ひたちなか市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
ひたちなか市は人口約15.5万人、茨城県の中央部にあり、国営ひたち海浜公園のネモフィラや ROCK IN JAPAN FESTIVAL、干し芋の産地として知られる市です。
この記事でまず伝えたいのは、ひたちなか市が「3か年計画」で国保税を段階的に引き上げている最中だということです。市は理由をきわめて率直に説明しています——「令和4年度の税率改正以降、基金を活用することで税率を据え置いたまま運営してきましたが、国保財政の悪化により、令和7年度に基金が枯渇する見通しとなりました」。
その結果、令和7年度から3か年で「1人当たり計27,000円増(年平均9,000円増)」という改正方針が立てられました。令和9年度の税率は令和8年度末に決定——来年もまた上がります。
もうひとつ、ひたちなか市には見逃せない独自制度があります。小・中・高校生世代の均等割を5割減免(市の独自支援)。未就学児は国の制度で5割軽減されるので、結果として18歳以下は全員が均等割5割という設計になっています。子ども1人あたり年30,050円が軽くなる計算です。
そして茨城県は令和4年度から県内全市町村の賦課方式が「2方式」に統一されています。ひたちなか市も所得割と均等割だけで、平等割(世帯にかかる固定費)はありません。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづくひたちなか市の国保税の計算方法、値上げの中身と今後の見通し(市は財務省の提言にまで言及しています)、市が公開している14種類のモデルケース、軽減・減免制度、窓口情報までまとめました。
1. ひたちなか市の国民健康保険の概要
ひたちなか市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
ひたちなか市の保険料は2方式(所得割+均等割)で計算します。世帯単位でかかる平等割はありません。単身世帯にとっては比較的有利な設計です。
ひたちなか市の国保は「保険料」ではなく「保険税」方式で、2方式(所得割+均等割)です。平等割も資産割もありません。
これは市の選択というより、県全体の方針です。市は「令和4年度から茨城県内全ての市町村の賦課方式が『2方式』に統一されました」と明記しています。当サイトで令和8年度の料率を調べた茨城県内6市(水戸市・つくば市・取手市・牛久市・小美玉市・ひたちなか市)は、すべて平等割なしでした。
令和8年度の合計は所得割12.32%・均等割77,600円・課税限度額113万円(40〜64歳・18歳以上)。平等割がないぶん均等割が高く設定されているのが2方式の特徴です。茨城県内ではひたちなか市の均等割77,600円が最も高い水準になります(小美玉市74,900円、つくば市71,100円)。
所得割12.32%は、当サイトで調べた241市の中央値13.01%を下回ります。茨城県内では水戸市13.95%・つくば市13.64%より低く、小美玉市12.07%・牛久市11.33%・取手市10.20%より高い——中位の位置です。
納税義務者は世帯主です。市は「世帯主が職場などの健康保険に加入していても、その世帯のどなたかが国保に加入していれば、世帯主が納付義務者となります。その場合、保険税に世帯主の分は含まれません」と明記しています。
市は保険税の意味も率直に書いています。「保険税は必要な医療費をもとに決められますので、医療費が増えれば、保険税を上げざるを得ません。医療費を大切にするために、日ごろから健康管理を心掛けましょう」。
普通徴収は年8回(7月から翌年2月まで毎月)。特別徴収は年金の支給月に2か月分が天引きされます。
窓口は国保年金課で、用件別に直通番号が分かれています。国保係029-273-1921、医療係029-273-1923、年金係029-273-1924。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|
| 医療分(基礎課税分) | 7.23% | 44,000円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.60% | 16,100円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.26% | 15,800円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.23% | 1,700円 (所得割0.23%は当サイトで調べた241市の中でも最も低い部類です。市は「子ども・子育て支援金課税額の均等割は18歳以上の方のみ課税対象となります」としており、18歳未満に均等割はかかりません) | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療分(基礎課税分)・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 所得割0.23%は当サイトで調べた241市の中でも最も低い部類です。市は「子ども・子育て支援金課税額の均等割は18歳以上の方のみ課税対象となります」としており、18歳未満に均等割はかかりません。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は12.32%(医療7.23+後期支援2.60+介護2.26+子ども0.23/40〜64歳)。40歳未満なら10.06%、18歳未満なら9.83%です。
均等割の合計は1人77,600円(医療44,000+支援16,100+介護15,800+子ども1,700/18歳以上・40〜64歳)。18〜39歳なら61,800円、18歳未満なら60,100円。ただし18歳以下は軽減・減免で実質5割になります。
平等割はありません。茨城県は令和4年度から県内全市町村の賦課方式を「2方式」に統一しており、ひたちなか市も所得割と均等割だけです。単身世帯には有利、大人数世帯には不利な設計です。
子ども・子育て支援分の所得割0.23%は、当サイトで調べた241市の中でも最も低い部類です(多くの市は0.25〜0.31%)。均等割1,700円は18歳以上のみが対象です。
課税限度額は医療分67万円・支援分26万円・介護分17万円・子ども分3万円で、合計113万円。市は「令和8年度から医療分の限度額が66万円から67万円に変更になりました」と注記しています。
基準総所得額=前年の総所得金額等 - 基礎控除額43万円。「合計所得金額が2,400万円を超える方は、基礎控除額が変わります」。加入者ひとりごとに基礎控除を引いてから合算します。
