袋井市の国民健康保険|令和8年度の保険税・減免・申請窓口を完全ガイド
袋井市は静岡県西部、人口約8万7千人(令和7年度末の市資料で87,065人)のまちです。東海道五十三次の宿場のちょうど真ん中にあたる「どまん中」の町で、エコパスタジアムやクラウンメロンの産地としても知られます。国保の被保険者は13,947人で、市民の16.0%(約6人に1人)、その49.4%が65〜74歳の前期高齢者です。加入者は毎年およそ700人ずつ減っています(令和6年度14,638人→令和7年度13,947人)。
この記事でいちばん伝えたいのは、令和8年度の袋井市の国保税は「ほぼ据え置き」だが、来年度(令和9年度)からの増額改定が市の運営協議会で議論されていることです。医療分・後期高齢者支援金分・介護納付金分の税率は令和6年度から変わっていません(市公表:令和8年度の3区分は令和6年度と同じ)。令和8年度に増えたのは、新設された子ども・子育て支援納付金分(所得割0.27%、18歳以上の均等割1,800円)だけです。本記事の試算では、40歳夫婦と子ども2人(所得300万円)の世帯で年460,329円→470,868円、増加は年10,539円(+2.3%)にとどまります。
ただし、これは嵐の前の静けさかもしれません。県が示す標準保険料率と袋井市の税率との差は、医療分の所得割で令和6年度の−0.20ポイントから令和8年度は−1.48ポイントまで開き、県が納付金の上昇抑制に使っていた基金も令和8年度から使われなくなりました。市の令和8年8月19日の運営協議会資料では、現行税率のままだと市の国保事業基金(約8億円)が令和11年度に底をつく見通しが示され、事務局は「増額改定を念頭に」議論を進める方針です。市の試算では、2年かけて標準保険料率に近づけた場合、1人あたりの年税額は毎年約1.6万円ずつ上がります。
この記事では、令和8年度の税率にもとづく計算方法、市の資料で確かめた「据え置きの理由と今後の見通し」、軽減・減免の基準、納付・窓口の実務までまとめました。
1. 袋井市の国民健康保険の概要
袋井市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
袋井市の保険税は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。
袋井市は「国民健康保険税」(税方式)です。納税義務者は世帯主で、世帯主が会社の健康保険に入っていても、同じ世帯の誰かが国保に入っていれば世帯主あてに納税通知書が届きます。そのとき世帯主本人の所得は課税の対象にはなりません(国保に加入している人の所得だけで計算されます)。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険税の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 平等割(1世帯年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 6.75% | 27,300円 | 19,200円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.06% | 10,200円 | 7,200円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 1.66% | 16,800円 | ― | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.27% | 1,800円 (18歳未満の均等割は軽減され0円。市の税率表にも「均等割(18歳未満の方は軽減されます)及び、18歳以上均等割」とあり、表の1,800円は18歳以上1人あたりの額です) | ― | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 18歳未満の均等割は軽減され0円。市の税率表にも「均等割(18歳未満の方は軽減されます)及び、18歳以上均等割」とあり、表の1,800円は18歳以上1人あたりの額です。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の元になるのは前年中の総所得金額等から基礎控除43万円を引いた額です(市の説明)。均等割は加入者1人あたり、平等割は1世帯あたりの年額です。
市の税率表は子ども・子育て支援納付金分を「均等割(18歳未満の方は軽減されます)及び、18歳以上均等割」と書いています。18歳未満の均等割は軽減されて0円、その分を18歳以上の加入者が1人1,800円ずつ負担する設計です(市は「18歳未満の加入者の均等割軽減分を18歳以上の加入者にご負担いただくもの」と説明)。所得割0.27%は全員にかかります。
