鹿児島県 南九州市の国民健康保険|保険料・減免・申請窓口まとめ

南九州市の国民健康保険|令和8年度の保険税・減免・申請窓口を完全ガイド

南九州市は、2007年12月1日に頴娃町・知覧町・川辺町の3町が合併して誕生した鹿児島県薩摩半島南部の市です。人口は約3万人。知覧茶に代表される茶園、サツマイモや畜産といった農業が地域の土台で、旧知覧町には特攻平和会館があり、国内外から人が訪れます。市役所本庁は旧知覧町(〒897-0392 知覧町郡17327番地)に置かれ、川辺・頴娃には支所があります。
国保の加入者には、農業・茶業などの個人事業主とその従業員、退職して職場の健康保険をやめた人、パート・アルバイトで社保に入れない人が多く含まれます。市の国保案内も、加入者の例として「農業や営業など個人事業主とその従業員」を最初に挙げています。
この記事でまず伝えたいのは、令和8年度の南九州市の国保税は、子ども・子育て支援金分が新しく加わり、医療分の限度額が上がり、軽減判定の所得基準も引き上げられたという3点です。市の「令和8年度国民健康保険税の変更点について」(2026年4月1日公開)が、この3つを変更点として並べています。
令和8年度の料率は、医療分が所得割8.63%・均等割30,900円・平等割23,300円、後期高齢者支援金分が2.80%・9,600円・7,800円、介護分が2.35%・11,700円・5,900円、子ども分が0.29%・1,400円・800円です。所得割の合計は14.07%(40〜64歳)、40歳未満は11.72%。均等割の合計は1人53,600円(40〜64歳)、平等割の合計は1世帯37,800円、賦課限度額は合計113万円です。
同じ鹿児島県の霧島市(所得割16.28%・均等割37,150円)や日置市(所得割12.90%・均等割56,080円)と並べると、南九州市は所得割が霧島市より低く日置市より高い、均等割は霧島市より高く日置市より低い中間型です。
もう1つ、令和8年度から普通徴収の納付回数が10回から8回に変わりました。5月・6月の仮賦課がなくなり、7月に年間の保険税が確定してから7月〜翌年2月の8回で納める方式です。決定通知書も年1回になりました。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく南九州市の国保税の計算方法、軽減・減免の条件、納付の流れ、人間ドック等の補助金、窓口情報までまとめました。

1. 南九州市の国民健康保険の概要

南九州市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。

南九州市の保険税は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。

南九州市の国保は「保険税」ではなく「保険税」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。市のページに資産割の記載はありません。
4区分すべてに平等割があります。医療分23,300円+後期高齢者支援金分7,800円+介護分5,900円+子ども・子育て支援金分800円=1世帯あたり年37,800円(介護分は40〜64歳の被保険者がいる世帯のみ)。
令和8年度の合計は所得割14.07%・均等割53,600円・平等割37,800円・限度額113万円(40〜64歳・18歳以上の場合)。
所得割の対象は「前年中の総所得金額-43万円(1人当たりの基礎控除額)」で、市は課税標準額をこの式で示しています。
納税義務者は世帯主です。世帯主が国保に入っていなくても、世帯内に国保の被保険者がいれば世帯主が納税義務者(擬制世帯主)になり、納税通知書は世帯主あてに届きます。
加入の届出は異動から14日以内。市は「加入の届出を忘れていたり、遅れたりした場合でも、国保は異動日からの加入になりますので、国保税が遡って請求されます」とし、脱退の届出が遅れると、資格のない期間に資格確認書等で受診した医療費は後日返還になると明記しています。

国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。

2. 保険税の計算方法|令和8年度の料率

令和8年度 南九州市国民健康保険税 料率
区分所得割率均等割(1人年額)平等割(1世帯年額)賦課限度額
医療分(基礎課税額)8.63%30,900円23,300円670,000円
後期高齢者支援金分2.80%9,600円7,800円260,000円
介護分(40〜64歳)2.35%11,700円5,900円170,000円
子ども・子育て支援金分0.29%1,400円
(子ども分の均等割は18歳以上の被保険者が1人1,400円で、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの被保険者は全額軽減されます。市の表記は「18歳未満の被保険者:全額軽減」です)
800円30,000円
  • 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
  • 40歳未満は医療分(基礎課税額)・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
  • 子ども分の均等割は18歳以上の被保険者が1人1,400円で、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの被保険者は全額軽減されます。市の表記は「18歳未満の被保険者:全額軽減」です。申請は不要です。
  • 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。

