熊谷市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
熊谷市は人口約18万人、埼玉県北部の中心都市です。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく熊谷市の国保税の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
熊谷市の公式サイトには、他の自治体ではあまり見かけない情報が2つ載っています。①軽減判定基準の令和5年度からの年度別推移表と、②非自発的失業者の減額前後の税額を並べた実例です。
この記事では、その実例(年388,500円 → 116,200円)が熊谷市の料率でどう計算されているのかを、4区分すべての内訳まで分解して確かめます。
1. 熊谷市の国民健康保険の概要
熊谷市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
熊谷市の保険料は2方式(所得割+均等割)で計算します。世帯単位でかかる平等割はありません。単身世帯にとっては比較的有利な設計です。
熊谷市は「保険料」ではなく「保険税」方式で、2方式(所得割+均等割)です。平等割(世帯割)はありません。
納税義務者は世帯主です。市は「世帯主が会社の健康保険など他の健康保険に加入していても、その世帯に国民健康保険の加入者がいれば納税通知書は世帯主宛てにお送りします(擬制世帯主といいます)」と明記しています。
納税通知書は1年度分(4月〜翌年3月の12か月分)をまとめて計算し、7月中旬に発送されます。年度途中で異動があった場合は、原則、手続きをした翌月に再計算して通知されます。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|
| 医療給付費分 | 7.28% | 40,500円 | 660,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.58% | 15,500円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.12% | 15,500円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.29% | 1,901円 (子ども・子育て支援納付金分の均等割1,901円は「均等割1,787円+18歳以上均等割114円」の合計。18歳未満(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前)の被保険者の均等割額は全額減額されます(申請不要)) | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療給付費分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども・子育て支援納付金分の均等割1,901円は「均等割1,787円+18歳以上均等割114円」の合計。18歳未満(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前)の被保険者の均等割額は全額減額されます(申請不要)。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は12.27%(医療給付費分7.28%+後期高齢者支援金等分2.58%+介護納付金分2.12%+子ども・子育て支援納付金分0.29%/40〜64歳)。40歳未満なら10.15%です。
平等割がない代わりに医療給付費分の均等割40,500円が高めです。均等割の合計は1人73,401円(医療40,500+後期支援15,500+介護15,500+子ども1,901/18歳以上・40〜64歳)。40歳未満なら57,901円。
所得割の課税標準は[前年中の総所得金額等 - 住民税基礎控除額43万円]。総所得金額等には退職所得を含まず、分離課税の譲渡所得金額等を含みます。基礎控除額は合計所得金額が2,400万円を超えると段階的に減少します。
各区分は100円未満切捨てで計算し、課税限度額も区分ごとに判定します。世帯合計で切り捨てるわけではありません。
課税限度額は医療給付費分66万円・後期高齢者支援金等分26万円・介護納付金分17万円・子ども・子育て支援納付金分3万円で、合計112万円です。
令和8年度の税率
| 種類 | 医療給付費分 | 後期高齢者 支援金等分 | 介護納付金分 (40〜64歳のみ) | 子ども・子育て 支援納付金分 |
|---|---|---|---|---|
| 所得割額 | 7.28% | 2.58% | 2.12% | 0.29% |
| 均等割額 | 40,500円 | 15,500円 | 15,500円 | 1,787円 |
| 18歳以上均等割額 | - | - | - | 114円 |
| 課税限度額 | 66万円 | 26万円 | 17万円 | 3万円 |
18歳未満(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前)の被保険者の子ども・子育て支援納付金分の均等割額は全額減額されます。申請は不要です。
単身40〜64歳なら所得ゼロでも年73,401円が基本になります(軽減の対象にはなります)。
熊谷市が公開している軽減判定基準の推移
