桑名市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
桑名市は人口約13.7万人、三重県北部の中心都市です。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく桑名市の国保税の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
桑名市の料率でまず目を引くのは介護保険分の所得割1.6%です。全国の多くの自治体が2.3〜3.0%台なので、これは最低クラスの水準。40〜64歳の方には大きな違いになります。
もうひとつ、桑名市は軽減判定所得を計算式として明示している珍しい自治体です。「前年中の総所得金額等 + 専従者給与(控除)額 - 軽減判定上の純損失の繰越控除額」——しかも「軽減判定上の純損失の繰越控除額は、確定申告上の『本年分で差し引く繰越損失額』とは別に計算します」とまで書かれています。この記事ではその中身も解説します。
1. 桑名市の国民健康保険の概要
桑名市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
桑名市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。
桑名市は「保険料」ではなく「保険税」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。4区分すべてに平等割があります(医療保険分28,000円・後期高齢者支援分8,000円・介護保険分5,800円・子ども・子育て支援分700円)。
納税義務者は世帯主です。市は根拠条文まで挙げて「世帯主が国民健康保険の被保険者でない場合であっても、その世帯内に被保険者がいる場合は、その世帯主が納めることになります(地方税法第703条の4、桑名市国民健康保険税条例第1条)」と説明しています。
所得割は「世帯内の国民健康保険加入者ひとりひとりの『課税標準額』の合計に対し、所得割税率をかけて計算」します。基礎控除43万円は加入者ごとに引ける方式です。
保険税は7月に決まり、7月中旬に通知書で金額や計算の内訳が知らされます。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 平等割(1世帯年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療保険分 | 7.10% | 38,800円 | 28,000円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.30% | 12,800円 | 8,000円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 1.60% | 10,900円 | 5,800円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.25% | 1,160円 (子ども・子育て支援分の均等割1,160円は18歳以上の被保険者にかかります。18歳未満は全額軽減で0円です) | 700円 | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療保険分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども・子育て支援分の均等割1,160円は18歳以上の被保険者にかかります。18歳未満は全額軽減で0円です。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は11.25%(医療保険分7.1%+後期高齢者支援分2.3%+介護保険分1.6%+子ども・子育て支援分0.25%/40〜64歳)。全国的にはやや低めです。
介護保険分の所得割1.6%は全国最低クラスです。多くの自治体が2.3〜3.0%台なので、40〜64歳の方にはかなり有利に働きます。後期高齢者支援分の2.3%も低めです。
一方で平等割の合計42,500円は高めです(医療28,000+後期支援8,000+介護5,800+子ども700)。均等割の合計は1人63,660円。単身40〜64歳なら所得ゼロでも年106,160円が基本になります(軽減の対象にはなります)。
課税標準額は総所得金額等-43万円(基礎控除)。ただし住民税の総所得金額等とは3点で異なります。①退職所得は含めない、②雑損失の繰越控除は控除しない、③分離長期・短期譲渡所得の特別控除は控除する。
年間の保険税額は最大9回の期別に分けて納めます。市は「支払い月と保険税の対象月は必ずしも一致しません」と注意しています。
賦課限度額は医療保険分67万円・後期高齢者支援分26万円・介護保険分17万円・子ども・子育て支援分3万円で、合計113万円です。
