北海道 苫小牧市の国民健康保険|保険料・減免・申請窓口まとめ

苫小牧市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド

苫小牧市は人口約16.6万人、北海道の太平洋岸にあります。日本初の掘込式港湾として築かれた苫小牧港は国内最大級の取扱貨物量を誇り、王子製紙の企業城下町として発展してきました。ホッキ貝の漁獲量は日本一、ラムサール条約に登録されたウトナイ湖もこの市にあります。
この記事でまず伝えたいのは、苫小牧市の令和8年度の国保税が、2つの理由で大きく上がったということです。
①「激変緩和措置」の終了——市はこう説明しています。「医療分の均等割については、税負担の急激な増加を抑えるため、令和6年度・7年度において激変緩和措置を実施しておりました。令和8年度からはこの措置が終了し、本則(本来の税額)である23,000円となります」。21,500円から23,000円へ、1,500円の増です。
②課税限度額の引き上げ——106万円から112万円へ、6万円の増。医療分65万→66万、後期高齢者支援金分24万→26万、そして子ども・子育て支援分3万円の新設。令和8年度の引き上げ幅としては、全国的にも大きいほうです。
もうひとつ、苫小牧市の構造上の特徴があります。平等割46,900円が均等割41,900円を上回っていることです。4区分すべてに平等割があり、平等割46,900円は当サイトで令和8年度の料率を調べた206市(平等割のある市)の中で8番目に高い水準です。
単身世帯にとっては重く、人数の多い世帯にはやわらぐ——そういう設計になっています。
そして苫小牧市は、自分の保険税を確かめる手段をきわめて丁寧に用意しています。市が公開している計算例は3パターンあり、当サイトで検算したところ、すべて1円まで一致しました。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく苫小牧市の国保税の計算方法、令和8年度の4つの変更点、軽減の具体例、失業したときの制度までまとめました。

1. 苫小牧市の国民健康保険の概要

苫小牧市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。

苫小牧市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。

苫小牧市の国保は「保険料」ではなく「保険税」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。資産割はありません。
4区分すべてに平等割があります。医療分29,900円+後期高齢者支援金分9,100円+介護分6,900円+子ども・子育て支援分1,000円=1世帯あたり年46,900円。
令和8年度の合計は所得割14.16%・均等割41,900円・平等割46,900円・課税限度額112万円(40〜64歳)。
最大の特徴は、平等割が均等割を上回っていることです。平等割46,900円/均等割41,900円——平等割のほうが5,000円高い。
医療分だけを見ると、その差はもっと大きくなります。均等割23,000円/平等割29,900円で、平等割が6,900円上回ります。
平等割46,900円は、当サイトで調べた206市(平等割のある市)の中で8番目に高い水準です。北海道内12市でも、札幌市の51,100円に次ぐ2番目。
北海道は伝統的に平等割が重い地域です。当サイトで確認した北海道内12市のうち8市が平等割4万円超——全国の中央値(およそ3万円)を大きく上回ります。
所得割14.16%は、北海道内12市で2番目に高い水準です(千歳市14.39%に次ぐ)。
令和8年度は2つの理由で上がりました。市が挙げる変更点は4つ——①医療分均等割の激変緩和措置終了(21,500円→23,000円)、②子ども・子育て支援金制度の開始、③課税限度額の改正(106万円→112万円)、④低所得世帯の軽減対象の拡大。
④だけは、負担を軽くする方向の改正です。5割軽減の加算額が30.5万円→31万円、2割軽減が56万円→57万円(1人あたり)になりました。
納税義務者は世帯主です。市は「保険税は世帯単位に課税します。世帯主が後期高齢者医療制度に該当となるなど国保に加入していない場合でも納税義務者は世帯主となります」としています。
資格を取得する月の分からかかります。市は「加入の届出をした日ではなく、職場の保険を喪失(脱退)した日や転入日などから資格を取得することになり、その月の分から保険税がかかります。国保加入の届出が遅れると遡ってかかりますので注意しましょう」としています。

国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。

2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率

令和8年度 苫小牧市国民健康保険料 料率
区分所得割率均等割(1人年額)平等割(1世帯年額)賦課限度額
医療分8.83%23,000円29,900円660,000円
後期高齢者支援金分2.81%8,900円9,100円260,000円
介護分(40〜64歳)2.23%8,900円6,900円170,000円
子ども・子育て支援金分0.29%1,100円
(市は「18歳未満の子ども・子育て支援分の均等割は、10割軽減されます」としています。18歳以上への上乗せ加算はありません。平等割1,000円は世帯単位でかかります)
1,000円30,000円
  • 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
  • 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
  • 市は「18歳未満の子ども・子育て支援分の均等割は、10割軽減されます」としています。18歳以上への上乗せ加算はありません。平等割1,000円は世帯単位でかかります。申請は不要です。
  • 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。

令和8年度に「激変緩和措置」が終了しました。医療分の均等割は21,500円(激変緩和措置)→23,000円(本則)へ。市は「令和8年度からはこの措置が終了し、本則(本来の税額)である23,000円となります」としています。

課税限度額が106万円→112万円へ6万円上がりました。医療分65万→66万、後期高齢者支援金分24万→26万、子ども・子育て支援分3万円が新設。令和8年度の引き上げ幅としては全国的にも大きいほうです。

所得割の合計は14.16%(医療8.83+後期高齢者支援金2.81+介護2.23+子ども0.29/40〜64歳)。北海道内12市で2番目に高い水準です(千歳市14.39%に次ぐ)。40歳未満なら11.93%。

均等割の合計は1人41,900円(医療23,000+後期8,900+介護8,900+子ども1,100/40〜64歳)。18〜39歳なら33,000円、18歳未満なら31,900円、未就学児は15,950円。

平等割46,900円が均等割41,900円を上回ります。医療分だけを見ても均等割23,000円<平等割29,900円。4区分すべてに平等割があり(医療29,900+後期9,100+介護6,900+子ども1,000)、206市中8番目に高い水準です。

