名取市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
名取市は宮城県の中南部、仙台市の南隣にある人口約8万人(令和8年8月末で79,675人・34,921世帯)の市です。仙台市のベッドタウンであり、仙台空港のある市としても知られています。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく名取市の国保税の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、納付方法、窓口情報までまとめました。
名取市の令和8年度の所得割は医療給付費分7.5%・後期高齢者支援金分3.0%・介護納付金分2.65%・子ども・子育て支援金分0.3%で、40〜64歳の方の合計は13.45%です。均等割は1人あたり合計50,783円(18歳以上・介護分を含む)、平等割は1世帯あたり合計44,074円になります。
このページの特徴は、令和8年度に市が税率を改正した点です。市は「令和8年度の変更点」として「税率の改正を行いました」「医療給付費分の課税限度額が引き上げになりました」「子ども分が追加されました」の3点を挙げています。令和7年度と並べると、どこがどれだけ上がったのかがはっきりします。
また、名取市は納付書が4月は1期・2期分だけ、残りは7月に届くという独特の送り方をしており、年金天引きの人は仮徴収(4・6・8月)と本徴収(10・12・2月)に分かれます。納め方のしくみも詳しく説明します。
1. 名取市の国民健康保険の概要
名取市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
名取市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。
名取市は「保険料」ではなく「保険税」方式で、4区分すべてが3方式(所得割+均等割+平等割)です。市は「固定資産税額から計算する資産割額は、平成31年度分以降廃止となりました」と明記しており、資産割は課されません。
市は課税の仕組みを次のように案内しています。「国民健康保険税は、以下の4つの合計です。基礎課税額(医療給付費分)・後期高齢者支援金等課税額(支援金分)・介護納付金課税額(介護分)・子ども・子育て支援納付金課税額(子ども分)」。介護分は40歳以上65歳未満の人についてのみ算定されます。
税額の元になる課税標準額は、前年の所得から基礎控除額43万円を引いた金額です。税額は加入月数に応じた月割計算で、国保に入った日(社会保険等の資格喪失日や転入日)の分から課税されます。
市の「よくある質問」では、納税義務者は世帯主であり、世帯主が社会保険に入っていても、世帯の中に1人でも国保加入者がいれば納税通知書は世帯主あてに届くこと、ただし世帯主が国保に入っていなければ、世帯主の所得は所得割の計算に含まれないことも説明されています。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 平等割(1世帯年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療給付費分 | 7.50% | 27,100円 | 24,100円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 3.00% | 11,000円 | 9,000円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.65% | 11,500円 | 10,000円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.30% | 1,183円 (子ども・子育て支援金分の均等割1,183円は、1,081円+「18歳以上被保険者均等割」102円の合計です。市は「18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である被保険者については、均等割額が全額軽減されます」としており、18歳未満の子どもはこの分がかかりません。平等割974円もあります) | 974円 | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療給付費分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども・子育て支援金分の均等割1,183円は、1,081円+「18歳以上被保険者均等割」102円の合計です。市は「18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である被保険者については、均等割額が全額軽減されます」としており、18歳未満の子どもはこの分がかかりません。平等割974円もあります。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は13.45%(医療給付費分7.5%+後期高齢者支援金分3.0%+介護納付金分2.65%+子ども・子育て支援金分0.3%/40〜64歳)。40歳未満と65歳以上は介護分がないため10.80%です。
均等割の合計は1人50,783円(医療27,100+後期支援11,000+介護11,500+子ども1,183)。40歳未満・65歳以上は介護分を除いた39,283円、18歳未満は子ども分が全額軽減されるので介護分もなければ38,100円です。
平等割の合計は1世帯44,074円(医療24,100+後期支援9,000+介護10,000+子ども974)。介護分の対象者がいない世帯は34,074円になります。
