兵庫県 西宮市の国民健康保険|保険料・減免・申請窓口まとめ

西宮市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド

西宮市は人口約48万人、兵庫県南東部の中核市です。
この記事では、令和8年度の最新料率にもとづく西宮市の国保料の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
西宮市の公式ページには、他の自治体ではまず見かけない整理があります。「基準総所得金額」「合計所得金額」「軽減判定所得金額」の3つを、それぞれ何を含んで何を含まないかまで並べて定義しているのです。
この3つは用途がまったく違い、しかも控除の扱いが食い違います。所得割を計算する所得、基礎控除額を決める所得、軽減を判定する所得——同じ「所得」という言葉なのに中身が別物です。この記事ではその違いを表で整理します。

1. 西宮市の国民健康保険の概要

西宮市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。

西宮市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。

西宮市は「保険税」ではなく「保険料」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。
4区分すべてに平等割があります(医療給付費分20,640円・後期高齢者支援金分8,160円・介護納付金分6,720円・子ども・子育て支援納付金分960円)。
市は保険料の性格を「県が市町ごとの所得水準などに応じて決定した国保事業費納付金の額から、国・県の補助金、市の繰入金などの収入額を除くなどし、算出した額(賦課総額)を被保険者のみなさまで負担するもの」と説明しています。
保険料納入通知書は6月に発送されます。

国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。

2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率

令和8年度 西宮市国民健康保険料 料率
区分所得割率均等割(1人年額)平等割(1世帯年額)賦課限度額
医療給付費分7.33%32,640円20,640円670,000円
後期高齢者支援金分2.97%12,840円8,160円260,000円
介護分(40〜64歳)2.66%13,080円6,720円170,000円
子ども・子育て支援金分0.28%1,236円
(子ども・子育て支援納付金分の均等割1,236円は「均等割1,200円+18歳以上均等割36円」の合計。18歳未満の被保険者に係る均等割額は、既存の軽減措置を行ってもなお残る部分の全額が軽減されます)
960円30,000円
  • 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
  • 40歳未満は医療給付費分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
  • 子ども・子育て支援納付金分の均等割1,236円は「均等割1,200円+18歳以上均等割36円」の合計。18歳未満の被保険者に係る均等割額は、既存の軽減措置を行ってもなお残る部分の全額が軽減されます。申請は不要です。
  • 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。

所得割の合計は13.24%(医療給付費分7.33%+後期高齢者支援金分2.97%+介護納付金分2.66%+子ども・子育て支援納付金分0.28%/40〜64歳)。中核市としては標準的な水準です。

均等割の合計は1人59,796円(32,640+12,840+13,080+1,236)、平等割の合計は年36,480円(20,640+8,160+6,720+960)。単身40〜64歳なら所得ゼロでも年96,276円が基本です(軽減の対象にはなります)。

基礎控除額は合計所得金額に応じて段階的に減少します。2,400万円以下で43万円、2,400万円超2,450万円以下で29万円、2,450万円超2,500万円以下で15万円、2,500万円超で0円。

雑損失の繰越控除は適用されません。また確定申告をした株式等に係る譲渡所得および配当所得は含まれます——市は「特定上場株式等の配当や源泉徴収を選択した特定口座の株式譲渡益でも確定申告をすると所得に含みます」と明記しています。

賦課限度額は医療給付費分67万円・後期高齢者支援金分26万円・介護納付金分17万円・子ども・子育て支援納付金分3万円で、合計113万円です。

前年中の所得が判明していない人については、所得の調査・照会を行い、判明した時点で所得割保険料が追加される場合があります。最初の通知額が最終額とは限りません。

令和8年度の保険料率(括弧内は令和7年度)

西宮市は前年度の料率を括弧書きで併記しています。どこがどれだけ上がったかが一目でわかります。

西宮市 令和8年度の国保料率
所得割
(基準総所得金額×)
均等割
(1人につき)
18歳以上
均等割
平等割
(1世帯につき)
年間最高
限度額
医療給付費分100分の7.33
(100分の7.29)
32,640円
(32,280円)
-20,640円
(20,640円)
67万円
(66万円)
後期高齢者支援金分100分の2.97
(100分の2.90)
12,840円
(12,480円)
-8,160円
(7,680円)
26万円
(26万円)
介護納付金分
(40〜64歳のみ)
100分の2.66
(100分の2.56)
13,080円
(12,840円)
-6,720円
(6,240円)
17万円
(17万円)
子ども・子育て
支援納付金分

