船橋市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
船橋市は人口約64万人、千葉県で最も人口の多い中核市です。
この記事では、令和8年度の最新料率にもとづく船橋市の国保料の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
令和8年度、船橋市の保険料は全区分で引き上げられました。市は「被保険者1人当たり平均年間約9,500円の増額」(子ども・子育て分を除く)と金額まで公表しています。
そして特筆すべきは、船橋市が「なぜ上げるのか」を極めて率直に説明していることです。赤字繰入が市民1人当たり約2,600円になっていること、千葉県が令和12年度までの解消を目標としていること、船橋市は原則2年ごとに見直していること——ここまで書いている自治体は多くありません。この記事ではその背景と、実際の負担額の変化を追います。
1. 船橋市の国民健康保険の概要
船橋市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
船橋市の保険料は2方式(所得割+均等割)で計算します。世帯単位でかかる平等割はありません。単身世帯にとっては比較的有利な設計です。
船橋市は「保険税」ではなく「保険料」方式で、2方式(所得割+均等割)です。平等割(世帯割)はありません。
保険料は世帯単位で決定し、世帯主が納付義務者となります。市は「世帯主本人が国保加入者でなくても、世帯の中に一人でも国保加入者がいれば、納付義務者は世帯主となります(これを『擬制世帯主』といいます)」と説明しています。
賦課基準額は「前年の総所得金額等から基礎控除43万円を引いた金額」。基礎控除43万円は加入者ごとに引ける方式で、市の計算例でも世帯主と妻それぞれから43万円を引いてから合算しています。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|
| 医療分 | 7.05% | 39,300円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.74% | 12,700円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 1.88% | 13,900円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.27% | 1,800円 (子ども・子育て支援分の均等割1,800円は主に18歳以上の方にかかります。こども(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である方=高校生年代)は均等割額がかかりませんが、所得割額はかかることがあります) | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども・子育て支援分の均等割1,800円は主に18歳以上の方にかかります。こども(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である方=高校生年代)は均等割額がかかりませんが、所得割額はかかることがあります。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は11.94%(医療7.05%+後期高齢者支援金2.74%+介護1.88%+子ども0.27%/40〜64歳)。中核市としてはやや低めです。
介護分の所得割1.88%は全国的にかなり低い水準です。多くの自治体が2.3〜3.0%台なので、40〜64歳の方には有利に働きます。
平等割がない代わりに医療分の均等割39,300円が高めです。均等割の合計は1人67,700円(医療39,300+後期支援12,700+介護13,900+子ども1,800/18歳以上・40〜64歳)。40歳未満なら53,800円。
単身40〜64歳なら所得ゼロでも年67,700円が基本です(軽減の対象にはなります)。平等割がないぶん、世帯人数が増えるほど負担が素直に比例して増えます。
各区分は10円未満切り捨てで計算し、賦課限度額も区分ごとに判定します。
賦課限度額は医療分67万円・後期高齢者支援金分26万円・介護分17万円・子ども分3万円で、合計113万円です。令和8年度に医療分が66万円から67万円に上がり、子ども分3万円が新設されました。
令和8年度の保険料率と、令和7年度からの改定幅
船橋市は令和7年度と令和8年度の料率を差異つきで公開しています。
| 区分 | R7年度 | R8年度 | 差異 | |
|---|---|---|---|---|
| 基礎賦課分 (医療分) | 所得割 | 6.67% | 7.05% | +0.38% |
| 均等割 | 35,100円 | 39,300円 | +4,200円 | |
| 後期高齢者 支援金等賦課分 | 所得割 | 2.69% | 2.74% | +0.05% |