熊谷市は令和5年度から令和8年度までの軽減判定基準を並べて公開しています。現在の年度分だけを載せる自治体がほとんどなので、これは珍しい情報です。
| 年度 | 5割軽減 | 2割軽減 |
|---|---|---|
| 令和8年度 | 43万円+31万円×人数+10万円×(給与所得者等の数-1) | 43万円+57万円×人数+10万円×(給与所得者等の数-1) |
| 令和7年度 | 43万円+30万5千円×人数+10万円×(給与所得者等の数-1) | 43万円+56万円×人数+10万円×(給与所得者等の数-1) |
| 令和6年度 | 43万円+29万5千円×人数+10万円×(給与所得者等の数-1) | 43万円+54万5千円×人数+10万円×(給与所得者等の数-1) |
「人数」は被保険者数と特定同一世帯所属者数の合計数です。7割軽減の基準(43万円+10万円×(給与所得者等の数-1))は3年間変わっていません。
5割軽減の乗数は令和6年度の29万5千円から令和8年度の31万円へ、2年で1万5千円上がりました。2割軽減は54万5千円から57万円へ2万5千円の上昇です。
これは軽減の対象になる世帯が年々広がっていることを意味します。たとえば2人世帯なら、2割軽減の基準額は令和6年度の152万円から令和8年度の157万円へ5万円上昇。「去年は軽減されなかった」世帯でも、今年は該当する可能性があります。
軽減の判定には国民健康保険加入者全員(16歳以上)の所得把握が必要です。市は「所得のないかたも申告をしてください。確定申告等で配偶者や扶養となっているかたも、本人分の国民健康保険税用の申告が必要です」と明記しています。扶養に入っているから申告不要、ではありません。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 187,096円 + 均等割 141,750円 ⇒ 328,846円
- 後期支援分: 所得割 66,306円 + 均等割 54,250円 ⇒ 120,556円
- 介護分: 所得割 54,484円 + 均等割 31,000円 ⇒ 85,484円
- 子ども分: 所得割 7,453円 + 均等割 3,802円 ⇒ 11,255円
合計: 年間 約546,141円(月あたり約45,500円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 115,752円 + 均等割 40,500円 ⇒ 156,252円
- 後期支援分: 所得割 41,022円 + 均等割 15,500円 ⇒ 56,522円
- 介護分: 所得割 33,708円 + 均等割 15,500円 ⇒ 49,208円
- 子ども分: 所得割 4,611円 + 均等割 1,901円 ⇒ 6,512円
合計: 年間 約268,494円(月あたり約22,400円)
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 210,124円 / 後期支援分 75,614円 / 介護分 64,896円 / 子ども分 8,658円 ⇒ 合計 約359,292円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 61,374円 / 後期支援分 22,668円 / 介護分 20,838円 / 子ども分 2,675円 ⇒ 合計 約107,555円
差額は年間およそ25万2千円。届出書1枚でこれだけ違います。熊谷市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は熊谷市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療給付費分 660,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年112万円(1,120,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 熊谷市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援納付金分の均等割1,901円は「均等割1,787円+18歳以上均等割114円」の合計。18歳未満(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前)の被保険者の均等割額は全額減額されます(申請不要)。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 熊谷市 本庁舎 保険年金課(各行政センターでも受付)
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
会社都合や正当な理由のある自己都合で離職された方は、前年の給与所得を100分の30として計算する非自発的失業者の減額制度が使えます。熊谷市は減額前後の税額を並べた実例を公開しています。
軽減適用前:給与所得3,000,000円 → 年間保険税額388,500円
軽減適用後:給与所得900,000円(上記×0.3)→ 年間保険税額116,200円
この388,500円と116,200円が熊谷市の料率でどう出ているのか、4区分に分解して確かめてみます(40〜64歳・単身世帯として計算)。
【軽減前】課税標準は300万-43万=257万円。
医療給付費分:257万×7.28%=187,096円+40,500円=227,500円
