静岡県 熱海市の国民健康保険|保険料・減免・申請窓口まとめ

熱海市の国民健康保険|令和8年度の保険税・減免・申請窓口を完全ガイド

熱海市は伊豆半島の付け根にある温泉観光都市で、別荘やリゾートマンションが10,000戸余りあるという、国保を考えるうえでも独特の街です。
この記事では、令和8年度の最新の税率にもとづく熱海市の国保税の計算方法、軽減・減免、会社都合で退職した場合の特例軽減、納期と窓口までまとめました。
熱海市の国保税は「保険税」方式で、所得割・均等割・平等割の3方式です。令和8年度は既存の税率をすべて据え置き、所得割の合計は9.07%(40〜64歳)。伊東市の9.8%や伊豆市の11.89%より低い水準です。
ただし、平等割が医療分24,700円・後期分8,000円・介護分5,000円で合計37,700円と高めで、単身世帯でも均等割と合わせて年86,500円(40〜64歳・軽減前)がかかります。
背景には、被保険者数が令和6年度末で7,661人と1年間で579人(約7%)減ったという事情があります。市の運営協議会の資料には、令和6年度の単年度収支が6,250万円の赤字で、令和8年度から県の納付金が大幅に増えること、介護分の平等割が令和9年度から廃止される予定であることも示されています。この記事ではそうした熱海市ならではの事情も整理します。

1. 熱海市の国民健康保険の概要

熱海市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。

熱海市の保険税は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。

熱海市は「保険税」ではなく「保険税」方式です。医療分・後期高齢者支援金等課税額・介護納付金課税額には平等割があり、子ども・子育て支援納付金課税額には平等割がありません。
市は税額をこう説明しています。「国民健康保険税=医療分保険税+支援金分保険税+介護分保険税+子ども分保険税」。
所得割は「基準総所得(総所得金額等-基礎控除)×税率」で計算します。基準総所得とは、総所得金額等から雑損失の繰越控除を除いた(控除しない)金額、基礎控除は市県民税の基礎控除額です。
納税義務者は世帯主です。世帯主が職場の健康保険に入っていても、家族に国保の加入者が1人でもいれば、納税通知書は世帯主に届きます(擬制世帯主)。

国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。

2. 保険税の計算方法|令和8年度の料率

令和8年度 熱海市国民健康保険税 料率
区分所得割率均等割(1人年額)平等割(1世帯年額)賦課限度額
基礎課税額(医療分)6.50%32,200円24,700円660,000円
後期高齢者支援金分0.70%5,400円8,000円260,000円
介護分(40〜64歳)1.60%9,400円5,000円170,000円
子ども・子育て支援金分0.27%1,800円
(子ども・子育て支援納付金課税額分の均等割1,800円は、均等割1,700円+18歳以上均等割額100円の合計。18歳に達する日以後の最初の3月31日までの被保険者には賦課されません)
―30,000円
  • 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
  • 40歳未満は基礎課税額(医療分)・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
  • 子ども・子育て支援納付金課税額分の均等割1,800円は、均等割1,700円+18歳以上均等割額100円の合計。18歳に達する日以後の最初の3月31日までの被保険者には賦課されません。申請は不要です。
  • 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。

所得割の合計は9.07%(医療分6.5%+後期高齢者支援金等0.7%+介護納付金1.6%+子ども・子育て支援納付金0.27%/40〜64歳)。40歳未満は介護分がなく7.47%です。

後期高齢者支援金等の所得割0.7%は低い水準です。そのぶん後期分の平等割は8,000円、均等割は5,400円と、所得に関係なくかかる部分で負担を求める形になっています。

令和8年度は既存3区分の税率が「改正なし」です。変わったのは子ども分の新設、医療・後期分の賦課限度額、軽減判定の基準額でした。

40歳になると介護分が加わります。単身・基準総所得159万円の方なら、39歳まで年約190,873円、40歳から年約230,713円で、年約39,840円増えます。

