深谷市の国民健康保険|令和8年度の保険税・減免・申請窓口を完全ガイド
深谷市は人口約14万人、埼玉県の北部にある市です。「深谷ねぎ」の産地として全国に知られ、渋沢栄一の生誕地、東京駅を模した赤レンガ調の深谷駅でも有名です。2006年に旧深谷市・岡部町・川本町・花園町が合併してできた市で、いまも岡部・川本・花園の3つに総合支所があります。
この記事でまず伝えたいのは、令和8年度に深谷市の国保税が「4方式」から「2方式」へ大きく作り替えられたことです。令和7年度までの深谷市は、所得割・資産割(9.0%)・均等割・平等割(4,500円)の4つで医療給付費分を計算していました。令和8年度は資産割と平等割を廃止し、所得割と均等割だけの2方式になりました。県内40市のうち、令和7年度に資産割を残していたのは本庄・朝霞・秩父・狭山・蕨・深谷の6市だけ。深谷市はそのひとつを卒業したことになります。
ただし、方式が変わっても負担が軽くなったわけではありません。令和8年度の税率は医療給付費分7.3%・44,500円、後期高齢者支援金等分2.75%・16,500円、介護納付金分2.35%・17,000円。新設の子ども・子育て支援納付金分0.26%・1,558円(18歳以上は+121円)を足すと、所得割12.66%・均等割79,679円(40〜64歳・18歳以上)です。令和7年度は所得割11.90%・均等割65,000円・平等割4,500円でしたから、均等割の合計は+14,679円(+22.6%)。とくに医療分の均等割は33,000円→44,500円(+11,500円、+34.8%)と大きく動きました。
この記事の目玉は、深谷市が国保運営協議会(令和8年1月15日)で公表した資料です。市は税率改定案のほかに、「モデルケース5例」の年税額(令和7年度と令和8年度の比較)と、「増額になる世帯は約95%(17,711世帯)、1世帯あたり平均+14,427円」という影響見込みを出しています。資産割も平等割もなくなったのに、5つのモデルケースすべてで負担が増える——その中身を、この記事で数字ごと並べました。
もうひとつ、深谷市は令和8年4月から「年金天引きの場合を除き、原則として口座振替」での納付をお願いする要綱を定めました。人間ドック・脳ドックの助成は上限30,000円、しかも30〜39歳から使えるのが特徴です。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく深谷市の国保税の計算方法、令和7年度からの変化、県の標準税率との差、令和9年度の「準統一」、軽減制度、失業したときの軽減、そして本庁と総合支所の使い分けまで、市の公表資料をもとにまとめました。
1. 深谷市の国民健康保険の概要
深谷市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
深谷市の保険税は2方式(所得割+均等割)で計算します。世帯単位でかかる平等割はありません。単身世帯にとっては比較的有利な設計です。
深谷市の国保は「保険税」ではなく「保険税」方式です。納税義務者は世帯主で、市は「世帯主が国保の加入者であるなしにかかわらず」納税義務者になると説明しています(地方税法第703条の4・深谷市国民健康保険税条例第1条)。社会保険などに入っていて国保に入っていない世帯主は「擬制世帯主」と呼ばれ、税額は国保に入っている人の分だけですが、低所得の軽減判定には擬制世帯主の所得も含まれます。
令和8年度の合計は、所得割12.66%・均等割79,679円・賦課限度額112万円(40〜64歳・18歳以上)。40歳未満と65歳以上(介護分がかからない方)なら所得割10.31%・均等割62,679円です。18歳未満の子どもは、子ども分の均等割が10割軽減されるので均等割61,000円(医療分44,500円+支援分16,500円)になります。
令和8年度の改定は、区分によって上げ下げが混在しています。市の公表資料から並べると——
医療給付費分:所得割6.80%→7.30%(+0.50pt)、均等割33,000円→44,500円(+11,500円)、資産割9.0%→廃止、平等割4,500円→廃止、限度額65万円→66万円。
後期高齢者支援金等分:所得割2.80%→2.75%(−0.05pt)、均等割16,000円→16,500円(+500円)、限度額24万円→26万円。
介護納付金分:所得割2.30%→2.35%(+0.05pt)、均等割16,000円→17,000円(+1,000円)、限度額は17万円のまま。
子ども・子育て支援納付金分:新設(所得割0.26%、均等割1,558円、18歳以上被保険者均等割121円、限度額3万円)。