(令和8年度新設)
100分の0.281,200円36円960円3万円
合計13.24%
(12.75%)
59,796円
(57,600円)
36,480円
(34,560円)
113万円
(109万円)

所得割は12.75%から13.24%へ0.49ポイント、均等割は57,600円から59,796円へ2,196円、平等割は34,560円から36,480円へ1,920円の増(いずれも40〜64歳)。賦課限度額の合計は109万円から113万円へ4万円上がりました。
医療給付費分の平等割20,640円だけが据え置きで、それ以外はすべて引き上げられています。
市は料率決定の経緯も説明しています。「県から示された標準保険料率をもとに、財政安定化基金から保険料率の抑制のために繰入を行うこととし、保険料率を決定しました」。県の標準保険料率そのままではなく、基金からの繰入で抑えた水準だということです。

西宮市の3つの「所得」——同じ言葉で中身が違う

西宮市は、保険料に関係する3つの所得概念を、それぞれ何を含み何を含まないかまで明記しています。控除の扱いが食い違うので、混同すると計算が合いません。

西宮市 3つの所得概念の違い
基準総所得金額
(所得割の計算)
合計所得金額
(基礎控除額の判定)
軽減判定所得金額
(7・5・2割軽減の判定)
損益通算適用後適用後適用後
繰越控除適用後適用前適用後
分離譲渡所得の
特別控除
適用後適用前適用前
退職所得金額含まない含む(※一時金で源泉徴収済みの場合は除く)含まない
専従者控除・
専従者給与
通常どおり通常どおり専従者支払控除は適用されず、専従者給与は算入しない
65歳以上の
公的年金所得
そのままそのまま15万円を限度に控除
基礎控除差し引く差し引かない差し引かない

実務で効いてくるのは「分離譲渡所得の特別控除」の行です。所得割の計算では特別控除が効くのに、軽減の判定では効きません。
マイホームを3,000万円の特別控除を使って売った場合、所得割はほとんど増えないのに、7割・5割・2割の軽減だけが外れることになります。西宮市は均等割59,796円+平等割36,480円=96,276円が軽減の対象なので、7割軽減が消えると年約6.7万円の増額です。
もうひとつ、「繰越控除」の行も注目です。基礎控除額の判定(合計所得金額)だけは繰越控除の適用前で計算します。事業の赤字を繰り越している方は、所得割や軽減判定では控除が効くのに、基礎控除43万円を使えるかどうかの判定では効かないことになります。
そして雑損失の繰越控除は、どの所得概念でも適用されません(市の注記)。

【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円

所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円

  • 医療分: 所得割 188,381円 + 均等割 114,240円 + 平等割 20,640円 ⇒ 323,261円
  • 後期支援分: 所得割 76,329円 + 均等割 44,940円 + 平等割 8,160円 ⇒ 129,429円
  • 介護分: 所得割 68,362円 + 均等割 26,160円 + 平等割 6,720円 ⇒ 101,242円
  • 子ども分: 所得割 7,196円 + 均等割 2,472円 + 平等割 960円 ⇒ 10,628円

合計: 年間 約564,560円(月あたり約47,000円)

この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。

【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)

基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円

  • 医療分: 所得割 116,547円 + 均等割 32,640円 + 平等割 20,640円 ⇒ 169,827円
  • 後期支援分: 所得割 47,223円 + 均等割 12,840円 + 平等割 8,160円 ⇒ 68,223円
  • 介護分: 所得割 42,294円 + 均等割 13,080円 + 平等割 6,720円 ⇒ 62,094円
  • 子ども分: 所得割 4,452円 + 均等割 1,236円 + 平等割 960円 ⇒ 6,648円

合計: 年間 約306,792円(月あたり約25,600円)

単身世帯でも平等割が合計で年36,480円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。

【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円

ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。

軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)

  • 医療分 224,069円 / 後期支援分 90,201円 / 介護分 81,778円 / 子ども分 8,720円 ⇒ 合計 約404,768円

非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)

  • 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
  • 医療分 71,797円 / 後期支援分 28,621円 / 介護分 26,427円 / 子ども分 2,871円 ⇒ 合計 約129,716円