令和8年度の税率

熱海市 令和8年度の国保税率
区分基礎課税額
(医療分)
後期高齢者
支援金等課税額
介護納付金
課税額
子ども・子育て
支援納付金課税額
1 所得割基準総所得にかかる割合6.5%0.7%1.6%0.27%
2 均等割被保険者1人あたりの額32,200円5,400円9,400円1,800円
(18歳以上のみ)
3 平等割1世帯あたりの額24,700円8,000円5,000円なし
賦課限度額660,000円260,000円170,000円30,000円

1から3の合計額が1年間の保険税です。40〜64歳の方の合計は所得割9.07%/均等割48,800円/平等割37,700円、賦課限度額の合計は112万円。40歳未満は介護分がなく、所得割7.47%/均等割39,400円/平等割32,700円/限度額95万円です。

令和7年度からの変更点

熱海市は令和8年度、既存3区分の税率をすべて据え置きました。変わったのは次の4点です。

熱海市 令和7年度→令和8年度の変更点
項目令和7年度令和8年度
子ども・子育て支援納付金課税額なし新設(所得割0.27%・18歳以上の均等割1,800円・限度額3万円)
医療分の賦課限度額65万円66万円(+1万円)
後期支援金分の賦課限度額24万円26万円(+2万円)
5割軽減の判定(被保険者1人あたり)30.5万円31万円(+5,000円)
2割軽減の判定(被保険者1人あたり)56万円57万円(+1万円)

この結果、賦課限度額の合計は40〜64歳で106万円→112万円になりました。限度額に届かず負担が重くなっていた中間所得層を軽くし、高所得層に応分の負担を求める国の見直しに合わせたものです。市の試算では、限度額の引き上げで保険税の調定額が約159万円増え、限度額を超える世帯は医療分・後期分とも約4世帯減る見込みでした。

特徴は「所得割は低め、平等割は高め」

熱海市の税率は、静岡県東部・伊豆の他市と並べると形がはっきりします。所得割は9.07%と県東部で最も低い部類ですが、平等割が合計37,700円と高いのが特徴です。

静岡県内の主な市との比較(令和8年度・40〜64歳)
市所得割合計うち医療分均等割合計平等割合計均等割+平等割単身・基準総所得233万円の年額
熱海市9.07%6.50%48,800円37,700円86,500円297,831円
伊東市9.80%5.70%48,600円22,000円70,600円298,940円
伊豆市11.89%6.90%53,900円25,800円79,700円356,737円
沼津市12.38%7.14%58,800円17,200円76,000円364,454円
伊豆の国市12.57%7.10%58,800円27,000円85,800円378,681円
焼津市10.03%6.34%46,100円30,500円76,600円310,299円
静岡市11.91%6.73%60,100円28,800円88,900円366,403円

上の表は、各市の令和8年度料率から本サイトで計算したものです(単身・40〜64歳・軽減なし)。所得がゼロに近い単身の方では、均等割と平等割の合計(86,500円)が表の中で静岡市に次いで2番目に重く、逆に基準総所得が233万円(給与収入400万円相当)の単身なら約297,831円で、伊東市(約298,940円)とほぼ同じ水準です。所得が低いほど、世帯単位でかかる平等割の存在感が増す設計だといえます。

被保険者は1世帯あたり1.33人——平等割の影響が大きい理由

熱海市が令和7年度の国保運営協議会に示した資料では、令和6年度末の世帯数は5,773世帯、被保険者数は7,661人でした。1世帯あたりに直すと約1.33人(本サイト計算)。国保の世帯の多くが単身または2人世帯だということです。
単身世帯は均等割1人分と平等割1世帯分を丸ごと負担します。医療分だけでも均等割32,200円+平等割24,700円=56,900円。世帯の人数が少ないほど、平等割が1人あたりの負担に重くのしかかります。逆に、家族の多い世帯は平等割を人数で割れるぶん、1人あたりでは軽く済みます。

【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円

所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円

  • 医療分: 所得割 167,050円 + 均等割 112,700円 + 平等割 24,700円 ⇒ 304,450円
  • 後期支援分: 所得割 17,990円 + 均等割 18,900円 + 平等割 8,000円 ⇒ 44,890円
  • 介護分: 所得割 41,120円 + 均等割 18,800円 + 平等割 5,000円 ⇒ 64,920円
  • 子ども分: 所得割 6,939円 + 均等割 3,600円 ⇒ 10,539円

