戸田市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
戸田市は人口約14万人、埼玉県の南端で荒川を挟んで東京都板橋区・北区と向き合う市です。JR埼京線で都心に近く、1964年の東京オリンピックでボート競技の会場になった戸田漕艇場、そしてボートレース戸田の町として知られています。
この記事でまず伝えたいのは、戸田市の国保税は「埼玉県内でいちばん安い水準」にあり、そして「令和9年度から大きく上がる可能性が高い」ということです。
令和8年度の税率は医療分8.0%・31,800円、後期高齢者支援金等分1.6%・9,500円、介護分1.42%・12,500円。新設の子ども・子育て支援金分0.27%・1,760円を足しても所得割11.29%・均等割55,560円です。当サイトで集計した埼玉県内18市の中で、所得割も均等割も最も低い数字です。
ところが市は、自らこう公表しています——「戸田市の現行税率」と「埼玉県の算定した市町村標準税率」には乖離があり、このことが一般会計からの繰入を行わざるを得ないことの大きな理由になっている、と。
埼玉県が戸田市に示した令和8年度の標準税率は、医療分8.43%・51,237円、後期分3.01%・18,200円、介護分2.63%・18,643円。現行との差は所得割で合計3.05ポイント、均等割で合計34,280円にもなります。
そして令和8年4月17日、市の国民健康保険運営協議会が市長に答申しました——「令和9年度から埼玉県が提示する標準税率どおりの保険税率に改正することはやむを得ないものと考える」。
答申にはもうひとつ、戸田市ならではの事情が書かれています。「被保険者一人当たりの医療費は低いが、一人当たりの所得が高いため、標準税率が高くなる」。実際、戸田市国保の1人当たり医療費(令和6年度337,743円)は県内63市町村中62位——病院にかかる額は県内で2番目に少ないのに、税率は上がる側にいるのです。
市は令和8年度を「保険税率の改正の必要性などについて、丁寧に説明すること」に充てるとし、7月から毎月、情報誌『国保のこれから』を発行しています。この記事は、その「値上げ前夜」の戸田市の国保税を、現行税率・標準税率・計算例・軽減制度・窓口まで、市の公表資料をもとにまとめたものです。
1. 戸田市の国民健康保険の概要
戸田市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
戸田市の保険料は2方式(所得割+均等割)で計算します。世帯単位でかかる平等割はありません。単身世帯にとっては比較的有利な設計です。
戸田市の国保の規模も市が公表しています。被保険者数は令和6年度末で21,674人。平成30年度の2.71万人から約20%減りました。市は理由を「後期高齢者医療制度への移行、被用者保険への転出等により、減少傾向にある」と書き、答申も「被用者保険の適用拡大等により被保険者数が減少する一方、高齢化の進展や医療の高度化等に伴い、1人当たり医療費は増加の一途」と説明しています。
令和6年度決算の国保特別会計は、歳入が保険税約24億円・国や県からの交付金約67億円・繰入金約8億円(うち法定外繰入約3億円)・雑入その他約6億円、歳出が県への納付金約35億円・保険給付費(医療費等)約70億円。一般会計からの繰入金(約8億円)は、保険税収入(約24億円)の3分の1にあたる規模です。
法定外繰入(事実上の赤字)は平成28年度19.98億円→平成29年度17.25億円→平成30年度2.60億円と一気に減ったあと、令和元年度6.90億円・2年度4.56億円・3年度5.65億円・4年度5.06億円・5年度5.56億円・6年度3.05億円(304,673,000円)と、毎年3億〜7億円の赤字補填が続いています。埼玉県の第3期運営方針は「令和8年度までに法定外繰入を解消」を求めていますが、答申は令和8年度は据え置いて「丁寧に説明」する道を選びました。
1人当たり医療費の推移も公開されています——令和元年度290,254円→2年度292,725円→3年度315,195円→4年度332,188円→5年度342,092円→6年度337,743円。令和6年度はわずかに下がったものの、5年で約4万7千円(16%)増えました。市は「県内では低額ではあるものの、増加傾向にある」と書いています。加入者は2割減り、1人当たり医療費は1割半増え、税率は据え置き——この3つが同時に進めば、差を埋めるのは一般会計からの繰入しかありません。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|
| 医療分 | 8.00% | 31,800円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 1.60% | 9,500円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 1.42% | 12,500円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.27% | 1,760円 (市は「子ども・子育て支援金分の均等割は、18歳未満の方はかかりません」としています。18歳以上への上乗せ額の説明はなく、1,760円は埼玉県が示した標準税率どおりの額です) | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 市は「子ども・子育て支援金分の均等割は、18歳未満の方はかかりません」としています。18歳以上への上乗せ額の説明はなく、1,760円は埼玉県が示した標準税率どおりの額です。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
令和8年度に変わったのは2点だけです。①子ども・子育て支援金分(所得割0.27%・均等割1,760円・限度額3万円)の新設、②医療分の課税限度額66万円→67万円。医療分・後期分・介護分の所得割と均等割は令和5年度から据え置きです。
