指宿市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
指宿市は人口約3万7千人、鹿児島県の薩摩半島南端にあり、砂むし温泉で知られる市です。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく指宿市の国保税の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
指宿市の資料でとりわけ実用的なのは軽減後の税額を「実額」で全部公開している点です。7割・5割・2割それぞれについて、医療分・支援分・子ども分・介護分の均等割と平等割が24個の数字で示されています。7割軽減なら医療分の均等割は9,570円、平等割は6,120円——自分の世帯がいくらになるかを表から直接読めます。
もうひとつ、鹿児島県の保険料水準統一は二段階で進みます。市は「『鹿児島県内のどこに住んでいても、同じ所得水準・同じ世帯構成であれば、同じ保険税』となる『完全統一』を目指します。また、その過程として、令和9年度から『二次医療圏ごとの統一』を行います」としています。県内一律の前に、まず二次医療圏(医療の広域圏)ごとに揃える——この段階的なやり方は全国的にも珍しいものです。
1. 指宿市の国民健康保険の概要
指宿市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
指宿市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。
指宿市の国保は「保険料」ではなく「保険税」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。資産割はありません。
4区分すべてに平等割があります。医療分20,400円+支援分8,000円+子ども分800円+介護分6,000円=1世帯あたり年35,200円。介護分と子ども分にまで平等割を置いている自治体は全国的に少数派です。
令和8年度は税率を改正しました。市は理由をこう説明しています——「国民健康保険の運営主体は都道府県単位化され、市町村は県が決定した国保事業費納付金を県に支払っていますが、主な財源は加入者の皆さまに納付していただいた保険税となっています。鹿児島県は、各市町村の医療費や所得状況などを基準に国保事業費納付金を算出し、納付金を賄うために必要な保険料総額と標準保険料率を算定します。市では、国民健康保険を持続可能な制度とするため、県が示す標準保険料率を参考に令和8年度の保険税率(額)を改正しました」。
年間保険税額は毎年7月に決定されます。市は「毎年7月にその年の4月から翌年3月までの年間保険税額を決定します」としています。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 平等割(1世帯年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分保険税 | 7.30% | 31,900円 | 20,400円 | 660,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.90% | 12,500円 | 8,000円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.40% | 12,000円 | 6,000円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.30% | 1,400円 (子ども分保険税の均等割1,400円は「18歳以上が負担する均等割(100円)を含んでいます」。18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である方は均等割額が全額免除されます(申請不要)) | 800円 | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療分保険税・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども分保険税の均等割1,400円は「18歳以上が負担する均等割(100円)を含んでいます」。18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である方は均等割額が全額免除されます(申請不要)。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は12.9%(医療分7.3%+支援分2.9%+介護分2.4%+子ども分0.3%/40〜64歳)。40歳未満なら10.5%です。
均等割の合計は1人57,800円(医療31,900+支援12,500+介護12,000+子ども1,400/18歳以上・40〜64歳)。40歳未満なら45,800円。
平等割は1世帯あたり年35,200円(医療20,400+支援8,000+介護6,000+子ども800)。介護分と子ども分にまで平等割があるのは全国的に少数派です。
課税限度額は医療分67万円・支援分26万円・介護分17万円・子ども分3万円で、合計113万円です。市は「令和8年度は医療分保険税の課税限度額が66万円から67万円に改正されました。また、子ども分保険税が新設されました」と明記しています。
所得割額=(前年の総所得金額等 - 基礎控除43万円)× 税率。基礎控除43万円は合計所得金額が2,400万円以下の場合で、2,400万円を超えると段階的に減額し、2,500万円を超えると0円になります。
令和8年度の税率と改正前後の比較(指宿市公表)
指宿市は改正前(R7年度)と改正後(R8年度)を1つの表に並べて公開しています。
| 項目 | 医療分保険税 | 支援分保険税 | 子ども分保険税 | 介護分保険税 (40〜64歳) | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 改正前 (R7) | 改正後 (R8) | 改正前 (R7) | 改正後 (R8) | 新設 (R8) | 改正前 (R7) | 改正後 (R8) | |