袋井市の計算方法は、令和6年度に大きく変わりました。市の説明では、県の運営方針が定める賦課方式との差を埋めるため、令和6年度から「資産割」と「介護分の平等割」を廃止しています。かつては固定資産税額に税率をかける資産割があり、持ち家や土地のある世帯ほど負担が重くなる仕組みでしたが、現在は所得割・均等割・平等割だけです(令和8年度からは子ども分が所得割・均等割の2方式で加わる、市の言う「3・3・2・2方式」)。
軽減判定に使う総所得金額等は所得割の計算と違い、65歳以上の公的年金所得から15万円を引き、土地などの譲渡所得は特別控除前、事業所得は専従者控除前の金額で見ます(市の説明)。「給与・年金所得者等の数」は、給与収入55万円超の人と、年金収入が65歳未満で60万円超・65歳以上で125万円超の人の合計です。
令和8年度は軽減判定の基準額も引き上げになりました。5割軽減の「世帯人数に乗じる額」は30.5万円→31万円、2割軽減は56万円→57万円です(7割軽減は変更なし)。市の見積もりでは、この改正で新たに軽減対象になる世帯が約37世帯、減収は約128万円です。
加入・脱退は資格が変わった日の属する月から月割りで計算します。4月中に脱退した場合、その年度の国保税は課税されません。5〜6月に脱退したときは、脱退後の7月にその年度分の納税通知書が届きます。届出が遅れても、遡って加入した月から課税されます。
市の説明で注意したいのが転入後に加入したときです。前の住所地の市区町村に、世帯主と加入者の所得を照会して所得割を計算するため、後から国保税が増額される場合があります。月末に転出して翌月に転入するなど、転出日と転入日がずれたときも再計算で増額になることがあります。
令和7年度→令和8年度|3区分は据え置き、支援金分が新設
| 項目 | 令和7年度 | 令和8年度 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 医療分 所得割/均等割/平等割 | 6.75%/27,300円/19,200円 | 6.75%/27,300円/19,200円 | 据え置き |
| 後期支援分 所得割/均等割/平等割 | 2.06%/10,200円/7,200円 | 2.06%/10,200円/7,200円 | 据え置き |
| 介護分 所得割/均等割 | 1.66%/16,800円 | 1.66%/16,800円 | 据え置き |
| 子ども分 所得割/18歳以上均等割 | ― | 0.27%/1,800円(新設) | 新設 |
| 賦課限度額(医療/支援/介護/子ども) | 66万/26万/17万/― | 67万/26万/17万/3万 | 合計 109万円→113万円 |
3区分(医療・支援・介護)の合計でみると、所得割は10.47%、均等割は54,300円、平等割は26,400円で、令和6年度から変わっていません。令和8年度は、ここに子ども分(所得割0.27%・18歳以上の均等割1,800円)が加わり、所得割は合計10.74%になります。40〜64歳の単身者にかかる固定部分(均等割+平等割)は、令和7年度の80,700円から令和8年度は82,500円(子ども分の18歳以上均等割1,800円が増えた分)です。
袋井市の税率は、平成20年度から令和3年度まで14年間据え置きだったものを、令和4年度から令和6年度の3年間で段階的に引き上げた結果です。市は「国保加入者の減少、高齢者割合の増加、医療費の高度化」を理由に挙げていました。令和7年度以降は再び据え置きです。
据え置きの裏で開いている「県の標準保険料率との差」
静岡県は毎年、県内の市町が国保税として集めるべき標準的な水準を「標準保険料率」として公表しています。令和8年8月19日の運営協議会資料から、袋井市の税率との差をまとめました。
| 年度 | 県の標準(所得割/均等割/平等割) | 袋井市(所得割/均等割/平等割) | 差(市−標準) |
|---|---|---|---|
| 令和6年度 | 6.95%/28,476円/18,689円 | 6.75%/27,300円/19,200円 | −0.20pt/−1,176円/+511円 |
| 令和7年度 | 7.27%/30,444円/19,920円 | 6.75%/27,300円/19,200円 | −0.52pt/−3,144円/−720円 |
| 令和8年度 | 8.23%/34,865円/22,490円 | 6.75%/27,300円/19,200円 | −1.48pt/−7,565円/−3,290円 |
