相馬市の国民健康保険|令和8年度の保険税・減免・申請窓口を完全ガイド
相馬市は福島県の浜通り北部、宮城県との県境に接する市です。毎年7月下旬の「相馬野馬追」で全国に知られ、市内には飯豊・東部・玉野・八幡・大野・西部・中部・日立木・磯部・山上といった地区があります。国保の話題でこの市がほかと違うのは、令和8年度に「資産割」をゼロにして3方式へ切り替えたという点です。
市の公表では、令和7年度までの税率には医療分3.82%・支援金分2.02%・介護分0.47%の資産割(固定資産税額に応じてかかる部分)がありました。これを令和5年度から4年かけて段階的に引き下げ、令和8年度に廃止。同時に所得割や均等割を県の標準保険税率を参考に調整し、課税限度額も医療分を66万円から67万円へ1万円、子ども分3万円を新設しています(市は「賦課限度額を4万円引き上げ」と説明)。
なぜここまで急ぐのか。市のページが理由を公開しています。福島県は国保の保険税率を令和11年度(予定)に県内で統一する方針で、統一後の税率は資産割のない3方式になるからです。さらに市は「赤字分を国民健康保険基金からの繰り入れで賄い、税率を低い水準で維持してきたが、基金残高が減少し今後の繰り入れが困難になった」と明記し、令和4〜8年度の5年間で県の標準保険料率と同程度になるよう段階的に改定する計画を示しています。
令和8年度の税率は、医療分の所得割5.16%・均等割22,900円・平等割15,000円。この記事では、市の公式ページだけをもとに、令和8年度の税率、旧税率との違い、市公表のモデルケース、福島第一原発事故による避難世帯の特例減免、納期、窓口までを整理しました。
1. 相馬市の国民健康保険の概要
相馬市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
相馬市の保険税は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。
相馬市は「保険税」ではなく「保険税」方式で、令和8年度から3方式(所得割+均等割+平等割)です。資産割は令和7年度までありましたが、令和8年度に廃止されました。納税義務者は世帯主で、世帯主が社会保険や後期高齢者医療に入っていても、世帯に国保加入者がいれば世帯主が納税義務者となり、納税通知書も世帯主宛に届きます。
窓口は加入・脱退・資格確認書などの資格関係が「保険年金課 国民健康保険係」(0244-37-2140)、税額・納付・収納が「税務課」(市民税係0244-37-2127、収納係0244-37-2129)と分かれています。どちらも市役所庁舎1階です。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険税の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 平等割(1世帯年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 5.16% | 22,900円 | 15,000円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.80% | 12,500円 | 8,200円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.27% | 11,900円 | 5,900円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.30% | 1,500円 (18歳未満(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である人)は子ども分の均等割が全額軽減されます。市の税率表は子ども分の均等割を1,400円、これとは別に「18歳以上均等割額」100円を設けており、18歳以上の人は合計1,500円を負担する設計です(本記事の計算例はこの1,500円で計算しています。市公表のモデルケースの計算とも一致します)) | 900円 | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 18歳未満(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である人)は子ども分の均等割が全額軽減されます。市の税率表は子ども分の均等割を1,400円、これとは別に「18歳以上均等割額」100円を設けており、18歳以上の人は合計1,500円を負担する設計です(本記事の計算例はこの1,500円で計算しています。市公表のモデルケースの計算とも一致します)。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割のベースは「総所得金額等 - 基礎控除43万円」です。住民税の課税所得とは違い、扶養控除や社会保険料控除などは差し引かれません(市の計算例も、営業所得243万円から基礎控除43万円だけを引いて課税標準額200万円としています)。
