
港区の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
港区は人口約26万人、東京23区のほぼ中心にあり、都心3区のひとつに数えられる区です。
この記事では、令和8年度の最新料率にもとづく港区の国保料の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
港区の料率は東京23区共通(特別区の統一保険料方式)です。そのうえで港区が他区と大きく違うのは、「直近5年間の保険料率等の推移」を1枚のPDFで公開している点です。令和4年度から令和8年度まで、所得割・均等割・未就学児均等割・賦課限度額のすべてが年度別に並んでいます。自分の保険料がなぜ上がった(下がった)のかを、区の公式資料だけで追える自治体は多くありません。
もうひとつ、港区は「概算早見表」を給与収入・公的年金収入・総所得金額の3パターンで公開しています。この記事ではその数字もそのまま扱います。
1. 港区の国民健康保険の概要
港区の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
港区の保険料は2方式(所得割+均等割)で計算します。世帯単位でかかる平等割はありません。単身世帯にとっては比較的有利な設計です。
港区の国保は「保険税」ではなく「保険料」方式で、2方式(所得割+均等割)です。東京23区には平等割(世帯割)がありません。
料率は特別区の統一保険料方式により、23区のうち21区で共通です(中野区・江戸川区のみ独自料率)。港区は共通料率を採用しています。
港区で特徴的なのが納付回数です。年間保険料を6月から翌年3月までの10回で納めます。4月・5月に納付がないぶん、1回あたりの金額は12分の1ではなく10分の1になります。区は早見表のなかで「『月割保険料』とは年間保険料を12で割った金額です。実際のお支払い1納期分とは異なります」とわざわざ注記しています。
また港区は外国人住民が多い区で、「港区国民健康保険ガイドブック2026(令和8年度)外国語版」を発行し、窓口には多言語対応三者通話サービス(外国語対応が必要な人・通訳オペレーター・区職員の3人で会話できる)を用意しています。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|
| 基礎分(医療分) | 7.51% | 47,600円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.80% | 17,600円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.43% | 17,800円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.27% | 1,873円 (子ども・子育て支援金分の均等割1,873円は、高校生年代(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前)までは全額軽減されます。実質的に18歳以上の加入者にかかる均等割です) | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は基礎分(医療分)・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども・子育て支援金分の均等割1,873円は、高校生年代(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前)までは全額軽減されます。実質的に18歳以上の加入者にかかる均等割です。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の合計は13.01%(基礎分7.51%+後期高齢者支援金分2.80%+介護分2.43%+子ども分0.27%/40〜64歳)。40歳未満なら10.58%です。
平等割がない代わりに均等割が高いのが23区の特徴です。均等割の合計は1人84,873円(基礎47,600+後期支援17,600+介護17,800+子ども1,873/18歳以上・40〜64歳)。40歳未満なら67,073円。
賦課限度額は基礎分67万円・後期高齢者支援金分26万円・介護分17万円・子ども分3万円で、合計113万円です。令和7年度の基礎分は66万円だったので、1万円引き上げられています。
未就学児の均等割は基礎分23,800円・後期高齢者支援金分8,800円と、区が最初から半額の金額を明記しています(5割軽減後の額)。
港区の納付は6月〜翌年3月の10回です。年間保険料が120,000円なら1回12,000円。4月・5月は納付がありません。
令和8年度の保険料率(東京23区共通料率)
| 所得割額 | 均等割額 | 未就学児の均等割 | 限度額 | |
|---|---|---|---|---|
| 基礎分(医療分) | 賦課基準額×7.51% | 加入者数×47,600円 | 23,800円 | 67万円 |
| 後期高齢者支援金分 | 賦課基準額×2.80% | 加入者数×17,600円 | 8,800円 | 26万円 |
| 介護分 (40〜64歳) | 40〜64歳の加入者の賦課基準額×2.43% | 40〜64歳の加入者数×17,800円 | ― | 17万円 |
| 子ども分 (令和8年度新設) | 賦課基準額×0.27% | 加入者数×1,873円 (高校生年代まで全額軽減) | 0円 | 3万円 |
