
有田市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド
有田市は和歌山県の北部、有田川の河口に開けた人口約2.6万人の市です。みかんの産地、そして市役所のある箕島(みのしま)の港町でもあります。
この記事では、令和8年度の最新税率にもとづく有田市の国保税の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、納期・窓口情報までまとめました。
最初に、有田市を調べるうえで外せない点を書いておきます。有田市は令和8年度に税率を引き上げましたが、それでも和歌山県が示す標準保険税率よりだいぶ低い水準です。市自身が「現在の有田市の保険税率は、この標準保険税率と乖離しているため、段階的に合わせていく必要がある」と公表しており、令和12年度の県内統一に向けて、来年度以降も上がる前提で家計を考えておく必要があります。
なお、有田市は「保険料」ではなく「保険税」です。納税通知書・領収の扱いも税の扱いになります。
1. 有田市の国民健康保険の概要
有田市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。
有田市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。
有田市は保険料ではなく国民健康保険「税」方式で、計算は3方式(所得割+均等割+平等割)です。資産割はありません。
平等割は医療分・後期支援分・介護分・子ども分のすべてにあり、単身世帯でも世帯割だけで年39,166円かかります。
税は世帯主に対して課税されます。市も「国民健康保険税を納める義務は世帯主にあります。世帯主本人が国民健康保険の加入者でなくても、世帯の中に国民健康保険の加入者がいれば、世帯主に納税通知書等が送られます」と明記しています。世帯主が会社の健康保険に入っていて、家族だけが国保という世帯でも、納税通知書は世帯主あてに届きます。
国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。
2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1人年額) | 平等割(1世帯年額) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 7.80% | 27,600円 | 24,000円 | 670,000円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.60% | 9,200円 | 7,200円 | 260,000円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.40% | 9,200円 | 7,200円 | 170,000円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 0.30% | 1,191円 (子ども分の均等割1,191円は「均等割1,118円+18歳以上均等割73円」の合計で、18歳未満の被保険者には子ども分が賦課されません) | 766円 | 30,000円 |
- 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
- 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
- 子ども分の均等割1,191円は「均等割1,118円+18歳以上均等割73円」の合計で、18歳未満の被保険者には子ども分が賦課されません。申請は不要です。
- 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。
所得割の基礎は「前年中の被保険者一人ひとりの総所得金額等から基礎控除43万円をそれぞれ控除した額の合計」です。令和8年度の税は令和7年(1月〜12月)の所得で決まります。
18歳以上均等割73円は、18歳未満の被保険者の子ども分均等割を全額軽減した分を、18歳以上の被保険者で分け合う仕組みです。市の表では均等割1,118円と73円が別々に載っているため、18歳以上の方の子ども分均等割は合計1,191円になります。
納税通知書は7月中旬に発送の予定です。4月以降に社会保険や後期高齢者医療に移って国保をやめた方にも、月割で税がかかるため同じ時期に通知が届きます。「もう国保ではないのに通知が来た」というのはこの月割です。
総所得金額等には、株式等の譲渡所得や土地建物の譲渡所得なども含まれます。不動産や株を売った翌年度は保険税が大きく上がることがあります。
令和7年度から令和8年度へ|何がいくら上がったか
有田市は「令和8年度 国民健康保険税率改正のお知らせ」で、改正前後の税率を一覧にして公表しています。所得割は医療分+0.6ポイント、後期支援分+0.2ポイント、介護分+0.2ポイント。均等割は医療分+2,400円、後期支援分・介護分+800円。平等割は3区分とも据え置きです。
| 区分 | 項目 | 令和7年度 (改正前) | 令和8年度 (改正後) | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 所得割 | 7.2% | 7.8% | +0.6pt |