| 所得割 | 7.1% | 7.3% | 2.9% | 2.9% | 0.3% | 2.5% | 2.4% |
| 均等割 (1人につき) | 30,400円 | 31,900円 | 12,200円 | 12,500円 | 1,400円 | 12,200円 | 12,000円 |
| 平等割 (1世帯につき) | 19,700円 | 20,400円 | 7,900円 | 8,000円 | 800円 | 6,100円 | 6,000円 |
| 課税限度額 | 66万円 | 67万円 | 26万円 | 26万円 | 3万円 | 17万円 | 17万円 |
変化の方向は区分ごとに違います。
医療分はすべて上昇——所得割+0.2pt、均等割+1,500円、平等割+700円、限度額+1万円。
支援分は微増——所得割は据え置き、均等割+300円、平等割+100円。
介護分はすべて下落——所得割−0.1pt、均等割−200円、平等割−100円。
子ども分が丸ごと新設——所得割0.3%+均等割1,400円+平等割800円+限度額3万円。
合計:所得割12.5%→12.9%(+0.4pt)/均等割54,800円→57,800円(+3,000円)/平等割33,700円→35,200円(+1,500円)/限度額109万円→113万円(+4万円)。
市は「※子ども分保険税の均等割は、18歳以上が負担する均等割(100円)を含んでいます」とも注記しています。18歳未満は均等割が全額免除され、その分を18歳以上が100円ずつ負担する仕組みです。
指宿市は軽減後の税額を「実額」で全部公開している
ここが指宿市の資料でいちばん実用的な部分です。7割・5割・2割それぞれについて、4区分×均等割・平等割の8つの数字——合計24個の実額が表になっています。
| 軽減区分 | 項目 | 医療分 | 支援分 | 子ども分 | 介護分 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 軽減なし | 均等割額 | 31,900円 | 12,500円 | 1,400円 | 12,000円 | 57,800円 |
| 平等割額 | 20,400円 | 8,000円 | 800円 | 6,000円 | 35,200円 | |
| 2割軽減 | 均等割額 | 25,520円 | 10,000円 | 1,120円 | 9,600円 | 46,240円 |
| 平等割額 | 16,320円 | 6,400円 | 640円 | 4,800円 | 28,160円 | |
| 5割軽減 | 均等割額 | 15,950円 | 6,250円 | 700円 | 6,000円 | 28,900円 |
| 平等割額 | 10,200円 | 4,000円 | 400円 | 3,000円 | 17,600円 | |
| 7割軽減 | 均等割額 | 9,570円 | 3,750円 | 420円 | 3,600円 | 17,340円 |
| 平等割額 | 6,120円 | 2,400円 | 240円 | 1,800円 | 10,560円 |
※「軽減なし」の行は市公表の税率表から本記事で算出したもの
40〜64歳単身世帯で、所得に関係なくかかる部分がいくらになるかを整理します。
軽減なし:均等割57,800円+平等割35,200円=93,000円
2割軽減:46,240円+28,160円=74,400円(18,600円の減)
5割軽減:28,900円+17,600円=46,500円(46,500円の減)
7割軽減:17,340円+10,560円=27,900円(65,100円の減)
7割軽減が効けば年6.5万円以上下がります。4区分すべてに平等割がある指宿市では、軽減の効き目がとりわけ大きくなります。
軽減の適用に申請は不要ですが、市は「世帯主と世帯の国保被保険者全員の所得が確定していないと軽減判定ができないため、必ず住民税申告を行ってください」としています。
判定対象は「世帯主(国保被保険者でない世帯主も含む)と国保被保険者全員の所得」。基準日は4月1日(年度途中で新規加入した場合は資格取得日)です。
ここが他市と違います。市は「※世帯主変更があった場合は再判定します」としています。多くの自治体は年度途中の変更では再判定しないとしているなかで、指宿市は世帯主変更があれば判定をやり直す運用です。
令和8年度は基準額も緩和されました。市は「令和8年度から5割軽減、2割軽減の所得基準額が改正されました。(所得基準:5割軽減 30.5万円を31万円に、2割軽減 56万円を57万円に改正)」としています。
鹿児島県の保険料水準統一は「二次医療圏ごと」を経由する二段階方式
都道府県単位の保険料水準統一は全国で進んでいますが、鹿児島県のやり方は独特です。市の説明を引きます。
「国民健康保険制度は日本の国民皆保険の基盤となる仕組みですが、『年齢構成が高く医療費水準が高い』『所得水準が低く保険税の負担が重い』『財政運営が不安定になるリスクの高い小規模保険者が多く、また、財政赤字の保険者も多く存在する』という構造的な課題を抱えていることから、市町村間(県全体)で支え合う体制づくりを進めることが必要です。県全体で支え合う体制を強化し、国保財政の更なる安定化を図るため、鹿児島県内の『保険料水準の統一』を目指しています。
具体的には、現在、国民健康保険の保険税は、市町村ごとに税率を設定しており、市町村によって負担が異なっていますが、『鹿児島県内のどこに住んでいても、同じ所得水準・同じ世帯構成であれば、同じ保険税』となる『完全統一』を目指します。また、その過程として、令和9年度から『二次医療圏ごとの統一』を行います。」
「二次医療圏ごとの統一」——これが鹿児島県のやり方です。
二次医療圏とは、入院医療を提供する体制を整えるために都道府県が定める地域区分です。鹿児島県は離島を多く抱え、地域によって医療の実情が大きく違います。いきなり県内一律にするのではなく、まず医療の実態が近い圏域ごとに揃えるという段階を踏むわけです。
