山梨県 甲府市の国民健康保険|保険料・減免・申請窓口まとめ

甲府市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド

甲府市は人口約18.5万人、山梨県の県庁所在地です。
この記事では、令和8年度の最新料率にもとづく甲府市の国保料の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
甲府市の公式ページでとくに参考になるのが、軽減判定所得と所得割の算定所得の違いを4項目にわたって明記している点です。雑損失の繰越控除は軽減判定では控除できる——これを明示している自治体はほとんどありません。
もうひとつ、産前産後の免除について「届出がされない場合、本市で出産一時金の給付等の事実が確認できれば、職権で免除することはできます」という記載があります。職権免除に言及する自治体は珍しく、届出漏れへの配慮がうかがえます。

1. 甲府市の国民健康保険の概要

甲府市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。

甲府市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。

甲府市は「保険税」ではなく「保険料」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。4区分すべてに平等割があります(医療分25,500円・後期高齢者支援金分6,700円・介護分6,000円・子ども・子育て支援金分800円)。
市は「保険料は、『医療分』、『後期高齢者支援金分』、『介護分』、『子ども・子育て支援金分』の4つの区分の合計により、世帯単位で算定されます」と説明しています。
所得割額は被保険者ごとに計算して合計します。基礎控除43万円は加入者ごとに引ける方式です。
賦課限度額は区分ごとに判定されます。

国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。

2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率

令和8年度 甲府市国民健康保険料 料率
区分所得割率均等割(1人年額)平等割(1世帯年額)賦課限度額
医療分8.49%27,300円25,500円670,000円
後期高齢者支援金分2.34%9,600円6,700円260,000円
介護分(40〜64歳)2.18%9,800円6,000円170,000円
子ども・子育て支援金分0.30%1,400円
(子ども・子育て支援金分の均等割1,400円は「均等割1,300円と18歳以上均等割100円の合算額」です。市は「18歳未満の方については、均等割を全額軽減することとあわせて、当該軽減分を、18歳以上の被保険者に、18歳以上均等割としてご負担いただく仕組み」と説明しています)
800円30,000円
  • 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
  • 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
  • 子ども・子育て支援金分の均等割1,400円は「均等割1,300円と18歳以上均等割100円の合算額」です。市は「18歳未満の方については、均等割を全額軽減することとあわせて、当該軽減分を、18歳以上の被保険者に、18歳以上均等割としてご負担いただく仕組み」と説明しています。申請は不要です。
  • 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。

所得割の合計は13.31%(医療分8.49%+後期高齢者支援金分2.34%+介護分2.18%+子ども・子育て支援金分0.30%/40〜64歳)。標準的〜やや高めの水準です。

医療分の所得割8.49%は高めな一方、後期高齢者支援金分の2.34%と介護分の2.18%はいずれも全国的に低めです。医療分に負担が集中している構造といえます。

均等割の合計は1人48,100円(医療27,300+後期支援9,600+介護9,800+子ども1,400)、平等割の合計は年39,000円(25,500+6,700+6,000+800)。単身40〜64歳なら所得ゼロでも年87,100円が基本です(軽減の対象にはなります)。

医療分の平等割25,500円は全国的に高めです。4区分すべてに平等割があるので、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担が重くなります。

基礎控除額は合計所得額2,400万円以下で43万円、2,400万円超2,450万円以下で29万円、2,450万円超2,500万円以下で15万円、2,500万円超で0円と段階的に減少します。

賦課限度額は医療分67万円・後期高齢者支援金分26万円・介護分17万円・子ども・子育て支援金分3万円で、合計113万円。市は区分ごとに「合計額が○万円を超えた場合は、○万円とします」と明記しています。

令和8年度の保険料率

甲府市 令和8年度の国保料率
項目医療分後期高齢者
支援金分
介護分
(40〜64歳)
子ども・子育て
支援金分
所得割
(1人あたり)
8.49%2.34%2.18%0.30%
均等割
(1人あたり)
27,300円9,600円9,800円1,400円
(均等割1,300円+
18歳以上均等割100円)
平等割
(1世帯あたり)
25,500円6,700円6,000円800円
賦課限度額670,000円260,000円170,000円30,000円