令和6年度にはほぼ並んでいた(平等割は市のほうが高かった)のが、袋井市が税率を動かさない間に標準が上がり続け、令和8年度の医療分は所得割で1.48ポイント、均等割で7,565円の差になりました。後期支援分(所得割2.06%に対し標準2.87%)と介護分(1.66%に対し2.33%)も同様に下回っています。市の運営協議会では、3区分合計の標準(所得割13.73%・均等割65,800円・平等割30,200円、子ども分含む)と現行(10.74%・56,100円・26,400円)の差が示されています。
本記事の試算で、この標準保険料率にそのまま合わせたとすると(夫婦+子ども2人・所得300万円)年470,868円→585,011円(+114,143円、+24.2%)、40歳単身・給与収入300万円では253,266円→314,307円(+61,041円、+24.1%)です。市の試算でも、標準にそのまま合わせると1人あたり年約23,000円の増とされています。
なぜ「あと数年は据え置き」ができないのか|市が示した4つの圧力
令和8年8月の運営協議会資料で、市は国保財政が厳しくなる理由を次のように整理しています。
- 県への納付金が増える:令和8年度の市の納付金は22億6,719万円で、令和7年度より1億505万円(+4.9%)増えました。新設の子ども・子育て支援納付金分(5,248万円)が含まれます。
- 県の基金による抑制が終わる:県は令和7年度に財政安定化基金を多額に取り崩したため、令和8年度の納付金からは基金による上昇抑制を行いません。県内1人あたり納付金は令和7年度の147,773円(抑制後)から令和8年度は167,165円へ、約2万円上がります。
- 医療費水準を反映しない算定へ移行中:県は令和12年度の「納付金ベースの統一」に向け、医療費の反映係数αを令和7年度0.8→令和8年度0.6→…と段階的に下げています。袋井市は県内でも1人あたり医療費が少ない(少ない方から7番目)ため、医療費が低いことで抑えられていた分が納付金に乗ってきます。
- 加入者が毎年約700人減る:加入者が減れば税収も減ります。1人あたりの課税標準所得は781,764円→837,396円と上がっていますが、市は「加入者の半数が65歳以上で年金受給者・無職者・非正規雇用者が多く、所得の大幅な上昇は見込みにくい」としています。
この結果、現行税率のまま納付金を払い続けると、国保事業基金から取り崩す額は令和8年度の約1.3億円、令和9年度約2.3億円、令和10年度約3.1億円…と増え、令和11年度に残高がマイナス(約−2.5億円)になると市は試算しています。基金は令和7年度末で約8.0億円あり、令和7年度にも5,225万円を取り崩しました。
市が示した今後のスケジュールと試算(令和8年8月19日時点)
市は令和9年度から税率を改正する方向で、令和8年度中に運営協議会で決めるとしています。令和8年8月の協議会では、令和8年度の標準保険料率を目標に2年かけて引き上げる場合の試算が示されました(決定ではありません。事務局は「見直し間隔は3年が限界」とも発言し、次回は2年案と3年案の両方を示す予定)。
| 項目 | 令和8年度(現行) | 令和9年度(試算) | 令和10年度(試算) |
|---|---|---|---|
| 所得割(4区分合計) | 10.74% | 12.25% | 13.73% |
| 均等割(4区分合計) | 56,100円 | 61,200円 | 65,800円 |
| 平等割(医療+支援) | 26,400円 | 28,300円 | 30,200円 |
| 1人あたりの年税額 | 111,220円 | 128,010円 | 144,815円 |
1人あたりの年税額は毎年約1.6万円ずつ、2年で約3.4万円上がる計算です。本記事の試算(夫婦+子ども2人・所得300万円)に当てはめると、令和9年度の試算税率で528,975円(令和8年度比+58,107円)、40歳単身・給与収入300万円で284,275円(+31,009円)です。市は改正の条件として「税率は令和8年度標準保険料率を上限とする」「国保事業基金を激変緩和に使うが、不測の事態に備える保有額は残す」「限度額超過世帯の割合を確認する」などを挙げています。一方、県運営方針の中間見直しで完全統一の目標が令和15年度(遅くとも令和18年度)まで前倒しされる動きがあり、市の部長は協議会で「標準保険料率を上限にできるか確約できない」とも述べています。最新の税率は必ず市公式サイトで確認してください。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 173,475円 + 均等割 95,550円 + 平等割 19,200円 ⇒ 288,225円
- 後期支援分: 所得割 52,942円 + 均等割 35,700円 + 平等割 7,200円 ⇒ 95,842円
- 介護分: 所得割 42,662円 + 均等割 33,600円 ⇒ 76,262円
- 子ども分: 所得割 6,939円 + 均等割 3,600円 ⇒ 10,539円
