東京都 国立市の国民健康保険|保険料・減免・申請窓口まとめ

国立市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド

国立市は人口約7.7万人、多摩地域の中央部にあり、一橋大学と大学通りの桜並木で知られる文教都市です。
この記事でまず伝えたいのは、国立市の国保税が全国でも屈指に安いということです。令和8年度の所得割は合計9.89%——当サイトで令和8年度の料率を調べた234市のうち5番目に低い水準です。しかも平等割(世帯にかかる定額部分)がありません
同じ東京都なのに、23区とは金額がまるで違います。東京23区の統一料率は所得割13.01%・均等割84,873円。国立市は9.89%・48,631円です。給与収入400万円の45歳単身世帯で計算すると、23区は年約38.8万円、国立市は年約27.9万円——差はおよそ10.9万円になります。40代夫婦+子ども2人の世帯なら、所得ゼロでかかる部分だけで年13.3万円の差です。
ただし安心しきるのは早いのも事実です。国立市は令和8年度に大幅な値上げをしました。所得割は9.15%→9.89%(+0.74ポイント)、均等割は41,000円→48,631円(+7,631円)。そして市は「国民健康保険税率等改定計画」を策定し、「将来の完全統一を見据えて計画的に税率改定を行っていく」と明言しています。令和17年度までに東京都内で保険料水準を完全統一するという国の方針があり、いまの安さは永続しません
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく国立市の国保税の計算方法、なぜ値上げされたのか(市は加入者数と医療費の推移まで公表しています)、生活困窮減免の「収入率」判定、温泉施設の割引券や人間ドック助成といった独自の保健事業、窓口情報までまとめました。

1. 国立市の国民健康保険の概要

国立市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。

国立市の保険料は2方式(所得割+均等割)で計算します。世帯単位でかかる平等割はありません。単身世帯にとっては比較的有利な設計です。

国立市の国保は「保険料」ではなく「保険税」方式で、2方式(所得割+均等割)です。平等割も資産割もありません。世帯の人数分だけ均等割がかかり、それ以上の固定費は発生しない、単身世帯にやさしい設計です。
令和8年度の合計は所得割9.89%・均等割48,631円・課税限度額113万円。市は税率表に「(参考)全区分合計」という行を設けて、この合計を自分で示しています。令和6年度・令和7年度の税率も同じページに並べて掲載しており、「赤字は前年度からの変更箇所」と注記までついています。自治体の国保ページとしては、かなり親切な部類です。
納税義務者は住民基本台帳上の世帯主です。市は「国民健康保険には社会保険のような扶養の考え方がなく、収入がない方にも、最低限一人当たりにかかる均等割が課されます」と明記しています。
擬制世帯主の扱いも丁寧に説明されています。市は「保険税の計算の際には、擬制世帯主の分(所得割額・均等割額)については計算されず、加入者の分のみが計算されます。しかし、保険税の所得による軽減判定の際には、擬制世帯主の所得も参照し計算します」としています。課税には入らないが、軽減判定には入る——ここは毎年もめるポイントです。
納期は8期(7月31日・8月31日・9月30日・10月31日・11月30日・12月25日・1月31日・2月末日)。12月だけ25日で、それ以外は月末です。土日祝に当たる場合は次の平日が納期限になります。
窓口は市役所1階の11番窓口(健康福祉部 保険年金課 国民健康保険係)です。

国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。

2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率

令和8年度 国立市国民健康保険料 料率
区分所得割率均等割(1人年額)賦課限度額
医療分5.70%23,500円670,000円
後期高齢者支援金分1.95%11,200円260,000円
介護分(40〜64歳)1.95%12,000円170,000円
子ども・子育て支援金分0.29%1,931円
(均等割1,931円の内訳は「被保険者均等割税額1,835円+18歳以上被保険者均等割額96円」で、市は「子ども分については、国立市国保加入者のうち18歳未満の方の分は全額軽減されます」としています)
30,000円
  • 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
  • 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
  • 均等割1,931円の内訳は「被保険者均等割税額1,835円+18歳以上被保険者均等割額96円」で、市は「子ども分については、国立市国保加入者のうち18歳未満の方の分は全額軽減されます」としています。申請は不要です。
  • 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。

所得割の合計は9.89%(医療5.70+後期高齢者支援1.95+介護1.95+子ども0.29/40〜64歳)。当サイトで令和8年度の料率を調べた234市のうち5番目に低い水準です。40歳未満なら7.94%

均等割の合計は1人48,631円(医療23,500+支援11,200+介護12,000+子ども1,931/18歳以上・40〜64歳)。18〜39歳なら36,631円、18歳未満なら34,700円(介護分と子ども分がかからない)。

平等割はありません。国立市は2方式(所得割+均等割)です。世帯を持つだけでかかる固定費がないため、単身世帯には有利な設計です。

課税限度額は医療分67万円・支援分26万円・介護分17万円・子ども分3万円で、合計113万円。前年度は109万円(医療66万円・子ども分なし)で、4万円の引き上げです。

所得控除は効きません。市は「配偶者控除や社会保険料控除、医療費控除などの各種所得控除はされません」と明記しています。差し引くのは基礎控除43万円だけです。住民税や所得税がゼロでも、国保税はかかるのはこのためです。

税額の計算は区分ごとに100円未満を切り捨てます。市は「各区分の税額の計算結果に100円未満の端数がある場合は端数を切り捨てます」としています。

国立市は令和8年度に大幅な値上げをしました(市公表の3年分比較)