子ども分は所得割0.30%・均等割1,400円・平等割900円。さらに18歳以上の被保険者には「18歳以上均等割額」100円が別枠で上乗せされます。市はその趣旨を「18歳未満の均等割を全額減額した分を賄うため」と説明しています。
課税限度額は医療分67万円・支援金分26万円・介護分17万円・子ども分3万円の合計113万円です(令和7年度は医療分66万円・支援金分26万円・介護分17万円で合計109万円)。
資産割は廃止されたため、固定資産税の額は国保税に影響しなくなりました。持ち家や土地をお持ちの世帯は、旧税率より負担が軽くなる要素になりえます(一方で、所得割・均等割は県標準に合わせる方向で調整されています)。
低所得者軽減の判定基準額が拡充されました。5割軽減の基準は令和7年度の305,000円(×被保険者数)から310,000円に、2割軽減は560,000円から570,000円になっています(市の表による)。
【参考】令和7年度までの税率との比較(市が改定前の税率表として併記)
| 区分 | 医療分 | 支援金分 | 介護分 |
|---|---|---|---|
| 所得割率 | 7.03% | 2.75% | 2.32% |
| 資産割率 | 3.82% | 2.02% | 0.47% |
| 均等割額(1人) | 30,500円 | 11,800円 | 11,700円 |
| 平等割額(1世帯) | 20,200円 | 7,800円 | 5,900円 |
令和8年度は、医療分の所得割が7.03%→5.16%、均等割が30,500円→22,900円、平等割が20,200円→15,000円と、医療分の各項目は下がりました。市は、資産割の廃止とあわせて「県が算出した標準保険税率を参考に、所得割や均等割を引き下げるなどして調整を行った」と説明しています。一方で、新設された子ども分が所得割0.30%・均等割1,400円(18歳以上は+100円)・平等割900円、支援金分の所得割は2.75%→2.80%、均等割は11,800円→12,500円とわずかに上がり、介護分の所得割は2.32%→2.27%、均等割は11,700円→11,900円となっています。世帯への影響は、所得と固定資産税の額、年齢構成で変わります。
注意したいのは、資産割がなくなった分、固定資産税が高い世帯は有利、固定資産税がほとんどかからない世帯は医療分の引き下げ分が相殺される方向に働くことです。実際の増減は、市の試算や納税通知書で確認してください(本記事では、市が示していない世帯ごとの増減額は推測しません)。
【計算例1】市が公表しているモデルケース|40代夫婦と10代の子ども2人(世帯所得277万円)
以下は、市が「令和8年度の国民健康保険税」ページで公表している計算過程を、そのままなぞったものです。世帯主(夫)の営業所得243万円、妻の給与収入99万円(給与所得34万円)、子2人は所得なし。
- 軽減判定: 4人の所得合計は277万円。被保険者数4人・年金給与所得者1人の場合の2割軽減の基準は271万円以下なので、軽減は適用なし
- 課税標準額: 夫243万円-43万円=200万円、妻34万円-43万円=0円(所得以上の控除はできない)、子は0円 → 世帯で200万円
- 医療分: 所得割200万円×5.16%=103,200円+均等割22,900円×4人=91,600円+平等割15,000円=209,800円
- 支援金分: 200万円×2.80%=56,000円+12,500円×4人=50,000円+8,200円=114,200円
- 介護分(40〜64歳の2人): 200万円×2.27%=45,400円+11,900円×2人=23,800円+5,900円=75,100円
- 子ども分: 200万円×0.30%=6,000円+均等割1,400円×2人(18歳以上の夫婦分)=2,800円+18歳以上均等割100円×2人=200円+平等割900円=9,900円(10代の子2人の子ども分均等割は全額減額)
合計: 年間 409,000円(月あたり約34,100円)。上の内訳を本記事の計算ツールでも検算し、市の数値と一致することを確認しています。
【計算例1-2】市が公表しているモデルケース|70代の夫婦2人世帯(年金のみ)
世帯主(夫)の年金収入200万円(年金所得90万円)、妻は年金収入110万円(年金所得0円)。市の計算では次のとおりです。
- 軽減判定: 1月1日現在65歳以上の公的年金受給者は年金所得から15万円を差し引いて判定するため、夫の判定所得は75万円。2人世帯・年金給与所得者1人の5割軽減基準(105万円以下)に入るので、5割軽減が適用
