
備前市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
備前市は岡山県の東南端、兵庫県赤穂市と接する人口約3万人の市です。備前焼の伊部、耐火れんがの三石、牡蠣の日生と、旧町ごとに地場産業の顔がはっきり違うまちでもあります。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく備前市の国民健康保険税(国保税)の計算方法、軽減・減免、会社都合退職の特例軽減、納期と納付方法、そして本庁と3つの総合支所の窓口までまとめました。
備前市の令和8年度でいちばん大事なのは「医療保険分・後期高齢者医療支援分・介護保険分の税率が、少なくとも令和4年度から1円も1厘も変わっていない」ことです。所得割8.4%・2.5%・1.9%、均等割28,000円・8,500円・8,400円、平等割19,900円・6,100円・4,200円——令和4年7月時点の市のページと令和8年度のページで、この9つの数字は完全に同じです。令和8年度に変わったのは、子ども・子育て支援分(所得割0.31%・均等割1,200円・平等割700円)の新設と賦課限度額だけ。値上げのニュースが続く県内外の市と比べると、備前市は「据え置きを続けている側」の市です。
もうひとつ、備前市の税務課ページには非自発的失業の軽減期間を「離職日が1日違うだけで1年変わる」例がそのまま載っています。3月30日に辞めるか3月31日に辞めるかで、軽減の終わりが1年度ずれる——この記事ではその読み方と、実際にいくら違うのかも試算します。
1. 備前市の国民健康保険の概要
備前市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
備前市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。
備前市は「保険料」ではなく「保険税」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。資産割はありません。医療保険分・後期高齢者医療支援分・介護保険分・子ども・子育て支援分の4区分すべてに平等割があり、合計は1世帯あたり年30,900円(19,900+6,100+4,200+700)です。
納税義務者は世帯主です。市は「世帯主が国保に加入していなくても、その世帯に被保険者がいれば世帯主(擬制世帯主)に課税されます」と明記しています。会社員の夫が世帯主で、妻だけが国保に入っている——という世帯では、納税通知書は夫の名前で届きます。市のQ&Aは「国保税の計算は、実際加入している人の分だけで世帯主を除いて計算してあります。ただし、軽減判定所得には世帯主の所得も含まれます」と説明しています。
賦課期日は4月1日。年度途中で国保に入った人は資格を取得した月から、抜けた人は喪失した月の前月までの月割りです。
窓口が2つに分かれている点も最初に押さえておきましょう。税額・軽減判定・納付は税務課 市民税係(0869-64-1815)、加入・脱退・資格確認書・給付・非自発的失業の軽減の申し出はこども・保健課 保険医療係(0869-64-1819)です。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 平等割(1世帯年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療保険分 | 8.40% | 28,000円 | 19,900円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.50% | 8,500円 | 6,100円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 1.90% | 8,400円 | 4,200円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.31% | 1,200円 (市の表では子ども・子育て支援分の均等割1,200円に「※18歳未満被保険者は均等割が減額されます」と注記されています。備前市は子ども・子育て支援分にも平等割700円を置いています) | 700円 | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療保険分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 市の表では子ども・子育て支援分の均等割1,200円に「※18歳未満被保険者は均等割が減額されます」と注記されています。備前市は子ども・子育て支援分にも平等割700円を置いています。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は13.11%(医療保険分8.4%+後期高齢者医療支援分2.5%+介護保険分1.9%+子ども・子育て支援分0.31%/40〜64歳)。40歳未満・65歳以上なら11.21%です。
均等割の合計は1人46,100円(医療28,000+後期支援8,500+介護8,400+子ども1,200/40〜64歳)。40歳未満なら37,700円。
平等割は1世帯あたり年30,900円(医療19,900+後期支援6,100+介護4,200+子ども700)。介護保険分の4,200円は世帯に40〜64歳の加入者がいる場合だけかかります。
賦課限度額は医療保険分67万円・後期高齢者医療支援分26万円・介護保険分17万円・子ども・子育て支援分3万円で、合計113万円。医療分は令和8年度に67万円へ引き上げられた全国の主流の水準です。
課税標準額=前年所得 - 基礎控除43万円。市は「基礎控除額43万円(最高額)」と書いています。合計所得が2,400万円を超える高所得者は基礎控除が段階的に減るため「最高額」という表現になっています。
令和8年度の税率表(備前市公表)
| 区分 | 医療保険分 | 後期高齢者医療支援分 | 介護保険分 (40〜64歳) | 子ども・子育て支援分 |
|---|---|---|---|---|