介護分は月割りです。市は「介護分については、国保に加入している人の介護保険第2号被保険者に該当する月数に応じて月割計算します」としています。40歳の誕生月から、65歳になる前月までが対象です。
令和8年度の税率——3か年計画の2年目(市公表)
ひたちなか市は令和7年度から3か年で段階的に税率を引き上げる方針を公表しており、令和8年度はその2年目にあたります。改正前後を並べます。
| 項目 | 令和7年度 所得割/均等割 | 令和8年度 所得割/均等割 | 差 |
|---|---|---|---|
| 医療分 | 7.16%/41,700円 | 7.23%/44,000円 | +0.07pt/+2,300円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.50%/14,800円 | 2.60%/16,100円 | +0.10pt/+1,300円 |
| 介護納付金分 (40〜64歳) | 2.11%/14,800円 | 2.26%/15,800円 | +0.15pt/+1,000円 |
| 子ども・子育て支援分 (均等割は18歳以上) | なし | 0.23%/1,700円 | 新設 |
| 合計 | 11.77%/71,300円 | 12.32%/77,600円 | +0.55pt/+6,300円 |
市が示している改正の全体像はこうです。「3か年(7〜9年度)かけて1人当たり計27,000円増(1人当たり年平均9,000円増)」。その内訳は「標準保険税額(本体必要な税額)と実際の課税額との差額(6年度に算出)=約24,000円」と「『子ども・子育て支援分』の上乗せ額=約3,000円」。
令和8年度は「1人当たり年平均9,000円(子ども・子育て支援分約3,000円含)増」とされています。
そして、来年もまた上がります。市は「令和9年度の税率は、令和8年度末に決定します」としており、3か年計画の3年目が残っています。
金額で確かめます。給与収入400万円(基準総所得額233万円)の45歳単身世帯——
令和7年度=233万×11.77%+71,300円=約34.6万円。
令和8年度=233万×12.32%+77,600円=約36.5万円。
差は年約1.9万円です。所得がある方は、市が示す「1人当たり9,000円」より大きく上がります(所得割の引き上げが乗るためです)。
市が公表しているモデルケース——高齢者世帯の実額
ひたちなか市は14種類のモデルケースをPDFで公開しています。年齢構成(19〜39歳/40〜64歳/65〜74歳)と世帯人数の組み合わせで、1人世帯から4人世帯まで網羅されており、ここまで丁寧に出している自治体は多くありません。
本文中に掲載されている2件を引きます。
| 世帯の条件 | 軽減 | 令和7年度 | 令和8年度 | 影響額 |
|---|---|---|---|---|
| 65〜74歳/年金収入153万円 【1人世帯】 | 7割軽減 | 16,900円 | 18,500円 | +1,600円 |
| 65〜74歳夫婦/年金収入200万円(夫)・110万円(妻) 【2人世帯】 | 5割軽減 | 101,800円 | 108,900円 | +7,100円 |
7割軽減が効いている単身世帯では、増加は年1,600円にとどまります。均等割の7割が引かれるため、値上げの影響も7割カットされるからです。
5割軽減の2人世帯では年7,100円の増。軽減が浅いほど、そして所得があるほど、値上げの影響は大きくなります。
14種類のモデルケース一覧は市のページからPDFでダウンロードできます。「19〜39歳夫婦+子ども2人(0〜18歳)【4人世帯】」や「40〜64歳夫婦+19〜39歳2人【4人世帯】」など、細かい年齢構成別に用意されているので、自分の世帯に近いものを探してみてください。
なぜ上がるのか——市は「完全統一で市の独自支援ができなくなる」と明言している
ひたちなか市の説明は、自治体の国保ページとしてはかなり踏み込んだ内容です。理由を4つ挙げています。
(1)「子ども・子育て支援金制度の創設」による国保税の増額——全国一律の新制度です。市は国の試算額として「令和8年度 年3,000円(月250円)/令和9年度 年3,600円(月300円)/令和10年度 年4,800円(月400円)」を掲げています。この部分は年々増えていきます。
(2)「1人当たり医療費」の増加——「加入者数が年々減少する一方で、医療費の高度化等の影響により、『1人当たり医療費』は増加を続けています」。
(3)「診療報酬の改定」による保険給付費の増加——「令和8年6月に診療報酬の大幅な改定が予定されており、国保が医療機関に支払う保険給付費の増加が見込まれます」。
(4)「県内の国保税率の統一」に向けた、段階的な税率改正——ここが最も重要です。市の記載をそのまま引きます。
「令和15年度(遅くとも17年度)までを目標年限として、都道府県ごとの国保税率を完全統一することとされています。また、令和7年11月には財務省の諮問機関からは完全統一の実施を令和12年度までに行うことが提言されており、今後、完全統一に向けての期限が早まることも予想されます」
「本来必要な税率よりも低い水準の税率の市町村は、完全統一したときに大幅な増税となります」
「完全統一後は、市の独自支援は実施できなくなるため、完全統一されるまでに、本来必要とする税率に段階的に近づけていく必要があります」
この3行は、全国の国保加入者が知っておくべき内容です。いま保険税が安い市町村は、一般会計からの繰入や基金の取り崩しという「市の独自支援」で安く抑えているケースが多く、完全統一されればその支援ができなくなります。つまり「安い市ほど、統一のときの上げ幅が大きい」ということです。
ひたちなか市の「小・中・高校生世代への5割減免」も、市の独自支援です。市の説明を素直に読めば、完全統一後はこの減免も維持できなくなる可能性があるということになります。
負担緩和策——市が11億円の基金を投入
市は値上げと同時に、4つの緩和策も示しています。
| 緩和策 | 財源 | 内容 |
|---|---|---|
| (1)基金の活用 | 市の独自支援 | 令和9年度までに生じる税収不足分を、市が積み立てた基金を取り崩して補填。「1人当たり年平均9,000円」の増額に抑えます。令和7〜9年度の総支援額11億円(令和8年度当初想定額) |
| (2)小・中・高校生世代への減免 | 市の独自支援 | 均等割額を5割減免 |
| (3)低所得者への軽減 | 県・市の支援 | 世帯所得に応じて均等割額の7割・5割・2割を軽減 |
| (4)未就学児への軽減 | 国・県・市の支援 | 均等割額を5割軽減 |
(2)の「小・中・高校生世代への5割減免」がひたちなか市の目玉です。未就学児は(4)で5割軽減されるので、両方あわせると18歳以下は全員が均等割5割という状態になります。