令和8年度の税率
| 所得割 (課税標準額×) | 均等割 (被保険者1人につき) | 平等割 (1世帯につき) | 限度額 | |
|---|---|---|---|---|
| 1. 医療保険分 | 7.1% | 38,800円 | 28,000円 | 670,000円 |
| 2. 後期高齢者支援分 | 2.3% | 12,800円 | 8,000円 | 260,000円 |
| 3. 介護保険分 (40〜64歳) | 1.6% | 10,900円 | 5,800円 | 170,000円 |
| 4. 子ども・子育て支援分 | 0.25% | 1,160円 (18歳以上) | 700円 | 30,000円 |
| 合計 | 11.25% | 63,660円 | 42,500円 | 113万円 |
介護保険分の所得割1.6%は全国最低クラス
桑名市の料率で最も特徴的なのが介護保険分の所得割1.6%です。全国の主な自治体と比べてみます。
| 自治体 | 介護分の所得割 | 介護分の均等割 |
|---|---|---|
| 桑名市 | 1.6% | 10,900円 |
| 船橋市(千葉) | 1.88% | 13,900円 |
| 調布市(東京) | 1.84% | 12,600円 |
| 熊本市 | 2.94% | 20,300円 |
| 大阪府(統一料率) | 2.60% | 18,682円 |
課税標準額233万円(給与収入400万円相当)の40〜64歳単身で介護分だけを比べると、桑名市は37,280円+10,900円=48,180円、熊本市は68,502円+20,300円=88,802円。年4万円以上の差になります。
ただし桑名市は平等割の合計42,500円が高めです。医療保険分の28,000円が効いています。平等割は世帯に1回だけなので、単身・2人世帯には重く、人数の多い世帯には相対的に軽い構造です。
単身40〜64歳なら所得ゼロでも年106,160円(均等割63,660円+平等割42,500円)。7割軽減が効けば約31,848円まで下がります。
桑名市の「軽減判定所得」は計算式で示されている
7割・5割・2割軽減の判定に使う所得を、桑名市はひとつの計算式として公開しています。
軽減判定所得金額 = 前年中の総所得金額等 + 専従者給与(控除)額 - 軽減判定上の純損失の繰越控除額
それぞれの項目に注記が付いています。
| 項目 | 桑名市の説明 |
|---|---|
| 前年中の総所得金額等 | 住民税の総所得金額等とは異なり、退職所得は含めない。65歳以上の方は公的年金所得から15万円を控除した額で計算 |
| + 専従者給与(控除)額 | 事業主は青色専従者給与額・事業専従者控除を必要経費として控除せずに判定。また専従者が事業主から支払いを受けた給与は軽減判定所得には含まない |
| - 軽減判定上の純損失の繰越控除額 | 「確定申告上の『本年分で差し引く繰越損失額』とは別に計算します」 |
3つ目の注記はとくに珍しいものです。確定申告書に書かれた繰越損失の金額をそのまま使うわけではないと明示している自治体はほとんどありません。事業で赤字を繰り越している方は、確定申告の数字から軽減の可否を自分で判断しないほうがよいということです。
判定は該当年度の4月1日時点の世帯の状況で行われます。年度途中で新たに加入した世帯は資格を取得した日が基準日です。
そして「世帯に一人でも未申告の方がいると軽減をすることができません。前年の収入がない場合でも必ず申告してください」。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 182,470円 + 均等割 135,800円 + 平等割 28,000円 ⇒ 346,270円
- 後期支援分: 所得割 59,110円 + 均等割 44,800円 + 平等割 8,000円 ⇒ 111,910円
- 介護分: 所得割 41,120円 + 均等割 21,800円 + 平等割 5,800円 ⇒ 68,720円
- 子ども分: 所得割 6,425円 + 均等割 2,320円 + 平等割 700円 ⇒ 9,445円
合計: 年間 約536,345円(月あたり約44,700円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 112,890円 + 均等割 38,800円 + 平等割 28,000円 ⇒ 179,690円
- 後期支援分: 所得割 36,570円 + 均等割 12,800円 + 平等割 8,000円 ⇒ 57,370円
- 介護分: 所得割 25,440円 + 均等割 10,900円 + 平等割 5,800円 ⇒ 42,140円
- 子ども分: 所得割 3,975円 + 均等割 1,160円 + 平等割 700円 ⇒ 5,835円
合計: 年間 約285,035円(月あたり約23,800円)