| 均等割 | 25,200円 | 27,600円 | +2,400円 | |
| 平等割 | 24,000円 | 24,000円 | 変更なし | |
| 後期高齢者支援金分 | 所得割 | 2.4% | 2.6% | +0.2pt |
| 均等割 | 8,400円 | 9,200円 | +800円 | |
| 平等割 | 7,200円 | 7,200円 | 変更なし | |
| 介護分(40〜64歳) | 所得割 | 2.2% | 2.4% | +0.2pt |
| 均等割 | 8,400円 | 9,200円 | +800円 | |
| 平等割 | 7,200円 | 7,200円 | 変更なし | |
| 子ども・子育て支援金分 | 所得割 | ― | 0.3% | 新設 |
| 均等割 | ― | 1,118円 | 新設 | |
| 18歳以上均等割 | ― | 73円 | 新設 | |
| 平等割 | ― | 766円 | 新設 |
所得割の合計(40〜64歳)は令和7年度の 11.8%(7.2+2.4+2.2)から、令和8年度は13.1%(7.8+2.6+2.4+0.3)へ。うち0.3ポイントは全国共通で新しく始まった子ども・子育て支援金分なので、市の判断による引き上げ分は1.0ポイント(医療+0.6、後期+0.2、介護+0.2)です。均等割の合計(40〜64歳の1人分)は42,000円(25,200+8,400+8,400)から47,191円(27,600+9,200+9,200+1,191)へ+5,191円。このうち1,191円が子ども・子育て支援金分です。
家計への影響をモデルで見る
この記事の計算方法で、令和7年度の税率と令和8年度の税率を同じ世帯に当てはめると次のとおりです(子ども・子育て支援金分を含めた年額)。
| 世帯 | 令和7年度税率 | 令和8年度税率 | 増加額 | 増加率 |
|---|---|---|---|---|
| 40歳単身・基準総所得金額159万円(年収300万円) | 268,020円 | 294,647円 | +26,627円 | +9.9% |
| 30歳単身・基準総所得金額159万円(介護分なし) | 217,440円 | 240,087円 | +22,647円 | +10.4% |
| 40歳夫婦+子2人(うち未就学児1人)・基準総所得金額257万円 | 476,060円 | 525,418円 | +49,358円 | +10.4% |
どの世帯でも約1割の増加です。子ども・子育て支援金分が新しく乗るぶん、単身でも年2万円台、4人世帯なら年5万円近い値上がりになります。あくまで本記事の概算ですが、通知書が届いたときの「去年より1割ほど高い」という感覚は、この計算と一致するはずです。
県の標準保険税率との差|有田市はまだ低い
市は改正のお知らせのなかで、和歌山県が示す「標準保険税率」(国保財政運営のために本来必要な保険税の目安)を有田市分として載せています。ただし市のページに載っているのは令和7年度の標準保険税率で、令和8年度のものではありません。この点は取り違えないでください。
| 区分 | 項目 | 標準保険税率 (令和7年度) | 有田市の 令和8年度税率 | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分 | 所得割 | 9.53% | 7.8% | −1.73pt |
| 均等割 | 34,208円 | 27,600円 | −6,608円 | |
| 平等割 | 23,674円 | 24,000円 | +326円 | |
| 後期支援分 | 所得割 | 2.91% | 2.6% | −0.31pt |
| 均等割 | 10,353円 | 9,200円 | −1,153円 | |
| 平等割 | 7,165円 | 7,200円 | +35円 | |
| 介護分 | 所得割 | 2.41% | 2.4% | −0.01pt |
| 均等割 | 10,203円 | 9,200円 | −1,003円 | |
| 平等割 | 5,265円 | 7,200円 | +1,935円 |
3区分を合計すると、所得割は標準14.85%に対して有田市12.8%(−2.05pt)、均等割は標準54,764円に対して46,000円(−8,764円)。一方で平等割だけは標準36,104円に対して有田市38,400円と、むしろ2,296円高いのが有田市の特徴です。標準は「所得・人数に応じて負担する」設計、有田市は「世帯ごとの定額部分を厚めに、所得割と均等割を低めに」という配分になっています。
同じ世帯を標準保険税率で計算してみると、差の大きさがわかります(子ども・子育て支援金分を除いた概算)。
| 世帯 | 標準保険税率 | 有田市 令和8年度 | 差 |
|---|---|---|---|
| 40歳単身・基準総所得金額159万円 | 326,983円 | 287,920円 | 39,063円 |
| 40歳・所得なし(軽減前) | 90,868円 | 84,400円 | 6,468円 |
| 40歳夫婦+子2人(未就学児1人)・基準総所得金額257万円 | 594,118円 | 514,560円 | 79,558円 |