低所得世帯の軽減対象が拡大されました。5割軽減の加算額が30.5万円→31万円、2割軽減が56万円→57万円(1人あたり)。4人世帯なら5割軽減の基準が2万円、2割軽減が4万円広がります。

各区分ごとに100円未満切捨てです。市は計算例の各行に「(100円未満切捨)」と明記しています。4区分それぞれで切り捨てられるので、実際の税額は単純計算よりわずかに安くなります。

令和8年度の税率(苫小牧市公表)

苫小牧市 令和8年度の国保税率
区分所得割
(前年課税所得に)
均等割
(加入者1人あたり)
平等割
(1世帯あたり)
課税限度額
(1) 医療分
(加入者全員)
8.83%23,000円29,900円660,000円
(2) 後期高齢者支援金分
(加入者全員)
2.81%8,900円9,100円260,000円
(3) 介護分
(40〜64歳)
2.23%8,900円6,900円170,000円
(4) 子ども・子育て支援分
(加入者全員)
0.29%1,100円
(18歳未満は10割軽減)
1,000円30,000円
合計14.16%41,900円46,900円1,120,000円

「前年課税所得」の定義を市は明記しています——「前年の総所得(=合計所得。配偶者、扶養、医療費などの各種控除をする前の額)から基礎控除(最大43万円)を差し引いた額」。
「配偶者、扶養、医療費などの各種控除をする前の額」——扶養控除も医療費控除も使えません。国保税のベースは、所得税の課税所得よりずっと高い金額になります。
目を引くのは、平等割が均等割を上回っていることです。平等割46,900円/均等割41,900円で、差は5,000円。
医療分だけを見ると、その差はもっと大きくなります。均等割23,000円/平等割29,900円——平等割が6,900円上回ります。
4区分すべてに平等割があるのも特徴です。介護分6,900円と子ども・子育て支援分1,000円にも平等割がついています。

令和8年度の4つの変更点——市が公表した内容

苫小牧市 令和8年度 国民健康保険税の主な変更点
項目令和7年度令和8年度
(1) 医療分 均等割
(加入者1人あたり)
21,500円
(激変緩和措置)
23,000円
(本則)
(2) 保険税の構成①医療分 ②後期高齢者支援金分
③介護分
①医療分 ②後期高齢者支援金分
③介護分 ④子ども・子育て支援分(新設)
(3) 課税限度額医療分65万円/後期24万円
/介護17万円
合計106万円
医療分66万円/後期26万円
/介護17万円/子ども3万円
合計112万円
(4) 低所得世帯の軽減5割=43万円+30.5万円×被保険者数
2割=43万円+56万円×被保険者数
5割=43万円+31万円×被保険者数
2割=43万円+57万円×被保険者数

(1)の「激変緩和措置」が、苫小牧市ならではの事情です。市の説明を引きます——「医療分の均等割については、税負担の急激な増加を抑えるため、令和6年度・7年度において激変緩和措置を実施しておりました。令和8年度からはこの措置が終了し、本則(本来の税額)である23,000円となります」。
令和6年度に本来23,000円にすべきところを、2年間だけ21,500円に抑えていた——その経過措置が終わったということです。1,500円の増。
「本則(本来の税額)」という言い方に、市の姿勢が表れています。21,500円は特例で、23,000円が本来の姿だと明言しているのです。
(3)の課税限度額の引き上げ幅は大きいです。106万円→112万円で6万円——令和8年度の引き上げ幅としては全国的にも大きいほうです。
多くの自治体は令和7年度に109万円(医療65万+後期26万+介護17万、または医療66万+後期24万+介護17万など)だったところから113万円へ4万円上げています。苫小牧市は令和7年度が106万円と低かったぶん、上げ幅が6万円になりました。
市は理由も説明しています——「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するため、国の基準改正に伴い、課税限度額が上記のとおり引き上げられました。これは、中間所得層の負担軽減を図るとともに、負担能力に応じた公平な負担をお願いするためのものです」。
限度額を上げると、高所得世帯の負担が増える一方、中間所得層の料率を抑えられる——それが「中間所得層の負担軽減」の意味です。
(4)だけは、負担を軽くする方向です。市は「令和8年度より、経済動向等を踏まえ軽減対象となる所得の基準について、改正します」としています。4人世帯なら5割軽減の基準が2万円、2割軽減が4万円広がります。

市の計算例を、実際に検算してみた

苫小牧市は、計算例を3パターン公開しています。当サイトで検算したところ、すべて1円まで一致しました。

苫小牧市が公開した計算例(令和8年度)
例世帯計算(100円未満切捨)年税額
例135歳・所得150万円
1人世帯
医療分147,300円
後期支援分48,000円
子ども分5,200円
(介護分なし)
200,500円
例2夫63歳・所得200万円
妻60歳・所得なし
2人世帯
医療分214,500円
後期支援分71,000円
介護分59,700円
子ども分7,700円
352,900円
例3夫25歳・所得なし
妻25歳・所得なし
2人世帯(7割軽減)
医療分22,700円
後期支援分8,000円
子ども分900円
(介護分なし)
31,600円

例1の検算——(150万-43万)=107万円。医療分は107万×8.83%+23,000×1+29,900=147,381円→147,300円。後期支援分は107万×2.81%+8,900+9,100=48,067円→48,000円。子ども分は107万×0.29%+1,100+1,000=5,203円→5,200円。合計200,500円——すべて一致。
例2の検算——(200万-43万)=157万円。医療分は157万×8.83%+23,000×2+29,900=214,531円→214,500円。後期支援分は71,017円→71,000円。介護分は59,711円→59,700円。子ども分は7,753円→7,700円。合計352,900円——一致。
例3の検算——所得なしなので7割軽減。医療分は23,000×2+29,900=75,900円、その30%で22,770円→22,700円。後期支援分は26,900円の30%で8,070円→8,000円。子ども分は3,200円の30%で960円→900円。合計31,600円——一致。
ここで重要なのが「100円未満切捨」が区分ごとに効くことです。例3で単純に106,000円×30%を計算すると31,800円ですが、区分ごとに切り捨てるので31,600円。200円お得になります。
例3の「所得なしの夫婦2人世帯で年31,600円」という数字も覚えておく価値があります。7割軽減が効いても、これだけはかかるということです。
例2の「所得200万円の夫婦2人で年352,900円」——所得の17.6%が国保税として出ていく計算になります。