金額で計算します。18歳未満の均等割は医療44,000円+後期高齢者支援分16,100円=60,100円(介護分は40歳未満にかからず、子ども分の均等割は18歳以上のみ)。その5割=30,050円が子ども1人あたり軽くなります。子ども2人なら年60,100円です。
低所得軽減との重ね合わせも市が表で示しています。未就学児は、7割軽減世帯なら8.5割、5割軽減世帯なら7.5割、2割軽減世帯なら6割。小・中・高校生世代も同様の考え方で、軽減後の均等割からさらに5割が減免されます。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 185,811円 + 均等割 154,000円 ⇒ 339,811円
- 後期支援分: 所得割 66,820円 + 均等割 56,350円 ⇒ 123,170円
- 介護分: 所得割 58,082円 + 均等割 31,600円 ⇒ 89,682円
- 子ども分: 所得割 5,911円 + 均等割 3,400円 ⇒ 9,311円
合計: 年間 約561,974円(月あたり約46,800円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 114,957円 + 均等割 44,000円 ⇒ 158,957円
- 後期支援分: 所得割 41,340円 + 均等割 16,100円 ⇒ 57,440円
- 介護分: 所得割 35,934円 + 均等割 15,800円 ⇒ 51,734円
- 子ども分: 所得割 3,657円 + 均等割 1,700円 ⇒ 5,357円
合計: 年間 約273,488円(月あたり約22,800円)
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 212,459円 / 後期支援分 76,680円 / 介護分 68,458円 / 子ども分 7,059円 ⇒ 合計 約364,656円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 63,975円 / 後期支援分 23,228円 / 介護分 21,635円 / 子ども分 2,275円 ⇒ 合計 約111,114円
差額は年間およそ25万4千円。届出書1枚でこれだけ違います。ひたちなか市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額はひたちなか市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療分(基礎課税分) 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. ひたちなか市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、所得割0.23%は当サイトで調べた241市の中でも最も低い部類です。市は「子ども・子育て支援金課税額の均等割は18歳以上の方のみ課税対象となります」としており、18歳未満に均等割はかかりません。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: ひたちなか市 国保年金課 国保係(029-273-1921)
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
倒産・解雇・雇止めなどで離職された方は、前年の給与所得を100分の30として計算する軽減が使えます(離職時65歳未満、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者が対象。離職理由コード11・12・21・22・31・32・23・33・34)。
効果を試算します。給与収入400万円(給与所得276万円)の45歳単身世帯なら、基準総所得額は276万-43万=233万円。所得割は233万×12.32%=287,056円、均等割77,600円を足して年約36.5万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。基準総所得額は39.8万円まで下がり、所得割は49,034円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割の軽減判定も行われます。単身世帯の2割軽減の基準は43万+57万×1人=100万円。82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割77,600円が62,080円に。
合計は約11.1万円。差はおよそ25.4万円です。
ひたちなか市は「2方式」で均等割が77,600円と高いため、この軽減判定が均等割に波及する効果が大きいのが特徴です。平等割のある市では軽減が均等割と平等割に分散しますが、ひたちなか市は均等割に集中しているので、7割軽減まで届いた場合は54,320円が一気に減ります。
届出が必要です。市が自動で拾ってくれる制度ではありません。雇用保険受給資格者証(または雇用保険受給資格通知)を持って国保年金課 国保係(029-273-1921)へ。離職票では手続きできません。
あわせて知っておきたいのが「加入の届出は14日以内」というルールです。市は「保険税は国保の資格を得た月の分から納めます。届け出をした時からではありません。14日以内に届け出をしましょう」としています。
そのうえで、市は親切な但し書きを添えています——「届出に必要なものが、14日以内にお手元にそろわない場合は、国保年金課国保係までお問い合わせください」。会社からの資格喪失証明書が届かなくても、まず電話で相談すればよいということです。書類が揃うのを黙って待たないでください。
この軽減に該当しない場合は、災害等の減免があります。市は「災害などにより納税が著しく困難な方に対して、国民健康保険税の減額または免除の制度を設けています。減免を受けるには事前に申請が必要となります」としています。「事前に申請」——納期限を過ぎてからでは間に合わないので、早めに029-273-1921へ相談してください。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. ひたちなか市の減免制度|要申請