子ども・子育て支援金分は「標準税率(秋算定)どおり」に設定したと市は明記しています。既存の3区分は標準税率より低く、新設区分だけは標準税率ちょうど——戸田市の税率表は、この2種類が混在した形になっています。
所得割の合計は11.29%(40〜64歳)。40歳未満・65歳以上なら9.87%。当サイトで集計した270市の中央値13.01%より1.72ポイント低く、低いほうから26番目です。
均等割の合計は1人55,560円(18歳以上・40〜64歳)。18〜39歳と65〜74歳は43,060円、18歳未満は41,300円、未就学児は20,650円。平等割はないので、固定部分(均等割+平等割)55,560円は270市中4番目に低い水準です(下は取手市39,000円・国立市48,631円・府中市51,800円)。
課税限度額は医療分67万円・後期分26万円・介護分17万円・子ども分3万円の合計113万円(令和7年度は109万円)。所得割基礎額は「2025年中(令和7年中)の総所得金額等から基礎控除額(合計所得金額が2,400万円以下の場合は43万円)を引いた額」です。
介護分は40歳から64歳の加入者にのみ課税。市は「介護保険適用除外施設に入所している方は、申請により介護分が課税されなくなります」と注記しています。
限度額に届く所得も計算しておきます(単身・本記事の概算)。医療分は所得約841万円で67万円に達しますが、後期分が26万円に届くのは所得約1,609万円、介護分は約1,152万円、子ども分は約1,089万円。後期分の所得割が1.6%と低いため、上限に届くのが非常に遅いのが戸田市の特徴です。令和8年度の標準税率(後期分3.01%)なら、後期分は所得約846万円で上限に達します——所得800万〜1,600万円の層は、準統一で後期分が大きく動くことになります。
戸田市の税率の推移(平成29年度以前〜令和8年度)
| 区分 | H29以前 | H30改正 | R4改正 | R5改正 | R8現在 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 所得割率 | 6.6% | 8.0% | ― | ― | 8.0% |
| 均等割額 | 18,000円 | 20,000円 | 25,900円 | 31,800円 | 31,800円 | |
| 後期分 | 所得割率 | 1.35% | 1.6% | ― | ― | 1.6% |
| 均等割額 | 9,000円 | 9,500円 | ― | ― | 9,500円 | |
| 介護分 | 所得割率 | 1.2% | 1.42% | ― | ― | 1.42% |
| 均等割額 | 11,500円 | 12,500円 | ― | ― | 12,500円 | |
| 子育て支援分 | 所得割率 | ― | ― | ― | ― | 0.27% |
| 均等割額 | ― | ― | ― | ― | 1,760円 |
平成30年度以降の改正は3回。平成30年度に全区分を引き上げたあと、令和4年度と令和5年度は医療分の均等割だけを5,900円ずつ引き上げました。医療分の均等割は18,000円→31,800円で、平成29年度以前の1.77倍です。一方で所得割率は平成30年度から8年間まったく動いていません。
令和7年度→令和8年度で増えたのは子ども分だけなので、たとえば下の計算例1の世帯なら増加額は約1万円(子ども分10,459円)にとどまります。
現行税率と埼玉県が示した「市町村標準税率」(令和8年度)
| 区分 | (A) R8現行税率 | (B) R8標準税率 | (B)-(A) | |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 所得割率 | 8.00% | 8.43% | +0.43pt |
| 均等割額 | 31,800円 | 51,237円 | +19,437円 | |
| 後期分 | 所得割率 | 1.60% | 3.01% | +1.41pt |
| 均等割額 | 9,500円 | 18,200円 | +8,700円 | |
| 介護分 | 所得割率 | 1.42% | 2.63% | +1.21pt |
| 均等割額 | 12,500円 | 18,643円 | +6,143円 | |
| 3区分合計 | 11.02% 53,800円 | 14.07% 88,080円 | +3.05pt +34,280円 | |
限度額(67万・26万・17万円)は(A)(B)とも同じ。子育て支援分はすでに標準税率どおりなので表には入っていません。市は「市町村標準税率は毎年度見直されます。R9年度の税率はR8年11月ごろに埼玉県から示される見込み」と注記しています。
目を引くのは乖離の中身です。医療分の所得割の差は0.43ポイントしかないのに、医療分の均等割は19,437円(61%増)。後期分は所得割が1.88倍、介護分は1.85倍。つまり標準税率に合わせると、「所得に比例する部分」より「1人いくらの部分」が大きく上がる——所得の低い世帯・人数の多い世帯ほど、率では大きな値上げになります。
もし令和8年度の標準税率を当てはめたら(参考試算)
| 世帯 | 現行税率 | R8標準税率 | 差 |
|---|---|---|---|
| 40歳単身・所得0(7割軽減) | 約16,700円 | 約27,000円 | +約1.0万円(+62%) |
| 70歳夫婦・年金のみで7割軽減 | 約25,800円 | 約42,700円 | +約1.7万円(+65%) |
| 30歳単身・所得200万円 | 約220,300円 | 約296,300円 | +約7.6万円(+35%) |
| 40歳単身・給与収入300万円(計算例2) | 約235,100円 | 約317,800円 | +約8.3万円(+35%) |
| 40歳夫婦+子2人・所得300万円(計算例1) | 約463,200円 | 約652,400円 | +約18.9万円(+41%) |
| 40歳夫婦+子2人・所得1,500万円 | 113万円(上限) | 113万円(上限) | ±0 |