国立市は令和6・7・8年度の税率を1つの表に並べて公開しています。どこが上がったかが一目で分かります。

国立市 国民健康保険税率の推移(市公表)
区分令和6年度令和7年度令和8年度R7→R8の差
医療分 所得割/均等割5.5%/20,000円5.5%/20,000円5.7%/23,500円+0.2pt/+3,500円
後期高齢者支援分 所得割/均等割1.8%/10,000円1.8%/10,000円1.95%/11,200円+0.15pt/+1,200円
介護分 所得割/均等割1.85%/11,000円1.85%/11,000円1.95%/12,000円+0.1pt/+1,000円
子ども分 所得割/均等割なしなし0.29%/1,931円
(1,835円+18歳以上96円)
新設
全区分合計9.15%/41,000円9.15%/41,000円9.89%/48,631円+0.74pt/+7,631円
課税限度額(合計)106万円109万円113万円+4万円

令和6年度と令和7年度は据え置き、令和8年度で一気に動いた形です。
給与収入400万円(給与所得276万円)の45歳単身世帯で金額を比べます。基準所得は276万-43万=233万円
令和7年度——233万×9.15%=213,195円+均等割41,000円=約25.4万円
令和8年度——233万×9.89%=230,437円+均等割48,631円=約27.9万円
差はおよそ2.5万円の増です。
特別徴収(年金天引き)の方には時差があります。市は「特別徴収(年金天引)の方は、令和8年4月から8月までは仮徴収として令和7年度の税率を基に天引きされます。令和8年10月から改定後の税率を反映した税額が天引きされます」としています。10月の天引き額が急に増えて驚くことになるので、あらかじめ知っておいてください。

なぜ上げたのか——市は加入者数と医療費の推移まで公表している

国立市は値上げの背景を、数字つきで説明しています。

国立市国保の被保険者数と一人当たり医療費(市公表)
年度被保険者数一人当たり医療費
令和2(2020)年度16,164人265,444円
令和3(2021)年度15,895人278,649円
令和4(2022)年度15,459人289,578円
令和5(2023)年度14,561人312,122円
令和6(2024)年度14,072人306,847円

4年で被保険者は約12.9%減り、一人当たり医療費は約15.6%増えました。支える人が減って、かかる額が増える——国保が全国で直面している構図が、そのまま数字に出ています。
市はさらに踏み込んで、赤字であることを認めています「東京都の『国民健康保険運営方針』に基づき、標準保険料(税)率が決定されます。その標準保険料(税)率を採用することで理論上国民健康保険税等の収入で国民健康保険に係る支出を賄うことができますが、その標準保険料(税)率と市町村が設定する税(料)率に乖離があることから、一部の市町村はその差を決算補填等の目的で一般会計からの赤字繰入で賄っており、国立市においてもそのような状況が続いています」
つまり、国立市の国保税が安いのは「市の一般会計から赤字を埋めているから」です。市民全体の税金で国保加入者の保険税を補填している状態で、国はこれを解消するよう求めています。

「国民健康保険税率等改定計画」——今の安さは続かない

国立市は複数年にわたる値上げ計画を文書化して公表しています。ここまでやっている自治体は多くありません。
市の説明を引きます——「厚生労働省が令和6年6月に策定した『保険料水準統一加速化プラン(第2版)』において、令和17年度までに保険料(税)水準の完全統一(同一都道府県内で同じ所得水準、同じ世帯構成であれば同じ保険料(税)となること)を目指すこととされました。国立市においても、将来の完全統一を見据えて計画的に税率改定を行っていくため、国民健康保険税率等改定計画を策定しました」
「完全統一」の意味を噛み砕きます。同じ東京都内なら、所得と世帯構成が同じであれば、どこに住んでも国保税が同じになるということです。目標年度は令和17年度
いま東京23区は所得割13.01%・均等割84,873円、国立市は9.89%・48,631円この差が、10年ほどかけて埋まっていく方向です。埋まり方は東京都の標準税率次第ですが、国立市の水準が23区に寄っていくと考えるのが自然でしょう。
計画案には意見募集(パブリックコメント)も実施されており、計画本体と参考資料がPDFで公開されています。今後の家計を見通したい方は、市のページから確認してください。

多摩地域と23区の比較——同じ東京都でこれだけ違う

東京都は市区町村ごとに料率がまったく違うことで知られます。23区は統一料率ですが、多摩地域の市はそれぞれ独自に決めています。当サイトで調べた令和8年度の数字を並べます。

東京都内の国保料率比較(令和8年度・40〜64歳の合計)
自治体所得割(合計)均等割(1人・合計)平等割
府中市9.65%51,800円なし
国立市9.89%48,631円なし
調布市10.02%56,000円なし
三鷹市10.30%56,144円なし
多摩市10.44%58,200円なし
町田市11.48%71,360円なし
羽村市11.66%57,128円なし
八王子市12.98%80,200円なし
東京23区(統一)13.01%84,873円なし

国立市は均等割が都内で最も低く(48,631円)、所得割も府中市に次いで2番目に低い水準です。
金額で確かめます。給与収入400万円の45歳単身世帯(基準所得233万円)。
国立市——233万×9.89%+48,631円=約27.9万円
東京23区——233万×13.01%+84,873円=約38.8万円
差はおよそ10.9万円。同じ東京都内で、住所が変わるだけでこれだけ違います。
40代夫婦+子ども2人(15歳・10歳)の世帯で、所得に関係なくかかる均等割だけを比べるともっと開きます。
国立市——大人2人×48,631円+子2人×34,700円=166,662円
東京23区——大人2人×84,873円+子2人×65,200円=300,146円
差は年133,484円——13.3万円です。
ただし、この差は将来縮まっていきます。前述の「令和17年度までの完全統一」が実現すれば、都内どこに住んでも同じになる計算です。いま国立市に住んでいる国保加入者にとっては「値上げが続く」ことを意味します

【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円

所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円

  • 医療分: 所得割 146,490円 + 均等割 82,250円 ⇒ 228,740円
  • 後期支援分: 所得割 50,115円 + 均等割 39,200円 ⇒ 89,315円
  • 介護分: 所得割 50,115円 + 均等割 24,000円 ⇒ 74,115円
  • 子ども分: 所得割 7,453円 + 均等割 3,862円 ⇒ 11,315円

