行田市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
行田市は人口約7.7万人、埼玉県北部の市で「足袋のまち」として知られます。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく行田市の国保税の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
行田市の公式ページには、他の自治体ではまず見かけない資料があります。令和2年度から令和8年度まで、7年分の税率が年度ごとに全部載っているのです。改定の履歴がそのまま追えます。
その推移を見ると、医療分の均等割が令和5年度の24,000円から令和8年度の42,000円へ、3年で1.75倍になっていることがわかります。この記事ではその変化の全体像と、いま何が起きているかを整理します。
1. 行田市の国民健康保険の概要
行田市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
行田市の保険料は2方式(所得割+均等割)で計算します。世帯単位でかかる平等割はありません。単身世帯にとっては比較的有利な設計です。
行田市は「保険料」ではなく「保険税」方式で、2方式(所得割+均等割)です。平等割(世帯割)はありません。
市は「令和2年度において、医療分の国保税算定方式を4方式(所得割・資産割・均等割・平等割)から2方式(所得割・均等割)に変更しました」と記録しており、もともとは資産割のある4方式だったことがわかります。
世帯ごとに各項目を計算し、その合計額が世帯主へ課税されます。
市は財政状況も率直に書いています。「被保険者の高齢化等により医療費も増加し、実質収支は赤字の状況が続いています」。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|
| 医療分 | 7.80% | 42,000円 | 660,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.90% | 15,000円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.50% | 15,000円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.30% | 1,700円 (子ども・子育て支援金分の均等割1,700円は18歳以上の被保険者にかかり、18歳以上被保険者均等割額(100円)を含みます。18歳未満(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前まで)の被保険者にはかかりません) | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども・子育て支援金分の均等割1,700円は18歳以上の被保険者にかかり、18歳以上被保険者均等割額(100円)を含みます。18歳未満(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前まで)の被保険者にはかかりません。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は13.5%(医療分7.8%+後期高齢者支援分2.9%+介護保険分2.5%+子ども・子育て支援金分0.3%/40〜64歳)。全国的に高めの水準です。
均等割の合計は1人73,700円(医療42,000+後期支援15,000+介護15,000+子ども1,700/18歳以上・40〜64歳)。40歳未満なら58,700円。単身40〜64歳なら所得ゼロでも年73,700円が基本です(軽減の対象にはなります)。
平等割がないため、加入者が1人増えるごとに73,700円がそのまま加算されます。世帯人数の多い家庭には重い構造です。
未就学児の均等割は軽減後の額が表に併記されています。医療分21,000円・後期高齢者支援分7,500円(いずれも通常の半額)。
賦課限度額は医療分66万円・後期高齢者支援分26万円・介護保険分17万円・子ども・子育て支援金分3万円で、合計112万円です。
遡及の期間制限が明記されています。市は「被保険者数や総所得金額等に変更があったときは、増額は3年度前まで、減額は5年度前まで遡って国保税を変更します」としています。
令和8年度の税率
| 項目 | 算出基礎 | 医療分 | 後期高齢者 支援分 | 介護保険分 | 子ども・子育て 支援金分 |
|---|---|---|---|---|---|
| 所得割 | 令和7年の総所得金額等 -基礎控除43万円 | 7.8% | 2.9% | 2.5% | 0.3% |
| 均等割 (未就学児以外) | 被保険者1人につき | 42,000円 | 15,000円 | 15,000円 | 1,700円 (18歳以上) |
| 均等割 (未就学児・軽減後) | 被保険者1人につき | 21,000円 | 7,500円 | - | - |
| 賦課限度額 | 1世帯の最高限度額 | 660,000円 | 260,000円 | 170,000円 | 30,000円 |
市は令和8年度の変更点として「所得割(医療分、後期高齢者支援分)」「均等割(医療分、後期高齢者支援分)」「賦課限度額(医療分、後期高齢者支援分)」を挙げ、あわせて「令和8年度から新たに始まる子ども・子育て支援金の税率等が追加されます」としています。
