医療分が下がり、支援金分と介護分が上がるという、区分ごとに方向の違う改定になりました。
| 区分 | 令和8年度 | 令和7年度 | 差 |
|---|---|---|---|
| 医療分 所得割 | 8.05% | 9.5% | −1.45pt |
| 医療分 均等割 | 23,000円 | 26,000円 | −3,000円 |
| 医療分 平等割 | 18,800円 | 23,000円 | −4,200円 |
| 医療分 賦課限度額 | 670,000円 | 660,000円 | +10,000円 |
| 支援金分 所得割 | 3.20% | 2.16% | +1.04pt |
| 支援金分 均等割 | 9,500円 | 6,600円 | +2,900円 |
| 支援金分 平等割 | 7,200円 | 5,100円 | +2,100円 |
| 介護分 所得割 | 2.24% | 1.83% | +0.41pt |
| 介護分 均等割 | 9,400円 | 7,900円 | +1,500円 |
| 介護分 平等割 | 4,400円 | 4,500円 | −100円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.32%/990円+40円/620円 | 令和8年度に新設 | |
| 合計 所得割 | 13.81% | 13.49% | +0.32pt |
| 合計 均等割 | 42,930円 | 40,500円 | +2,430円 |
| 合計 平等割 | 31,020円 | 32,600円 | −1,580円 |
この表からわかることが3つあります。
①医療分は全項目で下がった——所得割は9.5%から8.05%へ1.45ポイント減、均等割は3,000円減、平等割は4,200円減。かなり大きな引き下げです。
②支援金分は全項目で上がった——所得割は2.16%から3.20%へ1.04ポイント増。後期高齢者医療制度への支援金が増えていることの反映です。
③平等割の合計は下がった——32,600円から31,020円へ1,580円減。子ども・子育て支援金分の平等割620円が新設されたにもかかわらず、医療分の4,200円減が上回りました。
影響の出方は世帯によって違います。
所得ゼロの40〜64歳単身:均等割+平等割が73,100円→73,950円で+850円(軽減なし)。ほぼ横ばいです。
給与収入400万円の40〜64歳単身:令和7年度は233万×13.49%+40,500円+32,600円=387,517円、令和8年度は233万×13.81%+42,930円+31,020円=395,723円で約+8,200円。
限度額世帯:109万円→113万円で+4万円(医療分1万円+子ども分3万円)。
軽減判定の基準も変わりました。5割軽減は1人あたり30.5万円→31万円、2割軽減は56万円→57万円。同じ所得でも軽減に該当しやすくなっています。
令和8年度の賦課誤り——納税通知書を必ず確認してください
佐伯市は令和8年度、国保税の賦課誤りを2度にわたって公表しました。佐伯市の国保加入者、とくに小・中学生のいる世帯は納税通知書の確認をおすすめします。
1回目(令和8年6月29日公表)
「このたび、令和8年度佐伯市国民健康保険税について、一部の被保険者の方に対しまして、軽減前の金額を賦課していたことが判明しました。(中略)令和8年度国民健康保険税納税通知書兼納付書において、『小・中学生均等割額軽減』が適切に反映されてない額の普通徴収納付書を発送しました。原因については現在調査中ですが、業務を委託した業者のシステム処理誤りによるものと考えられます。」
| 1回目(6月29日公表) | 2回目(7月27日公表) | |
|---|---|---|
| 内容 | 「小・中学生均等割額軽減」が反映されない額の納付書を発送 | 更正後の7世帯で異動等の処理を反映した再計算ができていなかった |
| 該当世帯数 | 189世帯(普通徴収の世帯) | 7世帯 |
| 保険税の影響額 | 3,280,000円(全世帯で減額) | 152,100円(増額) |
| 原因 | 委託業者のシステム処理誤り | ①委託業者が再度の減免額算定を行っていなかった ②市も確認できなかった |
| 対応 | 正しい納税通知書兼納付書とお詫び文を送付。2期以降は訂正後の納付書を使用。年税額を超えて納付済みなら還付 | 訪問等により謝罪と経緯を説明し、正しい納税通知書兼納付書を渡す |
1回目は189世帯・約328万円の「取りすぎ」でした。市は「該当する全ての世帯の保険料が減額となります」としています。2期以降のお支払いは訂正後の納付書を使い、すでに年税額を超えて納付された場合などは還付されます。