| 所得割 | 課税標準額×8.4% | 課税標準額×2.5% | 課税標準額×1.9% | 課税標準額×0.31% |
| 均等割 (被保険者1人あたり) | 28,000円 | 8,500円 | 8,400円 | 1,200円 (18歳未満は減額) |
| 平等割 (1世帯あたり) | 19,900円 | 6,100円 | 4,200円 | 700円 |
| 限度額 | 67万円 | 26万円 | 17万円 | 3万円 |
医療・支援・介護の税率は「少なくとも令和4年度から据え置き」
備前市の税務課ページ(国民健康保険税について)は、URLを変えずに毎年上書きされています。インターネットアーカイブに残る令和4年7月と令和7年6月の保存版を、令和8年度の現行ページと並べると次のとおりです。
| 項目 | 令和4年7月の市ページ | 令和7年6月の市ページ | 令和8年度(現行) |
|---|---|---|---|
| 医療分 所得割/均等割/平等割 | 8.4%/28,000円/19,900円 | 8.4%/28,000円/19,900円 | 8.4%/28,000円/19,900円 |
| 後期支援分 所得割/均等割/平等割 | 2.5%/8,500円/6,100円 | 2.5%/8,500円/6,100円 | 2.5%/8,500円/6,100円 |
| 介護分 所得割/均等割/平等割 | 1.9%/8,400円/4,200円 | 1.9%/8,400円/4,200円 | 1.9%/8,400円/4,200円 |
| 子ども・子育て支援分 | (制度なし) | (制度なし) | 0.31%/1,200円/700円(新設) |
| 限度額(医療/支援/介護) | 65万/20万/17万円 | 65万/24万/17万円 | 67万/26万/17万円+子ども3万円 |
税率そのものは5年分の保存版すべてで同じです。動いているのは国の政令に合わせて上がる賦課限度額と、令和8年度に全国一斉に始まった子ども・子育て支援分だけ。
つまり備前市の加入者にとって、令和8年度の負担増の中身は「子ども・子育て支援分の上乗せ」だけです。どれくらい増えたかを試算すると——
・所得ゼロの単身:均等割1,200円+平等割700円=年1,900円増(7割軽減なら570円増)
・課税標準額159万円の40歳単身(年収300万円相当):159万×0.31%=4,929円+1,900円=年6,829円増
・課税標準額257万円の4人世帯(うち18歳以上2人):257万×0.31%=7,967円+1,200円×2人+700円=年11,067円増
なお令和7年6月の保存版は限度額が「医療65万・支援24万」のまま(令和6年度の国基準の数字)でした。ページの更新が年度の切り替えから遅れることがあるので、年度初めに市のページを見るときは「子ども・子育て支援分の列があるか」「限度額が67万円か」で令和8年度版かどうかを確かめると確実です。
非自発的失業の軽減——「3月30日離職」と「3月31日離職」で終わりが1年度ずれる
備前市の税務課ページは、非自発的失業の軽減期間を次の例で説明しています(例示は令和7年の日付のまま掲載されています)。
例)令和7年3月30日離職(令和7年3月31日から国保)→令和7年度末まで
令和7年3月31日離職(令和7年4月1日から国保)→令和8年度末まで
ルールは「離職日の翌日の属する月から翌年度末まで」。3月30日に辞めると翌日の3月31日はまだ前の年度なので、「翌年度末」は1年後の3月。3月31日に辞めると翌日の4月1日は新しい年度なので、「翌年度末」は2年後の3月になります。
軽減の対象期間でいうと、3月30日離職は3月分〜翌年度末の13か月、3月31日離職は4月分〜翌々年3月分の24か月。1日で11か月の差です。
| 離職日 | 国保の資格取得 | 軽減の対象期間 | 月数 |
|---|---|---|---|
| 令和7年3月30日 | 3月31日 | 令和7年3月分〜令和7年度末(令和8年3月分) | 13か月 |
| 令和7年3月31日 | 4月1日 | 令和7年4月分〜令和8年度末(令和9年3月分) | 24か月 |
ただし「11か月長い=11か月分の大きな減額」とは限りません。ここは誤解しやすいので、きちんと分けて考えます。
軽減は「前年の給与所得を100分の30とみなす」しくみです。3月31日離職の人が得をする2年目(令和8年度)は、令和7年中の給与所得——つまり1〜3月に受け取った給与だけ——が計算のもとになります。
たとえば年収400万円ペースで働いていた40代単身が1〜3月に100万円を受け取って3月31日に離職し、令和8年度も国保に入っているケース。給与所得は45万円です。軽減なしなら所得割がほとんどかからず5割軽減がつくので年約4.1万円、軽減ありなら給与所得13.5万円とみなされて7割軽減に下がり年23,100円。差は約1.8万円です。
一方、3月30日離職の人は、3月分の1か月(前年度分・前々年の所得がベース)に軽減が効きます。給与収入400万円なら1か月あたり2万円強の減額です。
期間の差ほど金額の差は大きくない——が、2年目も国保に残る人・1〜3月の給与が多い人ほど3月31日離職の価値は上がります。退職日を調整できる立場なら、市の例示をこう読んでおくと判断材料になります。
備前市のページにはもう一つ、実務的に大事な一文があります。「国民健康保険加入中は、途中で就職しても引き続き対象となるが、社会保険に加入するなど、国民健康保険を脱退すると軽減期間は終了」。
パートや個人事業で再就職して国保に残っている間は、軽減が続きます。一方で社保に入った時点で終わり、そのあと社保を抜けて国保に戻っても軽減は復活しません。「再就職したから軽減は終わった」と思い込んで、次年度の申告時に確認を怠るケースがあるので注意してください。
軽減判定の細かいルールを、備前市はQ&Aで全部書いている
7割・5割・2割軽減は申請不要ですが、判定に使う所得の数え方には細則があります。備前市の「令和8年度 国民健康保険税Q&A」は、それを箇条書きで列挙しています。
