奈良県 天理市の国民健康保険|保険料・減免・申請窓口まとめ

天理市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド

天理市は人口約6.2万人、奈良県の北部にあり、天理教の本部が置かれた日本で唯一の宗教名を冠する市です。石上神宮の国宝「七支刀」や、山辺の道沿いに連なる黒塚古墳・西殿塚古墳など、古代史の宝庫でもあります。
この記事でまず伝えたいのは、天理市の国民健康保険料が「奈良県全体で統一された料率」で決まるということです。市はこう説明しています——「被保険者の負担の公平化を図るため、『同じ所得、同じ世帯構成であれば県内のどこに住んでも保険料水準が同じ』となる県内保険料水準の統一化が令和6年度より完成しました」。
「完成しました」——市が自ら使っているこの言葉が、奈良県の到達点を表しています。当サイトで令和8年度の料率を確認した奈良市・橿原市・生駒市・大和郡山市・葛城市・宇陀市・香芝市・天理市の8市は、すべて同じ数字でした。
料率は全国的にはやや高めです。所得割の合計は14.25%で、当サイトで調べた252市の中央値13.01%を1.2ポイント上回ります。給与収入400万円の45歳単身世帯なら年約41.8万円。
一方で天理市ならではの実務情報も豊富です。普通徴収は年9回で納期限は各月の末日、ただし12月だけは28日。令和8年度の簡易計算表(Excel 644.7KB)で自分の保険料を試算できます。
そして滞納したときの措置に、新しい記述があります。市は「納期限から1年以上保険料を滞納している世帯には、マイナンバーカードの保険証利用停止、資格確認書の返還を求め、特別療養費の支給(償還払い)申請の対象となります」としています。マイナ保険証の利用停止にまで言及している自治体は、まだ多くありません。
この記事では、令和8年度の最新料率にもとづく天理市の国保料の計算方法、奈良県統一の中身、軽減・減免、納期と口座振替、給付の内容までまとめました。

1. 天理市の国民健康保険の概要

天理市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。

天理市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。

天理市の国保は「保険税」ではなく「保険料」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。資産割はありません。
平等割があるのは医療分と後期高齢者支援分だけです。医療分20,000円+後期高齢者支援分8,400円=1世帯あたり年28,400円。市は「介護分の標準的な保険料の賦課方式は、所得割と均等割の2方式となります」「子ども・子育て支援金分の標準的な保険料の賦課方式は、所得割と均等割の2方式となります」と、その理由まで説明しています。
令和8年度の合計は所得割14.25%・均等割57,900円・平等割28,400円・賦課限度額112万円(40〜64歳・18歳以上)。
最大の特徴は、料率が奈良県全体で統一されていることです。市は「奈良県では、平成30年度から、県が市町村とともに国保の運営を担い、県が財政運営の責任主体となって安定的な財政運営や効率的な事業の確保について中心的な役割を担うことになりました」としたうえで、「県内保険料水準の統一化が令和6年度より完成しました」と明記しています。
当サイトで令和8年度の料率を確認した奈良市・橿原市・生駒市・大和郡山市・葛城市・宇陀市・香芝市・天理市の8市は、所得割14.25%・均等割57,900円・平等割28,400円・限度額112万円がすべて一致しました。県内で引っ越しても保険料は変わりません。
所得割14.25%は、252市の中央値13.01%を1.2ポイント上回ります。とくに介護分の所得割3.03%が高く、252市中12番目の水準です。40歳になったときの負担増が大きい設計になっています。
賦課限度額は合計112万円。全国の多くの自治体が医療分の限度額を67万円に引き上げた令和8年度に、奈良県統一は66万円に据え置いています——限度額に達している高所得世帯は年1万円分だけ有利です。
納付義務者は世帯主です。市は「世帯主が国保の被保険者でない場合でも、保険料を納める義務は世帯主(擬制世帯主といいます)にあります。その場合、保険料には世帯主の分は含まれません」としています。
普通徴収は年9回(7月〜翌年3月)で、納期限は各月の末日。ただし6期分(12月)の納期限は12月28日です。
窓口は保険医療課(0743-63-1001)です。

国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。

2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率

令和8年度 天理市国民健康保険料 料率
区分所得割率均等割(1人年額)平等割(1世帯年額)賦課限度額
医療分7.64%27,600円20,000円660,000円
後期高齢者支援金分3.27%11,500円8,400円260,000円
介護分(40〜64歳)3.03%16,900円―170,000円
子ども・子育て支援金分0.31%1,900円
(均等割1,700円に「18歳以上均等割額」200円が加わり、18歳以上は計1,900円。市は「世帯の18歳以上の被保険者全員に加算されます」「均等割額及び18歳以上均等割額については、18歳未満の方は10割軽減されます」としています)
―30,000円
  • 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
  • 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
  • 均等割1,700円に「18歳以上均等割額」200円が加わり、18歳以上は計1,900円。市は「世帯の18歳以上の被保険者全員に加算されます」「均等割額及び18歳以上均等割額については、18歳未満の方は10割軽減されます」としています。申請は不要です。
  • 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。

料率は奈良県内で統一されています(令和6年度に完成)。当サイトで確認した奈良市・橿原市・生駒市・大和郡山市・葛城市・宇陀市・香芝市・天理市の8市すべてが同じ数字で、県内で引っ越しても保険料は変わりません。

所得割の合計は14.25%(医療7.64+後期高齢者支援3.27+介護3.03+子ども0.31/40〜64歳)。252市の中央値13.01%を1.2ポイント上回ります。40歳未満なら11.22%。

介護分の所得割3.03%は252市中12番目に高い水準です。均等割16,900円も高めで、40歳になったときの負担増が大きい設計になっています。

均等割の合計は1人57,900円(医療27,600+後期11,500+介護16,900+子ども1,900/18歳以上・40〜64歳)。18〜39歳なら41,000円、18歳未満なら39,100円(介護分と子ども分の均等割がかからない)。