令和8年度の税率は、医療分・支援金分・介護分・子ども分の4区分で、市は「国保税は前年中の所得に対して課税され、医療分・支援金分・介護分(40歳以上65歳未満の人)・子ども分の合計で算出されます」と説明しています。

所得割の合計は14.07%(医療8.63+後期高齢者支援金2.80+介護2.35+子ども0.29/40〜64歳)。40歳未満なら11.72%、65歳以上なら介護分がかからないので11.72%です。

均等割の合計は1人53,600円(医療30,900+支援金9,600+介護11,700+子ども1,400/40〜64歳・18歳以上)。18〜39歳と65歳以上は41,900円、18歳未満は40,500円(子ども分1,400円が全額軽減されるため)です。

平等割の合計は1世帯あたり年37,800円(介護分を含む場合)。介護分のない世帯(40〜64歳がいない世帯)は31,900円です。単身世帯でも、この平等割が所得にかかわらず必ずのってきます。

賦課限度額は医療分66万円→67万円(市の変更点ページ)。支援金分26万円・介護分17万円・子ども分3万円と合わせて合計113万円です。

年金生活の65歳単身世帯の例(本記事の試算):公的年金収入180万円(年金所得70万円)の場合、所得割の対象は70万円-43万円=27万円。軽減判定は年金所得から15万円を引いた55万円で、5割軽減(43万円+31万円=74万円以下)に当たります。医療分約50,400円+支援金分約16,300円+子ども分約1,900円=年約68,500円(介護分は65歳以上のため国保税にはかかりません。介護保険料は別に納めます)。所得が同じでも、軽減の有無で年間の負担が数万円変わるのがこの制度の特徴です。

鹿児島県内の近隣市と比べる視点:均等割と平等割(定額部分)が重い設計の市では、所得の少ない世帯ほど軽減(7割・5割・2割)の恩恵が大きくなります。南九州市の定額部分は1人あたり53,600円+1世帯37,800円で、7割軽減なら均等割が16,080円・平等割が11,340円まで下がる計算です。軽減判定のために世帯全員の住民税申告が欠かせない理由がここにあります。

令和8年度の変更点(市公表)——子ども分の新設・軽減基準の引き上げ・医療分の限度額

市は令和8年度から税率等が変わったとして、3つの変更点を公表しています(市の「令和8年度国民健康保険税の変更点について」2026年4月1日)。令和7年度の税率は市のページには残っていないため、ここでは市が自ら変更と明記した項目だけを並べます。

南九州市 令和8年度国民健康保険税の変更点(市公表)
変更点改正前改正後(令和8年度)
子ども・子育て支援金分なし新設:所得割0.29%、均等割1,400円(18歳以上)、平等割800円、限度額3万円。18歳に達する日以降最初の3月31日までの加入者は全額軽減
5割軽減の判定基準被保険者1人あたり30.5万円31万円(43万円+10万円×(給与所得者等の人数-1)+31万円×被保険者数)
2割軽減の判定基準被保険者1人あたり56万円57万円(43万円+10万円×(給与所得者等の人数-1)+57万円×被保険者数)
医療分の賦課限度額66万円67万円(医療分のみ引き上げ)
普通徴収の納付回数10回(5月・6月は仮賦課)8回(7月〜翌年2月)、仮賦課を廃止

軽減判定の所得基準が上がったのは見逃せません。被保険者4人の世帯なら、2割軽減の上限は43万円+56万円×4=267万円から、43万円+57万円×4=271万円へ、4万円分広がります。令和7年度には2割軽減の外だった世帯が、令和8年度は入ることがあります。

【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円

所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円

  • 医療分: 所得割 221,791円 + 均等割 108,150円 + 平等割 23,300円 ⇒ 353,241円
  • 後期支援分: 所得割 71,960円 + 均等割 33,600円 + 平等割 7,800円 ⇒ 113,360円
  • 介護分: 所得割 60,395円 + 均等割 23,400円 + 平等割 5,900円 ⇒ 89,695円
  • 子ども分: 所得割 7,453円 + 均等割 2,800円 + 平等割 800円 ⇒ 11,053円