課税限度額の合計は113万円(医療670,000+後期支援260,000+介護170,000+子ども30,000)。令和7年度の109万円から4万円上がりました。
市の試算表が使えます。市は「令和4年度〜令和8年度」の国民健康保険税試算表(Excel)を公開しています。ただし試算の金額について、電話での回答はできません。窓口で試算を申請するか、ホームページの試算表を使う運用です。
| 項目 | 令和7年度 | 令和8年度 | 差 |
|---|---|---|---|
| 所得割(医療) | 7.5% | 7.5% | 変更なし |
| 所得割(支援金分) | 3.0% | 3.0% | 変更なし |
| 所得割(介護) | 2.5% | 2.65% | +0.15ポイント |
| 所得割(子ども分) | なし | 0.3% | 新設 |
| 均等割(医療) | 26,600円 | 27,100円 | +500円 |
| 均等割(支援金分) | 10,500円 | 11,000円 | +500円 |
| 均等割(介護) | 10,500円 | 11,500円 | +1,000円 |
| 平等割(医療) | 23,000円 | 24,100円 | +1,100円 |
| 平等割(支援金分) | 8,000円 | 9,000円 | +1,000円 |
| 平等割(介護) | 10,000円 | 10,000円 | 変更なし |
| 課税限度額(合計) | 109万円 | 113万円 | +4万円 |
所得割の医療分・支援金分は据え置きで、介護分の所得割の引き上げ(2.5%→2.65%)と、均等割・平等割の引き上げが中心です。そこへ子ども・子育て支援金分が新しく乗るので、40〜64歳の所得割の合計は前年度の13.0%から13.45%へ、0.45ポイント上がった計算です(7.5+3.0+2.5=13.0%)。
均等割(介護分を含む18歳以上)は47,600円から50,783円へ3,183円、平等割は41,000円から44,074円へ3,074円の増加です。
なお、市の「よくある質問」は、税額が前年度より高くなる原因として加入者が増えた・収入が増えた・40歳になって介護分がかかり始めた・収入が未申告で軽減が適用されていないの4つを挙げています。制度改正だけでなく、ご自身の状況の変化も確認してください。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 192,750円 + 均等割 94,850円 + 平等割 24,100円 ⇒ 311,700円
- 後期支援分: 所得割 77,100円 + 均等割 38,500円 + 平等割 9,000円 ⇒ 124,600円
- 介護分: 所得割 68,105円 + 均等割 23,000円 + 平等割 10,000円 ⇒ 101,105円
- 子ども分: 所得割 7,710円 + 均等割 2,366円 + 平等割 974円 ⇒ 11,050円
合計: 年間 約548,455円(月あたり約45,700円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 119,250円 + 均等割 27,100円 + 平等割 24,100円 ⇒ 170,450円
- 後期支援分: 所得割 47,700円 + 均等割 11,000円 + 平等割 9,000円 ⇒ 67,700円
- 介護分: 所得割 42,135円 + 均等割 11,500円 + 平等割 10,000円 ⇒ 63,635円
- 子ども分: 所得割 4,770円 + 均等割 1,183円 + 平等割 974円 ⇒ 6,927円
合計: 年間 約308,712円(月あたり約25,700円)
単身世帯でも平等割が合計で年44,074円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 225,950円 / 後期支援分 89,900円 / 介護分 83,245円 / 子ども分 9,147円 ⇒ 合計 約408,242円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 70,810円 / 後期支援分 27,940円 / 介護分 27,747円 / 子ども分 2,920円 ⇒ 合計 約129,417円
差額は年間およそ27万9千円。届出書1枚でこれだけ違います。名取市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は名取市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療給付費分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 名取市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険税が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援金分の均等割1,183円は、1,081円+「18歳以上被保険者均等割」102円の合計です。市は「18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である被保険者については、均等割額が全額軽減されます」としており、18歳未満の子どもはこの分がかかりません。平等割974円もあります。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 名取市役所 健康福祉部 保険年金課 国民健康保険係(名取市増田字柳田80)。郵送での申請も可能です
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