| 合計 | 13.01%(40〜64歳) 10.58%(40歳未満) | 84,873円(40〜64歳) 67,073円(40歳未満) | 32,600円 | 113万円 |
賦課基準額=前年の総所得金額および山林所得金額、株式・長期(短期)譲渡所得金額等の合計 - 基礎控除43万円です。雑損失の繰越控除は行いません。合計所得金額が2,400万円を超えると基礎控除額が逓減・消失します。
港区は「直近5年間の保険料率の推移」を公開している
ここが港区の最大の特徴です。区は「港区国民健康保険における保険料率等の推移」というPDFで、令和4年度から令和8年度までの5年分を1枚の表にまとめています。所得割率・均等割額・未就学児均等割額・賦課限度額のすべてが年度別に並んでいるので、自分の保険料がなぜ動いたのかを区の公式資料だけで追えます。
| 区分 | 令和8年度 | 令和7年度 | 令和6年度 | 令和5年度 | 令和4年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 基礎分 所得割 | 7.51% | 7.71% | 8.69% | 7.17% | 7.16% |
| 基礎分 均等割 | 47,600円 | 47,300円 | 49,100円 | 45,000円 | 42,100円 |
| 基礎分 賦課限度額 | 67万円 | 66万円 | 65万円 | 65万円 | 65万円 |
| 後期支援分 所得割 | 2.80% | 2.69% | 2.80% | 2.42% | 2.28% |
| 後期支援分 均等割 | 17,600円 | 16,800円 | 16,500円 | 15,100円 | 13,200円 |
| 後期支援分 賦課限度額 | 26万円 | 26万円 | 24万円 | 22万円 | 20万円 |
| 介護分 所得割 | 2.43% | 2.25% | 2.36% | 2.07% | 2.02% |
| 介護分 均等割 | 17,800円 | 16,600円 | 16,500円 | 16,200円 | 16,600円 |
| 子ども分 | 0.27%/1,873円 | 令和8年度に新設(それ以前は制度なし) | |||
この表からわかることが3つあります。
①基礎分の所得割は2年連続で下がっている——令和6年度8.69% → 令和7年度7.71% → 令和8年度7.51%。令和6年度がピークでした。
②均等割は右肩上がり——基礎分は令和4年度42,100円から令和8年度47,600円へ5,500円(約13%)増。後期高齢者支援金分は13,200円から17,600円へ4,400円(約33%)増です。介護分も16,600円から17,800円に上がりました。
③所得の低い世帯ほど負担増を感じやすい構造になっています。所得割率が下がって均等割が上がるということは、所得の高い人は軽く、所得に関係なくかかる部分は重くなるということです。単身・低所得の世帯は「料率は下がったのに保険料は増えた」という体感になります。
賦課限度額も見逃せません。基礎分は令和5年度・令和6年度の65万円 → 令和7年度66万円 → 令和8年度67万円と2年連続で引き上げ。後期高齢者支援金分は令和4年度20万円 → 令和5年度22万円 → 令和6年度24万円 → 令和7年度以降26万円です。4年間で合計6万円分、上限が上がっていることになります。港区は高所得の加入者が多い区なので、限度額到達世帯の割合も他区より高いと考えられます。
港区の「概算早見表」——年収別の保険料がそのまま載っている
港区はもうひとつ、「令和8年度 東京都港区国民健康保険料 概算早見表」を公開しています。しかも給与収入のみ・公的年金収入のみ・総所得金額の3パターン。1人分の概算ですが、自分の年収から保険料を逆引きできる実用的な資料です。
| 給与収入 | 介護分なし (40〜64歳以外) | 介護分あり (40〜64歳) |
|---|---|---|
| 108万円以下 | 67,073円 | 84,873円 |
| 200万円 | 161,235円 | 200,662円 |
| 300万円 | 235,295円 | 291,732円 |
| 400万円 | 313,587円 | 388,006円 |
| 500万円 | 398,227円 | 492,086円 |
| 600万円 | 482,867円 | 596,166円 |
| 700万円 | 571,739円 | 705,450円 |
| 800万円 | 666,959円 | 822,540円 |
| 900万円 | 767,469円 | 937,469円 |
| 1,000万円 | 873,269円 | 1,043,269円 |
| 1,100万円 | 954,107円 | 1,124,107円 |
| 限度額到達 | 960,000円 | 1,130,000円 |
注意点として区は「均等割の減額制度は適用されていない金額です」と明記しています。7割・5割・2割の減額に該当する世帯は、この表より安くなります。
公的年金収入のパターンには、知っておくと得な数字があります。
| 公的年金収入 | 65歳未満 (介護分あり) | 65歳以上 (介護分なし) |
|---|---|---|
| 103万円以下 | 84,873円 | 67,073円 |
| 153万円 | 142,440円 | 67,073円 |
| 200万円 | 188,301円 | 116,799円 |
| 300万円 | 285,876円 | 222,599円 |
| 400万円 | 383,451円 | 309,883円 |
| 500万円 | 492,735円 | 398,755円 |
| 限度額到達 | 1,130,000円 | 960,000円 |