北海道内12市で比べる

北海道内12市の国保料率比較(令和8年度・40〜64歳の合計)
自治体所得割(合計)均等割(1人)平等割(1世帯)単身の固定部分
帯広市11.71%48,610円46,050円94,660円
函館市12.20%47,510円38,650円86,160円
江別市12.31%42,300円39,500円81,800円
小樽市12.69%45,500円44,080円89,580円
伊達市12.79%38,100円45,000円83,100円
室蘭市13.09%49,860円34,230円84,090円
旭川市13.20%47,860円44,660円92,520円
北見市13.29%46,900円42,300円89,200円
岩見沢市13.44%46,300円44,890円91,190円
札幌市13.79%34,000円51,100円85,100円
苫小牧市14.16%41,900円46,900円88,800円
千歳市14.39%46,000円44,600円90,600円

北海道は「平等割が重い」地域です。12市のうち8市が平等割4万円超——全国の中央値(およそ3万円)を大きく上回ります。
苫小牧市の平等割46,900円は、北海道内で2番目(札幌市51,100円に次ぐ)。全国206市の中では8番目です。
所得割14.16%は北海道内で2番目に高い(千歳市14.39%に次ぐ)。
給与収入400万円(所得233万円)の45歳単身世帯で比べます。
千歳市=約42.6万円/苫小牧市=約41.9万円/札幌市=約40.6万円/岩見沢市=約40.4万円/旭川市=約40.0万円/帯広市=約36.8万円/江別市=約35.5万円。
苫小牧市は12市で2番目に高い——江別市とは約6.4万円の差です。
隣接する千歳市とは約7,000円の差。札幌市とは約1.3万円の差があります。
北海道は保険料水準の統一を令和12年度に目指しているとされています。市町村ごとの差は、今後縮まっていく方向です。

【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円

所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円

  • 医療分: 所得割 226,931円 + 均等割 80,500円 + 平等割 29,900円 ⇒ 337,331円
  • 後期支援分: 所得割 72,217円 + 均等割 31,150円 + 平等割 9,100円 ⇒ 112,467円
  • 介護分: 所得割 57,311円 + 均等割 17,800円 + 平等割 6,900円 ⇒ 82,011円
  • 子ども分: 所得割 7,453円 + 均等割 2,200円 + 平等割 1,000円 ⇒ 10,653円

合計: 年間 約542,462円(月あたり約45,200円)

この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。

【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)

基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円

  • 医療分: 所得割 140,397円 + 均等割 23,000円 + 平等割 29,900円 ⇒ 193,297円
  • 後期支援分: 所得割 44,679円 + 均等割 8,900円 + 平等割 9,100円 ⇒ 62,679円
  • 介護分: 所得割 35,457円 + 均等割 8,900円 + 平等割 6,900円 ⇒ 51,257円
  • 子ども分: 所得割 4,611円 + 均等割 1,100円 + 平等割 1,000円 ⇒ 6,711円

合計: 年間 約313,944円(月あたり約26,200円)

単身世帯でも平等割が合計で年46,900円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。

【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円

ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。

軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)

  • 医療分 258,639円 / 後期支援分 83,473円 / 介護分 67,759円 / 子ども分 8,857円 ⇒ 合計 約418,728円

非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)

  • 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
  • 医療分 77,463円 / 後期支援分 25,584円 / 介護分 21,515円 / 子ども分 2,834円 ⇒ 合計 約127,397円

差額は年間およそ29万1千円。届出書1枚でこれだけ違います。苫小牧市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。

(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は苫小牧市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。

3. 賦課限度額(保険料の上限)

  • 医療分 660,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
  • 世帯合計の最大値: 年112万円(1,120,000円)

所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。

4. 苫小牧市の軽減・減免制度

制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。

4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用

令和8年度 軽減判定の所得基準
軽減率世帯の総所得金額等が以下の額以下
7割軽減43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
5割軽減43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
2割軽減43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)

軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。

4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用

未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。

4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用

令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、市は「18歳未満の子ども・子育て支援分の均等割は、10割軽減されます」としています。18歳以上への上乗せ加算はありません。平等割1,000円は世帯単位でかかります。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。

4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請

倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。

  • 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
  • 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
  • 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
  • 届出先: 苫小牧市 国民健康保険の担当窓口
  • 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です