行田市は7年分の税率を全部公開している
行田市の公式ページには、令和2年度から令和8年度までの税率が年度ごとに掲載されています。改定の履歴がそのまま追えるので、負担がどう変わってきたかが一目でわかります。
| 年度 | 医療分 所得割 | 医療分 均等割 | 後期支援分 所得割 | 後期支援分 均等割 | 介護分 所得割 | 介護分 均等割 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和3年度 | 7.2% | 24,000円 | 2.2% | 9,000円 | 1.6% | 10,000円 |
| 令和4年度 | 7.2% | 24,000円 | 2.2% | 9,000円 | 1.6% | 10,000円 |
| 令和5年度 | 7.2% | 24,000円 | 2.2% | 9,000円 | 1.6% | 10,000円 |
| 令和6年度 | 7.2% | 28,000円 | 2.3% | 11,000円 | 1.9% | 12,000円 |
| 令和7年度 | 7.6% | 36,000円 | 2.6% | 14,500円 | 2.5% | 15,000円 |
| 令和8年度 | 7.8% | 42,000円 | 2.9% | 15,000円 | 2.5% | 15,000円 |
医療分の均等割が令和5年度の24,000円から令和8年度の42,000円へ、3年で1.75倍になっています。後期高齢者支援分は9,000円→15,000円(1.67倍)、介護保険分は10,000円→15,000円(1.5倍)。
均等割の合計で見ると、令和5年度43,000円 → 令和8年度73,700円(子ども分1,700円を含む)。3年で30,700円の増、1.71倍です。
所得割の合計も11.0%(令和5年度)→13.5%(令和8年度)と2.5ポイント上がりました。
単身40〜64歳・所得ゼロの世帯で見ると、令和5年度43,000円 → 令和8年度73,700円。3年で1.7倍という大きな変化です。
背景にあるのは埼玉県の保険税水準の統一です。同じ埼玉県の上尾市は「令和8年度:法定外一般会計繰入金等(赤字)解消/令和9年度:準統一/令和12年度:完全統一」というスケジュールを公開しており、行田市の急な引き上げも同じ流れのなかにあります。
もうひとつ、この表からわかるのが算定方式の変化です。市は「令和2年度において、医療分の国保税算定方式を4方式(所得割・資産割・均等割・平等割)から2方式(所得割・均等割)に変更しました」と記録しています。資産割と平等割がなくなった分が、均等割に寄せられているという構図です。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 200,460円 + 均等割 147,000円 ⇒ 347,460円
- 後期支援分: 所得割 74,530円 + 均等割 52,500円 ⇒ 127,030円
- 介護分: 所得割 64,250円 + 均等割 30,000円 ⇒ 94,250円
- 子ども分: 所得割 7,710円 + 均等割 3,400円 ⇒ 11,110円
合計: 年間 約579,850円(月あたり約48,300円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 124,020円 + 均等割 42,000円 ⇒ 166,020円
- 後期支援分: 所得割 46,110円 + 均等割 15,000円 ⇒ 61,110円
- 介護分: 所得割 39,750円 + 均等割 15,000円 ⇒ 54,750円
- 子ども分: 所得割 4,770円 + 均等割 1,700円 ⇒ 6,470円
合計: 年間 約288,350円(月あたり約24,000円)
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 223,740円 / 後期支援分 82,570円 / 介護分 73,250円 / 子ども分 8,690円 ⇒ 合計 約388,250円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 64,644円 / 後期支援分 23,542円 / 介護分 21,950円 / 子ども分 2,554円 ⇒ 合計 約112,690円
差額は年間およそ27万6千円。届出書1枚でこれだけ違います。行田市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は行田市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療分 660,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年112万円(1,120,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 行田市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援金分の均等割1,700円は18歳以上の被保険者にかかり、18歳以上被保険者均等割額(100円)を含みます。18歳未満(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前まで)の被保険者にはかかりません。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 行田市 健康福祉部 健康課
