兵庫県 加西市の国民健康保険|保険料・減免・申請窓口まとめ

加西市の国民健康保険|令和8年度の保険税・減免・申請窓口を完全ガイド

加西市は兵庫県の中南部、北播磨地域にある市で、北条鉄道や五百羅漢(酒見寺)、兵庫県立フラワーセンターなどで知られます。小野市・三木市と隣り合う市でもあります。
この記事では、令和8年度の最新の税率にもとづく加西市の国民健康保険税の計算方法、軽減・減免、会社都合退職の特例、窓口情報までをまとめました。
加西市の国保でいちばん特徴的なのは、子どもの均等割が全額減免されていることです。市は「子どもの被保険者(0歳から18歳に達する日以後最初の3月31日までの間にある者)については、均等割が全額減免されます。申請は不要です」としています。国が決めた軽減(未就学児の5割、子ども・子育て支援金分の18歳未満の全額軽減)にとどまらず、医療分・後期支援分の均等割まで市が独自にゼロにしている形です。
もうひとつは、市自身が「いまの税率は低めに抑えている」と公表していること。令和8年度に県内で税率を統一したと仮定した試算を市が並べ、その差は基金(過去からの貯金)で穴埋めしていると説明しています。遅くとも令和12年度までの完全統一に向けて、基金による引き下げは使えなくなり、国保税の引き上げが必要になるとも書かれています。値上げの見通しを市のページがここまではっきり示すのは珍しいことです。

1. 加西市の国民健康保険の概要

加西市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。

加西市の保険税は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。

加西市は「保険税」ではなく「保険税」方式で、4区分すべてが3方式(所得割+均等割+平等割)です。
納める人は世帯主です。市は「家族の中に国保の加入者がいれば、世帯主本人が国保の被保険者であるなしに関わらず、世帯主に保険税を納めていただく」とし、世帯主本人が被保険者でない場合の世帯主を「擬制世帯主(擬主)」と呼んでいます。会社の健康保険に入っている世帯主のところへ、家族分の国保税の通知が届くのはこのためです。
届出は14日以内。市は「加入の届け出が遅れると保険税をさかのぼって納めなければなりません(最高3年間)」としています。
窓口は資格の届出・給付・軽減の申請が「国保医療課」(市役所1階6番窓口)、税額の計算や納付の相談が「税務課」です。どちらも加西市役所(北条町横尾1000番地)にあります。

国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。

2. 保険税の計算方法|令和8年度の料率

令和8年度 加西市国民健康保険税 料率
区分所得割率均等割(1人年額)平等割(1世帯年額)賦課限度額
医療分7.00%27,000円18,500円670,000円
後期高齢者支援金分2.80%9,000円8,000円260,000円
介護分(40〜64歳)2.70%10,000円7,000円170,000円
子ども・子育て支援金分0.29%1,400円
(市の表は均等割1,300円+「18歳以上均等割」100円で、18歳以上は1,400円。18歳に達する日以後の最初の3月31日までは、この均等割も含めて全額減免)
900円30,000円
  • 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
  • 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
  • 市の表は均等割1,300円+「18歳以上均等割」100円で、18歳以上は1,400円。18歳に達する日以後の最初の3月31日までは、この均等割も含めて全額減免。申請は不要です。
  • 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。

所得割の合計は12.79%(医療分7.00%+後期高齢者支援金分2.80%+介護分2.70%+子ども・子育て支援金分0.29%/40〜64歳)。介護分のかからない40歳未満・65歳以上は10.09%です。当サイトで確認した同じ兵庫県の三木市(13.50%)や小野市(13.04%)より低い水準です。

均等割の合計は1人47,400円(医療27,000+支援金9,000+介護10,000+子ども1,400/40〜64歳の18歳以上)。介護分のかからない18歳以上は37,400円です。18歳年度末までの子どもはこの均等割が全額減免されるので、0円です。当サイトで確認した三木市は同じ条件で60,400円(加西市より約1.3万円高い)、小野市は54,200円(約6,800円高い)です。

