上尾市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
上尾市は人口約22万人、埼玉県中央部の市です。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく上尾市の国保税の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
上尾市は令和8年度に大幅な税率改定を行いました。均等割の合計は70,000円から85,517円へ、1人あたり15,517円の増。医療分だけで38,000円→49,233円(+11,233円)です。
これは埼玉県の保険税水準の統一に向けた動きによるもので、令和9年度には「準統一」、令和12年度には「完全統一」という明確なスケジュールが示されています。この記事ではその全体像と、いま何が起きているかを整理します。
1. 上尾市の国民健康保険の概要
上尾市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
上尾市の保険料は2方式(所得割+均等割)で計算します。世帯単位でかかる平等割はありません。単身世帯にとっては比較的有利な設計です。
上尾市は「保険料」ではなく「保険税」方式で、2方式(所得割+均等割)です。平等割(世帯割)はありません。
市は改定の背景をこう説明しています。「平成30年度から県が国民健康保険の財政運営の責任主体となり、加入者間の公平性の確保のため『県内のどこに住んでいても同じ世帯構成、所得であれば同じ保険税となること(保険税水準の統一)』を目標に、埼玉県国民健康保険運営方針を定めています」。
「上尾市では、埼玉県国民健康保険運営方針(第3期)に基づき、県が示す標準保険税率(赤字にならない保険税率の参考値)を基準に税率を改正します」。
それぞれの区分で算定した時点で100円未満を切り捨てる端数処理を行い、その合計額を世帯主に課税します。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|
| 基礎課税額(医療分) | 8.10% | 49,233円 | 660,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.83% | 17,105円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.47% | 17,492円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.26% | 1,687円 (子ども・子育て支援納付金分の均等割1,687円は「均等割1,580円+18歳以上均等割107円」の合計。18歳(高校生年代)以下の加入者は全額減免されます) | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は基礎課税額(医療分)・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども・子育て支援納付金分の均等割1,687円は「均等割1,580円+18歳以上均等割107円」の合計。18歳(高校生年代)以下の加入者は全額減免されます。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は13.66%(基礎課税額8.10%+後期高齢者支援金等分2.83%+介護納付金分2.47%+子ども・子育て支援納付金分0.26%/40〜64歳)。全国的に高めの水準です。
均等割の合計は1人85,517円(医療49,233+後期支援17,105+介護17,492+子ども1,687/18歳以上・40〜64歳)。東京23区(84,873円)を上回る全国トップクラスの高さです。40歳未満なら68,025円。
平等割がないため、加入者が1人増えるごとに85,517円がそのまま加算されます。世帯人数の多い家庭には重い構造です。
均等割額が円単位(49,233円・17,105円・17,492円・1,580円・107円)なのは、県が示す標準保険税率をそのまま採用しているためです。多くの自治体が百円単位に丸めるなかで珍しい設定です。
賦課限度額は医療分66万円・後期高齢者支援金等分26万円・介護納付金分17万円・子ども・子育て支援納付金分3万円で、合計112万円です。
各区分は100円未満切り捨てで計算し、その合計額が世帯主に課税されます。
令和8年度の税率|均等割が1人あたり15,517円の増
上尾市は令和7年度と令和8年度の税率を並べて公開しています。
| 区分 | 令和7年度 | 令和8年度 | 差 | |
|---|---|---|---|---|
| 基礎課税額 (医療分) | 所得割 | 7.2% | 8.10% | +0.90 |
| 均等割 | 38,000円 | 49,233円 | +11,233円 | |
| 賦課限度額 | 650,000円 | 660,000円 | +1万円 | |
| 後期高齢者 支援金等分 | 所得割 | 2.7% | 2.83% | +0.13 |
| 均等割 | 15,000円 | 17,105円 | +2,105円 | |
| 賦課限度額 | 240,000円 | 260,000円 | +2万円 | |
| 介護納付金分 (40〜64歳) | 所得割 | 2.4% | 2.47% | +0.07 |