合計: 年間 約567,349円(月あたり約47,300円)

この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。

【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)

基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円

  • 医療分: 所得割 137,217円 + 均等割 30,900円 + 平等割 23,300円 ⇒ 191,417円
  • 後期支援分: 所得割 44,520円 + 均等割 9,600円 + 平等割 7,800円 ⇒ 61,920円
  • 介護分: 所得割 37,365円 + 均等割 11,700円 + 平等割 5,900円 ⇒ 54,965円
  • 子ども分: 所得割 4,611円 + 均等割 1,400円 + 平等割 800円 ⇒ 6,811円

合計: 年間 約315,113円(月あたり約26,300円)

単身世帯でも平等割が合計で年37,800円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。

【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円

ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。

軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)

  • 医療分 255,279円 / 後期支援分 82,640円 / 介護分 72,355円 / 子ども分 8,957円 ⇒ 合計 約419,231円

非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)

  • 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
  • 医療分 77,707円 / 後期支援分 25,064円 / 介護分 23,433円 / 子ども分 2,914円 ⇒ 合計 約129,119円

差額は年間およそ29万円。届出書1枚でこれだけ違います。南九州市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。

(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は南九州市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。

3. 賦課限度額(保険税の上限)

  • 医療分(基礎課税額) 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
  • 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)

所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。

4. 南九州市の軽減・減免制度

制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。

4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用

令和8年度 軽減判定の所得基準
軽減率世帯の総所得金額等が以下の額以下
7割軽減43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
5割軽減43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
2割軽減43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)

軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険税が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。

4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用

未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。

4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用

令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども分の均等割は18歳以上の被保険者が1人1,400円で、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの被保険者は全額軽減されます。市の表記は「18歳未満の被保険者:全額軽減」です。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。

4-4. 非自発的失業者の保険税軽減|要申請

倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。

  • 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
  • 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
  • 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
  • 届出先: 南九州市 税務課 市民税係(0993-83-4546)
  • 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です

対象は、平成21年3月31日以降に倒産・解雇・雇い止めなどの非自発的な事由で離職し、離職日時点で65歳未満の雇用保険受給者で、ハローワークの雇用保険受給資格者証の離職理由コードが「11・12・21・22・31・32・23・33・34」のいずれかの人です。
軽減の期間は「離職日の翌日の属する月から、翌年度末まで」。前年の給与所得を100分の30として国保税を算定します。
届出が必要です。市は「この軽減を受けるには、届出が必要になります」とし、本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)・雇用保険受給資格者証・国民健康保険税軽減申告書(非自発的失業者用)を求めています。申告書は市のページからダウンロードでき、電子申請にも対応しています(世帯主の本人確認書類と離職者の受給資格者証を用意)。
自己都合退職や定年退職はこの軽減の対象外です。ただし所得が大きく減る場合は、後述の所得激減による減免に当たることがあります。ご相談は税務課市民税係(0993-83-4546)へ。

書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。

4-5. 産前産後期間の保険税軽減|要届出

出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。

4-6. 南九州市の減免制度|要申請

南九州市の低所得軽減(7割・5割・2割)、未就学児の均等割軽減、子ども分の18歳未満の全額軽減は申請不要です(市は「減額制度について(申請不要)」と明記。ただし住民税の申告が前提で、市は「住民税申告(確定申告)が未申告の場合は、減額されません」としています)。非自発的失業者の軽減、産前産後の軽減、条例にもとづく減免は届出・申請が必要です。効き目の大きいものほど届出制なので、心当たりがあれば窓口へ。