2回目は7世帯・152,100円の「増額」です。1回目の修正後に、異動等(加入・脱退・転出入など)の処理を反映した再計算が漏れていました。市は「市も、それを確認することができなかった」と自らの確認体制の不備も認めています。
再発防止策として市は「委託業者と作業手順の見直しやシステム処理による計算結果の再確認及び印刷後の納付書等の一部抽出検査を強化し、確認作業を徹底し再発防止に努めます」としています。
あわせて還付金詐欺への注意も呼びかけています。「本件に便乗した『還付金詐欺』の被害にあわないよう、ご注意ください。国民健康保険税の還付金がある場合、対象の方には郵送で通知しています。還付金を受け取るために、銀行ATMの操作をお願いすることは一切ありません」。
「還付金があります」という電話は詐欺です。還付は郵送で通知されます。ATMの操作を求められたら確実に詐欺です。
佐伯市独自の「中学生までの子どもの均等割2分の1軽減」
賦課誤りの原因になった「小・中学生均等割額軽減」は、佐伯市の重要な独自制度です。
市の説明はこうです——「中学生まで(15歳の誕生日以降の最初の3月31日まで)の子どもの均等割額については、1人につき2分の1を軽減します。低所得世帯の国民健康保険税の軽減制度(7割・5割・2割軽減)が適用される世帯については、軽減適用後の均等割額について2分の1を軽減します」。令和4年度の国民健康保険税から軽減が適用されています。
国の制度は未就学児のみ5割軽減(令和4年度開始)。佐伯市は同じ令和4年度に、対象を中学生まで広げた市独自の軽減を導入していたことになります。
金額を計算します。中学生以下の子1人あたりの均等割は医療分23,000円+支援金分9,500円=32,500円(18歳未満には介護分がかからず、子ども・子育て支援金分の均等割990円も18歳未満は対象外)。2分の1軽減で年16,250円が減ります。
子ども2人なら年32,500円、3人なら48,750円。決して小さくない金額です。
低所得軽減との併用もできます。7割軽減世帯の中学生以下の子どもなら実質8.5割になります。
この軽減が反映されていなかったのが今回の賦課誤りです。189世帯で約328万円、1世帯あたり平均約17,000円の取りすぎでした。小・中学生のいる世帯は、納税通知書で軽減が反映されているか確認してください。
4区分すべてに平等割——所得に関係なくかかる部分の比較
| 自治体 | 均等割(1人) | 平等割(1世帯) | 単身世帯 | 4人世帯 |
|---|---|---|---|---|
| 佐伯市(大分) | 42,930円 | 31,020円 (4区分すべて) | 73,950円 | 202,740円 |
| 野洲市(滋賀) | 53,940円 | 34,500円 (4区分すべて) | 88,440円 | 250,260円 |
| 新見市(岡山) | 45,062円 | 28,574円 (4区分すべて) | 73,636円 | 208,822円 |
| 玉名市(熊本) | 47,000円 | 36,600円 (3区分) | 83,600円 | 224,600円 |
4区分すべてに平等割を置く自治体は全国的に少数派です。佐伯市・野洲市・新見市がその型にあたります。
佐伯市の均等割42,930円は比較的低めで、平等割31,020円と合わせても単身73,950円。同じ型の新見市(73,636円)とほぼ同じ、野洲市(88,440円)より1.4万円安い水準です。
所得割13.81%(40〜64歳)は全国的には中位から上といったところです。玉名市16.07%、大阪府内統一15.44%よりは低く、東京23区13.01%よりは高い位置になります。
軽減も効きます。佐伯市は均等割と平等割の両方が軽減対象です。7割軽減なら73,950円が22,185円まで下がります(年51,765円の減)。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 206,885円 + 均等割 80,500円 + 平等割 18,800円 ⇒ 306,185円
- 後期支援分: 所得割 82,240円 + 均等割 33,250円 + 平等割 7,200円 ⇒ 122,690円
- 介護分: 所得割 57,568円 + 均等割 18,800円 + 平等割 4,400円 ⇒ 80,768円
- 子ども分: 所得割 8,224円 + 均等割 2,060円 + 平等割 620円 ⇒ 10,904円
合計: 年間 約520,547円(月あたり約43,400円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 127,995円 + 均等割 23,000円 + 平等割 18,800円 ⇒ 169,795円
- 後期支援分: 所得割 50,880円 + 均等割 9,500円 + 平等割 7,200円 ⇒ 67,580円