| 均等割 | 10,700円 | 12,700円 | +2,000円 | |
| 介護納付金 賦課分 | 所得割 | 1.49% | 1.88% | +0.39% |
| 均等割 | 11,500円 | 13,900円 | +2,400円 | |
| 子ども・子育て 支援納付金賦課分 | 所得割 | - | 0.27% | 新規 |
| 均等割 | - | 1,800円 | 新規 |
市の見込みは「被保険者1人当たり平均年間約9,500円の増額(子ども・子育て分除く)」、そして「令和8年度から子ども・子育て支援納付金(1人当たり平均年間約4,000円)が新設」。合わせて1人あたり年約13,500円の増という計算になります。
所得割の合計は10.85%から11.94%へ1.09ポイント、均等割の合計は57,300円から67,700円へ10,400円(いずれも40〜64歳)上がりました。
ただし市は注記も添えています。「ケースCのように、令和7年度より保険料が低くなっているケースがありますが、国の税制改正における所得税の給与所得控除の見直しの影響によるものです」。料率が上がっても、給与所得控除の拡大で所得が下がり、結果として保険料が下がる世帯もあるということです。
賦課限度額も医療分が66万円→67万円、子ども分3万円が新規。合計は109万円から113万円へ4万円上がりました。
なぜ上がったのか|船橋市の説明
船橋市は改定の背景を率直に書いています。要点を整理します。
①国保財政は赤字が続いている。市の説明は「船橋市の国民健康保険財政は、支出に対して収入が不足する状況が続いており、その赤字部分は市税等で補填している状況です」。
②赤字繰入は市民1人当たり約2,600円。市は「令和6年度は、市民一人当たり約2,600円の負担となっています」と金額を明示しています。国保に入っていない市民も負担している、という構図です。
③国・県から解消を求められている。理由として「保険給付を受ける人が保険料を負担するという仕組みが不明瞭となること」「国民健康保険の被保険者以外の市民にも費用負担を求めること」を挙げています。
④千葉県は令和12年度までの解消が目標。船橋市は「保険料の急激な負担増が起こらないよう、原則として2年ごとに保険料率を見直しています」としています。次の改定は令和10年度が目安になります。
⑤千葉県でも保険料水準の統一が検討されている。市は「都道府県ごとの保険料水準統一の検討(都道府県内で同じ所得水準、同じ世帯構成であれば同じ保険料となること)が進められています」と書いています。大阪府や奈良県ではすでに統一済みで、千葉県も将来的に同じ方向へ進む可能性があります。
船橋市が公開している計算例
市は通常のケースと限度額に到達するケースの2つを公開しています。
| 区分 | 所得割 | 均等割 | 計(10円未満切捨て) |
|---|---|---|---|
| 医療分 | (297万×7.05%)+(22万×7.05%) =224,895円 | 39,300円×4人 =157,200円 | 382,090円 |
| 後期高齢者支援金分 | (297万×2.74%)+(22万×2.74%) =87,406円 | 12,700円×4人 =50,800円 | 138,200円 |
| 介護分 | 297万×1.88%=55,836円 | 13,900円×1人 =13,900円 | 69,730円 |
| 子ども・子育て支援分 | (297万×0.27%)+(22万×0.27%) =8,613円 | 1,800円×2人 =3,600円 | 12,210円 |
| 年間国民健康保険料 | 602,230円 | ||
ポイントは基礎控除43万円を加入者ごとに引いてから合算していることです。世帯主は340万-43万=297万円、妻は65万-43万=22万円。世帯合計405万円から43万円を1回だけ引く計算とは金額が変わります。
子ども・子育て支援分の均等割は2人分(世帯主と妻)。13歳・10歳の子には均等割がかかりません。ただし所得割は加入者全員が対象なので、子に所得があればかかります。
介護分は45歳の世帯主1人分だけです。
| 区分 | 計算 | 限度額判定 |
|---|---|---|
| 医療分 | 642,960円+78,600円=721,560円 | 限度額67万円を超えるので670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 249,888円+25,400円=275,280円 | 限度額26万円を超えるので260,000円 |
| 介護分 | 171,456円+13,900円=185,350円 | 限度額17万円を超えるので170,000円 |
| 子ども・子育て支援分 | 24,624円+3,600円=28,220円 | 限度額3万円以内なので28,220円 |
| 年間国民健康保険料 | 1,128,220円 | |
限度額は区分ごとに判定されます。この例では医療分・後期高齢者支援金分・介護分の3つが限度額に達し、子ども分だけが限度額未満。合計は113万円ではなく1,128,220円になります。