南九州市 国民健康保険税の減免
種類主な要件減免内容・手続き
低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)
(申請不要/要・住民税申告)
世帯主・被保険者・特定同一世帯所属者の前年中の合計総所得金額が、①43万円+10万円×(年金・給与所得者の人数-1)以下=7割、②①に31万円×(被保険者数+特定同一世帯所属者数)を加えた額以下=5割、③①に57万円×(被保険者数+特定同一世帯所属者数)を加えた額以下=2割均等割と平等割を減額。65歳以上の年金所得者は年金所得から15万円を控除、専従者給与は事業所得から差し引く前の金額で計算します
未就学児の均等割の減額
(申請不要)
小学校入学前の児童令和4年度から均等割の半額(軽減対象者は軽減後の半額)を減額。低所得軽減との併用ができます
子ども分の均等割 全額軽減
(申請不要)
18歳に達する日以降最初の3月31日までの加入者子ども・子育て支援金分の均等割(1,400円)が全額軽減されます
非自発的失業者の保険税軽減
(要届出)
離職日時点で65歳未満、離職理由コード11・12・21・22・23・31・32・33・34の雇用保険受給者(平成21年3月31日以降の離職)前年の給与所得を100分の30として算定。離職日の翌日の属する月から翌年度末まで。本人確認書類・雇用保険受給資格者証・軽減申告書が必要
産前産後期間の軽減
(要届出)
国保の被保険者が出産する(した)場合出産予定月の前月から翌々月までの4か月間(多胎は3か月前から6か月間)の均等割額と所得割額を軽減。出産予定日の6か月前から届出でき、出産後の届出も可能です。母子健康手帳などが必要
災害による減免
(要申請)
火災などの災害により、自宅や家財などに損害を受けた場合申請により減免を受けられる場合があります。要件や生活状況にもとづいて判断されます。税務課市民税係へ
所得激減による減免
(要申請)
被保険者で構成する同一世帯の前年中の合計所得が400万円以下で、廃業・休業・失業(自己都合を除く)・疾病・けがなどにより所得が皆無または激減し、前年に対して10分の5以下に減少すると見込まれる場合保険税の減免。見込みで判断するため、所得が下がりそうだと分かった時点で早めに相談を
旧被扶養者の減免
(要申請)
65歳以上で被用者保険の被扶養者だった人が、被保険者本人が後期高齢者医療制度に移行することで、新たに国保に加入する場合保険税の減免を受けられる場合があります。会社員の夫が75歳になり、妻が国保に移るケースが典型です。減免の内容は窓口で確認を

早見表で軽減ラインを確認しておくと、自分の世帯がどこに当たるかすぐ分かります。給与所得者等が1人の世帯の場合の令和8年度の基準を、市の算式にあてはめて計算すると次のとおりです。

軽減判定の所得基準の早見表(給与所得者等が1人の世帯・令和8年度)
被保険者数7割軽減5割軽減2割軽減
1人43万円以下74万円以下100万円以下
2人43万円以下105万円以下157万円以下
3人43万円以下136万円以下214万円以下
4人43万円以下167万円以下271万円以下

「給与所得者等」の定義は市の変更点ページが示しています。給与収入55万円超の人、公的年金収入が65歳未満なら60万円超、65歳以上なら125万円超の人です。特定同一世帯所属者とは、国保から後期高齢者医療制度へ移った人のうち、移ったあとも同じ世帯にいる人で、軽減判定の人数と所得に含まれます。
農家や自営業の世帯は特に注意が必要です。軽減の判定は収入ではなく所得で行うため、売上が多くても経費と控除で所得が小さければ軽減に入ることがあります。逆に確定申告をしていないと、軽減が一切かからない点は市も強調しています。
減免は「見込み」で判断される制度です。市は減免の対象を「要件や生活状況に基づき、減免が必要と認められる場合」としており、一律の基準で自動的に決まる制度ではありません。払えない見通しが立った時点で、納期限を待たずに相談してください。

保険税が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。

4-7. 払えないときは滞納する前に相談

滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。

5. 納付方法

  • 普通徴収(納付書払い)(市から送付される納付書で納める)
  • 口座振替(口座のある金融機関に通帳と登録印鑑を持参して届出。毎月指定口座から引き落とし)
  • 年金からの特別徴収(年金天引き)(届出は不要)

