熊本県 熊本市の国民健康保険|保険料・減免・申請窓口まとめ

熊本市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド

熊本市は人口約74万人、九州の中央に位置する政令指定都市です。
この記事では、令和8年度の最新料率にもとづく熊本市の国保料の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
熊本市が公式サイトに載せている情報のなかで、まず知っておいてほしいのが「健康保険料は月の末日に加入している保険で賦課されます」というルールです。市は退職日が1日違うだけで1か月分の保険料が変わる例を並べて説明しています。
もうひとつ、熊本市は給与収入・年金収入別の保険料目安表を1人〜4人世帯まで公開しています。この記事では、その目安表の数字が実際の料率で再現できることを確認したうえで、会社都合退職でいくらまで下がるかまで踏み込みます。

1. 熊本市の国民健康保険の概要

熊本市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。

熊本市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。

熊本市は「保険税」ではなく「保険料」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。ただし平等割があるのは医療分と後期支援分だけで、介護分と子ども分には平等割がありません。
保険料の納付義務者は住民票上の世帯主です。市は「世帯主の方が国民健康保険に加入していなくても、納入通知書は世帯主様宛に送付します」と明記しています。
基準総所得金額は「同一世帯内の国保加入者の基準所得金額(個人の所得金額-基礎控除43万円)を合算した金額」。基礎控除43万円は加入者ごとに引けるので、所得のある加入者が複数いる世帯には有利です。

国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。

2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率

令和8年度 熊本市国民健康保険料 料率
区分所得割率均等割(1人年額)平等割(1世帯年額)賦課限度額
医療分6.34%28,400円18,100円670,000円
後期高齢者支援金分2.98%13,300円8,500円260,000円
介護分(40〜64歳)2.94%20,300円―170,000円
子ども・子育て支援金分0.25%1,700円
(子ども分の均等割は料率上は1,600円ですが、賦課額では18歳以上1,700円・18歳未満(高校生年代までのこども)0円です。18歳未満の10割軽減分を18歳以上に100円上乗せして負担する仕組みです)
―30,000円
  • 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
  • 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
  • 子ども分の均等割は料率上は1,600円ですが、賦課額では18歳以上1,700円・18歳未満(高校生年代までのこども)0円です。18歳未満の10割軽減分を18歳以上に100円上乗せして負担する仕組みです。申請は不要です。
  • 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。

所得割の合計は12.51%(医療6.34%+後期支援2.98%+介護2.94%+子ども0.25%/40〜64歳)。政令指定都市としては標準的な水準です。

介護分の所得割2.94%は医療分6.34%に対してかなり高めです。40歳になった月から負担が大きく変わります(均等割20,300円も加わります)。

均等割の合計は1人63,700円(医療28,400+後期支援13,300+介護20,300+子ども1,700)、平等割の合計は年26,600円(医療18,100+後期支援8,500)。単身40〜64歳なら所得ゼロでも年90,300円が基本です(軽減の対象にはなります)。

算定基礎の総所得金額等は税金の計算とは異なります。市は「※税関係の総所得金額等とは、異なります」と明記しています。総合課税の長期譲渡所得と一時所得は合計額の2分の1、申告分離課税の所得(株、土地、家の売却益など)は特別控除後の金額が入ります。

純損失繰越控除は適用されますが、雑損失繰越控除は適用されません。また退職所得や課税対象とならない障害年金・遺族年金などは含みません。扶養控除・社会保険料控除・医療費控除などの所得控除も適用されません。

令和8年度から年間最高限度額が113万円に引き上げられました。市の説明は「医療分:1万円増と子ども分の新設により」。医療分67万円・後期支援分26万円・介護分17万円・子ども分3万円です。

令和8年度の保険料率

熊本市 令和8年度の国保料率
医療分後期支援分介護分
(40〜64歳)
子ども分
所得割6.34%2.98%2.94%0.25%
均等割1人 28,400円1人 13,300円1人 20,300円1人 1,600円
(賦課額は18歳以上1,700円/
18歳未満0円
)
平等割1世帯 18,100円1世帯 8,500円――
限度額670,000円260,000円170,000円30,000円