65歳の妻には介護分がかかりません(介護保険第1号被保険者として個人ごとに介護保険料を納めます)が、医療分・後期高齢者支援金分・子ども分の均等割は2人分かかっています。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 181,185円 + 均等割 137,550円 ⇒ 318,735円
- 後期支援分: 所得割 70,418円 + 均等割 44,450円 ⇒ 114,868円
- 介護分: 所得割 48,316円 + 均等割 27,800円 ⇒ 76,116円
- 子ども分: 所得割 6,939円 + 均等割 3,600円 ⇒ 10,539円
合計: 年間 約520,258円(月あたり約43,400円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 112,095円 + 均等割 39,300円 ⇒ 151,395円
- 後期支援分: 所得割 43,566円 + 均等割 12,700円 ⇒ 56,266円
- 介護分: 所得割 29,892円 + 均等割 13,900円 ⇒ 43,792円
- 子ども分: 所得割 4,293円 + 均等割 1,800円 ⇒ 6,093円
合計: 年間 約257,546円(月あたり約21,500円)
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 203,565円 / 後期支援分 76,542円 / 介護分 57,704円 / 子ども分 8,091円 ⇒ 合計 約345,902円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 59,499円 / 後期支援分 21,065円 / 介護分 18,602円 / 子ども分 2,515円 ⇒ 合計 約101,681円
差額は年間およそ24万4千円。届出書1枚でこれだけ違います。船橋市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は船橋市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 船橋市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援分の均等割1,800円は主に18歳以上の方にかかります。こども(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である方=高校生年代)は均等割額がかかりませんが、所得割額はかかることがあります。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 船橋市 国保年金課
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
会社都合で離職された方は、前年の給与所得を100分の30とみなして計算する非自発的失業者の軽減が使えます(離職時65歳未満、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者が対象)。
給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯で試算します。賦課基準額は276万-43万=233万円。
医療分:164,265円+39,300円=203,560円
後期高齢者支援金分:63,842円+12,700円=76,540円
介護分:43,804円+13,900円=57,700円
子ども・子育て支援分:6,291円+1,800円=8,090円
合計約34.6万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。賦課基準額は39.8万円まで下がります。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割軽減の判定も行われます。単身世帯・給与所得者等1人なら2割軽減の基準は43万+57万=100万円。82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割67,700円も2割引きになります。
医療分59,490円+後期高齢者支援金分21,060円+介護分18,600円+子ども分2,510円=約10.2万円。差はおよそ24.4万円です。
船橋市は平等割がなく均等割が高い構造なので、軽減が効くと均等割67,700円の減額分がそのまま利きます。7割軽減なら約4.7万円が減ります。
この軽減は届け出が必要です。離職票が届いてハローワークで雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)を受け取ったら、国保年金課へ。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 船橋市の減免制度|要申請