指宿市は「南薩医療圏」に属します。令和9年度からは、同じ医療圏の市町と保険税水準が揃っていくことになります。
市は国保の構造的課題を3つ挙げています。①年齢構成が高く医療費水準が高い/②所得水準が低く保険税の負担が重い/③財政運営が不安定になるリスクの高い小規模保険者が多く、また、財政赤字の保険者も多く存在する。
②の「所得水準が低く保険税の負担が重い」は、国保が抱える最大の矛盾です。加入者の多くが自営業者・退職者・非正規雇用の方で、所得が低いのに保険税の負担率は高いという構造になっています。
統一されると何が変わるか——市町村ごとの税率の差がなくなり、市が独自に税率を抑える余地もなくなります。高かった市町村は下がり、安かった市町村は上がります。
令和8年度の税率改正も、その流れのなかにあります。市は「県が示す標準保険料率を参考に令和8年度の保険税率(額)を改正しました」としています。今後も標準保険料率に近づけていくことになるはずです。
所得に関係なくかかる部分の比較
| 自治体 | 均等割(1人) | 平等割(1世帯) | 単身世帯 | 4人世帯 |
|---|---|---|---|---|
| 指宿市(鹿児島) | 57,800円 | 35,200円 (4区分すべて) | 93,000円 | 266,400円 |
| 野洲市(滋賀) | 53,940円 | 34,500円 (4区分すべて) | 88,440円 | 250,260円 |
| 佐伯市(大分) | 42,930円 | 31,020円 (4区分すべて) | 73,950円 | 202,740円 |
| 東京23区 | 84,873円 | なし | 84,873円 | 339,492円 |
指宿市の単身世帯93,000円は、4区分平等割の型のなかでは高めの水準です。均等割57,800円・平等割35,200円がどちらも大きいためです。
東京23区(84,873円)より約8,000円高いのは注目に値します。所得の低い世帯が多い地域ほど、所得に関係なくかかる部分の負担率が高くなる——市が挙げていた国保の構造的課題がそのまま表れています。
4人世帯では266,400円で、東京23区(339,492円)より約7.3万円安くなります。平等割は人数で割られていくためです。
所得割12.9%(40〜64歳)は全国的には中位です。東京23区13.01%とほぼ同じ、大阪府内統一15.44%より低く、大田原市9.5%より高い位置になります。
だからこそ軽減が効きます。7割軽減なら93,000円が27,900円まで下がります(年65,100円の減)。所得の低い世帯が多い地域では、この軽減の意味がとりわけ大きくなります。住民税の申告を必ずしてください。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 187,610円 + 均等割 111,650円 + 平等割 20,400円 ⇒ 319,660円
- 後期支援分: 所得割 74,530円 + 均等割 43,750円 + 平等割 8,000円 ⇒ 126,280円
- 介護分: 所得割 61,680円 + 均等割 24,000円 + 平等割 6,000円 ⇒ 91,680円
- 子ども分: 所得割 7,710円 + 均等割 2,800円 + 平等割 800円 ⇒ 11,310円
合計: 年間 約548,930円(月あたり約45,700円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 116,070円 + 均等割 31,900円 + 平等割 20,400円 ⇒ 168,370円
- 後期支援分: 所得割 46,110円 + 均等割 12,500円 + 平等割 8,000円 ⇒ 66,610円
- 介護分: 所得割 38,160円 + 均等割 12,000円 + 平等割 6,000円 ⇒ 56,160円
- 子ども分: 所得割 4,770円 + 均等割 1,400円 + 平等割 800円 ⇒ 6,970円
合計: 年間 約298,110円(月あたり約24,800円)
単身世帯でも平等割が合計で年35,200円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 222,390円 / 後期支援分 88,070円 / 介護分 73,920円 / 子ども分 9,190円 ⇒ 合計 約393,570円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 70,894円 / 後期支援分 27,942円 / 介護分 23,952円 / 子ども分 2,954円 ⇒ 合計 約125,742円
差額は年間およそ26万8千円。届出書1枚でこれだけ違います。指宿市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は指宿市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療分保険税 660,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年112万円(1,120,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 指宿市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども分保険税の均等割1,400円は「18歳以上が負担する均等割(100円)を含んでいます」。18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である方は均等割額が全額免除されます(申請不要)。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 指宿市 税務課(0993-22-2111)
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