所得割の合計13.31%/均等割の合計48,100円/平等割の合計39,000円(いずれも40〜64歳)。賦課限度額の合計は113万円です。
医療分に負担が集中しているのが甲府市の特徴です。所得割8.49%・均等割27,300円・平等割25,500円——いずれも4区分のなかで突出しています。一方で後期高齢者支援金分2.34%・介護分2.18%はいずれも全国的に低めです。

甲府市が明記している「軽減判定所得」と「所得割の所得」の4つの違い

甲府市は軽減判定所得について、「次の点で所得割額を算定する際の所得金額と取扱いが異なります」として4項目を挙げています。ここまで具体的に書き分けている自治体はほとんどありません。

甲府市 軽減判定所得と所得割算定所得の違い
項目軽減判定所得での扱い効果
65歳以上の公的年金所得15万円を控除した額で判定年金受給者に有利
事業所得者の専従者控除専従者控除前の事業所得で判定。専従者給与は軽減判定所得に含めない事業主に不利/専従者に有利
分離課税にかかる長期・短期譲渡所得特別控除前の額で判定不動産を売った年に不利
雑損失の繰越控除繰越控除後の額で判定有利(所得割では控除できないのが一般的)

4項目目の雑損失の繰越控除が注目です。多くの自治体では所得割の計算で雑損失の繰越控除を認めていません(豊中市、倉敷市、桑名市、熊本市などが明示)。ところが甲府市は軽減判定では繰越控除後の額で判定するとしています。災害や盗難で大きな損失を出した方が、翌年度以降の軽減判定で救われる仕組みです。
実務でとくに効くのは3項目目の分離譲渡所得でしょう。マイホームを3,000万円特別控除で売った翌年度は、所得割はほとんど増えないのに軽減だけが外れます。甲府市は均等割48,100円+平等割39,000円=87,100円が軽減の対象なので、7割軽減が消えると年約6.1万円の増額です。
もうひとつ、甲府市の軽減基準には珍しい注記があります。「※5 給与所得者等がいない場合は0とします」「10万円×(給与所得者等の数-1)」の部分が0になるということで、給与・年金収入のない世帯でも7割軽減の基準額は43万円のまま(マイナスにならない)という取り扱いです。

【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円

所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円

  • 医療分: 所得割 218,193円 + 均等割 95,550円 + 平等割 25,500円 ⇒ 339,243円
  • 後期支援分: 所得割 60,138円 + 均等割 33,600円 + 平等割 6,700円 ⇒ 100,438円
  • 介護分: 所得割 56,026円 + 均等割 19,600円 + 平等割 6,000円 ⇒ 81,626円
  • 子ども分: 所得割 7,710円 + 均等割 2,800円 + 平等割 800円 ⇒ 11,310円

合計: 年間 約532,617円(月あたり約44,400円)

この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません

【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)

基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円

  • 医療分: 所得割 134,991円 + 均等割 27,300円 + 平等割 25,500円 ⇒ 187,791円
  • 後期支援分: 所得割 37,206円 + 均等割 9,600円 + 平等割 6,700円 ⇒ 53,506円
  • 介護分: 所得割 34,662円 + 均等割 9,800円 + 平等割 6,000円 ⇒ 50,462円
  • 子ども分: 所得割 4,770円 + 均等割 1,400円 + 平等割 800円 ⇒ 6,970円

合計: 年間 約298,729円(月あたり約24,900円)

単身世帯でも平等割が合計で年39,000円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。

【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円

ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。

軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)

  • 医療分 250,617円 / 後期支援分 70,822円 / 介護分 66,594円 / 子ども分 9,190円 ⇒ 合計 約397,223円

非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)