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
会社都合で離職された方は、前年の給与所得を100分の30とみなして計算する非自発的失業者の軽減が使えます(離職時65歳未満、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者が対象)。
行田市は所得割13.5%・均等割73,700円と、いずれも全国的に高い水準なので、軽減の効果は大きくなります。
給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯で試算します。課税標準は276万-43万=233万円。所得割は233万×13.5%=314,550円、均等割73,700円を足して年約38.8万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。課税標準は39.8万円まで下がり、所得割は53,730円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割軽減の判定も行われます。単身世帯なら2割軽減の基準は43万+57万=100万円。82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割73,700円が58,960円に。
合計は約11.3万円。差はおよそ27.6万円です。
行田市は均等割73,700円が軽減の対象で、これは全国的にも大きな金額です。7割軽減なら年約5.2万円、3人世帯なら年約15.5万円が減ります。世帯人数が多いほど効果は倍増します。
この軽減は申請が必要です。ハローワークで雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)を受け取ったら、健康福祉部 健康課へ。
なお市は「もし納税が困難な場合は、分割納付等のご相談も承っております。滞納のままにせず、ご相談ください」とも呼びかけています。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 行田市の減免制度|要申請
行田市の低所得世帯の軽減、未就学児の均等割軽減、18歳未満の子ども分の均等割は申請不要です(ただし所得申告が必要)。非自発的失業の軽減・産前産後の減額・各種減免は申請が必要です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 低所得世帯の軽減 (申請不要/要・所得申告) | 世帯主と加入者の前年中の総所得金額等の合計が①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②①+31万円×被保険者数以下=5割、③①+57万円×被保険者数以下=2割 | 均等割額を軽減。行田市には平等割がないため、軽減の対象は均等割のみです |
| 未就学児に対する軽減 (申請不要/令和4年度から) | 未就学児 | 均等割額を5割軽減。市は軽減後の額を表に併記しており、医療分21,000円・後期高齢者支援分7,500円です。低所得軽減の対象なら軽減後の額をさらに5割軽減 |
| 18歳未満の子ども・子育て支援金分の均等割 (申請不要) | 18歳に達する日以後の最初の3月31日以前までの被保険者 | 子ども・子育て支援金分の均等割はかかりません。均等割1,700円は18歳以上の被保険者にかかり、18歳以上被保険者均等割額(100円)を含みます |
| 非自発的失業者の軽減 (要申請) | 倒産・解雇・雇止め等で離職した方(離職時65歳未満)で雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者 | 前年の給与所得を100分の30として算定。軽減判定にも反映されます |
| 産前産後期間の減額 (要届出) | 出産(予定)の被保険者 | 産前産後期間相当分の保険税を減額。健康課へ |
| 分割納付の相談 (要相談) | 納税が困難な場合 | 市は「もし納税が困難な場合は、分割納付等のご相談も承っております。滞納のままにせず、ご相談ください」と呼びかけています |
行田市の軽減で押さえておきたい点を整理します。
①行田市には平等割がないので、軽減の対象は均等割だけです。ただし均等割73,700円(40〜64歳・18歳以上)は全国的にも大きな金額なので、軽減の効果は十分にあります。7割軽減なら年約5.2万円、3人世帯なら年約15.5万円です。
②未就学児の軽減後の額が表に併記されています。市は令和8年度の税率表に「均等割【未就学児(軽減後)】被保険者1人につき 医療分21,000円・後期高齢者支援分7,500円」という行を設けています。軽減後の実額が最初から示されているのは親切な作りです。
未就学児1人あたりの軽減額は医療分21,000円+後期高齢者支援分7,500円=28,500円。低所得軽減が併用される場合は、その軽減後の額からさらに半額になります。
③遡及の期間制限が明記されています。市は「被保険者数や総所得金額等に変更があったときは、増額は3年度前まで、減額は5年度前まで遡って国保税を変更します」としています。
増額は3年、減額は5年という非対称な設定です。減額のほうが長くさかのぼれるので、過去の申告誤りなどで税額が高すぎた場合は5年度前まで訂正できます。逆に市が増額できるのは3年度前までです。
④年齢の節目の扱いが具体的です。