倒産・解雇や雇い止めなどで離職された方は、前年の給与所得を100分の30として計算する軽減が使えます(離職時65歳未満、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者が対象)。市は「非自発的失業者に対する軽減措置について」という専用ページを設けています。
効果を試算します。給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯なら、課税所得は276万-43万=233万円。所得割は233万×12.9%=300,570円、均等割57,800円と平等割35,200円を足して年約39.4万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。課税所得は39.8万円まで下がり、所得割は51,342円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割の軽減判定も行われます。単身世帯なら2割軽減の基準は43万+57万=100万円。82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、市が公表している実額表のとおり均等割46,240円+平等割28,160円=74,400円になります。
合計は約12.6万円。差はおよそ26.8万円です。
指宿市は軽減後の実額を公表しているので、自分がどの軽減に該当するかわかれば正確な金額を表から読めるのが強みです。
届出が必要です。市が自動で拾ってくれる制度ではありません。雇用保険受給資格者証(または雇用保険受給資格通知)を持って税務課へ。離職票では手続きできません——ハローワークで求職の申込みをして受給資格の決定を受けてから交付されるものが必要です。
令和8年度は軽減の基準も緩和されました。5割軽減は1人あたり30.5万円→31万円、2割軽減は56万円→57万円。令和7年度は該当しなかった世帯でも令和8年度は該当する可能性があります。
年間保険税額は毎年7月に決定されます。離職が年度の途中でも、届け出ればその年度分から軽減が反映されます。早めに手続きしてください。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 指宿市の減免制度|要申請
指宿市の低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の均等割5割軽減、子ども分保険税の18歳以下均等割全額免除、後期高齢者医療制度への移行に伴う緩和措置はすべて申請不要です。ただし市は「必ず住民税申告を行ってください」としています。非自発的失業者の軽減と産前産後期間の免除は申請が必要です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 低所得世帯に対する均等割額・平等割額の軽減 (申請不要/要・住民税申告) | 世帯主(国保被保険者でない世帯主も含む)と国保被保険者全員の総所得金額等が①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②①+31万円×被保険者数以下=5割、③①+57万円×被保険者数以下=2割 | 均等割額・平等割額を軽減。市は軽減後の実額を4区分すべて公表(7割なら医療分の均等割9,570円・平等割6,120円)。基準日は4月1日だが世帯主変更があった場合は再判定 |
| 未就学児の均等割額軽減 (申請不要) | 未就学児(6歳に達する日以後の最初の3月31日以前である方) | 均等割額が5割軽減。法定軽減に該当する世帯は法定軽減後さらに未就学児の軽減が適用(市の例:7割軽減対象の未就学児なら8.5割の軽減) |
| 子ども分保険税の均等割額軽減 (申請不要) | 18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である方 | 均等割額が全額免除。子ども分の均等割1,400円には18歳以上が負担する均等割100円が含まれています |
| 産前産後期間の所得割額・均等割額免除 (要申請) | 国保被保険者が出産予定または出産した場合(妊娠85日以上の分娩が対象) | 所得割額と均等割額が産前産後期間の4か月間(多胎妊娠は6か月間)免除。母子健康手帳、本人確認書類を持参し、市役所健康増進課(3番窓口)または山川・開聞庁舎市民福祉課へ申請 |
| 非自発的失業者に対する軽減措置 (要申請) | 倒産・解雇・雇止め等で離職した方(離職時65歳未満)で、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者 | 前年の給与所得を100分の30として算定。市は専用ページを設けています |
| 後期高齢者医療制度への移行に伴う緩和措置(軽減判定) (申請不要) | 国保から後期高齢者医療保険への移行により、世帯の国保被保険者が減少する場合 | 後期高齢者医療に移行した方の人数および所得も含めて軽減判定します |
| 特定世帯・特定継続世帯の平等割軽減 (申請不要) | 国保から後期高齢者医療保険への移行により、国保被保険者が1人になる世帯 | 5年間は医療分・支援分・子ども分の平等割額を5割軽減、その後3年間は2.5割軽減(子ども分の平等割も対象/介護分は対象外)。年度途中で世帯主変更など世帯構成に異動が生じた場合、緩和措置から外れることがあります |
指宿市の軽減で他市と違うのが「世帯主変更があった場合は再判定します」という運用です。
多くの自治体は「軽減判定の基準日は4月1日で、年度途中の変更では再判定しない」としています。ところが指宿市は、世帯主が変わった場合は判定をやり直すと明記しています。
有利にも不利にも働きます。世帯主が高所得だったために軽減から外れていた世帯で、世帯主が変わって判定所得が下がれば軽減に該当する可能性があります。逆もまた然りです。
ただし後期高齢者医療制度への移行に伴う緩和措置については、市は「年度途中で世帯主変更など世帯構成に異動が生じた場合、緩和措置から外れることがあります」と注意しています。特定世帯の平等割5割軽減が消える可能性があるということです。世帯主変更は事前に税務課へ相談してください。