令和9年度に実際に使われるのは、11月ごろに県が示す令和9年度の標準税率で、上の数字とは変わります。あくまで「現在の乖離がどの世帯にどれだけ効くか」を示す目安です。
限度額に張り付く高所得世帯は1円も変わらず、7割軽減の世帯は率で6割以上の増——乖離が均等割に偏っているため、こういう形になります。答申が附帯事項に「低所得者層への負担軽減策の拡充」を国へ要望するよう書き込んだのは、この構造を踏まえたものでしょう。
市の「概算早見表」(令和8年度・1人あたり年税額・抜粋)
| 所得(給与所得控除後など) | 18〜39歳・65〜74歳 | 40〜64歳 |
|---|---|---|
| 43万円以下 | 43,000円 | 55,500円 |
| 100万円 | 99,200円 | 119,700円 |
| 150万円 | 148,600円 | 176,200円 |
| 200万円 | 197,900円 | 232,600円 |
| 300万円 | 296,600円 | 345,500円 |
| 400万円 | 395,300円 | 458,400円 |
| 500万円 | 494,000円 | 571,300円 |
| 600万円 | 592,700円 | 684,200円 |
| 800万円 | 790,100円 | 910,000円 |
| 1,000万円 | 860,100円 | 1,008,400円 |
| 1,200万円 | 894,600円 | 1,064,600円 |
| 1,700万円 | 960,000円 | 1,130,000円 |
市の表は所得43万円以下から1,700万円まで24段階。本記事で全48マスを検算し、区分ごとに100円未満を切り捨てる計算ですべて一致しました。
読み方のコツは3つ。①「所得」は収入ではなく、給与なら給与所得控除後・年金なら公的年金等控除後の額(市は所得の算出方法の表も載せています)。②低所得者軽減は反映されていない——所得43万円以下の43,000円/55,500円は、実際には7割軽減で約1万3千円/約1万7千円まで下がります。③40〜64歳の欄は所得1,700万円で113万円(全区分の上限)、18〜39歳・65〜74歳は介護分がないので96万円が上限。
40〜64歳・所得300万円で年345,500円(月あたり約2万9千円)。同じ所得でも、世帯に加入者が増えれば均等割が1人ずつ加わります。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 205,600円 + 均等割 111,300円 ⇒ 316,900円
- 後期支援分: 所得割 41,120円 + 均等割 33,250円 ⇒ 74,370円
- 介護分: 所得割 36,494円 + 均等割 25,000円 ⇒ 61,494円
- 子ども分: 所得割 6,939円 + 均等割 3,520円 ⇒ 10,459円
合計: 年間 約463,223円(月あたり約38,600円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 127,200円 + 均等割 31,800円 ⇒ 159,000円
- 後期支援分: 所得割 25,440円 + 均等割 9,500円 ⇒ 34,940円
- 介護分: 所得割 22,578円 + 均等割 12,500円 ⇒ 35,078円
- 子ども分: 所得割 4,293円 + 均等割 1,760円 ⇒ 6,053円
合計: 年間 約235,071円(月あたり約19,600円)
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 218,200円 / 後期支援分 46,780円 / 介護分 45,586円 / 子ども分 8,051円 ⇒ 合計 約318,617円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 57,280円 / 後期支援分 13,968円 / 介護分 15,652円 / 子ども分 2,483円 ⇒ 合計 約89,382円
差額は年間およそ22万9千円。届出書1枚でこれだけ違います。戸田市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は戸田市公式の保険料試算でご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 戸田市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、市は「子ども・子育て支援金分の均等割は、18歳未満の方はかかりません」としています。18歳以上への上乗せ額の説明はなく、1,760円は埼玉県が示した標準税率どおりの額です。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 戸田市 保険年金課 国保賦課担当(本庁舎2階・048-441-1800 内線247/266)。郵送でも届出できます
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
戸田市の失業軽減ページには、他市であまり見ない注記が2つあります。
①国保を抜けて戻っても、期間内なら軽減が続く。市は「非自発的失業軽減に該当した方が、社会保険等への加入や生活保護を受給することにより国保を脱退した後に再び国保に加入した場合でも、失業軽減対象期間内であれば軽減が適用されます」と明記しています。再就職先を短期間で辞めてまた国保に戻るケースでも、改めて届け出れば軽減が生きるということです。ただし「再度、失業給付が認定されその内容が失業軽減に該当しなかった場合は対象とはなりません」——次の離職が自己都合なら外れます。
②手書きの受給資格者証では申請できない。「仮作成(手書き)の雇用保険受給資格者証・雇用保険受給資格通知では申請できません。正式な受給資格者証・受給資格通知が発行されてから申請してください」。ハローワークで最初に渡される書類が仮のものだった場合は、正式版を待ってから窓口へ。