合計: 年間 約470,868円(月あたり約39,200円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 107,325円 + 均等割 27,300円 + 平等割 19,200円 ⇒ 153,825円
- 後期支援分: 所得割 32,754円 + 均等割 10,200円 + 平等割 7,200円 ⇒ 50,154円
- 介護分: 所得割 26,394円 + 均等割 16,800円 ⇒ 43,194円
- 子ども分: 所得割 4,293円 + 均等割 1,800円 ⇒ 6,093円
合計: 年間 約253,266円(月あたり約21,100円)
単身世帯でも平等割が合計で年26,400円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 203,775円 / 後期支援分 65,398円 / 介護分 55,478円 / 子ども分 8,091円 ⇒ 合計 約332,742円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 64,065円 / 後期支援分 22,119円 / 介護分 20,047円 / 子ども分 2,515円 ⇒ 合計 約108,745円
差額は年間およそ22万4千円。届出書1枚でこれだけ違います。袋井市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は袋井市公式の保険料試算でご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険税の上限)
- 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 袋井市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険税が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、18歳未満の均等割は軽減され0円。市の税率表にも「均等割(18歳未満の方は軽減されます)及び、18歳以上均等割」とあり、表の1,800円は18歳以上1人あたりの額です。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険税軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 袋井市役所1階 保険課国保年金係、または浅羽支所1階 市民サービス課の窓口で申請
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
袋井市の非自発的失業軽減は、離職日の翌日が属する月から翌年度末までの期間です。ただし再就職などで国保を脱退した期間は対象外になります。対象は離職時65歳未満で、特例受給資格者証と高年齢受給資格者証をお持ちの方は対象外です。給与以外の所得(事業・不動産・農業など)は軽減の対象外です。
離職理由コードは、特定受給資格者が11=解雇、12=天災等による事業継続不能に伴う解雇、21=雇止め(3年以上・通知あり)、22=雇止め(3年未満・更新明示あり)、31=事業主の働きかけによる正当な理由のある自己都合退職、32=事業所移転等に伴う自己都合退職。特定理由離職者が23=期間満了(3年未満・更新明示なし)、33=正当な理由のある自己都合退職、34=同(被保険者期間12か月未満)です。自己都合でも31〜34なら対象になります。
申請には特例対象被保険者等に係る申告書が必要です。雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知(離職票では申請できません)、世帯主と対象者のマイナンバーカード(または通知カード)、来庁者の本人確認書類を持って、市役所1階の保険課国保年金係または浅羽支所1階の市民サービス課へ。別世帯の方が届け出る場合は委任状が必要です。
給与所得を30%に圧縮する効果は税率にかかわらず大きく、計算例3のとおり年約22万円の差になるケースもあります。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険税軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 袋井市の減免制度|要申請
袋井市の減免は、自動で適用される軽減(低所得・未就学児・特定世帯)と、届出や申請が必要な減免(旧被扶養者・産前産後・災害や失業など)に分かれます。取りこぼしやすいのは後者です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 旧被扶養者(社保の被扶養者→国保) | 社会保険等の本人が後期高齢者医療に移ったことで、65歳以上の被扶養者が国保に加入した方(国保・国保組合からの加入者は対象外)。加入手続きの際に申請 | 所得割額は全額免除、均等割額は半額。旧被扶養者のみの世帯は平等割も半額。均等割・平等割の半額は資格取得月から2年を経過する月まで。7割・5割軽減の世帯は減免なし、2割軽減の世帯は合わせて半額(5割) |