平等割の合計は1世帯34,400円(医療18,500+支援金8,000+介護7,000+子ども900)。介護分のかからない世帯は27,400円。4区分すべてに平等割があります。

賦課限度額は医療67万円・後期支援26万円・介護17万円・子ども3万円で、合計113万円です。

所得割の計算ベースは「前年の総所得金額等-基礎控除43万円」。市は「各種所得控除(扶養、配偶者、社会保険税控除等)はありません」と明記しています。給与所得の人は「給与収入-給与所得控除」で所得に直したあと、43万円を引くだけです。専従者控除のある事業主は控除後の所得が、分離課税の長期・短期の譲渡所得は特別控除後の金額が、それぞれ計算のもとになります。

端数は100円未満切り捨てです。市の計算例では、4つの区分ごとに「100円未満切り捨て」をしてから合計しています。

県内統一の試算|加西市の税率は「統一後より低い」と市が公表

市のページ「兵庫県内の国民健康保険税率の統一と加西市の取り組みについて」(令和8年7月1日更新)には、令和8年度に県内で保険税率を統一した場合の試算が載っています。兵庫県は「どこに住んでいても同じ所得・同じ世帯構成なら同じ保険税率」を目指して、遅くとも令和12年度までの完全統一を目標に話し合いを進めている、というのが市の説明です。

加西市の令和8年度税率と、県内統一した場合の試算(市の公表値)
区分項目加西市 令和8年度県内統一の試算差(試算-現行)
医療分所得割7.00%7.57%+0.57pt
均等割27,000円32,917円+5,917円
平等割18,500円21,167円+2,667円
後期支援分所得割2.80%3.11%+0.31pt
均等割9,000円13,471円+4,471円
平等割8,000円8,663円+663円
子ども・子育て支援金分所得割0.29%0.30%+0.01pt
均等割1,400円1,341円△59円
平等割900円826円△74円
介護分(40〜64歳)所得割2.70%2.75%+0.05pt
均等割10,000円14,031円+4,031円
平等割7,000円6,987円△13円

市は「この試算は、兵庫県の試算データをもとに計算したひとつの目安」と断ったうえで、「加西市の国保税率は、県内で統一した場合の保険税率と比べてかなり低い水準に抑えられている」としています。この税率を維持できているのは不足分を国保の「基金(過去からの貯金)」で穴埋めしているからで、統一後は基金による引き下げができなくなるため、国保税を引き上げる必要がある、というのが市の見方です。引き上げ幅は「医療費の動向や事業の財政状況等を見極めながら慎重に検討」とされ、具体的な数字は示されていません。

特に差が大きいのは均等割です。医療分で5,917円、後期支援分で4,471円、介護分で4,031円。人数が増えるほど効いてくる部分で、一方で所得割の差は医療分0.57ポイントとそれほど大きくありません。

市の試算を使った、当サイトの概算

市の計算例(1)の世帯(世帯主42歳・給与所得356万円、妻37歳・給与所得48万円、子16歳)は、現行の税率で年524,500円です。この世帯に上の「県内統一の試算」の税率をそのまま当てはめると、当サイトの概算で次のようになります(100円未満切り捨て)。

  • 子どもの均等割の減免が今のまま続くと仮定:医療分327,700円+後期支援分134,500円+介護分107,000円+子ども分13,000円=約58.2万円(現行より約5.8万円増)
  • 子どもの均等割の減免がなくなると仮定(16歳の子に医療分32,917円・後期支援分13,471円・子ども分1,341円がかかる):約63.0万円(現行より約10.5万円増)

あくまで市の試算イメージを機械的に当てはめた当サイトの概算で、実際の令和9年度以降の税率ではありません。ただ、市自身が「現在加西市が独自に実施している減免制度についても、県全体の基準に合わせた見直しが必要となる見込み」と書いており、子どもの均等割全額減免がそのまま続くかどうかは、統一の議論の中で決まっていくことになります。