合計: 年間 約424,799円(月あたり約35,400円)

この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。

【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)

基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円

  • 医療分: 所得割 103,350円 + 均等割 32,200円 + 平等割 24,700円 ⇒ 160,250円
  • 後期支援分: 所得割 11,130円 + 均等割 5,400円 + 平等割 8,000円 ⇒ 24,530円
  • 介護分: 所得割 25,440円 + 均等割 9,400円 + 平等割 5,000円 ⇒ 39,840円
  • 子ども分: 所得割 4,293円 + 均等割 1,800円 ⇒ 6,093円

合計: 年間 約230,713円(月あたり約19,200円)

単身世帯でも平等割が合計で年37,700円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。

【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円

ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。

軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)

  • 医療分 208,350円 / 後期支援分 29,710円 / 介護分 51,680円 / 子ども分 8,091円 ⇒ 合計 約297,831円

非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)

  • 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
  • 医療分 71,390円 / 後期支援分 13,506円 / 介護分 17,888円 / 子ども分 2,515円 ⇒ 合計 約105,299円

差額は年間およそ19万3千円。届出書1枚でこれだけ違います。熱海市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。

(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は熱海市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。

3. 賦課限度額(保険税の上限)

  • 基礎課税額(医療分) 660,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
  • 世帯合計の最大値: 年112万円(1,120,000円)

所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。

4. 熱海市の軽減・減免制度

制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。

4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用

令和8年度 軽減判定の所得基準
軽減率世帯の総所得金額等が以下の額以下
7割軽減43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
5割軽減43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
2割軽減43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)

軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険税が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。

4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用

未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。

4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用

令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援納付金課税額分の均等割1,800円は、均等割1,700円+18歳以上均等割額100円の合計。18歳に達する日以後の最初の3月31日までの被保険者には賦課されません。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。

4-4. 非自発的失業者の保険税軽減|要申請

倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。

  • 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
  • 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
  • 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
  • 届出先: 熱海市 市民生活課 保険年金室(第一庁舎5番窓口/南熱海支所/泉支所)
  • 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です

会社都合で離職された方は、前年の給与所得を100分の30として算定する非自発的失業者の軽減が使えます。市は「申請することにより、離職日の翌日の属する月から翌年度末まで、該当する人の前年の給与所得を100分の30として算定します」と案内しています。
期間は離職の翌日が属する月から翌年度末まで。たとえば2026年10月に離職した方なら、令和9年度の末(令和10年3月)までが対象です。申請が必要です。届出先は保険年金室など、上の窓口一覧をご覧ください。
給与収入400万円(給与所得276万円)の40歳単身世帯で試算すると、軽減なしなら年約297,831円、届け出れば年約105,299円です。差額は年約192,532円。判定所得も給与所得の30%で行うため、均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます。

書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。

4-5. 産前産後期間の保険税軽減|要届出

出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。

4-6. 熱海市の減免制度|要申請

熱海市の低所得世帯の軽減・18歳未満の子ども分の非賦課・未就学児の軽減は申請不要です(所得の申告は必要)。非自発的失業・産前産後・旧被扶養者・各種減免は申請が必要です。減免は各納期限の7日前までに申請します。