令和8年度から普通徴収は年8回です。市は「年税額を8回(7月から翌年2月)に分けて納入」としています。これまで10回(5月・6月は前々年の所得による仮賦課)でしたが、仮賦課を廃止し、前年の所得が確定した7月の本賦課だけになりました。
変更で変わることは市の案内で3つです。①「年間保険税額=本賦課額」になり、各納期の納付額が均一になる。②決定通知書が年1回(7月)になる(所得の修正や世帯の変化があれば随時、変更通知)。③年度途中の大幅な納付額の変動と、納めすぎ(還付)がなくなる。
国保税だけでなく介護保険料と後期高齢者医療保険料も同じ8回に変わりました。
特別徴収(年金天引き)の回数は変わらず、年6回(4月・6月・8月・10月・12月・2月)です。
年度途中で納税義務が発生した場合は、税額を残りの納期で分けて納入します。
特別徴収から口座振替への変更もできます。市役所窓口で、本人確認書類・払込利用申込書の写し・国民健康保険税徴収方法変更申出書を出します。これまで口座振替を使っていなかった人は、先に金融機関で口座振替の手続きが必要です。市は「これまでの納付状況等から、口座振替への変更が認められない場合があります」としています。
具体的な納期限の日付は、7月に届く納税通知書で確認してください。払えないと分かった時点で税務課市民税係(0993-83-4546)へ。

6. 加入・脱退の手続き

6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)

状況別 加入時の必要書類
事由必要書類
会社を退職した健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
他市区町村から転入本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可)
子どもが生まれた本人確認書類、母子健康手帳
生活保護が廃止された保護廃止(停止)通知書、本人確認書類

6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)

状況別 脱退時の必要書類
事由必要書類
就職して社保に加入した新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類
他市区町村へ転出本人確認書類(転出届と同時に手続き可)
生活保護の受給開始保護決定通知書、本人確認書類
死亡本人確認書類、死亡を確認できる書類

脱退の届出を忘れると国保税の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。

7. 南九州市の国保窓口一覧

南九州市で国保の手続きをするときは、加入・脱退・給付は市民生活課 保険係、税額・軽減・減免・簡易申告は税務課 市民税係と、窓口が分かれています。市役所本庁は知覧町郡にあり、川辺支所と頴娃支所もあります。

南九州市 国保の窓口
窓口・用件連絡先・場所主な業務
市民生活課 保険係(本庁)
〒897-0392 鹿児島県南九州市知覧町郡17327番地
0993-83-4469国保の加入・脱退、資格確認書、給付(療養費・高額療養費)、限度額適用認定、人間ドック等の補助金
税務課 市民税係(本庁)0993-83-4546国保税の算定・軽減・減免の相談、非自発的失業・産前産後の軽減の届出、納付方法の変更、簡易申告書の提出
川辺支所・頴娃支所南九州市役所の代表窓口へ支所での国保手続きの可否は、来庁前に保険係へ電話で確認すると確実です

加入の届出は、世帯主が異動のあった日から14日以内に「市役所国保担当窓口」へ。国保をやめる届出が遅れると、国保の資格がない期間に受けた医療費は後日返還になります。

加入に必要なものは事由ごとに市が示しています。転入は「マイナンバーカード、転出証明書」、会社の健康保険をやめたときは「マイナンバーカード、職場の健康保険をやめた証明書」、扶養から外れたときは「被扶養者でなくなった証明書」、子どもが生まれたときは「マイナンバーカード、母子健康手帳」、生活保護をやめたときは「保護廃止決定通知書」です。

脱退のときは、職場の健康保険に入ったら、国保の資格確認書(お持ちの場合)と職場の健康保険の資格確認書または資格情報のお知らせを添えます。修学のため市外に住所を移す人は、在学証明書で届出します。

海外から転入した人は、前年の所得が分からないため、市から届く「簡易申告書」を提出する必要があります。収入がない場合も、その旨の申告が必要です。1人でも未申告の人がいると軽減割合の判定ができず、保険税が正しく算定されないおそれがあります(郵送、税務課市民税係へ提出、または電子申請)。

人間ドック等の補助金は、30歳以上で、受診日現在で南九州市国保に継続して1年以上加入し、市税等に滞納がない世帯の人が対象です。人間ドック・がんドックは25,000円以内、脳ドックは15,000円以内。受診の2週間ほど前までに、必ず事前に申請が必要で、受診後の申請は受け付けられません。同じ年度内は1種類・1回限りで、特定健診・長寿健診を受ける人は申請できません。
鹿児島厚生連病院健康管理センターまたは菊野病院で受診した場合は、受診後の手続きは不要です。がんドックは県内では厚地記念クリニックと南風病院で受けられると市は案内しています。