合計: 年間 約403,485円(月あたり約33,600円)

この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません

【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)

基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円

  • 医療分: 所得割 90,630円 + 均等割 23,500円 ⇒ 114,130円
  • 後期支援分: 所得割 31,005円 + 均等割 11,200円 ⇒ 42,205円
  • 介護分: 所得割 31,005円 + 均等割 12,000円 ⇒ 43,005円
  • 子ども分: 所得割 4,611円 + 均等割 1,931円 ⇒ 6,542円

合計: 年間 約205,882円(月あたり約17,200円)

【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円

ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。

軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)

  • 医療分 156,310円 / 後期支援分 56,635円 / 介護分 57,435円 / 子ども分 8,688円 ⇒ 合計 約279,068円

非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)

  • 判定所得も82.8万円に下がるため均等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
  • 医療分 41,486円 / 後期支援分 16,721円 / 介護分 17,361円 / 子ども分 2,699円 ⇒ 合計 約78,267円

差額は年間およそ20万1千円。届出書1枚でこれだけ違います。国立市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。

(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は国立市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。

3. 賦課限度額(保険料の上限)

  • 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
  • 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)

所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。

4. 国立市の軽減・減免制度

制度は自動で適用されるもの申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。

4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用

令和8年度 軽減判定の所得基準
軽減率世帯の総所得金額等が以下の額以下
7割軽減43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
5割軽減43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
2割軽減43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)

軽減されるのは均等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。

4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用

未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。

4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用

令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、均等割1,931円の内訳は「被保険者均等割税額1,835円+18歳以上被保険者均等割額96円」で、市は「子ども分については、国立市国保加入者のうち18歳未満の方の分は全額軽減されます」としています。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。

4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請

倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。

  • 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
  • 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
  • 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
  • 届出先: 国立市 保険年金課 国民健康保険係(042-576-2124・市役所1階11番窓口)
  • 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です

倒産・解雇・雇止めなどで離職された方は、前年の給与所得を100分の30として計算する軽減が使えます(離職時65歳未満、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者が対象。離職理由コード11・12・21・22・31・32・23・33・34)。
効果を試算します。給与収入400万円(給与所得276万円)の45歳単身世帯なら、基準所得は276万-43万=233万円。所得割は233万×9.89%=230,437円、均等割48,631円を足して年約27.9万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。基準所得は39.8万円まで下がり、所得割は39,362円
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割の軽減判定も行われます。単身世帯の2割軽減の基準は43万+57万×1人=100万円82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割48,631円が38,904円に。
合計は約7.8万円差はおよそ20.1万円です。
国立市の場合、この軽減の効き方には特徴があります。国立市は平等割がなく、均等割も48,631円と低いため、軽減の恩恵の大半は所得割の圧縮から来ます。所得割は230,437円→39,362円で19.1万円の減、均等割の2割軽減は9,727円の減差額20.1万円のうち95%が所得割部分です。
平等割が厚い自治体(行橋市48,731円、横須賀市59,000円など)では均等割・平等割の軽減が大きく効きますが、国立市では「所得割をどれだけ圧縮できるか」がすべてと言っていい構造です。つまり、給与所得が高かった人ほど効果が大きいということでもあります。
届出が必要です。市が自動で拾ってくれる制度ではありません。雇用保険受給資格者証(または雇用保険受給資格通知)と本人確認書類、マイナンバーがわかるものを持って市役所1階11番窓口(保険年金課 国民健康保険係)へ。離職票では手続きできません——ハローワークで求職の申込みをして受給資格の決定を受けてから交付されるものが必要です。
この軽減に該当しない場合は、国立市独自の「生活困窮による減免」があります。退職や廃業、疾病や死亡などの理由により、収入が著しく減少し、生活困窮の状態にあると認められた世帯が対象で、自己都合退職や自営業の廃業も含まれます「収入率」という独自の指標で減免割合が決まり、判定用のExcelファイルが市のページで公開されているので、申請前に自分で計算できます。次の章で詳しく見ます。
減免には申請期限があります。市は「必ず納期限までにご申請ください。納期限の過ぎた保険税額については減免の対象となりません」としています。過ぎた分はさかのぼれません。離職したらすぐ相談してください。

書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。

4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出

出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。

4-6. 国立市の減免制度|要申請

国立市の低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の均等割軽減、18歳未満の子ども分軽減はすべて申請不要です(所得の申告が前提)。非自発的失業者の軽減、産前産後期間の軽減、災害・生活困窮の減免は申請が必要です。減免は「申請日以降その年度の最終日までに納期限が到来する保険税」だけが対象で、納期限の過ぎた分はさかのぼれません。早めの相談が鉄則です。