ひたちなか市の低所得世帯の均等割軽減(7割・5割・2割)、未就学児の均等割軽減、市独自の「小・中・高校生世代への5割減免」はすべて申請不要です(所得の申告が前提)。非自発的失業者の軽減、産前産後期間の免除、後期高齢者医療制度移行に伴う軽減の一部、災害等の減免は申請が必要です。災害等の減免は「事前に申請」が条件です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 小・中・高校生世代への均等割5割減免(市の独自支援) (申請不要) | 小学生・中学生・高校生世代の被保険者 | 均等割額を5割減免。18歳未満の均等割は医療44,000円+後期高齢者支援分16,100円=60,100円なので、子ども1人あたり年30,050円が軽くなります。未就学児の5割軽減(国の制度)とあわせて、18歳以下は全員が実質5割。市は「市の独自支援」と明記しています |
| 低所得世帯の均等割軽減(7割・5割・2割) (申請不要/要・所得申告) | 世帯に属する被保険者および特定同一世帯所属者の前年所得の合計が①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②①+31万円×(被保険者数+特定同一世帯所属者数)以下=5割、③①+57万円×(同)以下=2割 | 均等割額を軽減(ひたちなか市には平等割がありません)。単身40〜64歳なら77,600円→7割軽減で23,280円。市は「届出等は必要ありませんが、所得の申告がない場合は適用されません」と注意喚起しています |
| 未就学児の均等割軽減 (申請不要) | 未就学(義務教育就学前)の被保険者 | 均等割額を5割軽減(令和4年度から。国・県・市の支援)。低所得軽減との併用で、7割軽減世帯なら8.5割、5割軽減世帯なら7.5割、2割軽減世帯なら6割——市がこの重ね合わせの表を公開しています |
| 18歳未満は子ども・子育て支援分の均等割がかからない (申請不要) | 18歳未満の被保険者 | 市は「子ども・子育て支援金課税額の均等割は18歳以上の方のみ課税対象となります」と明記。18歳未満の均等割1,700円はゼロです。なお所得割0.23%は全国でも最も低い部類 |
| 非自発的失業者の軽減 (要申請) | 離職時65歳未満で、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者(離職理由コード11・12・21・22・31・32・23・33・34) | 前年の給与所得を100分の30として算定。軽減判定にも同じ圧縮後の所得を使うので、7割・5割・2割の軽減にも波及します。雇用保険受給資格者証を持って国保年金課 国保係へ |
| 産前産後期間の免除 (要申請) | ひたちなか市の国保に加入している出産(予定)の被保険者 | 出産前後の一定期間の国民健康保険税(所得割および均等割)を免除(令和6年1月から)。国保年金課 国保係へ届出 |
| 後期高齢者医療制度への移行に伴う軽減 (一部申請不要) | 同じ世帯の方が国保から後期高齢者医療制度に移行した世帯、および被用者保険の本人が移行したことで国保に加入した旧被扶養者 | 軽減判定に特定同一世帯所属者(国保から後期高齢者医療制度に移行し、引き続き同じ世帯にいる方)を含めることで、移行後も同じ軽減が受けられる仕組み。旧被扶養者の減免は要申請 |
| 災害等による減免 (事前申請が必要) | 災害などにより納税が著しく困難な方 | 国民健康保険税の減額または免除。市は「減免を受けるには事前に申請が必要となります」としています。詳しくは国保年金課 国保係(029-273-1921)へ |
ひたちなか市で特筆すべきは、「小・中・高校生世代への均等割5割減免」です。市はこれを「市の独自支援」と明記し、値上げの負担緩和策のひとつとして位置づけています。
国の制度は未就学児の5割軽減までです。ひたちなか市はそれを小・中・高校生世代まで延長しました。結果として18歳以下は全員が均等割5割という状態になります。
金額を計算します。18歳未満の均等割は医療44,000円+後期高齢者支援分16,100円=60,100円(介護分は40歳未満にかからず、子ども・子育て支援分の均等割は18歳以上のみ)。その5割=年30,050円が子ども1人あたり減ります。2人なら60,100円、3人なら90,150円。
ひたちなか市は2方式で均等割が77,600円と高いぶん、この減免の効き目も大きくなります。平等割のある市なら子どもの負担はもっと小さいのですが、2方式では人数がそのまま金額に響くためです。
ただし、この制度には注意点があります。市は税率改正のページで「完全統一後は、市の独自支援は実施できなくなるため」と書いています。県内の保険税率が完全統一されれば、この5割減免も維持できなくなる可能性があるということです。市は完全統一の時期について「令和15年度(遅くとも17年度)まで」、さらに「令和7年11月には財務省の諮問機関からは完全統一の実施を令和12年度までに行うことが提言されており、今後、完全統一に向けての期限が早まることも予想されます」としています。
低所得世帯の軽減は、均等割だけが対象です。ひたちなか市には平等割がないので、軽減されるのは均等割77,600円(40〜64歳・1人)のみ。7割軽減なら23,280円(54,320円の減)、5割なら38,800円、2割なら62,080円。
2方式の市では、軽減の効果が均等割に集中します。平等割のある市では軽減額が均等割と平等割に分散しますが、ひたちなか市は全額が均等割から引かれるので、判定に届いたときの見返りが分かりやすい構造です。
未就学児の重ね合わせを、市は表で公開しています。7割軽減世帯の未就学児は8.5割/5割軽減世帯は7.5割/2割軽減世帯は6割。軽減なしの世帯でも5割です。低所得軽減が浅い世帯ほど、未就学児軽減そのものの効き目が大きくなるという関係が読み取れます。
所得の申告は必須です。市は2つのページで繰り返し呼びかけています——「届出等は必要ありませんが、所得の申告がない場合は適用されませんのでご注意ください」「保険税を正しく算定するために、所得の申告はとても大切です。所得の有無にかかわらず必要になりますので、忘れずに申告しましょう」。収入がゼロでも申告してください。
軽減判定には「特定同一世帯所属者」も含まれます。これは国保から後期高齢者医療制度に移行し、引き続き同じ世帯にいる方のことです。市は「世帯に属する被保険者及び特定同一世帯所属者の前年中における所得の合計額」で判定するとしています。
この仕組みには2つの意味があります。所得が判定に入る(不利)一方で、被保険者数にも数えられる(有利)。5割・2割の基準は人数に比例して広がるので、75歳になって後期高齢者医療に移った家族がいても、軽減の基準が急に縮まらないように設計されています。
産前産後の免除は所得割と均等割の両方が対象です。令和6年1月から始まった制度で、ひたちなか市の国保に加入している被保険者が出産する際、出産前後の一定期間が免除されます。申請が必要なので、029-273-1921へ。