【計算例1】市の計算例(1)|世帯主42歳・妻37歳・子16歳/給与所得の世帯

これは加西市が公式ページ「国民健康保険税の計算例(1)給与所得の場合」で公開している計算例です。前年の給与所得は、世帯主が356万円(収入500万円)、妻が48万円(収入113万円)、子(16歳)は0円。基準総所得金額は、世帯主が356万円-43万円=313万円、妻が48万円-43万円=5万円です。世帯主だけが40〜64歳(42歳)なので、介護分は世帯主1人分です。

  • 医療分: 所得割 222,600円(世帯主219,100円+妻3,500円) + 均等割 54,000円(27,000円×2人) + 平等割 18,500円 ⇒ 295,100円
  • 後期支援分: 所得割 89,040円(世帯主87,640円+妻1,400円) + 均等割 18,000円(9,000円×2人) + 平等割 8,000円 ⇒ 115,000円(100円未満切り捨て)
  • 介護分(世帯主1人): 所得割 84,510円 + 均等割 10,000円 + 平等割 7,000円 ⇒ 101,500円(100円未満切り捨て)
  • 子ども・子育て支援金分: 所得割 9,222円(世帯主9,077円+妻145円) + 均等割 2,800円(1,400円×2人) + 平等割 900円 ⇒ 12,900円(100円未満切り捨て)

合計: 年間 524,500円(月あたり約43,700円)

ここがポイントです。この世帯は3人家族なのに、均等割は「2人分」で計算されています。16歳の子の均等割が、医療分・後期支援分・子ども分のすべてで全額減免されているためです。市の計算例そのものが、独自減免の効き目を示しています。

市は同じページ群で、公的年金所得の世帯(計算例3:年342,000円)と、事業所得の世帯(計算例2)、28歳の子が非自発的失業した世帯(計算例4:年589,600円)も公開しています。計算例4では、子の給与所得197.8万円を「1,978,000円×30/100−430,000円」と計算しています。自分に近い世帯の例を探して、市の数字と照らし合わせてみてください。

【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)

基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円

  • 医療分: 所得割 111,300円 + 均等割 27,000円 + 平等割 18,500円 ⇒ 156,800円
  • 後期支援分: 所得割 44,520円 + 均等割 9,000円 + 平等割 8,000円 ⇒ 61,520円
  • 介護分: 所得割 42,930円 + 均等割 10,000円 + 平等割 7,000円 ⇒ 59,930円
  • 子ども分: 所得割 4,611円 + 均等割 1,400円 + 平等割 900円 ⇒ 6,911円

合計: 年間 約285,161円(月あたり約23,800円)

単身世帯でも平等割が合計で年34,400円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。

【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円

ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。

軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)

  • 医療分 208,600円 / 後期支援分 82,240円 / 介護分 79,910円 / 子ども分 9,057円 ⇒ 合計 約379,807円

非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)

  • 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
  • 医療分 64,260円 / 後期支援分 24,744円 / 介護分 24,346円 / 子ども分 2,994円 ⇒ 合計 約116,344円

差額は年間およそ26万3千円。届出書1枚でこれだけ違います。加西市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。

(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は加西市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。

3. 賦課限度額(保険税の上限)

  • 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
  • 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)

所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。

4. 加西市の軽減・減免制度

制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。

4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用

令和8年度 軽減判定の所得基準
軽減率世帯の総所得金額等が以下の額以下
7割軽減43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
5割軽減43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
2割軽減43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)

軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険税が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。

4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用

未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。

4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用

令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、市の表は均等割1,300円+「18歳以上均等割」100円で、18歳以上は1,400円。18歳に達する日以後の最初の3月31日までは、この均等割も含めて全額減免。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。

4-4. 非自発的失業者の保険税軽減|要申請

倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。

  • 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
  • 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
  • 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
  • 届出先: 加西市 国保医療課(市役所1階6番窓口/0790-42-8721)
  • 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です