国立市 国民健康保険料の減免
種類主な要件減免内容・手続き
低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)
申請不要要・所得申告
世帯内の被保険者と世帯主(擬制世帯主を含む)の前年所得の合計が①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②①+31万円(前年度30.5万円)×被保険者数以下=5割、③①+57万円(前年度56万円)×被保険者数以下=2割均等割額のみを軽減(国立市には平等割がありません)。令和8年度から5割・2割の基準額が引き上げられ、対象が広がりました。市は「所得の申告(確定申告、市・都民税申告)がない場合、世帯の所得金額が把握できず、軽減が適用されません」と明記
18歳未満の子ども分均等割・全額軽減
申請不要
18歳未満の被保険者子ども分の均等割を全額軽減。均等割1,931円の内訳は「被保険者均等割税額1,835円+18歳以上被保険者均等割額96円」で、18歳以上の加入者が子どもの分を支える設計です
未就学児の均等割軽減
申請不要
未就学児(小学校入学前の被保険者)均等割額を5割軽減。市は「低所得世帯に対する軽減が適用されている場合、軽減後の均等割額から更に5割軽減されます」としており、7割軽減世帯なら実質8.5割軽減になります
非自発的失業者の軽減
要申請
離職時65歳未満で、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者(離職理由コード11・12・21・22・31・32・23・33・34)前年の給与所得を100分の30として算定。軽減判定にも同じ圧縮後の所得を使うので、7割・5割・2割の軽減にも波及します。雇用保険受給資格者証を持って市役所1階11番窓口へ
災害による減免
要申請
風水害・火災・震災その他の災害により、資産に重大な損害を受けた世帯(消防署の発行する証明書および実地調査で確認)住居の全壊・全焼・流失等なら国民健康保険税の全額。半壊・半焼なら所得割額の80%、床上浸水・家財の3分の1以上の損害なら所得割額の50%り災証明書と減免申請書、世帯主の本人確認書類の写しが必要
生活困窮による減免
要申請
退職・廃業・疾病・死亡などで収入が著しく減少し、生活困窮の状態にあると認められた世帯。「収入率」が100分の150以下であること(申請日の直近3か月の収入金額と預貯金額から算出)収入率110%未満なら所得割額の全額、120%未満で90%、130%未満で80%、140%未満で70%、150%未満で60%を減免。判定用のExcelファイル「生活困窮による保険税減免判定表」が市のページで公開されています
産前産後期間の軽減
要届出
出産(予定)の被保険者産前産後期間相当分の所得割額・均等割額を軽減。保険年金課へ届出
後期高齢者医療制度移行に伴う軽減
要申請
被用者保険の本人が後期高齢者医療制度に移行したことに伴い、被扶養者から国保被保険者になった方(旧被扶養者)保険税の軽減措置あり。保険年金課へ
人間ドックの利用助成(保健事業)
要申請・受診前に
国立市国保の加入者で、納期限到来分まで国保税を完納している方年度ごとに1回、一律2万円を助成。受診期間は5月から2月オンライン申請(検査日2週間前まで)または窓口申請(検査日前日まで)で利用券を受け取り、検査当日に提出します。特定健康診査との重複受診は不可(歯科検診を除く)
国保温泉センターの割引利用券(保健事業)
配布場所で受取
国立市国保の加入者(資格確認書・資格情報のお知らせ・マイナポータルの資格情報確認画面のいずれかを持参)檜原「数馬の湯」/奥多摩「もえぎの湯」/秋川渓谷「瀬音の湯」/日の出町「つるつる温泉」で入館料を割引(中学生以上200〜250円、小学生100〜200円、未就学児無料)。1枚で国保加入者3名まで令和8年4月1日〜令和9年3月31日/枚数限定

国立市の減免でいちばん特徴的なのは、「生活困窮による減免」の判定方法が公開されていることです。
多くの自治体は「世帯の状況を総合的に判断します」としか書かず、窓口に行くまで結果が読めません。国立市は「収入率」という指標を定義し、その数値ごとの減免割合を表で示し、さらに判定用のExcelファイルまで配布しています。
収入率とは——市の定義は「申請日の直近3カ月の収入金額及び預貯金額から算出した金額と、国民健康保険税減免基準表に定める金額との比較により算出した率」直近3か月の収入と預貯金を、生活保護の基準生活費に近い「減免基準表」の金額と比べる仕組みです。前年の所得ではなく「いまの手元」で判定されるのが大きな違いです。
減免割合は次のとおり——収入率110%未満で所得割額の全額/120%未満で90%/130%未満で80%/140%未満で70%/150%未満で60%150%を超えると対象外です。
減免されるのは所得割額だけで、均等割は減りません。ただし国立市の均等割は48,631円(40〜64歳・1人)と全国的に低く、平等割もないため、所得割さえ消えれば負担はかなり軽くなります。給与収入400万円だった45歳単身なら、所得割230,437円が全額減免されると残りは均等割48,631円だけです。
必要書類は多めです。減免申請書、世帯調査表、直近3か月の収入の証明(給与証明書・事業収支証明書など)、預金通帳の写し(残高確認)、世帯主の本人確認書類の写し。借地・借家なら地代・家賃の証明書または領収書、世帯に義務教育以外で就学している方がいれば在学証明書または学生証の写しも必要です。
手続きの流れは「まず相談」です。市は「お電話や窓口にてまずご相談ください。ご相談いただいた方のうち、減免の対象となる見込みのある方へ減免申請書を郵送もしくは窓口で交付いたします」としています。申請書はいきなり出せません042-576-2124へ電話を。
最大の注意点は申請期限です。市は「必ず納期限までにご申請ください。納期限の過ぎた保険税額については減免の対象となりません」とし、減免の対象を「申請日以降その年度の最終日までに納期限が到来する国民健康保険税」と定めています。すでに納期限が来た分は、どんな事情でも減免されません1期でも早く相談したほうが、減る金額が大きくなります
災害減免は損害の程度で決まります。住居の全壊・全焼・流失なら保険税の全額(所得割だけでなく均等割も含む「全額」です)、半壊・半焼なら所得割額の80%床上浸水・家財の3分の1以上の損害なら所得割額の50%り災証明書が必要で、市は「消防署の発行する証明書及び実地調査により、資産に重大な損害をうけたことを確認できる世帯」としています。
軽減判定所得の中身も、国立市は丁寧に説明しています。対象になるのは給与所得、事業所得、雑所得(公的年金等を含む)、不動産所得、土地建物等の譲渡所得、株式の譲渡所得・配当所得、山林所得など。専従者給与所得は対象外です。
一方、合計から差し引けるのは「純損失・雑損失の繰越控除」だけ基礎控除も、土地建物等の譲渡にかかる特別控除も、専従者控除も、社会保険料控除・医療費控除も差し引かれません「確定申告では所得ゼロだったのに軽減が付かない」という相談の大半は、ここが原因です。
保健事業も見逃さないでください。人間ドックは年度ごとに1回、一律2万円の助成条件は「納期限到来分まで国民健康保険税を完納している方」——滞納があると使えません受診前に必ず利用券を受け取ることが必要で、市は「人間ドック利用券の交付を受ける前に受診をされるケースが見受けられます」と注意喚起しています。立川北口健診館をインターネットから予約すると助成を受けられないという具体的な但し書きもあります。
温泉施設の割引券は、檜原「数馬の湯」・奥多摩「もえぎの湯」・秋川渓谷「瀬音の湯」・日の出町「つるつる温泉」で使えます。1枚で国保加入者3名まで市役所1階11番窓口・北市民プラザ・南市民プラザ・国立駅前くにたち・こくぶんじ市民プラザで配布。枚数に限りがあり、なくなり次第終了です。