差額は年間およそ27万5千円。届出書1枚でこれだけ違います。西宮市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。

(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は西宮市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。

3. 賦課限度額(保険料の上限)

  • 医療給付費分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
  • 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)

所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。

4. 西宮市の軽減・減免制度

制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。

4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用

令和8年度 軽減判定の所得基準
軽減率世帯の総所得金額等が以下の額以下
7割軽減43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
5割軽減43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
2割軽減43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)

軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。

4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用

未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。

4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用

令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援納付金分の均等割1,236円は「均等割1,200円+18歳以上均等割36円」の合計。18歳未満の被保険者に係る均等割額は、既存の軽減措置を行ってもなお残る部分の全額が軽減されます。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。

4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請

倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。

  • 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
  • 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
  • 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
  • 届出先: 西宮市 国民健康保険課 資格・賦課チーム(0798-35-3117)
  • 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です

会社都合で離職された方は、前年の給与所得を100分の30とみなして計算する非自発的失業者の軽減が使えます(離職時65歳未満、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者が対象)。
給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯で試算します。基準総所得金額は276万-43万=233万円。
所得割は233万×13.24%=308,492円、これに均等割59,796円と平等割36,480円を足して年約40.5万円です。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。基準総所得金額は39.8万円まで下がり、所得割は52,695円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割軽減の判定も行われます。単身世帯・給与所得者等1人なら2割軽減の基準は43万+57万=100万円。82.8万円は基準以下なので2割軽減が適用され、均等割・平等割96,276円が77,020円に。
合計は約13.0万円。差はおよそ27.5万円です。
西宮市は4区分すべてに平等割があるため、軽減の対象額(均等割+平等割=96,276円)が大きくなります。7割軽減なら約6.7万円が減ります。
この軽減は申請が必要です。雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)を持って、国民健康保険課 資格・賦課チーム(西宮市役所本庁舎1階/0798-35-3117)へ。

書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。

4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出

出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。

4-6. 西宮市の減免制度|要申請

西宮市の低所得軽減・未就学児の軽減・18歳未満の子ども分軽減・後期移行に伴う平等割軽減はいずれも申請不要です。市は「当課で所得等を確認したうえで軽減を適用しますので、申請は不要です」としています。非自発的失業者の軽減・産前産後の軽減・各種減免は申請が必要です。

西宮市 国民健康保険料の減免
種類主な要件減免内容・手続き
所得が少ない世帯に対する軽減
(申請不要)
国保被保険者全員の前年中の総所得金額等の合計額(国保被保険者以外の世帯主・特定同一世帯所属者の所得も含む)が①430,000円+(給与所得者等の数-1)×100,000円以下=7割、②430,000円+(被保険者数+特定同一世帯所属者数)×310,000円+(給与所得者等-1)×100,000円以下=5割、③同×570,000円以下=2割均等割額と平等割額を軽減。令和8年度は5割が30.5万円→31万円、2割が56万円→57万円に拡充されました
未就学児に係る保険料均等割額の軽減
(申請不要)
未就学児(義務教育就学前の児童)均等割額の半額を軽減。所得が少ない世帯への軽減が適用される場合は適用後の均等割額の半額
18歳未満の子ども・子育て支援納付金分の均等割軽減
(申請不要)
18歳未満の被保険者既存の軽減措置を行ってもなお残る部分の全額が軽減されます(実質0円)
後期高齢者医療制度への移行に伴う軽減判定の措置
(申請不要)
国保から後期高齢者医療制度へ移行した方(特定同一世帯所属者)がいる世帯移行した方の所得および人数も含めて軽減判定を行います。世帯構成に変更が生じた場合は見直すことがあります
後期高齢者医療制度への移行に伴う平等割の軽減
(申請不要)
移行により同一世帯内の国保加入者数が1人になった場合平等割額(介護納付金分を除く)を5年目までは2分の1、8年目までは4分の1軽減(最大8年)
非自発的失業者に対する軽減
(要申請)
倒産・解雇・雇止め等で離職した方(離職時65歳未満)で雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者前年の給与所得を100分の30として算定。軽減判定にも反映されます
産前産後期間に係る軽減
(要届出)
出産(予定)の被保険者産前産後期間相当分の保険料を軽減。国民健康保険課へ
各種減免
(要申請)
災害・盗難に遭ったときや、失業・廃業の状態が続いている場合など申請により保険料が減額される場合があります。国民健康保険課へ相談を
一部負担金の減免
(要申請)
生活が困窮して医療機関への支払いが困難なとき医療機関の窓口負担を減免。国民健康保険課へ相談を

