大分市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
大分市は人口約47万人、大分県の県庁所在地で中核市です。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく大分市の国保税の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
大分市は令和8年度に均等割を大幅に引き上げました。医療分は26,500円→30,600円(+4,100円)、4区分合計では42,900円→51,500円(+8,600円)。一方で医療分の平等割と介護分の所得割は引き下げられており、単純な値上げではありません。
そして大分市はモデルケース2つの計算過程を全区分・全項目で公開しています。とくに1つ目のケースは「軽減基準を4万円超過して軽減なし」という、境界線がよくわかる例です。この記事ではその2例を追いかけます。
1. 大分市の国民健康保険の概要
大分市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
大分市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。
大分市は「保険料」ではなく「保険税」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。令和8年度からは「18歳以上均等割」も加わりました。
市は保険税の構造をこう説明しています。「保険税は、『応能割』(所得割)と、受益に応じた負担である『応益割』で成り立っています。さらに、大分市では『応益割』を被保険者の人数分だけ支払う『均等割』および令和8年度より18歳以上の被保険者の人数分だけ支払う『18歳以上均等割』と世帯ごとに支払う『平等割』に分けています」。
所得割は被保険者一人ずつ計算し、合算します。基礎控除43万円は加入者ごとに引ける方式です。
年度途中で加入・脱退した場合の税額=年税額÷12×加入月数です。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 平等割(1世帯年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 8.68% | 30,600円 | 25,400円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.68% | 9,700円 | 7,500円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.48% | 10,100円 | 6,000円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.31% | 1,100円 (子ども子育て分の均等割1,100円は「均等割1,000円+18歳以上均等割100円」の合計。18歳未満(令和8年度課税は平成20年4月2日以後生まれ)の被保険者にかかる子ども子育て分の均等割は全額軽減されます) | 700円 | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども子育て分の均等割1,100円は「均等割1,000円+18歳以上均等割100円」の合計。18歳未満(令和8年度課税は平成20年4月2日以後生まれ)の被保険者にかかる子ども子育て分の均等割は全額軽減されます。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は14.15%(医療分8.68%+支援分2.68%+介護分2.48%+子ども子育て分0.31%/40〜64歳)。全国的にも高めの水準で、とくに医療分の8.68%が効いています。
均等割の合計は1人51,500円(医療30,600+支援9,700+介護10,100+子ども1,100)、平等割の合計は年39,600円(25,400+7,500+6,000+700)。単身40〜64歳なら所得ゼロでも年91,100円が基本です(軽減の対象にはなります)。
4区分すべてに平等割があります。介護分や子ども分に平等割を置かない自治体も多いので、その分やや割高になります。
18歳以上/18歳未満の区切りは生年月日で明示されています。18歳以上=令和8年度課税は平成20年4月1日以前生まれ、18歳未満=平成20年4月2日以後生まれ。
課税限度額は医療分67万円・支援分26万円・介護分17万円・子ども子育て分3万円で、合計113万円です。令和8年度に医療分が66万円→67万円へ引き上げられました。
令和8年度の税率(括弧内は令和7年度)
大分市は前年度の数字を併記しているので、改定の中身がそのまま読み取れます。
| 医療分 | 支援分 | 介護分 (40〜64歳) | 子ども子育て分 (令和8年度新設) | |
|---|---|---|---|---|
| 所得割額 (前年中の総所得金額等-43万円)× | 8.68% (8.65%) | 2.68% (2.49%) | 2.48% (2.50%→引下げ) | 0.31% |