| 均等割 | 17,000円 | 17,492円 | +492円 | |
| 賦課限度額 | 170,000円 | 170,000円 | 変更なし | |
| 子ども・子育て 支援納付金分 (令和8年度新設) | 所得割 | - | 0.26% | 新設 |
| 均等割 | - | 1,580円 | 新設 | |
| 18歳以上均等割 | - | 107円 | 新設 | |
| 賦課限度額 | - | 30,000円 | 新設 |
合計で見ると次のようになります。
所得割:12.3% → 13.66%(+1.36ポイント)
均等割:70,000円 → 85,517円(+15,517円)
賦課限度額:106万円 → 112万円(+6万円)
均等割の増加幅が突出しています。均等割は所得に関係なくかかるので、所得の低い世帯ほど影響が大きくなります。単身40〜64歳・所得ゼロの世帯なら70,000円→85,517円で15,517円の増。3人世帯なら4.6万円以上の増です。
均等割85,517円は東京23区(84,873円)を上回り、全国トップクラスの水準になりました。
注目したいのが金額が円単位であることです。49,233円・17,105円・17,492円・1,580円・107円——多くの自治体が百円単位に丸めるなか、上尾市は県が示す標準保険税率をそのまま採用しています。市の説明は「県が示す標準保険税率(赤字にならない保険税率の参考値)を基準に税率を改正します」。
埼玉県の「保険税水準の統一」スケジュール
上尾市は今後の予定を年度ごとに明示しています。
| 年度 | 内容 |
|---|---|
| 令和8年度 | 法定外一般会計繰入金等(赤字)解消 |
| 令和9年度 | 準統一(県が示す市町村標準保険税率のとおり税率を設定) |
| 令和12年度 | 完全統一(県内全市町村が同一の税率を設定) |
令和8年度の大幅改定は、「令和8年度に赤字を解消する」という県の方針に沿ったものです。市税からの繰入(法定外一般会計繰入金)をやめる分、保険税で賄うことになります。
令和9年度には「準統一」——県が示す標準保険税率どおりに設定します。上尾市はすでに令和8年度から標準保険税率を採用しているので、令和9年度以降は県の標準保険税率の動きに連動することになります。
令和12年度には「完全統一」——県内全市町村が同一の税率になります。同じ埼玉県の春日部市(所得割14.29%・均等割81,400円)や熊谷市(12.27%・73,401円)とも、最終的には同じ税率に揃うことになります。
市は改定に至るまでの国民健康保険運営協議会の参考資料(令和7年度第1回・第2回)も公開しています。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 208,170円 + 均等割 172,316円 ⇒ 380,486円
- 後期支援分: 所得割 72,731円 + 均等割 59,868円 ⇒ 132,598円
- 介護分: 所得割 63,479円 + 均等割 34,984円 ⇒ 98,463円
- 子ども分: 所得割 6,682円 + 均等割 3,374円 ⇒ 10,056円
合計: 年間 約621,603円(月あたり約51,800円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 128,790円 + 均等割 49,233円 ⇒ 178,023円
- 後期支援分: 所得割 44,997円 + 均等割 17,105円 ⇒ 62,102円
- 介護分: 所得割 39,273円 + 均等割 17,492円 ⇒ 56,765円
- 子ども分: 所得割 4,134円 + 均等割 1,687円 ⇒ 5,821円
合計: 年間 約302,711円(月あたり約25,200円)
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 237,963円 / 後期支援分 83,044円 / 介護分 75,043円 / 子ども分 7,745円 ⇒ 合計 約403,795円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 71,624円 / 後期支援分 24,947円 / 介護分 23,824円 / 子ども分 2,384円 ⇒ 合計 約122,780円
差額は年間およそ28万1千円。届出書1枚でこれだけ違います。上尾市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は上尾市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 基礎課税額(医療分) 660,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年112万円(1,120,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 上尾市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援納付金分の均等割1,687円は「均等割1,580円+18歳以上均等割107円」の合計。18歳(高校生年代)以下の加入者は全額減免されます。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 上尾市 保険年金課 資格・課税担当(11番窓口/048-782-6471)