| 特定世帯・特定継続世帯(国保→後期高齢者へ移行) | 国保から後期高齢者医療に移行した結果、世帯内の国保加入者が1人だけになった世帯(申請不要) | 医療分・支援金分の平等割が開始から5年目まで半額、6〜8年目は4分の1軽減 |
| 産前産後期間の免除 | 令和5年11月以降に出産予定または出産した被保険者(妊娠85日以上。死産・流産・早産も対象) | 単胎は出産予定月の前月から翌々月までの4か月分、多胎は3か月前から翌々月までの6か月分の所得割と均等割を免除。袋井市の国保から出産育児一時金が出る方は届出がなくても免除されます。適用までには2〜3か月かかることも |
| 災害・失業・疾病などによる減免・猶予 | 生活保護の開始、納税義務者(または生計を同じくする人)の死亡・障害・失職・廃業・疾病・負傷で収入が皆無または著しく減った方、震災・風水害・火災などで資産に重大な損害を受けた方 | 申請にもとづく個別審査。国保税の納付の猶予や減免ができる場合があるため、納付が難しくなったら滞納する前に保険課へ相談 |
表のうち旧被扶養者の減免は、市の説明に特徴があります。会社の健康保険の本人が75歳になって後期高齢者医療に移ると、被扶養者だった65歳以上の配偶者は国保に入らざるをえません。このとき所得割が全額免除、均等割が半額(旧被扶養者のみの世帯は平等割も半額)になります。ただし低所得の軽減が優先され、7割・5割軽減の世帯には減免はなく、2割軽減の世帯は合わせて5割になります。申請は国保加入の手続きのときに行います。
産前産後の免除は、国保から出産育児一時金が支給される方なら届出がなくても自動で免除されます。令和7年度の免除は35世帯・965千円で、令和6年度(30世帯・659千円)から増えています。免除期間が年度をまたぐ場合は、各年度に属する月数分をそれぞれの年度の税額から免除します。また、賦課限度額に達している世帯は、免除後も限度額に達していれば税額が変わらない点に注意してください。
未就学児の均等割は、市の運営協議会で「子どもにも均等割がかかるのは国保だけ」という声が出ました。事務局は、国の法改正で令和9年4月から均等割の軽減対象が高校生年代(18歳以下)まで拡充される見込みと説明しています(詳細は未公表)。市の18歳以下の加入者は令和8年4月1日現在944人です。
保険税が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替——納期限に登録口座から自動で引き落とし。残高を確認しておく
- 納付書——納税通知書に同封。市役所・浅羽支所・金融機関・コンビニで現金納付、クレジットカード、スマホアプリも利用可(ただしバーコードなし・30万円超・期限後の納付書はコンビニやカード・アプリでは納められない)
- 年金からの特別徴収——世帯主が国保加入者で、世帯の国保加入者が全員65〜74歳、年金額が年18万円以上などの条件をすべて満たすとき。口座振替に切り替える申出もできる
納税通知書は毎年7月中旬に届き、年税額が決まります。普通徴収の納期は7月から翌年3月までの9期で、納期限は第1期7月31日、第2期8月31日、第3期9月30日、第4期10月31日、第5期11月30日、第6期12月25日、第7期1月31日、第8期2月末日、第9期3月31日(土日祝は翌営業日)です。4月から6月は納付がなく、7月〜翌3月の9回で1年分を払います。年度の途中で加入・脱退や所得の更正があれば、届出の翌月に決定(更正)通知書が届き、通知後に期限が来る期別から金額が変わります。
年金からの特別徴収になる方は、4月・6月・8月が仮徴収(前年度2月と同額。新たに特別徴収になる方は前年度税額の約6分の1)、10月・12月・2月が本徴収です。特別徴収の条件には「介護保険料も年金天引きであること」「介護保険料と国保税の合計が年金額の2分の1を超えないこと」も含まれます。支払った国保税は、年末調整や確定申告で社会保険料控除として所得から引けます(市の案内)。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 袋井市の国保窓口一覧
国保の手続きは保険課 国保年金係(袋井市役所1階)が窓口です。加入・脱退のほか、非自発的失業の軽減や旧被扶養者の申請は浅羽支所1階の市民サービス課でもできます。