非自発的な理由で離職された方は、離職者本人の前年の給与所得を30/100として算定する軽減が使えます。市は「離職から一定の期間、国民健康保険税を軽減します」としています。
対象は「離職日が平成21年3月31日以降で、雇用保険の特定受給資格者及び特定理由離職者」。「(高年齢受給資格者及び特例受給資格者の方は対象となりません。)」という除外規定も明記されています。
確認方法も具体的です。市は「『雇用保険受給資格者証』(本人所持)による確認とし、『離職年月日 理由』欄の『理由コード(2桁の数字)』が下記のコードであれば、対象となります」としています。
対象となる理由コード——特定受給資格者は「11」「12」「21」「22」「31」「32」、特定理由離職者は「23」「33」「34」。
市は用語の説明も添えています——「※特定受給資格者とは・・倒産解雇等の事業主都合により離職した者」「※特定理由離職者とは・・雇用期間満了などにより離職した者」。
効果を試算します。給与収入400万円(給与所得276万円)の45歳単身世帯なら、前年課税所得は276万-43万=233万円。所得割は233万×14.16%=329,928円、均等割41,900円と平等割46,900円を足して年約41.9万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。前年課税所得は39.8万円まで下がり、所得割は56,357円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割の軽減判定も行われます。単身世帯の2割軽減の基準は43万+57万×1人=100万円。82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割と平等割の合計88,800円が71,040円に。
合計は約12.7万円(各区分100円未満切捨て)。差はおよそ29.2万円です。
苫小牧市は所得割14.16%と北海道内で2番目に高いので、この軽減の効き目も大きくなります。同じ試算を江別市(12.31%)でやると差は約26.0万円。料率が高い自治体ほど、届け出るかどうかで動く金額が大きいという関係です。
軽減期間は「離職日の翌日の属する月からその月の属する年度の翌年度末まで」。4月に離職すればほぼ丸2年、3月に離職すると実質1年分短くなります。
届出が必要です。市が自動で拾ってくれる制度ではありません。雇用保険受給資格者証を持って窓口へ。離職票では手続きできません。
あわせて、届出が遅れたときの扱いも確認しておきましょう。市は「加入の届出をした日ではなく、職場の保険を喪失(脱退)した日や転入日などから資格を取得することになり、その月の分から保険税がかかります。国保加入の届出が遅れると遡ってかかりますので注意しましょう」としています。
国保「税」は遡及期間が3年(不正があれば7年)です。3年分をまとめて請求されると、単身世帯でも100万円を超えることがあります。
納付が難しいときは、市が「国民健康保険税の納付相談について」という専用ページを設けています。滞納する前に相談してください。
翌年度は、法定軽減が効いてきます。失業した年の所得が下がれば、翌年度は7割・5割・2割の軽減の対象になる可能性があります。固定部分88,800円が7割軽減で26,600円(区分ごとの切捨て後)——6万円以上の減です。所得がゼロでも申告を忘れずに。

書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。

4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出

出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。

4-6. 苫小牧市の減免制度|要申請

苫小牧市の低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)、18歳未満の子ども・子育て支援分均等割の10割軽減、未就学児の均等割軽減は申請不要です(所得の申告が前提)。非自発的失業者に対する軽減制度は届出が必要です。令和8年度は軽減の基準が拡大され、5割軽減の加算額が30.5万円→31万円、2割軽減が56万円→57万円になりました。

苫小牧市 国民健康保険料の減免
種類主な要件減免内容・手続き
低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)
(申請不要/要・所得申告)
総所得が①43万円+(給与所得者等の数-1)×10万円以下=7割、②①+被保険者数×31万円以下=5割、③①+被保険者数×57万円以下=2割。令和8年度に5割は30.5万円→31万円、2割は56万円→57万円へ拡大均等割と平等割を減額。単身40〜64歳なら88,800円→7割軽減で26,600円(区分ごとに100円未満切捨て)。市は「被保険者数には後期高齢者医療制度へ移行した方を含みます」としています
18歳未満の子ども・子育て支援分均等割・10割軽減
(申請不要)
18歳未満の被保険者子ども・子育て支援分の均等割1,100円が10割軽減。市は「18歳未満の子ども・子育て支援分の均等割は、10割軽減されます」としており、18歳以上への上乗せ加算はありません
未就学児の均等割軽減
(申請不要)
未就学児(6歳に達する日以後の最初の3月31日以前である被保険者)医療分・後期高齢者支援金分の均等割の2分の1を減額(国の制度)。18歳未満の均等割31,900円が15,950円に。低所得軽減との併用で7割軽減世帯なら実質8.5割軽減
非自発的失業者に対する軽減制度
(要届出)
離職日が平成21年3月31日以降で、雇用保険の特定受給資格者(11・12・21・22・31・32)または特定理由離職者(23・33・34)。高年齢受給資格者及び特例受給資格者は対象外離職者本人の前年の給与所得を30/100として算定。期間は「離職日の翌日の属する月からその月の属する年度の翌年度末まで」。雇用保険受給資格者証(本人所持)で確認します
65歳以上の年金所得者への上乗せ控除
(申請不要)
1月1日時点で65歳以上で年金所得のある方市は「65歳以上(1月1日時点)で年金所得のある場合、総所得からさらに15万円を差し引いて判定します」としています。軽減判定で有利に働きます
後期高齢者医療制度へ移行した方を人数に算入
(申請不要)
同じ世帯から後期高齢者医療制度へ移行した方がいる世帯市は「被保険者数には後期高齢者医療制度へ移行した方を含みます」としています。75歳になった家族がいても、5割・2割の判定基準が急に縮まりません

苫小牧市の軽減で、令和8年度に注目すべきは「軽減の基準が拡大された」ことです。
市は「令和8年度より、経済動向等を踏まえ軽減対象となる所得の基準について、改正します」とし、表で新旧を示しています。5割軽減の加算額が30.5万円→31万円、2割軽減が56万円→57万円(1人あたり)。
4人世帯なら、5割軽減の基準が2万円(30.5万×4=122万→31万×4=124万)、2割軽減が4万円(56万×4=224万→57万×4=228万)広がります。ぎりぎりで外れていた世帯が対象になる可能性があります。
金額で確かめます。40〜64歳の単身世帯なら、固定部分は88,800円。7割軽減なら26,600円(区分ごとに100円未満切捨て)、5割なら44,400円、2割なら71,000円。申告書1枚で6万2千円が動きます。
市が公開している例3が参考になります。夫25歳・妻25歳・ともに所得なしの2人世帯——軽減前は医療分75,900円+後期支援分26,900円+子ども分3,200円=106,000円。7割軽減で31,600円になります。
ここで「100円未満切捨」が区分ごとに効きます。単純に106,000円×30%なら31,800円ですが、医療分22,700円+後期支援分8,000円+子ども分900円=31,600円。200円安くなります。
軽減判定に使う「総所得」の注意点を市は2つ挙げています。
「65歳以上(1月1日時点)で年金所得のある場合、総所得からさらに15万円を差し引いて判定します」——高齢者には15万円の上乗せ控除です。
「被保険者数には後期高齢者医療制度へ移行した方を含みます」——75歳になって後期高齢者医療に移った家族がいても、5割・2割の判定基準が急に縮まりません。
「給与所得者等の数」の定義も明確です。「給与の収入金額が55万円を超える方」と「公的年金の収入金額が60万円(65歳未満)または125万円(65歳以上)を超える方」。この人数が2人以上なら、7割軽減の基準に10万円ずつ加算されます。
所得の申告は前提です。軽減は申請不要ですが、世帯の所得が判明していないと判定できません。収入がゼロでも申告してください。
苫小牧市で軽減の効果がとくに大きい理由があります。固定部分88,800円のうち、平等割が46,900円と半分以上を占めるからです。平等割は人数に関係なく世帯に1回かかるので、単身世帯にとっては重い。その分、軽減が効いたときの減り方も大きくなります。
未就学児の軽減は国の制度で、医療分・後期高齢者支援金分の均等割の2分の1が減額されます。18歳未満の均等割31,900円が15,950円に。7割軽減世帯なら9,570円の半額4,785円——実質8.5割軽減です。
子ども・子育て支援分の均等割は18歳未満が10割軽減されます。市は「18歳未満の子ども・子育て支援分の均等割は、10割軽減されます」としており、18歳以上への上乗せ加算はありません。
ただし、子ども・子育て支援分の平等割1,000円は世帯単位でかかります。4区分すべてに平等割があるのが苫小牧市の特徴です。