船橋市の低所得軽減と未就学児の軽減は申請不要です。ただし「世帯主と20歳以上の加入者全員(所得のない人を含む)が所得申告していないと軽減が受けられません」。非自発的失業者の軽減・産前産後の軽減・各種減免・徴収猶予は申請が必要です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 低所得世帯に対する軽減 (申請不要/要・所得申告) | 4月1日(年度途中で新規加入した世帯は資格取得日)時点で、世帯主と加入者全員の前年中の総所得金額等が①43万円+10万円×(給与もしくは年金所得がある人数-1)以下=7割、②①+31万円×被保険者数以下=5割、③①+57万円×被保険者数以下=2割 | 均等割額を軽減。擬制世帯主の所得も判定に含まれます。被保険者数には特定同一世帯所属者を含みます |
| 未就学児の均等割軽減 (申請不要) | 未就学児 | 均等割額の5割を軽減。低所得軽減が適用される場合は軽減後の均等割額の5割をさらに軽減(7割→8.5割、5割→7.5割、2割→6割) |
| 18歳未満の子ども・子育て支援分の均等割 (申請不要) | こども(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である方=高校生年代) | 子ども・子育て支援分の均等割額がかかりません。ただし所得割額はかかることがあります |
| 非自発的失業者の軽減 (要申請) | 倒産・解雇・雇止め等で離職した方(離職時65歳未満)で雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者 | 前年の給与所得を100分の30として算定。軽減判定にも反映されます |
| 産前産後期間の軽減 (要届出) | 出産(予定)の被保険者 | 産前産後期間相当分の保険料を軽減。国保年金課へ |
| 徴収猶予 (要申請) | ①災害(震災・風水害・落雷・火災等)を受けた、または資産を盗まれた、②事業または業務を廃止・休止した、③事業または業務について甚大な損害を受けた、④これらに類する理由があった——のいずれかにより、保険料を一時に納付できないと認められる場合 | 6か月を限度に徴収を猶予(急患等として保険医療機関・保険薬局を受診した被保険者に係る保険料は1年)。申請書と添付書類を持参して国保年金課へ。船橋駅前総合窓口センター・各出張所・連絡所等では手続きできません |
| 一部負担金の減免 (要申請) | 生活が困窮して医療機関への支払いが困難なとき | 医療機関の窓口負担を減免。国保年金課へ相談を |
船橋市の軽減で最も見落とされやすいのが、「20歳以上の加入者全員」の所得申告という条件です。
市の説明はこうです。「世帯主と加入者全員の前年中の総所得金額等が軽減判定基準額を下回る世帯について、世帯主と20歳以上の加入者全員(所得のない人を含む)が所得申告していないと軽減が受けられませんので、収入の無かった人や遺族・障害年金のみを受給している人も所得の申告をしてください」。
20歳以上の加入者に1人でも未申告の人がいれば、世帯全体の軽減が受けられません。大学生の子どもや、収入のない配偶者も対象です。遺族年金・障害年金のみの方も申告が必要と明記されています。
船橋市の均等割は1人67,700円(40〜64歳・18歳以上)。2人世帯で7割軽減を逃すと年約9.5万円の差になります。
軽減の判定日は4月1日(年度途中の新規加入は資格取得日)です。この時点の世帯構成で判定されます。
擬制世帯主の所得も判定に含まれます。市は「世帯主が他の健康保険に加入している場合(擬制世帯主)でも、世帯主の所得は軽減判定の所得に含まれます」としています。世帯主が会社の健康保険に入っていても、その所得で判定されます。
「給与もしくは年金所得がある人数」の定義にも細かい規定があります。給与収入55万円超、65歳未満の公的年金収入60万円超、65歳以上の公的年金収入110万円超のいずれか。ただし市は「公的年金等に係る特別控除(15万円)後は、110万円を125万円に読み替えます」としています。昭和36年1月1日以前生まれの公的年金所得者は、公的年金等控除後の金額から15万円を引いた額で軽減判定されます。
もうひとつ、船橋市には「徴収猶予」という制度があります。減免とは別で、納付を先送りする制度です。災害・盗難・事業の廃止休止・甚大な損害などで一時に納付できない場合に、6か月を限度に猶予されます。急患等として受診した被保険者に係る保険料については1年まで延びます。
徴収猶予の申請は国保年金課のみで、市は「船橋駅前総合窓口センター(フェイスビル5階6番窓口)、各出張所、連絡所等では手続きできません」と明記しています。担保の提供が必要な場合もあるので、事前相談が必要です。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
- スマホ決済(請求書払い)
- コンビニ納付
- 納付書による金融機関窓口払い
- 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)