必要書類は3点——特例対象被保険者等申告書(市のダウンロードページの(5)の書式)、雇用保険受給資格者証または受給資格通知、軽減対象者のマイナンバーカードまたは通知カード(通知カードなら運転免許証等も)。
申請期限は「当該年度を含め5年」。気づくのが遅れても、5年以内ならさかのぼって減額を受けられます。
戸田市は所得割が低いので、計算例3の差額は他市より小さめに出ます。それでも年20万円以上の差です。令和9年度に標準税率へ移行すれば、同じ世帯の差額は約29.5万円(本記事の試算)まで広がります。
対象期間は「離職日の翌日から翌年度末まで」。たとえば令和8年9月に離職した場合、令和8年度の残りと令和9年度の1年分が軽減対象です。令和9年度に税率が標準税率へ上がるなら、その年度こそ軽減の効き目が大きくなります。「軽減期間中に就職し会社の健康保険に加入するなど、国民健康保険を脱退すると軽減は終了」しますが、前述のとおり期間内に国保へ戻れば再び適用されます。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 戸田市の減免制度|要申請
戸田市の軽減・減免は「国民健康保険税の軽減・減免」という1ページにまとまっていて、各制度に〈申請不要〉〈要申請〉のラベルが付いています。そして要申請の制度にはすべて「申請期限:原則として、当該年度を含め5年を経過すると減額(減免)ができなくなります」と書かれています。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 低所得者軽減(7割・5割・2割) (申請不要/要・所得申告) | 世帯主と加入者・特定同一世帯所属者の前年の総所得金額等が、7割=43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)、5割=+31万円×人数、2割=+57万円×人数 以下 | 令和8年度に5割・2割の基準が30.5万→31万円、56万→57万円に拡大(市が改正前後の表を公開)。65歳以上は年金所得から15万円控除、専従者給与は専従主の所得とみなす、分離譲渡所得は特別控除前で判定 |
| 未就学児の均等割5割軽減 (申請不要) | 6歳に達する日以後の最初の3月31日以前の加入者 | 低所得者軽減が適用された場合は、軽減後の均等割額に10分の5を乗じた額を軽減。未就学児の均等割41,300円→20,650円 |
| 旧被扶養者の減免 (要申請) | 社会保険等(国保組合は除く)の被扶養者で、本人が後期高齢者医療制度へ移行したため新たに国保に加入した65歳以上74歳未満の方 | 医療分・後期分・子ども分の所得割を全額免除、均等割を半額免除(加入月から2年を経過する月まで)。子ども分まで対象と明記。転入者は前住所地の「旧被扶養者連絡票」が必要 |
| 産前産後期間の軽減 (要届出) | 出産予定の方、または妊娠85日以降に出産した方(死産・流産・人工妊娠中絶を含む) | 出産月の前月から4か月(多胎は3か月前から6か月)の所得割・均等割を軽減。届出は本庁の保険年金課(本庁舎2階7番窓口)か郵送のみ——戸田公園駅前行政センター・美笹支所では受け付けていません |
| 国民健康保険税の減免 (要申請) | 災害などで生活が著しく困難になり、預貯金等の利用できる資産を活用しても納付が困難な場合、刑事施設等に入所した場合など | 申請方法・減免期間は保険年金課 国保賦課担当へ問い合わせ。「資産を活用しても」という条件が明記されている点に注意 |
| 非自発的失業者の軽減 (要申請) | 離職時65歳未満、離職理由コード11・12・21・22・23・31・32・33・34 | 前年の給与所得を100分の30とみなす。いったん国保を抜けて再加入しても、対象期間内なら軽減が続く |
所得の申告をしないと、低所得者軽減は1円も効きません。市は「収入がない方や留学生(仕送りで生活している方)、障害年金等の非課税所得のみの方なども軽減を受けるためには所得の申告が必要」と書いています。「留学生」を名指ししているのは、外国人住民の多い戸田市らしい書き方です。さらに「住民税の申告書で扶養と届出をされていて所得金額の申告がない場合は、保険年金課より国民健康保険税に関する所得申告書をお送りさせていただくことがあります」——この申告書が届いたら必ず返送してください。
金額で確かめます。40〜64歳の単身なら均等割は55,560円。7割軽減で16,668円(38,892円の減)、5割で27,780円、2割で44,448円。戸田市は均等割がもともと低いので、軽減の「金額」は他市より小さく見えます。しかし標準税率(均等割88,080円+子ども分1,760円)になれば、7割軽減の効き目は40〜64歳1人あたり約3.9万円→約6.3万円に拡大します。来年度以降ほど、申告の価値は上がるということです。
令和8年度の軽減拡大について、市は「均等割の低所得者軽減の対象が拡大しました」という見出しで改正前後の基準を並べ、「世帯に市民税申告をしていない方がいる場合、軽減の判定がされません」と念押ししています。
旧被扶養者の減免は、会社員の夫(妻)が75歳になって後期高齢者医療制度に移り、扶養されていた65〜74歳の配偶者が国保に入るケースです。戸田市の均等割(65〜74歳は43,060円)なら、2年間は半額の21,530円。所得割は期限なく全額免除(医療・後期・子ども分)です。要申請なので、社会保険の資格喪失証明書を持って窓口へ。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(令和8年4月1日から「原則」。埼玉りそな銀行・みずほ銀行・三菱UFJ銀行はキャッシュカードで窓口申込み可)
- 納付書による納付(口座振替が困難な事情がある場合など)
- 年金からの特別徴収(世帯全員が65〜74歳、世帯主の年金18万円以上など5条件)
- 美笹支所・戸田公園駅前出張所での収納
戸田市は令和8年4月1日から、国保税の普通徴収を「口座振替による納付が原則」にしました。根拠は「戸田市国民健康保険税条例施行規則」の一部改正、目的は「納期内納付を促進し、収納率の向上や国保制度の安定化などを目指す」こと。同じ埼玉県の草加市も同様に口座振替を原則化しており、埼玉県の準統一(収納率格差は各市の努力に委ねられる)をにらんだ動きです。答申の附帯事項にも「収納率向上対策の推進」「保険税率の改正により、収納率の低下が懸念される」とあります。