会社都合などで離職された方は、前年の給与所得を100分の30とみなして保険税を算定する非自発的失業者の軽減が使えます。市は「保険税の算定および高額療養費の所得区分の判定を、対象者の前年の給与所得を30/100とみなして行います。給与所得以外は軽減されません」と説明しています。
対象は離職時65歳未満で、雇用保険の「特定受給資格者」(離職理由コード11・12・21・22・31・32)または「特定理由離職者」(23・33・34)の方です。雇用保険の高年齢受給資格者と特例受給資格者は対象外です。
給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯で見ると、軽減なしの課税標準額は276万円-43万円=233万円、所得割は233万円×13.45%=313,385円です。これに均等割50,783円と平等割44,074円(合計94,857円)が加わり年約40.8万円。
軽減が適用されると給与所得は276万円×30%=82.8万円、課税標準額は39.8万円まで下がり、所得割は53,531円。さらに82.8万円で軽減判定も行われ、単身世帯の2割軽減の基準(43万円+57万円=100万円)以下となるため均等割と平等割に2割軽減がかかります。
軽減期間は、離職日の翌日の属する月から、その月が属する年度の翌年度末までです。社会保険等に加入して国保を脱退すると、軽減は終了します。
申請が必要です。雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)、国民健康保険被保険者証、対象者と世帯主のマイナンバーカード(通知カードまたはマイナンバー付の住民票でも可)、申請者の身分証明書を用意し、市の申請書(PDF)で申請します。郵送での申請も可能です。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 名取市の減免制度|要申請
名取市の軽減制度は所得に応じた7割・5割・2割の法定軽減、未就学児の均等割2分の1軽減、国保から後期高齢者医療に移った人の「特定世帯」「特定継続世帯」の平等割軽減、子ども・子育て支援金分の18歳未満全額軽減、非自発的失業者の軽減が中心です。非自発的失業の軽減は要申請、それ以外は原則として自動適用です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 所得に応じた軽減 (申請不要/要・所得申告) | 世帯の軽減判定所得が①基礎控除43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②43万円+31万円×被保険者数+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=5割、③43万円+57万円×被保険者数+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=2割 | 均等割額と平等割額を軽減。市は「令和8年度は軽減基準額が見直されました」と案内(令和7年度は5割が30.5万円、2割が56万円で、令和8年度は31万円・57万円) |
| 未就学児の均等割軽減 (申請不要) | 国保に加入している未就学児(6歳に到達する日以後の最初の3月31日以前) | 法定軽減を適用した後の均等割をさらに2分の1に軽減(令和4年度〜)。7割軽減世帯なら医療分8,130円→4,065円、支援金分3,300円→1,650円 |
| 特定世帯・特定継続世帯の軽減 (申請不要) | 国保から後期高齢者医療制度に移行し、同一世帯の国保被保険者が1人だけになった世帯 | 特定世帯は最長5年間、医療分と支援金分の平等割が2分の1、特定継続世帯はその後最長3年間、4分の1を減額。世帯の異動や世帯主の変更があると終了 |
| 子ども・子育て支援金分の全額軽減 (申請不要) | 18歳に達する日以後の最初の3月31日以前の被保険者 | 子ども・子育て支援金分の均等割が全額軽減。18歳以上は均等割1,081円に加えて「18歳以上被保険者均等割」102円がかかります |
| 非自発的失業者の軽減 (要申請) | 離職時65歳未満で、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者 | 前年の給与所得を100分の30とみなして算定。軽減期間は離職日の翌日の属する月から翌年度末まで |
名取市の軽減で特徴的なのは、特定世帯の軽減を金額表で公開している点です。たとえば7割軽減世帯の平等割は、通常(特定世帯でも特定継続世帯でもない)なら医療7,230円+支援金2,700円+子ども292円=10,222円ですが、特定世帯なら3,615円+1,350円+146円=5,111円、特定継続世帯なら5,422円+2,025円+219円=7,666円になります。軽減なしの世帯でも特定世帯は医療分12,050円+支援金分4,500円+子ども分487円まで下がります。
夫婦のどちらかが75歳になって後期高齢者医療に移ると、残った1人の国保世帯の平等割が大きく変わる、ということです。ただし法定軽減に該当する世帯は、法定軽減のあとにさらに特定世帯の軽減がかかります。また世帯の異動や世帯主の変更があると軽減は終了するので、世帯分離や世帯主変更を考えるときは注意してください。
未就学児の軽減は、市が軽減後の均等割を一覧にしています。軽減なしの世帯の未就学児は、医療27,100円→13,550円、支援金11,000円→5,500円と半額。7割軽減世帯の未就学児は医療4,065円・支援金1,650円まで下がります。
収入がまったくなくても全額免除にはなりません。市のよくある質問は「最高軽減割合が7割軽減のため、無収入の方でも、均等割額と平等割額の3割は課税されます」としています。さらに前年に収入があった人は、今は収入がなくても所得割が課税されるので、退職直後の人は特に注意が必要です。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
