荒川区の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
荒川区は人口約22万人、東京23区の北東部に位置する区です。
この記事では、令和8年度の最新料率にもとづく荒川区の国保料の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
荒川区の料率は東京23区共通(特別区の統一保険料方式)です。そのうえで荒川区が独自に整備しているのがオンライン申請で、非自発的失業による減免も産前産後期間の減免も、区役所に行かずに手続きできます。
もうひとつ、荒川区は「国民健康保険料を納付しないと」という専用ページで、滞納したときに何が起きるかを5段階で具体的に示しています。この記事ではその中身も詳しく扱います。
1. 荒川区の国民健康保険の概要
荒川区の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
荒川区の保険料は2方式(所得割+均等割)で計算します。世帯単位でかかる平等割はありません。単身世帯にとっては比較的有利な設計です。
荒川区の国保は「保険税」ではなく「保険料」方式で、2方式(所得割+均等割)です。東京23区には平等割(世帯割)がありません。
料率は特別区の統一保険料方式により、23区のうち21区で共通です(中野区・江戸川区のみ独自料率)。荒川区は共通料率を採用しています。
非自発的失業による減免と産前産後期間の減免は、いずれもオンライン申請に対応しています。区は「非自発的理由により失業した場合の国民健康保険料を軽減する手続き(オンライン申請)」「産前産後期間の国民健康保険料を減免する手続き(オンライン申請)」という専用ページを設けています。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|
| 基礎分(医療分) | 7.51% | 47,600円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.80% | 17,600円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.43% | 17,800円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.27% | 1,873円 (子ども・子育て支援金分の均等割1,873円は「均等割1,800円+18歳以上均等割73円」の合計で、18歳以上の加入者にかかります。18歳未満の加入者には均等割がかかりません) | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は基礎分(医療分)・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども・子育て支援金分の均等割1,873円は「均等割1,800円+18歳以上均等割73円」の合計で、18歳以上の加入者にかかります。18歳未満の加入者には均等割がかかりません。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は13.01%(基礎分7.51%+後期高齢者支援金分2.80%+介護分2.43%+子ども分0.27%/40〜64歳)。40歳未満なら10.58%です。
平等割がない代わりに均等割が高いのが23区の特徴です。均等割の合計は1人84,873円(基礎47,600+後期支援17,600+介護17,800+子ども1,873/18歳以上・40〜64歳)。40歳未満なら67,073円。
単身40〜64歳なら所得ゼロでも年84,873円が基本です(軽減の対象にはなります)。平等割がないぶん、世帯人数が増えるほど負担が素直に比例して増えます。
賦課限度額は基礎分67万円・後期高齢者支援金分26万円・介護分17万円・子ども分3万円で、合計113万円です。
株式や配当などを確定申告すると国民健康保険料に影響が出ます。区は専用ページ(「株式や配当などの確定申告による国民健康保険料への影響」)を設けて注意喚起しています。
令和8年度の保険料率(東京23区共通料率)
| 所得割額 | 均等割額 | 限度額 | |
|---|---|---|---|
| 基礎分(医療分) | 算定基礎額×7.51% | 加入者数×47,600円 | 67万円 |
| 後期高齢者支援金分 | 算定基礎額×2.80% | 加入者数×17,600円 | 26万円 |
| 介護分 (40〜64歳) | 40〜64歳の加入者の算定基礎額×2.43% | 40〜64歳の加入者数×17,800円 | 17万円 |
| 子ども分 (令和8年度新設) | 算定基礎額×0.27% | 18歳以上の加入者数×1,873円 | 3万円 |
| 合計 | 13.01%(40〜64歳) 10.58%(40歳未満) | 84,873円(40〜64歳) 67,073円(40歳未満) | 113万円 |
算定基礎額=前年の総所得金額等(退職所得金額を除く)- 基礎控除43万円です。
荒川区は手続きのオンライン化が進んでいる
荒川区の国保のページには、オンライン申請の案内が2種類並んでいます。
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 非自発的理由により失業した場合の国民健康保険料を軽減する手続き | 会社都合退職などで前年の給与所得を100分の30として計算する軽減。オンライン申請可 |