単身世帯でも平等割が合計で年42,500円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 232,230円 / 後期支援分 74,390円 / 介護分 53,980円 / 子ども分 7,685円 ⇒ 合計 約368,285円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 81,698円 / 後期支援分 25,794円 / 介護分 19,728円 / 子ども分 2,483円 ⇒ 合計 約129,703円
差額は年間およそ23万9千円。届出書1枚でこれだけ違います。桑名市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は桑名市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療保険分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 桑名市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援分の均等割1,160円は18歳以上の被保険者にかかります。18歳未満は全額軽減で0円です。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 桑名市 税務課(国民健康保険税担当)
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
倒産・解雇・雇止めなどで離職された方は、前年の給与所得を100分の30とみなして計算する非自発的失業者の軽減が使えます(離職時65歳未満、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者が対象)。
給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯で試算します。課税標準額は276万-43万=233万円。所得割は233万×11.25%=262,125円、均等割63,660円+平等割42,500円を足して年約36.8万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。課税標準額は39.8万円まで下がり、所得割は44,775円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割軽減の判定も行われます。単身世帯なら2割軽減の基準は43万+57万=100万円。82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割・平等割106,160円が84,928円に。
合計は約13.0万円。差はおよそ23.9万円です。
桑名市は4区分すべてに平等割があるため、軽減の対象額(均等割63,660円+平等割42,500円=106,160円)が大きくなります。7割軽減なら約7.4万円が減ります。
この軽減は申請が必要です。ハローワークで雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)を受け取ったら、桑名市 税務課へ。市は国民健康保険税の試算ページも公開しているので、軽減後の額を事前に確認できます。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 桑名市の減免制度|要申請
桑名市の低所得世帯の軽減、18歳未満の子ども分軽減、未就学児軽減、後期移行に伴う平等割軽減は申請不要です。ただし「世帯に一人でも未申告の方がいると軽減をすることができません」。非自発的失業の軽減・産前産後の減額・旧被扶養者の減免は申請が必要です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 低所得世帯に対する軽減 (申請不要/要・所得申告) | 世帯主(被保険者でない場合も含む)と世帯に属する被保険者全員および特定同一世帯所属者の軽減判定所得の合計が①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②①+31万円×世帯の加入者数以下=5割、③①+57万円×世帯の加入者数以下=2割 | 均等割と平等割を軽減。判定は該当年度の4月1日時点(年度途中の新規加入は資格取得日が基準日)。給与所得者等の数は、いない場合は1とします |
| 18歳未満の子ども・子育て支援分の均等割軽減 (申請不要) | 18歳未満の被保険者 | 子ども・子育て支援分の均等割額が全額軽減(均等割1,160円は18歳以上の被保険者にかかります) |
| 未就学児の均等割軽減 (申請不要) | 未就学児 | 均等割額が半額になります |