| 均等割額 (被保険者一人あたり) | 30,600円 (26,500円) | 9,700円 (7,700円) | 10,100円 (8,700円) | 1,000円 |
| 18歳以上均等割額 | - | - | - | 100円 |
| 平等割額 (一世帯あたり) | 25,400円 (25,700円→引下げ) | 7,500円 (6,900円) | 6,000円 (5,900円) | 700円 |
| 課税限度額 | 670,000円 (660,000円) | 260,000円 | 170,000円 | 30,000円 |
合計で見ると次のようになります。
所得割:13.64% → 14.15%(+0.51ポイント)
均等割:42,900円 → 51,500円(+8,600円)
平等割:38,500円 → 39,600円(+1,100円)
課税限度額:109万円 → 113万円(+4万円)
均等割の引き上げ幅が突出しています。医療分だけで4,100円、支援分2,000円、介護分1,400円の増。所得の低い世帯ほど影響が大きい改定です。
一方で介護分の所得割(2.50%→2.48%)と医療分の平等割(25,700円→25,400円)は引き下げられています。単純な値上げではありません。
単身40〜64歳・所得ゼロの世帯で見ると、均等割+平等割は81,400円 → 91,100円で9,700円の増です。
大分市のモデルケース(1)4人世帯——軽減基準を4万円超過
市が公開している1つ目の例です。40代の夫婦2人と10代の子ども2人(19歳・15歳)の世帯で、世帯主が営業所得210万円、妻が給与収入130万円(給与所得65万円)、子2人は所得なし。
まず軽減判定です。市の説明は「軽減判定所得は、4人の所得を足し合わせた275万円となります。この世帯の場合、軽減が適用される所得額の基準は、世帯の被保険者数4人および年金・給与所得者数1人により271万円以下であり、それを超過しているため軽減の適用はありません」。
2割軽減の基準は43万円+57万円×4人=271万円。判定所得275万円はわずか4万円超過で軽減を逃しています。大分市の均等割51,500円×4人+平等割39,600円=245,600円が対象なので、2割軽減が効けば約4.9万円が減ったことになります。4万円の所得差で4.9万円の負担差が生まれる境界です。
| 医療分 | 支援分 | 介護分 | 子ども子育て分 | |
|---|---|---|---|---|
| 所得割額 | 189万×8.68% =164,052円 | 189万×2.68% =50,652円 | 189万×2.48% =46,872円 | 189万×0.31% =5,859円 |
| 均等割額 | 30,600円×4人 =122,400円 | 9,700円×4人 =38,800円 | 10,100円×2人 =20,200円 | 1,000円×3人 =3,000円 |
| 18歳以上均等割 | - | - | - | 100円×3人=300円 |
| 平等割額 | 25,400円 | 7,500円 | 6,000円 | 700円 |
| 合計 (百円未満切り捨て) | 311,800円 | 96,900円 | 73,000円 | 9,800円 |
国保年税額は491,500円です。
区分ごとの人数の違いに注目してください。医療分と支援分は4人分、介護分は40代の夫婦2人分、子ども子育て分は19歳の子を含む3人分(15歳の子は18歳未満で全額軽減)。18歳以上均等割も3人分です。
また妻の課税標準額は22万円(給与所得65万-基礎控除43万)。基礎控除43万円は加入者ごとに引けるので、世帯合計から1回だけ引く方式より有利です。
モデルケース(2)70代夫婦2人世帯——5割軽減が適用される例
2つ目の例は世帯主が年金収入200万円(年金所得90万円)、妻が年金収入110万円(年金所得0円)の70代夫婦です。
市の説明は「令和8年1月1日現在で65歳以上の公的年金受給者は、年金所得から15万円を差し引いた額が軽減判定基準額になります。よって軽減判定所得は、世帯主の年金所得から15万円差し引いた75万円となります。この世帯の場合、5割軽減の適用される所得額の基準が、世帯の被保険者数2人および年金・給与所得者数1人により105万円以下となるため、5割軽減が適用されます」。
15万円の控除がなければ判定所得は90万円。それでも105万円以下なので5割軽減の対象ですが、年金収入がもう少し多い世帯では、この15万円が軽減の分かれ目になります。
| 医療分 | 支援分 | 子ども子育て分 | |
|---|---|---|---|
| 所得割額 | 47万×8.68%=40,796円 | 47万×2.68%=12,596円 | 47万×0.31%=1,457円 |
| 均等割額 (5割軽減後) | (30,600円×2)×0.5 =30,600円 | (9,700円×2)×0.5 =9,700円 | (1,000円×2)×0.5 =1,000円 |
| 18歳以上均等割 | - | - | (100円×2)×0.5=100円 |
| 平等割額 (5割軽減後) | 25,400円×0.5 =12,700円 | 7,500円×0.5 =3,750円 | 700円×0.5=350円 |
| 合計 | 84,000円 | 26,000円 | 2,900円 |