保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。

4-7. 払えないときは滞納する前に相談

滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。

5. 納付方法

  • 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
  • 納付書(金融機関・コンビニ等)
  • 特別徴収(国保加入者全員が65〜74歳の世帯は年金天引き・年6回)
  • 納付相談(保険年金課へ。滞納する前に)

国立市の普通徴収は8期です。第1期7月31日/第2期8月31日/第3期9月30日/第4期10月31日/第5期11月30日/第6期12月25日/第7期1月31日/第8期2月末日12月だけ25日で、それ以外は月末。土日祝に当たる場合は次の平日が納期限になります。
「支払い月と保険税の対象月は一致しません」と市は明記しています。「例) 7月に納期が設定されている保険税(第1期)=7月対象の保険税、というわけではありません」——年間の税額を8回に割っているだけで、各期が特定の月の分に対応しているわけではないという意味です。年度途中で脱退したときの精算を考えるときに効いてくる考え方です。
特別徴収(年金天引き)は年6回——4月・6月・8月・10月・12月・2月。対象は「国民健康保険被保険者全員が65歳以上75歳未満の世帯」です。ただし市は「世帯主が国民健康保険の被保険者でない場合」「年金額が年額18万円未満の場合」「年度の途中で75歳となる場合」「介護保険料の天引きと合わせた額が年金額の2分の1を超える場合」は天引きされないとしています。申請すれば口座振替に変更できます
普通徴収から特別徴収に切り替わる年は10月から年金天引きが始まります。令和8年度は税率改定の年なので、4月から8月は令和7年度の税率をもとにした仮徴収、10月から改定後の税額になります。10月に天引き額が跳ね上がりますので、家計の見積もりにご注意ください。
加入の届出が遅れたときの遡及は「3年」です。市は「保険税は、資格取得の届出をした時点からではなく、転入や社会保険の喪失などによって国保の資格を取得することになった時点まで遡って課税されます。何年もの間、国保の資格取得の届出を行っていなかった場合も、保険税は3年(偽りその他不正行為があった場合は7年)まで遡って課税されます」としています。
ここは「保険税」方式ならではの数字です。国保を「保険料」として徴収している自治体(横浜市や大阪市など)では、国民健康保険法第110条の2により賦課の遡りは2年が上限です。国立市のように「保険税」方式をとる自治体は地方税法が適用され、3年(不正があれば7年)になります。同じ国保でも、「税」か「料」かで遡及年数が違う——意外と知られていない差です。
減額のほうは5年さかのぼれます。市は「遡った資格喪失の届出や所得減の修正申告によって過年度の保険税が減額となる場合は、届出等をされた年度を含めて5年まで遡ります」としています。増額は3年、減額は5年——納める側に不利にはならない非対称になっています。脱退の届出を何年も忘れていた方は、5年分さかのぼって還付を受けられる可能性があります。心当たりがあれば窓口へ。
社会保険料控除についても、国立市は実務的な説明をしています。「納付した国民健康保険税を証明する書類の添付は不要ですので、領収書などで合計額を計算して申告用紙に記載してください」年末調整ならその年の1月1日から12月31日までに納付する金額、確定申告なら前年の1月1日から12月31日までに納付した金額が対象で、「納期未到来分や過年度(前年度以前の分)の保険税を納付した場合の税額も含みます。ただし、延滞金は控除対象となりません」
ここに実務上の重要な制約があります。市は「国民健康保険税は、世帯主が納税義務者として納付しています。そのため、被保険者ごとの納付済額の回答、納付確認書の作成はできません」としています。「子の分だけいくら払ったか」を市に証明してもらうことはできません
そのうえで市は道筋も示しています——「世帯内で金額を出し合って納付している場合は、年間に納付した合計額を超えない範囲で、実際に納付した方が納付した金額を申告してください」世帯の合計額を超えなければ、実際に払った人が払った分を申告してよいということです。所得の高い家族が多めに負担して控除を取るのは、この範囲内なら問題ありません。
領収書を紛失したときは、世帯主または同一世帯の方が電話で確認するか、窓口で納付確認書の発行を申請できます。

6. 加入・脱退の手続き

6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)

状況別 加入時の必要書類
事由必要書類
会社を退職した健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
他市区町村から転入本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可)
子どもが生まれた本人確認書類、母子健康手帳
生活保護が廃止された保護廃止(停止)通知書、本人確認書類

6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)

状況別 脱退時の必要書類
事由必要書類
就職して社保に加入した新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類
他市区町村へ転出本人確認書類(転出届と同時に手続き可)
生活保護の受給開始保護決定通知書、本人確認書類
死亡本人確認書類、死亡を確認できる書類

脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。

7. 国立市の国保窓口一覧

国立市の国保は健康福祉部 保険年金課 国民健康保険係が一括して担当しています。窓口は市役所1階の11番窓口資格の届出も、税額の相談も、減免の申請も、人間ドックの利用券も、温泉の割引券も、すべてここです。電話は042-576-2124(直通)。オンラインでできる手続きも整備されており、人間ドックの利用申請はLoGoフォームから国保の各種手続きもオンライン対応が進んでいます。