| 後期高齢者医療への移行に伴う平等割軽減 (申請不要) | 世帯主もしくは世帯員が後期高齢者医療制度に移行したことで、国保加入者が一人となった場合 | 医療保険分・後期高齢支援分の平等割額を軽減(介護分の平等割額は対象になりません)。移行後最初の5年間は2分の1、6年目〜8年目は4分の1を軽減 |
| 旧被扶養者の減免 (要申請) | 被用者保険から後期高齢者医療制度に移行することにより、当該被保険者の被扶養者から国保の被保険者になった方(65歳以上)で、被用者保険の被扶養者であった期間に保険料を賦課されていなかった場合 | 所得割を賦課せず、加入した月から2年間に限り、7割・5割の軽減に該当する場合を除いて均等割と平等割が半額となる場合があります |
| 産前産後期間の国民健康保険税の減額 (要届出) | 出産(予定)の被保険者 | 産前産後期間相当分の保険税を減額。税務課へ |
| 非自発的失業者の軽減 (要申請) | 倒産・解雇・雇止め等で離職した方(離職時65歳未満)で雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者 | 前年の給与所得を100分の30として算定。軽減判定にも反映されます |
桑名市の軽減で押さえておきたい点を整理します。
①軽減判定所得は計算式で示されています。「前年中の総所得金額等 + 専従者給与(控除)額 - 軽減判定上の純損失の繰越控除額」。3つの要素それぞれに注記があり、そのまま確定申告の数字を当てはめられない項目が含まれます。
②「軽減判定上の純損失の繰越控除額は、確定申告上の『本年分で差し引く繰越損失額』とは別に計算します」。事業で赤字を繰り越している方は、確定申告書の数字から軽減の可否を自分で判断しないでください。境界線上なら税務課で確認するのが確実です。
③専従者給与は事業主の所得に戻されます。市は「事業主は青色専従者給与額、事業専従者控除を必要経費として控除せずに判定します。また、専従者が事業主から支払いを受けた給与(専従者給与)は軽減判定所得には含みません」としています。所得割とは扱いが逆です。
④65歳以上の方は、公的年金所得から15万円を控除した額で軽減判定されます。判定でだけ有利になる特例です。
⑤特定同一世帯所属者には「なくなる」条件があります。市は「ただし、世帯主が変更になった場合やその世帯の世帯員でなくなった場合は、特定同一世帯所属者ではなくなります」と明記。世帯主が変わっただけで特定同一世帯所属者の資格が消えるため、軽減判定の人数が減って軽減割合が変わることがあります。世帯主変更を検討している方は影響を確認してください。
⑥給与所得者等の数は「いない場合は1とします」。この規定があるので、給与・年金収入のない世帯でも7割軽減の基準額は43万円(マイナスにはならない)となります。
⑦「世帯に一人でも未申告の方がいると軽減をすることができません。前年の収入がない場合でも必ず申告してください。」桑名市の均等割63,660円+平等割42,500円=106,160円が軽減の対象なので、7割軽減を逃すと年約7.4万円の差になります。
⑧旧被扶養者の減免は「7割・5割の軽減に該当する場合を除いて」均等割・平等割が半額になります。すでに7割・5割軽減を受けている世帯では重複しません(法定軽減のほうが有利なので損はしません)。所得割を賦課しない扱いだけは残ります。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
- スマホ決済(請求書払い)
- コンビニ納付
- 納付書による金融機関窓口払い
- 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)
桑名市の国保税はその年の4月から翌年の3月までを一つの年度として計算し、7月に税額が決まって7月中旬に通知書が届きます。
納期は最大9回です。市は重要な注意を書いています。「年間の保険税額は最大9回の期別に分けて納めていただきます。そのため、支払い月と保険税の対象月は必ずしも一致しません」。
「7月に払う分=7月分の保険税」ではありません。4月〜翌年3月の12か月分を9回に割ったものが各期の金額です。国保をやめた後も納付書が届くのは、加入していた期間の税額がまだ払い終わっていないためであることがほとんどです。
年度途中の加入・喪失は月割です。賦課期日はその年度の4月1日で、それ以降に納税義務の発生・消滅や世帯内の異動(出生・死亡・転入・転出・社会保険等の加入・離脱など)があった場合は月割計算されます。年度の途中で加入した場合はその月の分から、喪失した場合は喪失した前月分まで。
手続き後の流れも明示されています。「届出をした翌月に更正通知を送付します」、そして「年度途中で加入の届出をした場合、届出をした翌月末日が最初の納付期限となり、3月まで納付していただきます」。