災害等の減免は「事前に申請」が条件です。市は「災害などにより納税が著しく困難な方に対して、国民健康保険税の減額または免除の制度を設けています。減免を受けるには事前に申請が必要となります」としています。具体的な減免割合は公表されていないので、該当しそうな事情がある方はまず電話で相談してください。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
- 納付書(金融機関・コンビニ等)
- 特別徴収(年金の支給月に2か月分を天引き)
- 納付相談(国保年金課 国保係へ。滞納する前に)
ひたちなか市の普通徴収は年8回です。市は「普通徴収の場合、ひたちなか市の保険税は、基本的に7月から翌年2月までの毎月、8回に分けて納めます。ただし、年度の途中で国保に加入したり、脱退した場合はこの限りではありません」としています。
4月・5月・6月・3月に納期はありません。年間の税額を8回に割るため、1回あたりの金額は12分割より5割ほど大きくなります。年額36.5万円なら1期あたり約4.6万円です。
特別徴収(年金天引き)は、年金の支給月に2か月分が引かれます。市は「特別徴収の場合は、年金の支給月に国民健康保険税の2か月分が年金から天引きされます」としています。
令和8年度は税率改正の年です。3か年計画の2年目で、1人当たり年平均9,000円の増が見込まれています。所得のある方はそれ以上に上がるので、通知が届いたら金額をよく確認してください。
年度途中の加入・脱退は月割りです。市は「年度の途中で国保の加入・喪失があった場合、その都度加入月数に応じて月割計算します」とし、介護分については「国保に加入している人の介護保険第2号被保険者に該当する月数に応じて月割計算します」と、さらに細かく説明しています。
40歳になると介護分が加わります。ひたちなか市の介護納付金分は所得割2.26%+均等割15,800円。基準総所得額233万円の方なら、所得割52,658円+均等割15,800円=年68,458円の増です。月あたり約5,700円。年度途中なら該当月数で月割りされます。
65歳になると介護分は国保税から外れます。ただし、かわりに介護保険料を市に直接納めることになります。国保税が下がったように見えても、総額では減らないことが多い点に注意してください。
加入の届出は14日以内です。市は「保険税は国保の資格を得た月の分から納めます。届け出をした時からではありません。14日以内に届け出をしましょう」としています。届出が遅れても、資格を得た月までさかのぼって課税されます。
ここでひたちなか市は、実務的に助かる一文を添えています。「(注釈)届出に必要なものが、14日以内にお手元にそろわない場合は、国保年金課国保係までお問い合わせください」。
会社からの資格喪失証明書が届かない、前の健康保険の情報が分からない——こういう理由で手続きを先延ばしにする人は多いのですが、市は「書類が揃わなくても相談してください」と言っています。退職直後に医療機関にかかる必要があるときは、とくに早めに電話してください。029-273-1921です。
滞納すると段階的に措置が進みます。市は「国民健康保険税を納めないでいると」という専用ページを設けています。納付が難しいときは、滞納する前に相談してください。災害などによる減免は「事前に申請」が条件なので、納期限を過ぎてからでは間に合いません。
市は保険税の性質について、こう書いています。「保険税は必要な医療費をもとに決められますので、医療費が増えれば、保険税を上げざるを得ません。医療費を大切にするために、日ごろから健康管理を心掛けましょう」。ジェネリック医薬品の利用や重複受診を避けることが、めぐりめぐって保険税に返ってくる——という趣旨です。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. ひたちなか市の国保窓口一覧
ひたちなか市の国保は国保年金課が担当しています。用件別に直通番号が分かれており、国保係029-273-1921(資格・保険税)、医療係029-273-1923(給付・医療費助成)、年金係029-273-1924(国民年金)。代表電話は029-273-0111(国保係の内線は21181・21182)。市役所は〒312-8501 茨城県ひたちなか市東石川2丁目10番1号です。市は「お問い合わせは専用フォームをご利用ください」とも案内しており、オンラインでの問い合わせにも対応しています。
| 窓口・用件 | 電話番号 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 国保年金課 国保係 〒312-8501 茨城県ひたちなか市東石川2丁目10番1号 | 029-273-1921(直通) 代表029-273-0111(内線21181・21182) FAX 029-271-0852 | 国保税の計算・照会、加入・脱退の届出、低所得世帯の軽減、非自発的失業者の軽減、産前産後期間の免除、災害等による減免、納付相談 |
| 国保年金課 医療係 | 029-273-1923 | 高額療養費、療養費、医療費助成など給付に関すること |
| 国保年金課 年金係 | 029-273-1924 | 国民年金の資格・保険料免除など |
| お問い合わせフォーム | 市ホームページの専用フォーム | 市は「お問い合わせは専用フォームをご利用ください」と案内しています |
| ひたちなか市役所(代表) | 029-273-0111 | 茨城県ひたちなか市東石川2丁目10番1号 |
令和8年度は3か年の税率改正計画の2年目です。令和9年度の税率は令和8年度末に決定——来年もまた上がります。
小・中・高校生世代は均等割が5割減免(市の独自支援)。未就学児の5割軽減とあわせて、18歳以下は全員5割。子ども1人あたり年30,050円が軽くなります。
茨城県は令和4年度から全市町村が「2方式」に統一。ひたちなか市にも平等割はありません。
市は「完全統一後は、市の独自支援は実施できなくなる」と明記。小・中・高校生世代の減免も将来は維持できない可能性があります。
14種類のモデルケースがPDFで公開されています。年齢構成と世帯人数の組み合わせで、自分に近いケースを探せます。
子ども・子育て支援分の所得割0.23%は全国でも最も低い部類です(多くの市は0.25〜0.31%)。
届出に必要なものが14日以内に揃わない場合は、まず電話を。市は「国保年金課国保係までお問い合わせください」と案内しています。
災害等の減免は「事前に申請」が条件。納期限を過ぎてからでは間に合いません。
窓口は用件別に直通番号が3つ(国保1921/医療1923/年金1924)。
8. よくある質問(ひたちなか市の国保)
Q1. ひたちなか市の国保税は毎年上がっているようですが、いつまで上がりますか?