- 未申告者など所得が不明な世帯は軽減が受けられません。
- 世帯主(国保に加入していない世帯主を含む)と被保険者、特定同一世帯所属者の前年中の総所得金額等の合計で判定します。
- 1月1日に65歳以上の方は、公的年金所得から15万円を控除した金額で判定します。
- 土地、家屋などの譲渡所得については特別控除を差し引く前の金額で判定します。
- 青色専従者給与額や事業専従者控除額は事業主の所得とし、専従者への給与はないものとして判定します。
- 賦課期日(令和8年4月1日、年度途中の加入は加入日、世帯主変更は変更日)の状況で判定し、賦課期日以降に世帯員の人数が増減しても再判定はおこないません。
読み手にとって効いてくるのは3点です。
①家を売った年の翌年は要注意。居住用財産の3,000万円特別控除などで所得税がかからなくても、軽減判定では控除前の譲渡益がまるごと所得に入るため、7割・5割・2割軽減から外れることがあります。
②家族経営の自営業(備前焼の窯元、日生の漁業、商店など)は、配偶者や子に払った専従者給与が事業主の所得に戻して判定されます。所得税の申告上は所得が分散していても、軽減判定では合算です。
③年度途中に子どもが生まれても、軽減の再判定はありません。4月1日時点で5割軽減の境目ぎりぎりだった世帯に子どもが生まれても、その年度中に軽減が上がることはない、ということです(生まれた子の均等割は未就学児の5割軽減で半分になります)。
「給与所得者等」の定義は給与収入55万円超、公的年金等の収入が65歳未満で60万円超・65歳以上で125万円超と市は書いています。
他市と比べた備前市の位置づけ
本サイトがこれまでに令和8年度の料率を市の公式ページで確認した270市(備前市を含む)で集計すると、備前市の所得割13.11%は高い方から123位で、中央値13.01%とほぼ同じ水準です。一方、均等割46,100円は高い方から213位(中央値53,920円)、平等割30,900円は161位(中央値33,600円)。均等割と平等割を足した「単身40〜64歳の固定部分」77,000円は270市中207位(中央値84,873円)で、所得割は平均並み・人数や世帯にかかる定額部分は安めという型です。
岡山県内で確認済みの4市を並べると、固定部分は岡山市84,600円>倉敷市81,510円>備前市77,000円>新見市73,636円、所得割は岡山市13.99%>備前市13.11%>新見市12.87%>倉敷市12.80%。備前市は所得割が県内2番目に高く、固定部分は3番目という位置です。所得の少ない世帯ほど岡山市・倉敷市より軽く、所得が上がるにつれて差が縮む設計といえます。
世帯のかたち別・令和8年度の年税額(本記事の試算)
備前市の税率で、よくある世帯を試算しました。いずれも軽減判定は前年所得のとおり、所得割は区分ごとに計算して合算しています(100円未満の端数処理は省略)。
| 世帯 | 前提 | 年税額 | 月あたり |
|---|---|---|---|
| 25歳単身 | 給与収入200万円(給与所得132万円)、軽減なし | 約16.4万円 | 約1.4万円 |
| 35歳単身フリーランス | 事業所得400万円、軽減なし | 約46.5万円 | 約3.9万円 |
| 67歳夫婦(年金のみ) | 夫の年金収入200万円・妻80万円、5割軽減 | 約10.4万円 | 約0.9万円 |
| 45歳夫婦+高校生1人 | 世帯の所得500万円(すべて夫)、軽減なし | 約75.9万円 | 約6.3万円 |
| 40〜64歳単身・所得ゼロ | 申告済み、7割軽減 | 23,100円 | 約1,900円 |
67歳夫婦の例は、夫の公的年金所得90万円(200万-110万)から判定用にさらに15万円を引いた75万円で軽減判定され、2人世帯の5割軽減基準105万円(43万+31万×2人)を下回ります。所得割は90万円(15万円控除前)から計算されるので、判定と計算で所得の数え方が違う点に注意してください。
高校生のいる世帯では、子の分の均等割は医療・後期支援とも満額(未就学児の5割減額は小学校入学前まで)で、子ども・子育て支援分の均等割だけが減額されます。
限度額に届くのはどのあたりか——40〜64歳単身なら、医療保険分が67万円に達するのは総所得金額等がおよそ784万円のときです((67万-28,000-19,900)÷8.4%+43万円)。これを超える所得の方は、医療分については所得が増えても税額が増えません。
自営業・一次産業の世帯が押さえておきたいこと
備前市は、備前焼の窯元や工房、日生の漁業・牡蠣養殖、三石の耐火物関連など、家族で営む事業の多いまちです。こうした世帯の国保税で差がつくのは次の3点です。
①所得割は「前年所得」で決まる。不漁や売上減の年があっても、国保税が下がるのは翌年度です。売上が急に落ちた年度に前年の好調な所得で課税されて苦しいときは、条例第25条の減免に当たるかどうかを税務課に相談してください(市は事由の一覧を公開していないので、相談が出発点になります)。
②青色申告の控除は所得割を下げるが、専従者給与は軽減判定では戻される。青色申告特別控除や専従者給与で事業所得を下げれば、所得割の計算ベースは小さくなります。一方で7割・5割・2割軽減の判定では、市のQ&Aのとおり専従者給与は事業主の所得に戻して数えます。
③申告は国保の前提。赤字の年や所得ゼロの家族がいる年も、5月31日までに申告しておかないと軽減判定が回りません。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 215,880円 + 均等割 98,000円 + 平等割 19,900円 ⇒ 333,780円
- 後期支援分: 所得割 64,250円 + 均等割 29,750円 + 平等割 6,100円 ⇒ 100,100円
- 介護分: 所得割 48,830円 + 均等割 16,800円 + 平等割 4,200円 ⇒ 69,830円
- 子ども分: 所得割 7,967円 + 均等割 2,400円 + 平等割 700円 ⇒ 11,067円