平等割は医療分20,000円+後期高齢者支援分8,400円=1世帯28,400円。市は介護分と子ども・子育て支援金分について「標準的な保険料の賦課方式は、所得割と均等割の2方式となります」と、平等割がない理由を説明しています。

賦課限度額は医療分66万円・後期高齢者支援分26万円・介護分17万円・子ども分3万円で、合計112万円。令和8年度に多くの自治体が医療分を67万円にした中、奈良県統一は66万円据え置き——限度額到達世帯は年1万円分だけ有利です。

市は「令和8年度天理市国民健康保険料簡易計算表」(Excel 644.7KB)を公開しています。「以下の計算書より保険料の試算が可能となります」——自分の世帯構成と所得を入れて試算できます。

令和8年度の保険料率(天理市=奈良県統一)

天理市 令和8年度の国保料率(奈良県内共通)
区分医療分後期高齢者支援分介護分
(40〜64歳)
子ども・子育て
支援金分
所得割額7.64%3.27%3.03%0.31%
均等割額27,600円11,500円16,900円1,700円
18歳以上均等割額―――200円
平等割額20,000円8,400円――
賦課限度額660,000円260,000円170,000円30,000円

合計すると、所得割14.25%・均等割57,900円・平等割28,400円・限度額112万円(40〜64歳・18歳以上)。
市は各区分の計算式も示しています。
医療分=(前年の所得-基礎控除額43万円)×7.64/100+被保険者数×27,600円+加入世帯数×20,000円。「合計額が66万円を超えた場合は66万円になります」。
後期高齢者支援分=(前年の所得-43万円)×3.27/100+被保険者数×11,500円+加入世帯数×8,400円。上限26万円。
介護分=(前年の所得-43万円)×3.03/100+40〜64歳の被保険者数×16,900円。上限17万円。
子ども・子育て支援金分=(前年の所得-43万円)×0.31/100+被保険者数×1,700円+18歳以上の被保険者数×200円。上限3万円。市は「均等割額及び18歳以上均等割額については、18歳未満の方は10割軽減されます」としています。
賦課限度額は区分ごとに判定されます。合計112万円に達していなくても、医療分だけが先に上限に到達することがあります。

奈良県は令和6年度に「統一化が完成」——確認8市がすべて同一

国民健康保険は平成30年度から都道府県が財政運営の主体になりましたが、保険料率は市町村がそれぞれ決める状態が全国では続いています。同じ県内でも市によって金額が違うのが普通です。
奈良県はこの差をなくしました。天理市の説明を引きます——「被保険者の負担の公平化を図るため、『同じ所得、同じ世帯構成であれば県内のどこに住んでも保険料水準が同じ』となる県内保険料水準の統一化が令和6年度より完成しましたので、下記の内容で保険料率等を改定します」。
「完成しました」という言い切りが、奈良県の到達点を表しています。当サイトで令和8年度の料率を確認した8市の数字を並べます。

奈良県内8市の国保料率(令和8年度)
自治体所得割(合計)均等割(1人)平等割(1世帯)限度額
奈良市14.25%57,900円28,400円112万円
橿原市14.25%57,900円28,400円112万円
生駒市14.25%57,900円28,400円112万円
大和郡山市14.25%57,900円28,400円112万円
葛城市14.25%57,900円28,400円112万円
宇陀市14.25%57,900円28,400円112万円
香芝市14.25%57,900円28,400円112万円
天理市14.25%57,900円28,400円112万円

8市すべてが完全に同じです。これが「統一」の意味です。
住民にとっての利点は明快です。県内で引っ越しても保険料が変わりません。天理市から奈良市へ、香芝市から橿原市へ——所得と世帯構成が同じなら、金額は1円も動きません。
国が目指しているのも、この形です。厚生労働省は「保険料水準統一加速化プラン」で令和17年度までに全都道府県で完全統一する方針を示していますが、奈良県はすでに10年近く先行しています(大阪府も令和6年度に完全統一済みです)。
ただし、統一には代償もあります。大阪府では完全統一に伴い、泉大津市などの市独自の「多子減免」「政令軽減減免」が令和5年度で終了しました。統一後は市が独自に上乗せすることができないためです。
天理市のページにも、市独自の減免制度は掲載されていません。載っているのは低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の均等割1/2軽減、産前産後期間の免除、非自発的失業者に対する軽減——いずれも全国共通の制度です。

「40歳の壁」が大きい——介護分の負担を計算する

奈良県統一料率で目立つのが介護分です。所得割3.03%は当サイトで調べた252市中12番目、均等割16,900円も高めです。

39歳と40歳で保険料はどれだけ変わるか(給与収入400万円・単身・令和8年度)
項目39歳40歳差
所得割率(合計)11.22%14.25%+3.03pt
所得割額(所得233万円)261,426円332,025円+70,599円
均等割41,000円57,900円+16,900円
平等割28,400円28,400円±0
年間合計約33.1万円約41.8万円+87,499円

40歳になると年87,499円、月あたり約7,300円の増です。
救いは、介護分に平等割がないことです。奈良県統一では平等割を医療分と後期高齢者支援分だけに置いているため、介護分の平等割が加わりません。介護分にも平等割を置く市(伊賀市6,500円、鹿屋市5,800円など)では、段差がさらに大きくなります。
他市と比べます。介護分の所得割が1.7%と低い鹿沼市(栃木県)では、同じ条件で年53,410円の増。天理市のほうが3.4万円大きい段差です。
65歳になると介護分は国保料から外れます。ただし、かわりに介護保険料を市に直接納めることになるので、総額では減らないことが多い点にご注意ください。