西宮市の軽減で押さえておきたい点を整理します。
①軽減は申請不要です。市は「当課で所得等を確認したうえで軽減を適用しますので、申請は不要です」と明記しています。ただし所得が把握できていないと判定できません。市は「前年中の所得が判明していない人については、所得の調査・照会を行い、判明した時点で所得割保険料が追加される場合があります」としており、申告がないと最初は所得割なしで通知され、あとから追加されることがあります。
②擬制世帯主の所得も判定に含まれます。市の表現は「国民健康保険の被保険者以外の世帯主・特定同一世帯所属者の所得も含む」。世帯主が会社の健康保険に入っていても、その所得が判定に算入されます。
③軽減判定所得金額には独自のルールが3つあります。
・専従者支払控除は適用されません。また専従者給与は算入しません。自営業で家族に給与を払っている世帯は、事業主側の判定所得が大きくなる一方、専従者側は所得なしとして扱われます。
・65歳以上の人(対象となる年度の1月1日以前に65歳になっている人)の公的年金所得については、15万円を限度に控除します。判定でだけ有利になる特例です。
・分離譲渡所得の特別控除は適用前で判定します。所得割では特別控除が効くのに、判定では効きません。
④後期移行に伴う平等割の軽減は最大8年です。5年目までは2分の1、8年目までは4分の1。介護納付金分の平等割6,720円は対象外です。ただし世帯構成に変更が生じた場合は見直されます。
⑤令和8年度は軽減の対象が広がりました。5割軽減の乗数が30.5万円から31万円へ、2割軽減が56万円から57万円へ。3人世帯なら2割軽減の基準額が3万円上がった計算です。西宮市は令和6年度(29.5万円・54.5万円)からの推移も同じページに掲載しています。
⑥減免は「災害・盗難」と「失業・廃業の状態が続いている場合」が対象です。市は「災害・盗難に遭ったときや、失業・廃業の状態が続いている場合などは申請により保険料が減額される場合があります」としています。「状態が続いている」という表現に注意してください。一時的な収入減では対象にならない可能性があります。

保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。

4-7. 払えないときは滞納する前に相談

滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。

5. 納付方法

  • 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
  • スマホ決済(請求書払い)
  • コンビニ納付
  • 納付書による金融機関窓口払い
  • 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)

西宮市の保険料納入通知書は6月に発送されます。
算定の前提として押さえておきたいのが、株式等の譲渡所得・配当所得の扱いです。市の注記はこうです。「確定申告をした株式等に係る譲渡所得及び配当所得は、含みます(特定上場株式等の配当や源泉徴収を選択した特定口座の株式譲渡益でも確定申告をすると所得に含みます。株式等の譲渡所得、先物取引の所得等は、損失の繰越控除後の額です)」。
特定口座(源泉徴収あり)で完結させれば保険料は上がりませんが、損益通算や配当控除のために確定申告をすると、その所得が保険料の算定に入ります。西宮市の所得割は13.24%(40〜64歳)なので、100万円の譲渡益を申告すると保険料は約13.2万円増える計算です。所得税・住民税の還付額と比べて判断してください。
もうひとつ、退職所得の扱いにも独特のルールがあります。基準総所得金額(所得割の計算)と軽減判定所得金額には退職所得金額を含みませんが、合計所得金額(基礎控除額の判定)には含みます。ただし市は「退職金を一時金として受け取り、源泉徴収で所得税・住民税を差し引き納税されている場合は、除きます」としているので、通常の退職金であれば影響しません。
所得が判明していない場合の扱いにも注意してください。市は「前年中の所得が判明していない人については、所得の調査・照会を行い、判明した時点で所得割保険料が追加される場合があります」としています。転入直後や申告前の方は、最初の通知に所得割が入っていないことがあり、あとから増額されます。6月の通知額をそのまま最終額と思わないでください。
年度途中で加入・脱退した場合の保険料についても、市は専用のページを用意しています。国民健康保険料の試算ページも公開されているので、転職・退職の前におおよその額を確認できます。
窓口は西宮市役所本庁舎1階の国民健康保険課 資格・賦課チーム(0798-35-3117)です。