所得割は「基準総所得金額」にかけます。基準所得金額=個人の所得金額-基礎控除43万円、基準総所得金額=同一世帯内の国保加入者の基準所得金額を合算した額です。合計所得金額が2,400万円を超えると基礎控除が減少し、2,500万円を超えると適用されなくなります。

熊本市の保険料目安表は実際の料率で再現できる

熊本市は給与収入・年金収入別の年間保険料目安表を、1人世帯から4人世帯まで公開しています。「概算」と断ってはいますが、実際に計算してみると1円単位まで一致します。
給与収入500万円・1人世帯(40〜64歳)の場合を追ってみます。目安表の値は481,863円です。

給与収入500万円・単身40〜64歳(総所得金額356万円/基準総所得金額313万円)
区分所得割均等割平等割計
医療分313万×6.34%=198,442円28,400円18,100円244,942円
後期支援分313万×2.98%=93,274円13,300円8,500円115,074円
介護分313万×2.94%=92,022円20,300円-112,322円
子ども分313万×0.25%=7,825円1,700円-9,525円
年間保険料481,863円

目安表の数字とぴったり一致しました。熊本市の目安表は端数処理をしていないので、自分の収入に近い行を見れば実額に近い数字が読み取れます。
給与収入400万円・単身40〜64歳なら目安表は381,783円。こちらも基準総所得金額233万円で計算すると1円単位まで一致します。
目安表の注意点として、市は「未就学児の被保険者均等割額の減額制度は、計算しておりません」としています。未就学児がいる世帯は目安表より安くなります。
目安表は給与収入・年金収入(65歳未満)・年金収入(65歳以上)の3種類。年金収入65歳以上・1人世帯なら、年金収入150万円まで年21,000円(介護分は65歳以上なので国保料には含まれません)。

【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円

所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円

  • 医療分: 所得割 162,938円 + 均等割 99,400円 + 平等割 18,100円 ⇒ 280,438円
  • 後期支援分: 所得割 76,586円 + 均等割 46,550円 + 平等割 8,500円 ⇒ 131,636円
  • 介護分: 所得割 75,558円 + 均等割 40,600円 ⇒ 116,158円
  • 子ども分: 所得割 6,425円 + 均等割 3,400円 ⇒ 9,825円

合計: 年間 約538,057円(月あたり約44,800円)

この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。

【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)

基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円

  • 医療分: 所得割 100,806円 + 均等割 28,400円 + 平等割 18,100円 ⇒ 147,306円
  • 後期支援分: 所得割 47,382円 + 均等割 13,300円 + 平等割 8,500円 ⇒ 69,182円
  • 介護分: 所得割 46,746円 + 均等割 20,300円 ⇒ 67,046円
  • 子ども分: 所得割 3,975円 + 均等割 1,700円 ⇒ 5,675円

合計: 年間 約289,209円(月あたり約24,100円)

単身世帯でも平等割が合計で年26,600円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。

【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円

ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。

軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)

  • 医療分 194,222円 / 後期支援分 91,234円 / 介護分 88,802円 / 子ども分 7,525円 ⇒ 合計 約381,783円

非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)

  • 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
  • 医療分 62,433円 / 後期支援分 29,300円 / 介護分 27,941円 / 子ども分 2,355円 ⇒ 合計 約122,030円

差額は年間およそ26万円。届出書1枚でこれだけ違います。熊本市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。

(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は熊本市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。

3. 賦課限度額(保険料の上限)

  • 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
  • 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)

所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。

4. 熊本市の軽減・減免制度

制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。

4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用

令和8年度 軽減判定の所得基準
軽減率世帯の総所得金額等が以下の額以下
7割軽減43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
5割軽減43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
2割軽減43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)

軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。

4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用

未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。

4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用

令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども分の均等割は料率上は1,600円ですが、賦課額では18歳以上1,700円・18歳未満(高校生年代までのこども)0円です。18歳未満の10割軽減分を18歳以上に100円上乗せして負担する仕組みです。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。

4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請

倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。

  • 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
  • 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
  • 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
  • 届出先: お住まいの区の区役所区民課、または各総合出張所
  • 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です