- 課税標準額: 夫90万円-43万円=47万円、妻は0円 → 世帯で47万円
- 医療分: 所得割47万円×5.16%=24,252円+均等割22,900円×2人×0.5=22,900円+平等割15,000円×0.5=7,500円 → 100円未満切り捨てで54,600円
- 支援金分: 47万円×2.80%=13,160円+12,500円×2人×0.5=12,500円+8,200円×0.5=4,100円 → 29,700円
- 子ども分: 47万円×0.30%=1,410円+1,400円×2人×0.5=1,400円+18歳以上均等割100円×2人×0.5=100円+平等割900円×0.5=450円 → 3,300円(介護分は65歳以上なのでなし)
合計: 年間 87,600円(月あたり約7,300円)。各区分ごとに100円未満を切り捨てる点に注意してください(54,600+29,700+3,300)。
この2つの例を見比べると、同じ「所得割5.16%」でも、年金生活の世帯は5割軽減で均等割・平等割が半分になるため、年額が5分の1近くまで下がることが分かります。軽減判定は4月1日現在の加入状況で行われ、世帯内に所得申告が済んでいない人がいると判定できません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 82,044円 + 均等割 22,900円 + 平等割 15,000円 ⇒ 119,944円
- 後期支援分: 所得割 44,520円 + 均等割 12,500円 + 平等割 8,200円 ⇒ 65,220円
- 介護分: 所得割 36,093円 + 均等割 11,900円 + 平等割 5,900円 ⇒ 53,893円
- 子ども分: 所得割 4,770円 + 均等割 1,500円 + 平等割 900円 ⇒ 7,170円
合計: 年間 約246,227円(月あたり約20,500円)
単身世帯でも平等割が合計で年30,000円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 158,128円 / 後期支援分 85,940円 / 介護分 70,691円 / 子ども分 9,390円 ⇒ 合計 約324,149円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 50,857円 / 後期支援分 27,704円 / 介護分 23,275円 / 子ども分 3,114円 ⇒ 合計 約104,949円
差額は年間およそ21万9千円。届出書1枚でこれだけ違います。相馬市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は相馬市公式の保険税試算でご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険税の上限)
- 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 相馬市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険税が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、18歳未満(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である人)は子ども分の均等割が全額軽減されます。市の税率表は子ども分の均等割を1,400円、これとは別に「18歳以上均等割額」100円を設けており、18歳以上の人は合計1,500円を負担する設計です(本記事の計算例はこの1,500円で計算しています。市公表のモデルケースの計算とも一致します)。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険税軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 市役所1階の保険年金課(0244-37-2140)。雇用保険受給資格者証を持参
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
相馬市の非自発的失業軽減は、市の仕組みページで離職理由コード11・12・21・22・23・31・32・33・34の方(離職時65歳未満)が対象とされています。内容は離職者本人の前年の給与所得を100分の30として、所得割額の算出と軽減判定を行うもの。申請には国民健康保険税特例対象被保険者等申告書(市のサイトからWord様式をダウンロード可)、雇用保険受給資格者証、窓口に来た方の本人確認書類(マイナンバーカードなど)が必要です。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険税軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 相馬市の減免制度|要申請