令和8年8月から高額療養費制度が見直され、年間の上限額が新設されました(市の給付のページ)。70歳未満で所得210万円超600万円以下の世帯は、月の上限は3回目まで「85,800円+医療費が286,000円を超えた分の1%」、多数該当は44,400円、年間上限は53万円です。住民税非課税世帯は月36,900円・多数該当24,600円・年間上限29万円。マイナ保険証を使えば、限度額適用認定証の事前申請は不要で、窓口での支払いが限度額までになります。

8. よくある質問(南九州市の国保)

Q1. 令和8年度から保険税の納め方はどう変わりましたか?
A. 普通徴収は年10回から年8回になりました。これまでは5月・6月に前々年の所得をもとにした仮の金額(仮賦課)を納め、7月に年間の確定額との差額を調整していました。令和8年度からは仮賦課をやめ、7月以降の本賦課だけ、7月から翌年2月までの8回です。
決定通知書は7月の1回だけになり、各納期の金額が均一になります。前々年より前年の所得が減った人が、仮賦課で納めすぎて還付を受ける、ということもなくなります。
年金天引き(特別徴収)の人は従来どおり年6回(4月・6月・8月・10月・12月・2月)です。国保税だけでなく、介護保険料・後期高齢者医療保険料の普通徴収も同じ8回になりました。

Q2. 令和8年度の保険税が上がる人はどんな人ですか?
A. 子ども・子育て支援金分が新設されたため、所得割(0.29%)・18歳以上の均等割(1,400円)・平等割(800円)が新たに加わりました。市の変更点ページが、変更の1番目に挙げているものです。
医療分の限度額も66万円から67万円に上がったので、所得が高く限度額に達していた世帯は負担が増えます。
一方で、軽減判定の基準が5割軽減31万円(旧30.5万円)、2割軽減57万円(旧56万円)に上がったため、ぎりぎりで軽減から外れていた世帯が軽減に入ることもあります。18歳未満の子どもの子ども分の均等割は全額軽減されます。

Q3. 自己都合で会社を辞めた場合、失業の軽減は受けられますか?
A. 非自発的失業者の軽減は対象外です。対象は、倒産・解雇・雇い止めなどで離職し、雇用保険受給資格者証の離職理由コードが11・12・21・22・23・31・32・33・34の人です。
ただし、所得が大きく減る場合は「所得激減による減免」があります。市は、「失業(自己都合を除く)」を含む事由で、所得が前年の10分の5以下に減ると見込まれる場合を挙げています。自己都合・定年退職が対象になるかは窓口で確認してください。ご相談は税務課市民税係(0993-83-4546)へ。

Q4. 農業をしています。収入が不安定でも軽減は受けられますか?
A. 軽減の判定は前年の所得で行われ、世帯全員が住民税の申告をしていることが前提です。収入ではなく所得(収入-必要経費)で判定するため、経費や控除が大きい年は、軽減の対象になることがあります。
専従者給与を払っている場合は、事業所得から差し引く前の金額で判定されます。ここは見落としやすい点です。
また、災害(火災など)で損害を受けた場合や、廃業・休業・疾病などで所得が前年の10分の5以下に減る見込みの場合は、申請による減免があります。前年の合計所得が400万円以下であることが条件です。

Q5. 会社員の夫が75歳になりました。妻の保険はどうなりますか?
A. 夫が後期高齢者医療制度に移ると、被扶養者だった妻(75歳未満)は、夫の会社の健康保険から外れ、国保に入る手続きが必要になります(14日以内の届出)。
妻が65歳以上の場合は、「旧被扶養者」の保険税の減免を受けられる可能性があります。市は「65歳以上で被用者保険の被扶養者であった人が、被保険者本人が後期高齢者医療制度に移行することにより、新たに国民健康保険に加入する場合」を減免の対象に挙げています。
国保から後期高齢者医療に移った夫は、「特定同一世帯所属者」として、世帯の軽減判定に人数と所得が含まれ続けます。