加西市の案内では、対象は離職時に65歳未満で、平成21年3月31日以降に退職し、雇用保険の特定受給資格者(倒産・解雇など)または特定理由離職者(雇止めなど)に当たる方です。「雇用保険受給資格者証」の離職理由コードが11・12・21・22・23・31・32・33・34のいずれかである場合です。
軽減の中身は「前年中の給与所得を30/100とみなして所得割額を計算」。市の例は「給与所得300万円(軽減前)→90万円として算定」です。30%にするのは非自発的失業した本人の給与所得だけで、事業・不動産・年金など給与以外の所得や、世帯内のほかの加入者の所得は通常どおりです。
期間は「離職日の翌日の属する月から、その月の属する年度の翌年度末まで」で、失業給付を受ける期間とは別です。国保に加入している間は途中で就職しても引き続き対象で、職場の健康保険に入るなど国保を脱退すると終了します。「雇用保険の支給終了者も、期間内であれば申請できる」点は、見落としやすい部分です。
申請は「雇用保険受給資格者証」と印かんを持って、国保医療課(市役所1階6番)へ。計算例4で見たとおり、世帯の中の子(成人)が失業した場合も、その子の給与所得だけが30%になります。

書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。

4-5. 産前産後期間の保険税軽減|要届出

出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。

4-6. 加西市の減免制度|要申請

加西市の国保税の減免のうち、市のページで確認できる要件を整理します。市は県内統一の説明ページで、市の独自減免として3つ(18歳未満の均等割全額免除/災害による住居・財産の損害への減免/廃業・倒産等による収入の著しい減少への減免)を挙げています。このうち後ろ2つについて、減免割合や所得基準を数字で示した専用ページは、確認できませんでした。

加西市 国民健康保険税の減免
種類主な要件減免内容・手続き
18歳年度末までの子どもの均等割の全額減免
(申請不要)
被保険者のうち0歳から18歳に達する日以後最初の3月31日までの間にある人均等割が全額減免。医療分・後期支援分・子ども分のすべてが対象。市の独自減免。統一後に県の基準に合わせた見直しが必要となる見込みと市は説明
災害による減免
(要申請/税務課)
天災などの災害により、住居や財産に著しい損害を受けた市の独自減免として公表。減免割合・基準額は確認できる専用ページなし。税務課(0790-42-8712)に相談
廃業・倒産等による減免
(要申請/税務課)
廃業や倒産等により収入が著しく減少した市の独自減免として公表。減免割合・基準額は確認できる専用ページなし。税務課に相談
一部負担金の減免・徴収猶予
(要申請/国保医療課)
①震災・風水害・火災などで身体や資産に重大な損害を受けた/②干ばつ・冷害・凍霜害等による農作物の不作などで収入が著しく減少した/③事業・業務の休廃止や失業等で収入が著しく減少した病院の窓口で払う自己負担分(一部負担金)の減免・徴収猶予。「適用には、収入等の基準が設定されている」ので詳細は国保医療課へ
後期高齢者医療制度への移行に伴う軽減
(特定世帯・旧被扶養者)
①国保から後期高齢者医療に移った人がいて、国保の加入者が1人だけになった世帯(特定世帯)/②被用者保険の扶養から外れて国保に入った65歳以上の人(旧被扶養者)①医療分・後期支援分の平等割を移行月から5年間は2分の1、その後3年間は4分の1減額/②均等割は半額、旧被扶養者のみの世帯は平等割も半額(加入から2年間。7割・5割軽減世帯は除く)