船橋市の令和8年度の保険料納入通知書は令和8年6月17日に発送されました。市は「お手元に届きましたら、開封していただき、内容をご確認ください。なお、郵便事情により、お手元に届くまで数日かかることがございます」と案内しています。
介護保険適用除外施設に入退所したときは届出が必要です。市は「介護保険適用除外施設に入所すると、その期間の介護分保険料の納付が不要となります。介護保険適用除外施設に入退所した場合は必ず届出を行ってください」としています。届け出ないと介護分(所得割1.88%+均等割13,900円)が課され続けます。
船橋市には自動音声電話による納付案内があります。市の案内は「国保年金課では自動音声電話により、国民健康保険料のご納付や各種ご案内を実施しています」。窓口の受付時間外でも用件を済ませられる仕組みです。
ただし市役所職員の名をかたった不審電話にも注意が必要です。市は注意喚起のページを設けています。市がATMの操作を求めたり、キャッシュカードを預かったりすることはありません。不審に思ったら、いったん電話を切って国保年金課に確認してください。
保険料の賦課決定・変更には期間制限があります。市はこれについても専用のページを設けています。過年度分の保険料がさかのぼって決定される場合の上限があるということです。
外国籍の方向けには多言語での案内も用意されています。「国民健康保険(こくみんけんこうほけん)についてあなたの国(くに)のことばでごせつめいします」というページから確認できます。
納付が困難な場合は早めの相談を。市は保険料率改定のお知らせのなかで「やむを得ない事情により、保険料の納付が困難な場合には、お早めにご相談ください」と呼びかけています。減免・徴収猶予・分割納付など複数の制度があるので、滞納する前に国保年金課へ。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 船橋市の国保窓口一覧
国保料の計算・軽減・減免・徴収猶予の相談は船橋市 国保年金課が窓口です。徴収猶予は駅前窓口や出張所では手続きできません。
| 窓口 | 主な業務 | 備考 |
|---|---|---|
| 国保年金課 | 保険料の算定・賦課、低所得軽減、非自発的失業者の軽減、産前産後の軽減、各種減免、徴収猶予、一部負担金の減免、納付相談 | 徴収猶予はここでのみ受付。添付書類は理由により異なり、担保の提供が必要な場合もあるので事前相談を |
| 船橋駅前総合窓口センター (フェイスビル5階6番窓口) | 国保の一般的な手続き | 徴収猶予の手続きはできません |
| 各出張所・連絡所等 | 国保の一般的な手続き | 徴収猶予の手続きはできません |
| 自動音声電話 | 保険料の納付および各種案内 | 国保年金課が実施しています |
軽減には「世帯主と20歳以上の加入者全員」の所得申告が必要です。収入のない方、遺族年金・障害年金のみの方も申告してください。
徴収猶予は国保年金課のみで受付。船橋駅前総合窓口センター(フェイスビル5階6番窓口)や各出張所・連絡所では手続きできません。
介護保険適用除外施設に入退所したときは必ず届出を。届け出れば入所期間中の介護分保険料が不要になります。
市役所職員の名をかたった不審電話が多発しています。市がATMの操作を求めることはありません。
令和8年度の納入通知書は令和8年6月17日に発送されました。届いたら必ず開封して内容を確認してください。
8. よくある質問(船橋市の国保)
Q1. 令和8年度から保険料が上がりました。いくら増えましたか?
A. 船橋市の見込みは「被保険者1人当たり平均年間約9,500円の増額」(子ども・子育て分を除く)です。子ども・子育て分(1人当たり平均年間約4,000円)を加えると、合わせて約13,500円になります。
料率の変化はこうです。
医療分:所得割6.67%→7.05%(+0.38%)、均等割35,100円→39,300円(+4,200円)
後期高齢者支援金等賦課分:所得割2.69%→2.74%(+0.05%)、均等割10,700円→12,700円(+2,000円)
介護納付金賦課分:所得割1.49%→1.88%(+0.39%)、均等割11,500円→13,900円(+2,400円)
子ども・子育て支援納付金賦課分:所得割0.27%・均等割1,800円が新規
合計で見ると、所得割は10.85%→11.94%(+1.09ポイント)、均等割は57,300円→67,700円(+10,400円)(いずれも40〜64歳)です。
賦課限度額も医療分が66万円→67万円、子ども分3万円が新設され、合計109万円→113万円になりました。
ただし市は例外にも触れています。「ケースCのように、令和7年度より保険料が低くなっているケースがありますが、国の税制改正における所得税の給与所得控除の見直しの影響によるものです」。給与所得控除が拡大したことで所得が下がり、料率が上がっても保険料が下がる世帯があるということです。給与収入の方はご自身の通知書で確認してください。
Q2. なぜ保険料を上げるのですか?