- スマホ決済(請求書払い)
- コンビニ納付
- 納付書による金融機関窓口払い
- 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)
名取市の国保税は年10期(4月・5月・7月〜翌年2月)で、4月は1期・2期分だけの納税通知書が届きます。
市は次のように説明しています。「4月にお送りする納税通知書は、前年度の国保税の10分の2(暫定賦課額)となっています。7月にお送りする納税通知書は、前年分の所得などに基づき税額を計算して、4月・5月に納めていただいた分を差し引いたものとなります」。つまり4月・5月は前年度税額の10分の2ずつの仮払いで、7月に新しい年税額が確定してから、残りの3期〜10期(7月〜翌年2月)に割り振られます。
年金天引き(特別徴収)の対象は、①同一世帯の国保被保険者全員が65歳以上75歳未満、②世帯主が国保被保険者、③世帯主の年金が年額18万円以上、④介護保険料と国保税の合計が年金の2分の1以下の4つすべてに当てはまる場合です。天引きの方法は、仮徴収(4・6・8月)が前年度最後の特別徴収税額(2月分)と同額、本徴収(10・12・2月)が年税額から仮徴収分を引いた残りを3回に分けて天引きされます。
注意したいのは、年度途中で保険税が減額になると、特別徴収から普通徴収(納付書・口座振替)に切り替わること、そして増額になっても特別徴収額は変えず、増額分は普通徴収で納めることです。年金天引きの世帯が翌年度も無条件で天引きになるわけではありません。
年金天引きを中止して口座振替にしたい場合は、預金通帳と通帳届出印を持って保険年金課で手続きします。
滞納した場合は、市が被保険者資格証明書(医療費は10割負担)の交付、高額療養費・出産育児一時金・葬祭費などの保険給付の差し止め、財産差し押さえなどの滞納処分を取ることがあると明記しています。納めるのが困難なときは、滞納のままにせず税務課納税推進係へ納税相談をしてください。
督促状が届いた場合は督促手数料100円が追加されることがあります。納付した後に税額変更通知が届いた場合は、減額なら還付(未納があれば充当)、増額なら差額の納付書が同封されます。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 名取市の国保窓口一覧
国保税の計算・軽減の相談は名取市役所の保険年金課(国民健康保険係)が窓口です。納付の相談は税務課納税推進係になります。受付時間は午前9時から午後4時30分(土日祝日・12月29日〜1月3日は閉庁)です。
| 窓口 | 電話番号 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 健康福祉部 保険年金課 国民健康保険係 名取市役所(名取市増田字柳田80) | 022-724-7104(FAX 022-384-2175) | 国保税の算定、所得に応じた軽減、非自発的失業者の軽減申請、年金天引きから口座振替への変更、税額の試算申請 |
| 税務課 納税推進係 | 022-384-2111(市代表) | 納税相談。納付が困難なときは滞納のままにせず相談 |
| 名取市役所 代表 | 022-384-2111 | 窓口受付:午前9時〜午後4時30分/土日祝日・12月29日〜1月3日は閉庁 |
国保税の試算は、電話では回答してもらえません。源泉徴収票や確定申告の控え、本人確認書類を持って窓口で申請するか、市ホームページの試算表(令和8年度版Excel)を使います。退職して社保の任意継続と国保で迷う場合も、窓口で試算してもらえます。
就職して職場の健康保険に入ったら、必ず国保の喪失手続きをしてください。市は「国民健康保険の脱退は、自動的にされるものではありません」として、手続きをしない限り納付書や督促状が届き続けると案内しています。
加入の届出が遅れても、前の健康保険の資格を喪失した日が加入日となり、加入月にさかのぼって課税されます。無保険期間があっても、その分の税額は納めることになります。
納付書や口座は、加入者ごとに分けることができません。国保税は世帯単位の課税のため、別々の口座から引き落とすこともできません。
8. よくある質問(名取市の国保)
Q1. 退職して社会保険の資格がなくなりました。前年は収入があったのに今は無収入です。なぜ所得割がかかるのですか?
A. 所得割は「前年の所得」で計算するからです。
名取市は「国民健康保険税の所得割額は、前年の総所得等をもとに計算します。そのため、現在は収入がない場合も所得割額が課税されます」と説明しています。
会社都合の退職なら、非自発的失業者の軽減で前年の給与所得を30%として計算できます。要申請なので、雇用保険受給資格者証を持って保険年金課へ。
自己都合の退職は対象外です。その場合は、社保の任意継続との比較を窓口で試算してもらうのが確実です。
Q2. 去年も今年も収入がありません。国保税は全額免除になりますか?
A. 全額免除にはなりません。
市は「最高軽減割合が7割軽減のため、無収入の方でも、均等割額と平等割額の3割は課税されます」としています。
目安として、40歳未満・無収入の単身世帯は、7割軽減後の平等割が医療7,230円+支援金2,700円+子ども292円=10,222円、均等割は医療8,130円+支援金3,300円に子ども分がかかり、年間でおよそ2万円台前半になります。
無収入でも住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「未申告」だと軽減が適用されない場合があると、市のよくある質問も注意しています。
Q3. 昨年度より国保税が高くなりました。なぜですか?