合計: 年間 約514,777円(月あたり約42,900円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 133,560円 + 均等割 28,000円 + 平等割 19,900円 ⇒ 181,460円
- 後期支援分: 所得割 39,750円 + 均等割 8,500円 + 平等割 6,100円 ⇒ 54,350円
- 介護分: 所得割 30,210円 + 均等割 8,400円 + 平等割 4,200円 ⇒ 42,810円
- 子ども分: 所得割 4,929円 + 均等割 1,200円 + 平等割 700円 ⇒ 6,829円
合計: 年間 約285,449円(月あたり約23,800円)
単身世帯でも平等割が合計で年30,900円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 243,620円 / 後期支援分 72,850円 / 介護分 56,870円 / 子ども分 9,123円 ⇒ 合計 約382,463円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 71,752円 / 後期支援分 21,630円 / 介護分 17,642円 / 子ども分 2,754円 ⇒ 合計 約113,778円
差額は年間およそ26万9千円。届出書1枚でこれだけ違います。備前市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は備前市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療保険分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 備前市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、市の表では子ども・子育て支援分の均等割1,200円に「※18歳未満被保険者は均等割が減額されます」と注記されています。備前市は子ども・子育て支援分にも平等割700円を置いています。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: こども・保健課 保険医療係(0869-64-1819)または各総合支所(日生・吉永・三石)
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
備前市の対象者は「解雇及び労働契約が更新されず失業した65歳未満の人(雇用保険受給資格者証の離職理由コードが11・12・21・22・23・31・32・33・34のいずれか)」です。市のQ&Aは特定受給資格者=11・12・21・22・31・32、特定理由離職者=23・33・34と分けて書いています。
必要なものは雇用保険受給資格者証(職業安定所で交付)と本人確認書類。申し出先はこども・保健課 保険医療係または各総合支所です。国保税を計算する税務課ではなく、保険医療係が受付窓口になっている点に注意してください。
効果を試算します。給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身なら、課税標準額は276万-43万=233万円。所得割は233万×13.11%=305,463円、均等割46,100円と平等割30,900円を足して年約38.2万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円、課税標準額は39.8万円まで下がって所得割は約5.2万円。さらに82.8万円で軽減判定も行われるので、単身の2割軽減基準100万円を下回り均等割・平等割77,000円が61,600円に。合計約11.4万円、差はおよそ26.9万円です。
備前市の特徴は2つ。①離職日によって軽減の終わりが1年度ずれる例を市が明示している(3月30日離職→その年度末まで、3月31日離職→翌年度末まで)。②国保加入中は途中で就職しても軽減が続き、社保加入などで国保を抜けると終わると明記している。
離職票だけでは手続きできません。まずハローワークで求職の申込みをして受給資格の決定を受け、受給資格者証を受け取ってから窓口へ。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 備前市の減免制度|要申請
備前市の低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の均等割2分の1減額、後期高齢者医療制度への移行に伴う措置は申請不要です(所得の申告が前提)。非自発的失業の軽減、旧被扶養者の減免、条例による減免は申請が必要です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 低所得世帯の軽減 (申請不要/要・所得申告) | 世帯主(国保未加入を含む)と被保険者・特定同一世帯所属者の総所得金額等の合計が、43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割/+31万円×人数以下=5割/+57万円×人数以下=2割 | 均等割と平等割を軽減。40〜64歳単身なら77,000円→7割軽減で23,100円 |
| 未就学児の均等割減額 (申請不要) | 国保に加入する未就学児(6歳に達する日以後の最初の3月31日まで)。令和8年度は令和2年4月以降に生まれた子 | 均等割の2分の1を減額。低所得軽減が先にかかっている場合は軽減後の均等割をさらに2分の1 |
| 18歳未満の子ども・子育て支援分 (申請不要) | 18歳未満の被保険者 | 市の表記は「18歳未満被保険者は均等割が減額されます」。子ども分の平等割700円は世帯にかかります |
| 非自発的失業者の軽減 (要申請) | 離職日に65歳未満、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者(離職理由コード11・12・21・22・23・31・32・33・34) | 給与所得を30/100として計算。離職日の翌日の属する月から翌年度末まで。国保加入中は再就職しても継続。保険医療係か各総合支所へ |