A. 国保財政の赤字を市税から補填している状態が続いており、その解消を国・県から求められているためです。船橋市は金額まで公表しています。
市の説明を順に見ていきます。
①赤字が続いている。「船橋市の国民健康保険財政は、支出に対して収入が不足する状況が続いており、その赤字部分は市税等で補填している状況です」
②赤字繰入は市民1人当たり約2,600円。「令和6年度は、市民一人当たり約2,600円の負担となっています」。国保に加入していない市民も負担しているという構図です。
③国・県が解消を求める理由は2つ。「保険給付を受ける人が保険料を負担するという仕組みが不明瞭となること」「国民健康保険の被保険者以外の市民にも費用負担を求めること」
④千葉県は令和12年度までに解消することを目標。船橋市は「保険料の急激な負担増が起こらないよう、原則として2年ごとに保険料率を見直しています」。次の改定は令和10年度が目安です。
背景には平成30年度の国保広域化があります。市の説明では、県が財政運営の責任主体となり、市町村は県から示される標準保険料率に見合った保険料率を設定して、事業費納付金を県に納める仕組みになりました。
さらに市は「千葉県において安定的な国保運営が行えるように、都道府県ごとの保険料水準統一の検討(都道府県内で同じ所得水準、同じ世帯構成であれば同じ保険料となること)が進められています」としています。大阪府や奈良県ではすでに統一済みで、千葉県も将来的に同じ方向へ進む可能性があります。
Q3. 夫婦で所得があります。基礎控除43万円は2人分引けますか?
A. 引けます。船橋市は加入者ごとに43万円を引いてから合算します。市の計算例で確認できます。
市の計算例1は45歳の世帯主(給与収入480万円=所得340万円)、38歳の妻(給与収入130万円=所得65万円)、13歳と10歳の子の4人世帯です。
医療分の所得割の式はこうなっています。
「((340万円-43万円)×7.05%)+((65万円-43万円)×7.05%)=224,895円」
世帯主から43万円、妻からも43万円を引いてから、それぞれに料率をかけて合算しています。
もし世帯合計405万円から43万円を1回だけ引く方式なら、賦課基準額は362万円。実際は297万+22万=319万円なので、43万円分の差が生じます。所得割11.94%なら年約5.1万円の違いです。
所得が43万円に満たない方はマイナスにはなりません。妻の所得が30万円だった場合、30万-43万=マイナス13万円ではなく0円として扱われます。マイナス分を配偶者の所得から引くことはできません。
一方で均等割は人数分かかります。計算例1では医療分の均等割が39,300円×4人=157,200円。船橋市には平等割がないので、加入者が増えるほど均等割が素直に積み上がります。
この世帯の年間保険料は602,230円です。
Q4. 高所得です。保険料の上限はいくらですか?
A. 合計113万円ですが、区分ごとに判定されるため、実際にはそれより多くなることがあります。船橋市の計算例2がそのケースです。
市の計算例2は60歳の世帯主(給与収入1,150万円=所得955万円)、65歳の妻(年金収入70万円=所得0円)の2人世帯です。
医療分:642,960円+78,600円=721,560円 → 限度額67万円を超えるので670,000円
後期高齢者支援金分:249,888円+25,400円=275,280円 → 限度額26万円を超えるので260,000円
介護分:171,456円+13,900円=185,350円 → 限度額17万円を超えるので170,000円
子ども・子育て支援分:24,624円+3,600円=28,220円(限度額3万円以内なのでそのまま)
年間保険料は1,128,220円。3つの区分が限度額に達し、子ども分だけが限度額未満という状態です。
限度額の合計113万円ちょうどになるのは、4区分すべてが限度額に達した場合だけです。この例のように子ども分が限度額に届かないケースでは、合計はそれより少なくなります。
逆にいえば、所得がこれ以上増えても医療分・後期高齢者支援金分・介護分は増えません。増えるのは子ども分(所得割0.27%)だけで、それも3万円が上限です。
65歳の妻には介護分がかかりません(介護保険第1号被保険者として個人ごとに介護保険料を納めます)が、医療分・後期高齢者支援金分・子ども分の均等割は2人分かかっています。
Q5. 収入がありません。申告しないと軽減されませんか?