Q6. 人間ドックの補助は、誰でも受けられますか?
A. 30歳以上で、受診日現在で南九州市国保に継続して1年以上加入し、世帯に市税等の滞納がない人が対象です。市が指定する検査項目を満たし、結果を市に情報提供する必要もあります。
人間ドック・がんドックは25,000円以内、脳ドックは15,000円以内。受診の2週間ほど前までの事前申請が必須で、受診後は受け付けられません。同じ年度内は1種類・1回限り、受付人数に限りがあるため、早めの申請を。特定健診・長寿健診を受ける人は申請できません。

Q7. 加入の届出が遅れたらどうなりますか?
A. 国保税は、資格が発生した月までさかのぼって課税されます。市は「届出をした月から課税されるのではなく、国保の資格が発生した月(転入した月や他の健康保険をやめた月など)まで遡って国保税が課税されます」と明記しています。
会社を辞めたらまず14日以内に届出を。世帯主が届出義務者です。脱退の届出が遅れた場合も、資格のない期間に受けた医療費は後日返還になります。

Q8. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)
(申請不要/要・住民税申告)・未就学児の均等割の減額
(申請不要)・子ども分の均等割 全額軽減
(申請不要)・非自発的失業者の保険税軽減
(要届出)・産前産後期間の軽減
(要届出)・災害による減免
(要申請)・所得激減による減免
(要申請)・旧被扶養者の減免
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。

Q9. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に南九州市役所 市民生活課 保険係(0993-83-4469)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険税もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。

9. まとめ|南九州市の国保で押さえるべきポイント

  • 南九州市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分(基礎課税額)8.63%・後期支援分2.80%・介護分2.35%・子ども分0.29%
  • 均等割は医療分(基礎課税額)30,900円・後期支援9,600円・介護11,700円・子ども1,400円、平等割は合計で年37,800円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
  • 令和8年度は子ども・子育て支援金分(所得割0.29%・均等割1,400円・平等割800円・限度額3万円)が新設。所得割の合計は14.07%(40〜64歳)、均等割は1人53,600円、平等割は1世帯37,800円
  • 医療分の限度額は66万円→67万円。合計限度額は113万円
  • 軽減判定の基準が上がりました(5割:30万5千円→31万円、2割:56万円→57万円)。住民税の申告がないと軽減は一切かからない
  • 普通徴収は令和8年度から年10回→年8回(7月〜翌年2月)。仮賦課を廃止し、決定通知書は7月の1回。年金天引きは年6回のまま
  • 18歳未満の子どもの子ども分の均等割は全額軽減。18歳以上は1人1,400円
  • 人間ドック・がんドックは25,000円以内、脳ドックは15,000円以内を補助(30歳以上・国保に1年以上加入・滞納なし・事前申請が必須)
  • 所得激減による減免は、前年の合計所得が400万円以下で、見込み所得が前年の10分の5以下。災害減免と旧被扶養者の減免もあり、いずれも申請が必要
  • 非自発的失業の軽減は、離職日の翌日の属する月から翌年度末まで。電子申請にも対応
  • 加入の届出は14日以内。遅れると資格発生月までさかのぼって課税
  • 窓口は2つ:加入・脱退・給付は市民生活課 保険係(0993-83-4469)、税額・軽減・減免は税務課 市民税係(0993-83-4546)
  • 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年29万円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
  • 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
  • 窓口は南九州市役所 市民生活課 保険係(0993-83-4469)

出典・参考:
・南九州市公式:国民健康保険税について(令和8年度の税率・軽減・減免・失業軽減・納付)
・南九州市公式:令和8年度国民健康保険税の変更点について
・南九州市公式:令和8年度から保険税等(普通徴収)の納付回数が変わります
・南九州市公式:令和8年度から「子ども・子育て支援金制度」が始まります
・南九州市公式:国民健康保険制度の概要(加入・脱退の届出)
・南九州市公式:国民健康保険で受けられる給付(高額療養費)
・南九州市公式:人間ドック等の補助金について【国民健康保険の被保険者】
・南九州市公式:国民健康保険の簡易申告書

※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は南九州市公式サイトでご確認ください。

シェアする