65歳以上は年金収入153万円まで保険料が67,073円のまま——ここが読みどころです。65歳以上の公的年金等控除は最低110万円。年金収入153万円なら年金所得は43万円で、基礎控除43万円を引くと賦課基準額はちょうど0円。所得割がかからず、均等割だけになります。
一方65歳未満は年金収入153万円で142,440円。65歳未満の公的年金等控除は最低60万円なので、年金所得は93万円。基礎控除を引いて賦課基準額50万円に所得割13.01%がかかります。同じ年金額でも65歳を境に7万5千円以上違うことになります。
23区共通料率の意味——平等割がないことの影響
東京23区の国保料には平等割(世帯割)がありません。全国の市町村では3方式(所得割+均等割+平等割)が主流で、平等割は年2万〜4万円台が一般的です。そのぶん23区は均等割が高く設定されています。
| 自治体 | 均等割(1人) | 平等割(1世帯) | 単身世帯 | 4人世帯 |
|---|---|---|---|---|
| 港区(23区共通) | 84,873円 | なし | 84,873円 | 339,492円 |
| 千葉市 | 50,520円 | 36,960円 | 87,480円 | 239,040円 |
| 松戸市(千葉) | 62,000円 | 18,000円 | 80,000円 | 266,000円 |
| 新潟市 | 37,600円 | 28,200円 | 65,800円 | 178,600円 |
単身世帯では港区(84,873円)と千葉市(87,480円)はほぼ同じ。むしろ港区のほうが安いくらいです。ところが4人世帯になると港区が約10万円高い。平等割がない構造は単身世帯に有利で、人数の多い世帯に不利ということです。
ただし未就学児は基礎分・後期高齢者支援金分の均等割が半額(23,800円+8,800円=32,600円)、高校生年代までは子ども分の均等割が全額軽減されるので、子育て世帯の実額はこの表より軽くなります。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 193,007円 + 均等割 166,600円 ⇒ 359,607円
- 後期支援分: 所得割 71,960円 + 均等割 61,600円 ⇒ 133,560円
- 介護分: 所得割 62,451円 + 均等割 35,600円 ⇒ 98,051円
- 子ども分: 所得割 6,939円 + 均等割 3,746円 ⇒ 10,685円
合計: 年間 約601,903円(月あたり約50,200円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 119,409円 + 均等割 47,600円 ⇒ 167,009円
- 後期支援分: 所得割 44,520円 + 均等割 17,600円 ⇒ 62,120円
- 介護分: 所得割 38,637円 + 均等割 17,800円 ⇒ 56,437円
- 子ども分: 所得割 4,293円 + 均等割 1,873円 ⇒ 6,166円
合計: 年間 約291,732円(月あたり約24,300円)
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 222,583円 / 後期支援分 82,840円 / 介護分 74,419円 / 子ども分 8,164円 ⇒ 合計 約388,006円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 67,970円 / 後期支援分 25,224円 / 介護分 23,911円 / 子ども分 2,573円 ⇒ 合計 約119,678円
差額は年間およそ26万8千円。届出書1枚でこれだけ違います。港区が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は港区公式の保険料試算でご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 基礎分(医療分) 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 港区の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援金分の均等割1,873円は、高校生年代(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前)までは全額軽減されます。実質的に18歳以上の加入者にかかる均等割です。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 港区 国保年金課 資格保険料係(03-3578-2574〜6)
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
倒産・解雇・雇止めなどで離職された方は、前年の給与所得を100分の30として計算する軽減が使えます(離職時65歳未満、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者が対象)。
港区は対象となる離職理由コードを9つすべて公開しています——11、12、21、22、23、31、32、33、34。手元の雇用保険受給資格者証(または雇用保険受給資格通知)の離職理由欄と照合してください。
港区は「制度の対象か否かの確認は、雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知で行います。ハローワークで交付を受けていない方は対象となりません」と明記しています。離職票では手続きできません。まずハローワークで受給資格の手続きを済ませてください。