A. されません。しかも船橋市は「世帯主と20歳以上の加入者全員」の申告を求めています。
市の説明はこうです。「世帯主と加入者全員の前年中の総所得金額等が軽減判定基準額を下回る世帯について、世帯主と20歳以上の加入者全員(所得のない人を含む)が所得申告していないと軽減が受けられませんので、収入の無かった人や遺族・障害年金のみを受給している人も所得の申告をしてください」。
押さえるべき点が3つあります。
①「20歳以上の加入者全員」。大学生の子どもや、収入のない配偶者も含まれます。1人でも未申告なら世帯全体の軽減が受けられません。
②「所得のない人を含む」。収入ゼロでも「ゼロである」という申告が必要です。
③「遺族・障害年金のみを受給している人」も対象。これらは非課税所得なので保険料の算定には入りませんが、申告そのものは必要です。
船橋市の均等割は1人67,700円(40〜64歳・18歳以上)。2人世帯で7割軽減を逃すと年約9.5万円の差になります。申告一つでこれだけ変わります。
さらに市は「保険料や70歳以上の人の医療機関等における医療費の一部負担割合などは、前年の所得金額に応じて決まります」とも書いています。未申告は保険料だけでなく、70歳以上の窓口負担割合にも影響します。
軽減の判定日は4月1日(年度途中の新規加入は資格取得日)です。税の申告期間内(通常は3月15日まで)に済ませておいてください。
Q6. 失業して保険料が払えません。減免以外に方法はありますか?
A. 船橋市には「徴収猶予」という制度があります。納付を6か月まで先送りできます。
徴収猶予は保険料を減らす制度ではなく、納付を待ってもらう制度です。市は次の場合に適用されるとしています。
①納付義務者がその資産について、震災、風水害、落雷、火災若しくはこれに類する災害を受け、またはその資産を盗まれたとき
②納付義務者がその事業又は業務を廃止し、又は休止したとき
③納付義務者がその事業又は業務について、甚大な損害を受けたとき
④上記に類する理由があったとき
猶予される期間は6か月が限度。ただし「急患等として保険医療機関又は保険薬局を受診した被保険者に係る保険料の納付については、資力の活用が可能となるまでの期間として1年」まで延びます。
申請は国保年金課のみです。市は「船橋駅前総合窓口センター(フェイスビル5階6番窓口)、各出張所、連絡所等では手続きできません」と明記しています。
「添付書類は、徴収猶予を受けようとする理由等により異なります。また、担保の提供が必要な場合もありますので、事前にご相談ください」とのことなので、いきなり窓口へ行くより先に電話で相談するのが確実です。
このほか船橋市には非自発的失業者の軽減(会社都合退職なら給与所得を100分の30に)、各種減免、一部負担金の減免(医療機関の窓口負担が困難なとき)があります。
市も「やむを得ない事情により、保険料の納付が困難な場合には、お早めにご相談ください」と呼びかけています。滞納してからより、納期限前に相談したほうが選択肢が多く残ります。
Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得世帯に対する軽減
(申請不要/要・所得申告)・未就学児の均等割軽減
(申請不要)・18歳未満の子ども・子育て支援分の均等割
(申請不要)・非自発的失業者の軽減
(要申請)・産前産後期間の軽減
(要届出)・徴収猶予
(要申請)・一部負担金の減免
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に船橋市 国保年金課で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|船橋市の国保で押さえるべきポイント
- 船橋市は2方式(所得割+均等割)。令和8年度の料率は医療分7.05%・後期支援分2.74%・介護分1.88%・子ども分0.27%
- 均等割は医療分39,300円・後期支援12,700円・介護13,900円・子ども1,800円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 令和8年度は全区分で引き上げ。市の見込みは1人当たり平均年間約9,500円の増(子ども分を除く)+子ども分約4,000円
- 市は改定の背景を率直に公開。赤字繰入は市民1人当たり約2,600円、千葉県は令和12年度までの解消が目標、船橋市は原則2年ごとに見直し
- 介護分の所得割1.88%は全国的にかなり低い水準。一方で平等割がなく均等割67,700円が高め
- 基礎控除43万円は加入者ごとに引ける。市の計算例でも世帯主と妻それぞれから43万円を引いてから合算している
- 軽減には「世帯主と20歳以上の加入者全員」の所得申告が必要。収入なし・遺族年金のみの方も申告を
- 「徴収猶予」制度がある(6か月、急患等の受診分は1年)。国保年金課でのみ受付で、駅前窓口や出張所では手続きできない
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年24万4千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は船橋市 国保年金課
出典・参考:
・船橋市公式:国民健康保険料の計算方法(令和8年度料率・計算例)
・船橋市公式:令和8年度の国民健康保険料の保険料率改定について
・船橋市公式:国民健康保険料
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は船橋市公式サイトでご確認ください。