後期高齢者支援金等分:257万×2.58%=66,306円+15,500円=81,800円
介護納付金分:257万×2.12%=54,484円+15,500円=69,900円
子ども・子育て支援納付金分:257万×0.29%=7,453円+1,901円=9,300円
合計388,500円——市の数字とぴったり一致します。
【軽減後】給与所得は90万円とみなされ、課税標準は90万-43万=47万円。
さらに重要なのが、この90万円で7割・5割・2割軽減の判定も行われることです。単身世帯・給与所得者等1人なら2割軽減の基準は43万+57万×1人=100万円。90万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割も2割引きになります。
医療給付費分:34,216円+32,400円(40,500×0.8)=66,600円
後期高齢者支援金等分:12,126円+12,400円=24,500円
介護納付金分:9,964円+12,400円=22,300円
子ども・子育て支援納付金分:1,363円+1,520円=2,800円
合計116,200円——こちらも市の数字と一致しました。
差は272,300円。所得割が下がるだけでなく、均等割まで2割引きになるのが大きな効果です。
さらに市は「高額療養費の適用に際しても給与所得について同様の取扱いをします」としています。入院時の自己負担限度額も下がります。
注意点として、給与以外の収入(事業、不動産など)は減額の対象になりません。またすでに給与収入に相当する金額が保険税で課されていない場合、申請しても減額幅が0となることがあります。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 熊谷市の減免制度|要申請
熊谷市の7割・5割・2割減額と18歳未満の均等割減額は申請不要です(ただし16歳以上の加入者全員の所得申告が必要)。非自発的失業者の減額・産前産後の減額は申請が必要で、ぴったりサービス(マイナポータル)による電子申請にも対応しています。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 均等割額および18歳以上均等割額の減額 (申請不要/要・所得申告) | 世帯主+加入者+特定同一世帯所属者の前年総所得金額等が①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②43万円+31万円×(被保険者数+特定同一世帯所属者数)+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=5割、③43万円+57万円×(同)+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=2割 | 均等割額および18歳以上均等割額を減額。加入者全員(16歳以上)の所得把握が必要で、配偶者や扶養となっている方も本人分の申告が必要です |
| 18歳未満の子ども・子育て支援納付金分均等割の減額 (申請不要) | 18歳に達する日以後の最初の3月31日以前の被保険者 | 子ども・子育て支援納付金分の均等割額(1,787円)を全額減額 |
| 未就学児の均等割減額 (申請不要) | 未就学児 | 均等割額を5割減額(低所得軽減が適用される場合は軽減後の額をさらに5割減額) |
| 非自発的失業者の減額 (要申請/電子申請可) | ①雇用保険受給資格者証または受給資格通知の「12.離職理由」欄のコードが11・12・21・22・23・31・32・33・34、②離職時の年齢が65歳未満、③離職年月日が令和2年3月31日以後(令和8年度分は令和7年3月31日以降の離職が対象)——の3つすべてに該当 | 前年所得の給与を100分の30に減額して計算。高額療養費の適用にも同様の取扱い。減額期間は離職日の翌日から翌年度末まで |
| 産前産後期間の減額 (要申請) | 出産(予定)の被保険者 | 産前産後期間相当分の国民健康保険税を減額。保険年金課へ |
| 災害等による減免 (要申請) | 災害など特別な事情により納付が困難な場合 | 保険年金課へ相談を |
熊谷市の減額・減免で押さえておきたい点を整理します。
①16歳以上の加入者全員の所得申告が必要です。市は「減額に際しては、国民健康保険加入者全員(16歳以上)の所得把握が必要です。所得のないかたも申告をしてください。確定申告等で配偶者や扶養となっているかたも、本人分の国民健康保険税用の申告が必要です」としています。夫の扶養に入っている妻も、本人名義での申告が要ります。これを知らずに軽減を逃すケースは少なくありません。
②軽減判定には特定同一世帯所属者も含まれます。国保から後期高齢者医療制度へ移った方も、引き続き同じ世帯にいれば人数にカウントされ、その所得も判定に入ります。5割・2割軽減の基準額(31万円・57万円×人数)が減らないので、世帯にとって不利にはなりません。
③非自発的失業の対象となる離職理由コードは9種類です。11・12・21・22・23・31・32・33・34。雇用保険受給資格者証の「5.離職時年齢」「11.離職年月日」「12.離職理由」を確認してください。
④令和8年度分の対象は「離職年月日が令和7年3月31日以降」です。制度上の要件は「令和2年3月31日以後の離職」ですが、減額期間が離職日の翌日から翌年度末までなので、令和8年度に効くのは令和7年3月31日以降の離職に限られます。