保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。

4-7. 払えないときは滞納する前に相談

滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。

5. 納付方法

  • 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
  • 納付書(金融機関・コンビニ等)
  • 特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯は年金天引き)
  • 納付相談(市は専用ページ「国民健康保険税の納付相談について」を設けています)

苫小牧市の国保税は「保険料」ではなく「保険税」です。この違いは遡及期間に表れます。保険「税」は地方税法により3年(不正があれば7年)、保険「料」は国民健康保険法第110条の2により2年で時効になります。
市は届出の遅れに注意を促しています。「加入の届出をした日ではなく、職場の保険を喪失(脱退)した日や転入日などから資格を取得することになり、その月の分から保険税がかかります。国保加入の届出が遅れると遡ってかかりますので注意しましょう」。
自分で概算を出すなら、次の式です(40〜64歳の場合)。
年間保険税=(前年の総所得-43万円)×14.16%+41,900円×加入者数+46,900円
18〜39歳の均等割は33,000円、18歳未満は31,900円、未就学児は15,950円。課税限度額は合計112万円です。
ただし、実際は区分ごとに計算して100円未満を切り捨てます。市の式を使うほうが正確です。
医療分=前年課税所得×8.83%+加入者数×23,000円+29,900円(上限66万円)
後期高齢者支援金分=前年課税所得×2.81%+加入者数×8,900円+9,100円(上限26万円)
介護分=前年課税所得×2.23%+加入者数×8,900円+6,900円(上限17万円)
子ども・子育て支援分=前年課税所得×0.29%+加入者数×1,100円+1,000円(上限3万円)
「前年課税所得」の定義を市は明記しています——「前年の総所得(=合計所得。配偶者、扶養、医療費などの各種控除をする前の額)から基礎控除(最大43万円)を差し引いた額」。
「配偶者、扶養、医療費などの各種控除をする前の額」——配偶者控除も扶養控除も医療費控除も使えません。国保税のベースは、所得税の課税所得よりずっと高い金額になります。住民税がゼロでも国保税はかかる——その理由がここにあります。
限度額に達する所得水準を概算します。医療分は所得割8.83%・均等割23,000円・平等割29,900円。単身なら、(66万円-23,000円-29,900円)÷8.83%=約688万円の前年課税所得で医療分が上限に達します。
令和8年度は課税限度額が106万円→112万円に上がりました。市は理由をこう説明しています——「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するため、国の基準改正に伴い、課税限度額が上記のとおり引き上げられました。これは、中間所得層の負担軽減を図るとともに、負担能力に応じた公平な負担をお願いするためのものです」。
上げ幅6万円——令和8年度としては全国的にも大きいほうです。多くの自治体は109万円→113万円(+4万円)でしたが、苫小牧市は令和7年度が106万円と低かったぶん、6万円の上げになりました。
限度額に達している世帯は、年6万円の増になります。所得700万円を超えるあたりから、この影響を受けます。
年度途中の加入・脱退は月割りです。市は「年度の途中で加入したとき、脱退したときなど、加入している月の分だけ課税されます」としています。
子ども・子育て支援金分について、市は制度の趣旨も説明しています——「令和8年度より、国が推進する『こども未来戦略』に基づき、児童手当の拡充などこれからの子育て政策を社会全体で支え合うための新しい仕組みとして『子ども・子育て支援金制度』が創設されました」。
「なお、この支援金は、国民健康保険だけでなく、職場の健康保険や後期高齢者医療制度など、すべての公的医療保険の加入者の皆様に広くご負担いただくものです」——国保だけの負担ではないことを明記しています。市は「子ども・子育て支援金について」というPDF(1.24MB)も公開しています。
納付が難しいときは、市が「国民健康保険税の納付相談について」という専用ページを設けています。滞納する前に相談してください。

6. 加入・脱退の手続き

6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)

状況別 加入時の必要書類
事由必要書類
会社を退職した健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
他市区町村から転入本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可)
子どもが生まれた本人確認書類、母子健康手帳
生活保護が廃止された保護廃止(停止)通知書、本人確認書類

6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)

状況別 脱退時の必要書類
事由必要書類
就職して社保に加入した新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類
他市区町村へ転出本人確認書類(転出届と同時に手続き可)
生活保護の受給開始保護決定通知書、本人確認書類
死亡本人確認書類、死亡を確認できる書類

脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。

7. 苫小牧市の国保窓口一覧

苫小牧市の国保は市の担当窓口が扱っています。市ホームページには「国民健康保険制度(加入・脱退・資格確認書再交付等)」「国民健康保険税について」「国民健康保険税の納付相談について」「本人が窓口に来れない場合(国民健康保険)」「苫小牧市国民健康保険傷病手当金」といった制度ごとの専用ページが整理されています。令和8年度の変更点は「国民健康保険税について」のページに4項目にまとめられ、計算例も3パターン公開されています。健診・検診も充実しており、特定健診・プレ特定健診・GOGO健診や脳ドック・PET/CTがん検診事業のページがあります。

苫小牧市 国保の窓口・情報源
窓口・ページ内容注意点
国民健康保険税について令和8年度の主な変更点(4項目)、税率表、計算例3パターン、低所得世帯の軽減、非自発的失業者に対する軽減制度計算例は当サイトで検算したところ、すべて1円まで一致しました。各区分100円未満切捨てです
国民健康保険制度
(加入・脱退・資格確認書再交付等)
加入・脱退の届出、資格確認書の再交付市は「国保加入の届出が遅れると遡ってかかりますので注意しましょう」としています
国民健康保険税の納付相談について納付が難しいときの相談滞納する前に相談してください。専用ページが用意されています
本人が窓口に来れない場合
(国民健康保険)
代理人による手続きの方法入院中・遠方などで本人が来られない場合の案内です
苫小牧市国民健康保険傷病手当金国保の傷病手当金国保で傷病手当金の専用ページを設けている市は多くありません。該当する可能性のある方は確認を
特定健診・脳ドック・PET/CTがん検診令和8年度 特定健診・プレ特定健診・GOGO健診/脳ドック・PET/CTがん検診事業PET/CTがん検診まで用意している市は珍しいです。募集時期にご注意ください

令和8年度に「激変緩和措置」が終了——医療分の均等割が21,500円(激変緩和措置)→23,000円(本則)へ。市は「本則(本来の税額)」と明記しています。

課税限度額が106万円→112万円へ6万円上がりました。令和8年度の引き上げ幅としては全国的にも大きいほうです。

平等割46,900円が均等割41,900円を上回ります。医療分だけを見ても均等割23,000円<平等割29,900円。206市中8番目に高い水準です。

4区分すべてに平等割(医療29,900+後期9,100+介護6,900+子ども1,000=46,900円)。

所得割14.16%は北海道内12市で2番目に高い(千歳市14.39%に次ぐ)。給与400万円の単身なら年約41.9万円です。

低所得世帯の軽減が拡大——5割軽減の加算額が30.5万円→31万円、2割軽減が56万円→57万円。4人世帯なら基準が2万円・4万円広がります。

市の計算例3パターンは、当サイトで検算したところすべて1円まで一致しました。各区分100円未満切捨てで、単純計算よりわずかに安くなります。

「前年の総所得(=合計所得。配偶者、扶養、医療費などの各種控除をする前の額)」——扶養控除も医療費控除も国保税では使えません。

国保加入の届出が遅れると遡って課税されます。国保「税」の遡及は3年です。

8. よくある質問(苫小牧市の国保)

Q1. 令和8年度に保険税が上がりました。なぜですか?
A. 2つの理由があります。医療分の均等割で実施していた「激変緩和措置」が終了したことと、課税限度額が106万円から112万円へ引き上げられたことです。
①激変緩和措置の終了——市の説明を引きます。「医療分の均等割については、税負担の急激な増加を抑えるため、令和6年度・7年度において激変緩和措置を実施しておりました。令和8年度からはこの措置が終了し、本則(本来の税額)である23,000円となります」。
21,500円→23,000円で1,500円の増です。
「本則(本来の税額)」という言い方に注目してください。21,500円は2年限りの特例で、23,000円が本来の姿だと市は明言しています。令和6年度の税率改定のときに、一度に上げると負担が大きすぎるので2年かけて段階的に——という配慮だったわけです。
②課税限度額の引き上げ——106万円→112万円で6万円の増。内訳は医療分65万→66万、後期高齢者支援金分24万→26万、子ども・子育て支援分3万円の新設(介護分17万円は変更なし)。
市は理由も説明しています——「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するため、国の基準改正に伴い、課税限度額が上記のとおり引き上げられました。これは、中間所得層の負担軽減を図るとともに、負担能力に応じた公平な負担をお願いするためのものです」。
上げ幅6万円は、令和8年度としては全国的にも大きいほうです。多くの自治体は109万円→113万円(+4万円)でしたが、苫小牧市は令和7年度が106万円と低かったぶん、6万円の上げになりました。
③子ども・子育て支援分の新設も加わります。所得割0.29%+均等割1,100円+平等割1,000円。所得233万円の単身世帯なら、6,757円+1,100円+1,000円=年8,857円(切捨て前)の増です。
市は制度の趣旨も説明しています——「なお、この支援金は、国民健康保険だけでなく、職場の健康保険や後期高齢者医療制度など、すべての公的医療保険の加入者の皆様に広くご負担いただくものです」。国保だけの負担ではありません。
④軽減対象の拡大だけは、負担を軽くする方向の改正です。5割軽減の加算額が30.5万円→31万円、2割軽減が56万円→57万円(1人あたり)。4人世帯なら基準が2万円・4万円広がります。
合計でどれくらい上がるか。給与収入400万円(前年課税所得233万円)の45歳単身世帯で概算すると、均等割1,500円+子ども分約8,800円=年約1万円の増になります(軽減なしの場合)。