A. 令和8年度は市が税率を改正したことに加え、あなたの状況が変わった可能性があります。
令和8年度は介護分の所得割が2.5%→2.65%、均等割が医療+500円・支援金+500円・介護+1,000円、平等割が医療+1,100円・支援金+1,000円に上がり、子ども・子育て支援金分が新設されました。課税限度額も109万円から113万円に上がっています。
それに加えて、市のよくある質問は①国保加入者が増えた、②加入者の収入が増えた、③40歳になった人がいる(介護分が加わる)、④収入が未申告で軽減が適用されていないの4つを理由に挙げています。
未申告の場合は、申告すれば軽減が適用される可能性があるので確認してください。
Q4. 10月に社会保険に入ったのに、10月末納期の第6期の督促状が届きました。なぜですか?
A. 納期の税額は「その月の分」ではないからです。
名取市は「10月末納期の第6期は、『10月加入分の国民健康保険税』ではありません。国民健康保険税は、資格を喪失した前月分まで月割で課税されますが、納期の税額がその月の税額ではありません」と説明しています。
月割で計算した結果、資格を喪失した月以降の納期にも課税が残ることがあります。喪失手続きをすると変更通知が送られますが、その通知が届く前に納期が来る分は、手元の納付書で納めるようにとの案内です。
未納のままだと督促手数料100円が追加されることがあります。月割で計算した結果、過払いがあれば後日還付されます。
Q5. 夫婦の片方が75歳になって後期高齢者医療に移ります。残った方の国保税は変わりますか?
A. 平等割が軽減される可能性があります。
国保から後期高齢者医療に移ったことで、同一世帯の国保被保険者が1人だけになった世帯は「特定世帯」です。市は最長5年間、医療分と支援金分の平等割の2分の1を軽減するとしています。
さらにその後は「特定継続世帯」として、最長3年間、医療分と支援金分の平等割の4分の1を減額します。
具体的な金額は、たとえば7割軽減世帯の平等割(医療分)で、通常7,230円、特定継続世帯5,422円、特定世帯3,615円です。
世帯の異動や世帯主の変更があると軽減は終了します。世帯分離や世帯主変更をする前に、窓口で確認しておくと安心です。
Q6. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、所得に応じた軽減
(申請不要/要・所得申告)・未就学児の均等割軽減
(申請不要)・特定世帯・特定継続世帯の軽減
(申請不要)・子ども・子育て支援金分の全額軽減
(申請不要)・非自発的失業者の軽減
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q7. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に名取市 健康福祉部 保険年金課 国民健康保険係(022-724-7104/名取市役所)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険税もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|名取市の国保で押さえるべきポイント
- 名取市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療給付費分7.50%・後期支援分3.00%・介護分2.65%・子ども分0.30%
- 均等割は医療給付費分27,100円・後期支援11,000円・介護11,500円・子ども1,183円、平等割は合計で年44,074円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 令和8年度の所得割合計は13.45%(40〜64歳)。資産割は平成31年度分以降廃止
- 令和8年度は税率改正:介護分の所得割2.5%→2.65%、均等割・平等割も増額、課税限度額は109万円→113万円
- 4月の納税通知書は前年度税額の10分の2(暫定賦課)で1期・2期分のみ。残りは7月の通知書で確定
- 年金天引きは仮徴収(4・6・8月)と本徴収(10・12・2月)。年度途中で減額になると普通徴収に切り替わる
- 後期高齢者医療に移った後の「特定世帯」は最長5年間、平等割が2分の1。7割軽減世帯なら平等割5,111円まで下がる
- 非自発的失業の軽減は郵送でも申請可能。無収入でも3割は課税される点に注意
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年27万9千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は名取市 健康福祉部 保険年金課 国民健康保険係(022-724-7104/名取市役所)
出典・参考:
・名取市公式:国民健康保険税について(税率・軽減・納付方法)
・名取市公式:令和8年度から「子ども・子育て支援金制度」が始まります
・名取市公式:未就学児にかかる国民健康保険税の軽減について
・名取市公式:非自発的失業者(特例対象被保険者等)の国民健康保険税が軽減されます
・名取市公式:国民健康保険税についてのよくある質問
・名取市公式:国民健康保険は国民健康保険税で運営しています
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は名取市公式サイトでご確認ください。