市が挙げている例はこうです。「令和8年3月31日離職の場合 → 令和8年4月1日から令和10年3月31日まで減額」「令和8年1月10日離職の場合 → 令和8年1月11日から令和9年3月31日まで減額」。年度末に近い時期の離職ほど、減額される期間が長くなります。
⑤申請は窓口・郵送・電子申請の3通り。熊谷市は令和7年10月27日からぴったりサービス(マイナポータル)でのオンライン申請に対応しました。マイナンバーカードと、受給資格者証(両面)のPDF・JPEGデータがあればスマートフォンから申請できます。
窓口は本庁舎保険年金課または各行政センター。郵送の場合はエクセルの申請様式をダウンロードし、受給資格者証(両面)の写しを同封して保険年金課宛に送ります。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
- スマホ決済(請求書払い)
- コンビニ納付
- 納付書による金融機関窓口払い
- 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)
熊谷市の国保税は1年度分をまとめて計算し、7月中旬に納税通知書が届きます。年度途中で異動(社会保険等の脱退・加入、転入・転出、出生・死亡等)があった場合は、原則、手続きをした翌月に再計算して通知されます。
年金天引き(特別徴収)の要件は次の4つすべてです。①世帯主が国保の被保険者、②世帯の国保加入者全員が65歳以上75歳未満、③対象となる公的年金の年額が18万円以上、④国保税と介護保険料の合計額が年金額の2分の1以下。
徴収方法は毎年度あらためて判定されます。そして重要な例外があります。「当該年度の3月までに75歳になる世帯主については、その年度は特別徴収となりません」。市の例は「令和8年12月に75歳になるかた……令和8年度は普通徴収」。75歳になる年度は最初から納付書または口座振替になります。
複数の年金を受給している場合は、優先順位に従って対象年金が決まります。1位 老齢基礎年金、2位 老齢・退職年金、3位 障害年金および遺族年金等。
熊谷市は特別徴収の3つのパターンを金額入りで公開しています。4月・6月・8月の特別徴収を「仮徴収」といい、各月の税額は前年度2月の特別徴収額と同額です。年税額が決まるのは7月なので、そこで調整が入ります。
(1)仮徴収から特別徴収が継続する場合:年税額150,000円、4・6・8月が各20,000円なら、(150,000-20,000×3回)÷3回=30,000円。10月・12月・2月は各30,000円です。
(2)7月の年税額決定時に要件を満たさず普通徴収になる場合:(150,000-20,000×3回)÷5回=18,000円。10月・11月・12月・翌1月・翌2月(4期〜8期)が各18,000円になります。期の数が3回から5回に増えるので、1回あたりは軽くなります。
(3)前年度まで普通徴収で、要件を満たして特別徴収が始まる場合:150,000円÷6回=25,000円。7・8・9月(1期〜3期)は普通徴収で各25,000円、10月・12月・2月は特別徴収で各25,000円です。
過年度分の扱いにも注意してください。市は「1月に会社の健康保険を脱退した場合、4月以降に国民健康保険加入の届出をしても、1月から国民健康保険に加入となり、1月分から国民健康保険税を納めていただくことになります」としています。届出が遅れても保険税はさかのぼって課税されます。
市は令和8年度用の試算シート(エクセル)を公開しています。所得等を入力すれば税額を試算できます。転職や退職の前におおよその額を知りたい方に便利です。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 熊谷市の国保窓口一覧
国保税の計算・軽減・減免の相談は熊谷市 保険年金課が窓口です。非自発的失業者の減額申請は各行政センターでも受け付けています。
| 窓口 | 受付内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 本庁舎 保険年金課 | 国保の加入・脱退、国保税の算定・課税、低所得軽減、非自発的失業者の減額、産前産後の減額、各種減免、試算シートに関する問い合わせ | 郵送申請の宛先も保険年金課 |
| 各行政センター | 非自発的失業者の減額申請ほか | 本庁舎まで行かなくても申請できます |
| ぴったりサービス(マイナポータル) | 非自発的失業者の減額のオンライン申請(令和7年10月27日から対応) | 都道府県名「埼玉県」、市区町村名「熊谷市」で「国民健康保険」を検索 |
非自発的失業者の減額は令和7年10月27日からぴったりサービス(マイナポータル)で電子申請できます。マイナンバーカードと受給資格者証(両面)のPDF・JPEGデータが必要です。
申請は本庁舎保険年金課だけでなく各行政センターでも可能です。郵送申請にも対応しています(エクセルの申請様式を市サイトからダウンロード)。
16歳以上の加入者全員の所得申告が必要です。配偶者や扶養に入っている方も本人分の申告をしてください。
令和8年度用の試算シート(エクセル)が市サイトで公開されています。所得等を入力して税額を試算できます。
雇用保険受給資格者証の「5.離職時年齢」「11.離職年月日」「12.離職理由」を確認してから申請してください。
8. よくある質問(熊谷市の国保)
Q1. 会社都合で退職しました。熊谷市ではいくら安くなりますか?