熱海市 国民健康保険税の減免
種類主な要件減免内容・手続き
低所得世帯の軽減
(申請不要/要・所得申告)
世帯主(擬制世帯主含む)・被保険者・特定同一世帯所属者の前年の総所得金額等の合計が①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②43万円+31万円×人数+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=5割、③43万円+57万円×人数+同=2割。専従者控除・譲渡所得の特別控除・基礎控除は適用せず、65歳以上の公的年金所得は15万円を控除均等割と平等割を軽減。7割・5割軽減の世帯は、後期高齢者医療制度への移行に伴う軽減や減免は行われません
18歳未満の子ども分の均等割
(申請不要)
18歳に達する日以後の最初の3月31日までの被保険者子ども・子育て支援納付金課税額の均等割は賦課されません。その分は18歳以上の被保険者の均等割(100円)に含まれます
未就学児の均等割軽減
(申請不要)
世帯内の未就学児当該未就学児の均等割額を2分の1に軽減。低所得軽減を受けている世帯は、軽減後の金額をさらに2分の1に
非自発的失業者の軽減
(要申請)
倒産・解雇・雇止め等で離職した方(離職時65歳未満)で雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者前年の給与所得を100分の30として算定。離職日の翌日の属する月から翌年度末まで
産前産後期間の軽減
(要申請)
出産予定または出産した被保険者(妊娠85日以上の分娩。死産・流産も対象)所得割額と均等割額の産前産後期間相当分を軽減
後期高齢者医療制度への移行に伴う軽減
(申請不要の取り扱い)
世帯内の被保険者が後期高齢者医療制度に移行して、国保の被保険者が1人の世帯になった場合5年間は平等割額の2分の1、その後の3年間は4分の1を軽減。世帯状況が変わると軽減は受けられなくなります
旧被扶養者の減免
(要申請)
75歳以上の方が会社の健康保険などから後期高齢者医療制度に移ることで、その扶養家族だった方(65〜74歳)が新たに国保に加入する場合当分の間、所得割額が免除。加入月以後2年を経過する月までは均等割額が2分の1、旧被扶養者のみの世帯は平等割額も2分の1。世帯状況・軽減状況によっては減免されない場合があります
生活困窮・所得減少・災害による減免
(要申請)
①貧困で公私の扶助を受けている方、②前年の世帯の合計所得金額が300万円以下で、災害・疾病等により前年より所得が著しく減少した方、③同300万円以下で、災害により資産の被害による損失が著しく大きかった方市の判断で保険税の免除等。「申請をすれば必ず受けられるものではありません」。申請期限は各納期限の7日前

減免で押さえておきたいのは時期です。市は「申請の期限は、各納期限7日前です」「納期未到来の分の税額が減免対象となります」と明記しています。
市の例はこうです。「納期第2期の7日前に申請を提出した場合、第2期〜第8期までの税額が減免対象税額になります。第1期は納期限が過ぎているので、減免対象となりません」。つまり困ったと思った時点で早く動くほど、減免の対象になる期が多くなります。
所得減少による減免の条件は「前年の世帯の合計所得金額が300万円以下」です。令和8年度分なら令和7年中の所得が基準になります。収入が減ったのは今年でも、基準になるのは前年の所得という点に注意してください。
低所得軽減(7割・5割・2割)は前年の所得の申告がないと判定されません。熱海市は「前年中に所得がない場合でも、申告が必要です」と案内しています。

保険税が重いと感じたときの選択肢は保険税が高い・払えないときのガイドもあわせて。

4-7. 払えないときは滞納する前に相談

滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。

5. 納付方法

  • 口座振替(市内金融機関またはゆうちょ銀行の窓口で申込み)
  • スマホ・クレジットカード(市が地方税共通納税システム(eL-QR)の利用できる税目として挙げているのは、市民税・県民税・森林環境税(普通徴収)と宿泊税。国保税の扱いは納付書でご確認ください)
  • コンビニ納付(納期限・コンビニ利用期限内)
  • 納付書による金融機関窓口払い(熱海市指定金融機関、市役所内の派出所など)
  • 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)
  • 現金書留(納付書を同封し税務課納税室へ)