【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円

所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円

  • 医療分: 所得割 196,348円 + 均等割 96,600円 + 平等割 20,000円 ⇒ 312,948円
  • 後期支援分: 所得割 84,039円 + 均等割 40,250円 + 平等割 8,400円 ⇒ 132,689円
  • 介護分: 所得割 77,871円 + 均等割 33,800円 ⇒ 111,671円
  • 子ども分: 所得割 7,967円 + 均等割 3,800円 ⇒ 11,767円

合計: 年間 約569,075円(月あたり約47,400円)

この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。

【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)

基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円

  • 医療分: 所得割 121,476円 + 均等割 27,600円 + 平等割 20,000円 ⇒ 169,076円
  • 後期支援分: 所得割 51,993円 + 均等割 11,500円 + 平等割 8,400円 ⇒ 71,893円
  • 介護分: 所得割 48,177円 + 均等割 16,900円 ⇒ 65,077円
  • 子ども分: 所得割 4,929円 + 均等割 1,900円 ⇒ 6,829円

合計: 年間 約312,875円(月あたり約26,100円)

単身世帯でも平等割が合計で年28,400円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。

【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円

ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。

軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)

  • 医療分 225,612円 / 後期支援分 96,091円 / 介護分 87,499円 / 子ども分 9,123円 ⇒ 合計 約418,325円

非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)

  • 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
  • 医療分 68,487円 / 後期支援分 28,935円 / 介護分 25,579円 / 子ども分 2,754円 ⇒ 合計 約125,755円

差額は年間およそ29万3千円。届出書1枚でこれだけ違います。天理市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。

(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は天理市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。

3. 賦課限度額(保険料の上限)

  • 医療分 660,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
  • 世帯合計の最大値: 年112万円(1,120,000円)

所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。

4. 天理市の軽減・減免制度

制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。

4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用

令和8年度 軽減判定の所得基準
軽減率世帯の総所得金額等が以下の額以下
7割軽減43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
5割軽減43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
2割軽減43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)

軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。

4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用

未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。

4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用

令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、均等割1,700円に「18歳以上均等割額」200円が加わり、18歳以上は計1,900円。市は「世帯の18歳以上の被保険者全員に加算されます」「均等割額及び18歳以上均等割額については、18歳未満の方は10割軽減されます」としています。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。

4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請

倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。

  • 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
  • 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
  • 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
  • 届出先: 天理市 保険医療課(0743-63-1001)
  • 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です

会社都合による離職など、非自発的な理由で離職された方は、前年の給与所得を100分の30として計算する軽減が使えます。市は「会社都合による離職など、非自発的な理由により離職された方は、保険料が軽減される場合があります」とし、専用ページ「非自発的失業者に対する軽減措置」を設けています。
対象は離職時65歳未満で、雇用保険の特定受給資格者(離職理由コード11・12・21・22・31・32)または特定理由離職者(同23・33・34)です。
効果を試算します。給与収入400万円(給与所得276万円)の45歳単身世帯なら、所得は276万-43万=233万円。所得割は233万×14.25%=332,025円、均等割57,900円と平等割28,400円を足して年約41.8万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。所得は39.8万円まで下がり、所得割は56,715円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割の軽減判定も行われます。単身世帯の2割軽減の基準は43万+57万×1人=100万円。82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割と平等割の合計86,300円が69,040円に。
合計は約12.6万円。差はおよそ29.2万円です。
奈良県統一料率は所得割14.25%と全国的に高めなので、この軽減の効果も大きくなります。同じ試算を長岡市(9.42%)でやると差は約19.5万円、東京23区(13.01%)で約26.8万円。料率が高い自治体ほど、届け出るかどうかで動く金額が大きいという関係です。
届出が必要です。市が自動で拾ってくれる制度ではありません。雇用保険受給資格者証(または雇用保険受給資格通知)を持って保険医療課(0743-63-1001)へ。離職票では手続きできません。
あわせて、届出が遅れたときの扱いも確認しておきましょう。市は「保険料は、国保加入の届出をした日からではなく、資格を得た月から納めます」「届け出が遅れた場合、加入した月(資格を得た月)までさかのぼって保険料を納めなければなりません」としています。
天理市の普通徴収は年9回(7月〜翌年3月)です。市は「年度の途中で加入の場合は、届け出された月の翌月から残りの納期で納付していただきます」としており、届出が遅れるほど、残り少ない納期に多い金額が集中します。
滞納したときの措置も、天理市は詳しく書いています。とくに目を引くのが1つ目です——「納期限から1年以上保険料を滞納している世帯には、マイナンバーカードの保険証利用停止、資格確認書の返還を求め、特別療養費の支給(償還払い)申請の対象となります」。
マイナ保険証の利用停止にまで言及している自治体は、当サイトで調べた中でもまだ多くありません。従来は「資格証明書の交付」と書かれていた措置が、マイナ保険証への移行後は「利用停止+資格確認書の返還」という形に変わったということです。
その先も段階的に進みます。「納期限から1年6カ月以上保険料を滞納している世帯は、国保の給付(療養費・高額療養費・葬祭費など)の一部または全部差し止めになります」、「1〜2の措置を受けてもなお納付しないときは、差し止めた給付額から滞納分にあてることとなります」、「法律に基づく滞納処分として、預貯金などの財産を差押える場合があります」。
市は「どうしても納付が困難なときは早めに保険医療課窓口へ相談しましょう」としています。0743-63-1001へ。

書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。

4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出

出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。

4-6. 天理市の減免制度|要申請

天理市の均等割・平等割の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の均等割1/2軽減、18歳未満の子ども分均等割10割軽減は申請不要です(所得の申告が前提)。非自発的失業者に対する軽減と産前産後期間の免除は申請が必要です。奈良県は令和6年度に保険料水準の統一が完成しており、市独自の上乗せ減免はありません——載っているのはいずれも全国共通の制度です。