| 後期高齢者医療への移行に伴う平等割の軽減 (申請不要) | 国保から後期高齢者医療制度へ移行して、国保加入者が1人になった世帯 | 医療分と後期支援分の平等割が5年間は半額、6年目から8年目までは4分の1を減額。軽減判定には移行した人も含める |
| 旧被扶養者の減免 (要申請) | 75歳以上の方が社会保険から後期高齢者医療制度に移行し、その被扶養者だった65〜74歳の方が国保に加入したとき | 所得割なし、均等割が半額(2年間)。旧被扶養者のみの世帯は平等割も半額(2年間) |
| 条例による減免 (要申請) | 備前市国民健康保険税条例第25条第1項の各号のいずれかに該当し、市が必要と認める場合 | 申請により減免。事由の詳細は市のページに一覧がないため税務課 市民税係(0869-64-1815)に相談 |
備前市の軽減で効き目が大きいのは、4区分すべてに平等割があり、合計30,900円が低所得軽減の対象になる点です。40〜64歳単身世帯で見ると——均等割46,100円+平等割30,900円=77,000円。
7割軽減:77,000円 → 23,100円(53,900円の減)
5割軽減:77,000円 → 38,500円
2割軽減:77,000円 → 61,600円
市のQ&Aは「未申告者など所得が不明な世帯は軽減が受けられません」と書き、申告期限を毎年5月31日までとしています。所得税・市県民税の申告をした人、給与支払報告書が会社から出ている人は不要ですが、無収入の人・遺族年金や障害年金だけの人は自分で申告しないと軽減が回りません。Q&Aも「令和7年中に課税対象となる所得(障害年金や遺族年金、失業給付等を除く)がない場合は、住民税申告をすることで国保の軽減が受けられる場合があります」としています。
後期高齢者医療への移行では、医療分19,900円+後期支援分6,100円=26,000円が対象です。最初の5年間は13,000円に、6〜8年目は4分の1減額で19,500円。介護分4,200円と子ども分700円の平等割は対象外です。
旧被扶養者の減免は、税務課ページが「※65歳~74歳方のみ」と年齢を書いている点が親切です。所得割がかからないので年金収入のある方には効果が大きく、均等割・平等割の半額は2年間で終わります。
条例第25条の減免について、備前市のページは「各号のいずれかに該当する人のうち、市において必要があると認める場合は、申請により減免」とだけ書いており、具体的な事由(災害・所得の激減など)や減免割合の一覧は公開していません。多くの市では災害・失業・事業の休廃止などが各号に並びます。該当しそうな事情があれば、納期限の前に税務課へ相談してください。
医療費の窓口負担が払えないときの制度もあります。備前市は一部負担金の減免・徴収猶予(災害や失業など特別な理由で生活が困難な場合)と、高額療養費の無利子貸付(高額療養費の支給見込額を貸し付け。国保税の滞納がない世帯に限る)を設けています。限度額適用認定証も国保税の滞納があると利用できない場合があると市は書いており、滞納は医療の場面でも不利に働きます。払えないときは早めに税務課の収納推進係へ。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(中国銀行・備前日生信用金庫・晴れの国岡山農協・トマト銀行・中国労働金庫・三井住友銀行・ゆうちょ銀行)
- 納付書払い(上記金融機関、中国地方5県のゆうちょ銀行・郵便局、市役所本庁・日生/吉永/三石総合支所・紅葉会館・三国出張所)
- コンビニ納付(バーコード付き納付書。納期限後は不可)
- スマホ決済(PayPay 請求書払い・LINE Pay 請求書支払い・PayB・支払秘書。1枚30万円超の納付書は不可)
- 特別徴収(年金天引き/65〜74歳のみの世帯で条件を満たす場合)
備前市の普通徴収は7月から翌年2月までの8期、納期限は毎月末(12月のみ25日)です。令和8年度の市の納期表では、10月分(4期)が11月2日、1月分(7期)が2月1日、2月分(8期)が3月1日と、月末が土日に当たる月は翌開庁日にずれています。
| 期 | 1期 | 2期 | 3期 | 4期 | 5期 | 6期 | 7期 | 8期 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 納期限 | 7月31日 | 8月31日 | 9月30日 | 11月2日 | 11月30日 | 12月25日 | 2月1日 | 3月1日 |
市のQ&Aは「1年分(4月から翌年3月)の国保税を8回に分けて(7月から翌年2月)納めていただきます。そのため、1回の納付額と1ヶ月分の算出額は一致しません」と説明しています。1回あたりは年税額の8分の1で、12分の1より大きくなります。年度途中に加入した人は、決定通知書を送った時点の残りの納期で割るので、秋以降に加入するとさらに1回の額が大きくなります。
特別徴収(年金天引き)になるのは、65〜74歳の国保加入の世帯主(擬制世帯主は除く)で、次のすべてに該当する場合です。①世帯内の国保被保険者全員が65歳以上75歳未満 ②老齢・障がい・遺族年金の受給額が年18万円以上 ③介護保険料が特別徴収(年金天引き)の対象 ④介護保険料と国保税の合計が年金支給額の2分の1以下。
スマホ決済・地方税お支払サイトでは領収証書が出ません。納付後も領収印のない納付書が手元に残るので、市は「納付書の領収欄などに納付日を記入するなどしておいてください」と二重納付への注意を呼びかけています。口座振替の申し込みは、預金通帳と届出印を持って金融機関の窓口で『口座振替依頼書』に記入します(依頼書は備前市内の金融機関にのみ備え付け)。
75歳になる年度の注意も市のQ&Aにあります。5月〜7月に75歳になる方は、4月〜誕生日の前の月の分だけ国保税を納めます。7月に国保の納税通知書が届いても、市は「あらかじめ国保資格を喪失することを見込んで計算してあります。そのため、二重納付とはなりません」としています。