効果を試算します。給与収入400万円(給与所得276万円)の40代単身世帯なら、賦課基準額は276万-43万=233万円。所得割は233万×13.01%=303,133円、均等割84,873円を足して年約38.8万円です。港区の早見表でも給与収入400万円・介護分ありは388,006円とされており、ほぼ一致します。
軽減が適用されると給与所得は276万×30%=82.8万円。賦課基準額は39.8万円まで下がり、所得割は51,780円。
さらにこの82.8万円で7割・5割・2割の減額判定も行われます。単身世帯なら2割減額の基準は43万+57万=100万円。82.8万円は基準以下なので2割減額が適用され、均等割84,873円が67,898円に。
合計は約12.0万円。差はおよそ26.8万円です。
軽減期間は離職日の翌日の属する年度と翌年度。港区は「国民健康保険に加入中は途中で就職しても引き続き対象となりますが、社会保険に加入するなど国民健康保険を脱退すると終了します」としています。アルバイトで社保に入らない働き方なら軽減は続くということです。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 港区の減免制度|要申請
港区の均等割額の減額(7割・5割・2割)は申請不要です(ただし世帯全員の住民税申告が必要)。非自発的失業の軽減、産前産後の軽減、旧被扶養者の軽減、その他の減免は届出・申請が必要です。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 保険料均等割の減額 (申請不要/要・住民税申告) | 前年1月〜12月の世帯の総所得金額等が①43万円+(給与所得者等の数-1)×10万円以下=7割、②①+31万円×被保険者数以下=5割、③①+57万円×被保険者数以下=2割 | 均等割額を減額。減額基準日は4月1日(新規加入は資格取得日)。世帯に未申告の方がいると判定できません |
| 未就学児の均等割減額 (申請不要) | 未就学児 | 基礎分23,800円・後期高齢者支援金分8,800円と、区が半額後の実額を公表。所得による減額との併用可 |
| 高校生年代までの子ども分均等割の全額軽減 (申請不要) | 18歳に達する日以後の最初の3月31日以前である被保険者 | 子ども分の均等割1,873円が0円。所得割0.27%は加入者全員にかかります |
| 非自発的失業者の軽減 (要届出) | 離職日現在65歳未満で、離職理由コードが11・12・21・22・23・31・32・33・34のいずれかの方 | 前年の給与所得を100分の30として算定。雇用保険受給資格者証または受給資格通知が必須(ハローワーク未交付の方は対象外) |
| 産前産後期間の軽減 (要届出) | 出産する被保険者(単胎4か月分、多胎6か月分) | 所得割額・均等割額の両方が免除。母子健康手帳など出産の事実がわかるものを持参。限度額到達世帯は減額されない場合あり |
| 旧被扶養者に対する軽減 (要申請) | 被用者保険の被保険者が後期高齢者医療制度へ移行したことに伴い国保に加入した65歳以上の元被扶養者 | 所得割は当面の間免除、均等割は資格取得後最長2年(24か月)半額。加入時に申請 |
| その他保険料の減免 (要申請) | 災害その他の特別な事情により生活が一時的に著しく困難になり、分割納付・徴収猶予でも納付できない世帯 | 6か月を限度に納期未到来の保険料を減額または免除。納付期限前7日までに申請。「単に仕事をやめた等の理由だけでは対象となりません」 |
港区の減免で最初に押さえるべきは「賦課決定・変更には2年の期間制限がある」ことです。
区は「国民健康保険法により、保険料の増額・減額は、当該年度における最初の保険料の納期の翌日から起算して2年を経過した日以後は行えません」と明記しています。つまり「遡って国保をやめていた」「過年度の所得を今から申告する」「軽減の届出を今から出す」といった手続きが2年を過ぎていると、払いすぎた保険料が戻ってこない可能性があります。
港区の納期は6月からなので、令和8年度分なら令和10年6月末ごろが期限の目安になります。産前産後の軽減も非自発的失業の軽減も、この制限の対象です。心当たりがあるなら今すぐ届け出てください。
もうひとつ、港区のその他の減免は条件がかなり厳しい点に注意が必要です。区は「分割納付あるいは徴収猶予によっても保険料を支払うことができず、世帯に収入や資産がない、あるいは収入があってもかなり低く、生活費を支出すると保険料が納付できない場合に限られます」「事業の倒産、資産への損失等、一定の要件が必要です。単に仕事をやめた等の理由だけでは対象となりません」としています。
「仕事をやめた」だけでは減免になりません。そこを埋めるのが非自発的失業者の軽減です。こちらは会社都合退職なら要件を満たすだけで適用されるので、退職理由が該当するならまずこちらを届け出てください。
均等割額の減額には世帯全員の住民税申告が必要です。区は「所得がなかった人も住民税の申告が必要です」「国民健康保険に加入していない世帯主に所得がある場合は、減額にならない場合があります」と2点を明記しています。後者は見落とされがちで、世帯主が社保に加入していてもその所得は軽減判定に入るということです。世帯分離を検討する余地がある場合もあります。
港区の均等割は1人84,873円(40〜64歳・18歳以上)と全国的に大きいので、7割減額を逃すと年約5.9万円、2人世帯なら約11.9万円の差になります。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 口座振替(毎月末日引落。Web口座振替受付サービス/キャッシュカードによる受付/依頼書の3通り)