- 介護分: 所得割 35,616円 + 均等割 9,400円 + 平等割 4,400円 ⇒ 49,416円
- 子ども分: 所得割 5,088円 + 均等割 1,030円 + 平等割 620円 ⇒ 6,738円
合計: 年間 約293,529円(月あたり約24,500円)
単身世帯でも平等割が合計で年31,020円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 229,365円 / 後期支援分 91,260円 / 介護分 65,992円 / 子ども分 9,106円 ⇒ 合計 約395,723円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 65,479円 / 後期支援分 26,096円 / 介護分 19,955円 / 子ども分 2,594円 ⇒ 合計 約114,124円
差額は年間およそ28万2千円。届出書1枚でこれだけ違います。佐伯市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は佐伯市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 佐伯市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援金分の均等割は「被保険者数×990円+18歳以上被保険者数×40円」で、18歳以上は合計1,030円。なお佐伯市は子ども・子育て支援金分にも平等割620円を設けています。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 佐伯市 税務課(0972-22-3111)
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
倒産・解雇などにより離職された方は、前年の給与所得を100分の30として計算する軽減が使えます。市は「非自発的失業者の国民健康保険税の軽減制度について」というPDFを公開しており、「この軽減には申請が必要です」と明記しています。
効果を試算します。給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯なら、課税所得は276万-43万=233万円。所得割は233万×13.81%=321,773円、均等割42,930円と平等割31,020円を足して年約39.6万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。課税所得は39.8万円まで下がり、所得割は54,964円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割の軽減判定も行われます。単身世帯なら2割軽減の基準は43万+57万=100万円。82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割と平等割の合計73,950円が59,160円に。
合計は約11.4万円。差はおよそ28.2万円です。
令和8年度は軽減判定の基準も緩和されました。5割軽減は1人あたり30.5万円→31万円、2割軽減は56万円→57万円。令和7年度は該当しなかった世帯でも、令和8年度は該当する可能性があります。
届出が必要です。市が自動で拾ってくれる制度ではありません。雇用保険受給資格者証(または雇用保険受給資格通知)を持って税務課(0972-22-3111)へ。離職票では手続きできません。
佐伯市は九州で最も面積の広い市です。本庁まで距離のある地域も多いので、各振興局で手続きできるか事前に確認するとよいでしょう。市税の納付は市役所、各振興局、金融機関、コンビニエンスストアで可能とされています。
年度途中の加入についても市は注意しています。「年度途中で国民健康保険の資格を取得した場合、資格取得した月の分から国民健康保険税を計算します。届出をした時からではありませんのでご注意ください。届出が遅れた場合は、資格取得した月まで遡って計算されます」。退職したら14日以内に届け出てください。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 佐伯市の減免制度|要申請