Q2. 苫小牧市は一人暮らしだと割高ですか?
A. そうなりやすい構造です。平等割46,900円が均等割41,900円を上回っており、単身世帯は平等割を1人で丸ごと負担することになります。
国保税は3つの部分でできています。所得割(所得に応じて)、均等割(1人あたり)、平等割(1世帯あたり)。
平等割は、加入者が1人でも5人でも同じ金額です。だから人数が多いほど1人あたりは薄まり、単身世帯では丸ごと負担になります。
苫小牧市の平等割は46,900円。均等割41,900円を5,000円上回ります。
医療分だけを見ると、差はもっと大きくなります。均等割23,000円/平等割29,900円——平等割が6,900円上です。
平等割46,900円は、当サイトで調べた206市(平等割のある市)の中で8番目に高い水準。北海道内12市でも、札幌市の51,100円に次ぐ2番目です。
人数で割ると、この構造がはっきりします。
単身——固定部分88,800円÷1人=1人あたり88,800円。
夫婦2人——(41,900×2+46,900)÷2人=1人あたり65,350円。
4人世帯(大人2・18歳未満2)——(41,900×2+31,900×2+46,900)÷4人=1人あたり48,625円。
単身世帯は4人世帯の1.83倍を1人あたりで負担している計算になります。
なぜ北海道はこうなのか。当サイトで確認した北海道内12市のうち8市が平等割4万円超——全国の中央値(およそ3万円)を大きく上回ります。札幌市の51,100円は全国でも2番目に高い水準です。北海道は伝統的に平等割が重い地域だと言えます。
ただし、救済もあります。低所得世帯の軽減は、均等割と平等割の両方が対象です。7割軽減なら固定部分88,800円が26,600円(区分ごとに100円未満切捨て)——6万2千円の減になります。
平等割が重いぶん、軽減が効いたときの減り方も大きいのです。
市の計算例1(35歳・所得150万円・1人世帯)を見ると、年200,500円。所得150万円に対して13.4%です。
所得の申告を忘れないでください。軽減は申請不要ですが、世帯の所得が判明していないと判定できません。収入がゼロでも申告してください。

Q3. 自分の保険税を計算したいのですが、市の計算例は使えますか?
A. 使えます。苫小牧市は計算例を3パターン公開しており、当サイトで検算したところ、すべて1円まで一致しました。
例1:35歳・所得150万円・1人世帯
医療分=(150万-43万)×8.83%+23,000×1+29,900=147,300円(100円未満切捨)
後期高齢者支援金分=107万×2.81%+8,900+9,100=48,000円
子ども・子育て支援分=107万×0.29%+1,100+1,000=5,200円
年税額=200,500円(35歳なので介護分はかかりません)
例2:夫63歳・所得200万円+妻60歳・所得なしの2人世帯
医療分=(200万-43万)×8.83%+23,000×2+29,900=214,500円
後期高齢者支援金分=157万×2.81%+8,900×2+9,100=71,000円
介護分=157万×2.23%+8,900×2+6,900=59,700円
子ども・子育て支援分=157万×0.29%+1,100×2+1,000=7,700円
年税額=352,900円
例3:夫25歳・妻25歳・ともに所得なしの2人世帯
医療分=23,000×2+29,900=75,900円→7割軽減→22,700円
後期高齢者支援金分=8,900×2+9,100=26,900円→8,000円
子ども・子育て支援分=1,100×2+1,000=3,200円→900円
年税額=31,600円
3つとも検算して一致しました。
ここで重要なのが「100円未満切捨」が区分ごとに効くことです。例3で単純に106,000円×30%を計算すると31,800円ですが、区分ごとに切り捨てるので31,600円。200円お得になります。
自分で計算する式はこうです。
医療分=前年課税所得×8.83%+加入者数×23,000円+29,900円(上限66万円)
後期高齢者支援金分=前年課税所得×2.81%+加入者数×8,900円+9,100円(上限26万円)
介護分(40〜64歳)=前年課税所得×2.23%+加入者数×8,900円+6,900円(上限17万円)
子ども・子育て支援分=前年課税所得×0.29%+加入者数×1,100円+1,000円(上限3万円)
「前年課税所得」の定義——市は「前年の総所得(=合計所得。配偶者、扶養、医療費などの各種控除をする前の額)から基礎控除(最大43万円)を差し引いた額」としています。
扶養控除も医療費控除も使えません。引けるのは基礎控除(最大43万円)だけです。
それぞれ100円未満を切り捨てて合計します。課税限度額は合計112万円です。

Q4. 扶養家族が多いのに、国保税が安くなりません。なぜですか?
A. 国保税では扶養控除が使えないからです。苫小牧市は「前年の総所得(=合計所得。配偶者、扶養、医療費などの各種控除をする前の額)」と明記しています。
市の定義をもう一度引きます——「前年課税所得とは、前年の総所得(=合計所得。配偶者、扶養、医療費などの各種控除をする前の額)から基礎控除(最大43万円)を差し引いた額」。
「配偶者、扶養、医療費などの各種控除をする前の額」——ここが要点です。
使えない控除の例——配偶者控除・配偶者特別控除、扶養控除、医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄付金控除(ふるさと納税)、障害者控除、ひとり親控除、勤労学生控除。
引けるのは基礎控除(最大43万円)だけです。
結果、国保税のベースは「所得税の課税所得」よりずっと高い金額になります。住民税がゼロでも国保税はかかる——その理由がここにあります。
ただし、救いもあります。
①所得割は「1人ずつ43万円を引いてから合算」します。市の計算例でも、所得のない妻の分はゼロとして扱われています。収入の少ない家族が増えても所得割は増えません。
②低所得世帯の軽減は「人数が多いほど基準が緩む」仕組みです。5割軽減は43万円+31万円×被保険者数、2割軽減は43万円+57万円×被保険者数——4人世帯なら5割軽減の基準は167万円、2割軽減は271万円まで広がります。
令和8年度はこの基準が拡大されました。5割軽減の加算額が30.5万円→31万円、2割軽減が56万円→57万円。4人世帯なら5割軽減の基準が2万円、2割軽減が4万円広がります。
③18歳未満は子ども・子育て支援分の均等割が10割軽減されます。18歳未満の均等割は31,900円(医療23,000+後期8,900)。
④未就学児はさらに半額で15,950円。7割軽減世帯なら9,570円の半額4,785円——実質8.5割軽減です。
⑤平等割46,900円は世帯に1回だけ。人数が増えるほど1人あたりは薄まります。4人世帯なら1人あたり11,725円です。
4人世帯(夫42・妻40・子15・子10)の固定部分を計算すると——
41,900×2+31,900×2+46,900=194,500円。7割軽減が適用されれば約58,300円(区分ごとの切捨て後)です。
所得の申告を忘れないでください。軽減は申請不要ですが、世帯の所得が判明していないと判定できません。