令和8年度の国保税の納期は全8期で、市は次の日付を公表しています。
第1期 7月31日/第2期 8月31日/第3期 9月30日/第4期 11月2日/第5期 11月30日/第6期 12月25日/第7期 令和9年2月1日/第8期 令和9年3月1日。
4月から6月には国保税の納期がありません。国保税の納付は7月末からの8回払いで、固定資産税や市民税の納期と同じ日の期(7月31日・8月31日・11月2日・2月1日・3月1日)もあります。
熱海市には別荘等所有税(年4期)という法定外普通税もあり、納期限は6月30日・8月31日・11月2日・令和9年2月1日です。市民税などの普通徴収を含めた納期は市の「令和8年度熱海市税等納期一覧表」で確認できます。
年金天引き(特別徴収)の条件は、市の案内で次の3つです。①世帯主が国保の加入者で、介護保険料が特別徴収されている/②国保の加入者全員が65歳以上75歳未満/③特別徴収対象年金が年額18万円以上で、介護保険料と合わせて年金1回分の2分の1を超えない。前年度に特別徴収だった方でも、今年度中に世帯主が75歳に到達する場合は、特別徴収は行われません。
天引き額は、4月・6月・8月が仮徴収(前年度の年間税額をもとにした仮計算)、10月・12月・2月が本徴収(確定した前年所得で年間税額を計算し、仮徴収分を差し引いて振り分け)です。口座振替に切り替える処理にはおよそ3か月かかります。
納付が難しいときは、滞納する前に税務課納税室へ。市は「災害・病気・失業・事業の廃止や休止などにより納税が困難な場合は、お早めにご相談ください」としています。

6. 加入・脱退の手続き

6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)

状況別 加入時の必要書類
事由必要書類
会社を退職した健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
他市区町村から転入本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可)
子どもが生まれた本人確認書類、母子健康手帳
生活保護が廃止された保護廃止(停止)通知書、本人確認書類

6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)

状況別 脱退時の必要書類
事由必要書類
就職して社保に加入した新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類
他市区町村へ転出本人確認書類(転出届と同時に手続き可)
生活保護の受給開始保護決定通知書、本人確認書類
死亡本人確認書類、死亡を確認できる書類

脱退の届出を忘れると国保税の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。

7. 熱海市の国保窓口一覧

国保の加入・脱退・資格確認書は市民生活課 保険年金室、税額の算定・課税は税務課 課税室、納付の相談は税務課 納税室が窓口です。

熱海市 国保の窓口
窓口電話番号主な業務
市民生活課 保険年金室(国保)
熱海市役所 第一庁舎 5番窓口
〒413-8550 熱海市中央町1-1
0557-86-6258
0557-86-6256・6268
国保の加入・脱退の届出、資格確認書、非自発的失業・産前産後・旧被扶養者の減免の申請、窓口負担割合の相談
南熱海支所/泉支所市公式サイトで確認国保の加入・脱退の手続きを受け付けています
税務課 課税室(市民税担当)0557-86-6142国保税の税額の算定・課税、納税通知書の内容、所得申告の確認
税務課 納税室
本庁舎1階 7番窓口
0557-86-6164
相談 0557-86-6165〜6171
納付相談、口座振替、督促・滞納の相談

受付時間は午前8時30分〜午後5時15分。休日は土曜・日曜、祝日、12月29日〜1月3日です。

国保の届出は資格を失った日(取得した日)から14日以内。国保税は届出の日からではなく、他の健康保険の資格を失った日の属する月から発生し、遅れるとさかのぼって納めることになります。

他の市区町村から転入した場合、前住所地に所得を照会します。判明するまでは均等割と平等割のみの概算課税(所得0円で計算)となり、判明次第、次の納期で更正されます。

マイナ保険証をお持ちの方も、国保の脱退手続きは必要です。社会保険などに入った方は必ず届け出てください。

窓口の電話番号・受付時間は、市公式サイトの記載をもとにしています。変更されることがあるため、来庁前にご確認ください。

8. よくある質問(熱海市の国保)

Q1. 熱海市の国保税は、なぜ平等割が高いのですか?
A. 公式に理由は示されていませんが、数字を見ると「世帯の小ささ」が背景にあります。
熱海市の平等割は医療分24,700円+後期分8,000円+介護分5,000円=合計37,700円。同じ静岡県内の伊東市(22,000円)、沼津市(17,200円)、伊豆市(25,800円)、伊豆の国市(27,000円)、静岡市(28,800円)、焼津市(30,500円)と比べても、本サイトの調べではこの7市で最も高い水準です。
一方、市の運営協議会資料では令和6年度末の世帯数5,773世帯に対して被保険者7,661人。1世帯あたり約1.33人ですから、世帯単位の平等割は、ほとんどの世帯で「1世帯=1〜2人」にかかる計算です。
所得割(9.07%)を抑えているぶん、所得にかかわらずかかる均等割と平等割で必要額を確保する設計と読むことができます。所得が低い世帯にとっては、7割・5割・2割の軽減が実質的に効く部分です。