A. 市が公開している例では、年388,500円が116,200円に下がります(給与所得300万円・単身・40〜64歳の場合)。差は272,300円です。
市が示しているのは次の2行だけですが、内訳を分解すると熊谷市の料率どおりに計算されていることが確認できます。
【軽減前】課税標準257万円(300万-43万)
医療給付費分227,500円/後期高齢者支援金等分81,800円/介護納付金分69,900円/子ども・子育て支援納付金分9,300円=388,500円
【軽減後】給与所得は300万×0.3=90万円とみなされ、課税標準47万円
医療給付費分66,600円/後期高齢者支援金等分24,500円/介護納付金分22,300円/子ども・子育て支援納付金分2,800円=116,200円
ポイントは所得割が下がるだけではないことです。判定所得も90万円になるため、2割軽減(基準100万円)に該当し、均等割73,401円まで2割引きになります。所得割の減少分だけでなく、均等割の2割分(約1.5万円)も効いています。
さらに市は「高額療養費の適用に際しても給与所得について同様の取扱いをします」としています。入院や手術のときの自己負担限度額も下がります。
注意点として、給与以外の収入(事業、不動産など)は減額の対象外です。また「すでに給与収入に相当する金額が保険税で課されていない場合、申請しても減額幅が0となることがあります」。前年に給与収入がなかった方には効果がありません。
Q2. 去年は軽減されませんでした。今年も同じですか?
A. 基準額が毎年上がっているので、今年は該当する可能性があります。熊谷市は年度別の推移表を公開しています。
5割軽減と2割軽減の基準額のうち、「1人あたりの加算額」が毎年引き上げられています。
5割軽減:令和6年度29万5千円 → 令和7年度30万5千円 → 令和8年度31万円
2割軽減:令和6年度54万5千円 → 令和7年度56万円 → 令和8年度57万円
世帯人数が多いほど効きます。3人世帯の2割軽減の基準額で比べると、令和6年度は43万+54万5千×3=206万5千円、令和8年度は43万+57万×3=214万円。2年で7万5千円上がっています。
所得が横ばいでも、基準額が上がったことで軽減の対象になるケースがあるということです。
なお7割軽減の基準(43万円+10万円×(給与所得者等の数-1))は3年間変わっていません。7割軽減については、所得が変わらなければ判定も変わりません。
軽減は申請不要ですが、所得の申告は必須です。16歳以上の加入者全員の所得が把握できていないと軽減されません。判定が気になる方は保険年金課に確認してください。
Q3. 夫の扶養に入っています。私も申告が必要ですか?
A. 必要です。熊谷市は「確定申告等で配偶者や扶養となっているかたも、本人分の国民健康保険税用の申告が必要です」と明記しています。
所得税や住民税では、配偶者控除・扶養控除を受けていれば本人の申告は不要なことが多いのですが、国保税の軽減判定は別です。市は「減額に際しては、国民健康保険加入者全員(16歳以上)の所得把握が必要です」としています。
つまり16歳以上の加入者に1人でも「所得不明」の人がいると、世帯全体の軽減が受けられません。収入がゼロでも「ゼロである」という申告が要ります。
熊谷市の均等割は1人73,401円(40〜64歳・18歳以上)。2人世帯で7割軽減を逃すと、年約10.3万円の差になります。申告一つで大きく変わります。
「本人分の国民健康保険税用の申告」という言い方をしているのは、住民税の申告とは別枠で受け付けているためです。詳しくは保険年金課に確認してください。
なお16歳未満の加入者については所得把握の対象外です。子どもの分の申告は不要です。
Q4. 年金天引きだったのに、今年は納付書が届きました。なぜですか?
A. いくつか理由が考えられます。熊谷市がとくに明記しているのは「その年度中に75歳になる世帯主」のケースです。
市の注記は「当該年度の3月までに75歳になる世帯主については、その年度は特別徴収となりません」。例として「令和8年12月に75歳になるかた……令和8年度は普通徴収」を挙げています。
75歳になると後期高齢者医療制度へ移るため、年度の途中で国保を脱退します。年金天引きの手続きは半年前から始まるので、年度途中で止める手間を避けるため、最初から普通徴収にしているわけです。
そのほか、特別徴収の4要件を満たさなくなった場合も普通徴収に変わります。①世帯主が国保の被保険者でなくなった、②世帯に65歳未満または75歳以上の国保加入者が生じた、③対象年金の年額が18万円未満になった、④国保税と介護保険料の合計が年金額の2分の1を超えた——のいずれかです。
市は徴収方法を「国民健康保険税額を算定する際に毎年度判定」しています。前年度が特別徴収でも、今年度も同じとは限りません。
7月に年税額が決まった時点で普通徴収に切り替わる場合、市は「(年税額-仮徴収額×3回)÷5回」で10月〜翌2月の5期に振り分けます。年税額150,000円・仮徴収各20,000円なら、4期〜8期が各18,000円です。
振替口座の登録がない場合は納付書が同封されます。納め忘れのないようご注意ください。
Q5. 1月に会社を辞めましたが、4月まで手続きしませんでした。どうなりますか?