軽減判定の対象は「世帯主(国保被保険者でない世帯主も含む)と国保被保険者全員の所得」。世帯主が会社の健康保険に入っていても、その所得は算入されます。
「給与所得者等の数」の定義も市は丁寧に書いています。「給与収入が55万円を超える方(給与所得者)の数と給与所得者を除く公的年金等の支給(60万円超(65歳未満)または125万円超(65歳以上))を受ける方の数の合計数」。そして「『+10万円×(給与所得者等の数-1)』の算入は、同じ世帯に給与または年金所得者である被保険者が2人以上いる場合に適用します」。
未就学児の軽減は「6歳に達する日以後の最初の3月31日以前である方」が対象。市は例を挙げて「7割軽減対象の未就学児の場合、残りの3割の半分を減額するので、8.5割の軽減となります」と計算の考え方まで示しています。
産前産後期間の免除は妊娠85日以上の分娩が対象で、所得割額と均等割額が4か月間(多胎は6か月間)免除されます。母子健康手帳、本人確認書類を持参して市役所健康増進課(3番窓口)または山川・開聞庁舎市民福祉課へ。
指宿市は旧・山川町、旧・開聞町と合併した市なので、山川庁舎・開聞庁舎でも手続きできるのは実務的な配慮です。
特定世帯の平等割軽減は「医療分、支援分、子ども分の平等割額を5割軽減し、その後3年間は2.5割軽減」。子ども分の平等割800円も対象で、介護分の平等割6,000円は対象外です。対象は20,400+8,000+800=29,200円。5年間は14,600円、その後3年間は21,900円になります。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
- 納付書(金融機関・コンビニ等)
- 特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯は年金天引き)
- 納付相談(税務課へ。滞納する前に)
指宿市の年間保険税額は毎年7月に決定されます。市は「毎年7月にその年の4月から翌年3月までの年間保険税額を決定します」としています。
令和8年度は税率を改正した年です。医療分はすべて上昇(所得割7.1%→7.3%、均等割30,400円→31,900円、平等割19,700円→20,400円、限度額66万円→67万円)、介護分はすべて下落(所得割2.5%→2.4%、均等割12,200円→12,000円、平等割6,100円→6,000円)、そこに子ども分が新設されました。
納税通知書が届いたら金額を確認してください。合計では所得割+0.4pt、均等割+3,000円、平等割+1,500円、限度額+4万円です。
改正の理由を市は明確に説明しています。「市では、国民健康保険を持続可能な制度とするため、県が示す標準保険料率を参考に令和8年度の保険税率(額)を改正しました」。県の標準保険料率に近づける方向での改正でした。
鹿児島県は保険料水準の統一を目指しています。令和9年度から「二次医療圏ごとの統一」が始まり、その先に「完全統一」があります。今後も標準保険料率に近づける改正が続くと考えておくのが自然でしょう。
使える軽減は確実に使ってください。指宿市は4区分すべてに平等割があり、均等割57,800円+平等割35,200円=93,000円(40〜64歳単身)が軽減対象です。
7割軽減なら27,900円まで下がります(年65,100円の減)。5割軽減なら46,500円、2割軽減なら74,400円。市が実額を公表しているので、自分の該当区分がわかれば正確な金額を確認できます。
そのためには住民税の申告が必須です。市は「世帯主と世帯の国保被保険者全員の所得が確定していないと軽減判定ができないため、必ず住民税申告を行ってください」としています。収入がなくても申告してください。
会社都合で退職した方は非自発的失業者の軽減を。給与収入400万円の40代単身なら年約26.8万円の差になります。
納付が困難なときは、滞納する前に税務課(0993-22-2111)へ相談してください。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 指宿市の国保窓口一覧
国保税の計算・軽減の相談は指宿市役所の税務課です。産前産後期間の免除は健康増進課(3番窓口)、または山川庁舎・開聞庁舎の市民福祉課で受け付けています。合併市なので、本庁まで行かなくても手続きできるのが利点です。
| 窓口 | 電話番号 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 税務課 鹿児島県指宿市十町2424 | 0993-22-2111 | 国保税の算定・賦課、低所得世帯の軽減、非自発的失業者に対する軽減措置、納付相談、納付方法 |
| 健康増進課(3番窓口) | 0993-22-2111 | 産前産後期間の所得割額・均等割額免除の申請。母子健康手帳、本人確認書類を持参 |
| 山川庁舎・開聞庁舎 市民福祉課 | 各庁舎へ | 産前産後期間の免除の申請も受付。本庁まで行かずに手続きできます |
| 個人住民税の申告 | 0993-22-2111 | 軽減判定には住民税申告が必須です。収入がなくても申告してください |
軽減後の税額が実額で公表されています。7割・5割・2割それぞれについて、4区分の均等割・平等割が表になっています。
「世帯主変更があった場合は再判定します」——多くの自治体が年度途中の再判定をしないなか、指宿市は世帯主変更で判定をやり直します。
ただし後期高齢者医療への移行に伴う緩和措置は「世帯主変更など世帯構成に異動が生じた場合、緩和措置から外れることがあります」。世帯主変更の前に相談を。
鹿児島県は令和9年度から「二次医療圏ごとの統一」を行い、その先に「完全統一」を目指しています。
産前産後の免除は山川庁舎・開聞庁舎でも申請できます。母子健康手帳と本人確認書類を持参してください。
年間保険税額は毎年7月に決定されます。令和8年度は税率改正の年でした。
8. よくある質問(指宿市の国保)
Q1. 軽減が適用されると、いくらになりますか?