Q2. 単身で所得がほとんどない場合、国保税はいくらになりますか?
A. 40〜64歳の単身・所得ゼロで、軽減前が年86,500円、7割軽減後は年約25,950円です。
内訳は、均等割が32,200円+5,400円+9,400円+1,800円=48,800円、平等割が24,700円+8,000円+5,000円=37,700円。合計は86,500円です。
単身で総所得金額等が43万円以下なら7割軽減が適用され、年約25,950円(月約2,200円)。
ただし軽減の判定には所得の申告が必要です。収入がなくても、申告をしないと軽減が回りません。
65歳以上で公的年金だけの方は、年金所得から15万円が控除されてから判定されます(市の案内)。

Q3. 令和9年度に介護分の平等割がなくなると聞きました。何が変わりますか?
A. 介護納付金課税額の平等割(現行5,000円)が廃止され、所得割と均等割の2方式になる予定です。
市の運営協議会資料には、「静岡県国民健康保険運営方針において、令和8年度末までに県内すべての市町で、介護納付金の平等割を廃止し、所得割と均等割の2方式に変更することが定められている」と書かれています。熱海市は令和9年度賦課分からこれを適用し、現行税率を見直す方向で検討するとしています。
つまり令和9年度は、介護分の税率(所得割1.6%・均等割9,400円)が変わる可能性が高いということです。平等割5,000円がなくなるぶん、所得割か均等割が上がる形で調整されるはずで、世帯の人数や所得によって、有利になる世帯と不利になる世帯が分かれます。
具体的な税率は、令和8年度中の市の運営協議会で審議される予定です。決まりしだい公式サイトで公表されます。

Q4. 子ども・子育て支援金分は、いくらかかりますか?
A. 所得割0.27%と、18歳以上の被保険者1人あたり均等割1,800円、賦課限度額3万円です。
市は「令和8年4月分保険税より、すべての医療保険制度において、子ども・子育て支援金が上乗せして徴収されます」と案内しています。
静岡県から示された標準保険税率は、所得割0.27%、均等割1,787円、18歳以上均等割98円(合計1,885円)、限度額3万円でした。熱海市はこれを100円単位で端数調整し、均等割1,700円+18歳以上均等割100円=1,800円にしました。
18歳に達する日以後の最初の3月31日までの被保険者は、均等割が賦課されません。その分を18歳以上で負担する仕組みが「18歳以上均等割100円」です。
国は、国保加入者1人あたりの支援金の平均月額を令和8年度250円、令和9年度300円、令和10年度400円と試算しています。熱海市の運営協議会でも令和9年度以降は段階的に増える前提で、税率改定が予定されています。
平等割は子ども分にはありません。単身・基準総所得159万円の方なら所得割4,293円+均等割1,800円=年6,093円です。

Q5. 熱海市の国保は、今後の税率が上がりますか?
A. 市の資料からは「上がる方向の材料」が複数読み取れます。
①被保険者数の減少:令和6年度末で7,661人、前年比579人減(約7%減)。国保税の決算額は8億4,291万円(令和5年度は8億9,559万円)へ約5,268万円減りました。
②令和6年度は単年度で6,250万円の赤字:決算上は1,822万円の黒字ですが、前年度からの繰越金2,873万円と基金の取り崩し5,200万円を除くと実質は赤字です。基金の残高は令和7年5月末で約12億2,520万円。
③県の納付金が増える:市は、静岡県の事業基金が枯渇したため、令和8年度から「引き下げ前の納付金額」が請求されると説明し、「この傾向は今後もしばらく続くものと推察されます」としています。令和8年度の納付金は当初予算で約12億5,860万円(前年度比+約8,895万円)です。
④県内の保険税水準の統一:市長は「令和9年度に予定をされている運営方針の中間見直し等において、統一に向けた方針が前倒しされることも予想されております」とあいさつしています。
令和8年度は、既存の税率をすべて据え置きました。ただし一般会計からの繰入金は令和8年度予算で約5億7,654万円(前年度比+約1億486万円)に増える見込みで、税率を据え置いたぶんを税以外の財源で支える形になっています。
※上の数字はすべて市の令和7年度第2回国保運営協議会の資料によるもので、予算額は「積算時点」のものです。