納期までに払えない事情があるときは、税務課の収納推進係が納税相談に応じています。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 備前市の国保窓口一覧
備前市の国保は2つの課で担当が分かれています。国保税の計算・軽減判定・納付は税務課 市民税係、加入・脱退・資格確認書・高額療養費などの給付・非自発的失業の軽減の申し出はこども・保健課 保険医療係(市役所1階)。本庁のほか日生・吉永・三石の3つの総合支所でも手続きできます。
| 窓口 | 所在地・電話 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 税務課 市民税係(本庁) | 備前市東片上126番地 0869-64-1815 | 国保税の賦課・計算、軽減判定、所得の申告、減免の相談、納税相談(収納推進係) |
| こども・保健課 保険医療係(本庁1階) | 備前市東片上126番地 0869-64-1819 | 加入・脱退、資格確認書・資格情報のお知らせ、非自発的失業の軽減の申し出、高額療養費、出産育児一時金、葬祭費、人間ドック |
| 日生総合支所 | 備前市日生町日生630番地 0869-72-1101(代表) | 加入・脱退、非自発的失業の軽減の申し出、給付申請、納付 |
| 吉永総合支所 | 備前市吉永町吉永中878番地 0869-84-2511(代表) | 加入・脱退、非自発的失業の軽減の申し出、給付申請、納付 |
| 三石総合支所 | 備前市三石1094番地 0869-62-0501(代表) | 加入・脱退、非自発的失業の軽減の申し出、給付申請、納付 |
開庁は平日 午前8時30分〜午後5時15分。市民課の休日開庁(直近の実施は令和7年3〜4月)は住所変更・マイナンバーカード・証明書のみで、国保の手続きは扱っていません。
令和8年8月24日から、国保の脱退手続きがオンライン(LoGoフォーム)でもできるようになりました。就職して社保に入ったときに窓口へ行かずに済みます。
令和8年8月1日から使う「資格確認書」または「資格情報のお知らせ」が7月中に全員へ送られています。古いものは自分で裁断して捨てるか、保険医療係・各支所へ持参すれば回収してもらえます。
高額療養費は対象世帯に申請書が送られてくる方式です(発送まで受診後数か月かかることがあります)。令和8年8月1日から自己負担限度額(月額)が変わったので、限度額区分はマイナポータルか窓口で確認を。電話では回答していません。
国保人間ドック(令和8年度・定員400名)は一般ドック6,800円・脳ドック8,200円(40歳未満は10,000円・11,400円)。令和8年9月1日時点で残り38名でした。国保税を滞納している世帯は対象外です。
別世帯の人に手続きを頼むときは委任状が必要です。外国人住民は在留カードを持参してください。
8. よくある質問(備前市の国保)
Q1. 備前市の国保税は令和8年度に値上がりしましたか?
A. 医療保険分・後期高齢者医療支援分・介護保険分の税率は据え置きです。増えたのは新設の子ども・子育て支援分だけです。
所得割8.4%・2.5%・1.9%、均等割28,000円・8,500円・8,400円、平等割19,900円・6,100円・4,200円は、令和4年7月時点の市のページと同じ数字です。令和8年度は全国共通で子ども・子育て支援分(備前市は所得割0.31%・均等割1,200円・平等割700円)が上乗せされました。
増え方は、所得ゼロの単身で年1,900円(7割軽減なら570円)、年収300万円の40歳単身で年6,829円、所得300万円の4人世帯(18歳以上2人)で年11,067円です。
賦課限度額も医療分67万円・後期支援分26万円・介護分17万円・子ども分3万円=113万円に上がっているので、高所得の世帯は限度額の引き上げ分も増えます。
Q2. 子ども・子育て支援分は、子どもの分もかかるのですか?
A. 18歳未満の均等割は減額されます。所得割と平等割700円は世帯としてかかります。
備前市の税率表は、子ども・子育て支援分の均等割1,200円に「※18歳未満被保険者は均等割が減額されます」と注記しています。国の制度では18歳到達年度末までの子の均等割が全額軽減され、その分を18歳以上の均等割に含めて集める仕組みです。
一方、平等割700円は世帯単位なので、子どもがいてもいなくてもかかります(7割・5割・2割軽減の対象にはなります)。所得割0.31%は所得のある人にかかるので、所得のない子どもには実質的に発生しません。
たとえば40歳夫婦+子ども2人・所得300万円の世帯なら、子ども・子育て支援分は所得割7,967円+均等割2,400円(大人2人分)+平等割700円=11,067円です。医療・後期支援・介護の3区分と比べると小さな額ですが、令和8年度に備前市の国保税が増えた理由はこの区分だけです。
Q3. 3月末で会社都合退職します。退職日は30日と31日でどちらが得ですか?
A. 非自発的失業の軽減期間だけで見れば、31日のほうが長くなります(13か月→24か月)。ただし金額の差は1〜3月の給与と2年目も国保にいるかで決まります。
備前市のページには「令和7年3月30日離職→令和7年度末まで」「令和7年3月31日離職→令和8年度末まで」という例がそのまま載っています。軽減期間は「離職日の翌日の属する月から翌年度末まで」なので、翌日が3月か4月かで年度が変わるためです。
とはいえ、31日離職で延びる2年目の軽減はその年1〜3月に受け取った給与が計算のもとです。1〜3月に給与100万円・2年目も国保の40代単身なら差は年約1.8万円。一方で30日離職なら3月分の1か月にも軽減が効きます(給与収入400万円なら月2万円強)。
さらに社会保険の資格は「退職日の翌日」に喪失するので、30日離職だと3月分は国保税、31日離職だと3月分は会社の健康保険料・厚生年金保険料(本人負担分)になります。国保税の軽減だけでなく、3月分の保険料・年金の扱いも含めて比べてください。いずれにしても軽減は申請しないと1円も適用されません。雇用保険受給資格者証を持って保険医療係か各総合支所へ。
Q4. 再就職したら非自発的失業の軽減は終わりますか?