A. 指宿市は軽減後の税額を実額で公表しています。7割軽減なら均等割+平等割が93,000円から27,900円まで下がります。
市の表から、40〜64歳の加入者1人あたりの数字を整理します。
【7割軽減】均等割:医療分9,570円/支援分3,750円/子ども分420円/介護分3,600円=17,340円。平等割:医療分6,120円/支援分2,400円/子ども分240円/介護分1,800円=10,560円
【5割軽減】均等割:医療分15,950円/支援分6,250円/子ども分700円/介護分6,000円=28,900円。平等割:医療分10,200円/支援分4,000円/子ども分400円/介護分3,000円=17,600円
【2割軽減】均等割:医療分25,520円/支援分10,000円/子ども分1,120円/介護分9,600円=46,240円。平等割:医療分16,320円/支援分6,400円/子ども分640円/介護分4,800円=28,160円
単身世帯の合計で見ると——
軽減なし:93,000円
2割軽減:74,400円(18,600円の減)
5割軽減:46,500円(46,500円の減)
7割軽減:27,900円(65,100円の減)
7割軽減が効けば年6.5万円以上下がります。4区分すべてに平等割がある指宿市では、軽減の効き目がとりわけ大きくなります。
所得基準は次のとおりです。
7割:43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下
5割:43万円+31万円×被保険者数+10万円×(給与所得者等の数-1)以下
2割:43万円+57万円×被保険者数+10万円×(給与所得者等の数-1)以下
申請は不要ですが、住民税の申告が必須です。市は「世帯主と世帯の国保被保険者全員の所得が確定していないと軽減判定ができないため、必ず住民税申告を行ってください」としています。収入がなくても申告してください。
Q2. 鹿児島県の保険税は統一されるのですか?
A. されます。ただし二段階です。令和9年度から「二次医療圏ごとの統一」を行い、その先に「完全統一」を目指しています。
市の説明を引きます——「『鹿児島県内のどこに住んでいても、同じ所得水準・同じ世帯構成であれば、同じ保険税』となる『完全統一』を目指します。また、その過程として、令和9年度から『二次医療圏ごとの統一』を行います」。
「二次医療圏ごとの統一」を経由するのは全国的にも珍しいやり方です。
二次医療圏とは、入院医療を提供する体制を整えるために都道府県が定める地域区分です。鹿児島県は離島を多く抱え、地域によって医療の実情が大きく違います。いきなり県内一律にするのではなく、まず医療の実態が近い圏域ごとに揃えるという段階を踏むわけです。
指宿市は「南薩医療圏」に属します。令和9年度からは同じ医療圏の市町と保険税水準が揃っていくことになります。
統一の理由として、市は国保の構造的課題を3つ挙げています。①「年齢構成が高く医療費水準が高い」/②「所得水準が低く保険税の負担が重い」/③「財政運営が不安定になるリスクの高い小規模保険者が多く、また、財政赤字の保険者も多く存在する」。
そのうえで「市町村間(県全体)で支え合う体制づくりを進めることが必要です。県全体で支え合う体制を強化し、国保財政の更なる安定化を図るため」としています。
統一されると何が変わるか——
①市町村ごとの税率の差がなくなります。「同じ所得水準・同じ世帯構成なら同じ保険税」です。
②市が独自に税率を抑える余地がなくなります。基金の取り崩しや一般会計からの繰入で保険税を低く保つ、といった措置ができなくなります。
③高かった市町村は下がり、安かった市町村は上がります。統一とはそういうことです。
令和8年度の税率改正も、その流れのなかにあります。市は「県が示す標準保険料率を参考に令和8年度の保険税率(額)を改正しました」としています。今後も標準保険料率に近づける改正が続くと考えておくのが自然でしょう。
詳しくは県のホームページで「保険料水準の統一について」を確認してください。
Q3. 令和8年度から保険税はどう変わりましたか?