| 産前産後期間の国民健康保険料を減免する手続き | 出産(予定)の被保険者の産前産後期間相当分を免除。オンライン申請可 |
いずれも窓口に行かずに手続きが完結します。とくに非自発的失業の軽減は離職直後の手続きなので、ハローワークや失業給付の手続きと重なりがちです。オンラインで済ませられるのは実務的に大きな利点です。
納付方法も選択肢が広く、区は「モバイルレジ(モバイルバンキング・クレジットカード)での納付」のページを設けています。
さらに「国保年金課混雑状況」のページもあり、窓口の混み具合を事前に確認できます。区は「お支払いに関するご相談にはお時間を要する場合があります。窓口の混雑状況については、国保年金課混雑状況をご確認ください」と案内しています。
23区共通料率の意味——平等割がないことの影響
東京23区の国保料には平等割(世帯割)がありません。全国の市町村では3方式(所得割+均等割+平等割)が主流で、平等割は年2万〜4万円台が一般的です。
そのぶん23区は均等割が高く設定されています。基礎分47,600円は全国的にかなり高い水準です。
| 自治体 | 均等割 | 平等割 | 単身世帯の合計 |
|---|---|---|---|
| 荒川区(23区共通) | 84,873円 | なし | 84,873円 |
| 上尾市(埼玉) | 85,517円 | なし | 85,517円 |
| 千葉市 | 50,520円 | 36,960円 | 87,480円 |
| 新潟市 | 37,600円 | 28,200円 | 65,800円 |
| 伊東市(静岡) | 48,600円 | 22,000円 | 70,600円 |
単身世帯で比べると、平等割のある千葉市(87,480円)とほぼ変わりません。差が出るのは世帯人数が増えたときです。
4人世帯なら荒川区は339,492円(84,873円×4人)。千葉市は239,040円(50,520円×4人+36,960円)で、荒川区のほうが約10万円高い計算になります。
平等割がない構造は、単身世帯に有利で人数の多い世帯に不利ということです。
ただし18歳未満は子ども分の均等割が0円、未就学児は基礎分・後期高齢者支援金分の均等割が5割減額されるので、実際の子育て世帯の負担はこの表より軽くなります。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 193,007円 + 均等割 166,600円 ⇒ 359,607円
- 後期支援分: 所得割 71,960円 + 均等割 61,600円 ⇒ 133,560円
- 介護分: 所得割 62,451円 + 均等割 35,600円 ⇒ 98,051円
- 子ども分: 所得割 6,939円 + 均等割 3,746円 ⇒ 10,685円
合計: 年間 約601,903円(月あたり約50,200円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 119,409円 + 均等割 47,600円 ⇒ 167,009円
- 後期支援分: 所得割 44,520円 + 均等割 17,600円 ⇒ 62,120円
- 介護分: 所得割 38,637円 + 均等割 17,800円 ⇒ 56,437円
- 子ども分: 所得割 4,293円 + 均等割 1,873円 ⇒ 6,166円
合計: 年間 約291,732円(月あたり約24,300円)
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 222,583円 / 後期支援分 82,840円 / 介護分 74,419円 / 子ども分 8,164円 ⇒ 合計 約388,006円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 67,970円 / 後期支援分 25,224円 / 介護分 23,911円 / 子ども分 2,573円 ⇒ 合計 約119,678円
差額は年間およそ26万8千円。届出書1枚でこれだけ違います。荒川区が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は荒川区公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 基礎分(医療分) 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 荒川区の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援金分の均等割1,873円は「均等割1,800円+18歳以上均等割73円」の合計で、18歳以上の加入者にかかります。18歳未満の加入者には均等割がかかりません。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 荒川区 国保年金課(オンライン申請も可)
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
倒産・解雇・雇止めなどで離職された方は、前年の給与所得を100分の30として計算する軽減が使えます(離職時65歳未満、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者が対象)。