申込みは3通り。①口座振替依頼書・申込書(戸田市役所収納推進課・戸田公園駅前行政センター・美笹支所・金融機関で入手。納税通知書の8枚目にも付いていて、目隠しシールを貼って投函できる)、②ペイジー口座振替受付サービス(市役所の収納推進課・保険年金課、戸田公園駅前行政センター、美笹支所で磁気式のキャッシュカードと本人確認書類を提示。口座名義人本人の手続きが必要)、③ゆうちょ銀行は郵便局窓口の専用用紙で。
申込期限は「振替日の前月末」。7月末(1期)の振替なら6月末、3月末(随時1期)なら2月末までに申し込む必要があり、郵送は必着、期限日が土日祝なら前営業日までです。
令和8年度の納期は8期+随時期——第1期7月31日、第2期8月31日、第3期9月30日、第4期11月2日、第5期11月30日、第6期12月25日、第7期2月1日、第8期3月1日、随時期3月31日。10月分の第4期が11月2日(月)になっているのは10月31日が土曜日のため。12月は25日と月末より早いので注意してください。
年金天引きは4月15日・6月15日・8月14日・10月15日・12月15日・2月15日。申し出により普通徴収(口座振替)に切り替えられます。
納税通知書は令和8年7月10日に発送され、市は「7月16日(木曜日)を過ぎても届かない場合はお問い合わせください」としていました。支払った国保税は確定申告・住民税申告の社会保険料控除の対象なので、領収証書は保管を。
詐欺にも注意。市は「保険年金課の職員を装い、ATMを操作するよう誘導する、還付金詐欺が疑われる電話が多く報告されています」、さらに「国民健康保険税の未納分があるとして、特定の電子決済サービスによる納付を促すメール」も確認されたと警告しています。市役所がメールで未納分を請求したり、URLから電子決済での納付を求めたりすることはありません。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 戸田市の国保窓口一覧
戸田市の国保税は健康福祉部 保険年金課(市役所本庁舎2階)が担当しています。電話は代表048-441-1800で、国保賦課担当は内線247・266、国保給付担当は内線278。加入・脱退の届出は本庁のほか美笹支所・戸田公園駅前出張所でもでき、脱退はマイナンバーカードで電子申請(スマート申請)も可能です。一方、産前産後軽減の届出や、修学・施設入所で転出するときの手続きは本庁の保険年金課だけです。
| 窓口 | 場所・連絡先 | 国保で扱う主な業務・注意点 |
|---|---|---|
| 保険年金課(国保賦課担当・国保給付担当) | 〒335-8588 戸田市上戸田1丁目18番1号 市役所本庁舎2階 048-441-1800(代表)/FAX 048-433-2200 | 税額の計算・試算の相談、加入・脱退、すべての軽減・減免の申請、産前産後軽減(7番窓口)、修学・施設入所での転出、納付相談 |
| 戸田公園駅前出張所(戸田公園駅前行政センター1階) | 〒335-0023 戸田市本町4丁目15番11号 048-420-9734 | 国保の加入・脱退、国民健康保険税申告書の受付、資格確認書の再発行、国保税の収納、口座振替の申込み(ペイジー可)。開所は平日8時30分〜20時・土日祝9時〜17時30分だが、平日17時以降と土日祝は取り扱えない業務があるため事前に確認を |
| 美笹支所(美笹公民館・西部福祉センター) | 〒335-0031 戸田市美女木5丁目2番地の16 048-421-3003 | 国保の加入・喪失、資格確認書の再発行、葬祭費の申請受付、国保税の収納、口座振替の申込み。産前産後軽減は受け付けていない |
| 電子申請(スマート申請) | 市の「電子申請による国民健康保険の脱退手続き」ページから | 社保加入による脱退をオンラインで。電子証明書が有効なマイナンバーカードが必要(パソコンならICカードリーダーも) |
| 郵送 | 〒335-8588 戸田市上戸田1丁目18番1号 戸田市役所 保険年金課 国保賦課担当 | 加入・脱退の届出、産前産後軽減の届出、資格確認書の再交付申請。郵送の加入届は、資格喪失日以降に投函(事前の届出は不可) |
加入も脱退も「自動では行われません」。市は「ご自身で届出をする必要があり、会社等が行うことはできません」と明記。脱退の届出があるまで国保税の課税対象のままで、「納期限ごとに未納状態の場合、督促が届く等の滞納処分を受けます」。
加入日は届出日ではなく、異動があった日。「届出が遅滞した場合でも、保険税の納税義務もさかのぼって生じます」。一方で「事前に届出することはできません」——退職日の翌日以降に手続きします。
加入の証明書類は社会保険資格喪失証明書・離職票・退職証明書のいずれか1点。協会けんぽだった方は年金事務所で資格喪失証明書を発行できる場合があります。
海外から転入した方は転入日から加入。中長期在留者(在留期間3か月超)の外国人住民も原則加入です。
進学で戸田市を離れても、戸田市の国保に残れます(在学証明書と転出先の住民票を持って本庁の保険年金課へ)。
保険税の試算は電話でも相談できます(令和7年中の所得が分かる書類を用意して、国保賦課担当 内線247・266へ)。
保険年金課の職員が電話でATM操作を求めることはありません。高額療養費の払い戻しは該当者に手紙で知らせるのが原則で、市は「記入していただいた申請書に不備がある場合などを除いて電話をすることはありません」としています。
国保のしくみと税率改正の背景は、市の情報誌『国保のこれから』(令和8年7月〜令和9年3月、毎月発行)とその動画版で説明されています。
産前産後軽減の届出書・特例対象被保険者等申告書・国保異動届出書は、市のダウンロードページから入手できます。郵送で手続きする場合は、それぞれ指定の番号の書式を使うよう市が案内しています。
8. よくある質問(戸田市の国保)
Q1. 戸田市の国保税は、令和9年度に上がるのですか?