佐伯市の低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)と市独自の中学生までの均等割2分の1軽減、未就学児の軽減は申請不要ですが、市は「所得の申告が無ければ、正しく保険税の計算ができないだけでなく、軽減も適用できません」としています。非自発的失業者の軽減と旧被扶養者の減免は申請が必要です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割) (申請不要/要・所得申告) | 世帯(世帯主および被保険者等)の前年の総所得の合計額が①43万円+(給与所得者等の数-1)×10万円以下=7割、②①+31万円×被保険者数以下=5割、③①+57万円×被保険者数以下=2割 | 均等割額・平等割額を減額。令和8年度は5割・2割の基準が緩和(30.5万円→31万円、56万円→57万円)。所得の有無に関わらず所得申告が必要 |
| 中学生までの子どもの均等割2分の1軽減(市独自) (申請不要) | 中学生まで(15歳の誕生日以降の最初の3月31日まで)の子ども | 均等割額を1人につき2分の1軽減。7割・5割・2割軽減が適用される世帯は軽減適用後の均等割額について2分の1。令和4年度から適用。子1人あたり年16,250円(軽減なしの場合) |
| 18歳未満の子ども分均等割 (申請不要) | 18歳未満の被保険者 | 子ども・子育て支援金分の均等割は18歳以上被保険者数×40円が加算されないほか、990円部分も18歳未満は軽減対象です |
| 非自発的失業者の軽減 (要申請) | 倒産、解雇等により離職された方 | 前年の給与所得を100分の30として算定。市はPDFで詳細を公開。雇用保険受給資格者証を持って税務課へ |
| 後期高齢者医療制度への移行に伴う軽減判定 (申請不要) | 後期高齢者医療制度へ移行した方が同一世帯にいる場合 | 移行した方の所得及び人数を含めて軽減の判定を行います。人数が減ったせいで軽減から外れることを防ぎます |
| 単身平等割軽減(特定世帯・特定継続世帯) (申請不要) | 国保被保険者が後期高齢者医療制度に移行したことにより、その世帯の国保加入者が1人になった世帯 | 5年間、医療分・支援金分・子ども・子育て支援金分の平等割の2分の1が軽減。5年経過後はその後3年間、4分の1が軽減(子ども分の平等割も対象という点が特徴) |
| 被扶養者であった方の減免(旧被扶養者) (要申請) | 被用者保険から後期高齢者医療制度に移行することにより、被用者保険の被扶養者から国保加入者となった65歳以上の方 | 所得割額が全額免除/均等割が半額/旧被扶養者のみで構成される世帯に限り平等割が半額。すでに7割・5割軽減を受けている場合は均等割・平等割の減免なし。減免期間は資格取得の月から2年間 |
| 産前産後期間に係る軽減 (要届出) | 出産(予定)の被保険者 | 市は「国民健康保険税の産前産後期間に係る軽減制度について」の専用ページを設けています |
佐伯市の軽減で最も注目すべきは市独自の「中学生までの子どもの均等割2分の1軽減」です。
市の説明は「中学生まで(15歳の誕生日以降の最初の3月31日まで)の子どもの均等割額については、1人につき2分の1を軽減します」。令和4年度から適用されています。
国の制度は未就学児のみ5割軽減です。佐伯市は同じ令和4年度に、対象を中学生まで広げた市独自の軽減を導入しました。
子1人あたり年16,250円(医療分23,000円+支援金分9,500円=32,500円の半額)。子ども2人なら32,500円、3人なら48,750円です。
低所得軽減との併用もできます。市は「低所得世帯の国民健康保険税の軽減制度(7割・5割・2割軽減)が適用される世帯については、軽減適用後の均等割額について2分の1を軽減します」としており、7割軽減世帯の中学生以下の子どもなら実質8.5割になります。
この軽減が令和8年度の賦課誤りの原因になりました。189世帯で約328万円が取りすぎになっていたので、小・中学生のいる世帯は納税通知書で軽減が反映されているか確認してください。
軽減判定の細かい扱いも、佐伯市は4点明記しています。
①国民健康保険に加入していない世帯主の所得も含めて判定——世帯主が会社の健康保険に入っていても、その所得は算入されます。
②1月1日現在65歳以上の公的年金所得のある方は、公的年金所得から15万円を差し引いた金額で判定。
③分離譲渡所得は特別控除適用前の金額で判定——自宅を売って3,000万円特別控除を使っても、軽減判定では控除前の金額で見られます。所得割は控除後なので扱いが逆です。
④青色事業専従者給与または事業専従者控除額は事業主の所得とみなし、事業専従者が事業主から支払われた給与は無いものとみなして判定——世帯内で所得を移し替えても軽減判定は変わらない仕組みです。
単身平等割軽減にも佐伯市の特徴があります。市は「国保被保険者が後期高齢者医療制度に移行したことにより、その世帯の国保加入者が1人になった世帯について5年間、医療分と支援金分と子ども・子育て支援金分の平等割の2分の1が軽減されます。(5年が経過した世帯についてはその後3年間、医療分と支援金分と子ども・子育て支援金分の平等割の4分の1が軽減されます。)」としています。