A. 国保に入ったままなら続きます。社会保険に入って国保を抜けた時点で終わります。
備前市は「国民健康保険加入中は、途中で就職しても引き続き対象となるが、社会保険に加入するなど、国民健康保険を脱退すると軽減期間は終了」と明記しています。
週20時間未満のパート、業務委託、個人事業で働き始めて国保に残る場合は、翌年度末までの軽減がそのまま続きます。社保に加入したら脱退の届出を(令和8年8月24日からオンラインでも可)。いったん軽減期間が終わると、あとで国保に戻っても同じ離職での軽減は復活しません。
Q5. 世帯主の夫は会社の健康保険なのに、夫の名前で国保税の通知が来ました。
A. 備前市の国保税は世帯主に課税されるためです。夫の分の税額は入っていません。
市のQ&Aは「国保税の納税義務者は世帯主です。国保税は世帯単位で課税されるため、世帯主が国民健康保険に加入していなくとも世帯に国保の被保険者がいれば、世帯主のお名前で納税通知書をお送りします」と説明しています(擬制世帯主)。
計算は実際に国保に加入している人の分だけで、世帯主は除かれます。ただし7割・5割・2割軽減の判定には世帯主の所得も含まれるので、夫の給与が高いと妻や子の国保税が軽減されないことがあります。
また、擬制世帯主の世帯は年金天引き(特別徴収)の対象にならないので、口座振替か納付書払いになります。
Q6. 家を売った翌年、国保税の軽減がなくなりました。なぜですか?
A. 軽減判定では、土地・家屋の譲渡所得を特別控除の前の金額で数えるからです。
備前市のQ&Aは「土地、家屋などの譲渡所得については特別控除を差し引く前の金額で判定します」と明記しています。マイホームを売って3,000万円の特別控除で所得税がかからなかった場合でも、軽減判定では控除前の譲渡益がそのまま所得として合算されます。
結果として、年金暮らしで毎年7割軽減だった世帯が、売却の翌年度だけ軽減なしになる、ということが起きます。40〜64歳単身なら均等割・平等割だけで23,100円→77,000円と、5万円以上の差です。
売却の翌年度だけの一時的なものなので、翌々年度は元に戻ります。売却のタイミングを選べるなら、この影響も頭に入れておいてください。
Q7. 国保税を1回で払う額が思ったより高いのですが。
A. 1年分を7月〜翌年2月の8回で払うためです。1回の額は1か月分ではありません。
備前市の普通徴収は8期で、市のQ&Aは「1回の納付額と1ヶ月分の算出額は一致しません」と書いています。年税額が12万円なら1か月分は1万円ですが、1回の納付は1万5千円です。
年度の途中で加入した場合は、決定通知書を送った時点の残りの納期で割るので、たとえば10月に加入すると残り5回程度に分けることになり、1回あたりがさらに大きくなります。
令和8年度の納期限は7/31・8/31・9/30・11/2・11/30・12/25・2/1・3/1。払うのが難しいときは、滞納する前に税務課の収納推進係へ相談してください。
Q8. 夫が75歳になって後期高齢者医療に移りました。残った私の国保税はどうなりますか?
A. 国保加入者があなた1人になった場合、医療分と後期支援分の平等割が5年間は半額、6〜8年目は4分の1減額になります。申請は不要です。
備前市のQ&Aは「国民健康保険から後期高齢者医療制度に移行することにより国保加入者が1人となった場合は、医療分と後期支援分の『平等割』が5年間は半額、6年目から8年目までは4分の1が減額になります」と書いています。
対象は医療分19,900円+後期支援分6,100円=26,000円。最初の5年間は13,000円、6〜8年目は19,500円、9年目から26,000円に戻ります。介護分4,200円(65歳以上なら元々かかりません)と子ども分700円は対象外です。
あわせて7割・5割・2割軽減の判定には、後期高齢者医療に移った夫も人数・所得に含めます。市は「軽減が変わらず受けられるよう、後期高齢者医療制度に移行した人を含めて軽減判定をおこないます」としています。人数が減ったことで5割・2割の基準額が下がる、ということは起きません。
夫が会社の健康保険に入っていて、あなたがその被扶養者だった場合は別の制度(旧被扶養者の減免)で、所得割なし・均等割半額(2年間)です。こちらは申請が必要なので、保険医療係か税務課に確認してください。
Q9. 国保の人間ドックは備前市でも使えますか?
A. 使えます。令和8年度は定員400名で、令和8年9月1日時点の残りは38名でした。
対象は備前市国保の被保険者で昭和27年4月2日〜平成4年4月1日生まれの人。一般ドック(胃カメラまたは胃部X線)が6,800円、脳ドック(頭部MRI)が8,200円です(40歳未満は10,000円・11,400円)。実施期間は令和8年4月〜令和9年2月で、医療機関は市立備前病院・市立日生病院のほか、兵庫県の赤穂市民病院・赤穂中央病院も選べます。県境の市らしい選択肢です。
注意点は2つ。国保税を滞納している世帯は対象外、そして40歳以上は人間ドックが特定健診の代わりになるので、同じ年度に特定健診を別に受けないこと。申し込みは市役所・各総合支所の窓口のほか、電子申請(LoGoフォーム)でもできます。
Q10. 退職して国保に入ります。備前市で必要な書類は?