- 特別徴収(65〜74歳のみの世帯は原則年金天引き。申出で口座振替に変更可)
- 納付書(金融機関・ゆうちょ・コンビニ・各総合支所区民課窓口サービス係・台場分室)
- モバイルレジ(インターネットバンキング払い・クレジットカード払い)
- 電子マネー(スマートフォンアプリ)
港区の納付でまず知っておきたいのは「6月から翌年3月までの10回払い」という点です。
区は「その年度の住民税が決定される6月に1年間の保険料を算定し、世帯主あてに世帯全体の保険料を通知します。このため年間(4月〜翌年3月)保険料を6月から翌年3月までの10回でお支払いいただきます」としています。4月・5月は納付がありません。年間120,000円なら1回12,000円です。
納入通知書は再発行できません。区は「納入通知書は再発行できません。大切に保管してください」と明記しています。確定申告で社会保険料控除を使うときにも必要になる書類です。
港区で特に注意したいのが「1月以降に転入した人の保険料は2回に分けて通知される」ことです。区の説明はこうです——「その年の1月以降に港区に転入した人で港区の国民健康保険に加入された人の保険料は、6月に均等割額のみで通知します。その後、前住所地の市区町村からの住民税額・所得金額の照会回答により所得割額を計算し、7月以降に再度通知します」。
区は具体例まで載せています。6月に均等割のみ64,100円と通知(1回6,500円+6,400円×9回)→ 7月に所得割を加えて120,000円に変更(7月以降1回12,600円前後)。6月の金額を見て「安い」と思っていると、7月から倍になるということです。1月以降に港区へ引っ越した方は、この点を頭に入れておいてください。
口座振替の登録方法が3通りあるのも港区の特徴です。①Web口座振替受付サービス(オンライン完結)、②キャッシュカードによる受付サービス(窓口の専用端末にカードを通して暗証番号を入力するだけ。みずほ・三菱UFJ・三井住友・りそな・ゆうちょ、芝信用金庫・さわやか信用金庫が対象。デビット機能・クレジット機能付きのカードは不可)、③口座振替依頼書の提出。②なら銀行印が不要で、本人確認書類とキャッシュカードだけで済みます。
クレジットカードでの納付はモバイルレジから可能です。コンビニ納付は1枚30万円まで、バーコード印字のある納付書に限られます。
区は金融機関での納付について「港区に収納データが届くまでに1〜2週間ほどかかるため、納付日によっては行き違いで督促状が発送される場合がございます」と注記しています。督促状が来ても慌てず、納付済みなら領収証書を確認してください。
国保をやめた後に納付書が届くことがあります。区は「その年度の4月〜5月に国民健康保険をやめた場合や、6月〜3月に国民健康保険をやめて加入期間の保険料を再計算した結果『不足額』が生じた場合には、国民健康保険をやめた後に納付書が届く場合があります」としています。逆に納めすぎていれば還付通知書が届きます。
窓口は港区役所の国保年金課資格保険料係(03-3578-2574〜6)のほか、各総合支所区民課窓口サービス係(芝地区総合支所は相談担当)および台場分室でも納付できます。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 港区の国保窓口一覧
国保料の計算・軽減・減免の相談は港区役所の国保年金課資格保険料係が窓口です。納付や届出は各総合支所(芝・麻布・赤坂・高輪・芝浦港南)の区民課窓口サービス係および台場分室でも受け付けています。
| 窓口 | 電話番号 | 主な業務 |
|---|---|---|
| 保健福祉支援部 国保年金課 資格保険料係 〒105-8511 東京都港区芝公園1-5-25 (収納業務担当) | 03-3578-2574〜6 FAX 03-3578-2669 | 保険料の算定・賦課、均等割額の減額、非自発的失業者の軽減、産前産後期間の軽減、旧被扶養者の軽減、各種減免、納付相談、口座振替依頼書の請求 |
| 各総合支所 区民課 窓口サービス係 (芝・麻布・赤坂・高輪・芝浦港南) ※芝地区総合支所は相談担当 | 各総合支所へ | 加入・喪失の届出、キャッシュカードによる口座振替受付(専用端末)、納付書での納付。受付は平日8時30分〜17時 |
| 台場分室 | 台場分室へ | キャッシュカードによる口座振替受付、納付書での納付、各種届出 |
| 多言語対応三者通話サービス | - | 外国語対応が必要な人・通訳オペレーター・区職員の3人で会話できるサービス。港区は外国語版の国保ガイドブックも発行 |
キャッシュカードによる口座振替受付は各総合支所区民課窓口サービス係(芝地区総合支所は相談担当)と台場分室で。専用端末にカードを通して暗証番号を入力するだけで完了します。持ち物は本人確認書類とキャッシュカード。デビット機能・クレジット機能付きカードは利用できません。
「港区国民健康保険ガイドブック2026(令和8年度)外国語版」を発行しています。窓口には多言語対応三者通話サービスもあります。
賦課決定・変更は最初の納期の翌日から2年で打ち切りです。遡っての脱退・所得申告・軽減の届出が遅れると、払いすぎた保険料が戻らない場合があります。
納入通知書は再発行できません。確定申告の社会保険料控除でも使う書類なので保管してください。
港区は「国保温泉センター(割引利用)」や無料健康相談など、国保加入者向けの保健事業も用意しています。
8. よくある質問(港区の国保)
Q1. 港区の保険料は上がっているのですか?下がっているのですか?