国立市 国保の窓口
窓口・用件連絡先主な業務
健康福祉部 保険年金課 国民健康保険係
〒186-8501 東京都国立市富士見台2-47-1
国立市役所 1階(11番窓口)
042-576-2124(直通)
042-576-2111(内線121・122)
FAX 042-576-0264
国保税の計算・納付相談非自発的失業者の軽減産前産後の軽減災害・生活困窮の減免、加入・脱退の届出、納付確認書の発行
生活困窮による減免の相談042-576-2124まず電話または窓口で相談。対象となる見込みのある方に申請書と世帯調査表が交付されます。判定用のExcelファイル「生活困窮による保険税減免判定表」は市ページで公開
人間ドックの利用助成042-576-2124
オンライン申請:LoGoフォーム
年度ごとに1回、一律2万円。受診期間は5月〜2月。窓口申請は検査日前日まで/オンライン申請は検査日2週間前まで受診前に利用券を受け取ることが必須
国保温泉センター割引利用券の配布配布場所:市役所1階11番窓口/北市民プラザ/南市民プラザ/国立駅前くにたち・こくぶんじ市民プラザ資格確認書・資格情報のお知らせ・マイナポータルの資格情報確認画面のいずれかを持参。1枚で国保加入者3名まで枚数に限りあり
国立市役所(代表)042-576-2111国立市富士見台2-47-1。窓口の受付時間は試行で変更されている場合がありますので、来庁前に市ホームページをご確認ください

納期は8期(7月31日〜2月末日)。12月だけ25日です。土日祝なら次の平日。

令和8年度は税率改定の年です。特別徴収(年金天引き)の方は4月〜8月が令和7年度税率での仮徴収、10月から改定後の税額になります。

減免は「納期限までに申請」が絶対条件です。納期限の過ぎた保険税額は減免されません。

人間ドック助成は「滞納があると使えません」。納期限到来分まで完納していることが条件です。

遡及課税は3年(不正なら7年)、減額の遡及は5年。脱退の届出を忘れていた方は還付を受けられる可能性があります。

被保険者ごとの納付済額は証明できません。社会保険料控除は「世帯の合計額を超えない範囲で、実際に払った人が申告」する運用です。

国立市は「国民健康保険税率等改定計画」を公表しています。令和17年度の都内完全統一に向け、今後も改定が予定されています。

8. よくある質問(国立市の国保)

Q1. 国立市の国保税は安いと聞きました。本当ですか?
A. 本当です。所得割9.89%は当サイトで調べた234市のうち5番目に低く、平等割もありません。東京23区と比べると、給与収入400万円の単身世帯で年10.9万円の差が出ます。
令和8年度の国立市の税率は所得割の合計9.89%(医療5.70+支援1.95+介護1.95+子ども0.29)、均等割の合計48,631円(同23,500+11,200+12,000+1,931)。平等割(世帯にかかる定額部分)はゼロです。
東京23区の統一料率所得割13.01%・均等割84,873円所得割で3.12ポイント、均等割で36,242円も違います。
金額で確かめます。給与収入400万円(給与所得276万円)の45歳単身世帯なら、基準所得は233万円。
国立市=233万×9.89%+48,631円=約27.9万円
東京23区=233万×13.01%+84,873円=約38.8万円
差はおよそ10.9万円です。
子育て世帯ならもっと開きます。40代夫婦+子ども2人(15歳・10歳)で、所得に関係なくかかる均等割だけを比べると、国立市166,662円/東京23区300,146円——差は年133,484円
多摩地域の中でも国立市は低いほうです。均等割48,631円は当サイトで調べた都内の市区の中で最も低く、所得割9.89%は府中市(9.65%)に次いで2番目に低い水準です。調布市10.02%、三鷹市10.30%、多摩市10.44%、町田市11.48%、八王子市12.98%と続きます。
ただし、安さの理由は誇れるものばかりではありません。市は「標準保険料(税)率と市町村が設定する税(料)率に乖離があることから、一部の市町村はその差を決算補填等の目的で一般会計からの赤字繰入で賄っており、国立市においてもそのような状況が続いています」と認めています。市の一般会計から赤字を埋めて安く抑えている状態で、国はこれを解消するよう求めています。
そして、この差は縮まる方向です。国は令和17年度までに都道府県内の保険料水準を完全統一する方針を示し、国立市も「国民健康保険税率等改定計画」を策定しました。今後10年ほどかけて、23区の水準に近づいていくと見ておくのが現実的です。

Q2. 令和8年度から保険税が上がりました。いくら上がったのですか?
A. 所得割が9.15%→9.89%(+0.74ポイント)、均等割が41,000円→48,631円(+7,631円)です。給与収入400万円の45歳単身世帯なら、年約2.5万円の増になります。
区分ごとの変化は次のとおりです。
医療分——所得割5.5%→5.7%、均等割20,000円→23,500円
後期高齢者支援分——1.8%→1.95%、10,000円→11,200円
介護分——1.85%→1.95%、11,000円→12,000円
子ども分——新設で0.29%・1,931円(被保険者均等割1,835円+18歳以上均等割96円)。
課税限度額も109万円→113万円(医療分が66万→67万、子ども分3万円が新設)。
令和6年度と令和7年度は据え置き(9.15%・41,000円)だったので、3年ぶりの改定で一気に動いた形です。
市は理由を数字で説明しています。国立市国保の被保険者数は令和2年度16,164人→令和6年度14,072人約12.9%減少。一方で一人当たり医療費は265,444円→306,847円約15.6%増加しました。支える人が減り、かかる額が増えているという構図です。
さらに大きな背景があります。国は「保険料水準統一加速化プラン(第2版)」令和17年度までに都道府県内の保険料水準を完全統一する方針を示しました。市はこれを受けて「将来の完全統一を見据えて計画的に税率改定を行っていくため、国民健康保険税率等改定計画を策定しました」としています。今回の値上げは単発ではなく、計画の一環です。
年金天引き(特別徴収)の方は、値上げが10月から反映されます。市は「令和8年4月から8月までは仮徴収として令和7年度の税率を基に天引きされます。令和8年10月から改定後の税率を反映した税額が天引きされます」としています。4〜8月は旧税率、10月から新税率——10月の天引き額が急に増えます。しかも1年分の不足を10月・12月・2月の3回で調整するため、1回あたりの増加幅は年間の増加額より大きく見えることになります。驚かないよう心づもりをしておいてください。
それでも23区より大幅に安いことに変わりはありません。値上げ後の国立市(9.89%・48,631円)でも、23区(13.01%・84,873円)との差は依然として大きい状態です。