6. 加入・脱退の手続き

6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)

状況別 加入時の必要書類
事由必要書類
会社を退職した健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
他市区町村から転入本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可)
子どもが生まれた本人確認書類、母子健康手帳
生活保護が廃止された保護廃止(停止)通知書、本人確認書類

6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)

状況別 脱退時の必要書類
事由必要書類
就職して社保に加入した新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類
他市区町村へ転出本人確認書類(転出届と同時に手続き可)
生活保護の受給開始保護決定通知書、本人確認書類
死亡本人確認書類、死亡を確認できる書類

脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。

7. 西宮市の国保窓口一覧

国保料の計算・軽減・減免の相談は西宮市役所本庁舎1階の国民健康保険課 資格・賦課チームが窓口です。

西宮市 国保の窓口
窓口電話番号主な業務
国民健康保険課 資格・賦課チーム
〒662-8567 兵庫県西宮市六湛寺町10-3
西宮市役所本庁舎1階
0798-35-3117
(FAX 0798-22-7288)
国保の加入・脱退、保険料の算定・賦課、低所得軽減、非自発的失業者の軽減、産前産後の軽減、各種減免、一部負担金の減免、保険料の試算

低所得軽減・未就学児軽減・18歳未満の子ども分軽減はすべて申請不要です。市が所得等を確認したうえで適用します。

前年中の所得が判明していない人には所得の調査・照会が行われ、判明した時点で所得割保険料が追加されます。6月の通知額が最終額とは限りません。

市の公式サイトに「国民健康保険料の試算」ページがあります。転職・退職の前におおよその額を確認できます。

減免は「災害・盗難に遭ったとき」「失業・廃業の状態が続いている場合」などが対象です。「状態が続いている」ことが要件になります。

令和8年度の保険料率は、県の標準保険料率をもとに財政安定化基金から繰入を行って抑制した水準です。県が示した率そのままではありません。

8. よくある質問(西宮市の国保)

Q1. 「基準総所得金額」と「軽減判定所得金額」は何が違うのですか?
A. 控除の扱いが3点で違います。西宮市はこの2つに加えて「合計所得金額」も定義しており、3つの所得概念が併存しています。
①基準総所得金額——所得割の計算に使います。損益通算・繰越控除・分離譲渡所得の特別控除を適用した後の所得合計から、基礎控除を差し引いた金額です。
②合計所得金額——基礎控除額(43万円/29万円/15万円/0円)の判定に使います。損益通算は適用後ですが、繰越控除および分離譲渡所得の特別控除は適用前。そして退職所得金額を含みます(一時金で源泉徴収済みの場合は除く)。
③軽減判定所得金額——7割・5割・2割軽減の判定に使います。損益通算・繰越控除は適用後ですが、分離譲渡所得の特別控除は適用前。さらに専従者支払控除は適用されず、専従者給与は算入しません。65歳以上の人の公的年金所得は15万円を限度に控除されます。
いちばん実害が出やすいのが分離譲渡所得の特別控除です。①では効くのに③では効かないので、不動産を売った翌年度は「所得割はほとんど増えないのに軽減だけ外れる」という現象が起きます。
次に効くのが専従者給与。自営業で家族に給与を払っていると、③では事業主の所得に戻され、専従者側は所得なしとして扱われます。確定申告の所得の感覚で軽減を予想すると外れます。
なお雑損失の繰越控除はどの概念でも適用されません。