会社都合などで離職された方は、前年の給与所得を100分の30として計算する軽減が使えます。熊本市の要件は次のとおりです。
離職日:平成21年3月31日以降
離職時の年齢:65歳未満
離職理由コード:「11」「12」「21」「22」「23」「31」「32」「33」「34」のいずれか
軽減の対象となる期間:離職年月日の翌日の属する月から翌年度末まで
効果を、市の目安表の数字を使って確認します。給与収入500万円・単身40〜64歳なら年間保険料は481,863円でした。
軽減が適用されると、給与所得356万円は356万×30%=106.8万円とみなされ、基準総所得金額は106.8万-43万=63.8万円まで下がります。
医療分:63.8万×6.34%=40,449円+28,400円+18,100円=86,949円
後期支援分:63.8万×2.98%=19,012円+13,300円+8,500円=40,812円
介護分:63.8万×2.94%=18,757円+20,300円=39,057円
子ども分:63.8万×0.25%=1,595円+1,700円=3,295円
合計約170,100円。差はおよそ31.2万円です。
もう少し収入が低い方だと、7割・5割・2割軽減にも届きます。判定は軽減後の所得(給与所得×30%)で行われるので、たとえば給与収入400万円(給与所得276万円)なら判定所得は82.8万円。単身世帯の2割軽減の基準は43万+57万=100万円なので、均等割63,700円と平等割26,600円も2割引きになります。
届出時の必要書類は2つです。①資格確認書または資格情報のお知らせのいずれか、②雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知。
重要な注意が3つあります。「離職票では受付できません」「特例受給資格者証及び高年齢受給資格者証の交付を受けている方は対象になりません」「所得が未申告の場合は、軽減の適用ができません」。
離職票ではダメという点はとくに注意してください。ハローワークで雇用保険の手続きをして、受給資格者証(または受給資格通知)を受け取ってから区役所区民課へ行きます。

書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。

4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出

出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。

4-6. 熊本市の減免制度|要申請

熊本市の法定軽減・子ども分の10割軽減・未就学児の減額は申請不要です(ただし所得申告は必要)。非自発的失業者の軽減は届出が必要で、各区役所区民課・各総合出張所で受け付けています。減免の相談窓口は国保年金課(減免担当)と分かれています。

熊本市 国民健康保険料の減免
種類主な要件減免内容・手続き
法定軽減制度
(申請不要/要・所得申告)
世帯主(国保に加入していない世帯主も含む)と同一世帯内の国保被保険者の前年総所得の合計額が①43万円+(給与所得者等の数-1)×10万円以下=7割、②①+31万円×被保険者数以下=5割、③①+57万円×被保険者数以下=2割均等割・平等割を軽減。被保険者数は擬制世帯主を含めず、特定同一世帯所属者(後期高齢者医療へ移行した方)を含みます。世帯内に所得申告が済んでいない方がいる世帯は減額できません
子ども分均等割額の軽減制度
(申請不要/令和8年度から)
18歳に達する日以後の最初の3月31日以前のこども(高校生年代のこども)子ども分の均等割を10割軽減(0円)。市の説明では「こどもにかかる10割分については、対象となるこども以外の国民健康保険被保険者の支援金で支えることとし、18歳以上均等割として100円賦課します」
未就学児の被保険者均等割額の減額制度
(申請不要/令和4年度から)
6歳に達する日以降の最初の3月31日までの方均等割額の5割を減額。法定軽減に該当する世帯は法定軽減後の均等割をさらに5割軽減(7割軽減世帯は8.5割、5割軽減世帯は7.5割、2割軽減世帯は6割)
非自発的失業者にかかる保険料の軽減制度
(要届出)
①離職日が平成21年3月31日以降、②離職時の年齢が65歳未満、③離職理由コードが11・12・21・22・23・31・32・33・34のいずれか。特例受給資格者証・高年齢受給資格者証の交付を受けている方は対象外給与所得を100分の30にして保険料を計算。期間は離職年月日の翌日の属する月から翌年度末まで。離職票では受付できません
産前産後期間の保険料軽減
(要届出)
出産(予定)の被保険者産前産後期間相当分の保険料を軽減。区役所区民課へ
各種減免制度
(要申請)
国民健康保険料の納付が困難な方で、各要件に該当する方相談窓口は熊本市役所 国保年金課(減免担当)096-328-2290。納付相談は保険料収納対策課(096-328-2270)