  • 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
  • 医療分 76,030円 / 後期支援分 22,353円 / 介護分 21,316円 / 子ども分 2,954円 ⇒ 合計 約122,654円

差額は年間およそ27万5千円。届出書1枚でこれだけ違います。甲府市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。

(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は甲府市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。

3. 賦課限度額(保険料の上限)

  • 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
  • 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)

所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。

4. 甲府市の軽減・減免制度

制度は自動で適用されるもの申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。

4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用

令和8年度 軽減判定の所得基準
軽減率世帯の総所得金額等が以下の額以下
7割軽減43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
5割軽減43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
2割軽減43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)

軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。

4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用

未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。

4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用

令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援金分の均等割1,400円は「均等割1,300円と18歳以上均等割100円の合算額」です。市は「18歳未満の方については、均等割を全額軽減することとあわせて、当該軽減分を、18歳以上の被保険者に、18歳以上均等割としてご負担いただく仕組み」と説明しています。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。

4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請

倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。

  • 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
  • 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
  • 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
  • 届出先: 甲府市 福祉総室 健康保険課 保険料係(055-237-5368)
  • 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です

倒産・解雇・雇い止めなどにより職を失った方は、前年分の給与所得を30/100として保険料が算定されます。市は「届出がないと軽減が適用されませんので、届出をお願いします」と念を押しています。
対象は次の両方を満たす方です。①離職時点で65歳未満、②倒産・解雇などによる離職(特定受給資格者)や雇い止めなどによる離職(特定理由離職者)により、ハローワークから「雇用保険受給資格者証」が交付されている
離職理由コード特定受給資格者が11・12・21・22・31・32特定理由離職者が23・33・34です。
対象外になるケースも市が明示しています。「雇用保険高年齢受給資格者証」や「雇用保険特例受給資格者証」が交付されている方は、保険料軽減の対象外です。
効果を試算します。給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯なら、所得額は276万-43万=233万円。所得割は233万×13.31%=310,123円、均等割48,100円+平等割39,000円を足して年約39.7万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。所得額は39.8万円まで下がり、所得割は52,974円
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割軽減の判定も行われます。単身世帯なら2割軽減の基準は43万+57万=100万円82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割・平等割87,100円が69,680円に。
合計は約12.3万円差はおよそ27.5万円です。
さらに市は「高額療養費などの所得区分判定についても対象となる方の給与所得を30/100として算定します」としています。入院時の自己負担限度額も下がります
軽減の期間は離職日の翌日から翌年度末まで。市は「国民健康保険に加入中は、就職して失業状態を脱しても期間中の軽減が継続されます。ただし、会社の健康保険に加入するなど、国民健康保険の資格を喪失すると軽減が終了します」としています。
届出に必要なもの①雇用保険受給資格者証(ハローワークで発行)、②マイナンバーが分かるもの、③届出人の顔写真つきの身分証明書です。

書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。

4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出

出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。

4-6. 甲府市の減免制度|要申請

甲府市の所得判定による軽減、未就学児の均等割半額、特定世帯・特定継続世帯の平等割軽減は申請不要です(ただし所得申告が必要)。非自発的失業の軽減・産前産後の免除・各種減免は届出が必要です。