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
会社都合で離職された方は、前年の給与所得を100分の30とみなして計算する非自発的失業者の軽減が使えます(離職時65歳未満、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者が対象)。
上尾市は所得割13.66%・均等割85,517円と、いずれも全国的に高い水準なので、軽減の効果はきわめて大きくなります。
給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯で試算します。課税標準額は276万-43万=233万円。所得割は233万×13.66%=318,278円、均等割85,517円を足して年約40.4万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。課税標準額は39.8万円まで下がり、所得割は54,367円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割軽減の判定も行われます。単身世帯なら2割軽減の基準は43万+57万=100万円。82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割85,517円が68,414円に。
合計は約12.3万円。差はおよそ28.1万円です。
上尾市は均等割85,517円が軽減の対象で、これは全国トップクラスの金額です。7割軽減なら年約6.0万円、3人世帯なら年約18.0万円が減ります。世帯人数が多いほど軽減の効果は大きくなります。
この軽減は申請が必要です。ハローワークで雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)を受け取ったら、保険年金課 資格・課税担当(11番窓口/048-782-6471)へ。市の「上尾市国民健康保険税の試算」ページで軽減後の額を確認することもできます。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 上尾市の減免制度|要申請
上尾市の低所得世帯の軽減、18歳以下の子ども分の減免、未就学児の軽減は申請不要です(ただし所得申告が必要)。非自発的失業の軽減・産前産後の減額・各種減免は申請が必要です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 低所得世帯の軽減 (申請不要/要・所得申告) | 世帯主と加入者(特定同一世帯所属者を含む)の前年中の総所得金額等の合計が①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②①+31万円×加入者数以下=5割、③①+57万円×加入者数以下=2割 | 均等割額を軽減。市の「国民健康保険税の軽減について」ページに詳細が掲載されています |
| 18歳(高校生年代)以下の子ども・子育て支援納付金分の減免 (申請不要) | 18歳(高校生年代)以下の加入者 | 子ども・子育て支援納付金分の均等割額(1,580円)が全額減免されます |
| 未就学児の均等割軽減 (申請不要) | 未就学児 | 均等割額を5割軽減。低所得軽減の対象なら軽減後の額をさらに5割軽減(7割軽減なら8.5割) |
| 非自発的失業者の軽減 (要申請) | 倒産・解雇・雇止め等で離職した方(離職時65歳未満)で雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者 | 前年の給与所得を100分の30として算定。軽減判定にも反映されます |
| 産前産後期間の減額 (要届出) | 出産(予定)の被保険者 | 産前産後期間相当分の保険税を減額。市が専用ページを設けています |
| 災害等による減免 (要申請) | 災害など特別な事情により納付が困難な場合 | 保険年金課(048-782-6471)へ相談を |
上尾市で軽減を考えるときに押さえておきたいのが、令和8年度の改定によって軽減の重要性が大きく増したという点です。
均等割が70,000円から85,517円へ15,517円上がったため、軽減の対象額そのものが増えました。
単身40〜64歳で7割軽減が効いた場合、令和7年度は49,000円の減額でしたが、令和8年度は59,862円——1万円以上減額幅が広がっています。
3人世帯なら均等割は256,551円(85,517円×3人)。7割軽減で年約18.0万円が減る計算です(18歳以下の子がいれば子ども分の均等割はさらに減免されます)。
軽減には所得の申告が必要です。収入がなくても申告してください。申告がないと軽減されず、85,517円が満額でかかります。
子ども・子育て支援納付金分の減免も新設されました。市は「子ども・子育て支援納付金分の均等割額は、18歳(高校生年代)以下の加入者は全額減免されます」としています。18歳以上の加入者には「18歳以上均等割107円」が上乗せされ、この減免分を負担する仕組みです。
端数処理にも特徴があります。市は「それぞれの区分で算定した時点で100円未満を切り捨てる端数処理を行い、その合計額を世帯主に課税します」としています。世帯合計を最後に切り捨てるのではなく、4区分それぞれで切り捨てます。均等割額が円単位(49,233円など)なので、この処理が効いてきます。