Q5. 失業しました。軽減の対象になるか、どこで確認できますか?
A. 雇用保険受給資格者証の「離職年月日 理由」欄にある2桁の理由コードで確認できます。苫小牧市は確認方法を具体的に案内しています。
市の説明を引きます——「『雇用保険受給資格者証』(本人所持)による確認とし、『離職年月日 理由』欄の『理由コード(2桁の数字)』が下記のコードであれば、対象となります」。
対象となる理由コード——特定受給資格者は「11」「12」「21」「22」「31」「32」、特定理由離職者は「23」「33」「34」。
市は用語の説明も添えています——「※特定受給資格者とは・・倒産解雇等の事業主都合により離職した者」「※特定理由離職者とは・・雇用期間満了などにより離職した者」。
除外規定も明記されています。「(高年齢受給資格者及び特例受給資格者の方は対象となりません。)」——65歳以上で離職した方、短期雇用特例被保険者だった方は対象外です。
もうひとつの条件は「離職日が平成21年3月31日以降」。この制度は平成22年4月に始まったもので、それ以前の離職は対象になりません。
軽減の内容は「離職者本人の前年の給与所得を30/100として算定し賦課する」。
効果を試算します。給与収入400万円(給与所得276万円)の45歳単身世帯——
軽減なし:前年課税所得233万円。所得割233万×14.16%=329,928円+固定部分88,800円=年約41.9万円。
軽減あり:給与所得は82.8万円。前年課税所得39.8万円で、所得割は56,357円。さらに2割軽減が適用され固定部分が71,040円に。合計約12.7万円。
差はおよそ29.2万円です。
苫小牧市は所得割14.16%と北海道内で2番目に高いので、軽減の効き目も大きくなります。同じ試算を江別市(12.31%)でやると差は約26.0万円——3.2万円の違いです。
軽減期間は「離職日の翌日の属する月からその月の属する年度の翌年度末まで」。4月に離職すればほぼ丸2年、3月に離職すると実質1年分短くなります。
届出が必要です。市が自動で拾ってくれる制度ではありません。雇用保険受給資格者証を持って窓口へ。離職票では手続きできません。
あわせて、国保への加入手続きを急いでください。市は「加入の届出をした日ではなく、職場の保険を喪失(脱退)した日や転入日などから資格を取得することになり、その月の分から保険税がかかります。国保加入の届出が遅れると遡ってかかりますので注意しましょう」としています。
国保「税」の遡及は3年(不正があれば7年)。3年分をまとめて請求されると、単身世帯でも100万円を超えることがあります。
納付が難しいときは、市が「国民健康保険税の納付相談について」という専用ページを設けています。滞納する前に相談してください。

Q6. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)
(申請不要/要・所得申告)・18歳未満の子ども・子育て支援分均等割・10割軽減
(申請不要)・未就学児の均等割軽減
(申請不要)・非自発的失業者に対する軽減制度
(要届出)・65歳以上の年金所得者への上乗せ控除
(申請不要)・後期高齢者医療制度へ移行した方を人数に算入
(申請不要)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。

Q7. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に苫小牧市 国民健康保険の担当窓口で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。

9. まとめ|苫小牧市の国保で押さえるべきポイント

  • 苫小牧市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分8.83%・後期支援分2.81%・介護分2.23%・子ども分0.29%
  • 均等割は医療分23,000円・後期支援8,900円・介護8,900円・子ども1,100円、平等割は合計で年46,900円。賦課限度額は世帯合計で年112万円
  • 令和8年度に「激変緩和措置」が終了——医療分の均等割が21,500円(激変緩和措置)→23,000円(本則)へ。市は「令和8年度からはこの措置が終了し、本則(本来の税額)である23,000円となります」としています
  • 課税限度額が106万円→112万円へ6万円上がりました(医療65万→66万、後期24万→26万、子ども3万新設)。令和8年度の引き上げ幅としては全国的にも大きいほうです
  • 令和8年度は所得割14.16%・均等割41,900円・平等割46,900円・課税限度額112万円(40〜64歳)
  • 平等割46,900円が均等割41,900円を上回ります。医療分だけを見ても均等割23,000円<平等割29,900円。206市中8番目に高い水準です
  • 4区分すべてに平等割(医療29,900+後期9,100+介護6,900+子ども1,000)
  • 所得割14.16%は北海道内12市で2番目に高い(千歳市14.39%に次ぐ)。給与400万円の単身なら年約41.9万円です
  • 低所得世帯の軽減が拡大——5割軽減の加算額が30.5万円→31万円、2割軽減が56万円→57万円
  • 市の計算例3パターンは、当サイトで検算したところすべて1円まで一致しました。各区分100円未満切捨てで、単純計算よりわずかに安くなります
  • 「前年の総所得(=合計所得。配偶者、扶養、医療費などの各種控除をする前の額)」——扶養控除も医療費控除も国保税では使えません
  • 非自発的失業者の軽減は「雇用保険受給資格者証の『離職年月日 理由』欄の理由コード」で確認。高年齢受給資格者及び特例受給資格者は対象外です
  • 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年29万1千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
  • 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
  • 窓口は苫小牧市 国民健康保険の担当窓口

出典・参考:
・苫小牧市公式:国民健康保険税について(令和8年度の変更点・税率・計算例)
・苫小牧市公式:国民健康保険の加入、脱退、保険税、医療費の給付など
・苫小牧市公式:国民健康保険税の納付相談について
・苫小牧市公式:国民健康保険制度(加入・脱退・資格確認書再交付等)
・苫小牧市公式:苫小牧市国民健康保険傷病手当金

※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は苫小牧市公式サイトでご確認ください。

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