子ども・子育て支援金分の平等割620円も軽減の対象という点が特徴的です。多くの自治体は医療分と後期支援分だけを対象にしています。
旧被扶養者の減免は要申請で、所得割は全額免除、均等割は半額、旧被扶養者のみの世帯なら平等割も半額。ただし「すでに7割軽減・5割軽減を受けている場合は、均等割・平等割の減免の適用はありません」、「均等割・平等割の減免期間は、資格取得の月から2年間です」。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(納期限の日に銀行や郵便局の口座から引き落とし)
- 納付書(市役所、各振興局、金融機関、コンビニエンスストア)
- スマートフォン決済(納付書のバーコードを読み取り)
- 特別徴収(年金からの天引き)
佐伯市の納付方法は普通徴収(納付書または口座振替)と特別徴収(年金天引き)の2通りです。
納付書は市役所、各振興局、金融機関、コンビニエンスストアで使えます。市は「納付書裏面に記載されている金融機関、コンビニエンスストアでお支払いが可能です」としています。九州で最も面積の広い佐伯市では、各振興局で納付できるのは実用的です。
スマートフォン決済にも対応しています。市は「納付書をお持ちの方は、スマートフォン決済が可能です。スマートフォンで納付書のバーコードを読み取り、専用のアプリで納付をするというものです」としています。
口座振替について市は「納期限の日に銀行や郵便局の口座から、各期の国民健康保険税納付額を引き落とします。納め忘れの心配がなく、市役所や金融機関などに足を運ぶ手間も省けて便利です。ぜひご利用ください」と勧めています。
令和8年度は納税通知書の確認が特に重要です。市は賦課誤りを2度公表しています。「小・中学生均等割額軽減」が反映されていない納付書が189世帯に発送され(影響額328万円・全世帯で減額)、その修正後にさらに7世帯で誤り(152,100円の増額)が発生しました。
市は「2期以降のお支払いは訂正後の納付書をご使用ください」「すでに年税額を超えて納付された場合などは還付を行います」としています。古い納付書を使わないよう注意してください。
還付金詐欺には特に警戒を。市は「本件に便乗した『還付金詐欺』の被害にあわないよう、ご注意ください。国民健康保険税の還付金がある場合、対象の方には郵送で通知しています。還付金を受け取るために、銀行ATMの操作をお願いすることは一切ありません」と明記しています。
賦課誤りが公表された後は、それに便乗した詐欺が発生しやすくなります。「保険税を取りすぎていたので還付します」という電話が来たら疑ってください。還付は郵送で通知されます。
確定申告に使う金額は、市が郵送してくれます。「社会保険料控除のための納付証明書(申告用)を郵送します」という専用ページがあります。1年間に納めた額がまとまっているので、そのまま社会保険料控除に使えます。
納付が困難なときは、滞納する前に税務課(0972-22-3111)へ相談してください。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 佐伯市の国保窓口一覧
国保税の計算・軽減・減免の相談は佐伯市役所の税務課(0972-22-3111)です。納付書は市役所のほか各振興局・金融機関・コンビニで使え、スマートフォン決済にも対応しています。令和8年度は賦課誤りがあったので、納税通知書の確認をおすすめします。
| 窓口 | 電話番号 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 税務課 〒876-8585 大分県佐伯市中村南町1-1 | 0972-22-3111(代表) ファックス 0972-22-3124 | 国保税の算定・賦課、低所得世帯の軽減、中学生までの均等割2分の1軽減、非自発的失業者の軽減、旧被扶養者の減免、産前産後の軽減、納付相談 |
| 各振興局 | 各振興局へ | 納付書による国保税の納付。九州で最も面積の広い佐伯市では、本庁まで行かずに済みます |
| 社会保険料控除のための納付証明書(申告用) | - | 市が郵送します。確定申告の社会保険料控除に使えます |
| 令和8年度の賦課誤りに関する問い合わせ | 0972-22-3111 | 「小・中学生均等割額軽減」が反映されているか確認したい方は税務課へ。還付は郵送で通知され、ATM操作を求めることはありません |
令和8年度は賦課誤りが2度ありました。「小・中学生均等割額軽減」が反映されていない納付書が189世帯へ(影響額328万円・減額)、修正後に7世帯で再発(152,100円・増額)。小・中学生のいる世帯は納税通知書を確認してください。
