
世田谷区の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
世田谷区は人口約94万人、東京23区で最大の人口を抱える区です。令和8年度(2026年度)から保険料の中身が変わりました——「子ども・子育て支援金分」が新設され、賦課限度額も109万円から113万円へ引き上げ。前年度の感覚のままだと計算が合いません。
この記事では、令和8年度の最新料率にもとづく世田谷区の国保料の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、国保・年金課と5総合支所の窓口情報までまとめました。
1. 世田谷区の国民健康保険の概要
世田谷区の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、学生、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
東京23区(特別区)は2方式(所得割+均等割)。世帯単位でかかる平等割はありません。料率は23区共通基準にもとづいて各区が決定しており、世田谷区は23区標準の料率を採用しています。つまりこの記事の料率は、隣の目黒区・杉並区・渋谷区などとおおむね同じです。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイド、令和8年度の改正内容は2026年度の国保料はこう変わるをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|
| 基礎分(医療分) | 7.51% | 47,600円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.80% | 17,600円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.43% | 17,800円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分(令和8年度新設) | 0.27% | 1,873円 (18歳到達年度末までは全額軽減) | 30,000円 |
所得割の計算ベースは「旧ただし書方式」による基準総所得金額(前年の総所得金額等 - 基礎控除43万円)。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
令和7年度から何が変わった?
| 区分 | 令和7年度 | 令和8年度 |
|---|---|---|
| 基礎分 所得割/均等割 | 7.71%/47,300円 | 7.51%/47,600円 |
| 支援金分 所得割/均等割 | 2.69%/16,800円 | 2.80%/17,600円 |
| 介護分 所得割/均等割 | 2.25%/16,600円 | 2.43%/17,800円 |
| 子ども・子育て支援金分 | なし | 0.27%/1,873円(新設) |
| 賦課限度額(世帯合計) | 1,090,000円 | 1,130,000円 |
基礎分の所得割率だけは下がっていますが、支援金分・介護分が上がり、さらに子ども分が丸ごと足された結果、多くの世帯で負担は増えています。単身・給与所得202万円のモデルで見ると年281,835円 → 291,732円(+約9,900円)。「去年と同じ働き方なのに上がった」と感じるのは気のせいではありません。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 基礎分: 所得割 193,007円 + 均等割 166,600円(47,600×4人、未就学児1人が5割軽減で -23,800円)⇒ 359,607円
- 後期支援金分: 所得割 71,960円 + 均等割 61,600円 ⇒ 133,560円
- 介護分(40〜64歳は夫婦2人): 所得割 62,451円 + 均等割 35,600円 ⇒ 98,051円
- 子ども・子育て支援金分: 所得割 6,939円 + 均等割 3,746円(18歳以上の2人分。子ども2人は全額軽減)⇒ 10,685円
合計: 年間 約601,903円(月あたり約50,000円)
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 基礎分: 119,409円 + 47,600円 = 167,009円
- 後期支援金分: 44,520円 + 17,600円 = 62,120円
- 介護分: 38,637円 + 17,800円 = 56,437円
- 子ども・子育て支援金分: 4,293円 + 1,873円 = 6,166円
合計: 年間 約291,732円(月あたり約24,300円)
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 基礎分 222,583円 / 後期支援金分 82,840円 / 介護分 74,419円 / 子ども分 8,164円 ⇒ 合計 約388,006円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割の2割軽減もあわせて適用(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 基礎分 67,970円 / 後期支援金分 25,224円 / 介護分 23,911円 / 子ども分 2,573円 ⇒ 合計 約119,678円
差額は年間およそ26万8,000円。届出書1枚でこれだけ違います。区が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方はこの記事を読んだその足で窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は世田谷区公式の保険料試算・早見表でご確認ください。社保・任意継続との比較は国民健康保険と社会保険どっちが得?、任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 基礎分 670,000円 / 後期支援金分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年1,130,000円(令和7年度は1,090,000円)
世田谷区は高所得のフリーランス・経営者も多い区です。上限に張り付いたときの選択肢は起業・フリーランスの国民健康保険で詳しく扱っています。
4. 世田谷区の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。全体像は軽減・減額・減免・免除の完全ガイドもどうぞ。
4-1. 低所得世帯の均等割軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれ(無職の人の国民健康保険)。学生の方も同様です(学生アルバイトと国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の基礎分・支援金分の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満全額軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、18歳に達する日以降の最初の3月31日までの方は均等割が全額軽減されます。子ども本人の負担は実質ゼロ。申請不要です。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 国保・年金課 資格賦課係(03-5432-2331)または最寄りの総合支所
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度、出産育児一時金50万円もあわせて確認を。
4-6. 災害・所得減少などによる減免|要申請