荒川区はこの手続きをオンライン申請に対応させています。区は「非自発的理由により失業した場合の国民健康保険料を軽減する手続き(オンライン申請)」という専用ページを設けており、区役所に行かずに手続きが完結します。
離職直後はハローワークでの求職申込みや失業給付の手続きが重なる時期です。国保の軽減をオンラインで済ませられるのは実務的に大きな利点といえます。
効果を試算します。給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯なら、算定基礎額は276万-43万=233万円。所得割は233万×13.01%=303,133円、均等割84,873円を足して年約38.8万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。算定基礎額は39.8万円まで下がり、所得割は51,780円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割軽減の判定も行われます。単身世帯なら2割軽減の基準は43万+57万=100万円。82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割84,873円が67,898円に。
合計は約12.0万円。差はおよそ26.8万円です。
荒川区は均等割84,873円が軽減の対象で、これは全国的にも大きな金額です。7割軽減なら年約5.9万円が減ります。
オンライン申請が使えない場合は、雇用保険受給資格者証(離職理由コード入り)を持って国保年金課へ。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 荒川区の減免制度|要申請
荒川区の均等割額の減額(7割・5割・2割)と未就学児の減額、18歳未満の子ども分の減額は申請不要です(ただし住民税の申告が必要)。非自発的失業による減免と産前産後期間の減免は申請が必要ですが、いずれもオンライン申請に対応しています。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 均等割額の減額 (申請不要/要・住民税申告) | 世帯主と加入者(特定同一世帯所属者を含む)の前年中の総所得金額等の合計が①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②①+31万円×加入者数以下=5割、③①+57万円×加入者数以下=2割 | 均等割額を減額。住民税の申告がないと適用されません |
| 未就学児の均等割減額 (申請不要) | 未就学児 | 均等割額を5割減額。所得に応じた減額が適用される場合は減額後の額をさらに5割減額(7割減額なら8.5割) |
| 18歳未満の子ども分の均等割 (申請不要) | 18歳未満の加入者 | 子ども分の均等割はかかりません(0円)。均等割1,873円は「18歳以上の加入者数」にのみかかります |
| 非自発的失業による減免 (要申請/オンライン申請可) | 倒産・解雇・雇止め等で離職した方(離職時65歳未満)で雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者 | 前年の給与所得を100分の30として算定。区がオンライン申請の専用ページを設けています |
| 産前産後期間相当分の免除 (要申請/オンライン申請可) | 出産(予定)の被保険者 | 産前産後期間相当分の保険料を免除。区がオンライン申請の専用ページを設けています |
| その他の減免制度 (要申請) | 災害・所得減少など特別な事情により納付が困難な場合 | 区の「国民健康保険料の減免制度等」ページに要件が掲載されています |
荒川区で軽減・減免を考えるときに知っておきたいのが、手続きのオンライン化です。
区は非自発的失業による減免と産前産後期間の減免の2つについて、オンライン申請の専用ページを設けています。いずれも離職直後・出産前後という、窓口に行くのが難しい時期の手続きです。
窓口へ行く場合も、「国保年金課混雑状況」のページで事前に混み具合を確認できます。区は「お支払いに関するご相談にはお時間を要する場合があります。窓口の混雑状況については、国保年金課混雑状況をご確認ください」と案内しています。
もうひとつ、荒川区が専用ページを設けているのが「株式や配当などの確定申告による国民健康保険料への影響」です。
特定口座(源泉徴収あり)で完結させれば保険料は上がりませんが、損益通算や配当控除のために確定申告をすると、その所得が保険料の算定に入ります。荒川区の所得割は13.01%(40〜64歳)なので、100万円の譲渡益を申告すると保険料は約13万円増える計算です。
さらに7割・5割・2割の減額から外れる影響もあります。均等割84,873円の7割減額(59,411円)が消えれば、その分も加算されます。所得税・住民税の還付額と比べて判断してください。
均等割額の減額には住民税の申告が必要です。収入がなくても申告してください。荒川区の均等割は1人84,873円(40〜64歳・18歳以上)と全国的に大きいので、7割減額を逃すと年約5.9万円、2人世帯なら約11.9万円の差になります。
未就学児の減額は上乗せ方式です。7割減額世帯の未就学児なら実質8.5割。未就学児にかかる均等割(基礎47,600円+後期支援17,600円=65,200円)が9,780円まで下がります。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(区が推奨。専用ページあり)