国保年税額は112,900円です。70代なので介護分はかかりません(65歳以上は介護保険料を別に納めます)。
所得割には軽減がかからない点にも注目してください。5割軽減が効くのは均等割・18歳以上均等割・平等割だけです。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 223,076円 + 均等割 107,100円 + 平等割 25,400円 ⇒ 355,576円
- 後期支援分: 所得割 68,876円 + 均等割 33,950円 + 平等割 7,500円 ⇒ 110,326円
- 介護分: 所得割 63,736円 + 均等割 20,200円 + 平等割 6,000円 ⇒ 89,936円
- 子ども分: 所得割 7,967円 + 均等割 2,200円 + 平等割 700円 ⇒ 10,867円
合計: 年間 約566,705円(月あたり約47,200円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 138,012円 + 均等割 30,600円 + 平等割 25,400円 ⇒ 194,012円
- 後期支援分: 所得割 42,612円 + 均等割 9,700円 + 平等割 7,500円 ⇒ 59,812円
- 介護分: 所得割 39,432円 + 均等割 10,100円 + 平等割 6,000円 ⇒ 55,532円
- 子ども分: 所得割 4,929円 + 均等割 1,100円 + 平等割 700円 ⇒ 6,729円
合計: 年間 約316,085円(月あたり約26,300円)
単身世帯でも平等割が合計で年39,600円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 258,244円 / 後期支援分 79,644円 / 介護分 73,884円 / 子ども分 9,023円 ⇒ 合計 約420,795円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 79,346円 / 後期支援分 24,426円 / 介護分 22,750円 / 子ども分 2,674円 ⇒ 合計 約129,197円
差額は年間およそ29万2千円。届出書1枚でこれだけ違います。大分市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は大分市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 大分市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども子育て分の均等割1,100円は「均等割1,000円+18歳以上均等割100円」の合計。18歳未満(令和8年度課税は平成20年4月2日以後生まれ)の被保険者にかかる子ども子育て分の均等割は全額軽減されます。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 大分市 市民部 国保年金課(097-537-5736)
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
会社都合で離職された方は、前年の給与所得を100分の30とみなして計算する非自発的失業者の軽減が使えます(離職時65歳未満、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者が対象)。
大分市は所得割14.15%と高めなので、軽減の効果は大きくなります。
給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯で試算します。課税標準額は276万-43万=233万円。所得割は233万×14.15%=329,695円、均等割51,500円+平等割39,600円を足して年約42.1万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。課税標準額は39.8万円まで下がり、所得割は56,317円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割軽減の判定も行われます。単身世帯なら2割軽減の基準は43万+57万=100万円。82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割・平等割91,100円が72,880円に。
合計は約12.9万円。差はおよそ29.2万円です。
7割軽減なら均等割・平等割から年約6.4万円が減ります。世帯人数が多ければ効果はさらに大きくなります(市のモデルケース(1)のような4人世帯なら、2割軽減だけでも約4.9万円)。
この軽減は申請が必要です。ハローワークで雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)を受け取ったら、国保年金課(097-537-5736)へ。市の「国民健康保険税の試算」ページで軽減後の額を確認することもできます。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 大分市の減免制度|要申請