見どころは、所得割を大きく上げたのは医療分だけで、支援分はわずかに下がり、介護分はほぼ横ばいという点です。そのぶん、負担増の主役は均等割でした。加えて、資産割(固定資産税額に9.0%)と平等割(1世帯4,500円)がなくなったことで、固定資産を持たない単身世帯は「平等割ぶん」の恩恵がある一方、均等割の上昇で相殺される形になっています。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険税の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|
| 医療給付費分 | 7.30% | 44,500円 | 660,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.75% | 16,500円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.35% | 17,000円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援納付金分 | 0.26% | 1,679円 (市の税率表は均等割1,558円+「18歳以上被保険者均等割」121円の2行。18歳未満の子どもは、この均等割が10割軽減されます。表の1,679円は18歳以上の1人あたり(1,558円+121円)) | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療給付費分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 市の税率表は均等割1,558円+「18歳以上被保険者均等割」121円の2行。18歳未満の子どもは、この均等割が10割軽減されます。表の1,679円は18歳以上の1人あたり(1,558円+121円)。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
賦課限度額は医療分66万円・後期分26万円・介護分17万円・子ども分3万円の合計112万円(令和7年度は106万円)。医療分は65万円→66万円、後期分は24万円→26万円に上がり、子ども分3万円が新たに加わりました。介護分は17万円のままです。市の見込みでは、限度額に届く世帯は医療分301世帯(前年より7世帯減)、支援分320世帯(46世帯減)、子ども分182世帯。限度額の引き上げによる調定額の増加は約1,373万円と市は見積もっています。
市の説明は「令和8年度までに赤字を解消し、令和9年度に県が示す市町村標準保険税率に合わせる」という埼玉県国保運営方針が出発点です。運営協議会の資料には、「令和5年度から急激な負担増に配慮し計画的かつ段階的に保険税率の見直しを行っている」と書かれています。令和8年度の改定は、その仕上げの1年にあたります。
深谷市の国保税率|令和7年度と令和8年度の比較(市の公表資料より)
| 区分 | 項目 | 令和7年度 | 令和8年度 | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 医療給付費分 | 所得割 | 6.80% | 7.30% | +0.50pt |
| 資産割 | 9.00% | 廃止 | ― | |
| 均等割 | 33,000円 | 44,500円 | +11,500円 | |
| 平等割 | 4,500円 | 廃止 | ― | |
| 後期高齢者支援金等分 | 所得割 | 2.80% | 2.75% | −0.05pt |
| 均等割 | 16,000円 | 16,500円 | +500円 | |
| 介護納付金分 | 所得割 | 2.30% | 2.35% | +0.05pt |
| 均等割 | 16,000円 | 17,000円 | +1,000円 | |
| 子ども・子育て支援納付金分 | 所得割 | ― | 0.26% | 新設 |
| 均等割 | ― | 1,558円 | 新設 | |
| 18歳以上被保険者均等割 | ― | 121円 | 新設 | |
| 合計 | 所得割 | 11.90% | 12.66% | +0.76pt |
| 均等割 | 65,000円 | 79,679円 | +14,679円 | |
| 資産割・平等割 | 9.00%・4,500円 | 廃止 | ― |
合計の欄は、40〜64歳の被保険者(介護分がかかる方)で、かつ18歳以上の場合の数字です。40歳未満・65歳以上の場合は、介護分を除いた所得割10.31%(令和7年度は9.60%)、均等割62,679円(令和7年度は49,000円+平等割4,500円)になります。
県の標準税率との差|令和9年度の「準統一」はどうなる?