還付金詐欺に注意。市は「還付金がある場合、対象の方には郵送で通知しています。還付金を受け取るために、銀行ATMの操作をお願いすることは一切ありません」と明記しています。
中学生までの均等割2分の1軽減は市独自の制度です(令和4年度から)。国の制度は未就学児のみなので、小学生・中学生がいる世帯は佐伯市のほうが有利です。
令和8年度は医療分が下がり、支援金分・介護分が上がりました。市は令和7年度の数字を併記しています。
単身平等割軽減は「子ども・子育て支援金分の平等割」も対象です。多くの自治体は医療分と後期支援分だけを対象にしています。
「社会保険料控除のための納付証明書(申告用)」は市が郵送します。確定申告の前に確認してください。
8. よくある質問(佐伯市の国保)
Q1. 令和8年度の納税通知書に間違いがあったと聞きました
A. ありました。佐伯市は2度にわたって賦課誤りを公表しています。小・中学生のいる世帯は納税通知書を確認してください。
1回目(令和8年6月29日公表)——市の説明を引きます。「令和8年度国民健康保険税納税通知書兼納付書において、『小・中学生均等割額軽減』が適切に反映されてない額の普通徴収納付書を発送しました。原因については現在調査中ですが、業務を委託した業者のシステム処理誤りによるものと考えられます」。
該当世帯数:189世帯(普通徴収=納付書による納付の世帯)
保険税の影響額:3,280,000円(該当する全ての世帯の保険料が減額)
1世帯あたり平均約17,000円の取りすぎだったことになります。
2回目(令和8年7月27日公表)——「令和8年6月29日に賦課誤りがあった189世帯については、更正後の国民健康保険税納税通知書兼納付書を発送しました。しかし、そのうち7世帯については、異動等の処理を行い、再度の減免額を算定すべきところを、適切に算定できていませんでした」。
該当世帯数:7世帯
保険税の影響額:152,100円(増額)
原因を市は2つ挙げています。「1.システム委託業者が税額を正しく算定した後に、必要な異動等を反映し、再度の減免額の算定を行うべきところ、その処理が行われていなかった。2.市も、それを確認することができなかった」。
対応——1回目は「正しい算定額による納税通知書兼納付書とお詫び文を送付」「2期以降のお支払いは訂正後の納付書をご使用ください」「すでに年税額を超えて納付された場合などは還付を行います」。2回目は「早急に訪問等により謝罪と今回の経緯を説明し、正しい国民健康保険税納税通知書兼納付書をお渡しします」。
確認すべきポイント——小・中学生(15歳の誕生日以降の最初の3月31日まで)が世帯にいる場合、その子の均等割が2分の1になっているか。医療分23,000円+支援金分9,500円=32,500円が、16,250円になっているかを見てください。
不明な点は税務課(0972-22-3111)へ。
Q2. 中学生の子どもがいます。安くなる制度はありますか?
A. あります。佐伯市には市独自の「中学生までの子どもの均等割2分の1軽減」があります。申請は不要です。
市の説明はこうです——「中学生まで(15歳の誕生日以降の最初の3月31日まで)の子どもの均等割額については、1人につき2分の1を軽減します。低所得世帯の国民健康保険税の軽減制度(7割・5割・2割軽減)が適用される世帯については、軽減適用後の均等割額について2分の1を軽減します」。令和4年度の国民健康保険税から適用されています。
国の制度は未就学児のみ5割軽減(令和4年度開始)。小学生以上は対象外の自治体がほとんどです。佐伯市は同じ令和4年度に、対象を中学生まで広げた市独自の軽減を導入しました。
金額を計算します。中学生以下の子1人あたりの均等割は医療分23,000円+支援金分9,500円=32,500円(18歳未満には介護分がかからず、子ども・子育て支援金分の18歳以上均等割40円も対象外)。
2分の1軽減で年16,250円が減ります。子ども2人なら32,500円、3人なら48,750円です。
低所得軽減との併用もできます。7割軽減世帯なら実質8.5割、5割軽減世帯なら7.5割、2割軽減世帯なら6割になります。
「中学生まで」の定義は「15歳の誕生日以降の最初の3月31日まで」——中学3年生の年度末までです。高校生になると対象外になるので、その年度から保険税が上がります。
注意してください。令和8年度はこの軽減の反映漏れによる賦課誤りが発生しました。189世帯に軽減前の金額で納付書が送られています。納税通知書で軽減が反映されているか確認し、疑問があれば税務課(0972-22-3111)へ問い合わせてください。
すでに年税額を超えて納付している場合は還付されます。ただし還付は郵送で通知されるので、電話で還付を告げてATM操作を求めるものは詐欺です。
Q3. 令和8年度は保険税が上がったのですか、下がったのですか?