大分市の低所得世帯の軽減、18歳未満の子ども子育て分の均等割軽減、未就学児の均等割軽減は申請不要です。ただし「所得の有無に関わらず、所得申告をしていることが必要です」。非自発的失業の軽減・産前産後の免除・各種減免は申請が必要です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 低所得世帯の軽減 (申請不要/要・所得申告) | 世帯(世帯主、被保険者、特定同一世帯所属者)の前年の所得合計額が①43万円+10万円×(年金・給与所得者数-1)以下=7割、②43万円+31万円×世帯の被保険者等の数+10万円×(年金・給与所得者数-1)以下=5割、③43万円+57万円×同+10万円×(年金・給与所得者数-1)以下=2割 | 均等割額・18歳以上均等割・平等割額を減額。医療分・支援分・介護分・子ども子育て分ともに同じ軽減割合。令和8年度は5割が30.5万円→31万円、2割が56万円→57万円に拡充されました |
| 子ども子育て分の軽減措置 (申請不要) | 18歳未満(令和8年度課税は平成20年4月2日以後生まれ)の被保険者 | 子ども子育て分の均等割が全額軽減されます |
| 未就学児の均等割軽減 (申請不要) | 義務教育就学前の子ども | 均等割額が5割軽減。7割・5割・2割軽減の対象世帯の子どもは、軽減後の均等割額にさらに5割軽減が適用されます |
| 非自発的失業者の軽減 (要申請) | 倒産・解雇・雇止め等で離職した方(離職時65歳未満)で雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者 | 前年の給与所得を100分の30として算定。軽減判定にも反映されます |
| 産前産後期間の国民健康保険税の免除 (要届出) | 出産(予定)の被保険者 | 産前産後期間相当分の保険税が免除されます。国保年金課へ |
| 災害等による減免 (要申請) | 災害など特別な事情により納付が困難な場合 | 国保年金課(097-537-5736)へ相談を |
大分市の軽減判定でとくに知っておきたいのが、65歳以上の公的年金受給者への15万円控除です。
市のモデルケース(2)の説明はこうです。「令和8年1月1日現在で65歳以上の公的年金受給者は、年金所得から15万円を差し引いた額が軽減判定基準額になります」。判定でだけ有利になる特例で、所得割の計算では引けません。
年金収入がぎりぎりの世帯では、この15万円が軽減の分かれ目になります。たとえば2人世帯・年金・給与所得者1人なら5割軽減の基準は43万+31万×2=105万円。年金所得が115万円の方は控除後100万円となり5割軽減の対象、控除がなければ2割軽減にとどまることになります。
もうひとつ押さえたいのが軽減の境界線です。市のモデルケース(1)は判定所得275万円に対し2割軽減の基準が271万円で、わずか4万円の超過で軽減なしという例でした。
この世帯の場合、均等割51,500円×4人+平等割39,600円=245,600円が軽減の対象。2割軽減が効いていれば約4.9万円が減っていました。4万円の所得差が4.9万円の負担差を生む計算です。
境界線上の世帯は、判定所得を1円単位で確認する価値があります。大分市の「国民健康保険税の試算」ページや、国保年金課(097-537-5736)で確認してください。
そして「所得の有無に関わらず、所得申告をしていることが必要です」。収入がゼロでも申告しないと軽減されません。単身40〜64歳なら7割軽減を逃すと年約6.4万円の差です。
軽減割合は4区分すべて同じです。市は「医療分・支援分・介護分・子ども子育て分ともに同じ軽減割合になります」としています。
「年金・給与所得者」の定義は、給与収入55万円超の者、または公的年金等の支給が65歳未満で60万円超・65歳以上で125万円超の者です。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
- スマホ決済(請求書払い)
- コンビニ納付
- 納付書による金融機関窓口払い
- 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)
大分市の国保税は毎年4月から翌年3月までを1年度として、医療分・支援分・介護分および子ども子育て分の年税額の合計で計算されます。
年度途中で加入・脱退した場合の税額は「年税額÷12×加入月数」という明快な式で示されています。
納税通知書等は6月中旬に送付されます。市は「令和8年度国民健康保険税の納税通知書等を6月中旬に送付します」という案内ページと、「国民健康保険税の納税通知書の見方」という解説ページを用意しています。通知書の読み方がわからない場合はそちらが参考になります。
納期限と納付方法については「令和8年度納期限と納付方法【国保税】」のページに掲載されています。
遡及課税にも注意してください。市は「遡及課税について」の項目を設けており、届出が遅れても資格が発生した月までさかのぼって課税される仕組みを説明しています。
所得の考え方についても市は具体的に示しています。「前年中の総所得金額等」とは、令和8年度課税なら令和7年1月1日から令和7年12月31日の所得で、
(ア)給与収入の人の総所得金額=給与所得控除後の金額(源泉徴収票等で確認できます)