A. 少なくとも令和9年度までは上がります。市は「令和7年度から3か年で1人当たり計27,000円増(年平均9,000円増)」という方針を公表しており、令和8年度はその2年目です。
市は経緯を率直に説明しています——「ひたちなか市国民健康保険は、令和4年度の税率改正以降、基金を活用することで税率を据え置いたまま運営してきましたが、国保財政の悪化により、令和7年度に基金が枯渇する見通しとなりました。このため、令和6年度に協議を行い、将来にわたり安心して国保が利用できるよう、加入者の急激な負担増とならないように負担軽減を図りながら、段階的に令和7年度から3か年で税率改正を行うことにいたしました」。
3か年の内訳は「標準保険税額(本体必要な税額)と実際の課税額との差額(6年度に算出)=約24,000円」と「『子ども・子育て支援分』の上乗せ額=約3,000円」で、合計27,000円。これを3年に分けて年平均9,000円ずつ上げていく計画です。
令和8年度の実際の改正は、医療分7.16%→7.23%/41,700円→44,000円、後期高齢者支援金分2.50%→2.60%/14,800円→16,100円、介護納付金分2.11%→2.26%/14,800円→15,800円、そして子ども・子育て支援分0.23%・1,700円が新設。合計で11.77%→12.32%、71,300円→77,600円です。
令和9年度は?市は「令和9年度の税率は、令和8年度末に決定します」としています。3か年計画の3年目が残っているので、もう一段の引き上げが予定されていると読むのが自然です。
そして、3年で終わりとも限りません。市は理由の4番目にこう書いています——「令和15年度(遅くとも17年度)までを目標年限として、都道府県ごとの国保税率を完全統一することとされています。また、令和7年11月には財務省の諮問機関からは完全統一の実施を令和12年度までに行うことが提言されており、今後、完全統一に向けての期限が早まることも予想されます」。
さらに——「本来必要な税率よりも低い水準の税率の市町村は、完全統一したときに大幅な増税となります」「完全統一後は、市の独自支援は実施できなくなるため、完全統一されるまでに、本来必要とする税率に段階的に近づけていく必要があります」。
つまり、3か年計画は「完全統一に向けたソフトランディング」だということです。一度に上げると負担が大きいので、基金を投入しながら少しずつ本来の水準へ近づけている——という位置づけになります。
市は基金11億円を投入しています。負担緩和策として「令和9年度までに生じる税収不足分について、市の独自支援により積み立てた基金を取り崩して補填することにより、『1人当たり年平均9,000円』の増額に抑えます」「令和7〜9年度の総支援額11億円(令和8年度当初想定額)」としています。この支援がなければ、もっと上がっていたということです。
Q2. 子どもの保険税はいくらかかりますか?
A. 18歳以下なら均等割は5割です。ひたちなか市は「小・中・高校生世代への5割減免」を市の独自支援として実施しており、未就学児は国の制度で5割軽減されます。
市は負担緩和策の一覧で「(2)小・中・高校生世代への減免【市の独自支援】均等割額を5割減免します」、「(4)未就学児への軽減【国・県・市の支援】均等割額を5割軽減します」と並べています。結果として、18歳以下は全員が均等割5割です。
金額を計算します。18歳未満の均等割は医療分44,000円+後期高齢者支援分16,100円=60,100円。介護分(15,800円)は40歳以上のみ、子ども・子育て支援分の均等割(1,700円)は18歳以上のみなので、どちらもかかりません。
その5割=年30,050円が子ども1人あたり減ります。2人なら60,100円、3人なら90,150円。
低所得軽減がある世帯は、さらに軽くなります。市は未就学児について重ね合わせの表を公開しており、7割軽減世帯なら8.5割/5割軽減世帯なら7.5割/2割軽減世帯なら6割。小・中・高校生世代も同じ考え方で、軽減後の均等割からさらに5割が減免されます。
たとえば7割軽減の世帯の子どもなら、均等割60,100円→7割軽減で18,030円→さらに5割減免で9,015円。実質8.5割減です。
所得割は別です。減免されるのは均等割だけなので、子どもにアルバイト収入などがあれば所得割(18歳未満なら医療7.23%+支援2.60%=9.83%)がかかります。ただし基礎控除43万円を引いた後の金額に対してなので、年収103万円程度までは所得割ゼロです。
ひたちなか市は2方式(平等割なし)なので、人数がそのまま金額に響きます。均等割77,600円(40〜64歳)は茨城県内で最も高い水準です。だからこそ、子どもの5割減免の効き目が大きいのです。
4人世帯(夫42・妻40・子15・子10)で、所得に関係なくかかる部分を計算します。大人2人×77,600円+子2人×30,050円(5割減免後)=215,300円。減免がなければ275,400円なので、年60,100円が軽くなっていることになります。
ただし、この制度には将来の不安があります。市は税率改正のページで「完全統一後は、市の独自支援は実施できなくなる」と明記しています。県内の保険税率が完全統一されれば、小・中・高校生世代の5割減免は維持できなくなる可能性があります。国の目標は令和15年度(遅くとも17年度)、財務省の諮問機関は令和12年度までを提言しています。
申請は不要です。納税通知書で子どもの均等割が5割になっているか確認してください。適用されていないようなら国保年金課 国保係(029-273-1921)へ。
Q3. ひたちなか市には「平等割」がないと聞きました。得なのですか?