見落としやすい点が2つあります。1つ目は、一部負担金の減免の要件に「干ばつ、冷害、凍霜害等による農作物の不作その他これらに類する理由により収入が著しく減少したとき」があること。農業の盛んな北播磨の市らしい項目で、収入の変動が大きい農家世帯には実際に関わります。
2つ目は、国保税そのものの減免(災害・廃業・倒産等)は、市のページに減免割合や所得基準が出ていないこと。隣の三木市が「前年の合計所得が一定額以下なら所得割の7割・5割・2割を減額」と数字で公開しているのと対照的です。基準が公開されていない分、支払いが難しくなりそうな時点で、早めに税務課へ電話して相談するのが確実です。
低所得世帯の7割・5割・2割軽減は、所得の申告が前提です。市は「世帯主・被保険者の誰か1人でも申告が無い場合は、所得が基準以下で軽減に該当する世帯であっても軽減できません」としています。収入がない家族がいても、申告を忘れないでください。

保険税が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。

4-7. 払えないときは滞納する前に相談

滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。

5. 納付方法

  • 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
  • スマホ決済(請求書払い)
  • コンビニ納付
  • 納付書による金融機関窓口払い
  • 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)

納期の始まりは7月です。市の年金天引き(特別徴収)の案内では、新たに特別徴収になる年度の普通徴収が「1期(7月)・2期(8月)・3期(9月)」で各年税額の9分の1、下半期の特別徴収が「10月・12月・2月」で各年税額の9分の2と示されています。年税額を9回で払う形で、納期の全日程は届く納税通知書で確認してください。
年金天引き(特別徴収)の対象は、65〜74歳の世帯主で、世帯内の国保加入者全員が65歳以上、かつ特別徴収の対象となる年金が18万円以上で、国保税と介護保険料の合計が年金額の2分の1を超えない人です。対象の年金は老齢年金・退職年金・障害年金・遺族年金。世帯全員分の保険税が世帯主の年金から引かれます。希望すれば口座振替に切り替えられますが、長期間の滞納があると、口座振替でも特別徴収になる場合があります。
年度途中の加入・脱退は「年税額×加入月数÷12」の月割りです。

6. 加入・脱退の手続き

6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)

状況別 加入時の必要書類
事由必要書類
会社を退職した健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
他市区町村から転入本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可)
子どもが生まれた本人確認書類、母子健康手帳
生活保護が廃止された保護廃止(停止)通知書、本人確認書類

6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)

状況別 脱退時の必要書類
事由必要書類
就職して社保に加入した新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類
他市区町村へ転出本人確認書類(転出届と同時に手続き可)
生活保護の受給開始保護決定通知書、本人確認書類
死亡本人確認書類、死亡を確認できる書類

脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。

7. 加西市の国保窓口一覧

加西市の国保は、加入・脱退・給付・軽減の申請を「国保医療課」、税額の計算・納付・減免の相談を「税務課」が担当しています。どちらも加西市役所(北条町横尾1000番地)の本庁舎にあります。

加西市 国保の窓口
窓口連絡先主な業務
国保医療課
(市役所1階6番窓口)
〒675-2395 加西市北条町横尾1000番地
0790-42-8721
FAX 0790-42-1792
加入・脱退・変更の届出(14日以内)、資格確認書の再発行、高額療養費・出産育児一時金などの給付、非自発的失業者の軽減申請、産前産後の免除の届出、一部負担金の減免、人間ドック助成
税務課
〒675-2395 加西市北条町横尾1000番地
0790-42-8712
FAX 0790-42-5700
国保税の税額計算・納税通知書、納付方法の変更・相談、国保税の減免の相談(市の計算例ページの問合せ先)

開庁時間は月曜日から金曜日の午前8時30分〜午後5時15分(土日祝・12月29日〜1月3日は休み)。市は「郵送で行える手続きのご案内」のページも用意しているので、窓口に行く前に確認してください。

届出が遅れた場合は、最高3年間さかのぼって納付することになります。退職後の手続きは14日以内に。

産前産後の免除は、出産予定日の6か月前から届出ができます。出産後の届出も可能です。持ち物は母子健康手帳など出産予定日が確認できるもの。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産・人工妊娠中絶を含む)が対象で、所得割額と均等割額の、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月まで4か月分が減額されます(多胎妊娠は3か月前から6か月分)。