(イ)公的年金の人の総所得金額=年金所得控除後の金額(源泉徴収票等で確認できます)
(ウ)営業等収入の人の総所得金額(営業・農業・事業・不動産など)=収入-必要経費
市は給与所得の算出方法・公的年金等の雑所得の算出方法(いずれも国税庁のページ)へのリンクも用意しています。
65歳以上の方の介護保険料は国保税とは別で、長寿福祉課の所管です。国保の介護分(40〜64歳)とは制度が違うので、混同しないようご注意ください。
市の「国民健康保険税の試算」ページで、自分の所得と世帯構成での概算を確認できます。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 大分市の国保窓口一覧
国保税の計算・軽減・減免の相談は大分市 市民部 国保年金課が窓口です。65歳以上の介護保険料は長寿福祉課の所管です。
| 窓口 | 電話番号 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 市民部 国保年金課 | 097-537-5736 (FAX 097-537-2098) | 国保の加入・脱退、保険税の算定・課税、低所得軽減、非自発的失業者の軽減、産前産後期間の免除、各種減免、保険税の試算 |
| 長寿福祉課 | 大分市役所代表 | 65歳以上の人の介護保険料(国保の介護分とは別制度) |
市の公式サイトに「モデルケースでの国保税計算例(令和8年度)」があります。4人世帯と70代夫婦2人世帯の計算過程が全項目で公開されています。
「国民健康保険税の試算」ページで自分の所得・世帯構成での概算を確認できます。
納税通知書は6月中旬に送付されます。市は「納税通知書の見方」の解説ページも用意しています。
軽減には「所得の有無に関わらず、所得申告をしていること」が必要です。収入がゼロでも申告してください。
18歳以上/18歳未満の区切りは生年月日で明示されています(令和8年度課税は平成20年4月1日以前生まれが18歳以上)。
8. よくある質問(大分市の国保)
Q1. 令和8年度から保険税はどれくらい上がりましたか?
A. 均等割の引き上げが突出しています。4区分合計で42,900円→51,500円(+8,600円)です。
項目ごとに見ていきます。
均等割:医療分26,500円→30,600円(+4,100円)、支援分7,700円→9,700円(+2,000円)、介護分8,700円→10,100円(+1,400円)、子ども子育て分1,000円+18歳以上均等割100円が新設
所得割:医療分8.65%→8.68%、支援分2.49%→2.68%、介護分2.50%→2.48%(引き下げ)、子ども子育て分0.31%が新設
平等割:医療分25,700円→25,400円(引き下げ)、支援分6,900円→7,500円、介護分5,900円→6,000円、子ども子育て分700円が新設
課税限度額:医療分660,000円→670,000円、合計109万円→113万円
合計では所得割13.64%→14.15%(+0.51ポイント)、均等割42,900円→51,500円(+8,600円)、平等割38,500円→39,600円(+1,100円)。
均等割の伸びが大きいのが今回の改定の特徴です。均等割は所得に関係なくかかるので、所得の低い世帯ほど影響が大きくなります。単身40〜64歳・所得ゼロなら81,400円→91,100円で9,700円の増です。
一方で介護分の所得割と医療分の平等割は引き下げられており、単純な値上げではありません。
軽減基準も拡充されました(5割が30.5万円→31万円、2割が56万円→57万円)。去年は対象外でも今年は該当する可能性があります。
Q2. あと少しで軽減に届きませんでした。どれくらいの差ですか?
A. 大分市のモデルケース(1)がまさにその例です。判定所得275万円に対し基準が271万円で、4万円の超過で軽減なしになっています。
市の説明を引きます。「軽減判定所得は、4人の所得を足し合わせた275万円となります。この世帯の場合、軽減が適用される所得額の基準は、世帯の被保険者数4人および年金・給与所得者数1人により271万円以下であり、それを超過しているため軽減の適用はありません」。
2割軽減の基準は43万円+57万円×4人=271万円。判定所得275万円はわずか4万円の超過です。
この世帯で軽減の対象になる額を計算すると、均等割51,500円×4人=206,000円+平等割39,600円=245,600円。2割軽減なら約4.9万円が減っていました。
4万円の所得差が、4.9万円の負担差を生むという境界です。所得が増えたのに手取りが減る、という逆転が起きるゾーンでもあります。
判定所得は所得割の課税標準額とは違う点にも注意してください。このケースでは判定所得275万円(世帯の所得合計)に対し、課税標準額は189万円(各人から43万円を引いた後の合計)。基礎控除を引く前が判定所得です。
65歳以上の公的年金受給者には15万円の控除があるので、判定所得が下がって軽減に届くケースもあります。
境界線上だと思ったら、市の「国民健康保険税の試算」ページや国保年金課(097-537-5736)で1円単位の確認をおすすめします。
Q3. 19歳と15歳の子どもがいます。均等割はどうなりますか?