深谷市が運営協議会に出した資料には、埼玉県が示した令和8年度の標準保険税率が並んでいます。令和9年度以降は、「県が示す市町村標準保険税率」に合わせる(課税限度額は賦課年度の法定限度額)というのが市の方針です。令和8年度の深谷市の税率と標準税率を並べると、次のとおりです。
| 区分 | 項目 | 令和8年度 標準税率 | 深谷市(令和8年度) | 差(標準−深谷) |
|---|---|---|---|---|
| 医療給付費分 | 所得割 | 7.62% | 7.30% | 0.32pt |
| 均等割 | 46,290円 | 44,500円 | 1,790円 | |
| 後期高齢者支援金等分 | 所得割 | 2.79% | 2.75% | 0.04pt |
| 均等割 | 16,864円 | 16,500円 | 364円 | |
| 介護納付金分 | 所得割 | 2.45% | 2.35% | 0.10pt |
| 均等割 | 17,398円 | 17,000円 | 398円 | |
| 子ども・子育て支援納付金分 | 所得割 | 0.26% | 0.26% | 0 |
| 均等割(18歳以上) | 1,679円 | 1,679円 | 0円 | |
| 合計 | 所得割 | 13.12% | 12.66% | 0.46pt |
| 均等割 | 82,231円 | 79,679円 | 2,552円 |
所得割の合計で0.46pt、均等割の合計で2,552円。子ども分はすでに標準と同じ水準です。差は残っているものの、令和7年度に比べれば標準税率にかなり近づいています。令和7年度時点の所得割の合計(11.90%)は、標準税率(13.12%)を1.22pt下回っていました。令和8年度の改定で、その差の半分以上(0.76pt)を埋めた計算です。
令和9年度の税額は、標準税率そのものに合わせるとすると、所得割で0.46pt、均等割で2,552円の上乗せが単純な目安になります。ただし標準税率は県が毎年示す数字で、令和9年度の数字はまだ確定していません。深谷市の令和9年度の税率は、令和9年の1月ごろに開かれる運営協議会の資料で分かる見込みです(市は「8月上旬と1月中旬を目途に年2回開催」と説明)。
市が公表した「モデルケース5例」|令和7年度→令和8年度の年税額
深谷市は令和8年1月15日の運営協議会で、世帯のタイプ別に令和7年度と令和8年度の年税額を比べたモデルケースを公表しました。資産割の有無も反映された数字です(ケース2〜5は固定資産10万円の世帯)。
| ケース | 世帯のタイプ | 市内の国保世帯に占める割合 | 令和7年度 | 令和8年度 | 差額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 73歳・単身、年金収入110万円(所得0円)、固定資産なし。7割軽減 | 約25% | 16,000円 | 18,700円 | +2,700円 |
| 2 | 2人世帯(66歳・年金約250万円+65歳・年金約80万円)、所得140万円。2割軽減 | 約20% | 184,000円 | 200,200円 | +16,200円 |
| 3 | 4人世帯(40歳・給与約300万円、子5歳・2歳ほか)、所得200万円。2割軽減+子の均等割半額軽減 | 約5% | 344,900円 | 377,400円 | +32,500円 |
| 4 | 4人世帯(40歳・給与約300万円、子7歳・13歳ほか)、所得200万円。2割軽減 | 約5% | 384,100円 | 426,200円 | +42,100円 |
| 5 | 4人世帯(50歳・給与約430万円、20歳・18歳ほか)、所得300万円。軽減なし | 約5% | 547,200円 | 609,800円 | +62,600円 |
この表から読み取れることを3つ。
- いちばん多い「所得ゼロの単身世帯」でも年+2,700円。7割軽減があっても、均等割の上昇分(医療分13,350円・支援分4,950円・子ども分504円、いずれも軽減後)がそのまま響きます。市の資料では、この世帯の年間の内訳は「均等割 合計18,804円(軽減後)」で、平等割1,350円が消えても差し引きは増額です。
- ケース3とケース4は、同じ所得200万円の4人世帯でも令和8年度の税額が48,800円違います(377,400円と426,200円)。ケース3は5歳・2歳の未就学児2人、ケース4は7歳・13歳の子ども2人で、未就学児の均等割5割軽減が効くかどうかで税額が変わります。子育て世帯の負担は「子どもの年齢」で大きく違います。
- ケース2〜5では、資産割がなくなっても増額。たとえばケース2は資産割9,000円が消えていますが、それを上回る所得割・均等割の増加で+16,200円になりました。固定資産を持っていれば「資産割ぶんが楽になる」とは限りません。