甲府市 国民健康保険料の減免
種類主な要件減免内容・手続き
所得判定による均等割額および平等割額の軽減
申請不要要・所得申告
前年中の世帯(擬制世帯主・特定同一世帯所属者を含む)の合計所得が①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②①+31万円×被保険者数以下=5割、③①+57万円×被保険者数以下=2割給与所得者等がいない場合は「10万円×(数-1)」の部分を0とします均等割額と平等割額を軽減。軽減判定所得は所得割の算定所得と4点で異なります
未就学児の均等割額の軽減
申請不要
未就学児の被保険者均等割額が半額。所得基準に基づく軽減が適用されている場合は当該軽減後の均等割額が半額
18歳未満の子ども・子育て支援金分の均等割軽減
申請不要
18歳未満の方(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前にある方。高校生年代子ども・子育て支援金分の均等割が全額軽減。軽減分は18歳以上均等割100円として18歳以上の被保険者が負担します
特定世帯・特定継続世帯
申請不要
国保被保険者が後期高齢者医療制度に移行したことにより、同一世帯内の他の国保被保険者が1人だけとなった世帯5年間(特定世帯)は医療分と後期高齢者支援金分の平等割額が半額その後3年間(特定継続世帯)は4分の3。所得基準に基づく軽減が適用されている場合は当該軽減後の平等割額が半額または4分の3に
倒産・解雇・雇い止めなどにより職を失った方の軽減
要届出
①離職時点で65歳未満、②特定受給資格者(コード11・12・21・22・31・32)または特定理由離職者(コード23・33・34)で雇用保険受給資格者証が交付されている方。「雇用保険高年齢受給資格者証」「雇用保険特例受給資格者証」が交付されている方は対象外前年分の給与所得を30/100として算定。高額療養費などの所得区分判定についても同様。期間は離職日の翌日から翌年度末まで
産前産後期間の保険料の免除
要届出
出産を予定している被保険者、および出産した被保険者(妊娠85日(4か月)以上での分娩。死産、流産(人工妊娠中絶を含む)、早産も対象出産予定月の前月から出産予定月の翌々月の4か月間に相当する所得割額・均等割額を免除(多胎妊娠は出産予定月の3か月前から翌々月の6か月)。届出は出産予定日の6か月前から
災害、疾病、倒産等による減免
(要申請)
災害・疾病・倒産等により納付が困難な場合健康保険課 保険料係(055-237-5368)へ相談を
少年院、刑事施設その他これらに準ずる施設への収容による減免
(要申請)
少年院・刑事施設等に収容されている場合市が減免項目として明示しています

甲府市の軽減で、他市ではあまり見かけない記載を3つ挙げます。
①軽減判定所得での「雑損失の繰越控除」は控除できます。市は「雑損失の繰越控除がある場合は、繰越控除後の額で判定します」としています。多くの自治体が所得割の計算では雑損失の繰越控除を認めていない(豊中市、倉敷市、桑名市、熊本市などが明示)なかで、軽減判定では控除できるという扱いです。災害や盗難で大きな損失を出した方には有利に働きます。
②申告が不要な人の範囲が明示されています。市は「※18歳未満の方や、住民税の被扶養者となっている方については、申告は必要ありません」としています。多くの自治体が「世帯全員の申告が必要」とするなか、甲府市は例外を明示しており親切です。
ただしそれ以外の方は所得がなくても申告が必要です。市は「所得が無かった場合でも、所得がなかったことを申告する必要があります。前年中に特に所得がなく、所得の申告を行っていない場合は、速やかに所得申告を行いましょう」としています。
さらに「※申告をした場合でも、軽減適用の所得要件を満たしていなければ、軽減は適用されません」という当然の但し書きも添えられています。
③産前産後の免除には「職権免除」の余地があります。市の注意事項はこうです。「届出がされない場合、本市で出産一時金の給付等の事実が確認できれば、職権で免除することはできますが、確実に免除を適用するにあたっては、忘れずに届出書の提出をお願いします」
職権免除に言及する自治体は珍しいものです。ただし「確実に免除を適用するにあたっては」とあるとおり、届出をするのが原則です。
もうひとつ注意点があります。「保険料が限度額に達している世帯については、免除を適用しても保険料が変わらない場合があります」。所得が高く賦課限度額(医療分67万円など)に達している世帯では、産前産後の免除を適用しても税額が変わりません。
特定世帯・特定継続世帯の扱いも明快です。「5年間、医療分と後期高齢者支援金分の平等割額が半額になります。その後3年間は『特定継続世帯』として、医療分と後期高齢者支援分の平等割額が4分の3になります」介護分・子ども分の平等割は対象外です。