| 担当 | 電話番号 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 保険課 国保年金係(袋井市役所1階 袋井市新屋1-1-1) | 0538-44-3113(メール [email protected]) | 国保の加入・脱退、国保税の試算、非自発的失業の軽減、産前産後の免除、旧被扶養者の減免、資格確認書等の再交付、給付 |
| 浅羽支所 市民サービス課(浅羽支所1階) | 市公式サイトでご確認ください | 国保の加入・脱退、非自発的失業の軽減の申請など |
| 市民課 | 市公式サイトでご確認ください | 転入・出生の届出(国保の手続きもあわせて案内されます) |
国保税の試算は窓口のみです。社保の任意継続との比較などで試算を希望する場合は、世帯主と加入者全員分の前年の所得がわかる資料(確定申告書・市民税申告書の写し・源泉徴収票など)と顔写真付きの本人確認書類を持って保険課国保年金係へ。電話やメールでは回答してもらえません。別世帯の方が来る場合は委任状が必要です。令和9年度以降分は税率決定前のため、令和9年4月以降に試算できるようになる予定と市は案内しています。
加入・脱退は資格が変わった日から14日以内に届け出ます。共通の持ち物は、世帯主と加入者のマイナンバーカード(または通知カード)、来庁者の顔写真付き本人確認書類(写真付き1点、または官公署発行の書類2点)です。退職時は会社発行の健康保険等脱退連絡票(資格喪失証明書)と基礎年金番号がわかるもの、出生時は母子健康手帳、外国籍の方は在留カードとパスポートが加わります。
会社の健康保険を脱退して国保に入る届出は、マイナンバーカードがあればスマホやパソコンからオンライン申請もできます(袋井市の国保に加入する本人または同一世帯の方のみ)。マイナ保険証をお持ちでも、国保の加入・脱退の届出は必要です。令和6年12月2日から国民健康保険証の新規発行は終了し、資格確認書または資格情報のお知らせが交付されます。
収納率は、令和7年度の現年分で95.63%です。令和6年度の現年分95.67%は県内23市中8位(滞納繰越分を合わせると10位)でした。令和7年度の滞納世帯に対する短期被保険者証・資格証明書の交付は、制度廃止により0世帯です。納付が難しくなったら、延滞する前に保険課へ相談を。
8. よくある質問(袋井市の国保)
Q1. 袋井市の国保税は、令和8年度に上がりましたか?
A. 医療分・後期支援分・介護分の税率は据え置きです(令和6年度から変わらず)。ただし令和8年度から子ども・子育て支援納付金分が新設され、所得割0.27%と18歳以上の均等割1,800円が加わりました。
本記事の試算では、夫婦+子ども2人・所得300万円の世帯で年460,329円→470,868円(+10,539円、+2.3%)、40歳単身・給与収入300万円で年247,173円→253,266円(+6,093円、+2.5%)です。賦課限度額は医療分が66万円→67万円になり、合計は109万円→113万円になりました。
Q2. 今後、袋井市の国保税は上がりますか?
A. 市は令和9年度からの増額改定を念頭に、令和8年度中に運営協議会で決める方針です(令和8年6月・8月の協議会で説明)。県への納付金の増加、県基金による抑制の終了、加入者の減少などで、現行税率のままだと国保事業基金が令和11年度に底をつく見通しです。
市の試算では、令和8年度の標準保険料率まで2年かけて引き上げると、1人あたり年約1.6万円ずつ増(111,220円→128,010円→144,815円)。ただし決定ではなく、2年案と3年案が次回以降に比較される予定です。最終的な税率は市公式サイトで確認してください。
Q3. 近隣の市と比べて高いですか?
A. 低めです。3区分合計の所得割は袋井市10.47%、均等割54,300円、平等割26,400円。掛川市(所得割13.20%・均等割62,600円・平等割31,100円)や磐田市(10.92%・54,040円・26,600円)と比べると、袋井市は所得割・均等割とも掛川市より低く、磐田市とほぼ同水準です。
本サイトの同条件の試算(夫婦+子ども2人・所得300万円)では、袋井市470,868円に対し、掛川市は575,565円(約10.5万円の差)、磐田市は470,224円でした。ただし袋井市は令和9年度から上がる見通しなので、転居の判断には最新の税率を確認してください。
Q4. 袋井市で軽減を受けている世帯はどのくらいですか?
A. 市の資料(令和7年度)では、加入9,467世帯のうち7割軽減が2,830世帯(29.9%)、5割軽減が1,477世帯(15.6%)、2割軽減が1,288世帯(13.6%)で、合わせて5,595世帯(59.1%)が所得軽減を受けています。市の委員からも「加入世帯の6割が軽減を受けている」と指摘されており、所得の低い加入者が多い国保の構造がよく表れています。
Q5. 収入がない年も国保税は払うのですか?