天理市 国民健康保険料の減免
種類主な要件減免内容・手続き
均等割・平等割の軽減(7割・5割・2割)
(申請不要/要・所得申告)
世帯主および被保険者の前年中の所得が①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②①+31万円×(被保険者+特定同一世帯所属者の数)以下=5割、③①+57万円×(同)以下=2割均等割額と平等割額を軽減。単身40〜64歳なら86,300円→7割軽減で25,890円。市は「世帯主及びその他被保険者全員の所得が申告されている場合のみ、軽減判定を行います」と明記しています
18歳未満の子ども分均等割・10割軽減
(申請不要)
18歳未満の被保険者子ども・子育て支援金分の均等割額(1,700円)および18歳以上均等割額(200円)が10割軽減。市は「均等割額及び18歳以上均等割額については、18歳未満の方は10割軽減されます」としています
未就学児の均等割額の減額
(申請不要)
国民健康保険に加入している未就学児均等割額の1/2を軽減。市は「未就学児均等割額減額後の保険料額が賦課限度額を超える場合は、限度額が保険料額となります」と注記。低所得軽減との併用で7割軽減世帯なら実質8.5割軽減
非自発的失業者に対する軽減措置
(要申請)
会社都合による離職など、非自発的な理由により離職された方(離職時65歳未満、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者)前年の給与所得を100分の30として算定。軽減判定にも同じ圧縮後の所得を使うので、7割・5割・2割の軽減にも波及します。雇用保険受給資格者証を持って保険医療課へ
産前産後期間の保険料の免除
(要申請)
出産(予定)の被保険者。妊娠85日以上の分娩で、早産・死産・人工妊娠中絶を含む流産も対象出産前6週間、出産後8週間にあたる4カ月間(多胎妊娠の場合は6カ月間)の所得割と均等割が免除(令和6年1月から)。出産日又は出産予定日のわかるもの(母子手帳など)と身分証明書を持参
特定同一世帯所属者を含めた軽減判定
(申請不要)
国民健康保険から後期高齢者医療保険制度に移行し、その時点から世帯主が変わらず同一の世帯に属している方がいる世帯軽減判定の「被保険者数」に特定同一世帯所属者を含めます。75歳になって後期高齢者医療に移った家族がいても、5割・2割の判定基準が急に縮まらないように設計されています。世帯主が変わると対象外になります
特別療養費の支給(償還払い)
(要申請・2年で時効)
納期限から1年以上保険料を滞納し、「資格確認書(特別療養)」または「資格情報のお知らせ(特別療養)」が交付された方医療機関でかかった医療費の全額を支払った後、保険医療課窓口へ申請することで一部負担金を除いた額(保険給付分)が支給されます。「医療費を支払った日の翌日から2年を過ぎると申請できなくなります」

天理市の軽減は、いずれも全国共通の制度です。奈良県は令和6年度に保険料水準の統一が完成しており、市は「保険料率、減免基準等」を独自に上乗せすることができません。市のページにも市独自の減免制度は掲載されていません。
参考までに、大阪府(同じく令和6年度に完全統一)では、統一に伴って市独自の「多子減免」「政令軽減減免」が令和5年度で終了しました。統一とは「どこに住んでも同じ」ということなので、当然の帰結です。
だからこそ、使える全国共通の制度を取りこぼさないことが重要になります。
最優先は所得の申告です。市は「世帯主及びその他被保険者全員の所得が申告されている場合のみ、軽減判定を行います」と明記しています。世帯にひとりでも未申告の人がいると、世帯全体の軽減が付きません。
金額で確かめます。40〜64歳の単身世帯なら、固定部分は86,300円(均等割57,900円+平等割28,400円)。7割軽減なら25,890円(60,410円の減)、5割なら43,150円、2割なら69,040円。申告書1枚で6万円が動きます。
軽減判定に使う所得は、所得割の計算とは別ルールです。市は注釈3で4項目を挙げています。
「1月1日に65歳以上の方は、公的年金所得額から15万円を控除した額で計算します」——高齢者には15万円の上乗せ控除。
「分離譲渡所得は、特別控除前の額で計算します」——マイホームを売って3,000万円特別控除を使った年は、軽減が外れます。所得税・住民税がゼロでも関係ありません。
「青色事業専従者給与及び事業専従者控除がある場合は、必要経費に参入せず計算します」——専従者給与を引く前の金額で判定されます。
「雑損失の繰越控除がある場合は、控除後の額が軽減判定基準額になります」——この注記を書いている自治体は、当サイトで調べた中でもごく少数です。災害や盗難で雑損失を繰り越している方には有利に働きます。
「給与所得者等」の定義も明確です。注釈4で「世帯主、被保険者及び特定同一世帯所属者のうち、給与収入が55万円を超える方、65歳未満で年金収入額が60万円を超える方又は65歳以上で年金収入額が125万円を超える方」としています。
未就学児の減額は「1/2」です。市は「未就学児均等割額減額後の保険料額が賦課限度額を超える場合は、限度額が保険料額となります」という注記も添えています。限度額に達している世帯では、減額しても金額が変わらないことがあるということです。
産前産後期間の免除も同じ注記があります。「産前産後期間の保険料免除後の保険料額が賦課限度額を超える場合は、限度額が保険料額となります」。
産前産後の免除は、期間の書き方が具体的です。市は「出産前6週間、出産後8週間にあたる4カ月間(多胎妊娠の場合は6カ月間)の所得割と均等割が免除されます」としています。「出産予定月の前月から翌々月まで」という書き方をする市が多いなか、労働基準法の産前産後休業と同じ「6週間・8週間」で説明している点が特徴です。
必要なものは「出産日又は出産予定日のわかるもの(母子手帳など)、保険証など身分証明書」。
特定同一世帯所属者の扱いも押さえておきましょう。市の定義は「国民健康保険から後期高齢者医療保険制度に移行し、その時点から世帯主が変わらず同一の世帯に属している方」。
「世帯主が変わらず」という条件に注意してください。世帯主を変更すると、この扱いが終わります。75歳になった夫が後期高齢者医療に移ったのを機に世帯主を妻に変更すると、軽減判定の人数から外れ、5割・2割の基準が縮むことになります。世帯主の変更を考えている方は、先に保険医療課(0743-63-1001)に相談してください。