A. 決定ではありませんが、上がる可能性が高いと考えるべきです。
令和8年4月17日、戸田市国民健康保険運営協議会は市長に答申を出し、「令和9年度から埼玉県が提示する標準税率どおりの保険税率に改正することはやむを得ないものと考える」としました。市は「この答申をもとに、今後の対応についてさらに協議を進めていきます」としています(2026年9月時点)。
背景は埼玉県国民健康保険運営方針(第3期)です。令和8年度までに法定外繰入(赤字)の解消、令和9年度までに県が示す標準税率どおりの税率を設定する「準統一」、令和12年度に「完全統一」。
令和8年度の標準税率で試算すると、夫婦+子2人・所得300万円の世帯で年約18.9万円、40歳単身・給与収入300万円で年約8.3万円の増。ただし令和9年度の標準税率は令和8年11月ごろに県から示される見込みで、実際の額はそれで決まります。
Q2. なぜ戸田市は「医療費が低いのに」税率が上がるのですか?
A. 埼玉県の標準税率が、医療費の差ではなく所得の差で決まる仕組みだからです。
答申はこう書いています——「各市町村の標準税率は、医療費水準の市町村格差は反映せず、市町村ごとの所得等を基に算定される中で、本市は他市町村に比べ、『被保険者一人当たりの医療費は低いが、一人当たりの所得が高いため、標準税率が高くなる』という課題もあり、更なる税率改正については慎重に協議してきた経緯がある」。
戸田市国保の1人当たり医療費は令和6年度337,743円で、市町村平均387,690円より約5万円少なく、県内63市町村中62位。それでも県への納付金は所得に応じて按分されるため、所得水準の高い戸田市は多く納める側になります。
埼玉県は令和6年度に「納付金ベースの統一」(納付金の算定に1人当たり医療費の差を反映させない)を済ませています。「同じ所得・同じ世帯構成なら県内どこでも同じ税額」という統一の理念からすると、医療費の少なさは税率に反映されない——それが戸田市の立場の難しさです。
Q3. 市の「概算早見表」は信用できますか?
A. 本記事で48マスすべてを検算し、全部一致しました。
市の試算ページには「所得額ごとの国保税 概算早見表(令和8年度)」があり、所得43万円以下〜1,700万円の24段階について、18〜39歳・65〜74歳と40〜64歳の1人あたり年税額が載っています。
たとえば所得300万円の40〜64歳は345,500円。計算すると、基礎額257万円×各区分の率+均等割で、医療分237,400円+後期分50,620円+介護分48,994円+子ども分8,699円。区分ごとに100円未満を切り捨てると237,400+50,600+48,900+8,600=345,500円で一致します。
注意点は2つ。①低所得者軽減が反映されていない(所得43万円以下の欄も43,000円/55,500円で、7割軽減前の額)。②18歳未満は含まれない——市も「18歳未満の方については、試算シートにてご試算ください」としています。
Excelの試算シート(1.38MB)もありますが、「分離課税所得について対応しておりません」、スマートフォンでは正しく機能しない場合があると市は明記しています。株や土地を売った方は国保賦課担当へ。
Q4. 市が毎月出している『国保のこれから』とは何ですか?
A. 税率改正の背景を加入者に説明するため、市が令和8年7月から令和9年3月まで毎月1回発行している情報誌です。
答申が「令和8年度は被保険者に対し、保険税率の改正の必要性などについて、丁寧に説明することに重きを置くべき」としたのを受けたもので、第1号(7月)は答申の内容、第2号(8月)は国保の現状と課題、第3号(9月)は埼玉県の運営方針と全国の動向を扱っています。YouTubeの動画版もあり、広報戸田市2026年6月号でも特集「国民健康保険のこれからを考える」が組まれました。
値上げの前に1年かけて説明するという進め方は、当サイトで調べた自治体の中でも珍しいものです。第2号には「国保」と「協会けんぽ」の比較(加入者平均年齢54.0歳と38.9歳、1人当たり平均所得99万円と182万円、保険料負担率9.3%と7.2%)など、国保の構造的な問題が分かりやすく載っています。
Q5. 戸田市の国保税は、埼玉県内の他市と比べてどのくらい安いのですか?
A. 当サイトで集計した埼玉県内18市の中で、所得割・均等割とも最も低い水準です。
所得割の合計(40〜64歳)は戸田市11.29%。次に低いのが蕨市11.90%、高いほうは所沢市14.74%・草加市14.51%。
均等割の合計(18歳以上・40〜64歳)は戸田市55,560円。次は新座市69,900円で、2位と1万4千円以上の差。高いほうは越谷市85,704円・上尾市85,517円です。
全国の270市で見ても、固定部分(均等割+平等割)55,560円は4番目に低く、中央値84,873円より約2万9千円低い。所得割は低いほうから26番目(中央値13.01%)。
ただし、令和8年度の標準税率(3区分で14.07%・88,080円、子ども分を足すと14.34%・89,840円)を当てはめると、均等割は現在の埼玉18市のどこよりも高く、所得割も上から3番目の水準になります。「県内最安」から「県内上位」へ——これが準統一で戸田市に起きうる変化です。
Q6. 退職後に戸田市の国保に入るとき、何を持っていけばいいですか?
A. 加入日が分かる書類1点と、本人確認書類、マイナンバーが分かるものです。
加入日の書類は社会保険資格喪失証明書・離職票・退職証明書のいずれか。家族(被扶養者)の分は、その人の資格喪失日が書かれた資格喪失証明書しか使えません。任意継続をやめて国保に入る場合も、任意継続の資格喪失日が入った証明書が必要です。
窓口は本庁の保険年金課・美笹支所・戸田公園駅前出張所、または郵送。顔写真付きの身分証を窓口で示せば資格確認書(または資格情報のお知らせ)をその場で交付、代理人や顔写真なしの場合は郵送になり、代わりに届出日から使える「加入期間証明書」がもらえます。
キャッシュカードを持っていけば口座振替の申込みも同時にできます。
Q7. 令和8年度はなぜ税率を据え置いたのですか?