つまり年度の後半に加入するほど、残りの納期が少なくなり1回あたりの金額が大きくなります。たとえば1月に届け出れば、2月末と3月末の2回で年度分を納めることになります。
課税標準額の計算にも注意点があります。市は住民税の総所得金額等と3点で異なるとしています。
①退職所得は総所得金額等には含めません。退職金を一時金で受け取っても保険税は増えません。
②雑損失の繰越控除は、控除しません。所得税では引ける繰越控除が、国保税では引けません。
③分離長期・短期譲渡所得の特別控除は控除します。マイホーム売却の3,000万円特別控除は所得割の計算では効きます(ただし軽減判定では扱いが変わるので税務課で確認してください)。
市は「国民健康保険税の試算」ページを公開しています。転職・退職の前におおよその額を確認できます。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 桑名市の国保窓口一覧
国保税の計算・軽減・減免の相談は桑名市 税務課(国民健康保険税担当)が窓口です。
| 窓口 | 主な業務 | 備考 |
|---|---|---|
| 税務課(国民健康保険税担当) | 国保税の算定・課税、低所得軽減、非自発的失業者の軽減、産前産後の減額、旧被扶養者の減免、保険税の試算 | 市の公式サイトに「国民健康保険税の試算」ページがあります |
| 保険年金課 | 国保の加入・脱退の届出、給付に関すること | 資格の取得・喪失はこちらへ |
納期は最大9回。支払い月と保険税の対象月は一致しません。「やめたのに納付書が届く」のはこのためです。
年度途中で加入の届出をした場合、届出をした翌月末日が最初の納付期限になります。年度後半ほど1回あたりが大きくなります。
世帯に一人でも未申告の方がいると軽減が受けられません。前年の収入がなくても必ず申告してください。
軽減判定上の純損失の繰越控除額は、確定申告上の「本年分で差し引く繰越損失額」とは別に計算されます。確定申告の数字で自己判断しないでください。
世帯主が変更になると、特定同一世帯所属者ではなくなります。軽減判定の人数が変わる場合があるので事前に確認を。
8. よくある質問(桑名市の国保)
Q1. 桑名市の介護保険分は安いのですか?
A. 所得割1.6%は全国最低クラスです。多くの自治体が2.3〜3.0%台なので、40〜64歳の方にはかなり有利です。
主な自治体と比べてみます。
桑名市:所得割1.6%/均等割10,900円
船橋市(千葉):1.88%/13,900円
調布市(東京):1.84%/12,600円
大阪府(統一料率):2.60%/18,682円
熊本市:2.94%/20,300円
課税標準額233万円(給与収入400万円相当)の40〜64歳単身で介護分だけを比べると、桑名市は37,280円+10,900円=48,180円、熊本市は88,802円。年4万円以上の差です。
後期高齢者支援分の2.3%も低めです。所得割の合計11.25%は全国的にはやや低い部類に入ります。
ただし平等割の合計42,500円は高めです(医療保険分28,000円が効いています)。平等割は世帯に1回だけなので、単身・2人世帯には重く、人数の多い世帯には相対的に軽い構造になっています。
単身40〜64歳・所得ゼロなら均等割63,660円+平等割42,500円=106,160円。7割軽減が効けば約31,848円です。
年度途中で65歳になる方は、それ以降は国保税とは別に介護保険料を納めます。桑名市の介護分が低いぶん、65歳を境に負担がどう変わるかは確認しておくとよいでしょう。
Q2. 国保をやめたのに納付書が届きます。
A. 桑名市の納期は最大9回で、支払い月と保険税の対象月が一致しないためです。
市は明確に注意しています。「年間の保険税額は最大9回の期別に分けて納めていただきます。そのため、支払い月と保険税の対象月は必ずしも一致しません」。
仕組みはこうです。4月〜翌年3月の12か月分をまとめて年税額として計算し、それを9回に割って請求します。1期あたり=年税額÷9で、月とは対応していません。
たとえば10月に社会保険に加入して国保を脱退した場合、課税対象は4月〜9月の6か月分。年税額は6か月分に減額されますが、すでに払った額が不足していれば残額を納めることになります。
市の説明では「年度の途中で加入した場合は、その月の分から、年度の途中で喪失した場合は、喪失した前月分まで」が課税対象です。そして「届出をした翌月に更正通知を送付します」。
逆に年度の途中で加入した場合は、「届出をした翌月末日が最初の納付期限となり、3月まで納付していただきます」。年度の後半に加入するほど残りの納期が少なく、1回あたりの金額が大きくなります。1月に届け出れば2月末と3月末の2回で年度分を納めることになります。
脱退手続きは必ず行ってください。届け出ないと精算されず、請求が続きます(国保をやめる手続き)。
Q3. 軽減の判定所得は確定申告の所得と同じですか?