保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。

4-7. 払えないときは滞納する前に相談

滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。

5. 納付方法

  • 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
  • スマホ決済(請求書払い)
  • コンビニ納付
  • 納付書による金融機関窓口払い
  • 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)

甲府市の国保料は加入月数に応じた月割で計算されます。年度途中で加入した場合は加入した月から次の3月までの月割年度途中で脱退した場合は脱退した月の前月までの月割です。
市は「脱退に伴う保険料の再計算の結果、保険料に納め過ぎが発生した場合は、後日還付手続きにより還付いたします」としています。
年度の途中で40歳になる方の扱いが、甲府市はとくに具体的です。
「年度の途中で40歳に達する被保険者は、誕生月(誕生日が1日の場合は前月)から月割により介護分保険料がかかります」
「7月1日までに40歳に達する被保険者は、7月中旬に送付される当初の保険料の納入通知書において、介護分保険料を含めて保険料が計算されます」
「7月2日以降に40歳に達する被保険者は、当初の納入通知書においては、介護保険料は含まれていません。介護分保険料を含めた保険料については、誕生月の翌月中旬頃に送付される保険料の変更通知書によりお知らせし、以降到来する納期からは介護保険料を含めた保険料を納めていただきます」
「7月1日」が分かれ目だと明示されているのは珍しく、実務的に助かります。7月2日以降に40歳になる方は、当初の通知額より後から増えることを見込んでおいてください。
65歳になる方については「当初の納入通知書において、誕生月の前月分までの期間に応じた介護分保険料があらかじめ計算されています」年度当初から見込んで計算されているので、誕生日を過ぎても急に変わりません
甲府市の介護分は所得割2.18%+均等割9,800円+平等割6,000円。所得額233万円・単身なら年66,594円です。7月2日以降に40歳になる方は、この額が残りの納期に上乗せされます。
窓口は甲府市役所本庁舎2階の福祉総室 健康保険課 保険料係(055-237-5368)です。
賦課限度額は区分ごとに判定されます。市は各区分の説明で「『所得割額』、『均等割額』、『平等割額』の合計額が○万円を超えた場合は、○万円とします」と繰り返し明記しています。

6. 加入・脱退の手続き

6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)

状況別 加入時の必要書類
事由必要書類
会社を退職した健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
他市区町村から転入本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可)
子どもが生まれた本人確認書類、母子健康手帳
生活保護が廃止された保護廃止(停止)通知書、本人確認書類

6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)

状況別 脱退時の必要書類
事由必要書類
就職して社保に加入した新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類
他市区町村へ転出本人確認書類(転出届と同時に手続き可)
生活保護の受給開始保護決定通知書、本人確認書類
死亡本人確認書類、死亡を確認できる書類

脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。

7. 甲府市の国保窓口一覧

国保料の計算・軽減・減免の相談は甲府市役所本庁舎2階の福祉総室 健康保険課 保険料係が窓口です。

甲府市 国保の窓口
窓口電話番号主な業務
福祉総室 健康保険課 保険料係
〒400-8585 山梨県甲府市丸の内一丁目18番1号
本庁舎2階
055-237-5368保険料の算定・賦課、所得判定による軽減、倒産・解雇・雇い止めなどによる軽減の届出産前産後期間の免除、災害・疾病・倒産等による減免、施設収容による減免

軽減判定所得は所得割の算定所得と4点で異なります。とくに雑損失の繰越控除は軽減判定では控除できる点は他市と扱いが違います。

18歳未満の方や、住民税の被扶養者となっている方は所得申告が不要です。それ以外の方は所得がなくても申告してください。

産前産後の免除は届出がなくても職権で免除できる場合がありますが、確実に適用するには届出書の提出を。

7月2日以降に40歳になる方は、当初の納入通知書に介護分が含まれていません。誕生月の翌月中旬頃に変更通知が届きます。

「雇用保険高年齢受給資格者証」「雇用保険特例受給資格者証」の方は非自発的失業の軽減の対象外です。

8. よくある質問(甲府市の国保)