40歳になるとき:「40歳になる月分(1日が誕生日の方はその前月分)から介護保険分を合わせて納付となります。増額した納税変更通知書は、40歳になる翌月中旬(1日が誕生日の方はその月の中旬)に送付します」
65歳になるとき:「65歳になる前月分(1日が誕生日の方はその前々月分)までの介護保険分を3月までの納期に分割しています」
75歳になるとき:「75歳になる前月分までの国保税を誕生日の前月(他に被保険者がいる場合は3月)までの納期に分割しています」
75歳の扱いは「他に被保険者がいる場合は3月」という条件つきです。単身世帯なら誕生日の前月までの納期で払い終えるので、1回あたりの金額が大きくなります。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
- スマホ決済(請求書払い)
- コンビニ納付
- 納付書による金融機関窓口払い
- 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)
行田市の国保税で押さえておきたいのが総所得金額等の定義です。市は「総所得金額等とは、総所得と申告分離課税の所得(山林所得、特別控除後の土地建物等に係る譲渡所得、株式譲渡・配当・先物所得等)の合計額です。退職所得は含みません」としています。
土地建物等の譲渡所得は「特別控除後」で計算されます。マイホーム売却の3,000万円特別控除は所得割の計算では効きます(ただし軽減判定では扱いが異なるのが一般的です)。
退職所得は含みませんので、退職金を一時金で受け取っても翌年度の国保税は増えません。
株式譲渡・配当・先物所得等は「申告分離課税の所得」として含まれます。特定口座(源泉徴収あり)で完結させれば含まれませんが、確定申告をすると算定に入ります。行田市の所得割は13.5%なので、100万円の譲渡益を申告すると約13.5万円の増になります。
遡及の期間制限も重要です。「増額は3年度前まで、減額は5年度前まで遡って国保税を変更します」。減額のほうが2年長くさかのぼれます。
市は財政状況について率直に書いています。「被保険者の高齢化等により医療費も増加し、実質収支は赤字の状況が続いています。国保税は、皆さんの医療費にあてられる国保の貴重な財源ですので、必ず納期限内に収めるようご協力をお願いいたします」。
同時に「もし納税が困難な場合は、分割納付等のご相談も承っております。滞納のままにせず、ご相談ください」とも呼びかけています。納期限前の相談が確実です。
埼玉県では令和12年度に保険税水準の完全統一が予定されています(令和9年度に準統一)。行田市の急な引き上げもこの流れのなかにあり、令和9年度以降も改定が続くと考えられます。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 行田市の国保窓口一覧
国保税の計算・軽減・減免の相談は行田市 健康福祉部 健康課が窓口です。納税が困難な場合の分割納付の相談も受け付けています。
| 窓口 | 主な業務 | 備考 |
|---|---|---|
| 健康福祉部 健康課 | 国保の加入・脱退、国保税の算定・課税、低所得軽減、非自発的失業者の軽減、産前産後の減額、各種減免、分割納付の相談 | 市は「滞納のままにせず、ご相談ください」と呼びかけています |
| 行田市国民健康保険運営協議会 | 税率改定の審議 | 改定の検討資料が市サイトで公開されています |
市の公式サイトに令和2年度から令和8年度までの7年分の税率が掲載されています。改定の履歴がそのまま追えます。
医療分の均等割は令和5年度の24,000円から令和8年度の42,000円へ、3年で1.75倍になりました。
未就学児の均等割は軽減後の額が税率表に併記されています(医療分21,000円・後期高齢者支援分7,500円)。
遡及の期間制限は「増額は3年度前まで、減額は5年度前まで」と明記されています。
納税が困難な場合は分割納付の相談ができます。滞納する前に健康課へ。
8. よくある質問(行田市の国保)
Q1. 行田市の国保税はなぜ急に上がったのですか?
A. 3年で均等割が1.75倍になっています。埼玉県の保険税水準の統一に向けた引き上げが背景にあります。
行田市は令和2年度から令和8年度までの税率を公開しているので、推移がそのまま追えます。医療分の均等割を並べてみます。
令和3年度〜令和5年度:24,000円(3年間据え置き)
令和6年度:28,000円(+4,000円)
令和7年度:36,000円(+8,000円)
令和8年度:42,000円(+6,000円)
3年で24,000円→42,000円、1.75倍です。
他の区分も同じ傾向です。後期高齢者支援分は9,000円→15,000円(1.67倍)、介護保険分は10,000円→15,000円(1.5倍)。
均等割の合計で見ると令和5年度43,000円 → 令和8年度73,700円(子ども分1,700円を含む)。3年で30,700円の増です。
所得割の合計も11.0%→13.5%と2.5ポイント上がりました。
背景は埼玉県の保険税水準の統一です。同じ埼玉県の上尾市は「令和8年度:赤字解消/令和9年度:準統一/令和12年度:完全統一」というスケジュールを公開しています。市税からの繰入(赤字補填)をやめる分、保険税で賄うことになったわけです。
行田市も「被保険者の高齢化等により医療費も増加し、実質収支は赤字の状況が続いています」と認めています。
令和9年度以降も改定が続くと考えられます。
Q2. 未就学児の均等割はいくらになりますか?