A. 健康保険資格喪失証明書(事業所独自の様式でも可)と本人確認書類です。退職日の翌日から14日以内に、保険医療係か各総合支所へ。
備前市の届出一覧では、職場の健康保険をやめたとき=健康保険資格喪失証明書・本人確認書類、家族の健康保険の被扶養者から外れたとき=被扶養者になれない証明書・本人確認書類となっています。資格喪失証明書の様式は市のページからダウンロードでき、会社独自の様式でも受け付けてもらえます。
本人確認書類はマイナンバーカード、運転免許証、運転経歴証明書、旅券、各種障害者手帳、在留カードなど。別世帯の人に頼むときは委任状が要ります。
市の一覧には、ほかに「修学のために他市町村に住むとき(在学証明書)」「出稼ぎや長期の旅行」「世帯分離や世帯合併」の届出も並んでいます。子どもが進学で市外に下宿する場合、在学証明書を出せば備前市の国保のままでいられます(マル学)。
会社都合の退職なら、加入と同時に非自発的失業の軽減も申し出ると二度手間になりません。雇用保険受給資格者証がまだ届いていなければ、受け取ってから改めて窓口へ。
Q11. 国保に入ってすぐ出産します。出産育児一時金は備前市から出ますか?
A. 原則は備前市国保から1人50万円です。ただし、退職前の健康保険に1年以上入っていて、退職後6か月以内の出産なら、前の健康保険から支給されます。
備前市は「職場の健康保険(社会保険、共済組合等)に1年以上加入した後に、退職し6ヶ月以内に出産される場合は、国保に加入する前の健康保険から出産育児一時金が支給されます」と注意書きをしています。どちらか一方からしか受け取れないので、該当する方は前の健康保険か勤めていた会社に確認を。
備前市国保から受け取る場合は直接支払制度が使えます。出産費用が50万円を下回ったときは申請すれば差額が世帯主の口座に振り込まれます(領収書・明細書、直接支払制度の合意文書、母子健康手帳などが必要)。妊娠12週以上の流産・死産も対象です。
あわせて産前産後期間の軽減(出産予定月の前月から4か月分の所得割・均等割)も使えます。生まれた子の加入届(母子健康手帳・本人確認書類)も14日以内に。
Q12. 年度の途中で就職して社保に入りました。国保税はいつの分まで払いますか?
A. 社保に入った日(国保の資格を喪失した日)の属する月の前月分までです。脱退の届出をすると税額が計算し直されます。
備前市は「年度の途中で国保資格を取得した人は取得した月から、国保資格を喪失した人は喪失した月の前月までで、それぞれ月割りで計算されます」としています。
たとえば10月1日に就職して社保に加入すると、国保の資格は10月1日に喪失し、国保税は9月分まで。9月30日加入でも喪失日は9月30日なので8月分までになります。社保の保険料はその月から発生するので、どちらの場合も二重払いにはなりません。
ただし脱退の届出をしないと国保税の請求は止まりません。国保と社保の両方を払い、あとで還付を受ける手間が生じます。備前市は令和8年8月24日から脱退手続きをオンライン(LoGoフォーム)でも受け付けています。窓口なら両方の保険証(資格確認書)と本人確認書類を持って保険医療係か各総合支所へ。
年額を8期で割っている関係で、脱退後に税額が減ると、残りの納期の額が減るか、納めすぎの分が還付されます。
Q13. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得世帯の軽減
(申請不要/要・所得申告)・未就学児の均等割減額
(申請不要)・18歳未満の子ども・子育て支援分
(申請不要)・非自発的失業者の軽減
(要申請)・後期高齢者医療への移行に伴う平等割の軽減
(申請不要)・旧被扶養者の減免
(要申請)・条例による減免
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q14. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に備前市役所 税務課 市民税係(国保税・0869-64-1815)/こども・保健課 保険医療係(加入・脱退・給付・0869-64-1819)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|備前市の国保で押さえるべきポイント
- 備前市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療保険分8.40%・後期支援分2.50%・介護分1.90%・子ども分0.31%
- 均等割は医療保険分28,000円・後期支援8,500円・介護8,400円・子ども1,200円、平等割は合計で年30,900円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 医療・後期支援・介護の税率は少なくとも令和4年度から据え置き(8.4%/2.5%/1.9%、28,000/8,500/8,400円、19,900/6,100/4,200円)。令和8年度の増加は子ども・子育て支援分(0.31%・1,200円・700円)の新設分だけ
- 所得割は合計13.11%(40〜64歳)、均等割は1人46,100円、平等割は4区分合計で1世帯30,900円、賦課限度額は113万円
- 270市の中で所得割は中央値並み(123位)、単身の固定部分77,000円は207位と安め。岡山県内では所得割が岡山市に次ぐ2番目
- 非自発的失業の軽減は「3月30日離職→その年度末まで」「3月31日離職→翌年度末まで」。国保加入中は再就職しても継続、社保に入ると終了
- 軽減判定は譲渡所得を特別控除前で、専従者給与は事業主の所得として数える。4月1日以降の人数の増減で再判定はしない
- 納期は7月〜翌年2月の8期(令和8年度は10月分が11/2、1月分が2/1、2月分が3/1)。税は税務課 0869-64-1815、加入・脱退は保険医療係 0869-64-1819
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年26万9千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は備前市役所 税務課 市民税係(国保税・0869-64-1815)/こども・保健課 保険医療係(加入・脱退・給付・0869-64-1819)
出典・参考:
・備前市公式:国民健康保険税について(税務課)
・備前市公式:令和8年度 国民健康保険税Q&A(Word)
・備前市公式:国民健康保険(こども・保健課 保険医療係)
・備前市公式:納税について(市税等の納期・納付場所)
・備前市公式:スマホ決済
・備前市公式:令和8年8月1日からの「資格確認書」・「資格情報のお知らせ」の送付について
・備前市公式:令和8年度 国保人間ドック
・Internet Archive:備前市「国民健康保険税について」令和4年7月5日保存版
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は備前市公式サイトでご確認ください。