Q3. 収入が急に減りました。国立市の「生活困窮による減免」はどんな制度ですか?
A. 直近3か月の収入と預貯金から「収入率」を計算し、110%未満なら所得割の全額、150%未満なら60%が減免される制度です。判定用のExcelファイルが公開されているので、申請前に自分で計算できます。
国立市の減免の特徴は、判定基準が数値で公開されていることです。
対象となる世帯——市は「退職や廃業、疾病や死亡などの理由により、収入が著しく減少し、生活困窮の状態にあると認められた世帯」としています。自己都合退職も、自営業の廃業も含まれます。国の非自発的失業者軽減は雇用保険が前提なので使えない方でも、こちらなら可能性があります。
判定の仕組み——「申請日の直近3カ月の収入金額及び預貯金額から算出した金額と、国民健康保険税減免基準表に定める金額との比較により算出した率」収入率と呼び、100分の150以下なら対象になります。
減免割合は次のとおり。
収入率110%未満 → 所得割額の全額
120%未満 → 90%
130%未満 → 80%
140%未満 → 70%
150%未満 → 60%
前年の所得ではなく「いまの手元」で判定されるのが決定的な違いです。前年に収入があっても、直近3か月で急減していれば対象になり得ます
減るのは所得割だけで、均等割48,631円は残ります。とはいえ国立市は均等割が低く平等割もないので、所得割が消えれば負担はかなり軽くなります
手続きの流れ——市は「お電話や窓口にてまずご相談ください。ご相談いただいた方のうち、減免の対象となる見込みのある方へ減免申請書を郵送もしくは窓口で交付いたします」としています。いきなり申請書を出すことはできません。まず042-576-2124へ電話を。
必要書類は、減免申請書、世帯調査表、直近3か月の収入の証明(給与証明書・事業収支証明書など)、銀行・郵便局の預金通帳の写し(残高確認)、世帯主の本人確認書類の写し借地・借家なら地代・家賃の証明書または領収書世帯に義務教育以外で就学している方がいれば在学証明書または学生証の写しも要ります。
市は判定表のExcelファイルを公開しています。「生活困窮による保険税減免判定表」という名前で、市の減免ページからダウンロードできます。窓口に行く前に自分の収入率を計算できる——ここまで開示している自治体はめずらしいので、ぜひ使ってください。
最重要の注意点は申請期限です。減免の対象は「申請日以降その年度の最終日までに納期限が到来する国民健康保険税」で、市は「必ず納期限までにご申請ください。納期限の過ぎた保険税額については減免の対象となりません」としています。すでに納期限が来た分は、どんな事情でもさかのぼって減免されません収入が減った時点ですぐ相談するほど、減る金額が大きくなります

Q4. 国立市の国保に入ると使える特典はありますか?
A. 「人間ドックの利用助成(年度1回・一律2万円)」と「国保温泉センターの割引利用券」が国立市の目玉です。
人間ドックの利用助成——市は「国立市国民健康保険加入者に人間ドック利用料金を一部助成しています」とし、助成額は「年度ごとに1回一律2万円」受診期間は「5月から2月」としています。
利用条件は2つ。「人間ドック受診日時点で国立市国民健康保険に加入されている方」、そして「利用申請時、納期限到来分まで国民健康保険税を完納している方」滞納があると使えません——ここは見落とされがちです。
申し込みの手順は、①市が契約している検査機関に予約する → ②国民健康保険係に利用助成を申請する → ③利用券を受け取る → ④検査当日に検査機関へ利用券を提出し、本人負担額を支払う
申請方法は2つあります。窓口申請は検査日前日まで(市役所1階11番窓口)、オンライン申請(LoGoフォーム)は検査日2週間前まで。オンラインの場合、利用券は郵送されます。
注意点が3つ明記されています。ひとつめ——「立川北口健診館で検査される方がインターネットから予約した場合、国立市の利用助成を受けることができません」。ふたつめ——「人間ドック利用券の交付を受ける前に受診をされるケースが見受けられます。助成を希望される場合は、受診の際に検査機関に利用券を提出していただく必要があります。受診前に必ず国民健康保険係へ利用申請を行ってください」。みっつめ——「保健センターで実施する特定健康診査との重複受診はできません(歯科検診は除く)」
また「年度途中で75歳になる方は誕生日の前日までの検査が助成対象です。後期高齢者医療保険被保険者の方は助成の対象となりません」とされています。
国保温泉センターの割引利用券——令和8年4月1日から令和9年3月31日まで、国立市国保の加入者に契約温泉施設の割引利用券が配られます。対象施設は4つ。
檜原温泉センター「数馬の湯」(西多摩郡檜原村/中学生以上250円・小学生200円割引)
奥多摩温泉「もえぎの湯」(西多摩郡奥多摩町/中学生以上250円・小学生200円割引)
秋川渓谷「瀬音の湯」(あきる野市/中学生以上200円・小学生200円割引)
生涯青春の湯「つるつる温泉」(西多摩郡日の出町/中学生以上200円・小学生100円割引)
いずれも未就学児は無料です。1枚につき国保加入者3名まで(大人=中学生以上と小学生の合計)利用できます。
受け取り方——マイナポータルの資格情報確認画面、資格情報のお知らせ(資格情報通知書)、資格確認書のいずれかを持って、市役所1階11番窓口・北市民プラザ・南市民プラザ・国立駅前くにたち・こくぶんじ市民プラザのいずれかへ。枚数に限りがあり、なくなり次第終了です。
このほか特定健康診査・スマートライフ健康相談(特定保健指導)も国保の保健事業として実施されています。