A. 医療分はすべて上がり、介護分はすべて下がりました。そこに子ども分が新設されて、合計では所得割+0.4pt、均等割+3,000円、平等割+1,500円です。
指宿市は改正前(R7年度)と改正後(R8年度)を1つの表に並べて公開しています。
医療分保険税(すべて上昇):所得割7.1%→7.3%/均等割30,400円→31,900円(+1,500円)/平等割19,700円→20,400円(+700円)/課税限度額66万円→67万円(+1万円)
支援分保険税(微増):所得割2.9%→2.9%(据え置き)/均等割12,200円→12,500円(+300円)/平等割7,900円→8,000円(+100円)
介護分保険税(すべて下落):所得割2.5%→2.4%(−0.1pt)/均等割12,200円→12,000円(−200円)/平等割6,100円→6,000円(−100円)
子ども分保険税(令和8年度新設):所得割0.3%/均等割1,400円(うち18歳以上が負担する均等割100円を含む)/平等割800円/課税限度額3万円
合計:所得割12.5%→12.9%(+0.4pt)/均等割54,800円→57,800円(+3,000円)/平等割33,700円→35,200円(+1,500円)/限度額109万円→113万円(+4万円)
影響の出方——
所得ゼロの40〜64歳単身:均等割+平等割で+4,500円(軽減なし)。7割軽減が効いていれば約+1,350円。
給与収入400万円の40〜64歳単身:R7は233万×12.5%+54,800+33,700=379,750円、R8は233万×12.9%+57,800+35,200=393,570円で約+13,800円。
限度額世帯:+4万円。
軽減の基準は緩和されました。市は「令和8年度から5割軽減、2割軽減の所得基準額が改正されました。(所得基準:5割軽減 30.5万円を31万円に、2割軽減 56万円を57万円に改正)」としています。
Q4. 世帯主を変更すると保険税は変わりますか?
A. 変わる可能性があります。指宿市は「世帯主変更があった場合は再判定します」と明記しており、多くの自治体とは運用が違います。
多くの自治体は「軽減判定の基準日は4月1日で、年度途中の変更では再判定しない」としています。ところが指宿市は、軽減判定の説明のなかで「※世帯主変更があった場合は再判定します」と書いています。
有利にも不利にも働きます。
有利になるケース——世帯主が高所得(会社員など)で軽減から外れていた世帯で、世帯主を国保加入者に変更すれば、判定所得が下がって軽減に該当する可能性があります。指宿市の軽減判定は「世帯主(国保被保険者でない世帯主も含む)と国保被保険者全員の所得」で行うためです。
不利になるケース——逆に、世帯主を高所得の方に変更すれば軽減から外れます。
ただし重大な注意があります。後期高齢者医療制度への移行に伴う緩和措置について、市は「※ただし、年度途中で世帯主変更など世帯構成に異動が生じた場合、緩和措置から外れることがあります」としています。
特定世帯の平等割5割軽減が消える可能性があるということです。対象は医療分20,400円+支援分8,000円+子ども分800円=29,200円で、5年間は5割軽減(14,600円の減)、その後3年間は2.5割軽減(7,300円の減)。これを失うのは大きな損失です。
後期高齢者医療への移行に伴う軽減判定も同様です。市は「後期高齢者医療に移行した方の人数および所得も含めて、軽減判定をします」としていますが、世帯構成に異動があると対象から外れる可能性があります。
世帯主変更は必ず事前に税務課(0993-22-2111)へ相談してください。軽減判定と緩和措置の両方への影響を確認してから判断するのが安全です。
そもそも軽減判定の基準日は4月1日(年度途中で新規加入した場合は資格取得日)です。
Q5. 未就学児がいます。どれくらい安くなりますか?
A. 均等割額が5割軽減されます。低所得軽減と併用でき、7割軽減対象の未就学児なら8.5割の軽減になります。
市の説明を引きます——「世帯に未就学児(6歳に達する日以後の最初の3月31日以前である方)がいる場合、その未就学児にかかる均等割額が5割軽減されます。申請は不要です。※法定軽減(上記の7・5・2割軽減)に該当する世帯については、法定軽減後さらに未就学児の軽減が適用されます。例:7割軽減対象の未就学児の場合、残りの3割の半分を減額するので、8.5割の軽減となります」。
未就学児にかかる均等割は、医療分31,900円+支援分12,500円=44,400円(18歳未満には介護分がかからず、子ども分の均等割1,400円も全額免除)。
軽減なしの世帯:44,400円 → 22,200円(5割軽減)
2割軽減世帯:軽減後35,520円 → 17,760円(実質6割軽減)
5割軽減世帯:軽減後22,200円 → 11,100円(実質7.5割軽減)
7割軽減世帯:軽減後13,320円 → 6,660円(実質8.5割軽減)
申請は不要です。市が年齢を確認して自動的に適用します。
18歳未満には子ども分保険税の均等割がかかりません。市は「18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である方については、均等割額が全額免除されます。申請は不要です」としています。子ども分の均等割1,400円には「18歳以上が負担する均等割(100円)を含んでいます」——18歳未満の分を免除した穴を、18歳以上が100円ずつ埋める仕組みです。
ただし子ども分の平等割800円は世帯単位でかかります。子どもがいてもいなくても、1世帯800円です。
出産予定の方は産前産後期間の免除も使えます。妊娠85日以上の分娩が対象で、所得割額と均等割額が4か月間(多胎は6か月間)免除されます。母子健康手帳、本人確認書類を持って市役所健康増進課(3番窓口)または山川・開聞庁舎市民福祉課へ申請してください。
Q6. 指宿市の保険税は高いのですか?