A. 0円にはなりません。均等割・平等割は最大7割軽減されるだけです。本記事の計算では、30歳単身・所得0円・7割軽減で年19,710円(医療分13,950円+支援分5,220円+子ども分540円。100円未満切捨て前)。40〜64歳なら介護分が加わります。収入がなくても住民税の申告は必要で、申告しないと軽減が受けられません。
Q6. 会社の健康保険に入っているのに、国保税の通知が来ました。
A. 世帯主あての通知の可能性が高いです。袋井市の国保税は世帯主が納税義務者で、世帯主が国保に入っていなくても、同じ世帯の誰かが国保に入っていれば世帯主あてに届きます。世帯主本人の所得は課税の対象になりません。もうひとつは、就職して社保に入ったのに国保の脱退手続きをしていないケース。社保の資格確認書等を持って保険課国保年金係へ。
Q7. 子どもの均等割は軽減されないのですか?
A. 18歳未満は子ども・子育て支援納付金分の均等割が軽減されますが、医療分・後期支援分の均等割は、未就学児は一律5割軽減(所得制限なし、申請不要。低所得軽減がある場合は軽減後の均等割の2分の1)、小学生以上は軽減がありません。令和7年度の軽減は314世帯・約360万円でした。
市の運営協議会では「子どもに均等割を課すのは国保だけ」との声があり、事務局は令和9年4月から軽減対象が高校生年代まで拡大される見込みと説明しています。
Q8. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、旧被扶養者(社保の被扶養者→国保)・特定世帯・特定継続世帯(国保→後期高齢者へ移行)・産前産後期間の免除・災害・失業・疾病などによる減免・猶予などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q9. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に袋井市役所 保険課国保年金係(0538-44-3113)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険税もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|袋井市の国保で押さえるべきポイント
- 袋井市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分6.75%・後期支援分2.06%・介護分1.66%・子ども分0.27%
- 均等割は医療分27,300円・後期支援10,200円・介護16,800円・子ども1,800円、平等割は合計で年26,400円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 令和8年度は実質据え置き。医療・支援・介護の税率は令和6年度から変わらず、増えたのは子ども分(所得割0.27%・18歳以上均等割1,800円)のみ。夫婦+子2人・所得300万円で年+10,539円(+2.3%、本サイト試算)
- 県の標準保険料率との差が拡大中。医療分の所得割は令和6年度−0.20pt→令和8年度−1.48pt。県の基金による上昇抑制も令和8年度から終了
- 市は令和9年度からの増額改定を検討中。現行税率のままだと国保事業基金(約8億円)が令和11年度に枯渇する見通し。2年で標準に近づける市の試算は1人あたり年約1.6万円ずつ増(決定ではない)
- 軽減世帯は59.1%(7割29.9%・5割15.6%・2割13.6%)。令和8年度は5割・2割軽減の基準額も引き上げ
- 資産割と介護分の平等割は令和6年度に廃止。税率は平成20年度から令和3年度まで14年間据え置きだった
- 限度額は医療分67万円で合計113万円(令和7年度は109万円)。国保税の試算は窓口のみ(電話・メール不可)で、令和9年度分の試算は令和9年4月以降
- 旧被扶養者は所得割全額免除+均等割・平等割の半額(2年間)。産前産後は出産育児一時金の受給者なら届出なしで免除
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年22万4千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は袋井市役所 保険課国保年金係(0538-44-3113)
出典・参考:
・袋井市公式:国民健康保険税の算出方法と税率(令和8年度税率・試算)
・袋井市公式:国民健康保険税の軽減と減免
・袋井市公式:国民健康保険税の納め方と納期
・袋井市公式:非自発的失業者に対する国民健康保険税の軽減
・袋井市公式:産前産後期間における国民健康保険税の免除
・袋井市公式:国保税の世帯主課税
・袋井市公式:国民健康保険税の税率(額)の改定(令和4〜6年度)
・袋井市公式:令和8年度からの「子ども・子育て支援金制度」について
・袋井市公式:国民健康保険の加入(届出に必要なもの)
・袋井市公式:国民健康保険運営協議会(令和8年度の議事録・資料)
・袋井市公式:令和7年度第3回国民健康保険運営協議会 諮問書(子ども・子育て支援金分)
・袋井市公式:令和8年度第2回国民健康保険運営協議会 議事録(令和8年8月19日)
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は袋井市公式サイトでご確認ください。