【2026年7月最新】国民健康保険は何が変わった?今変わったこと・これから変わること総まとめ

2026年(令和8年)は、国民健康保険(国保)や医療保険のまわりで「もう変わったこと」と「これから変わること」が重なる、変化の大きい年です。保険料の仕組みが変わり、紙の保険証は完全に姿を消し、さらに夏以降には高額療養費や働き方に関わる制度の見直しが控えています。

「結局、自分に関係あるのはどれ?」「いつ、何が変わるの?」——そんな疑問に答えるため、この記事では2026年〜2027年の変更点をまとめてカレンダー形式で整理し、それぞれのポイントをやさしく解説します。厚生労働省の資料や成立済みの法律にもとづく2026年7月時点の情報です。

まず全体像|2026〜2027年の変更点カレンダー

この1〜2年で国保・医療保険まわりに起きる(起きた)主な変更を、時期順に並べると次のようになります。

2026〜2027年 国保・医療保険まわりの主な変更点
時期変わることおもに関係する人
2026年4月〜子ども・子育て支援金の徴収スタート(国保料に上乗せ)すべての国保加入者
2026年度〜国保料の改正(保険料区分が4つに/上限引き上げ/軽減拡大)全加入者(影響の大きさは所得による)
〜継続中紙の保険証が終了し「マイナ保険証+資格確認書」体制へ全国民
2026年8月〜高額療養費の自己負担上限を引き上げ+「年間上限」を新設(第1段階)入院・手術などで医療費が高額になる人
2026年10月〜「106万円の壁」(賃金要件)の撤廃で、パートが社会保険に入りやすくパート・アルバイトで働く国保加入者
2027年4月〜子どもの均等割5割軽減が「高校生年代」まで拡大予定小・中・高校生年代の子がいる国保世帯
2027年8月〜高額療養費の所得区分をさらに細分化(第2段階)高額療養費を使うすべての人

ここからは「もう変わったこと」→「これから変わること」の順に、一つずつ見ていきましょう。

【もう変わった①】2026年度の国保料が改正|保険料の区分が「4つ」に

2026年度(令和8年度)は、国保料の仕組みそのものが見直された年です。ポイントは大きく4つあります。

  • 保険料区分が3つ→4つに増えた(後述の「子ども・子育て支援金分」を新設)
  • 上限額(賦課限度額)を引き上げ(医療分66万円→67万円、3区分合計109万円→110万円)
  • 低所得世帯の軽減基準(5割・2割軽減)を拡大
  • 給与所得控除の見直しで、パート収入などの人は保険料が下がるケースも

上限に達するのは年収1,170万円前後を超える一部の高所得世帯だけで、多くの世帯には直接の影響はありません。一方で、軽減基準の拡大や控除の見直しで据え置き〜微減になる世帯も多いと見込まれます。詳しい内訳や「自分は上がるのか下がるのか」の判定は、次の記事で解説しています。

【2026年度改正】国民健康保険料はこう変わる|上限110万円・子ども子育て支援金分の新設・軽減拡大を解説

【もう変わった②】子ども・子育て支援金の徴収がスタート(2026年4月〜)

少子化対策の財源を社会全体で支える「子ども・子育て支援金」の徴収が、2026年4月から始まりました。国保では、保険料に第4の区分「子ども・子育て支援金分」が加わる形で上乗せされます。

  • 年齢に関係なく、すべての国保加入者が対象(会社員の健康保険でも同様に徴収)
  • 金額は段階的に引き上げられ、制度が満額になるのは2028年度の予定
  • ただし18歳到達年度末までの子どもは、この均等割が全額軽減(0円)。子育て世帯の負担は増えにくい設計

「子育て支援なのに子育て世帯も払うの?」という声もあり、当初は納得感をめぐる議論もありました。制度の背景や賛否については、こちらの記事でまとめています。

2026年4月開始「子ども・子育て支援金」って何? 制度の中身と賛否をわかりやすく解説

【もう変わった③】紙の保険証が姿を消し「マイナ保険証+資格確認書」体制へ

従来の紙・カード型の健康保険証は、2024年12月2日に新規発行が終了しました。手元の保険証も経過措置の期限(最長2025年12月1日)を過ぎ、多くの人がすでに使えなくなっています。2026年の受診は、次の3パターンに整理できます。

  • マイナ保険証(利用登録したマイナンバーカード)で受診する
  • カードを持たない・登録していない人は、自治体・保険者が交付する「資格確認書」で受診する
  • マイナ保険証はあるが読み取れないなどの場合に備え、「資格情報のお知らせ」を携帯しておく

「マイナンバーカードを作っていない人はどうなるの?」という点も含め、資格確認書の受け取り方や注意点は次の記事で詳しく解説しています。

【これから①】2026年8月〜 高額療養費の上限引き上げ・年間上限の新設

ここからが「これから変わること」です。まず2026年8月診療分から、高額療養費制度の自己負担上限額が引き上げられます。2025年に一度見送られた見直しですが、その後あらためて内容が固まり、2026年度予算に盛り込まれて実施が決まりました。

高額療養費は、1か月の医療費の自己負担が所得に応じた上限を超えたとき、超えた分が払い戻される仕組みで、国保・協会けんぽ・健康保険組合すべてに共通します。2026年8月の見直し(第1段階)の柱は次の3つです。

  1. 月額の自己負担上限を全所得区分で引き上げ(所得が高いほど引き上げ幅が大きい)
  2. 「年間の自己負担上限」を新設し、1年を通して医療費がかさむ長期療養者の負担を軽減
  3. 「多数回該当」は現行水準を据え置き(長期療養者への配慮)