災害で財産に大きな損害を受けたとき、失業や事業の休廃止で所得が著しく減少したとき、申請により保険料が減免される場合があります。非自発的失業の軽減に当てはまらない自己都合退職の方でも、こちらの減免なら相談の余地があります。ここは諦めずに窓口へ。判断材料は保険料が高い・払えないときのガイド、国民健康保険料を下げる方法を。
4-7. 旧被扶養者減免|要申請
被用者保険の本人が後期高齢者医療制度へ移行し、それまで被扶養者だった65歳以上の方が国保に加入する場合、所得割は当面免除、均等割は資格取得から2年間半額になります。申請が必要です。
4-8. 一部負担金の減免・徴収猶予|要申請
災害・失業などで生活が著しく困難になったときは、医療機関の窓口で払う自己負担そのものの減免・猶予を受けられる場合があります。保険料の減免とは別制度なので、両方相談してみてください。
4-9. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い——これは本当です。分割納付や徴収猶予の相談を(払えない・滞納したときの対処法、滞納したらどうなる?)。
5. 納付方法
- 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
- スマホ決済(請求書払い)
- コンビニ納付
- クレジットカード払い
- 納付書による金融機関窓口払い
- 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)
支払い方法の選び方は国民健康保険料の支払い方法を完全ガイドで比較しています。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退届の出し忘れは本当に多いです。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は脱退手続き完全ガイド、学生から社会人になる方は学生・新社会人のための国保ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを。なおさかのぼっての脱退は可能で、郵送での提出も受け付けています。
7. 世田谷区の国保窓口一覧
7-1. 世田谷区役所 国保・年金課(本庁)
| 担当 | 電話番号 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 管理係 | 03-5432-2328 | 制度全般、刊行物 |
| 資格賦課係 | 03-5432-2331 | 加入・脱退、保険料の計算、軽減・減免 |
| 保険給付係 | 03-5432-2349 | 高額療養費、出産育児一時金、葬祭費 |
| 後期高齢者医療担当 | 03-5432-2390 | 75歳以上の医療保険 |
| 特定健診係 | 03-5432-2936 | 特定健康診査・特定保健指導 |
| 国民年金係 | 03-5432-2356 | 国民年金の届出・免除 |
- 所在地: 〒154-8504 東京都世田谷区世田谷4-21-27 世田谷区役所
- 受付時間: 月〜金 8時30分〜17時(祝日・年末年始を除く)
- 区代表電話: 03-5432-1111 / FAX(国保・年金課): 03-5432-3038
用件別に直通番号が分かれているので、「保険料が高い・減免したい」なら資格賦課係(03-5432-2331)、「医療費が高額になった」なら保険給付係(03-5432-2349)と、最初から正しい係にかけると早いです。
7-2. 5つの総合支所でも手続きできます
本庁まで行かなくても、5つの総合支所で加入・脱退・住所変更などの手続きができます。世田谷区は面積が広いので、最寄りの支所を使うほうがずっとラクです。
| 総合支所 | 所在地 |
|---|---|
| 世田谷総合支所 | 世田谷区世田谷4-21-27(区役所本庁舎) |
| 北沢総合支所 | 世田谷区北沢2-8-18 |
| 玉川総合支所 | 世田谷区等々力3-4-1 |
| 砧総合支所 | 世田谷区成城6-2-1 |
| 烏山総合支所 | 世田谷区南烏山6-22-19 |
各総合支所の保険年金係への電話は、区代表(03-5432-1111)経由で案内されます。
8. よくある質問(世田谷区の国保)
Q1. 令和8年度から保険料はどう変わりましたか?
A. 「子ども・子育て支援金分」が新設(所得割0.27%・均等割1,873円)され、支援金分と介護分の料率も上がりました。基礎分の所得割率だけは7.71%→7.51%に下がっていますが、トータルでは負担増です。単身・給与所得202万円のモデルで年約9,900円の増。賦課限度額も109万円→113万円に引き上げられました。
Q2. 会社都合で退職しました。保険料は安くなりますか?
A. 大きく安くなる可能性があります。雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者(離職時65歳未満)なら、前年の給与所得を100分の30として計算。本記事の計算例3では年約39万円が約12万円になりました。ただし届出が必要です。資格賦課係(03-5432-2331)または最寄りの総合支所へ。
Q3. 本庁まで遠いのですが、近くの総合支所でも手続きできますか?
A. できます。世田谷・北沢・玉川・砧・烏山の5総合支所で加入・脱退・住所変更などの基本手続きが可能です。お住まいに最も近い支所をご利用ください。
Q4. 就職して脱退届を忘れていました。さかのぼって脱退できますか?
A. できます。社保の加入日にさかのぼって脱退できます。新しい健康保険の資格確認書を持って資格賦課係(03-5432-2331)または最寄りの総合支所へ。郵送での提出も可能です。二重に払った分は還付されます。
Q5. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の均等割軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分全額軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、災害・所得減少減免、旧被扶養者減免、一部負担金の減免・猶予です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q6. 隣の区に引っ越したら保険料は変わりますか?
A. 23区内であれば、料率は共通基準にもとづくため大きくは変わりません。ただし国保は市区町村ごとの制度なので、転出・転入それぞれの手続きが必要です。23区外へ出る場合は料率が変わります。手続きの流れは引っ越したときの手続き完全ガイドを。
9. まとめ|世田谷区の国保で押さえるべきポイント
- 世田谷区は23区共通の2方式(所得割+均等割)、平等割なし。令和8年度は基礎分7.51%・支援金分2.80%・介護分2.43%・子ども分0.27%
- 令和8年度から子ども・子育て支援金分が新設。賦課限度額も109万円→113万円に。前年度の感覚だと計算が合いません
- 均等割は基礎47,600円・支援17,600円・介護17,800円・子ども1,873円
- 18歳未満は子ども分の均等割が全額軽減、未就学児は基礎・支援分の均等割が5割軽減(いずれも申請不要)
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年26万円以上変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は国保・年金課 資格賦課係(03-5432-2331)、または世田谷・北沢・玉川・砧・烏山の5総合支所
出典・参考:
・世田谷区公式:保険料の計算方法
・世田谷区公式:世田谷区国民健康保険料の試算
・世田谷区公式:国民健康保険料納入通知書
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は世田谷区公式サイトでご確認ください。