熊本市の保険料でとくに注意したいのが、算定に使う「総所得金額等」が税金のそれとは違うことです。市は「※税関係の総所得金額等とは、異なります」とはっきり書いています。違いは次のとおりです。
①総合課税の長期譲渡所得と一時所得は「合計額の2分の1」が算入されます。生命保険の満期一時金や、5年超保有した資産(土地建物以外)の売却益が該当します。
②申告分離課税の所得(株、土地、家の売却益など)は特別控除後の金額です。マイホーム売却の3,000万円特別控除は所得割の計算では効きます。
③純損失繰越控除は適用されますが、雑損失繰越控除は適用されません。事業の赤字の繰越は引けますが、災害や盗難による雑損失の繰越は引けません。
④退職所得や障害年金・遺族年金は含みません。退職金を一時金で受け取っても保険料は増えません。
⑤扶養控除・社会保険料控除・医療費控除などの「所得控除」は適用されません。所得税で大きく控除されていても、国保料の計算では引けません。
軽減の判定についても押さえておきたい点があります。被保険者数には「国民健康保険に加入していない世帯主(擬制世帯主)を含めず、国民健康保険から後期高齢者医療保険に移行した方(特定同一世帯所属者)を含みます」。
つまり擬制世帯主は判定所得には算入されるが、5割・2割軽減の基準額を増やす「人数」にはカウントされないということです。世帯主が会社の健康保険に入っている世帯は、判定上やや不利になります。
そして「世帯内に所得申告が済んでいない方がいる世帯は減額することができませんので、所得申告をしてください」。収入がなくても申告が必要です。熊本市の均等割63,700円+平等割26,600円=90,300円(40〜64歳・単身)が軽減の対象なので、7割軽減を逃すと年約6.3万円の差になります。
未就学児は最大8.5割の減額を受けられます。7割軽減世帯の未就学児なら、医療分の均等割28,400円が4,260円まで下がります。

保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。

4-7. 払えないときは滞納する前に相談

滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。

5. 納付方法

  • 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
  • スマホ決済(請求書払い)
  • コンビニ納付
  • 納付書による金融機関窓口払い
  • 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)

熊本市で最初に確認しておきたいのが、「健康保険料は月の末日に加入している保険で賦課されます」というルールです。市は具体例を2つ並べて説明しています。
【例1】社会保険 4月1日から5月31日まで加入 → 4月・5月分は社会保険の健康保険料を納付/国民健康保険 6月1日から加入 → 6月以降分が国保料
【例2】社会保険 4月1日から5月30日まで加入 → 4月分は社会保険の健康保険料を納付/国民健康保険 5月31日から加入 → 5月以降分が国保料
退職日が5月30日か5月31日かで、5月分の保険料がどちらの制度になるかが変わります。月末の1日違いで1か月分の負担先が入れ替わるということです。
退職日を選べる立場なら、月末日(例:5月31日)まで在籍したほうがその月は会社の健康保険が適用されます。会社が保険料の半分を負担してくれるぶん、一般に有利です。逆に月末の前日(5月30日)に退職すると、その月から国保料がかかります。
年度途中で加入・喪失した場合は加入月数で按分されます。市の例は「年間保険料120,000円、加入月数6か月の場合 → 120,000×12分の6=60,000円」です。
40歳になると介護分が加わります。熊本市の介護分は所得割2.94%+均等割20,300円と負担が大きく、医療分(6.34%+28,400円)と比べても所得割の率が近い水準です。基準総所得金額313万円の方なら、介護分だけで年112,322円。40歳の誕生月から負担が一段上がることを見込んでおいてください。
65歳になると介護分は国保料から外れますが、介護保険料を別に納めることになります。
納付に関する窓口は用件で分かれています。加入・喪失・料金計算・軽減はお住まいの区の区役所区民課、納付・納付相談(分納等)は保険料収納対策課(096-328-2270)、減免相談は国保年金課(096-328-2290)です。
手続きの内容がわからないときは、熊本市コールセンター「ひごまるコール」(096-334-1500/年中無休8時〜20時)が使えます。市役所の主な窓口の受付時間は平日9時〜16時30分と短めなので、事前に電話で確認しておくと確実です。

6. 加入・脱退の手続き

6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)