たとえば70歳未満・年収約370〜770万円の区分では、月額上限が現行の「80,100円+(医療費−267,000)×1%」から「85,800円+(医療費−286,000)×1%」へ引き上げられます。医療費が高額になりやすい人ほど関係が深い改正です。金額の一覧・具体的な計算例・今からできる備えは、次の記事にまとめました。

【これから②】2026年10月〜「106万円の壁」の撤廃で国保から社保へ移る人も

2025年6月に成立した年金制度改正法により、パート・アルバイトが社会保険(厚生年金・健康保険)に加入する際の「106万円の壁(賃金要件)」が2026年10月から撤廃されます。これまでは「月8.8万円(年収106万円)以上」という賃金の条件がありましたが、これがなくなります。

国保に加入している人にとっては、次のような影響が考えられます。

  • パート先で社会保険の加入対象が広がり、国保・国民年金をやめて勤務先の社会保険に切り替わる人が増える
  • 社会保険に入ると保険料は会社と折半になり、将来もらえる年金(厚生年金)も増える
  • 一方で手取りが一時的に減る場合もあり、働き方の見直しが必要になることも

なお、従業員数などの「企業規模要件(現在51人以上)」は2027年10月から段階的に撤廃され、より小さな職場でも社会保険の対象が広がっていきます。「社保と国保はどちらが得か」を含め、切り替え時の判断材料はこちらで確認できます。

【これから③】2027年4月〜 子どもの均等割5割軽減が「高校生年代」まで拡大

2026年5月に成立した法改正により、2027年(令和9年)4月から、子どもの均等割5割軽減の対象が現行の「未就学児」から「高校生年代(18歳到達年度末まで)」へ拡大される予定です。

  • 軽減割合は5割、所得制限なしで適用される見込み
  • 新たに小学生〜高校生年代の子がいる国保世帯が対象に加わる
  • 申請は原則不要(自治体が自動で適用する見込み)
  • 低所得世帯の7割・5割・2割軽減とも併用できる

子どもの多い国保世帯にとっては、今後さらに負担が軽くなる方向の改正です。

【これから④】2027年8月〜 高額療養費 第2段階(所得区分の細分化)

①で触れた高額療養費の見直しには続きがあります。2027年8月からは第2段階として、所得区分をさらに細かく分ける見直しが予定されています。現在の区分よりきめ細かく所得に応じた上限を設定することで、「所得に見合った負担」に近づける狙いです。こちらは今後の政省令で最終的な内容が固まる見込みのため、続報に注意しておきましょう。

結局、自分は何をすればいい?(タイプ別チェック)

  • 自営業・フリーランスの人:2026年度の国保料改正と子ども・子育て支援金分の上乗せをチェック。届いた納付書は金額だけでなく内訳まで確認を。
  • 子育て世帯:18歳年度末までの子は均等割0円。2027年4月からの高校生年代までの軽減拡大も見据えて。
  • 持病がある・入院予定がある人:2026年8月からの高額療養費の上限引き上げに注意。限度額適用の手続き(マイナ保険証なら原則不要)を確認。
  • パートで働く人:2026年10月の「106万円の壁」撤廃で社会保険に入る可能性。勤務先に加入条件を確認しておく。
  • まだマイナ保険証を作っていない人:交付された資格確認書で受診できます。期限と記載内容を確認しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

  • Q. 2026年になって保険料は上がるのですか?
    A. 一概には言えません。上限額は上がりましたが、影響が出るのは高所得の一部世帯です。多くの世帯は軽減基準の拡大や控除の見直しで据え置き〜微減となる可能性もあります。正確な額は納付書・自治体サイトでご確認ください。
  • Q. マイナンバーカードを作っていませんが、病院にかかれますか?
    A. かかれます。カードを持たない・登録していない人には「資格確認書」が交付され、これを窓口に提示すれば従来どおり受診できます。
  • Q. 高額療養費の引き上げは本当に実施されるのですか?
    A. 2025年に一度見送られましたが、その後あらためて内容が固まり、2026年度予算に盛り込まれて2026年8月からの実施が決まっています。ただし細部は政省令で定められるため、最新情報の確認をおすすめします。
  • Q. パートですが、2026年10月から必ず社会保険に入るのですか?
    A. 全員ではありません。賃金要件(106万円)は撤廃されますが、労働時間などほかの加入条件があります。勤務先に確認しましょう。

まとめ

2026年〜2027年の国保・医療保険まわりの変更点を整理します。

  • もう変わった:国保料の改正(4区分化・上限110万円・軽減拡大)、子ども・子育て支援金の徴収開始(2026年4月)、紙の保険証終了→マイナ保険証+資格確認書体制
  • 2026年8月〜:高額療養費の上限引き上げ・年間上限の新設(第1段階)
  • 2026年10月〜:「106万円の壁」撤廃で社会保険の対象が拡大
  • 2027年4月〜:子どもの均等割5割軽減が高校生年代まで拡大(予定)
  • 2027年8月〜:高額療養費の所得区分を細分化(第2段階)

制度は毎年少しずつ変わります。納付書や保険者からのお知らせが届いたら、金額だけでなく内訳や適用される軽減・特例を一度チェックしておきましょう。

参考資料

※本記事は厚生労働省の公表資料および成立済みの関連法令にもとづく2026年7月時点の情報です。高額療養費の第2段階(2027年8月)や子どもの均等割軽減拡大(2027年4月)など、今後の政省令で詳細が確定する事項が含まれます。保険料率・均等割額・軽減額は市区町村により異なります。正確な内容は加入先の自治体・保険者でご確認ください。

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