保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。

4-7. 払えないときは滞納する前に相談

滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。

5. 納付方法

  • 口座振替(指定金融機関・ゆうちょ銀行・市役所保険医療課窓口で申込み)
  • 納付書(年9回・7月〜翌年3月/納期限は各月の末日、12月だけ28日)
  • 特別徴収(年金天引き・年6回/4・6・8月が仮徴収、10・12・2月が本徴収)
  • 納付相談(保険医療課へ。滞納する前に)

天理市の普通徴収は年9回です。市は「1年分の保険料を7月から翌年3月まで9回に分けて納付していただきます」とし、「納期限は各月の末日です。(月末日が土・日曜日及び祝日にあたる場合は金融機関が休業日のため、その翌日が納期限になります。)なお、6期分の納期限は12月28日です」としています。
12月だけ28日——年末年始の金融機関の事情に合わせた前倒しです。「12月分だから12月31日だろう」と思い込んでいると遅れます。
口座振替も同じ日です。市は「口座による振替日は納付月の月末日となります。(月末日が土・日曜日及び祝日にあたる場合は金融機関が休業日のため、翌営業日になります。ただし、12月は28日が振替日です。)」としています。12月は残高を28日までに用意しておいてください。
特別徴収(年金天引き)は年6回——4月・6月・8月・10月・12月・2月。市の表によれば4・6・8月が仮徴収、10・12・2月が本徴収です。
前年より所得が増えた年は、10月以降の天引きが大きく跳ね上がります。4〜8月の仮徴収が少なかった分を3回で取り返す仕組みだからです。
年度途中で加入した場合は、「届け出された月の翌月から残りの納期で納付していただきます」。届出が遅れるほど、残り少ない納期に金額が集中します。
保険料は資格を得た月からです。市は「保険料は、国保加入の届出をした日からではなく、資格を得た月から納めます」「届け出が遅れた場合、加入した月(資格を得た月)までさかのぼって保険料を納めなければなりません」としています。
口座振替の申込みは3か所でできます。市は「申し込みは指定金融機関、ゆうちょ銀行、または市役所保険医療課窓口まで」としています。市役所の窓口でも申し込めるのは便利です。
社会保険料控除について、天理市は実務的な説明をしています。
「国民健康保険料の納付済額は年末調整や確定申告の際に、社会保険料控除の対象になり、その年(1月1日から12月31日まで)に納付された金額を所得合計金額から差し引くことができます」
「なお、この通知に記載された金額と保険料決定通知書の決定保険料額との金額に差異が生じることがありますのでご注意ください」——「決定した年間保険料」と「その年に実際に払った額」は一致しないのが普通です。年度と暦年がずれるためです。
「年末調整や確定申告の際、国民健康保険料領収証書等の書類を添付する必要はありません」——添付書類は不要。「口座振替をご利用の場合は、預金通帳の日付を、また納付書で納付いただいている場合は、領収証書の日付を確認のうえ、控除対象期間内の納付済額を申告してください」。
「控除対象となるのは本料のみで督促手数料や延滞金は含めることができません」——延滞金は控除に使えません。
「年間納付済額の通知につきましては、毎年1月下旬にお知らせします」——確定申告の時期に間に合うタイミングで届きます。
そして、最も実務的な一文がこれです。「国民健康保険料は世帯主の方が納付義務者となりますが、実際に納付された方が社会保険料控除として申告できます」。
納付義務者が世帯主でも、実際に払った人が控除を取れる——所得の高い家族が払えば、その家族の控除に使えます。年20万円の国保料なら3万〜6万円の節税になり得ます。
市は世帯主変更をした方への注意も添えています。「過去に世帯主変更をされた方で、その年度の国民健康保険料を納付された方は領収証書をご確認ください」——年度の途中で世帯主が変わると、納付記録が旧世帯主と新世帯主に分かれることがあるためです。
給付面も確認しておきましょう。出産育児一時金は48万8千円(産科医療補償制度に加入している医療機関なら50万円)。葬祭費は3万円——5万円としている自治体が多いなかでは低めの設定なので、金額を見込んでいた方はご注意ください。

6. 加入・脱退の手続き

6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)

状況別 加入時の必要書類
事由必要書類
会社を退職した健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
他市区町村から転入本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可)
子どもが生まれた本人確認書類、母子健康手帳
生活保護が廃止された保護廃止(停止)通知書、本人確認書類

6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)

状況別 脱退時の必要書類
事由必要書類
就職して社保に加入した新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類
他市区町村へ転出本人確認書類(転出届と同時に手続き可)
生活保護の受給開始保護決定通知書、本人確認書類
死亡本人確認書類、死亡を確認できる書類

脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。

7. 天理市の国保窓口一覧

天理市の国保は保険医療課(0743-63-1001)が担当しています。資格の届出、保険料の相談、非自発的失業者の軽減、産前産後期間の免除、療養費・特別療養費の申請——いずれもここが窓口です。口座振替の申込みは、指定金融機関・ゆうちょ銀行のほか、市役所保険医療課の窓口でもできます。料率は奈良県内で統一されているので、料率そのものについての相談は県内どの市でも同じ答えになります。「令和8年度天理市国民健康保険料簡易計算表」(Excel 644.7KB)で自分の保険料を試算できます。