状況別 加入時の必要書類
事由必要書類
会社を退職した健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
他市区町村から転入本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可)
子どもが生まれた本人確認書類、母子健康手帳
生活保護が廃止された保護廃止(停止)通知書、本人確認書類

6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)

状況別 脱退時の必要書類
事由必要書類
就職して社保に加入した新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類
他市区町村へ転出本人確認書類(転出届と同時に手続き可)
生活保護の受給開始保護決定通知書、本人確認書類
死亡本人確認書類、死亡を確認できる書類

脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。

7. 熊本市の国保窓口一覧

熊本市は政令指定都市で、国保の加入・喪失・料金計算・軽減の窓口は「お住まいの区の区役所区民課」です。納付相談と減免相談は市役所の別部署になります。

熊本市 国保の窓口(区役所区民課)
窓口電話番号主な業務
中央区役所 区民課096-328-2278国保の加入・喪失、料金計算、軽減、非自発的失業者の軽減の届出
東区役所 区民課096-367-9125同上/納付・納付相談(分納等)・減免相談も受付
西区役所 区民課096-329-1198同上/納付・納付相談・減免相談も受付
南区役所 区民課096-357-4128同上/納付・納付相談・減免相談も受付
北区役所 区民課096-272-6905同上/納付・納付相談・減免相談も受付
熊本市役所 保険料収納対策課(収納担当)096-328-2270保険料の納付・納付相談(分納等)
熊本市役所 国保年金課(減免担当)096-328-2290減免相談
熊本市コールセンター(ひごまるコール)096-334-1500市の手続きやイベントの問い合わせ/年中無休8時〜20時

非自発的失業者の軽減は「離職票では受付できません」。雇用保険受給資格者証または受給資格通知が必要です。

特例受給資格者証・高年齢受給資格者証の交付を受けている方は軽減の対象外です。

届出は各区役所区民課と各総合出張所で受け付けています。中央区役所区民課は096-328-2278です。

納付相談は保険料収納対策課(096-328-2270)、減免相談は国保年金課(096-328-2290)と、区役所とは別の窓口です。

市役所の主な窓口の受付時間は平日9時〜16時30分と短めです(祝休日・12月29日〜1月3日を除く)。年中無休8時〜20時のひごまるコール(096-334-1500)で事前確認を。

8. よくある質問(熊本市の国保)

Q1. 退職日を5月30日にするか5月31日にするかで、保険料は変わりますか?
A. 変わります。熊本市は「健康保険料は月の末日に加入している保険で賦課されます」と明記し、この2つのケースを例示しています。
市が挙げている例をそのまま引きます。
【5月31日まで社会保険に加入】4月・5月分は社会保険の健康保険料を納付。国保は6月1日から加入で、6月以降分が国保料。
【5月30日まで社会保険に加入】4月分は社会保険の健康保険料を納付。国保は5月31日から加入で、5月以降分が国保料。
つまり月末日まで在籍すればその月は会社の健康保険、前日に退職するとその月から国保になります。
どちらが有利かというと、一般には月末日まで在籍したほうが有利です。会社の健康保険は保険料の半分を会社が負担してくれるからです。国保にはその仕組みがありません。
熊本市の国保料は、基準総所得金額313万円・単身40〜64歳なら年481,863円=月約40,000円。1か月分の差は決して小さくありません。
ただし月末日まで在籍すると社会保険料も1か月分多く引かれます。会社負担があるぶん自己負担額は国保より軽いことが多いのですが、給与額によっては逆転することもあります。退職日を選べる立場なら、両方を試算して決めるのが確実です。
国保の加入手続きは、社会保険の資格喪失日から14日以内に区役所区民課で行ってください(国保をやめる手続き)。