A. 19歳の子には子ども子育て分の均等割がかかり、15歳の子にはかかりません。大分市のモデルケース(1)がそのケースです。
市の例は40代の夫婦2人と19歳・15歳の子ども2人の4人世帯。区分ごとの人数はこうなっています。
医療分:30,600円×4人=122,400円(全員)
支援分:9,700円×4人=38,800円(全員)
介護分:10,100円×2人=20,200円(40代の夫婦のみ)
子ども子育て分:1,000円×3人=3,000円(夫婦+19歳の子)
18歳以上均等割:100円×3人=300円(同上)
15歳の子だけが子ども子育て分の均等割の対象外です。市は「18歳未満の被保険者にかかる子ども子育て分の均等割は全額軽減されます」としています。
「18歳未満」の定義は生年月日で明示されています。令和8年度課税では平成20年4月2日以後生まれが18歳未満、平成20年4月1日以前生まれが18歳以上です。誕生日ではなく年度で区切られます。
介護分は40〜64歳のみなので、19歳・15歳の子には介護分の均等割も所得割もかかりません。
未就学児がいる場合はさらに手厚くなります。義務教育就学前の子どもは均等割額が5割軽減、7割・5割・2割軽減の対象世帯なら軽減後の額にさらに5割軽減が適用されます。
この4人世帯の年税額は491,500円です。
Q4. 70代の夫婦です。介護分はかかりますか?
A. かかりません。65歳以上は国保税とは別に介護保険料を納めます。大分市のモデルケース(2)がその例です。
市の例は世帯主が年金収入200万円(年金所得90万円)、妻が年金収入110万円(年金所得0円)の70代夫婦。介護分は「ー」と表記され、計算に入っていません。
国保税の介護分は介護保険第2号被保険者(40歳〜64歳)のみが対象です。65歳以上(第1号被保険者)の介護保険料は長寿福祉課の所管で、国保税とは別に納めます。
この世帯には5割軽減が適用されています。市の説明は「令和8年1月1日現在で65歳以上の公的年金受給者は、年金所得から15万円を差し引いた額が軽減判定基準額になります。よって軽減判定所得は、世帯主の年金所得から15万円差し引いた75万円となります」。5割軽減の基準は43万+31万×2人=105万円で、75万円はその範囲内です。
計算結果は次のとおりです。
医療分:所得割40,796円+均等割30,600円(5割軽減後)+平等割12,700円(同)=84,000円
支援分:12,596円+9,700円+3,750円=26,000円
子ども子育て分:1,457円+1,000円+100円+350円=2,900円
国保年税額は112,900円です。
注目したいのは所得割には軽減がかからない点。5割軽減が効くのは均等割・18歳以上均等割・平等割だけで、所得割40,796円などはそのままです。
なお75歳になると後期高齢者医療制度に移り、国保からは脱退します。
Q5. 大分市の国保税は高いのですか?