相馬市の減免で目を引くのは、東京電力福島第一原子力発電所事故による避難世帯の国保税減免・一部負担金免除です。相馬市自体は国の避難指示区域ではありませんが、市は「東日本大震災発生時に、主たる生計維持者が指定区域に居住していた世帯」を対象に、市内に避難・転居している世帯向けの制度を案内しています。対象区域は帰還困難区域・居住制限区域・避難指示解除準備区域です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 原発事故による避難世帯の減免 (平成29年に避難指示が解除された地域) | 震災発生時に主たる生計維持者が、飯舘村の一部・浪江町の一部・川俣町・富岡町の一部(旧避難指示解除準備区域・旧居住制限区域)に居住していた世帯。被保険者の基礎控除後の総所得金額等の合計が600万円以下(上位所得層でない) | 令和8年度は国保税が半額減免(令和7年度までは全額減免)。令和9年度に特例終了。一部負担金は令和9年度まで全額免除、令和10年度に終了 |
| 原発事故による避難世帯の減免 (平成28年に避難指示が解除された地域) | 葛尾村の一部・南相馬市の一部(旧避難指示解除準備区域・旧居住制限区域)・川内村の残り全域に居住していた世帯 | 国保税の減免は令和8年度から「特例終了」(令和7年度は半額減免)。一部負担金は令和8年度まで全額免除、令和9年度に終了 |
| 原発事故による避難世帯の減免 (平成26年・27年に解除された地域) | 広野町・楢葉町・川内村の一部・田村市の一部・特定避難勧奨地点など | 国保税の減免はすでに特例終了。一部負担金の免除も終了済み(楢葉町の旧避難指示解除準備区域は令和8年度に一部負担金免除が終了) |
| 未就学児の均等割軽減 (自動適用) | 6歳に達する日以後の最初の3月31日以前の被保険者 | 均等割額が5割減額。低所得軽減に該当する世帯は、軽減後の均等割額からさらに5割減額 |
| 後期高齢者医療への移行に伴う軽減(特定世帯・特定継続世帯) | 国保加入者が後期高齢者医療に移行し、世帯の被保険者が1人だけになる場合 | 平等割が移行月から5年間半額、その後3年間は4分の3に軽減(市の仕組みページによる) |
| 後期高齢者医療制度の創設に伴う旧被扶養者の減免 | 健康保険・共済組合の被保険者が後期高齢者医療に移行し、その被扶養者だった人が国保に加入した場合 | 国保取得後2年間。所得割・資産割は10割、均等割・平等割は5割(2割軽減に該当する世帯は3割)を減免 |
原発事故の避難世帯向け減免で押さえておきたいのは、年度ごとに「区域の解除年」で終了時期がずれていくことです。市のページには、国が令和4年4月に「令和5年度から段階的に減免等の見直しを行う」と示したことが記され、解除年別に年度ごとの減免割合が表で公開されています。令和8年度は、平成28年解除地域の国保税減免が終わり(一部負担金は継続)、平成29年解除地域は全額から半額へ切り替わる年です。
対象は被保険者の基礎控除後の総所得金額等の合計が600万円以下の世帯(600万円を超える「上位所得層」は非該当)。昨年度までに減免・免除証が交付された世帯は、上位所得層で非該当となる場合を除き、次年度以降も自動的に発行されますが、一度世帯全員が国保を脱退して再加入した場合などは再申請が必要です。申請には被災証明書など、対象地域に居住していたことが分かるものが必要で、受付は税務課または保険年金課です。
減免が終わる年度は、国保税が突然全額かかることになります。半額減免から特例終了に切り替わる世帯は、前年度の約2倍の税額になる計算なので、納税通知書の金額が変わったときに慌てないよう、あらかじめ市の表で自分の区域の年度を確認しておいてください。
保険税が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(市は「簡単で便利」として推奨。指定金融機関は東邦銀行・七十七銀行ほか、窓口での手続きが必要)
- 納付書(市役所会計課・各出張所は17時15分まで/東邦銀行・七十七銀行・福島銀行は15時まで/全国の主なコンビニ)
- 地方税統一QRコード(eL-QR)付き納付書で「地方税お支払サイト」からクレジットカードやスマホ決済アプリ(令和6年度以降の国保税納付書が対象)
- キャッシュレス決済(納税通知書のQRコードをスマホ決済アプリで読み取り。24時間利用可)
- 年金からの特別徴収(対象者のみ。仮徴収は4月・6月・8月、本徴収は10月・12月・2月)