市は「上尾市国民健康保険税の試算」ページを公開しています。改定の影響を自分の世帯で確認したい方は、まずこちらで試算するのが確実です。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
- スマホ決済(請求書払い)
- コンビニ納付
- 納付書による金融機関窓口払い
- 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)
上尾市の令和8年度の改定は、埼玉県の「保険税水準の統一」に向けた動きの一環です。市はスケジュールを明示しています。
令和8年度:法定外一般会計繰入金等(赤字)解消
令和9年度:準統一(県が示す市町村標準保険税率のとおり税率を設定)
令和12年度:完全統一(県内全市町村が同一の税率を設定)
令和8年度の大幅改定は「赤字解消」の年にあたります。これまで市税から国保会計へ繰り入れていた分(法定外一般会計繰入金)をやめる分、保険税で賄うことになったわけです。
市は改定の理由をこう説明しています。「国保は、病気やけがをした際に安心して医療が受けられるよう加入者が保険税を出し合い、医療費をまかなう相互扶助の制度で、国民皆保険制度の最後のとりでとなります。国保を持続可能で安定的な制度とするため、皆さんのご理解、ご協力をお願いします」。
令和9年度以降は「準統一」——県が示す標準保険税率どおりの設定になります。上尾市はすでに令和8年度から標準保険税率を採用しているので、今後は県の標準保険税率の動きに連動します。県の標準保険税率は医療費の増加に応じて毎年見直されるため、さらに上がる可能性があります。
令和12年度の「完全統一」では、県内全市町村が同一の税率になります。同じ埼玉県の春日部市(所得割14.29%・均等割81,400円)、熊谷市(12.27%・73,401円)とも最終的に揃うことになります。
賦課限度額も引き上げられました。医療分650,000円→660,000円、後期高齢者支援金等分240,000円→260,000円、子ども・子育て支援納付金分30,000円が新設。合計106万円→112万円で6万円の増です。すでに限度額に達している高所得世帯は、この6万円がそのまま増額になります。
窓口は上尾市役所本庁舎1階の保険年金課、資格・課税担当は11番窓口(048-782-6471)です。市は「国民健康保険税納税通知書を郵送します」という案内ページも設けています。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 上尾市の国保窓口一覧
国保税の計算・軽減・減免の相談は上尾市役所本庁舎1階の保険年金課が窓口です。資格・課税担当は11番窓口です。
| 窓口 | 電話番号 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 保険年金課 資格・課税担当 〒362-8501 埼玉県上尾市本町3-1-1 本庁舎1階 11番窓口 | 048-782-6471 | 国保の加入・脱退、保険税の算定・課税、低所得軽減、非自発的失業者の軽減、産前産後の減額、各種減免、保険税の試算 |
| 上尾市役所(代表) | 048-775-5111 | 市役所全般 |
令和8年度は均等割が1人あたり15,517円の大幅増(70,000円→85,517円)。所得の低い世帯ほど影響が大きくなります。
均等割85,517円は東京23区(84,873円)を上回る全国トップクラスの水準です。
埼玉県は令和9年度に「準統一」、令和12年度に「完全統一」。今後は県の標準保険税率に連動します。
各区分は100円未満切り捨てで計算されます。世帯合計を最後に切り捨てるのではありません。
市の公式サイトに「上尾市国民健康保険税の試算」ページがあります。改定の影響を自分の世帯で確認できます。
8. よくある質問(上尾市の国保)
Q1. 令和8年度から保険税が大幅に上がりました。なぜですか?
A. 埼玉県の「保険税水準の統一」に向けて、令和8年度に赤字(法定外一般会計繰入金)を解消することになったためです。
市の説明はこうです。「平成30年度から県が国民健康保険の財政運営の責任主体となり、加入者間の公平性の確保のため『県内のどこに住んでいても同じ世帯構成、所得であれば同じ保険税となること(保険税水準の統一)』を目標に、埼玉県国民健康保険運営方針を定めています」「上尾市では、埼玉県国民健康保険運営方針(第3期)に基づき、県が示す標準保険税率(赤字にならない保険税率の参考値)を基準に税率を改正します」。
上尾市が示しているスケジュールは次のとおりです。
令和8年度:法定外一般会計繰入金等(赤字)解消
令和9年度:準統一(県が示す市町村標準保険税率のとおり税率を設定)
令和12年度:完全統一(県内全市町村が同一の税率を設定)
これまで市税から国保会計へ繰り入れていた分をやめる分、保険税で賄うことになりました。
改定の中身は次のとおりです。
所得割:12.3% → 13.66%(+1.36ポイント)
均等割:70,000円 → 85,517円(+15,517円)
賦課限度額:106万円 → 112万円(+6万円)
均等割の増加幅が突出しています。医療分だけで38,000円→49,233円(+11,233円)です。
令和9年度以降も上がる可能性があります。県の標準保険税率は医療費の増加に応じて毎年見直されるためです。
Q2. なぜ均等割が49,233円のような円単位なのですか?