A. 所得割は2年連続で下がり、均等割は5年連続で上がっています。所得が低い世帯ほど「負担増」を感じる構造です。
港区は「港区国民健康保険における保険料率等の推移」というPDFで令和4年度から令和8年度までの5年分を公開しています。ここまで丁寧に出している自治体は多くありません。
基礎分(医療分)の所得割:令和4年度7.16% → 令和5年度7.17% → 令和6年度8.69%(ピーク) → 令和7年度7.71% → 令和8年度7.51%
基礎分の均等割:令和4年度42,100円 → 令和5年度45,000円 → 令和6年度49,100円 → 令和7年度47,300円 → 令和8年度47,600円
後期高齢者支援金分の均等割:令和4年度13,200円 → 令和5年度15,100円 → 令和6年度16,500円 → 令和7年度16,800円 → 令和8年度17,600円。5年で4,400円(約33%)増です。
介護分の均等割:令和4年度16,600円 → 令和8年度17,800円。
つまり所得割が下がっても、均等割は着実に上がっている。所得の高い人は所得割の低下の恩恵を受けますが、所得の低い単身世帯は均等割の上昇をそのまま被ることになります。
さらに令和8年度から子ども・子育て支援金分(所得割0.27%+均等割1,873円)が新設されました。所得割13.01%・均等割84,873円という令和8年度の数字には、この新設分が含まれています。
賦課限度額も4年で6万円上がりました。基礎分は65万円→67万円、後期高齢者支援金分は20万円→26万円です。高所得の加入者が多い港区では、限度額到達世帯への影響が大きい変更です。
Q2. 年金収入だけなのに保険料が高い気がします。65歳を境に変わりますか?
A. 大きく変わります。港区の早見表では、年金収入153万円で65歳未満142,440円、65歳以上67,073円と、7万5千円以上の差がつきます。
理由は2つあります。
①公的年金等控除の額が違う——65歳未満は最低60万円、65歳以上は最低110万円。年金収入153万円の場合、65歳未満の年金所得は93万円ですが、65歳以上は43万円です。
②介護分の有無——介護分(所得割2.43%+均等割17,800円)がかかるのは40歳から64歳まで。65歳以上は国保料から外れ、介護保険課から別途通知が来ます。
この2つが重なって、港区の早見表では次のようになります。
年金収入153万円:65歳未満142,440円/65歳以上67,073円
年金収入200万円:65歳未満188,301円/65歳以上116,799円
年金収入300万円:65歳未満285,876円/65歳以上222,599円
65歳以上は年金収入153万円まで、保険料が67,073円(均等割のみ)で変わりません。年金所得43万円から基礎控除43万円を引くと賦課基準額が0円になり、所得割がかからないからです。
もうひとつ、軽減判定の年金基準も知っておいてください。7割・5割・2割の減額判定では、公的年金等の収入が65歳未満で60万円超、65歳以上で125万円超の方が「給与所得者等」にカウントされます。さらに港区は1月1日時点で65歳以上の公的年金所得者について、年金所得から15万円を控除して判定します。
65歳以上のみの世帯は保険料が原則特別徴収(世帯主の年金から天引き)になります。ただし今年度中に世帯主が75歳になる世帯は除かれます。確実に口座振替で納められる方は、申出により口座振替に変更できます。
Q3. 1月に港区へ引っ越しました。6月の通知が安いのですが大丈夫ですか?