Q5. 脱退の手続きを何年も忘れていました。払いすぎた分は戻りますか?
A. 戻る可能性があります。国立市は「減額となる場合は届出等をされた年度を含めて5年まで遡ります」と明記しています。
市の説明を引きます——「遡った資格喪失の届出や所得減の修正申告によって過年度の保険税が減額となる場合は、届出等をされた年度を含めて5年まで遡ります」
逆に、増額のほうは3年です。市は「何年もの間、国保の資格取得の届出を行っていなかった場合も、保険税は3年(偽りその他不正行為があった場合は7年)まで遡って課税されます。過年度の所得の修正申告等によって保険税が増額になる場合は、3年まで遡って増額課税されます」としています。
増額は3年、減額は5年——納める側に不利にならない非対称になっています。
なぜ3年・5年なのか。国立市は国保を「保険税」として徴収しているため、地方税法が適用されます。地方税の賦課決定は原則3年(不正があれば7年)、還付は5年です。
これに対し、国保を「保険料」として徴収している自治体(横浜市や大阪市など)では、国民健康保険法第110条の2により、賦課の遡りは2年が上限になります。同じ国保でも「税」か「料」かで、さかのぼれる年数が違う——意外と知られていない差です。国立市は「税」なので3年(不正は7年)です。
典型的なケースを挙げます。就職して社会保険に入ったのに、国保の脱退届を出していなかった——この場合、社会保険の資格取得日までさかのぼって国保の資格を喪失させ、その後に納めた国保税は還付の対象になります。市は自動では気づきませんので、こちらから届け出る必要があります。
必要なものは、新しい健康保険の資格確認書・資格情報のお知らせ・資格取得証明書など、社会保険に加入した日が分かる書類と本人確認書類。市役所1階11番窓口へ。国立市はオンラインでの国民健康保険の手続きにも対応しているので、市のページから確認してください。
ただし注意点があります。脱退が確定すると、その間に国保の保険証で受診した医療費(7割分)は市に返還することになります。社会保険のほうに請求し直す手続きが必要です。放置するほど手続きが複雑になるので、気づいた時点ですぐ届け出てください。
逆に、加入の届出を忘れていた場合も同じです。市は「保険税は月末時点で加入している健康保険等に支払いが必要です」とし、資格取得日までさかのぼって課税するとしています。3年分まとめて請求されることになるので、こちらも早めに。

Q6. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)
申請不要要・所得申告)・18歳未満の子ども分均等割・全額軽減
申請不要)・未就学児の均等割軽減
申請不要)・非自発的失業者の軽減
要申請)・災害による減免
要申請)・生活困窮による減免
要申請)・産前産後期間の軽減
要届出)・後期高齢者医療制度移行に伴う軽減
要申請)・人間ドックの利用助成(保健事業)
要申請・受診前に)・国保温泉センターの割引利用券(保健事業)
配布場所で受取)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。

Q7. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に国立市 健康福祉部 保険年金課 国民健康保険係(042-576-2124)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。

9. まとめ|国立市の国保で押さえるべきポイント

  • 国立市は2方式(所得割+均等割)。令和8年度の料率は医療分5.70%・後期支援分1.95%・介護分1.95%・子ども分0.29%
  • 均等割は医療分23,500円・後期支援11,200円・介護12,000円・子ども1,931円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
  • 令和8年度の税率は所得割9.89%・均等割48,631円・平等割なし——当サイトで調べた234市のうち所得割は5番目に低い水準
  • 東京23区(13.01%・84,873円)との差は大きい——給与収入400万円の45歳単身で年約10.9万円、40代夫婦+子2人の均等割だけで年約13.3万円安い
  • ただし令和8年度は大幅値上げ——所得割9.15%→9.89%(+0.74pt)、均等割41,000円→48,631円(+7,631円)、限度額109万→113万円
  • 市は「国民健康保険税率等改定計画」を策定済み。国の方針で令和17年度までに都内の保険料水準を完全統一——今の安さは続きません
  • 値上げの背景も数字で公表——被保険者は令和2年度16,164人→令和6年度14,072人(△12.9%)、一人当たり医療費は265,444円→306,847円(+15.6%)。市は一般会計からの赤字繰入を認めています
  • 生活困窮減免は「収入率」で判定——110%未満で所得割の全額、150%未満で60%。判定用のExcelファイルが公開されており、申請前に自分で計算できます
  • 減免は「納期限までに申請」が絶対条件。過ぎた分はさかのぼれません
  • 遡及課税は3年(不正なら7年)/減額の遡及は5年——「保険税」方式だからこその年数(「保険料」方式なら2年)
  • 人間ドックは年度1回・一律2万円の助成(滞納があると不可・受診前に利用券が必要)、温泉4施設の割引券(1枚で3名まで・枚数限定)
  • 納期は8期。12月だけ25日年金天引きの方は令和8年10月から改定後の税額に切り替わります
  • 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年20万1千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
  • 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
  • 窓口は国立市 健康福祉部 保険年金課 国民健康保険係(042-576-2124)

出典・参考
国立市公式:国民健康保険税のしくみ・計算方法について
国立市公式:令和8年度から国民健康保険税を改定します
国立市公式:国民健康保険税について(納期・特別徴収・遡及課税)
国立市公式:国民健康保険税の減免について
国立市公式:低所得者世帯と未就学児に対する保険税の軽減について
国立市公式:国民健康保険税率等改定計画
国立市公式:人間ドックの利用助成について
国立市公式:国保温泉センターの割引利用券の配布について

※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は国立市公式サイトでご確認ください。

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