Q2. 令和8年度から保険料が上がりました。どれくらいですか?
A. 所得割が0.49ポイント、均等割が2,196円、平等割が1,920円、賦課限度額が4万円の増です(40〜64歳)。
西宮市は前年度の料率を括弧書きで併記しているので、差額がそのまま読み取れます。
医療給付費分:所得割7.29→7.33%、均等割32,280→32,640円、平等割20,640→20,640円(据え置き)、限度額66万→67万円
後期高齢者支援金分:所得割2.90→2.97%、均等割12,480→12,840円、平等割7,680→8,160円
介護納付金分:所得割2.56→2.66%、均等割12,840→13,080円、平等割6,240→6,720円
子ども・子育て支援納付金分:所得割0.28%・均等割1,200円・18歳以上均等割36円・平等割960円が新設
合計で見ると所得割12.75%→13.24%、均等割57,600円→59,796円、平等割34,560円→36,480円。単身40〜64歳・所得ゼロなら92,160円→96,276円で約4,100円の増です。
医療給付費分の平等割20,640円だけが据え置きで、それ以外はすべて上がっています。
市は決定の経緯も説明しています。「県から示された標準保険料率をもとに、財政安定化基金から保険料率の抑制のために繰入を行うこととし、保険料率を決定しました」。県の標準保険料率そのままではなく、基金からの繰入で抑えた水準だということです。

Q3. 株の利益を確定申告すると保険料は上がりますか?
A. 上がります。西宮市は源泉徴収ありの特定口座でも申告すれば所得に含まれると明記しています。
市の注記はこうです。「確定申告をした株式等に係る譲渡所得及び配当所得は、含みます(特定上場株式等の配当や源泉徴収を選択した特定口座の株式譲渡益でも確定申告をすると所得に含みます。株式等の譲渡所得、先物取引の所得等は、損失の繰越控除後の額です)」。
整理すると次のようになります。
特定口座(源泉徴収あり)で申告しない → 保険料の算定に含まれない
確定申告をする → 保険料の算定に含まれる
西宮市の所得割は13.24%(40〜64歳)。100万円の譲渡益を申告すると、保険料は約13.2万円増える計算です。所得税・住民税の還付額がこれを下回ればトータルで損になります。
さらに軽減が外れる影響もあります。西宮市の均等割59,796円+平等割36,480円=96,276円が軽減の対象なので、7割軽減が消えれば年約6.7万円の追加負担です。
ただし損失の繰越控除は効きます。市は「株式等の譲渡所得、先物取引の所得等は、損失の繰越控除後の額です」としています。前年までの譲渡損失を繰り越していれば、それを差し引いた後の金額で計算されます(雑損失の繰越控除は別で、これは適用されません)。
申告するかどうかは、還付額と保険料の増加額を比べて判断してください。判断に迷う場合は国民健康保険課(0798-35-3117)へ。

Q4. 6月に届いた通知より保険料が増えました。なぜですか?
A. 所得が判明していなかった場合、市が調査・照会を行い、判明した時点で所得割保険料が追加されるためです。
市の注記は「前年中の所得が判明していない人については、所得の調査・照会を行い、判明した時点で所得割保険料が追加される場合があります」。
典型的なのは次のようなケースです。
①転入したばかりの方——前住所地への所得照会に時間がかかります。
②所得の申告がまだの方——申告がないと所得が把握できません。
③確定申告や修正申告を後から行った方——申告内容が反映されると再計算されます。
この場合、6月の通知には所得割が入っておらず、均等割・平等割だけの金額になっていることがあります。西宮市の均等割59,796円+平等割36,480円=96,276円(40〜64歳・単身)だけの通知です。
所得が判明すると所得割13.24%分が加算されます。基準総所得金額200万円なら264,800円が追加され、残りの納期に振り分けられるので1回あたりの請求額が大きく増えます。
あらかじめ見込んでおくのが安全です。前年の源泉徴収票や確定申告書があれば、(総所得金額等-43万円)×13.24%+96,276円で年額の目安が出せます(40〜64歳・単身の場合)。
市の「国民健康保険料の試算」ページを使えばより正確に確認できます。

Q5. 家族に専従者給与を払っています。軽減はどう判定されますか?
A. 軽減判定では専従者控除が適用されず、専従者給与も算入されません。所得割とは扱いが違います。
西宮市の「軽減判定所得金額とは」の説明にはこうあります。「専従者支払控除は適用されません。また、専従者給与は算入しません」。
意味を整理します。
事業主側:専従者給与を支払った分を差し引けません。つまり支払う前の所得で判定されます。
専従者側:受け取った給与を算入しません。つまり所得なしとして扱われます。
例を挙げます。事業所得600万円から専従者給与200万円を支払い、事業主の申告所得は400万円というケース。
所得割の計算:事業主400万円+専従者の給与所得(200万-68万=132万円)。基礎控除43万円はそれぞれに適用されます。
軽減判定:事業主は600万円、専従者は0円。世帯合計は600万円で、給与所得控除68万円分だけ判定所得が大きくなります。
さらに「給与所得者等の数」にも影響します。7割軽減の基準は「43万円+(給与所得者等の数-1)×10万円」なので、専従者が給与所得者としてカウントされるかどうかで基準額が10万円変わります。専従者給与を算入しない西宮市の方式では、この加算は付きません。
所得割の感覚で軽減を予想すると外れます。境界線上の世帯は国民健康保険課(0798-35-3117)で判定所得を確認してください。