A. 違います。桑名市は軽減判定所得を計算式として公開しており、3つの要素すべてに注記が付いています。
軽減判定所得金額 = 前年中の総所得金額等 + 専従者給与(控除)額 - 軽減判定上の純損失の繰越控除額
①前年中の総所得金額等——住民税の総所得金額等とは異なり、退職所得は含めません。また65歳以上の方は公的年金所得から15万円を控除した額で計算します。
②+専従者給与(控除)額——市は「事業主は青色専従者給与額、事業専従者控除を必要経費として控除せずに判定します。また、専従者が事業主から支払いを受けた給与(専従者給与)は軽減判定所得には含みません」としています。事業主側は専従者給与を払う前の所得、専従者側は所得なしという扱いです。
③-軽減判定上の純損失の繰越控除額——ここが最も注意すべき点です。市は「軽減判定上の純損失の繰越控除額は、確定申告上の『本年分で差し引く繰越損失額』とは別に計算します」と明記しています。
確定申告書に書かれた繰越損失の金額をそのまま使うわけではありません。ここまで書いている自治体はほとんどなく、桑名市の説明は親切です。
事業で赤字を繰り越している方は、確定申告の数字から軽減の可否を自分で判断しないでください。桑名市の均等割63,660円+平等割42,500円=106,160円が軽減の対象で、7割軽減なら年約7.4万円の差になります。境界線上なら税務課で確認するのが確実です。
なお判定は該当年度の4月1日時点の世帯の状況(年度途中の新規加入は資格取得日)で行われます。
Q4. 世帯主を変えようと思っています。保険税に影響しますか?
A. 影響する場合があります。桑名市では世帯主が変わると「特定同一世帯所属者」ではなくなるためです。
特定同一世帯所属者とは、市の定義では「国民健康保険から後期高齢者医療制度へ移行された方で、後期高齢者医療制度の被保険者となった後も継続して同一の世帯に属する方」です。
この方は軽減判定の「加入者数」にカウントされ、その所得も判定に含まれます。人数にカウントされることで、5割軽減(31万円×人数)・2割軽減(57万円×人数)の基準額が下がらずに済む仕組みです。
ところが市は但し書きを添えています。「ただし、世帯主が変更になった場合やその世帯の世帯員でなくなった場合は、特定同一世帯所属者ではなくなります」。
世帯主を変更しただけで、特定同一世帯所属者の資格が消えます。その結果、軽減判定の人数が1人減り、5割・2割軽減の基準額が31万円・57万円ぶん下がることになります。
例を挙げます。夫(世帯主)が後期高齢者医療制度へ移行し、妻が国保に残っている世帯。妻1人+特定同一世帯所属者1人=2人で判定されるので、2割軽減の基準は43万+57万×2=157万円。ここで世帯主を妻に変更すると、夫は特定同一世帯所属者でなくなり、基準は43万+57万×1=100万円に下がります。
判定所得が100万円〜157万円の間にある世帯は、世帯主変更で軽減が外れる可能性があります。
世帯主の変更を検討している場合は、事前に税務課へ影響を確認してください。
Q5. 退職金を受け取りました。国保税は上がりますか?