- モバイルレジ(モバイルバンキング・クレジットカード)
- 納付書(金融機関・コンビニエンスストア等)
- 特別徴収(年金からの差し引き)
荒川区は「国民健康保険料を納付しないと」という専用ページで、滞納したときに何が起きるかを5段階で具体的に示しています。ここまで詳しく書いている自治体は多くありません。
①延滞金の加算——「納期限を過ぎると、納期限の翌日から納付までの日数に応じた延滞金が保険料に加算されます」。1日でも遅れれば翌日から発生します。
②特別療養費の支給——「保険料の滞納が長期間にわたる場合は、療養の給付等に代えて、特別療養費を支給します。特別療養費の支給は、医療機関の窓口で医療費(保険診療分)の全額(10割)を支払い、後日、医療費の保険給付分を区に請求することになります」。窓口で10割払いになります。
③保険給付の差し止め——「特別な事情がないにもかかわらず、保険料を納期限から1年6か月以上滞納すると、医療費の患者負担分を控除した分などの保険給付の全部または一部を差し止めすることがあります」。
④給付費の充当——「国民健康保険の給付費(療養費、高額療養費、出産一時金、葬祭費など)の一部または全部を保険料の滞納額へ充当します」。出産育児一時金や葬祭費も滞納額に充てられます。まとまった給付を受け取れなくなる、という点で影響が大きい措置です。
⑤財産の差押処分——「特別な事情がなく保険料を滞納している世帯には、上記の措置とは別に預貯金等財産の差押処分を行う場合があります」。
区は同時に「納期限内のお支払いが難しい場合は、早めにご相談ください」とも呼びかけています。滞納してからより、納期限前の相談のほうが選択肢が多く残ります。
納付方法は多様です。区は「保険料の口座振替」「モバイルレジ(モバイルバンキング・クレジットカード)での納付」のページを設けており、クレジットカードでの納付も可能です。
延滞金の計算については「延滞金及び還付加算金」という専用ページがあります。
窓口は荒川区役所本庁舎1階の国保年金課保険料係(03-3802-3111 内線2386〜2389)です。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 荒川区の国保窓口一覧
国保料の計算・軽減・減免の相談は荒川区役所本庁舎1階の国保年金課が窓口です。非自発的失業と産前産後の減免はオンライン申請にも対応しています。
| 窓口 | 電話番号 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 福祉部 国保年金課 保険料係 〒116-8501 東京都荒川区荒川二丁目2番3号 本庁舎1階 | 03-3802-3111 (内線2386〜2389) | 保険料の算定・賦課、均等割額の減額、非自発的失業による減免、産前産後期間の免除、各種減免、納付相談、口座振替 |
| オンライン申請 | - | 非自発的失業による保険料の軽減、産前産後期間の保険料の減免(いずれも区の専用ページから) |
| 国保年金課混雑状況 | - | 窓口の混雑状況を事前に確認できるページ |
非自発的失業による減免と産前産後期間の減免はオンライン申請に対応しています。区役所に行かずに手続きできます。
「国保年金課混雑状況」のページで窓口の混み具合を事前に確認できます。納付相談は時間がかかる場合があります。
モバイルレジ(モバイルバンキング・クレジットカード)での納付に対応しています。
滞納すると、延滞金・特別療養費(10割負担)・保険給付の差し止め・給付費の充当・財産の差押処分という5つの措置があります。
株式や配当などを確定申告すると保険料に影響します。区が専用ページで注意喚起しています。
8. よくある質問(荒川区の国保)
Q1. 会社都合で退職しました。窓口に行かずに手続きできますか?
A. できます。荒川区は非自発的失業による保険料の軽減をオンライン申請に対応させています。
区は「非自発的理由により失業した場合の国民健康保険料を軽減する手続き(オンライン申請)」という専用ページを設けています。区役所に行かずに手続きが完結します。
離職直後はハローワークでの求職申込み、失業給付の手続き、国保・国民年金の加入手続きなどが重なる時期です。国保の軽減をオンラインで済ませられるのは実務的に大きな利点といえます。
対象は、倒産・解雇・雇止めなどで離職した方(離職時65歳未満)で、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者にあたる方です。雇用保険受給資格者証(離職理由コード入り)が必要になるので、まずハローワークで手続きをしてください。
軽減の内容は前年の給与所得を100分の30として計算すること。離職日の翌日から翌年度末までが対象期間です。
効果を試算します。給与収入400万円・単身40〜64歳なら、軽減前が年約38.8万円、軽減後は約12.0万円(2割軽減も適用)。差はおよそ26.8万円です。
産前産後期間の減免もオンライン申請に対応しています。
オンライン申請が使えない場合は、国保年金課(03-3802-3111 内線2386〜2389/本庁舎1階)へ。窓口へ行く前に「国保年金課混雑状況」のページで混み具合を確認できます。
Q2. 保険料を滞納するとどうなりますか?