A. 県が示す標準保険税率をそのまま採用しているためです。上尾市は令和8年度から標準保険税率を基準に税率を設定しています。
上尾市の令和8年度の均等割額は医療分49,233円・後期高齢者支援金等分17,105円・介護納付金分17,492円・子ども分1,580円・18歳以上均等割107円。いずれも1円単位です。
令和7年度は38,000円・15,000円・17,000円と、すべて千円単位でした。この変化が、市が独自に丸めた数字から、県の標準保険税率そのままへ切り替わったことを表しています。
市の説明は「県が示す標準保険税率(赤字にならない保険税率の参考値)を基準に税率を改正します」。標準保険税率は県が医療費や所得水準から算定する値なので、端数が出ます。
この方式になると、令和9年度以降は県の標準保険税率の動きにそのまま連動することになります。市が独自に丸めたり抑えたりする余地が小さくなるということです。
端数処理については市が明記しています。「それぞれの区分で算定した時点で100円未満を切り捨てる端数処理を行い、その合計額を世帯主に課税します」。4区分それぞれで100円未満を切り捨てるので、最大399円の切り捨てが生じます。
正確な金額は市の「上尾市国民健康保険税の試算」ページか、保険年金課(048-782-6471)で確認してください。
Q3. 均等割85,517円は高いのですか?
A. 全国トップクラスです。東京23区(84,873円)を上回ります。
上尾市の均等割の内訳は医療分49,233円+後期高齢者支援金等分17,105円+介護納付金分17,492円+子ども分1,687円=85,517円(40〜64歳・18歳以上)。
全国の主な自治体と比べてみます。
上尾市:85,517円(平等割なし)
東京23区(21区共通):84,873円(平等割なし)
春日部市(埼玉):81,400円(平等割なし)
船橋市(千葉):67,700円(平等割なし)
新潟市:37,600円(平等割28,200円)
平等割がない2方式なので、そのぶんが均等割に寄せられている構造です。
この構造は人数の多い世帯に不利です。加入者が1人増えるごとに85,517円がそのまま加算されます。3人世帯なら均等割だけで256,551円。
ただし子どもの分は軽減されます。18歳(高校生年代)以下は子ども・子育て支援納付金分の均等割が全額減免、未就学児は均等割が5割軽減されます(いずれも申請不要)。
7割・5割・2割の軽減の効果も大きくなります。単身で7割軽減なら年約6.0万円、3人世帯なら年約18.0万円が減ります。所得の申告が条件なので、収入がなくても申告してください。
単身40〜64歳・所得ゼロなら年85,517円が基本額です。
Q4. 埼玉県内の他市と税率が同じになるのはいつですか?
A. 令和12年度に「完全統一」される予定です。令和9年度には「準統一」が始まります。
上尾市が示している埼玉県内のスケジュールは次のとおりです。
令和8年度:法定外一般会計繰入金等(赤字)解消——市税からの繰入をやめる年
令和9年度:準統一——県が示す市町村標準保険税率のとおり税率を設定
令和12年度:完全統一——県内全市町村が同一の税率を設定
「準統一」と「完全統一」の違いは、標準保険税率が市町村ごとに算定されるか県内一律になるかです。準統一の段階では、市町村ごとの医療費水準などを反映した標準保険税率が示されるため、市によって税率は異なります。完全統一で初めて県内全市町村が同じ税率になります。
参考までに、令和8年度の埼玉県内の主要市の水準です。
上尾市:所得割13.66%/均等割85,517円
春日部市:14.29%/81,400円
熊谷市:12.27%/73,401円
完全統一後は、この3市が同じ税率になります。現時点で低い市は上がり、高い市は下がる方向に動くことになります。
同様の統一は他県でも進んでいます。大阪府・奈良県はすでに統一済み(令和6年度から)、兵庫県は令和12年度に完全統一する方針です。
令和9年度以降も上がる可能性があります。県の標準保険税率は医療費の増加に応じて毎年見直されるためです。
Q5. 18歳の子どもがいます。子ども分は減免されますか?