A. 所得に関係なくかかる部分が93,000円(40〜64歳単身)と、東京23区(84,873円)より高い水準です。4区分すべてに平等割があるためです。
所得に関係なくかかる部分で比べます。
単身世帯:指宿市93,000円(均等割57,800+平等割35,200)/野洲市88,440円/佐伯市73,950円/東京23区84,873円
4人世帯:指宿市266,400円/野洲市250,260円/佐伯市202,740円/東京23区339,492円
単身世帯では指宿市が最も重くなります。東京23区より約8,000円高い水準です。
理由は「4区分すべてに平等割がある」ことです。医療分20,400円+支援分8,000円+介護分6,000円+子ども分800円=35,200円が、世帯人数に関係なくかかります。
これは市が挙げていた国保の構造的課題そのものです。市は「所得水準が低く保険税の負担が重い」と国保の課題を明記しています。所得の低い地域ほど、所得割で集められる額が少ないぶん、均等割・平等割に頼らざるを得ない——その結果、所得に関係なくかかる部分が重くなります。
4人世帯では266,400円で、東京23区(339,492円)より約7.3万円安くなります。平等割は人数で割られていくためです。
所得割12.9%(40〜64歳)は全国的には中位です。東京23区13.01%とほぼ同じ、大阪府内統一15.44%より低い水準。所得が高い方には相対的に有利な設計といえます。
だからこそ軽減が重要です。指宿市は軽減後の実額を公表しています。
7割軽減:93,000円 → 27,900円(年65,100円の減)
5割軽減:93,000円 → 46,500円
2割軽減:93,000円 → 74,400円
住民税の申告が必須です。市は「必ず住民税申告を行ってください」としています。収入がなくても申告してください。
今後は県内統一へ向かいます。令和9年度から「二次医療圏ごとの統一」、その先に「完全統一」。指宿市の水準が上がるか下がるかは、県が示す統一税率次第です。
Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得世帯に対する均等割額・平等割額の軽減
(申請不要/要・住民税申告)・未就学児の均等割額軽減
(申請不要)・子ども分保険税の均等割額軽減
(申請不要)・産前産後期間の所得割額・均等割額免除
(要申請)・非自発的失業者に対する軽減措置
(要申請)・後期高齢者医療制度への移行に伴う緩和措置(軽減判定)
(申請不要)・特定世帯・特定継続世帯の平等割軽減
(申請不要)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に指宿市 税務課(0993-22-2111)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|指宿市の国保で押さえるべきポイント
- 指宿市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分保険税7.30%・後期支援分2.90%・介護分2.40%・子ども分0.30%
- 均等割は医療分保険税31,900円・後期支援12,500円・介護12,000円・子ども1,400円、平等割は合計で年35,200円。賦課限度額は世帯合計で年112万円
- 軽減後の税額を実額で全公開——7割・5割・2割×4区分×均等割/平等割の24個の数字。単身なら93,000円→7割軽減で27,900円(年65,100円の減)
- 鹿児島県の保険料水準統一は二段階——令和9年度から「二次医療圏ごとの統一」、その先に「完全統一」。指宿市は南薩医療圏
- 令和8年度は医療分がすべて上昇・介護分がすべて下落。合計で所得割+0.4pt、均等割+3,000円、平等割+1,500円、限度額109万→113万円
- 4区分すべてに平等割(医療20,400+支援8,000+介護6,000+子ども800=35,200円)。単身93,000円は東京23区より高い
- 「世帯主変更があった場合は再判定します」——多くの自治体が年度途中の再判定をしないなか、指宿市は判定をやり直す
- ただし後期高齢者医療への移行に伴う緩和措置は「世帯主変更など世帯構成に異動が生じた場合、外れることがあります」
- 特定世帯の平等割軽減は医療分・支援分・子ども分が対象(介護分は対象外)。5年間5割、その後3年間2.5割
- 産前産後の免除は山川庁舎・開聞庁舎でも申請可(合併市ならではの窓口配置)
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年26万8千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は指宿市 税務課(0993-22-2111)
出典・参考:
・指宿市公式:国民健康保険税(令和8年度の税率)
・指宿市公式:国民健康保険税(税務課)
・指宿市公式:国民健康保険
・指宿市公式:「未申告」の場合の国民健康保険税はどのようになりますか。
・鹿児島県:保険料水準の統一について
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は指宿市公式サイトでご確認ください。