A. 答申が「令和8年度は説明の年」と位置づけたからです。
埼玉県の運営方針は令和8年度までの法定外繰入の解消を求めています。それでも答申は「本市の標準税率が他市町村に比べ高いという課題などがある中で、令和8年度は被保険者に対し、保険税率の改正の必要性等について、丁寧に説明することに重きを置くべきである」としました。
協議の経過も公開されています。令和7年12月18日(第2回)に市長が諮問、令和8年1月23日(第3回)に「保険税率の統一による市民への影響」を協議、3月6日(第4回)に答申案を決定、4月17日(令和8年度第1回)に答申書を提出。協議会は被保険者代表4名・保険医/薬剤師代表4名・公益代表4名・被用者保険等代表3名の計15名です。
その結果、令和8年度に上がったのは国の制度改正分(子ども分の新設と医療分限度額の1万円引き上げ)だけ。市独自の引き上げは令和5年度が最後になっています。
Q8. 子ども・子育て支援金分は、戸田市ではいくらかかりますか?
A. 所得割0.27%+18歳以上1人1,760円で、上限は世帯3万円です。
18歳未満(18歳到達後最初の3月31日まで)の均等割はかかりません。所得割は所得のある人にかかります。
たとえば40歳単身・給与収入300万円(基礎額159万円)なら 159万×0.27%+1,760円=約6,050円。夫婦+子2人・所得300万円(基礎額257万円)なら 257万×0.27%+1,760円×2人=約10,460円です。
戸田市は子ども分について「市町村標準税率(秋算定)どおりの税率とした」と明記しています。既存の3区分と違って、子ども分だけは最初から県の標準どおり。令和9年度以降の準統一で他の区分が標準に合わせられても、子ども分はすでに合わせ済みということです。
Q9. 産前産後の軽減は、いくら安くなりますか?
A. 出産する本人の所得割と均等割が、単胎なら4か月分(年額の12分の4)軽減されます。
たとえば30歳・所得200万円の出産被保険者なら、本人分の年税額(医療・後期・子ども分)は基礎額157万円×9.87%+43,060円=約19.8万円。その4か月分=約6.6万円が軽くなる計算です(本記事の概算)。多胎なら6か月分で約9.9万円。
戸田市では届出は出産予定日の6か月前から可能で、母子健康手帳の写し(表紙と出産予定日または出産日のページ)が必要。市は母子健康手帳の「出産後に申請するなら1ページ目、出産予定時なら4ページ目」と、コピーすべきページまで図で示しています。
窓口は本庁舎2階の7番窓口か郵送だけで、戸田公園駅前行政センター・美笹支所では受け付けていません。海外で出産した場合は出産証明書と日本語翻訳文の写しで代えられます。なお「課税限度額に達している世帯については、軽減を適用しても税額が変わらない場合があります」。
Q10. 大学進学で戸田市を離れる子どもは、国保をどうすればいいですか?
A. 申請すれば、戸田市の国保に入ったままにできます(修学中の特例)。
市は「修学のために戸田市を転出して別の住所をさだめるとき、そのまま、戸田市の国民健康保険に加入したままにすることができます」としています。
持ち物は在学証明書(在学中の学校で発行)、転出先の住民票、戸田市国保の資格確認書(発行されている場合のみ・差し替えのため返却)、マイナンバーが分かるもの。新しい資格確認書などは世帯主あてに郵送されます。
この手続きは各支所ではできず、本庁の保険年金課だけです。施設入所で転出する場合(入所証明書が必要)も同じです。
保険税は戸田市の世帯の一員として計算されます。子どもが18歳以上なら均等割(18〜39歳は43,060円)がかかるので、学生の国保の扱いは早めに確認を。
Q11. 就職して社会保険に入りました。国保の脱退はオンラインでできますか?
A. できます。マイナンバーカードで電子申請(スマート申請)が可能です。
電子証明書が有効なマイナンバーカードが必要で、パソコンから申請する場合はICカードリーダーも要ります。窓口(本庁・美笹支所・戸田公園駅前出張所)や郵送でも届け出られます。
証明に使えるのは新しい社会保険の資格確認書・資格情報のお知らせ・資格取得証明書のほか、「マイナポータルの資格情報画面を紙で打ち出したもの」。社保の情報が反映されているか確認してから印刷します。
戸田市が発行した国保の資格確認書は原本を返却(資格情報のお知らせは返却不要)。社保加入後に国保の資格確認書を使うと、医療費を「不当利得として全額返還」することがあります。
国保税は社会保険に加入した月の前月までの分で再計算され、届出の翌月中旬以降に変更通知書が届きます。
Q12. 年金から国保税が天引きされるのはどんな場合ですか?
A. 市が挙げる5つの条件をすべて満たす場合です。
①世帯主が国保加入者(75歳になる年度は普通徴収に切り替え)、②世帯内の加入者が全員65〜74歳、③世帯主の年金受給額が年18万円以上、④世帯主の介護保険料が年金天引き、⑤国保税と介護保険料の合計が年金受給額の2分の1以下。
天引きが始まるときは事前に通知があり、申し出れば口座振替に切り替えられます。口座振替にすると、社会保険料控除を家族の誰の所得から引くかを選べるので、世帯全体の所得税・住民税が下がることがあります。
Q13. 収入がない学生や留学生も、国保税の申告は必要ですか?