A. 区分によって方向が違います。医療分は下がり、支援金分と介護分は上がりました。合計では所得割が0.32ポイント増、均等割が2,430円増、平等割は1,580円減です。
佐伯市は令和7年度の数字を併記しているので、比較できます。
医療分(すべて下がった):所得割9.5%→8.05%(−1.45pt)/均等割26,000円→23,000円(−3,000円)/平等割23,000円→18,800円(−4,200円)/賦課限度額660,000円→670,000円(+1万円)
支援金分(すべて上がった):所得割2.16%→3.20%(+1.04pt)/均等割6,600円→9,500円(+2,900円)/平等割5,100円→7,200円(+2,100円)
介護分:所得割1.83%→2.24%(+0.41pt)/均等割7,900円→9,400円(+1,500円)/平等割4,500円→4,400円(−100円)
子ども・子育て支援金分:令和8年度に新設(所得割0.32%/均等割990円+18歳以上40円/平等割620円/限度額3万円)
合計:所得割13.49%→13.81%(+0.32pt)/均等割40,500円→42,930円(+2,430円)/平等割32,600円→31,020円(−1,580円)
平等割が下がったのが特徴です。子ども・子育て支援金分の平等割620円が新設されたにもかかわらず、医療分の4,200円減が上回りました。
影響の出方——
所得ゼロの40〜64歳単身:73,100円→73,950円で+850円(軽減なし)。ほぼ横ばいです。
給与収入400万円の40〜64歳単身:387,517円→395,723円で約+8,200円。
限度額世帯:109万円→113万円で+4万円。
軽減判定の基準も緩和されました。5割軽減は1人あたり30.5万円→31万円、2割軽減は56万円→57万円。令和7年度は該当しなかった世帯でも令和8年度は該当する可能性があります。
Q4. 「保険税の還付があります」という電話がかかってきました
A. 詐欺です。佐伯市は賦課誤りの発表のなかで、還付金詐欺への注意を明記しています。
市の記載を引きます——「◎還付金詐欺にご注意ください。本件に便乗した『還付金詐欺』の被害にあわないよう、ご注意ください。国民健康保険税の還付金がある場合、対象の方には郵送で通知しています。還付金を受け取るために、銀行ATMの操作をお願いすることは一切ありません」。
市はこの注意書きを、2つの賦課誤りの発表の両方に載せています。それだけ警戒しているということです。
なぜ危険なのか——令和8年度、佐伯市は189世帯・約328万円の保険税を取りすぎていたことを公表しました。実際に還付が発生する世帯があるため、「還付します」という電話に信憑性が生まれてしまうのです。詐欺グループはこうしたニュースに便乗します。
見分け方を整理します。
①還付は郵送で通知されます。電話で案内することはありません。
②ATMで還付金は受け取れません。「ATMに行ってください」「携帯電話を持ってATMへ」と言われたら100%詐欺です。ATMはお金を振り込む機械で、還付金を受け取る仕組みは存在しません。
③期限を切って急かすのは詐欺の手口です。「今日中に手続きしないと還付できません」といった話は疑ってください。
④折り返す番号は自分で調べてください。電話で告げられた番号にかけ直してはいけません。佐伯市の正しい番号は0972-22-3111(代表)です。
本当に還付があるか確認したい場合は、自分から税務課(0972-22-3111)に電話してください。賦課誤りの対象世帯には正しい納税通知書兼納付書とお詫び文が郵送されています。
不安なときは家族に相談を。その場で判断せず、いったん電話を切ることが最も有効な対策です。
Q5. 佐伯市は介護分にも子ども分にも平等割があるのですか?
A. あります。4区分すべてに平等割を置いているのは全国的に少数派です。
佐伯市の平等割は医療分18,800円+支援金分7,200円+介護分4,400円+子ども・子育て支援金分620円=1世帯あたり年31,020円です。
多くの自治体は医療分と後期高齢者支援金分の2つにだけ平等割を置いています。大阪府内統一料率も奈良県内統一税率も、介護分と子ども分には平等割がありません。
介護分の平等割4,400円は、世帯に40〜64歳の加入者がいる場合だけかかります。人数には関係なく、1人でも2人でも4,400円。40歳未満だけの世帯、65歳以上だけの世帯にはかかりません。
子ども・子育て支援金分の平等割620円は全世帯にかかります。子どもがいない世帯・単身世帯でも負担します。子育てを社会全体で支えるという制度趣旨に沿った設計です。
この設計は「単身平等割軽減」でも効いてきます。市は「国保加入者が1人になった世帯について5年間、医療分と支援金分と子ども・子育て支援金分の平等割の2分の1が軽減されます」としています。子ども分の平等割も軽減の対象という点が、他市とは違うところです(介護分は対象外)。
所得に関係なくかかる部分で比べます。
単身世帯:佐伯市73,950円(均等割42,930+平等割31,020)/新見市73,636円/野洲市88,440円/玉名市83,600円
4人世帯:佐伯市202,740円/新見市208,822円/野洲市250,260円/玉名市224,600円
佐伯市は同じ「4区分平等割」の型のなかでは安いほうです。均等割42,930円が比較的低く設定されているためです。
令和8年度は平等割の合計が1,580円下がりました(32,600円→31,020円)。医療分の平等割が23,000円から18,800円へ4,200円下がったことが効いています。
軽減も効きます。7割軽減なら均等割+平等割73,950円が22,185円まで下がります(年51,765円の減)。所得の申告が前提です。
Q6. 自宅を売りました。軽減に影響しますか?