Q1. 軽減の判定所得は確定申告の所得と同じですか?
A. 違います。甲府市は所得割の算定所得と異なる点を4項目にわたって明記しています。
市の説明は「次の点で所得割額を算定する際の所得金額と取扱いが異なります」として、次の4つを挙げています。
①65歳以上の公的年金所得は15万円を控除した額で判定します。年金受給者に有利な特例です。所得割の計算では引けません。
②事業所得者は専従者控除前の事業所得で判定します。逆に、専従者給与は軽減判定所得に含めません。事業主側は専従者給与を払う前の所得で判定されるので不利、専従者側は所得なしとして扱われます。
③分離課税にかかる長期及び短期譲渡所得は、特別控除前の額で判定します。不動産を売った翌年度に不利に働きます。
④雑損失の繰越控除がある場合は、繰越控除後の額で判定します。これが有利な項目です。
④はとくに注目に値します。多くの自治体は所得割の計算で雑損失の繰越控除を認めていません(豊中市、倉敷市、桑名市、熊本市などが明示)。ところが甲府市は軽減判定では繰越控除後の額で判定するとしています。災害や盗難で大きな損失を出した方が、翌年度以降の軽減判定で救われる仕組みです。
実務でとくに効くのは③でしょう。マイホームを3,000万円特別控除で売った翌年度は、所得割はほとんど増えないのに軽減だけが外れます。甲府市は均等割48,100円+平等割39,000円=87,100円が軽減の対象なので、7割軽減が消えると年約6.1万円の増額です。
判定が気になる場合は健康保険課 保険料係(055-237-5368)へ。

Q2. 収入がありません。申告は必要ですか?
A. 必要です。ただし甲府市は「18歳未満の方や、住民税の被扶養者となっている方については、申告は必要ありません」と例外も明示しています。
市の説明はこうです。「所得判定による軽減が適用されるためには、本市で前年中の所得が確認できている必要があります。従って、所得が無かった場合でも、所得がなかったことを申告する必要があります。前年中に特に所得がなく、所得の申告を行っていない場合は、速やかに所得申告を行いましょう」
そして注記が2つ。
「※申告をした場合でも、軽減適用の所得要件を満たしていなければ、軽減は適用されません」
「※18歳未満の方や、住民税の被扶養者となっている方については、申告は必要ありません」
申告不要の範囲を明示しているのが甲府市の親切なところです。多くの自治体が「世帯全員の申告が必要」とだけ書いているなか、18歳未満の子どもや、住民税上の被扶養者は申告不要とはっきりしています。
逆にいえば、18歳以上で住民税の被扶養者になっていない方は、収入がなくても申告が必要です。大学生でも扶養に入っていなければ対象になります。
甲府市の均等割48,100円+平等割39,000円=87,100円(40〜64歳・単身)が軽減の対象なので、7割軽減を逃すと年約6.1万円の差。2人世帯なら約9.5万円です。
軽減判定には擬制世帯主と特定同一世帯所属者も含まれます。世帯主が会社の健康保険に入っていても、その所得が判定に算入されます。
申告窓口については、市の住民税申告の案内を確認してください。