A. 1月分から国保税がかかります。熊谷市は「過年度分の国民健康保険税」として明確に説明しています。
市の説明はこうです。「退職等で健康保険を脱退した場合、退職日の翌日(健康保険の資格を喪失した日)から住所地の国民健康保険に加入する義務が生じます。例えば、1月に会社の健康保険を脱退した場合、4月以降に国民健康保険加入の届出をしても、1月から国民健康保険に加入となり、1月分から国民健康保険税を納めていただくことになります」。
このケースで注意したいのが年度をまたぐ点です。1月〜3月は前年度分(過年度分)、4月以降は当年度分として、別々に計算・請求されます。届出をした時点で、いきなり2つの通知が届くことになります。
手続きが遅れても保険料は減りません。むしろ、まとめて請求されるぶん1回あたりの負担が重くなります。
さらに、国保の資格確認書がない期間に受診すると医療費は全額自己負担になります(あとから療養費として請求できますが手間がかかります)。
退職したら14日以内に国保の加入手続きをしてください(国保をやめる手続き)。会社都合の退職なら、同時に非自発的失業者の減額も申請できます。加入手続きと減額申請は同じ窓口(保険年金課または各行政センター)でまとめて済みます。
Q6. 熊谷市の国保税は高いのですか?
A. 所得割12.27%(40〜64歳)は標準的ですが、平等割がない代わりに医療給付費分の均等割40,500円が高めです。
熊谷市は2方式(所得割+均等割)で、平等割(世帯割)がありません。全国では3方式(所得割+均等割+平等割)が主流で、平等割は年2万〜3万円台が一般的です。
そのぶん均等割が高く設定されています。医療給付費分の40,500円は、3方式の自治体(2万5千円前後が多い)と比べるとかなり高い水準です。
均等割の合計は1人73,401円(医療40,500+後期支援15,500+介護15,500+子ども1,901/18歳以上・40〜64歳)。単身40〜64歳なら所得ゼロでも年73,401円が基本になります。
この構造は単身世帯には有利、人数の多い世帯には不利に働きます。平等割2万〜3万円がかからないぶん単身は安くなりますが、加入者が増えるほど均等割が素直に積み上がります。
実額の目安は、市の例で給与所得300万円・単身・40〜64歳で年388,500円。課税限度額の合計は112万円です。
所得が低い世帯は7割・5割・2割の軽減を必ず活用してください。7割軽減なら年約5.1万円が減ります。軽減には16歳以上の加入者全員の所得申告が必要です。
市の試算シート(エクセル)を使えば、自分の所得と世帯構成で正確な額を確認できます。
Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、均等割額および18歳以上均等割額の減額
(申請不要/要・所得申告)・18歳未満の子ども・子育て支援納付金分均等割の減額
(申請不要)・未就学児の均等割減額
(申請不要)・非自発的失業者の減額
(要申請/電子申請可)・産前産後期間の減額
(要申請)・災害等による減免
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に熊谷市 保険年金課で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|熊谷市の国保で押さえるべきポイント
- 熊谷市は2方式(所得割+均等割)。令和8年度の料率は医療給付費分7.28%・後期支援分2.58%・介護分2.12%・子ども分0.29%
- 均等割は医療給付費分40,500円・後期支援15,500円・介護15,500円・子ども1,901円。賦課限度額は世帯合計で年112万円
- 2方式(所得割+均等割)で平等割はなし。そのぶん医療給付費分の均等割40,500円が高め
- 非自発的失業の減額例を市が公開(給与所得300万円で年388,500円 → 116,200円)。所得割だけでなく均等割も2割軽減されるのが効いている
- 軽減判定基準の年度別推移を公開。5割軽減の乗数は令和6年度29万5千円→令和8年度31万円、2割軽減は54万5千円→57万円と毎年上昇している
- 16歳以上の加入者全員の所得申告が必要。扶養に入っている配偶者も本人分の申告が要る
- 非自発的失業の減額は令和7年10月27日からぴったりサービス(マイナポータル)で電子申請可。各行政センターや郵送でも申請できる
- その年度中に75歳になる世帯主は、年度当初から普通徴収になる
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年25万2千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は熊谷市 保険年金課
出典・参考:
・熊谷市公式:国民健康保険税の仕組みについて(令和8年度税率)
・熊谷市公式:非自発的失業者のかたに係る国民健康保険税の減額制度について
・熊谷市公式:国民健康保険税の特別徴収(年金天引き)について
・熊谷市公式:産前産後期間の国民健康保険税減額制度について
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は熊谷市公式サイトでご確認ください。