A. 荒川区は5つの措置を具体的に示しています。延滞金、特別療養費(10割負担)、保険給付の差し止め、給付費の充当、財産の差押処分です。
区の説明を順に見ていきます。
①延滞金の加算——「納期限を過ぎると、納期限の翌日から納付までの日数に応じた延滞金が保険料に加算されます」。1日でも遅れれば翌日から発生します。区は「延滞金及び還付加算金」という専用ページも設けています。
②特別療養費の支給——「保険料の滞納が長期間にわたる場合は、療養の給付等に代えて、特別療養費を支給します。特別療養費の支給は、医療機関の窓口で医療費(保険診療分)の全額(10割)を支払い、後日、医療費の保険給付分を区に請求することになります」。窓口で10割払いになります。
③保険給付の差し止め——「特別な事情がないにもかかわらず、保険料を納期限から1年6か月以上滞納すると、医療費の患者負担分を控除した分などの保険給付の全部または一部を差し止めすることがあります」。
④給付費の充当——「国民健康保険の給付費(療養費、高額療養費、出産一時金、葬祭費など)の一部または全部を保険料の滞納額へ充当します」。出産育児一時金や葬祭費も滞納額に充てられます。まとまったお金が必要なときに受け取れなくなるので、影響が大きい措置です。
⑤財産の差押処分——「特別な事情がなく保険料を滞納している世帯には、上記の措置とは別に預貯金等財産の差押処分を行う場合があります」。
区は同時に「納期限内のお支払いが難しい場合は、早めにご相談ください」とも呼びかけています。滞納してからより、納期限前の相談のほうが選択肢が多く残ります。
非自発的失業による減免や各種減免制度が使える場合もあります。
Q3. 株の利益を確定申告すると保険料は上がりますか?
A. 上がります。荒川区は専用ページ(「株式や配当などの確定申告による国民健康保険料への影響」)を設けて注意喚起しています。
国保料の算定基礎額は前年の総所得金額等(退職所得金額を除く)から基礎控除43万円を引いた額です。
特定口座(源泉徴収あり)で完結させれば、株式の譲渡所得や上場株式等の配当所得は算定に含まれません。
ところが確定申告をすると、その所得が算定に入ります。損益通算、譲渡損失の繰越控除、配当控除の適用、源泉徴収された税金の還付——申告する理由はいくつもありますが、国保料は別です。
荒川区の所得割は13.01%(40〜64歳)。100万円の譲渡益を申告すると、国保料は約13万円増える計算になります。所得税・住民税の還付額がこれを下回ればトータルで損です。
さらに7割・5割・2割の減額から外れる影響もあります。荒川区の均等割は1人84,873円(40〜64歳・18歳以上)と全国的に大きいので、7割減額(59,411円)が消えればその分も加算されます。
また高額療養費の自己負担限度額の区分も上がる可能性があります。入院や手術を予定している方は影響が大きくなります。
申告するかどうかは、還付額と保険料の増加額を比べて判断してください。区の専用ページで詳細を確認できます。判断に迷う場合は国保年金課(03-3802-3111 内線2386〜2389)へ。
Q4. 荒川区の均等割は高いのですか?
A. 1人84,873円は全国的に高い水準です。ただし平等割がないので、単身世帯では他市とほぼ変わりません。
荒川区(東京23区共通)の均等割は基礎分47,600円+後期高齢者支援金分17,600円+介護分17,800円+子ども分1,873円=84,873円(40〜64歳・18歳以上)。
全国の主な自治体と、所得に関係なくかかる部分で比べてみます。
荒川区:均等割84,873円/平等割なし/単身世帯の合計84,873円
上尾市(埼玉):85,517円/なし/85,517円
千葉市:50,520円/36,960円/87,480円
新潟市:37,600円/28,200円/65,800円
伊東市(静岡):48,600円/22,000円/70,600円
単身世帯で比べると、平等割のある千葉市(87,480円)とほぼ変わりません。荒川区のほうがむしろ安いくらいです。
差が出るのは世帯人数が増えたときです。4人世帯なら荒川区は339,492円(84,873円×4人)。千葉市は239,040円(50,520円×4人+36,960円)で、荒川区のほうが約10万円高い計算になります。
平等割がない構造は、単身世帯に有利で人数の多い世帯に不利ということです。
ただし18歳未満は子ども分の均等割が0円、未就学児は基礎分・後期高齢者支援金分の均等割が5割減額されます(いずれも申請不要)。実際の子育て世帯の負担はこの計算より軽くなります。
7割・5割・2割の減額も効きます。7割減額なら年約5.9万円が減ります(住民税の申告が条件)。
Q5. 未就学児がいます。減額はどれくらいですか?