Q6. 熱海に別荘を持っています。国保税と別荘等所有税の関係は?
A. 国保税は、熱海市に住民票があり、国保に加入する方が対象です。別荘等所有税は、住民登録のない所有者に課される別の税金です。
市の案内では、別荘等所有税の納税義務者は「賦課期日(1月1日)現在で、熱海市内に家屋を所有しており、かつ、熱海市に住民登録又は市県民税(法人の場合は、法人市民税)の申告の無い所有者」などです。1平方メートルあたり650円(延べ床面積)で課税され、昭和51年から課税されています。市は別荘・リゾートマンションが10,000戸余りあることから、ごみ処理・上下水道・消防などの行政需要を挙げています。
国保は住民登録のある市区町村で加入するのが原則です。熱海市に転入して国保に加入すると、転入直後は所得が分からないため、均等割と平等割だけの概算課税になる場合があります。
別荘等所有税の細かい要件は、税務課 課税室(0557-86-6142)に確認してください。

Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得世帯の軽減
(申請不要/要・所得申告)・18歳未満の子ども分の均等割
(申請不要)・未就学児の均等割軽減
(申請不要)・非自発的失業者の軽減
(要申請)・産前産後期間の軽減
(要申請)・後期高齢者医療制度への移行に伴う軽減
(申請不要の取り扱い)・旧被扶養者の減免
(要申請)・生活困窮・所得減少・災害による減免
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。

Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に熱海市 市民生活課 保険年金室(0557-86-6258)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険税もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。

9. まとめ|熱海市の国保で押さえるべきポイント

  • 熱海市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は基礎課税額(医療分)6.50%・後期支援分0.70%・介護分1.60%・子ども分0.27%
  • 均等割は基礎課税額(医療分)32,200円・後期支援5,400円・介護9,400円・子ども1,800円、平等割は合計で年37,700円。賦課限度額は世帯合計で年112万円
  • 所得割9.07%は静岡県東部で低め。ただし平等割は合計37,700円で、本サイトが比べた静岡県内7市で最も高い
  • 令和8年度は既存税率をすべて据え置き。子ども分を新設し、医療・後期分の賦課限度額と軽減判定の基準額を引き上げた
  • 被保険者は1世帯あたり約1.33人(令和6年度末)。単身・少人数世帯では、平等割の存在感が大きい
  • 国保税の納期は7月末〜翌3月の全8期。4〜6月には納期がない
  • 介護分の平等割は令和9年度から廃止される予定(県の運営方針。税率は見直し予定)
  • 減免の申請は各納期限の7日前まで。困った時点で早く動くほど、対象になる納期が多い
  • 国保の窓口は第一庁舎5番窓口の保険年金室。南熱海支所・泉支所でも加入・脱退の手続きができる
  • 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年19万3千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
  • 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
  • 窓口は熱海市 市民生活課 保険年金室(0557-86-6258)

出典・参考:
・熱海市公式:国民健康保険税について(令和8年度)
・熱海市公式:国民健康保険税(概要)
・熱海市公式:国民健康保険税の減免
・熱海市公式:国民健康保険税の特別徴収(年金天引き)
・熱海市公式:令和8年度 熱海市税等納期一覧表
・熱海市公式:熱海市国民健康保険運営協議会(令和7年度第2回会議録・資料)
・熱海市公式:国民健康保険の加入(職場等の健康保険をやめた場合)
・熱海市公式:別荘等所有税とは

※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は熱海市公式サイトでご確認ください。

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