A. 一時金で受け取るなら上がりません。桑名市は「退職所得は総所得金額等には含めません」と明記しています。
市の課税標準額の説明では、住民税の総所得金額等と異なる点として3つが挙げられています。
①退職所得は総所得金額等には含めません。
②雑損失の繰越控除は、控除しません。
③分離長期・短期譲渡所得の特別控除は控除します。
①により、退職金を一時金で受け取っても翌年度の国保税は増えません。2,000万円受け取っても影響なしです。
ただし年金形式で受け取る場合は別です。確定給付企業年金や確定拠出年金を年金として受け取ると公的年金等に係る雑所得になり、総所得金額等に含まれます。桑名市の所得割は11.25%(40〜64歳)なので、年200万円の年金受取なら所得割だけで年20万円以上変わる可能性があります(公的年金等控除後の額に対して)。
②の雑損失の繰越控除は所得割の計算では引けません。所得税では引ける繰越控除が国保税では効かない、という点に注意してください。
③の分離譲渡所得の特別控除は所得割では控除されます。マイホーム売却の3,000万円特別控除は所得割の計算では効きます。ただし軽減判定では扱いが変わるので、境界線上の世帯は税務課で確認してください。
退職直後は非自発的失業者の軽減も併せて検討してください。会社都合退職なら給与所得が100分の30とみなされ、効果は大きくなります。
Q6. 親が後期高齢者医療に移り、扶養から外れて国保に入ります。
A. 65歳以上なら「旧被扶養者」として所得割がかからず、均等割と平等割も2年間半額になる場合があります。ただし申請が必要です。
桑名市の説明はこうです。「被用者保険から後期高齢者医療制度に移行することにより、当該被保険者の被扶養者から国民健康保険の被保険者になった方(65歳以上)について、被用者保険の被扶養者であった期間に保険料を賦課されていなかった場合について、その国民健康保険の被保険者の所得割を賦課せず、また、加入した月から2年間に限り、その方が7割・5割の軽減に該当する場合を除いて均等割と平等割が半額となる場合があります」。
条件を整理します。
①被用者保険(協会けんぽ・健康保険組合・共済組合など)からの移行であること
②国保加入時に65歳以上であること
③被用者保険の被扶養者であった期間に保険料を賦課されていなかったこと
減免の内容は所得割を賦課しないことと、加入した月から2年間、均等割と平等割が半額になることの2つです。
実額で見ます。65歳の単身なら均等割は医療38,800円+後期支援12,800円+子ども1,160円=52,760円、平等割は28,000円+8,000円+700円=36,700円(65歳以上は介護分がかからないため)。合計89,460円が半額なら44,730円。所得割も賦課されないので、年間44,730円だけで済む計算です。
注意点は「7割・5割の軽減に該当する場合を除いて」という条件です。すでに7割・5割の法定軽減を受けている世帯では、均等割・平等割の半額は重ねて適用されません(法定軽減のほうが有利なので損はしません)。所得割を賦課しない扱いだけは残ります。
この減免は申請が必要です。国保の加入手続きのときに申し出てください。
Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得世帯に対する軽減
(申請不要/要・所得申告)・18歳未満の子ども・子育て支援分の均等割軽減
(申請不要)・未就学児の均等割軽減
(申請不要)・後期高齢者医療への移行に伴う平等割軽減
(申請不要)・旧被扶養者の減免
(要申請)・産前産後期間の国民健康保険税の減額
(要届出)・非自発的失業者の軽減
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に桑名市 税務課(国民健康保険税担当)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|桑名市の国保で押さえるべきポイント
- 桑名市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療保険分7.10%・後期支援分2.30%・介護分1.60%・子ども分0.25%
- 均等割は医療保険分38,800円・後期支援12,800円・介護10,900円・子ども1,160円、平等割は合計で年42,500円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 介護保険分の所得割1.6%は全国最低クラス。後期高齢者支援分2.3%も低めで、所得割の合計11.25%はやや低い
- 一方で平等割の合計42,500円は高め(医療保険分28,000円)。単身・2人世帯には重い構造
- 軽減判定所得を計算式で公開。「軽減判定上の純損失の繰越控除額は、確定申告上の繰越損失額とは別に計算」と明記
- 世帯主が変更になると特定同一世帯所属者ではなくなる。軽減判定の人数が減り、軽減が外れる可能性がある
- 納期は最大9回。支払い月と保険税の対象月は一致しない
- 年度途中で加入の届出をすると、届出の翌月末日が最初の納付期限。年度後半ほど1回あたりが大きくなる
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年23万9千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は桑名市 税務課(国民健康保険税担当)
出典・参考:
・桑名市公式:国民健康保険税とは(令和8年度税率・軽減判定)
・桑名市公式:国民健康保険税の試算について
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は桑名市公式サイトでご確認ください。