A. 医療分21,000円・後期高齢者支援分7,500円です。行田市は軽減後の額を税率表に併記しています。
行田市の税率表には「均等割【未就学児(軽減後)】被保険者1人につき」という行があり、医療分21,000円・後期高齢者支援分7,500円と実額が示されています。軽減後の額が最初から表に載っているのは親切な作りです。
通常の均等割は医療分42,000円・後期高齢者支援分15,000円なので、いずれもちょうど半額。未就学児1人あたりの軽減額は21,000円+7,500円=28,500円になります。
介護保険分は40歳以上65歳未満のみなので、未就学児にはかかりません。子ども・子育て支援金分の均等割も18歳未満はかかりません。
つまり未就学児1人あたりの均等割は28,500円(21,000円+7,500円)です。18歳未満の未就学児以外の子どもなら57,000円(42,000円+15,000円)。
低所得軽減が併用される場合は、その軽減後の額からさらに半額になります。7割軽減世帯の未就学児なら、医療分42,000円×0.3×0.5=6,300円、後期高齢者支援分15,000円×0.3×0.5=2,250円で合計8,550円です。
未就学児に対する軽減は令和4年度から開始されました。市は税率の履歴のなかで「令和4年度:未就学児に対する均等割の軽減を開始しました」と記録しています。
申請は不要です。
Q3. 過去の保険税は何年前までさかのぼって変わりますか?
A. 増額は3年度前まで、減額は5年度前までです。行田市はこの期間制限を明記しています。
市の注記はこうです。「※ 被保険者数や総所得金額等に変更があったときは、増額は3年度前まで、減額は5年度前まで遡って国保税を変更します」。
増額と減額で期間が違うのがポイントです。
増額(市が追加で課税できる):3年度前まで
減額(納めすぎを返してもらえる):5年度前まで
減額のほうが2年長くさかのぼれます。納税者に有利な設定です。
どんなときに使えるかというと、
①過去の所得申告に誤りがあり、実際より高い所得で課税されていた——5年度前まで訂正して還付を受けられる可能性があります
②世帯員の異動(社会保険への加入・転出など)の届出が遅れていた——加入者数が減れば減額になります
③確定申告の修正申告をした——所得が下がれば減額
逆に市が増額できるのは3年度前までなので、それより古い年度について後から追加で課税されることはありません。
心当たりがある方は健康福祉部 健康課へ相談してください。過去の所得申告を訂正すれば、5年度前までさかのぼって国保税が下がる可能性があります。
なお市は「もし納税が困難な場合は、分割納付等のご相談も承っております。滞納のままにせず、ご相談ください」とも案内しています。
Q4. 行田市には平等割がないのですか?
A. ありません。令和2年度に4方式から2方式へ変更されました。
市は税率の履歴のなかでこう記録しています。「令和2年度:医療分の国保税算定方式を4方式(所得割・資産割・均等割・平等割)から2方式(所得割・均等割)に変更しました」。
資産割と平等割が同時になくなったということです。その分が均等割に寄せられているのが、現在の高い均等割(73,700円)の一因と考えられます。
この構造は単身世帯には有利、人数の多い世帯には不利に働きます。
単身世帯:平等割2万〜4万円がかからないぶん、3方式の自治体より有利になりやすい
人数の多い世帯:加入者が1人増えるごとに73,700円(40〜64歳・18歳以上)または58,700円(40歳未満・18歳以上)がそのまま加算
所得に関係なくかかる部分を他市と比べてみます(40〜64歳・単身)。
行田市:均等割73,700円/平等割なし/合計73,700円
上尾市(埼玉):85,517円/なし/85,517円
春日部市(埼玉):81,400円/なし/81,400円
熊谷市(埼玉):73,401円/なし/73,401円
埼玉県内は2方式(平等割なし)が多いのが特徴です。行田市の73,700円は熊谷市とほぼ同水準で、上尾市・春日部市よりは低くなっています。
4人世帯なら行田市は294,800円(73,700円×4人)。18歳未満の子どもがいれば子ども分の均等割はかからず、未就学児なら医療分・後期支援分が半額になるので、実際の子育て世帯の負担はこれより軽くなります。
Q5. 株の利益を確定申告すると国保税は上がりますか?