市が示した「影響見込み」|増額は約95%の世帯
同じ運営協議会の資料には、令和8年度の改定が全国保世帯(18,718世帯)に与える影響の見込みも載っています。
| 増減の幅 | 世帯数 | 全世帯に占める割合 |
|---|---|---|
| 減額 | 926世帯 | 4.95% |
| 変わらない(0円) | 21世帯 | 0.11% |
| 5,000円以下の増額 | 1,720世帯 | 9.19% |
| 10,000円以下の増額 | 4,662世帯 | 24.91% |
| 20,000円以下の増額 | 6,752世帯 | 36.07% |
| 30,000円以下の増額 | 2,599世帯 | 13.89% |
| 40,000円以下の増額 | 1,254世帯 | 6.70% |
| 50,000円以下の増額 | 429世帯 | 2.29% |
| 60,000円以下の増額 | 204世帯 | 1.09% |
| 70,000円以下の増額 | 109世帯 | 0.58% |
| 80,000円以下の増額 | 34世帯 | 0.18% |
| 90,000円以下の増額 | 7世帯 | 0.04% |
| 100,000円以下の増額 | 1世帯 | 0.01% |
- 増額になる世帯は17,711世帯(約95%)。1世帯あたりの平均影響額は+14,427円で、そのうち子ども分(新設)が約4,200円を占めます。
- 増額の幅は2万円以下が13,134世帯(全体の約70%)と最多。1万円以下の世帯は6,382世帯(約34%)です。
- 調定額(国保税の合計)は約33億2,838万円の見込みで、約2億7,005万円の増。そのうち子ども分は約7,405万円の増です。
- 減額になるのは926世帯(約5%)。資産割の負担が重かった世帯などが考えられますが、市の資料には理由の記載がありません。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 187,610円 + 均等割 155,750円 ⇒ 343,360円
- 後期支援分: 所得割 70,675円 + 均等割 57,750円 ⇒ 128,425円
- 介護分: 所得割 60,395円 + 均等割 34,000円 ⇒ 94,395円
- 子ども分: 所得割 6,682円 + 均等割 3,358円 ⇒ 10,040円
合計: 年間 約576,220円(月あたり約48,000円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 116,070円 + 均等割 44,500円 ⇒ 160,570円
- 後期支援分: 所得割 43,725円 + 均等割 16,500円 ⇒ 60,225円
- 介護分: 所得割 37,365円 + 均等割 17,000円 ⇒ 54,365円
- 子ども分: 所得割 4,134円 + 均等割 1,679円 ⇒ 5,813円
合計: 年間 約280,973円(月あたり約23,400円)
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 214,590円 / 後期支援分 80,575円 / 介護分 71,755円 / 子ども分 7,737円 ⇒ 合計 約374,657円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 64,654円 / 後期支援分 24,145円 / 介護分 22,953円 / 子ども分 2,378円 ⇒ 合計 約114,130円
差額は年間およそ26万1千円。届出書1枚でこれだけ違います。深谷市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は深谷市公式の保険税試算でご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険税の上限)
- 医療給付費分 660,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年112万円(1,120,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 深谷市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険税が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援納付金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援納付金分は、市の税率表は均等割1,558円+「18歳以上被保険者均等割」121円の2行。18歳未満の子どもは、この均等割が10割軽減されます。表の1,679円は18歳以上の1人あたり(1,558円+121円)。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険税軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 市役所の保険年金課、または各総合支所(岡部・川本・花園)の市民生活課