天理市 国保の窓口
窓口・手続き連絡先・方法主な業務・注意点
保険医療課0743-63-1001保険料の計算・照会、加入・脱退の届出、非自発的失業者に対する軽減、産前産後期間の免除、療養費・特別療養費の申請、高額療養費、納付相談
口座振替の申込み指定金融機関/ゆうちょ銀行/市役所保険医療課窓口振替日は納付月の月末日(土日祝なら翌営業日)。ただし12月は28日が振替日です
保険料の試算市ホームページからExcelをダウンロード「令和8年度天理市国民健康保険料簡易計算表」(Excel 644.7KB)。市は「以下の計算書より保険料の試算が可能となります」としています
年間納付済額の通知毎年1月下旬に送付確定申告・年末調整の社会保険料控除に使います。領収証書等の添付は不要/督促手数料や延滞金は控除対象外
非自発的失業者に対する軽減措置0743-63-1001雇用保険受給資格者証を持参。市は専用ページを設けています

料率は奈良県内で統一されています(令和6年度に完成)。県内で引っ越しても保険料は変わりません。当サイトで確認した8市すべてが同一でした。

統一後は市独自の上乗せ減免がありません。使えるのは全国共通の制度(低所得軽減・未就学児軽減・産前産後免除・非自発的失業者軽減)だけです。

介護分の所得割3.03%は252市中12番目に高い水準。40歳になったときの増加は年87,499円(給与収入400万円の場合)と大きめです。

賦課限度額は112万円(医療分66万円据え置き)。多くの市の113万円より1万円低く、限度額到達世帯は年1万円分だけ有利です。

納期限は各月の末日。ただし12月は28日——口座振替も12月だけ28日が振替日です。

「世帯主及びその他被保険者全員の所得が申告されている場合のみ、軽減判定を行います」——収入がゼロでも申告を。

「実際に納付された方が社会保険料控除として申告できます」——納付義務者が世帯主でも、払った人が控除を取れます。

滞納が1年を超えると、マイナンバーカードの保険証利用停止と資格確認書の返還を求められます。1年6か月で給付の差し止め。

葬祭費は3万円と全国的には低め/年間納付済額の通知は毎年1月下旬/Excel簡易計算表(644.7KB)で試算できます。

8. よくある質問(天理市の国保)

Q1. 天理市の国保料は、奈良県内の他の市と違うのですか?
A. 違いません。奈良県は令和6年度に保険料水準の統一が完成しており、同じ所得・同じ世帯構成なら県内どこでも同じ金額です。
市の説明をそのまま引きます——「被保険者の負担の公平化を図るため、『同じ所得、同じ世帯構成であれば県内のどこに住んでも保険料水準が同じ』となる県内保険料水準の統一化が令和6年度より完成しましたので、下記の内容で保険料率等を改定します」。
「完成しました」という言い切りが、奈良県の到達点を表しています。
当サイトで令和8年度の料率を確認した奈良市・橿原市・生駒市・大和郡山市・葛城市・宇陀市・香芝市・天理市の8市は、所得割14.25%・均等割57,900円・平等割28,400円・限度額112万円がすべて一致しました。
住民にとっての意味を整理します。
①県内の引っ越しで保険料は変わりません。天理市から奈良市へ、香芝市から橿原市へ——金額は1円も動きません。住む場所を保険料で選ぶ必要がなくなります。
②「隣の市のほうが安い」という不公平がありません。市境をまたいだだけで年数万円違う、という状態は解消されています。
③市が独自に料率を下げることも、独自の減免を上乗せすることもできません。天理市のページにも市独自の減免制度は掲載されていません。
③には実例があります。同じく令和6年度に完全統一した大阪府では、泉大津市などの市独自の「多子減免」(18歳未満の子3人以上・世帯所得300万円以下が対象)と「政令軽減減免」が令和5年度で終了しました。統一とは「どこに住んでも同じ」ということなので、当然の帰結です。
国が目指しているのも、この形です。厚生労働省は「保険料水準統一加速化プラン」で令和17年度までに全都道府県で完全統一する方針を示しています。奈良県と大阪府はすでに到達、兵庫県は令和12年度、滋賀県・埼玉県は令和9年度を目標としています。
ただし、独自の給付までは統一されていません。保険料は同じでも、人間ドックの助成や健診の内容は市によって違います。たとえば同じ奈良県の香芝市は脳ドックを自己負担5,400円で受けられる制度を持っています。保険料は同じでも、受けられるサービスは確認する価値があります。

Q2. もうすぐ40歳です。保険料はどれくらい上がりますか?
A. 給与収入400万円の単身世帯なら、年87,499円(月あたり約7,300円)の増です。奈良県統一料率は介護分が全国的に重いため、段差が大きくなります。
40歳になると介護分が加わります。天理市(=奈良県統一)の介護分は所得割3.03%+均等割16,900円です。
介護分の所得割3.03%は、当サイトで調べた252市中12番目に高い水準です(中央値はおよそ2.3%)。均等割16,900円も高めです。
金額で確かめます。給与収入400万円(所得233万円)の単身世帯——
39歳:所得割11.22%×233万=261,426円+均等割41,000円+平等割28,400円=約33.1万円。
40歳:所得割14.25%×233万=332,025円+均等割57,900円+平等割28,400円=約41.8万円。
差は87,499円(所得割70,599円+均等割16,900円)。月あたり約7,300円です。
救いは、介護分に平等割がないことです。市は「介護分の標準的な保険料の賦課方式は、所得割と均等割の2方式となります」としており、平等割が加わりません。介護分にも平等割を置く市(伊賀市6,500円、鹿屋市5,800円、鹿沼市4,800円など)では、段差がさらに大きくなります。
他市と比べます。介護分の所得割が1.7%と低い鹿沼市(栃木県)では、同じ条件で年53,410円の増。天理市のほうが3.4万円大きい段差です。
年度途中で40歳になる場合は月割りになります。市は「2号介護保険料を納める人(40歳以上65歳未満の人)」としており、該当する月数に応じて計算されます。
夫婦とも40代なら、2人分です。均等割16,900円×2人=33,800円、所得割は世帯の所得に3.03%。子どもには介護分がかかりません(40歳未満のため)。
65歳になると介護分は国保料から外れます。ただし安くなるわけではありません。65歳からは介護保険の第1号被保険者となり、介護保険料を市に直接納めることになります(年金からの天引きが基本)。第1号の介護保険料は所得段階に応じた定額で、国保の介護分より高くなることも珍しくありません。
正確な金額を知りたい方は、市が公開している「令和8年度天理市国民健康保険料簡易計算表」(Excel 644.7KB)が便利です。世帯構成と所得を入れれば概算が出ます。