納期は第1期(7月)から第8期(2月)まで年8回で、市の納期一覧では7月・8月・9月・10月・11月・12月・1月・2月に1期ずつ割り振られています。納期限は各月の最終日、ただし12月は例年25日で、最終日が金融機関の休業日(土日祝日)なら翌営業日になります。介護保険料や後期高齢者医療保険料の納期とも重なる月が多いため、年金生活の世帯は引き落とし日の残高に注意してください。
特別徴収の世帯は、令和8年度は4月・6月・8月の年金支給分が仮徴収(直前の2月期と同額)、10月・12月・2月期が本徴収(年税額から仮徴収分を差し引いた額)です。年税額が前年より変わる場合、本徴収の額が増減する点に気をつけてください。なお市は、eLTAXや地方税共同機構を装ったメール・SMS・詐欺サイトに注意するよう呼びかけており、不審なQRコードやリンクを開かないよう案内しています。
納期限を過ぎると督促状が届き、延滞金が加算されます。納付が難しいときは、滞納する前に税務課(収納係0244-37-2129)へ相談してください。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 相馬市の国保窓口一覧
国保の手続きは相馬市役所庁舎1階(相馬市中村字北町63-3、〒976-8601)で受け付けています。資格・給付の窓口は保険年金課、税額・納付の窓口は税務課と分かれているので、用件に応じて電話番号を使い分けてください。
| 窓口 | 電話番号 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 保険年金課 国民健康保険係 相馬市役所庁舎1階 〒976-8601 相馬市中村字北町63-3 | 0244-37-2140 | 国保の加入・脱退、資格確認書・資格情報のお知らせ、非自発的失業の申告、産前産後免除の届出、学生用被保険者証、介護保険適用除外の届出、国保人間ドック・特定健診の受付 |
| 税務課 市民税係 相馬市役所庁舎1階 | 0244-37-2127 | 国保税の税額に関する問い合わせ、原発事故避難世帯の減免(保険年金課でも受付)、仮徴収・特別徴収 |
| 税務課 収納係 相馬市役所庁舎1階 | 0244-37-2129 | 納付・滞納・分割納付の相談、口座振替の案内 |
国保の加入・脱退は、事由が生じた日から14日以内に届け出ます(介護保険適用除外の届出も該当日から14日以内)。
国保の資格取得・脱退の一部は、オンラインで手続きできます。勤務先の健康保険や任意継続をやめて国保に入る場合は、対象者全員の資格喪失日が記載された資格喪失証明書などを用意して入力・アップロードします。転入や出生による加入はオンラインでは行えません(窓口で手続き)。加入後は資格確認書または資格情報のお知らせが、世帯主宛てに住民票上の住所へ郵送されます。脱退のときは、使えなくなった保険証や資格確認書などは自分で細断して処分します。
70歳以上75歳未満の方には、負担割合(2割または3割)を記載した資格確認書または資格情報のお知らせが、毎年8月1日に更新されます(7月下旬に郵送)。交付の申請は不要です。
修学のため市外へ転出する学生は、特例により相馬市国保に継続して加入できます。入学が分かる書類(4月以降は在学証明書)を持って届け出ると、学生用の被保険者証が交付されます。卒業・就職・中途退学で学生でなくなったときは、非該当の届出が必要です。
40歳から65歳未満で介護保険適用除外施設に入所した場合は、届出により介護分の国保税が不要になります。市内で届出の対象となる施設として、市のページには障害者支援施設 ふきのとう苑が掲載されています。
8. よくある質問(相馬市の国保)
Q1. 相馬市の国保税は令和8年度にどう変わりましたか?
A. 資産割がなくなり、新しく子ども分が加わりました。令和7年度までは医療分3.82%・支援金分2.02%・介護分0.47%の資産割がありましたが、令和8年度に廃止。医療分の所得割は7.03%→5.16%、均等割は30,500円→22,900円と下がり、子ども分(所得割0.30%・均等割1,400円・平等割900円)が加わっています。課税限度額は合計109万円から113万円に上がりました。
Q2. 資産割がなくなると、固定資産税が多い世帯は得ですか?
A. 固定資産税が高い世帯ほど、資産割の廃止の恩恵は大きくなります。ただし、実際の増減は所得・世帯人数・年齢でも変わります。市が示していない世帯ごとの増減額は断定できないため、納税通知書や市の税率表で確認してください。
Q3. 子どもの国保税は本当にかかりませんか?
A. 18歳未満の子どもについて、子ども分の均等割は全額減額されます(医療分・支援金分の均等割は、市独自の免除ではなく通常どおりかかります)。市のモデルケースでも、10代の子2人分の子ども分均等割は計上されていません。なお、所得割は世帯の所得で決まり、平等割は世帯単位なので、世帯の税額がゼロになるわけではありません。
Q4. 福島県の国保税統一とは何ですか?相馬市にどう影響しますか?