A. 7月以降に増額の通知が来ます。6月の通知は「均等割額のみ」の暫定額です。
港区は明確に説明しています——「その年の1月以降に港区に転入した人で港区の国民健康保険に加入された人の保険料は、6月に均等割額のみで通知します。その後、前住所地の市区町村からの住民税額・所得金額の照会回答により所得割額を計算し、7月以降に再度通知します」。
住民税の課税は1月1日時点の住所地で行われるため、1月以降に転入した方の所得情報は港区にありません。前住所地に照会して回答が来るまで、所得割を計算できないのです。
区が挙げている具体例はこうです。
6月の決定:均等割のみ64,100円(6月6,500円+7月〜3月6,400円×9回)
7月の決定:所得割を加えて120,000円に変更(6月6,500円はそのまま、7月12,700円+8月〜3月12,600円×8回)
1回あたりの負担が約2倍になります。6月の金額で家計を組んでいると、7月に驚くことになります。
区は「7月以降に使用する変更後の納付書も通知に同封します。(6月期分の納付書は送付されませんので、6月決定時の納付書を使用してください。)」としています。6月に届いた納付書を捨てないでください。
逆のパターンもあります。区外へ転出した場合、6月に年間120,000円と決定されていても、7月に3か月分30,000円へ再計算されます。区の例では6月12,000円+7月18,000円で完了、8月以降は支払無となっています。
納めすぎていた場合は還付通知書が届きます。不足があれば国保をやめた後でも納付書が届きます。
Q4. 会社都合で退職しました。どれくらい安くなりますか?
A. 給与収入400万円の40代単身なら、年約38.8万円が約12.0万円に。差はおよそ26.8万円です。
非自発的失業者の軽減は、前年の給与所得を100分の30として計算する制度です。港区の早見表で給与収入400万円・介護分ありの保険料は388,006円。これが約12.0万円まで下がります。
内訳を追います。給与収入400万円=給与所得276万円。賦課基準額は276万-43万=233万円で、所得割13.01%=303,133円+均等割84,873円=約38.8万円。
軽減後は給与所得が276万×30%=82.8万円。賦課基準額39.8万円で所得割51,780円。
さらにこの82.8万円で減額判定も行われます。単身世帯の2割減額基準は43万+57万=100万円なので、2割減額が適用されて均等割84,873円が67,898円に。合計約12.0万円です。
対象者は離職日現在65歳未満で、雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の離職理由コードが11・12・21・22・23・31・32・33・34のいずれかの方。港区はこの9つのコードをすべて公開しています。
ハローワークで受給資格の手続きをしていないと対象になりません。区は「ハローワークで交付を受けていない方は対象となりません」と明記しています。離職票だけでは手続きできません。
軽減期間は離職日の翌日の属する年度と翌年度。「国民健康保険に加入中は途中で就職しても引き続き対象となりますが、社会保険に加入するなど国民健康保険を脱退すると終了します」。フリーランスや社保のないアルバイトで働く分には、軽減は続きます。
届出先は国保年金課資格保険料係(03-3578-2574〜6)。2年の賦課決定期間制限があるので、心当たりがあれば早めに。
退職直後は任意継続との比較も必要です。港区の所得割は13.01%と高めなので、前年所得が高い方ほど任意継続が有利になりやすい——ただし非自発的失業の軽減が使えるなら国保が逆転することが多くなります。
Q5. 港区の均等割84,873円は高いのでしょうか?
A. 1人あたりでは全国的に高い水準です。ただし平等割がないので、単身世帯なら他市とほぼ変わりません。
港区(東京23区共通)の均等割は基礎分47,600円+後期高齢者支援金分17,600円+介護分17,800円+子ども分1,873円=84,873円(40〜64歳・18歳以上)。
ただし23区には平等割(世帯割)がありません。全国の市町村では3方式が主流で、平等割は年2万〜4万円台が一般的です。所得に関係なくかかる部分で比べると見え方が変わります。
単身世帯:港区84,873円/千葉市87,480円(均等割50,520+平等割36,960)/松戸市80,000円(62,000+18,000)
4人世帯:港区339,492円/千葉市239,040円/松戸市266,000円
単身なら港区のほうが安いくらいで、4人世帯だと約10万円高い。平等割がない構造は単身に有利・大人数に不利です。
ただし子育て世帯には軽減があります。未就学児は基礎分23,800円+後期高齢者支援金分8,800円=32,600円(半額後の実額を区が公表)。高校生年代まで子ども分の均等割1,873円は全額軽減。
7割・5割・2割の減額も大きく効きます。均等割が高いということは、減額されたときの効き目も大きいということです。7割減額なら年約5.9万円、2人世帯なら約11.9万円が減ります。
そのためには世帯全員の住民税申告が必要です。港区は「所得がなかった人も住民税の申告が必要です」と明記しています。
もうひとつ、「国民健康保険に加入していない世帯主に所得がある場合は、減額にならない場合があります」という注意も出ています。世帯主が社保に入っていても、その所得は軽減判定に算入されます。
Q6. 保険料を払いすぎたかもしれません。いつまでなら戻りますか?