A. 影響します。佐伯市は「分離譲渡所得は特別控除適用前の金額で判定します」と明記しています。
所得割の計算では特別控除後の額を使うのに、軽減判定では特別控除前——扱いが逆です。
居住用財産を売った場合の3,000万円特別控除を使えば、譲渡所得が3,000万円以下なら課税所得はゼロ。所得税も住民税もかかりません。ところが国保税の軽減判定では、控除前の譲渡所得がそのまま見られます。
結果として「税金はまったくかからなかったのに、翌年度の国保税の7割軽減が消えた」ということが起こります。佐伯市の均等割+平等割は73,950円(40〜64歳単身)なので、7割軽減(51,765円)を失うと年約5.2万円の増加です。
佐伯市が明記している軽減判定の扱いは、ほかにも3つあります。
①国民健康保険に加入していない世帯主の所得も含めて判定します。世帯主が会社の健康保険に入っていても、その所得は算入されます。
②1月1日現在65歳以上の公的年金所得のある方は、公的年金所得から15万円を差し引いた金額で判定します。65歳以上の年金受給者には有利に働きます。
③青色事業専従者給与または事業専従者控除額は事業主の所得とみなし、事業専従者が事業主から支払われた給与は無いものとみなして判定します。自営業で家族に専従者給与を払っている世帯は、払った側の所得に戻して判定されます。世帯内で所得を移し替えても軽減判定は変わりません。
株式の売却も注意が必要です。特定口座(源泉徴収あり)で完結させれば国保税の算定に入りませんが、確定申告をすると算定に入ります。佐伯市の所得割は13.81%(40〜64歳)なので、100万円の譲渡益を申告すると保険税は約13.8万円増える計算です。
市は所得割の対象に「株式等に係る譲渡所得金額、先物取引に係る雑所得金額等」を明記しています。一方で「退職所得は総所得に含めません」「雑損失の繰越控除は適用しません」とも書いています。
判断に迷ったら税務課(0972-22-3111)へ。
Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)
(申請不要/要・所得申告)・中学生までの子どもの均等割2分の1軽減(市独自)
(申請不要)・18歳未満の子ども分均等割
(申請不要)・非自発的失業者の軽減
(要申請)・後期高齢者医療制度への移行に伴う軽減判定
(申請不要)・単身平等割軽減(特定世帯・特定継続世帯)
(申請不要)・被扶養者であった方の減免(旧被扶養者)
(要申請)・産前産後期間に係る軽減
(要届出)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に佐伯市 税務課(0972-22-3111)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|佐伯市の国保で押さえるべきポイント
- 佐伯市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分8.05%・後期支援分3.20%・介護分2.24%・子ども分0.32%
- 均等割は医療分23,000円・後期支援9,500円・介護9,400円・子ども1,030円、平等割は合計で年31,020円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 令和8年度に賦課誤りが2度発生。「小・中学生均等割額軽減」の反映漏れで189世帯・約328万円(減額)、修正後に7世帯・152,100円(増額)。小・中学生のいる世帯は納税通知書を確認
- 市独自の「中学生までの子どもの均等割2分の1軽減」(令和4年度から)。国の制度は未就学児のみなので、小学生・中学生がいる世帯に有利。子1人あたり年16,250円
- 令和8年度は医療分が全項目で下がり(所得割9.5→8.05%、均等割−3,000円、平等割−4,200円)、支援金分は全項目で上がった(所得割2.16→3.20%)
- 平等割の合計は32,600円→31,020円と下がった。子ども分の平等割620円が新設されても、医療分の減が上回った
- 4区分すべてに平等割がある(医療18,800+支援7,200+介護4,400+子ども620)。全国的に少数派の設計
- 単身平等割軽減は「子ども・子育て支援金分の平等割」も対象。5年間2分の1、その後3年間4分の1
- 還付金詐欺に注意。市は「還付金がある場合は郵送で通知」「ATM操作をお願いすることは一切ありません」と明記
- 「社会保険料控除のための納付証明書(申告用)」を市が郵送。納付書は各振興局でも使え、スマートフォン決済にも対応
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年28万2千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は佐伯市 税務課(0972-22-3111)
出典・参考:
・佐伯市公式:国民健康保険税について
・佐伯市公式:令和8年度の国民健康保険税の改正点について
・佐伯市公式:令和8年度国民健康保険税の賦課誤りについて
・佐伯市公式:令和8年度国民健康保険税の賦課誤りの再発生について
・佐伯市公式:国民健康保険税の産前産後期間に係る軽減制度について
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は佐伯市公式サイトでご確認ください。