A. 所得割14.15%は全国的に高めです。とくに医療分の8.68%が効いています。
所得割の内訳は医療分8.68%+支援分2.68%+介護分2.48%+子ども子育て分0.31%。全国の中核市では12〜13%台が多いなかで、14%台は高いほうです。
均等割の合計は1人51,500円、平等割の合計は年39,600円。単身40〜64歳なら所得ゼロでも年91,100円が基本になります。
4区分すべてに平等割があるのも特徴です。介護分や子ども分に平等割を置かない自治体も多いので、その分やや割高になります。単身・2人世帯には重い構造です。
実額の目安(市のモデルケース)です。
4人世帯(営業所得210万+給与所得65万):491,500円
70代夫婦2人(年金所得90万/5割軽減):112,900円
単身40〜64歳・給与収入400万円:約42.1万円
課税限度額の合計は113万円です。
負担を抑えるうえで確実に効くのが7割・5割・2割の軽減です。均等割51,500円+平等割39,600円=91,100円が対象なので、単身で7割軽減なら年約6.4万円が減ります。4人世帯なら2割軽減だけでも約4.9万円です。
令和8年度は軽減基準が拡充されました(5割が30.5万円→31万円、2割が56万円→57万円)。4人世帯なら2割軽減の基準額が4万円上がっています。去年は対象外でも今年は該当する可能性があるので確認してください。
所得申告が条件です。収入がなくても申告を。
Q6. 営業所得と給与所得の両方がある世帯です。基礎控除は何回引けますか?
A. 加入者ごとに1回ずつ引けます。大分市は「所得割額は被保険者一人ずつ計算し、合算する」方式です。
市のモデルケース(1)がわかりやすい例です。世帯主が営業所得210万円、妻が給与収入130万円(給与所得65万円)という世帯で、課税標準額は次のように計算されています。
世帯主:210万円-43万円(基礎控除)=167万円
妻:65万円-43万円(基礎控除)=22万円
世帯の課税標準額:167万円+22万円=189万円
それぞれから43万円を引いてから合算しています。世帯合計275万円から43万円を1回だけ引く方式なら課税標準額は232万円になるので、43万円分の差が生じます。所得割14.15%なので年約6.1万円の違いです。
所得が43万円に満たない加入者はマイナスになりません。妻の所得が30万円なら30万-43万=マイナス13万円ではなく0円。マイナス分を世帯主の所得から引くことはできません。
総所得金額の求め方も市は所得の種類ごとに示しています。
(ア)給与収入:給与所得控除後の金額(源泉徴収票等で確認)
(イ)公的年金:年金所得控除後の金額(源泉徴収票等で確認)
(ウ)営業等収入(営業・農業・事業・不動産など):収入-必要経費
ただし軽減判定は基礎控除を引く前の所得合計で行われます。モデルケース(1)では判定所得275万円、課税標準額189万円と、数字が大きく違います。混同しないよう注意してください。
Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得世帯の軽減
(申請不要/要・所得申告)・子ども子育て分の軽減措置
(申請不要)・未就学児の均等割軽減
(申請不要)・非自発的失業者の軽減
(要申請)・産前産後期間の国民健康保険税の免除
(要届出)・災害等による減免
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に大分市 市民部 国保年金課(097-537-5736)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|大分市の国保で押さえるべきポイント
- 大分市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分8.68%・後期支援分2.68%・介護分2.48%・子ども分0.31%
- 均等割は医療分30,600円・後期支援9,700円・介護10,100円・子ども1,100円、平等割は合計で年39,600円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 令和8年度は均等割を大幅増額(4区分合計42,900円→51,500円、+8,600円)。所得の低い世帯ほど影響が大きい
- 介護分の所得割(2.50→2.48%)と医療分の平等割(25,700→25,400円)は引き下げ。単純な値上げではない
- モデルケース2つを全項目で公開。4人世帯は判定所得275万円が基準271万円を4万円超過して軽減なし(約4.9万円の差)
- 65歳以上の公的年金受給者は軽減判定で年金所得から15万円控除される(判定でのみ有利)
- 18歳以上/18歳未満の区切りは生年月日で明示(令和8年度課税は平成20年4月1日以前生まれが18歳以上)
- 基礎控除43万円は加入者ごとに引ける。ただし軽減判定は基礎控除を引く前の所得合計で行う
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年29万2千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は大分市 市民部 国保年金課(097-537-5736)
出典・参考:
・大分市公式:国保税の税率と税額の求め方(令和8年度税率)
・大分市公式:モデルケースでの国保税計算例(令和8年度)
・大分市公式:国保の保険税
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は大分市公式サイトでご確認ください。