A. 18歳(高校生年代)以下なら全額減免されます。上尾市はこの表現を使っています。
市の注記は「子ども・子育て支援納付金分の均等割額は、18歳(高校生年代)以下の加入者は全額減免されます」。
「18歳(高校生年代)以下」という書き方から、18歳に達する日以後の最初の3月31日まで——つまり高校3年生の3月31日までが対象と読み取れます。誕生日ではなく年度末が区切りです。
18歳以上の加入者には「18歳以上均等割107円」が上乗せされます。これが18歳以下の減免分を負担する部分です。
整理するとこうなります。
18歳(高校生年代)以下:子ども分の均等割は0円
それ以外の加入者:1,580円+107円=1,687円
所得割0.26%は加入者全員にかかります。18歳以下の子に所得があれば課されます。
一方、医療分・後期高齢者支援金等分の均等割は年齢に関係なく人数分かかります。18歳以下の子も49,233円+17,105円=66,338円が課されます。上尾市は均等割が高いので、子どもの分の負担も大きくなります。
未就学児は均等割が5割軽減されます。低所得軽減の対象なら軽減後の額をさらに5割軽減で、7割軽減世帯なら実質8.5割。未就学児の均等割66,338円が9,950円まで下がります。
いずれも申請は不要ですが、低所得軽減には所得の申告が必要です。
Q6. 賦課限度額に達しています。令和8年度はどうなりましたか?
A. 合計106万円から112万円へ6万円の増です。医療分+1万円、後期高齢者支援金等分+2万円、子ども分3万円が新設されました。
上尾市の賦課限度額の改定内容です。
基礎課税額(医療分):650,000円 → 660,000円(+1万円)
後期高齢者支援金等分:240,000円 → 260,000円(+2万円)
介護納付金分:170,000円(変更なし)
子ども・子育て支援納付金分:30,000円(新設)
合計:106万円 → 112万円(+6万円)
国の令和8年度の法定限度額は113万円(医療67万+後期26万+介護17万+子ども3万)なので、上尾市は医療分だけ1万円低い設定です。
限度額に達する所得の目安を計算します。単身40〜64歳なら、医療分は課税標準額×8.10%+均等割49,233円 ≧ 660,000円。課税標準額が約754万円を超えると医療分が限度額に達します。世帯人数が多ければもっと低い所得で到達します。
限度額は区分ごとに判定されます。医療分が限度額に達しても、後期高齢者支援金等分・介護納付金分・子ども分はそれぞれ別に計算されるので、合計が必ず112万円になるわけではありません。
令和8年度は所得割も均等割も大幅に上がったので、これまで限度額に達していなかった世帯が新たに達するケースも出てきます。市の「上尾市国民健康保険税の試算」ページで確認してください。
Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得世帯の軽減
(申請不要/要・所得申告)・18歳(高校生年代)以下の子ども・子育て支援納付金分の減免
(申請不要)・未就学児の均等割軽減
(申請不要)・非自発的失業者の軽減
(要申請)・産前産後期間の減額
(要届出)・災害等による減免
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に上尾市 保険年金課 資格・課税担当(11番窓口/048-782-6471)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|上尾市の国保で押さえるべきポイント
- 上尾市は2方式(所得割+均等割)。令和8年度の料率は基礎課税額(医療分)8.10%・後期支援分2.83%・介護分2.47%・子ども分0.26%
- 均等割は基礎課税額(医療分)49,233円・後期支援17,105円・介護17,492円・子ども1,687円。賦課限度額は世帯合計で年112万円
- 令和8年度は均等割が1人あたり15,517円の大幅増(70,000円→85,517円)。医療分だけで+11,233円
- 均等割85,517円は東京23区(84,873円)を上回る全国トップクラス。平等割がない2方式のため、加入者が増えるほど負担が積み上がる
- 均等割額が円単位(49,233円など)なのは、県が示す標準保険税率をそのまま採用しているため
- 埼玉県は令和8年度に赤字解消、令和9年度に準統一、令和12年度に完全統一。今後は県の標準保険税率に連動する
- 各区分で100円未満を切り捨ててから合計する端数処理
- 18歳(高校生年代)以下は子ども分の均等割が全額減免、未就学児は均等割5割軽減(いずれも申請不要)
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年28万1千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は上尾市 保険年金課 資格・課税担当(11番窓口/048-782-6471)
出典・参考:
・上尾市公式:令和8年度から上尾市国民健康保険税の税率等を改定します
・上尾市公式:国民健康保険税の算定方法
・上尾市公式:国民健康保険税の軽減について
・上尾市公式:上尾市国民健康保険税の試算
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は上尾市公式サイトでご確認ください。