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
深谷市の失業軽減は、対象者の条件と離職理由コードを市が具体的に示しているのが特徴です。市の条件は3つ——①雇用保険受給資格者証を持っている(「特例受給資格者証」と「高年齢受給資格者証」は対象外)、②離職日時点で65歳未満、③受給資格者証の理由コードが11・12・21・22・31・32(特定受給資格者)または23・33・34(特定理由離職者)。
軽減期間は「離職日の翌日の属する月から、その月の属する年度の翌年度末まで」。軽減期間中に会社の社会保険に入るなどして国保を抜けると、そこで終了します。ただし期間中に再び離職して国保に入った場合は、残っている期間の軽減を受けられることがあると市は案内しています。
届出は保険年金課、または各総合支所の市民生活課。新たに国保に入る方は、健康保険資格喪失証明書もあわせて必要です。市のオンライン届出フォームでも、国保加入と同時に軽減の案内がされています。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険税軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 深谷市の減免制度|要申請
深谷市の低所得の軽減(7割・5割・2割)と未就学児の均等割5割軽減は申請不要ですが、国保に加入している16歳以上の全員が所得の申告をしていることが前提です。市は「所得のないかたも申告してください」「所得が不明な人(未申告者)がいる世帯には軽減はされません」と明記しています。軽減の判定には、国保から後期高齢者医療に移った「特定同一世帯所属者」の所得も含まれます。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 旧被扶養者の減免(75歳到達に伴う) | 社会保険の被保険者が75歳になって後期高齢者医療に移り、その被扶養者だった65〜74歳の方が国保に加入する場合 | 所得割額は全額減免。均等割額と18歳以上被保険者均等割額は半額減免(加入した月から2年を経過する月まで)。国保の加入届と同時に届出できます |
| 災害・所得皆無による減免 | 災害を受けた場合、または所得が皆無になって支払いが困難な場合 | 認められる場合があります。市の公表ページには減免の割合・期間の記載がなく、個別の相談になります。保険年金課へ |
| 介護適用除外施設の入所者 | 40歳以上65歳未満で、介護適用除外施設に入所している方 | 介護保険の被保険者ではなくなるため、届出により国保の介護納付金分が免除されます |
深谷市の減免で目立つのは、「旧被扶養者」の減免が、所得割を全額免除するという手厚さであることです。会社の健康保険の被扶養者だった65〜74歳の方は、被保険者本人が75歳になって後期高齢者医療に移ると被扶養者の資格を失い、国保に入ることになります。所得割ゼロ・均等割半額が最長2年続くので、対象になりそうな世帯は忘れずに届け出てください。国保加入の届出フォームからも、同時に届出できると市は案内しています。
また、令和8年度の改定で18歳未満の子どもは、子ども・子育て支援納付金分の均等割が10割軽減されています。これは申請不要です。
保険税が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(市が令和8年4月1日から「原則として口座振替」をお願いしている)
- 納付書による納付(口座振替によることができない場合も可能)
- 年金からの特別徴収(世帯主が国保加入者で、世帯の国保加入者全員が65〜74歳などの要件を満たす場合)
深谷市は令和8年4月1日に「国民健康保険税における口座振替の推進に係る取扱要綱」を定め、年金天引きの場合を除き、原則として口座振替による納付をお願いしています。根拠は「埼玉県国民健康保険運営方針(第3期)」の期限内納付の促進です。新たに加入する方や、いま納付書で納めている方が対象で、一度手続きすれば世帯の変更がない限り翌年度以降も自動で継続されます。ただし納期を過ぎた分は、口座振替の取扱いができません。口座振替によることができない場合は、納付書での納付も可能と市は説明しています。