A. 原則として、その年度の最初の納期の翌日から2年以内です。それを過ぎると還付できない場合があります。
港区は「保険料の増額・減額決定の期間制限」という見出しを立てて説明しています。「国民健康保険法により、保険料の増額・減額は、当該年度における最初の保険料の納期(当該納期後に保険料を課することができることとなった場合は、その日)の翌日から起算して2年」を過ぎると行えません。
港区の納期は6月からなので、令和8年度分は令和10年6月末ごろが期限の目安です。
区は「遡りの国民健康保険の脱退、過年度の所得申告、保険料の軽減措置・免除の届出・申請をしても、保険料の増額・減額決定の期間制限を過ぎていると保険料を計算できないため、お支払いいただいた保険料を還付できない可能性があります。速やかな手続きをお願いします」としています。
ありがちなのが「就職したのに国保の脱退届を出していなかった」ケースです。社保に加入した時点で国保の資格は失われますが、届出をしないと国保料の請求は止まりません。2年を過ぎてから気づくと、二重払いした分が戻らないことになります。
「収入がなかった年の住民税申告をしていなかった」ケースも同様です。申告すれば7割減額が適用されたはずでも、2年を過ぎていれば遡って適用できません。港区の均等割は84,873円なので、7割減額なら年約5.9万円を取り逃がす計算になります。
産前産後の軽減や非自発的失業の軽減も、この期間制限の対象です。
逆に増額の方向でも2年で打ち切りです。遡って加入資格が生じた場合、区は「過年度分」として別に納入通知書を送りますが、これも2年の制限がかかります。過年度分は「現年度分とは異なり、過年度の保険料は一括してかかりますので、一括のお支払いが困難なときはご相談ください」とされています。
心当たりがあれば国保年金課資格保険料係(03-3578-2574〜6)へ。
Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、保険料均等割の減額
(申請不要/要・住民税申告)・未就学児の均等割減額
(申請不要)・高校生年代までの子ども分均等割の全額軽減
(申請不要)・非自発的失業者の軽減
(要届出)・産前産後期間の軽減
(要届出)・旧被扶養者に対する軽減
(要申請)・その他保険料の減免
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に港区 保健福祉支援部 国保年金課 資格保険料係(03-3578-2574〜6)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|港区の国保で押さえるべきポイント
- 港区は2方式(所得割+均等割)。令和8年度の料率は基礎分(医療分)7.51%・後期支援分2.80%・介護分2.43%・子ども分0.27%
- 均等割は基礎分(医療分)47,600円・後期支援17,600円・介護17,800円・子ども1,873円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 港区の料率は東京23区共通(21区共通料率)。2方式で平等割がなく、均等割は1人84,873円(40〜64歳・18歳以上)
- 「直近5年間の保険料率等の推移」を公開。基礎分の所得割は令和6年度8.69%→令和8年度7.51%と2年連続低下、均等割は令和4年度42,100円→令和8年度47,600円と上昇
- 賦課限度額は4年で合計6万円上昇(基礎分65万→67万、後期高齢者支援金分20万→26万)
- 「概算早見表」を給与収入・年金収入・総所得の3パターンで公開。65歳以上は年金収入153万円まで67,073円で変わらない
- 納付は6月〜翌年3月の10回。4月・5月は納付なし。納入通知書は再発行できない
- 1月以降の転入者は6月に均等割のみ通知、7月以降に所得割を加えて再通知(区の例では64,100円→120,000円)
- 賦課決定・変更は最初の納期の翌日から2年で打ち切り。遡っての脱退・申告・届出が遅れると還付されない
- キャッシュカードによる口座振替受付(専用端末に通すだけ)と多言語対応三者通話サービスが窓口にある
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年26万8千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は港区 保健福祉支援部 国保年金課 資格保険料係(03-3578-2574〜6)
出典・参考:
・港区公式:国民健康保険の保険料
・港区公式:保険料の納付
・港区公式:港区国民健康保険における保険料率等の推移(PDF)
・港区公式:令和8年度港区国民健康保険料早見表(PDF)
・東京都保健医療局:令和8年度 国民健康保険事業費納付金及び標準保険料率について
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は港区公式サイトでご確認ください。