Q2. 熊本市の保険料の目安表は信用できますか?
A. 信用できます。実際の料率で計算すると1円単位まで一致します。
熊本市は給与収入・年金収入(65歳未満)・年金収入(65歳以上)の3種類の目安表を、1人世帯から4人世帯まで公開しています。「概算」と断ってはいますが、検算すると端数処理をしていない正確な値です。
給与収入500万円・1人世帯(40〜64歳)の目安表の値は481,863円。基準総所得金額313万円(総所得356万-基礎控除43万)で計算すると次のようになります。
医療分244,942円+後期支援分115,074円+介護分112,322円+子ども分9,525円=481,863円——完全に一致します。
給与収入400万円・1人世帯(40〜64歳)の381,783円も同様に一致しました。
ただし2つの注意点があります。
①未就学児の減額は計算されていません。市は「未就学児の被保険者均等割額の減額制度は、計算しておりません」と明記しています。未就学児がいる世帯は目安表より安くなります。
②低所得軽減(7割・5割・2割)は表に織り込まれている行と、そうでない行があります。収入が低い行(給与収入108万円以下など)は軽減後の値です。
③「世帯の中で一人に給与収入または年金収入があった場合」の前提です。共働きなど所得のある加入者が複数いる世帯には当てはまりません。基礎控除43万円は加入者ごとに引けるので、共働き世帯は目安表より安くなる方向に働きます。

Q3. 40歳になると保険料はどれくらい上がりますか?
A. 熊本市の介護分は所得割2.94%+均等割20,300円で、負担がかなり大きくなります。
熊本市の介護分の所得割2.94%は、医療分の6.34%と比べても半分近い水準です。均等割20,300円も、医療分の28,400円に迫ります。
実額で見てみます。基準総所得金額313万円(給与収入500万円)の方の場合、
39歳まで:医療分244,942円+後期支援分115,074円+子ども分9,525円=369,541円
40歳から:これに介護分112,322円(所得割92,022円+均等割20,300円)が加わり481,863円
差は112,322円、率にして約30%の増加です。市の目安表でもこの2つの列(「医療分+支援分+子ども分」と「医療分+支援分+介護分+子ども分」)が並んでいるので、比較しやすくなっています。
介護分がかかるのは40歳から64歳までです。65歳になると国保料からは外れますが、代わりに介護保険料を別に納めることになるので、負担がなくなるわけではありません。
介護分には平等割がありません。熊本市で平等割があるのは医療分(18,100円)と後期支援分(8,500円)だけです。そのぶん均等割20,300円が高めに設定されている構造です。
40歳の誕生月から保険料が変わるので、誕生日を迎える年度は年度途中で通知が届くことになります。

Q4. 会社都合で辞めました。離職票を持っていけばいいですか?
A. いいえ、離職票では受付できません。雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)が必要です。
熊本市は必要書類を明記しています。
①資格確認書または資格情報のお知らせのいずれか
②雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知
そして注意書きに「離職票では受付できません」とあります。
離職票は会社が発行してハローワークに提出する書類で、雇用保険受給資格者証はハローワークが交付するものです。離職票を持ってハローワークで求職の申込みと受給資格の決定を受けると、受給資格者証(または受給資格通知)が交付されます。
つまり順番は「会社から離職票を受け取る → ハローワークで手続き → 受給資格者証を受け取る → 区役所区民課へ」です。区役所に先に行っても手続きできません。
もうひとつの注意点は「特例受給資格者証及び高年齢受給資格者証の交付を受けている方は対象になりません」。短期雇用特例被保険者や65歳以上で離職した方(高年齢被保険者)は対象外です。離職時の年齢が65歳未満であることが要件です。
対象となる離職理由コードは11・12・21・22・23・31・32・33・34。受給資格者証の離職理由欄で確認できます。離職理由について詳しくはハローワークへと市は案内しています。
そして「所得が未申告の場合は、軽減の適用ができません」。前年の所得申告も済ませておいてください。
届出先はお住まいの区の区役所区民課、または各総合出張所です。

Q5. 収入がありません。申告しないとどうなりますか?
A. 7割軽減が適用されず、均等割63,700円+平等割26,600円=90,300円が満額でかかります(40〜64歳・単身の場合)。
熊本市は法定軽減の説明に「世帯内に所得申告が済んでいない方がいる世帯は減額することができませんので、所得申告をしてください」と明記しています。
「世帯内に」という表現に注意してください。加入者本人だけでなく、世帯の誰か1人でも未申告なら世帯全体が軽減されません。
収入ゼロの単身世帯(40〜64歳)で比べると次のようになります。
申告あり(7割軽減):90,300円×0.3=約27,090円(市の目安表の「給与収入65万円/1人世帯」の値と一致します)
申告なし(軽減なし):90,300円
差は約6.3万円です。申告一つでこれだけ変わります。
非自発的失業者の軽減も同様で、市は「所得が未申告の場合は、軽減の適用ができません。必ず所得申告を行ってください」としています。
もうひとつ、軽減判定の人数の数え方にも特徴があります。「国民健康保険に加入していない世帯主(擬制世帯主)を含めず、国民健康保険から後期高齢者医療保険に移行した方(特定同一世帯所属者)を含みます」。
擬制世帯主の所得は判定に算入されるのに、人数にはカウントされません。世帯主が会社の健康保険に入っている世帯は、5割・2割軽減の基準額(31万円・57万円×人数)が増えないぶん判定上やや不利になります。
申告の方法や必要書類は、お住まいの区の区役所区民課で確認してください。