Q6. 75歳の親が後期高齢者医療に移り、私1人が国保に残りました。
A. 平等割が最大8年間軽減されます。しかも軽減判定には移った方の所得と人数も含めて計算されます。申請は不要です。
西宮市には2つの措置があります。
①軽減判定に関する措置——「国民健康保険から後期高齢者医療制度へ移行した人の所得及び人数も含めて軽減判定を行います」。人数が減っても5割・2割軽減の基準額(31万円・57万円×人数)が下がりません。移行によって世帯が急に軽減から外れないための配慮です。
②平等割の軽減措置——「同一世帯内の国民健康保険加入者数が1人になった場合、平等割額(介護納付金分保険料を除く)について、5年目までの間は2分の1を、8年目までの間は4分の1を軽減します」。
最大8年間続くのが特徴です。多くの自治体は「5年間半額+その後3年間4分の1」という同じ設計ですが、西宮市はこれを「5年目まで」「8年目まで」と明快に表現しています。
対象になるのは医療給付費分(20,640円)・後期高齢者支援金分(8,160円)・子ども・子育て支援納付金分(960円)の平等割で、介護納付金分の平等割6,720円は対象外です。
実額で見ると、29,760円の半額=14,880円が5年目まで軽減されます。
どちらも申請不要ですが、市は「世帯構成に変更が生じた場合は、軽減判定に関する措置の見直しを行うことがあります」「平等割の軽減措置の見直しを行うことがあります」と注記しています。転入・転出・世帯分離などがあると再判定されます。

Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、所得が少ない世帯に対する軽減
(申請不要)・未就学児に係る保険料均等割額の軽減
(申請不要)・18歳未満の子ども・子育て支援納付金分の均等割軽減
(申請不要)・後期高齢者医療制度への移行に伴う軽減判定の措置
(申請不要)・後期高齢者医療制度への移行に伴う平等割の軽減
(申請不要)・非自発的失業者に対する軽減
(要申請)・産前産後期間に係る軽減
(要届出)・各種減免
(要申請)・一部負担金の減免
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。

Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に西宮市 国民健康保険課 資格・賦課チーム(0798-35-3117)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。

9. まとめ|西宮市の国保で押さえるべきポイント

  • 西宮市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療給付費分7.33%・後期支援分2.97%・介護分2.66%・子ども分0.28%
  • 均等割は医療給付費分32,640円・後期支援12,840円・介護13,080円・子ども1,236円、平等割は合計で年36,480円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
  • 西宮市は「基準総所得金額」「合計所得金額」「軽減判定所得金額」の3つを定義し、控除の扱いが食い違うことを明示している
  • 分離譲渡所得の特別控除は所得割では効くが、軽減判定では効かない。不動産を売った翌年度は軽減だけが外れる
  • 令和8年度は所得割+0.49ポイント、均等割+2,196円、平等割+1,920円、限度額+4万円。医療給付費分の平等割20,640円だけが据え置き
  • 料率は県の標準保険料率そのままではなく、財政安定化基金からの繰入で抑制した水準
  • 軽減はすべて申請不要。ただし所得が判明していないと、判明時点で所得割が追加される
  • 後期移行に伴う平等割の軽減は最大8年(5年目まで2分の1、8年目まで4分の1/介護納付金分は対象外)
  • 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年27万5千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
  • 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
  • 窓口は西宮市 国民健康保険課 資格・賦課チーム(0798-35-3117)

出典・参考:
・西宮市公式:令和8年度の国民健康保険料率が決まりました
・西宮市公式:保険料の算定方法(3つの所得概念の定義)
・西宮市公式:国民健康保険料の軽減
・西宮市公式:国民健康保険料の試算

※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は西宮市公式サイトでご確認ください。