A. 福島県は国保の保険税率を令和11年度(予定)に県内で統一する方針です。統一後は資産割のない3方式になるため、相馬市は令和8年度までに資産割を廃止しました。市は、均等割額と所得割率が他市町村に比べて低かったこと、基金の残高が減って繰り入れが難しくなったことを課題に挙げ、令和4〜8年度の5年間で県の標準保険料率と同程度になるよう段階的に見直すとしています。統一後の税率は、現在の市の税率より高い水準になることが見込まれると市は説明しています。
Q5. 原発事故で避難してきた世帯の減免は、いつまで受けられますか?
A. 震災発生時にお住まいだった区域の「避難指示が解除された年」で異なります。令和8年度は、平成29年解除地域が半額減免(令和9年度に終了)、平成28年解除地域は国保税の減免が終了(一部負担金免除は令和8年度まで)です。上位所得層(被保険者の基礎控除後の総所得金額等の合計が600万円超)は対象外。詳細は税務課または保険年金課へ。
Q6. 国保の資格の手続きと税金の相談で窓口が違うのはなぜですか?
A. 加入・脱退・資格確認書は保険年金課、税額・納付・減免の相談は税務課が担当だからです。電話番号も別(保険年金課0244-37-2140/税務課市民税係0244-37-2127・収納係0244-37-2129)。同じ1階にありますが、用件で窓口が違います。
Q7. 国保の人間ドックはいくらで受けられますか?
A. 令和8年度の自己負担額は9,600円(市は「昨年度までは8,400円を維持してきたが、物価高騰の影響などから段階的に改定する」と説明)。対象は市国保の被保険者で昭和26年10月1日から平成3年9月1日までに生まれた方、受付は12月11日まで(定員になり次第終了)、実施は9月1日から令和9年2月26日まで。相馬中央病院または公立相馬総合病院を選べます。特定健診を受診した方は人間ドックを受けられません(その逆も同様)。
Q8. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、原発事故による避難世帯の減免
(平成29年に避難指示が解除された地域)・原発事故による避難世帯の減免
(平成28年に避難指示が解除された地域)・原発事故による避難世帯の減免
(平成26年・27年に解除された地域)・未就学児の均等割軽減
(自動適用)・後期高齢者医療への移行に伴う軽減(特定世帯・特定継続世帯)・後期高齢者医療制度の創設に伴う旧被扶養者の減免などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q9. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に相馬市役所 保険年金課 国民健康保険係(0244-37-2140)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険税もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|相馬市の国保で押さえるべきポイント
- 相馬市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分5.16%・後期支援分2.80%・介護分2.27%・子ども分0.30%
- 均等割は医療分22,900円・後期支援12,500円・介護11,900円・子ども1,500円、平等割は合計で年30,000円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 令和8年度に資産割を廃止して3方式へ(令和7年度までは医療分3.82%などの資産割あり)。同時に子ども分を新設し、課税限度額は合計113万円に
- 福島県は令和11年度に国保税率を県内統一する方針。市は基金の取り崩しで低く抑えてきた税率を、令和4〜8年度で県の標準保険料率に近づける計画
- 原発事故の避難世帯向け減免が続く。令和8年度は平成29年解除地域が半額減免、平成28年解除地域は国保税の減免が終了(一部負担金免除は継続)。所得600万円超は対象外
- 資格は保険年金課(0244-37-2140)、税額・納付は税務課(0244-37-2127/2129)。納期は年8回(7月〜2月、12月は25日)。国保人間ドックは自己負担9,600円
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年21万9千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は相馬市役所 保険年金課 国民健康保険係(0244-37-2140)
出典・参考:
・相馬市公式:令和8年度の国民健康保険税
・相馬市公式:国民健康保険税の仕組み
・相馬市公式:国民健康保険税の税率改定方針
・相馬市公式:福島第一原発事故により避難された皆さんへ
・相馬市公式:国民健康保険税の産前産後免除制度
・相馬市公式:市税などの納期一覧
・相馬市公式:市税の納付
・相馬市公式:国民健康保険の資格取得・脱退のオンライン手続き
・相馬市公式:国保人間ドック
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は相馬市公式サイトでご確認ください。