Q6. 家を売りました。熊本市の国保料はどうなりますか?
A. 特別控除後の金額が算定基礎に入ります。ただし「税関係の総所得金額等とは異なる」点に注意が必要です。
熊本市は算定基礎となる総所得金額等について、次のように定義しています。
「申告分離課税の所得(株、土地、家の売却益など)の特別控除後の金額」
つまりマイホーム売却の3,000万円特別控除は、所得割の計算でも効きます。譲渡益3,200万円で特別控除3,000万円を使ったなら、算定基礎に入るのは200万円です。
所得割12.51%(40〜64歳)なので、200万円分で約25万円の増加になります。
そのほか押さえておきたい点を挙げます。
①総合課税の長期譲渡所得と一時所得は「合計額の2分の1」です。土地建物以外の資産(ゴルフ会員権など)を5年超保有して売った場合や、生命保険の満期一時金が該当します。
②純損失繰越控除は適用されますが、雑損失繰越控除は適用されません。
③退職所得は含みません。退職金を一時金で受け取っても保険料は増えません。
④扶養控除・社会保険料控除・医療費控除などの「所得控除」は適用されません。所得税では控除されても、国保料の計算には反映されません。
注意したいのは賦課限度額です。熊本市の限度額は合計113万円(医療67万+後期支援26万+介護17万+子ども3万)。所得が大きくても、この額を超えて課されることはありません。
売却の影響は翌年度の1年間だけです。翌々年度には元の水準に戻ります。売却を予定している方は、その年の増額分を見込んでおいてください。

Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、法定軽減制度
(申請不要/要・所得申告)・子ども分均等割額の軽減制度
(申請不要/令和8年度から)・未就学児の被保険者均等割額の減額制度
(申請不要/令和4年度から)・非自発的失業者にかかる保険料の軽減制度
(要届出)・産前産後期間の保険料軽減
(要届出)・各種減免制度
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。

Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に熊本市 お住まいの区の区役所区民課で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。

9. まとめ|熊本市の国保で押さえるべきポイント

  • 熊本市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分6.34%・後期支援分2.98%・介護分2.94%・子ども分0.25%
  • 均等割は医療分28,400円・後期支援13,300円・介護20,300円・子ども1,700円、平等割は合計で年26,600円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
  • 「健康保険料は月の末日に加入している保険で賦課される」。退職日が5月30日か31日かで、5月分がどちらの制度になるかが変わる
  • 市の保険料目安表は端数処理なしで、実際の料率で1円単位まで再現できる(給与収入500万円・単身40〜64歳で481,863円)
  • 介護分の所得割2.94%+均等割20,300円は負担が大きい。40歳になると保険料が約30%上がる
  • 算定に使う総所得金額等は「税関係のそれとは異なる」。総合課税の長期譲渡所得・一時所得は2分の1、雑損失繰越控除は不適用
  • 非自発的失業の軽減は「離職票では受付できません」。雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)が必要
  • 窓口は区役所区民課(加入・料金計算・軽減)、保険料収納対策課(納付相談)、国保年金課(減免相談)と分かれている
  • 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年26万円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
  • 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
  • 窓口は熊本市 お住まいの区の区役所区民課

出典・参考:
・熊本市公式:国民健康保険 保険料について(令和8年度料率・目安表)
・熊本市公式:国民健康保険の保険料
・熊本県公式:令和8年度(2026年度)国民健康保険事業費納付金に係る標準保険料率について

※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は熊本市公式サイトでご確認ください。

シェアする