Q3. 7月2日に40歳の誕生日です。保険料はいつ変わりますか?
A. 誕生月の翌月中旬頃に変更通知が届き、以降の納期から介護分を含めた額を納めることになります。甲府市は「7月1日」を分かれ目として明記しています。
市の説明を引きます。
「年度の途中で40歳に達する被保険者は、誕生月(誕生日が1日の場合は前月)から月割により介護分保険料がかかります」
「7月1日までに40歳に達する被保険者は、7月中旬に送付される当初の保険料の納入通知書において、介護分保険料を含めて保険料が計算されます」
「7月2日以降に40歳に達する被保険者は、当初の納入通知書においては、介護保険料は含まれていません。介護分保険料を含めた保険料については、誕生月の翌月中旬頃に送付される保険料の変更通知書によりお知らせし、以降到来する納期からは介護保険料を含めた保険料を納めていただきます」
7月1日が分かれ目だと明示されているのは珍しく、実務的に助かります。
実額で見ます。甲府市の介護分は所得割2.18%+均等割9,800円+平等割6,000円。所得額233万円・単身なら年66,594円(50,794円+9,800円+6,000円)。
7月2日に40歳なら7月〜3月の9か月分で約49,946円。これが8月中旬頃の変更通知で加算され、残りの納期に振り分けられます。納期が少なくなるほど1回あたりが大きくなります。
「誕生日が1日の場合は前月」という点も注意です。介護保険の資格は誕生日の前日に取得するため、7月1日生まれの方は6月30日に資格を取得し、6月分からかかります。
65歳になる方は逆に、当初の納入通知書に誕生月の前月分までの介護分があらかじめ計算されているので、誕生日を過ぎても金額は変わりません。

Q4. 出産の届出を忘れていました。もう免除は受けられませんか?
A. 甲府市は「職権で免除することはできます」としています。ただし確実に適用するには届出書の提出が原則です。
市の注意事項はこうです。「届出がされない場合、本市で出産一時金の給付等の事実が確認できれば、職権で免除することはできますが、確実に免除を適用するにあたっては、忘れずに届出書の提出をお願いします」
職権免除に言及する自治体は珍しいものです。出産育児一時金を国保から受け取っていれば、市が出産の事実を把握できるため、届出がなくても免除を適用できる余地がある、という趣旨と読めます。
ただし「確実に免除を適用するにあたっては」とあるとおり、届出をするのが原則です。職権免除は確実に行われるとは限りません。
免除の内容は、出産予定月の前月から出産予定月の翌々月の4か月間に相当する所得割額・均等割額(多胎妊娠は出産予定月の3か月前から翌々月の6か月)。平等割は対象外です。
対象は妊娠85日(4か月)以上での分娩で、死産、流産(人工妊娠中絶を含む)、早産の場合も対象です。
届出は出産予定日の6か月前からできます。「産前産後期間に係る保険料免除届出書」に必要事項を記載し、母子健康手帳のコピーを添付して健康保険課まで郵送または窓口持参。市は「(参考)母子健康手帳のコピーが必要なページ」(PDF)まで用意しており、どのページをコピーすればよいかがわかります。
もうひとつ注意点があります。「保険料が限度額に達している世帯については、免除を適用しても保険料が変わらない場合があります」。所得が高く賦課限度額に達している世帯では効果がありません。

Q5. 甲府市の国保料は高いのですか?
A. 所得割13.31%は標準的〜やや高めですが、医療分に負担が集中している構造です。
所得割の内訳は医療分8.49%+後期高齢者支援金分2.34%+介護分2.18%+子ども・子育て支援金分0.30%
医療分8.49%は高めな一方、後期高齢者支援金分2.34%と介護分2.18%はいずれも全国的に低めです。多くの自治体が後期支援分2.7〜3.3%台、介護分2.3〜3.0%台なので、甲府市はこの2つが軽くなっています。
均等割・平等割も同じ傾向です。医療分は均等割27,300円・平等割25,500円と高め、後期支援分は9,600円・6,700円介護分は9,800円・6,000円と低めです。
単身40〜64歳・所得ゼロなら年87,100円(均等割48,100円+平等割39,000円)、給与収入400万円・単身40〜64歳なら約39.7万円が目安です。
4区分すべてに平等割があるので、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担が重くなります。4人世帯なら均等割192,400円+平等割39,000円=231,400円で、1人あたり57,850円。単身世帯の87,100円と比べると約1.5倍の差があります。
40歳になったときの負担増は比較的小さめです。介護分は所得割2.18%+均等割9,800円+平等割6,000円で、所得額233万円・単身なら年66,594円。所得割合計は11.13%→13.31%です。
賦課限度額の合計は113万円で、区分ごとに判定されます。
負担を抑えるには所得判定による軽減を活用してください。7割軽減なら年約6.1万円が減ります。所得の申告が条件(18歳未満と住民税の被扶養者を除く)です。