A. 単身世帯には有利、大人数世帯には不利です。そして、これはひたちなか市の選択ではなく茨城県全体の方針です。
市は明記しています——「令和4年度から茨城県内全ての市町村の賦課方式が『2方式』に統一されました」。2方式とは「所得割+均等割」のことで、平等割(1世帯あたりの定額部分)がありません。
当サイトで令和8年度の料率を調べた茨城県内6市(水戸市・つくば市・ひたちなか市・取手市・牛久市・小美玉市)は、すべて平等割なしでした。県内で引っ越しても、賦課方式は変わりません(税率は市ごとに違います)。
2方式のメリット・デメリットを整理します。
メリット(単身世帯)——世帯を持つだけでかかる固定費がないので、1人暮らしの負担が相対的に軽くなります。3方式の市では、単身でも平等割3〜5万円がまるごとのしかかります。
デメリット(大人数世帯)——加入者が増えるほど均等割がそのまま積み上がります。ひたちなか市の均等割77,600円(40〜64歳)は茨城県内で最も高く、人数の影響がストレートに出ます。
金額で確かめます。所得ゼロ・軽減前——
単身(45歳):ひたちなか市77,600円。3方式の行橋市(福岡県)なら均等割51,044+平等割48,731=99,775円。ひたちなか市のほうが2.2万円安い。
4人世帯(夫42・妻40・子15・子10):ひたちなか市は大人2×77,600+子2×30,050(5割減免後)=215,300円。行橋市なら229,419円。減免のおかげで、なお1.4万円安い。
もし小・中・高校生世代の5割減免がなければ、ひたちなか市は275,400円となり、行橋市より4.6万円高くなっていました。2方式の不利を、市独自の子ども減免で埋めている——という構造が見えます。
東京23区も2方式で、均等割84,873円・平等割ゼロ。ひたちなか市の77,600円は、それに次ぐ高さです。2方式を採る自治体は、平等割の分を均等割に振り分けるため、均等割だけを見ると高く見えるのは自然なことです。
軽減の効き方も変わります。3方式の市では低所得軽減が均等割と平等割に分散しますが、ひたちなか市は全額が均等割から引かれます。7割軽減なら77,600円→23,280円で、54,320円の減。判定に届くかどうかが、はっきり金額に出る設計です。
結論として、単身・夫婦のみの世帯にはひたちなか市の2方式は有利、18歳を超えた子や親と同居する大人数世帯には不利です。ただし18歳以下の子どもがいるなら、市独自の5割減免がその不利をかなり打ち消します。
Q4. 会社都合で退職しました。国保税はどれくらい安くなりますか?
A. 給与収入400万円の45歳単身世帯なら、年約36.5万円から約11.1万円へ——差はおよそ25.4万円です。ただし届け出ないと1円も安くなりません。
倒産・解雇・雇止めなどで離職された方は、前年の給与所得を100分の30として計算する軽減が使えます。対象は離職時65歳未満で、雇用保険の特定受給資格者(離職理由コード11・12・21・22・31・32)または特定理由離職者(23・33・34)です。
計算します。給与収入400万円=給与所得276万円。基準総所得額は276万-43万=233万円。
軽減なし——所得割233万×12.32%=287,056円+均等割77,600円=約36.5万円。
軽減あり——給与所得は276万×30%=82.8万円。基準総所得額は39.8万円で、所得割は49,034円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割の軽減判定も行われます。単身世帯の2割軽減の基準は43万+57万×1人=100万円。82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割77,600円が62,080円に。
合計は約11.1万円。差はおよそ25.4万円です。
ひたちなか市は2方式で均等割が高い(77,600円)ので、この軽減判定の波及効果が大きいのが特徴です。もし所得がもっと低く7割軽減まで届けば、均等割は23,280円まで下がります。
手続きは申請制です。雇用保険受給資格者証(または雇用保険受給資格通知)を持って国保年金課 国保係(029-273-1921)へ。離職票では手続きできません——ハローワークで求職の申込みをして受給資格の決定を受けてから交付されるものが必要です。
市は自動で拾ってくれません。該当する方は必ず窓口へ。届出書1枚で25万円が動きます。
退職したら、まず国保への加入を14日以内に。市は「保険税は国保の資格を得た月の分から納めます。届け出をした時からではありません。14日以内に届け出をしましょう」としています。遅れても資格取得月までさかのぼって課税されるので、得はありません。
ここでひたちなか市には助かる一文があります。「届出に必要なものが、14日以内にお手元にそろわない場合は、国保年金課国保係までお問い合わせください」。会社からの資格喪失証明書が届かなくても、まず電話で相談すればよいということです。退職直後に病院にかかる必要があるときは、とくに早めに連絡してください。
任意継続と迷っている方へ。会社の健康保険を任意継続する場合、保険料は在職中の約2倍(上限あり)になるのが一般的です。一方、国保は非自発的失業者の軽減が使えれば大幅に下がります。会社都合の退職なら、国保のほうが安くなるケースが多い——という点は覚えておいてください。任意継続は原則2年間、途中でやめる自由も限られますので、加入前に両方を試算することをおすすめします。
Q5. 保険料水準の「完全統一」とは何ですか?ひたちなか市にどう影響しますか?