Q3. 保険料を滞納するとどうなりますか?マイナ保険証も使えなくなりますか?
A. 1年以上の滞納で、マイナンバーカードの保険証利用停止と資格確認書の返還を求められます。天理市はこれを明記しています。
市の記載をそのまま引きます——「納期限から1年以上保険料を滞納している世帯には、マイナンバーカードの保険証利用停止、資格確認書の返還を求め、特別療養費の支給(償還払い)申請の対象となります。特別療養費の支給(償還払い)とは、病院で受診された際、窓口にて10割負担していただいた後、後日療養費の申請が必要となります」。
マイナ保険証の利用停止にまで言及している自治体は、当サイトで調べた中でもまだ多くありません。従来は「資格証明書の交付」と書かれていた措置が、マイナ保険証への移行後は「利用停止+資格確認書の返還」という形に変わったということです。
措置は段階的に進みます。
①納期限から1年以上——マイナ保険証の利用停止、資格確認書の返還、特別療養費の支給(償還払い)の対象に。医療機関の窓口で10割を支払うことになります。
②納期限から1年6カ月以上——「国保の給付(療養費・高額療養費・葬祭費など)の一部または全部差し止めになります」。
③それでも納付しないとき——「差し止めた給付額から滞納分にあてることとなります」。高額療養費が滞納分に充当されるということです。
④さらに——「法律に基づく滞納処分として、預貯金などの財産を差押える場合があります」。
特別療養費の申請には時効があります。市は「医療機関等の医療費を支払った日の翌日から2年を過ぎると申請できなくなりますので、ご注意ください」としています。10割払った分を取り戻せるのは2年以内です。
特別療養費の対象者には、専用の書類が交付されます。市は「対象者には、特別療養費の支給対象者である旨が記載された『資格確認書(特別療養)』又は『資格情報のお知らせ(特別療養)』を交付します」としています。
市は相談を強く勧めています。「どうしても納付が困難なときは早めに保険医療課窓口へ相談しましょう」。0743-63-1001へ。
相談できる制度としては、非自発的失業者に対する軽減(会社都合の退職なら年約29.2万円の差)、低所得世帯の軽減(7割なら固定部分86,300円が25,890円へ)、産前産後期間の免除があります。
市は徴収強化にも取り組んでいることを明記しています。「保険医療課では納期限までに納付した皆さまとの公平性を保ち、保険料の滞納の解消を図るため、保険料の徴収強化を図っています」。放置するほど不利になります。

Q4. 国保料を払っているのは私ですが、世帯主は父です。確定申告で控除できますか?
A. できます。天理市は「国民健康保険料は世帯主の方が納付義務者となりますが、実際に納付された方が社会保険料控除として申告できます」と明記しています。
社会保険料控除は「実際にその保険料を支払った人」が受けられる仕組みです。国保料の納付義務者は世帯主ですが、実際に払ったのが別の家族なら、その家族が控除を取れます。
これは節税上かなり大きい話です。天理市(=奈良県統一)の料率は所得割14.25%・均等割57,900円・平等割28,400円と全国的に高めで、年間の保険料額そのものが大きくなります。
たとえば年20万円の国保料を、所得税率10%・住民税率10%の家族が払って控除を取れば、年4万円の節税。所得税率20%の家族なら年6万円になります。
逆に、年金収入が少なくもともと非課税の世帯主が払っていると、その控除は誰も使えないまま消えます。
実務上のポイントは3つあります。
①口座振替なら、口座名義人が払った人になります。市は「申し込みは指定金融機関、ゆうちょ銀行、または市役所保険医療課窓口まで」としています。所得のある家族の口座から引き落とすようにすれば、その家族が控除を取れます。
②添付書類は不要です。市は「年末調整や確定申告の際、国民健康保険料領収証書等の書類を添付する必要はありません」としています。ただし「口座振替をご利用の場合は、預金通帳の日付を、また納付書で納付いただいている場合は、領収証書の日付を確認のうえ、控除対象期間内の納付済額を申告してください」——自分で金額を確認して記入します。
③延滞金は控除に使えません。市は「控除対象となるのは本料のみで督促手数料や延滞金は含めることができません」としています。
年間納付済額の通知は、毎年1月下旬に届きます。確定申告の時期に間に合うタイミングです。
ただし注意点があります。市は「なお、この通知に記載された金額と保険料決定通知書の決定保険料額との金額に差異が生じることがありますのでご注意ください」としています。
「決定した年間保険料」と「その年に実際に払った額」は一致しないのが普通です。保険料は年度(4月〜翌年3月)で決まり、控除は暦年(1月〜12月)で計算するためです。控除に使うのは「実際に払った額」のほうです。
世帯主を変更した方は、とくに確認が必要です。市は「過去に世帯主変更をされた方で、その年度の国民健康保険料を納付された方は領収証書をご確認ください」と注意を添えています。年度の途中で世帯主が変わると、納付記録が旧世帯主と新世帯主に分かれることがあるためです。
年金天引き(特別徴収)の場合は、本人しか控除を使えません。天引きは本人の年金から差し引かれるため、支払った人が本人で固定されます。家族に控除を移したいなら、口座振替への変更を検討してください。