Q6. 後期高齢者医療に移った家族がいます。平等割は安くなりますか?
A. 「特定世帯」なら5年間、医療分と後期高齢者支援金分の平等割が半額になります。その後3年間は「特定継続世帯」として4分の3です。申請は不要です。
市の説明はこうです。「国民健康保険被保険者であった方が、後期高齢者医療制度に移行したことにより、同一世帯内の他の国民健康被保険者が1人だけとなった世帯を『特定世帯』と言います。この場合、5年間、医療分と後期高齢者支援金分の平等割額が半額になります。その後3年間は『特定継続世帯』として、医療分と後期高齢者支援分の平等割額が4分の3になります」
実額で見ます。甲府市の医療分の平等割25,500円+後期高齢者支援金分の平等割6,700円=32,200円が対象。
特定世帯(5年間):半額の16,100円年16,100円の軽減
特定継続世帯(その後3年間):4分の3の24,150円年8,050円の軽減
介護分の平等割6,000円と子ども・子育て支援金分の平等割800円は対象外です。
そして「※所得基準に基づく軽減が適用されている場合は、当該軽減後の平等割額が半額または4分の3になります」7割軽減と重ねて適用されます。
もうひとつ、軽減判定では後期高齢者医療制度に移行した方(特定同一世帯所属者)も人数に含まれます。市は軽減判定所得の説明で「前年中の世帯(擬制世帯主、特定同一世帯所属者を含む)の合計所得」としており、移行しても5割・2割軽減の基準額が下がりません
いずれも申請は不要です。市が自動的に適用します。

Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、所得判定による均等割額および平等割額の軽減
申請不要要・所得申告)・未就学児の均等割額の軽減
申請不要)・18歳未満の子ども・子育て支援金分の均等割軽減
申請不要)・特定世帯・特定継続世帯
申請不要)・倒産・解雇・雇い止めなどにより職を失った方の軽減
要届出)・産前産後期間の保険料の免除
要届出)・災害、疾病、倒産等による減免
(要申請)・少年院、刑事施設その他これらに準ずる施設への収容による減免
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。

Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に甲府市 福祉総室 健康保険課 保険料係(055-237-5368)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。

9. まとめ|甲府市の国保で押さえるべきポイント

  • 甲府市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分8.49%・後期支援分2.34%・介護分2.18%・子ども分0.30%
  • 均等割は医療分27,300円・後期支援9,600円・介護9,800円・子ども1,400円、平等割は合計で年39,000円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
  • 軽減判定所得と所得割の算定所得の違いを4項目で明記。とくに雑損失の繰越控除は軽減判定では控除できる点が他市と異なる
  • 18歳未満の方や住民税の被扶養者は所得申告が不要と明示されている(それ以外は収入がなくても申告が必要)
  • 産前産後の免除は届出がなくても職権で免除できる場合があると市が言及。ただし確実に適用するには届出を
  • 7月1日が分かれ目。7月2日以降に40歳になる方は当初通知に介護分が含まれず、誕生月の翌月中旬に変更通知が届く
  • 医療分に負担が集中(所得割8.49%・均等割27,300円・平等割25,500円)。後期支援分2.34%と介護分2.18%は全国的に低め
  • 特定世帯は5年間、医療分と後期支援分の平等割が半額(年16,100円の軽減)。その後3年間は4分の3
  • 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年27万5千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
  • 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
  • 窓口は甲府市 福祉総室 健康保険課 保険料係(055-237-5368)

出典・参考
甲府市公式:国民健康保険料の計算方法(令和8年度の保険料率)
甲府市公式:国民健康保険料の軽減・減額・免除・減免
甲府市国民健康保険条例

※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は甲府市公式サイトでご確認ください。