A. 同じ都道府県内なら、所得と世帯構成が同じであればどこに住んでも国保税が同じになる、という国の方針です。ひたちなか市は「完全統一したときに大幅な増税となります」と明言しています。
市の記載をそのまま引きます——「令和15年度(遅くとも17年度)までを目標年限として、都道府県ごとの国保税率を完全統一することとされています。また、令和7年11月には財務省の諮問機関からは完全統一の実施を令和12年度までに行うことが提言されており、今後、完全統一に向けての期限が早まることも予想されます」。
そして、核心はこの2行です。
「本来必要な税率よりも低い水準の税率の市町村は、完全統一したときに大幅な増税となります」
「完全統一後は、市の独自支援は実施できなくなるため、完全統一されるまでに、本来必要とする税率に段階的に近づけていく必要があります」
何が起きているのか。国保は平成30年度から都道府県が財政運営の主体になりました。都道府県は市町村ごとに「標準保険税率」を示しますが、実際の税率は市町村が決めています。多くの市町村は、標準より低い税率を設定し、一般会計からの繰入や基金の取り崩し(=市の独自支援)で差額を埋めています。
ひたちなか市もその一つでした。市は「令和4年度の税率改正以降、基金を活用することで税率を据え置いたまま運営してきましたが、国保財政の悪化により、令和7年度に基金が枯渇する見通しとなりました」としています。
完全統一されると、この「独自支援」ができなくなります。県内すべての市町村が同じ税率になるため、市が独自に安くすることも、独自の減免を続けることもできません。
ひたちなか市の場合、影響は2つあります。
①税率がさらに上がる。市は標準保険税額との差額を「約24,000円(1人当たり)」と算出しており、これを3か年で埋める計画です。3か年で埋めきれるかどうかは、標準税率自体が毎年動くため不透明です。
②市独自の減免が維持できなくなる可能性。「小・中・高校生世代への均等割5割減免」は市が「市の独自支援」と明記している制度です。子ども1人あたり年30,050円、2人なら60,100円が軽くなっている制度が、完全統一後はなくなる可能性があります。
すでに統一を完了した県もあります。奈良県と大阪府は令和6年度から完全統一済みで、県内どこでも同じ料率です。兵庫県は令和12年度、滋賀県・埼玉県は令和9年度を目標に掲げています。茨城県は賦課方式(2方式)の統一を令和4年度に済ませており、次は税率の統一という段階にあります。
加入者として何ができるか。残念ながら、統一そのものを止めることはできません。できるのは使える軽減・減免を取りこぼさないことです。低所得軽減(7割・5割・2割)には所得の申告が必須、非自発的失業者の軽減は申請制、産前産後の免除も申請制。申請が必要な制度ほど効き目が大きいので、心当たりがあれば国保年金課 国保係(029-273-1921)へ相談してください。
Q6. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、小・中・高校生世代への均等割5割減免(市の独自支援)
(申請不要)・低所得世帯の均等割軽減(7割・5割・2割)
(申請不要/要・所得申告)・未就学児の均等割軽減
(申請不要)・18歳未満は子ども・子育て支援分の均等割がかからない
(申請不要)・非自発的失業者の軽減
(要申請)・産前産後期間の免除
(要申請)・後期高齢者医療制度への移行に伴う軽減
(一部申請不要)・災害等による減免
(事前申請が必要)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q7. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内にひたちなか市 国保年金課 国保係(029-273-1921)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|ひたちなか市の国保で押さえるべきポイント
- ひたちなか市は2方式(所得割+均等割)。令和8年度の料率は医療分(基礎課税分)7.23%・後期支援分2.60%・介護分2.26%・子ども分0.23%
- 均等割は医療分(基礎課税分)44,000円・後期支援16,100円・介護15,800円・子ども1,700円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 令和7年度から3か年で段階的に値上げ中——1人当たり計27,000円増(年平均9,000円増)。令和8年度は2年目で、令和9年度の税率は令和8年度末に決定(まだ上がります)
- 令和8年度は所得割12.32%・均等割77,600円・限度額113万円(R7は11.77%/71,300円)。茨城県は令和4年度から全市町村が「2方式」に統一され、平等割はありません
- 小・中・高校生世代の均等割を5割減免(市の独自支援)——未就学児の5割軽減とあわせて18歳以下は全員5割。子ども1人あたり年30,050円が軽くなります
- 市は値上げの理由を4つ公表——子ども・子育て支援金の創設/1人当たり医療費の増加/令和8年6月の診療報酬大幅改定/県内税率統一に向けた段階的改正
- 「完全統一後は、市の独自支援は実施できなくなる」と市が明言。小・中・高校生世代の減免も将来は維持できない可能性があります
- 負担緩和策として市が基金11億円を投入(令和7〜9年度の総支援額)。これがなければもっと上がっていました
- 14種類のモデルケースをPDFで公開——年齢構成×世帯人数で自分に近いケースを確認できます
- 子ども・子育て支援分の所得割0.23%は全国でも最も低い部類(多くの市は0.25〜0.31%)。均等割1,700円は18歳以上のみ
- 均等割77,600円は茨城県内6市で最も高い(小美玉74,900/つくば71,100)。2方式なので軽減の効果は均等割に集中——7割軽減なら54,320円の減
- 「届出に必要なものが14日以内に揃わない場合は、まず電話を」と市が案内。書類が揃うのを黙って待たないでください(029-273-1921)
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年25万4千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口はひたちなか市 国保年金課 国保係(029-273-1921)
出典・参考:
・ひたちなか市公式:国民健康保険税の計算のしかた
・ひたちなか市公式:ひたちなか市国民健康保険税 税率等の改正のご案内(令和8年度実施)
・ひたちなか市公式:【モデルケース】国民健康保険税 税率等の改正(令和8年度実施)
・ひたちなか市公式:国民健康保険税の軽減措置について
・ひたちなか市公式:国民健康保険税について
・ひたちなか市公式:国民健康保険税の減免制度
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報はひたちなか市公式サイトでご確認ください。