Q5. 納期限はいつですか?12月だけ違うと聞きました。
A. そのとおりです。納期限は各月の末日ですが、12月(6期分)だけは28日です。口座振替の振替日も同じく12月は28日になります。
天理市の普通徴収は年9回。市は「1年分の保険料を7月から翌年3月まで9回に分けて納付していただきます」としています。
期別と月の対応はこうです。1期=7月/2期=8月/3期=9月/4期=10月/5期=11月/6期=12月/7期=1月/8期=2月/9期=3月。
納期限は各月の末日。市は「(月末日が土・日曜日及び祝日にあたる場合は金融機関が休業日のため、その翌日が納期限になります。)」と注記しています。土日祝に当たれば後ろにずれます。
ただし12月だけは例外です。「なお、6期分の納期限は12月28日です」——月末より3日早い。年末年始の金融機関の休業に合わせた前倒しです。
口座振替も同じ扱いです。市は「口座による振替日は納付月の月末日となります。(月末日が土・日曜日及び祝日にあたる場合は金融機関が休業日のため、翌営業日になります。ただし、12月は28日が振替日です。)」としています。
口座振替の方は、12月28日までに残高を用意しておいてください。「月末だから31日でいい」と思っていると、残高不足になります。
特別徴収(年金天引き)は年6回です。4月・6月・8月・10月・12月・2月の年金支給日に天引きされます。市の表では4・6・8月が仮徴収、10・12・2月が本徴収と示されています。
仮徴収と本徴収の違い——仮徴収は前年度の保険料をもとにした暫定額、本徴収は確定した年間保険料から仮徴収分を差し引いた残りを3回に分けたものです。前年より所得が増えた年は、10月以降の天引きが大きく跳ね上がります。
年度途中で加入した場合は、市は「年度の途中で加入の場合は、届け出された月の翌月から残りの納期で納付していただきます」としています。届出が遅れるほど、残り少ない納期に金額が集中します。
しかも保険料は資格を得た月までさかのぼります。市は「保険料は、国保加入の届出をした日からではなく、資格を得た月から納めます」「届け出が遅れた場合、加入した月(資格を得た月)までさかのぼって保険料を納めなければなりません」としています。遅れて得することはありません。
口座振替の申込みは3か所でできます。「指定金融機関、ゆうちょ銀行、または市役所保険医療課窓口まで」。市役所の窓口でも申し込めるので、金融機関へ行く手間を省けます。
納付が難しいときは、滞納する前に保険医療課(0743-63-1001)へ相談してください。1年以上の滞納でマイナ保険証の利用停止、1年6か月で給付の差し止めという措置が待っています。

Q6. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、均等割・平等割の軽減(7割・5割・2割)
(申請不要/要・所得申告)・18歳未満の子ども分均等割・10割軽減
(申請不要)・未就学児の均等割額の減額
(申請不要)・非自発的失業者に対する軽減措置
(要申請)・産前産後期間の保険料の免除
(要申請)・特定同一世帯所属者を含めた軽減判定
(申請不要)・特別療養費の支給(償還払い)
(要申請・2年で時効)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。

Q7. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に天理市 保険医療課(0743-63-1001)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。

9. まとめ|天理市の国保で押さえるべきポイント

  • 天理市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分7.64%・後期支援分3.27%・介護分3.03%・子ども分0.31%
  • 均等割は医療分27,600円・後期支援11,500円・介護16,900円・子ども1,900円、平等割は合計で年28,400円。賦課限度額は世帯合計で年112万円
  • 料率は奈良県内で統一——市は「県内保険料水準の統一化が令和6年度より完成しました」と明記。当サイトで確認した奈良・橿原・生駒・大和郡山・葛城・宇陀・香芝・天理の8市がすべて同一で、県内で引っ越しても保険料は変わりません
  • 統一後は市独自の上乗せ減免がありません。使えるのは全国共通の制度だけ(大阪府では統一に伴い市独自の多子減免が終了しました)
  • 令和8年度は所得割14.25%・均等割57,900円・平等割28,400円・限度額112万円。平等割は医療分と後期高齢者支援分だけ(介護分と子ども分は所得割+均等割の2方式)
  • 介護分の所得割3.03%は252市中12番目に高い——40歳になったときの増加は年87,499円(給与収入400万円の場合)
  • 賦課限度額112万円(医療分66万円据え置き)。多くの市の113万円より1万円低く、限度額到達世帯は年1万円分だけ有利
  • 納期限は各月の末日。ただし12月(6期分)は28日——口座振替の振替日も12月だけ28日です
  • 滞納が1年を超えると「マイナンバーカードの保険証利用停止、資格確認書の返還」を求められます。マイナ保険証に言及している自治体はまだ多くありません
  • 「実際に納付された方が社会保険料控除として申告できます」——納付義務者が世帯主でも、払った人が控除を取れます。年間納付済額の通知は毎年1月下旬
  • 軽減判定の注記が詳しい——65歳以上は年金所得から15万円控除/分離譲渡所得は特別控除前/青色専従者給与は必要経費に算入せず/雑損失の繰越控除は控除後の額
  • Excel簡易計算表(644.7KB)で試算可能/口座振替は市役所窓口でも申込み可/葬祭費3万円は全国的には低め
  • 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年29万3千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
  • 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
  • 窓口は天理市 保険医療課(0743-63-1001)

出典・参考:
・天理市公式:国民健康保険(令和8年度保険料率・簡易計算表)
・天理市公式:健康保険
・天理市公式:国民健康保険(届出)
・天理市公式:市税・国保・年金

※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は天理市公式サイトでご確認ください。

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