A. 必要です。申告しないと7割軽減が効きません。
戸田市は「収入がない方や留学生(仕送りで生活している方)、障害年金等の非課税所得のみの方なども軽減を受けるためには所得の申告が必要」と明記しています。
20歳の学生・所得0円の単身世帯なら、均等割43,060円が7割軽減で12,918円(本記事の概算)。申告しなければ43,060円のままで、差は約3万円です。
戸田市に転入して国保に入った方には「国民健康保険税申告書」を書いてもらい、1月1日時点の住所地に前年の所得を照会して税額を決めます。確認に時間がかかると、あとから変更通知書が届くこともあります。
外国人住民は在留期間3か月超(中長期在留者)なら原則加入です。海外からの転入者は転入日から加入になります。
Q14. 隣の蕨市・川口市・さいたま市と比べると、戸田市はどのくらい安いですか?
A. 同じ世帯で比べると、隣接3市より年2.6万〜11.4万円安くなります(本記事の概算)。
当サイトの各市ページと同じ条件で計算しました。
40歳単身・給与収入300万円(基礎額159万円)——戸田市約23.5万円、蕨市約26.1万円、さいたま市約28.3万円、川口市約28.3万円。戸田市は蕨市より約2.6万円、川口市・さいたま市より約4.8万円安い。
40歳夫婦+子2人・所得300万円——戸田市約46.3万円、蕨市約53.4万円、さいたま市約57.3万円、川口市約57.8万円。人数が多いほど差が開き、川口市とは約11.4万円の差です。
差の源は均等割。1人あたり(40〜64歳)で戸田市55,560円に対し、蕨市71,800円・さいたま市76,000円・川口市78,500円です。
ただしこの差は準統一で縮む方向にあります。埼玉県の目標は令和12年度に「県内のどこに住んでいても、同じ世帯構成・所得であれば同じ保険税」。戸田市が安い期間は、長くても令和11年度までと見ておくのが現実的です。
Q15. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得者軽減(7割・5割・2割)
(申請不要/要・所得申告)・未就学児の均等割5割軽減
(申請不要)・旧被扶養者の減免
(要申請)・産前産後期間の軽減
(要届出)・国民健康保険税の減免
(要申請)・非自発的失業者の軽減
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q16. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に戸田市 保険年金課 国保賦課担当(048-441-1800・内線247/266)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|戸田市の国保で押さえるべきポイント
- 戸田市は2方式(所得割+均等割)。令和8年度の料率は医療分8.00%・後期支援分1.60%・介護分1.42%・子ども分0.27%
- 均等割は医療分31,800円・後期支援9,500円・介護12,500円・子ども1,760円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 令和8年度は子ども分の新設と医療分限度額(66→67万円)以外は据え置き。所得割・均等割は令和5年度から変わっていません
- 所得割11.29%・均等割55,560円は、当サイトで集計した埼玉県内18市で最も低い。固定部分は270市中4番目に低い
- 埼玉県が示す令和8年度の標準税率は3区分合計14.07%・88,080円。現行との差は3.05ポイント・34,280円で、差の大半は均等割
- 運営協議会は令和8年4月17日に「令和9年度から標準税率どおりに改正することはやむを得ない」と答申。令和9年度の標準税率は11月ごろ県から示される見込み
- 1人当たり医療費は県内63市町村中62位と低いのに、所得が高いため標準税率が高くなる——答申が書いた戸田市特有の事情
- 法定外繰入は令和6年度に3.05億円。平成28年度の19.98億円からは大きく減ったが、赤字補填は続いている
- 令和8年4月から口座振替が原則。申込みは振替日の前月末まで
- 要申請の軽減・減免はすべて「5年」までさかのぼれる。旧被扶養者の減免は子ども分も対象
- 市の概算早見表は48マス全部を検算して一致(区分ごとに100円未満切り捨て)。ただし低所得者軽減は反映されていない
- 隣接3市(蕨・川口・さいたま)より年2.6万〜11.4万円安い(本記事の同条件試算)。差の源は均等割
- 後期分の所得割1.6%は標準税率3.01%の約半分。所得800万〜1,600万円の層は、準統一で後期分が大きく動く
- 失業軽減は、国保を抜けて戻っても期間内なら継続。手書き(仮)の受給資格者証では申請できない
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年22万9千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は戸田市 保険年金課 国保賦課担当(048-441-1800・内線247/266)
出典・参考:
・戸田市公式:国民健康保険税(令和8年度の算定方法・納期限)
・戸田市公式:国民健康保険税水準の統一について(現行税率と標準税率・法定外繰入の推移)
・戸田市公式:戸田市国民健康保険運営協議会から答申書が提出されました
・戸田市公式:国民健康保険税の軽減・減免
・戸田市公式:令和8年度国民健康保険税の改正について
・戸田市公式:国民健康保険税の試算について(試算シート・概算早見表)
・戸田市公式:国民健康保険税の口座振替の原則化について
・戸田市公式:令和8年度国民健康保険税納税通知書を発送しました(納期限)
・戸田市公式:国民健康保険税の産前産後期間にかかる軽減について
・戸田市公式:国民健康保険の加入と脱退等
・戸田市公式:情報誌『国保のこれから』
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は戸田市公式サイトでご確認ください。