A. 基礎分と後期高齢者支援金分の均等割が5割減額されます。所得に応じた減額を受けている世帯なら、減額後の額をさらに5割減額です。
未就学児にかかる均等割は基礎分47,600円+後期高齢者支援金分17,600円=65,200円(未就学児には介護分がかからず、子ども分の均等割も18歳以上のみなので対象外)。
減額なしの世帯の未就学児:65,200円 → 5割減額で32,600円
2割減額世帯の未就学児:65,200円 → 2割減額後52,160円 → さらに5割で26,080円(合計6割減額)
5割減額世帯の未就学児:→ 16,300円(合計7.5割減額)
7割減額世帯の未就学児:→ 9,780円(合計8.5割減額)
申請は不要です。区が年齢を確認して自動的に適用します。
東京23区の均等割は全国的に高いので、未就学児1人あたりの減額幅も大きくなります。減額なしの世帯でも年32,600円が減る計算です。
18歳未満は子ども分の均等割がかかりません。均等割1,873円は「18歳以上の加入者数」にのみかかります。ただし所得割0.27%は加入者全員にかかるので、18歳未満の子に所得があれば課されます。
なお所得に応じた減額(7割・5割・2割)には住民税の申告が必要です。収入がなくても申告してください。
Q6. 納付方法にはどんな選択肢がありますか?
A. 口座振替、モバイルレジ(モバイルバンキング・クレジットカード)、納付書、年金からの特別徴収があります。
荒川区は納付方法ごとに専用ページを設けています。
①口座振替——区は「保険料の口座振替(国民健康保険料・後期高齢者医療制度)」のページを設けています。納め忘れを防げるのが最大の利点です。
②モバイルレジ——「モバイルレジ(モバイルバンキング・クレジットカード)での納付」のページがあります。クレジットカードでの納付が可能で、納付書のバーコードをスマートフォンで読み取る方式です。
③納付書——金融機関・コンビニエンスストア等の窓口で納付できます。
④特別徴収——条件を満たす世帯主は年金から差し引かれます。
クレジットカードで納付できるのは、ポイント還元を考えると有利になる場合があります。ただし決済手数料がかかることがあるので、区のページで条件を確認してください。
納付が難しいときは、区が「納期限内のお支払いが難しい場合は、早めにご相談ください」と呼びかけています。滞納すると延滞金が納期限の翌日から発生し、長期化すると特別療養費(10割負担)や財産の差押処分にまで進みます。
相談は国保年金課保険料係(03-3802-3111 内線2386〜2389)へ。区は「お支払いに関するご相談にはお時間を要する場合があります」としているので、「国保年金課混雑状況」のページで混み具合を確認してから行くのがおすすめです。
Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、均等割額の減額
(申請不要/要・住民税申告)・未就学児の均等割減額
(申請不要)・18歳未満の子ども分の均等割
(申請不要)・非自発的失業による減免
(要申請/オンライン申請可)・産前産後期間相当分の免除
(要申請/オンライン申請可)・その他の減免制度
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に荒川区 福祉部 国保年金課 保険料係(03-3802-3111 内線2386〜2389)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|荒川区の国保で押さえるべきポイント
- 荒川区は2方式(所得割+均等割)。令和8年度の料率は基礎分(医療分)7.51%・後期支援分2.80%・介護分2.43%・子ども分0.27%
- 均等割は基礎分(医療分)47,600円・後期支援17,600円・介護17,800円・子ども1,873円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 荒川区の料率は東京23区共通(21区共通料率)。2方式で平等割がなく、均等割は1人84,873円(40〜64歳・18歳以上)
- 非自発的失業による減免と産前産後期間の減免はオンライン申請に対応。区役所に行かずに手続きできる
- 「国保年金課混雑状況」のページで窓口の混み具合を事前に確認できる
- 滞納の措置を5段階で明示。延滞金・特別療養費(10割負担)・保険給付の差し止め・給付費の充当(出産一時金や葬祭費も滞納額に充当)・財産の差押処分
- モバイルレジ(モバイルバンキング・クレジットカード)での納付に対応
- 株式や配当などの確定申告による保険料への影響について区が専用ページを設けている
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年26万8千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は荒川区 福祉部 国保年金課 保険料係(03-3802-3111 内線2386〜2389)
出典・参考:
・荒川区公式:国民健康保険料の計算方法
・荒川区公式:国民健康保険料を納付しないと
・荒川区公式:国民健康保険料の支払い・減免
・東京都保健医療局:令和8年度 国民健康保険事業費納付金及び標準保険料率について
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は荒川区公式サイトでご確認ください。