人間ドックと加西病院レディース検診の助成があります。対象は保険税を滞納していない世帯の国保加入者で、助成は利用料金の7割。限度額は人間ドック(日帰り)28,000円、同(1泊2日)46,000円、脳ドック35,000円で、1年度(4月〜翌3月)につき1回です。市立加西病院で受ける場合は、受診日の前日までに国保医療課で「助成券」の手続きをします(即日交付)。ほかの医療機関で受けた場合は、領収書・資格確認書・振込先・受診結果を持って窓口へ。結果は特定健診・特定保健指導のデータに使うため、提出が必要です。

40歳以上の女性は、2年に1回、加西病院レディース検診の費用助成があります(令和2年度から、人間ドックの助成を受けていても使えるようになりました)。ただし国保税や後期高齢者医療保険料を滞納していると対象外です。

国保運営協議会の資料・議事録は市のサイトで公開されています。令和8年度の第1回は令和8年8月28日開催で、令和7年度決算状況の資料もあります。税率や基金の動きを自分で確かめたい方は、のぞいてみてください。

8. よくある質問(加西市の国保)

Q1. 子どもの均等割が全額免除されているのは本当ですか? 申請は必要ですか?
A. 本当です。申請は不要です。市は「子どもの被保険者(0歳から18歳に達する日以後最初の3月31日までの間にある者)については、均等割が全額減免されます」としています。
医療分・後期支援分・子ども・子育て支援金分のすべてが対象です。市の計算例(1)でも、3人家族のうち16歳の子の均等割は数えず、均等割は「2人分」で計算されています。
ただし、平等割(世帯にかかる定額部分)は減りません。また、18歳年度末を過ぎた子(たとえば大学生)には均等割がかかります。
この減免は市の独自制度で、県内の税率統一にあわせて「県全体の基準に合わせた見直しが必要となる見込み」と市は書いています。今後の方向性は、決まり次第お知らせするとのことです。

Q2. 加西市の国保税は、将来上がりますか?
A. 市は「引き上げが必要」という見方を示しています。市のページ(令和8年7月1日更新)には、現行の税率は県内統一した場合の試算より「かなり低い水準に抑えられている」、それは基金で不足分を穴埋めしているから、「保険税率の統一後は、基金の利用による保険税率の引き下げが出来なくなることから、国保税を引き上げる必要がある」とあります。
統一の時期は遅くとも令和12年度まで。引き上げ幅や時期は「医療費の動向や事業の財政状況等をしっかりと見極めながら、慎重に検討を進める」とされ、数字は出ていません。当サイトの概算(上の「県内統一の試算」の節)では、市の計算例(1)の世帯で年5万〜10万円ほどの増加になります。ただし、これは機械的な当てはめです。

Q3. 世帯主が会社の健康保険に入っているのに、国保税の通知が届きました。
A. 家族に国保の加入者がいると、世帯主に通知が届く仕組みだからです。市は「家族の中に国保の加入者がいれば、世帯主本人が国保の被保険者であるなしに関わらず、世帯主に保険税を納めていただく」としています。世帯主が国保に入っていない場合の世帯主を「擬制世帯主(擬主)」といいます。
市の計算例(3)では、国保加入者は祖父母の2人で、40歳の擬制世帯主(給与所得356万円)の所得は計算に入れていません。所得割は加入者本人の所得で計算されるためです。

Q4. 国民健康保険税は、年金から天引きされるのですか?
A. 一定の条件を満たす65〜74歳の世帯主の場合は、天引き(特別徴収)になります。条件は、世帯内の国保加入者全員が65歳以上で、対象の年金が年18万円以上、国保税と介護保険料の合計が年金額の2分の1以内であること。世帯全員分の保険税が世帯主の年金から引かれます。
口座振替を希望すれば切り替えられます。ただし長期の滞納があると、口座振替でも特別徴収になることがあります。