年金からの特別徴収の対象は、次の要件をすべて満たす世帯主(擬制世帯主を除く)です。①世帯主が国保加入者、②世帯内の国保加入者が全員65〜74歳、③世帯主の介護保険料が特別徴収されている、④世帯主の年金が年額18万円以上、⑤特別徴収される介護保険料と国保税の合計が年金額の2分の1以下。年度の途中で75歳になる世帯主は、その年度は特別徴収になりません。
特別徴収の対象でも、「納付方法変更申出書」を出せば口座振替に切り替えられます(一定の条件あり、事前に相談)。切り替える前に知っておきたいのは社会保険税控除です。年金から特別徴収された国保税は、特別徴収された本人以外の方が控除として申告することができません。口座振替なら、支払った人が控除を受けられます。世帯で誰の所得から差し引くかを考えて選ぶ余地があります。
年の途中で税額が増えた場合、増額分は特別徴収できず、納付書または口座振替で納めます。減額になった場合は特別徴収を停止しますが、異動の時期によっては停止が間に合わず、いったん徴収されてから還付されることがあります。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保税の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 深谷市の国保窓口一覧
深谷市の国保は市役所 保険年金課が担当しています。所在地は深谷市仲町11-1(市役所1階・5番窓口)。手続きによっては岡部・川本・花園の各総合支所の市民生活課でも受け付けています。ただし手続きごとに窓口が違うので、次の表で確認してください。
| 窓口 | 場所・連絡先 | 国保で扱う主な業務・注意点 |
|---|---|---|
| 保険年金課(市役所1階・5番窓口) | 〒366-8501 深谷市仲町11-1 048-574-6641/FAX 048-579-6972 | 税額・軽減・減免の相談、加入・脱退の届出、失業軽減・産前産後軽減の届出、人間ドック等の助成申請、葬祭費・出産育児一時金など給付の申請。試算は電話でも受付(前年中の所得がわかるものを用意) |
| 各総合支所 市民生活課(岡部・川本・花園) | 岡部総合支所・川本総合支所・花園総合支所 | 加入・脱退の届出、非自発的失業の軽減届出、産前産後軽減の届出、人間ドック等の助成申請、葬祭費の申請などが可能。市役所まで行かなくても手続きできるのが強み |
| キララ行政サービスセンター・公民館など | ― | 産前産後の軽減届出は受け付けていません(市が明記)。国保の手続きは、保険年金課か総合支所へ |
| オンライン届出・電子申請 | 市公式サイトの各フォーム | 国保の加入・脱退、葬祭費、人間ドック等の助成、産前産後軽減(マイナアプリ)が電子申請可。転入・転出・生活保護の変更に伴う加入・脱退、届出者が別世帯の場合はオンライン不可 |
届出は事由が発生してから14日以内。職場の健康保険をやめたとき・加入したときの届出です。家族の社保の被扶養者になれる場合や、退職後に社保の任意継続を使う場合は、国保の手続きは不要と市は案内しています。同じ世帯に国民健康保険組合の加入者がいる場合は、国保には入れません。
オンライン届出は、加入の場合、本人確認書類と、加入する全員分の「社保の資格喪失日・退職日がわかる書類」を撮影またはスキャンして添付します。受付後、届出完了から1週間ほどで、世帯主宛に資格確認書または資格情報のお知らせが届きます(マイナ保険証をお持ちの方は資格情報のお知らせ)。脱退の場合、フォームでは同時に8名分までしかアップロードできません(9名以上は複数回に分ける)。
税額に変更があった場合、届出が完了した日の翌月に、世帯主宛に納税通知書が送られます。4月から6月に届出した方の通知は7月になる場合があります。
遡及賦課:国保に入る手続きが遅れると、資格を得た時点までさかのぼって納めることになります。過年度分は1回納付です。
8. よくある質問(深谷市の国保)
Q1. 深谷市の国保税は、令和9年度に上がりますか?
A. 上がる可能性は高いものの、確定していません。市の運営協議会資料は「令和9年度以降は埼玉県が示す市町村標準保険税率に合わせる」としています。令和8年度の標準税率は所得割の合計13.12%、均等割の合計82,231円。深谷市の令和8年度(12.66%・79,679円)との差は所得割0.46pt・均等割2,552円です。標準税率は毎年見直されるため、実際の数字は令和9年度の運営協議会(令和9年1月ごろ)で分かります。
Q2. 資産割と平等割がなくなったのに、なぜ税額が増えるのですか?
A. 所得割と均等割が上がった分が、廃止された分を上回るためです。市のモデルケースでは、資産割9,000円が消えるケース2でも年+16,200円、平等割4,500円が消えるケース1でも年+2,700円になっています。市全体では増額世帯が約95%(17,711世帯)、平均は年+14,427円の見込みです。
Q3. 深谷市の人間ドック・脳ドックの助成はいくらですか?条件は?