A. 上がります。行田市の総所得金額等には「株式譲渡・配当・先物所得等」が含まれます。
市の定義はこうです。「総所得金額等とは、総所得と申告分離課税の所得(山林所得、特別控除後の土地建物等に係る譲渡所得、株式譲渡・配当・先物所得等)の合計額です。退職所得は含みません」。
特定口座(源泉徴収あり)で完結させれば、株式の譲渡所得や配当所得は算定に含まれません。ところが確定申告をすると、その所得が算定に入ります。
行田市の所得割は13.5%(40〜64歳)。100万円の譲渡益を申告すると、国保税は約13.5万円増える計算です。所得税・住民税の還付額がこれを下回ればトータルで損になります。
さらに7割・5割・2割の軽減から外れる影響もあります。行田市の均等割は1人73,700円と大きいので、7割軽減(51,590円)が消えればその分も加算されます。
土地建物等の譲渡所得は「特別控除後」で計算されます。マイホーム売却の3,000万円特別控除は所得割の計算では効きます(ただし軽減判定では特別控除前で判定するのが一般的です)。
退職所得は含みませんので、退職金を一時金で受け取っても翌年度の国保税は増えません。ただし年金形式で受け取ると雑所得として総所得に入ります。
申告するかどうかは、還付額と国保税の増加額を比べて判断してください。判断に迷う場合は健康福祉部 健康課へ。
Q6. 75歳になります。国保税の払い方はどうなりますか?
A. 世帯に他の被保険者がいるかどうかで納期が変わります。行田市はこの点を明記しています。
市の説明はこうです。「【年度の途中で75歳になり、後期高齢者医療制度に移行するとき】75歳になる前月分までの国保税を誕生日の前月(他に被保険者がいる場合は3月)までの納期に分割しています」。
整理するとこうなります。
単身世帯(他に被保険者がいない):75歳になる前月分までの国保税を誕生日の前月までの納期に分割。納期の数が少ないので1回あたりの金額が大きくなります。
複数人世帯(他に被保険者がいる):3月までの納期に分割。1回あたりの負担が軽くなります。
たとえば10月に75歳になる方の場合、単身世帯なら4〜9月分を9月までの納期で払い終えることになります。複数人世帯なら同じ6か月分を翌年3月までの納期で払えます。
他の年齢の節目についても市は具体的に書いています。
40歳になるとき:「40歳になる月分(1日が誕生日の方はその前月分)から介護保険分を合わせて納付となります。増額した納税変更通知書は、40歳になる翌月中旬(1日が誕生日の方はその月の中旬)に送付します」
65歳になるとき:「65歳になる前月分(1日が誕生日の方はその前々月分)までの介護保険分を3月までの納期に分割しています」。年度当初から見込んで割り振られているので、誕生日を過ぎても急に変わりません。
75歳からは後期高齢者医療制度の保険料が別に始まります(後期高齢者医療制度)。
Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得世帯の軽減
(申請不要/要・所得申告)・未就学児に対する軽減
(申請不要/令和4年度から)・18歳未満の子ども・子育て支援金分の均等割
(申請不要)・非自発的失業者の軽減
(要申請)・産前産後期間の減額
(要届出)・分割納付の相談
(要相談)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に行田市 健康福祉部 健康課で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|行田市の国保で押さえるべきポイント
- 行田市は2方式(所得割+均等割)。令和8年度の料率は医療分7.80%・後期支援分2.90%・介護分2.50%・子ども分0.30%
- 均等割は医療分42,000円・後期支援15,000円・介護15,000円・子ども1,700円。賦課限度額は世帯合計で年112万円
- 令和2年度から令和8年度まで7年分の税率を公開している珍しい自治体。改定の履歴がそのまま追える
- 医療分の均等割は令和5年度24,000円→令和8年度42,000円で3年1.75倍。均等割の合計も43,000円→73,700円(1.71倍)
- 令和2年度に4方式(所得割・資産割・均等割・平等割)から2方式(所得割・均等割)へ変更。資産割と平等割がなくなった分が均等割に寄っている
- 未就学児の均等割は軽減後の額を税率表に併記(医療分21,000円・後期高齢者支援分7,500円)
- 遡及の期間制限は「増額は3年度前まで、減額は5年度前まで」。減額のほうが2年長い
- 75歳になる年度は、単身世帯なら誕生日の前月までの納期、複数人世帯なら3月までの納期に分割される
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年27万6千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は行田市 健康福祉部 健康課
出典・参考:
・行田市公式:国民健康保険税(令和2年度〜令和8年度の税率)
・行田市:行田市国民健康保険税の今後の見直しについて(国保運営協議会資料)
・埼玉県公式:保険税水準の統一について
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は行田市公式サイトでご確認ください。