Q5. 人間ドックの助成は誰でも受けられますか?
A. 国保の加入者で、保険税を滞納していない世帯の人が対象です。助成は利用料金の7割で、限度額は日帰り28,000円・1泊2日46,000円・脳ドック35,000円。
1年度につき1回です。受診日が別の年度なら、同じ年度内に2回申請しても問題ありません(市のQ&Aの例:昨年度の受診分を4月に申請し、今年度の受診分を10月に申請)。同じ年度内に2回受診しても、助成されるのは1回だけです。

Q6. 国保税は子どもの年齢で変わりますか? 未就学児の軽減はありますか?
A. 加西市では、18歳年度末までは均等割がかかりません。したがって、国の制度である未就学児の均等割5割軽減は、市の全額減免が先に効いていて、実質的に出番はありません。
18歳年度末を過ぎると、均等割が通常どおりかかります。たとえば医療分27,000円・後期支援分9,000円・子ども分1,400円で、合計37,400円です。大学や専門学校に進んだ子を国保に入れる場合は、この分を見込んでおいてください。

Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、18歳年度末までの子どもの均等割の全額減免
(申請不要)・災害による減免
(要申請/税務課)・廃業・倒産等による減免
(要申請/税務課)・一部負担金の減免・徴収猶予
(要申請/国保医療課)・後期高齢者医療制度への移行に伴う軽減
(特定世帯・旧被扶養者)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。

Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に加西市 国保医療課(0790-42-8721)/税務課(0790-42-8712)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険税もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。

9. まとめ|加西市の国保で押さえるべきポイント

  • 加西市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分7.00%・後期支援分2.80%・介護分2.70%・子ども分0.29%
  • 均等割は医療分27,000円・後期支援9,000円・介護10,000円・子ども1,400円、平等割は合計で年34,400円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
  • 18歳年度末までの子どもは均等割が全額減免(医療分・後期支援分・子ども分のすべて/申請不要)。市の独自減免で、平等割は減らない
  • 令和8年度の所得割は合計12.79%(医療7.00%・後期支援2.80%・介護2.70%・子ども0.29%)。三木市(13.50%)、小野市(13.04%)より低い
  • 市自身が「県内統一した場合の試算より、かなり低い水準」と公表。差は基金で穴埋めしており、令和12年度までの完全統一に向けて引き上げが必要と説明
  • 統一後は独自減免(子どもの均等割全額免除など)も県の基準に合わせて見直される見込み
  • 人間ドックは利用料金の7割を助成(日帰り上限28,000円)。滞納世帯は対象外。40歳以上の女性は2年に1回、加西病院レディース検診も助成
  • 届出が遅れると最高3年さかのぼって納付。窓口は国保医療課(資格・給付・軽減申請)と税務課(税額・減免の相談)に分かれている
  • 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年26万3千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
  • 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
  • 窓口は加西市 国保医療課(0790-42-8721)/税務課(0790-42-8712)

出典・参考:
・加西市公式:国民健康保険税の概要(令和8年度の税額・軽減)
・加西市公式:兵庫県内の国民健康保険税率の統一と加西市の取り組みについて
・加西市公式:国民健康保険税の計算例(1)給与所得の場合
・加西市公式:国民健康保険税の計算例(3)公的年金所得の場合
・加西市公式:国民健康保険税の計算例(4)子が非自発的失業された場合
・加西市公式:非自発的失業者に対する国民健康保険税の軽減制度
・加西市公式:国民健康保険税の公的年金等からの特別徴収
・加西市公式:産前産後期間相当分の国民健康保険税の免除
・加西市公式:国民健康保険一部負担金の減免及び徴収猶予制度
・加西市公式:国民健康保険の届出(加入・脱退等)
・加西市公式:人間ドックと加西病院レディース検診費用の助成
・加西市公式:国民健康保険事業の運営に関する協議会

※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は加西市公式サイトでご確認ください。

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