A. 上限30,000円(検査費用が30,000円に満たなければその金額まで)。30歳以上で申請できます。条件は、①申請日に国保被保険者で資格を取得してから1年を経過している、②納期限が到来した国保税を完納している世帯、③検査日にも国保の資格がある、④人間ドックの場合はその年度の特定健診を受けていない——の4つ。人間ドックか脳ドックのどちらか一方です。申請は令和9年1月29日まで、受検は令和9年2月28日までです。申請せずに受検すると助成されません。人間ドックの助成を受けたのに特定健診も受けた場合は、助成額(約30,000円)の返還が必要です。
Q4. 産前産後の保険税の軽減は、いくら・いつからいつまで?
A. 出産する被保険者の所得割額・均等割額・18歳以上被保険者均等割額の全額が、出産予定日(または出産日)が属する月の前月から4か月間(多胎妊娠は3か月前から6か月間)軽減されます。妊娠85日(4か月)以上の出産が対象で、死産・流産・早産・人工妊娠中絶も含みます。届出は出産予定日の6か月前から。窓口・郵送・マイナアプリの電子申請で届け出られますが、キララ行政サービスセンターや公民館では受け付けていません。
Q5. 出産育児一時金と葬祭費は、いくらもらえますか?
A. 出産育児一時金は50万円(産科医療補償制度の対象外は48万8千円)。医療機関への直接支払制度を使えば、窓口の支払いは出産費用から50万円を引いた額になります。費用が50万円に満たなかった場合は、市に差額を申請します。時効は出産の翌日から2年。葬祭費は5万円で、葬祭を行った方(葬祭執行人)に支給されます。こちらも葬儀の翌日から2年で時効。オンライン申請も可能です(公金受取口座の利用は窓口か郵送)。
Q6. 運営協議会って何ですか?誰でも傍聴できますか?
A. 国保運営協議会は、地方自治法にもとづく市の付属機関で、保険税の賦課方法や保健事業などを審議します。深谷市では委員は21人(被保険者代表6・医師や薬剤師の代表6・公益代表6・被用者保険等の代表3)で、任期は3年。原則として公開されており、会議の資料や議事録は市のサイトで見られます。令和7年度は、7月28日と令和8年1月15日の2回開かれました。
Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、旧被扶養者の減免(75歳到達に伴う)・災害・所得皆無による減免・介護適用除外施設の入所者などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に深谷市 保険年金課(048-574-6641)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険税もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|深谷市の国保で押さえるべきポイント
- 深谷市は2方式(所得割+均等割)。令和8年度の料率は医療給付費分7.30%・後期支援分2.75%・介護分2.35%・子ども分0.26%
- 均等割は医療給付費分44,500円・後期支援16,500円・介護17,000円・子ども1,679円。賦課限度額は世帯合計で年112万円
- 令和8年度に4方式(所得割・資産割・均等割・平等割)から2方式へ。資産割9.0%と平等割4,500円は廃止。ただし均等割の合計は65,000円→79,679円(+14,679円)
- 県の標準税率との差は、所得割0.46pt・均等割2,552円。令和9年度は標準税率に合わせる方針で、さらに上がる可能性
- 市の見込みでは、増額世帯は約95%(17,711世帯)、平均+14,427円。モデルケース5例はすべて増額(+2,700円〜+62,600円)
- 令和8年4月から原則「口座振替」。人間ドック・脳ドックは上限30,000円(国保税の完納が条件)
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年26万1千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は深谷市 保険年金課(048-574-6641)
出典・参考:
・深谷市公式:国民健康保険税(令和8年度の税率・軽減・減免・特別徴収)
・深谷市公式:令和7年度国民健康保険運営協議会議事録(第2回:税率改正案・モデルケース・県内市の税率状況)
・深谷市公式:国民健康保険税の納付は口座振替を
・深谷市公式:非自発的失業(離職)者のかたへ
・深谷市公式:産前産後期間相当分の国民健康保険税の軽減制度について
・深谷市公式:国民健康保険の加入・脱退手続き
・深谷市公式:人間ドック・脳ドック検査費用の一部助成
・深谷市公式:出産育児一時金/葬祭費について
・深谷市公式:国民健康保険運営協議会について
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は深谷市公式サイトでご確認ください。