標準保険税率で計算すると、単身で年約3.9万円、4人世帯で年約8万円高くなります。市は令和12年度に県内で同じ所得・同じ世帯構成なら同じ保険税にする「県内統一」を目指すと説明しており、その時点までに、この差をどこかで埋めていくことになります。令和8年度の1割増は、その途中経過にすぎない可能性があります(令和12年度の統一時の税率は、その時点の県の標準保険税率で決まるため、上の表の数字がそのまま最終形になるわけではありません)。
なぜ上げたのか|市が書いている理由
市の説明を整理すると、理由は3つです。①被保険者数の減少(少子化・人口減少、75歳で後期高齢者医療へ移る人の増加、社会保険の適用拡大)、②1人あたり医療費の増加(高齢化と医療の高度化)、③その結果、収入が支出に足りない状態が続いていること。
さらに市は、「被保険者の皆様の負担が増加しないよう、有田市国民健康保険財政調整基金を活用しながら保険税率の引き上げを据え置いてまいりました」と、基金で据え置いてきた経緯まで書いています。今回の改正は、その据え置きを終え、県の標準に段階的に近づけるスタートだと読めます。
ここでいう「社会保険の適用拡大」は、パートやアルバイトの働き方の人が会社の健康保険に入れる範囲が広がったことを指します。会社の健康保険に移った人は国保をやめるため、国保に残るのは高齢者や医療費のかかる層の比率が高くなりがちです。有田市のように人口が減っている市では、この影響が税率に出やすくなります。
他市との比較|和歌山県内と全国での位置
当サイトで令和8年度の税率を確認した287市を集計すると、有田市の所得割合計(医療+後期+介護+子ども=13.1%)は中央値13.01%とほぼ同じ水準(高いほうから134位)です。均等割の合計(同47,191円)は中央値53,940円より約6,700円低く、高いほうから211位。一方、平等割の合計39,166円は中央値33,600円より約5,600円高く、61位です。
和歌山県内で同じ集計をした3市と並べると、有田市の位置がはっきりします。
| 市 | 所得割の合計 | 均等割の合計 | 平等割の合計 | 算定方式 |
|---|---|---|---|---|
| 和歌山市 | 14.85% | 52,920円 | 36,240円 | 3方式 |
| 橋本市 | 14.30% | 53,800円 | 35,100円 | 3方式 |
| 田辺市 | 13.00% | 55,091円 | 37,566円 | 4方式(資産割あり) |
| 有田市 | 13.10% | 47,191円 | 39,166円 | 3方式 |
有田市は均等割の合計が4市で最も低く(和歌山市より5,729円、田辺市より7,900円低い)、所得割は田辺市に次いで2番目の低さです。ただし平等割は4市でもっとも高い(和歌山市より2,926円、橋本市より4,066円高い)ため、単身世帯や少人数世帯では「均等割が安い」メリットが小さくなります。逆に、所得の低い多人数世帯には有利な配分です。
子ども分(1,118円+18歳以上73円、平等割766円)は田辺市の1,109円+82円(平等割766円)とほぼ同じ設計です。子ども・子育て支援金分の平等割766円は和歌山県内で共通の水準になっている可能性がありますが、県の資料では確認していないので、ここは断定を避けます。
限度額は医療分67万円・後期支援分26万円・介護分17万円・子ども分3万円で世帯合計113万円。和歌山市・橋本市・田辺市も同じ113万円で、和歌山県内は国の基準どおりに揃っています(大阪府や奈良県のように医療分を66万円に据え置いた112万円グループとは違います)。
年収別の早見表|有田市の令和8年度国保税はいくらになるか
給与だけの収入の方を想定して、令和8年度の税率で年額を計算しました(軽減判定は自動で反映、子ども・子育て支援金分を含み、100円未満切り捨ての影響は考えない概算です)。給与所得は令和7年分の給与所得控除(最低65万円)で計算しています。
| 給与収入 | 給与所得 | 30歳単身 (介護分なし) | 45歳単身 (介護分あり) | 40代夫婦2人 (収入は1人分) |
|---|---|---|---|---|
| 100万円 | 35万円 | 20,987円(7割軽減) | 25,907円(7割軽減) | 40,064円(7割軽減) |
| 150万円 | 85万円 | 100,906円(2割軽減) | 124,106円(2割軽減) | 121,794円(5割軽減) |
| 200万円 | 132万円 | 165,187円 | 202,947円 | 223,428円(2割軽減) |
| 250万円 | 167万円 | 202,637円 | 248,797円 | 295,988円 |
| 300万円 | 202万円 | 240,087円 | 294,647円 | 341,838円 |
| 400万円 | 276万円 | 319,267円 | 391,587円 | 438,778円 |
| 500万円 | 356万円 | 404,867円 | 496,387円 | 543,578円 |
| 600万円 | 436万円 | 490,467円 | 601,187円 | 648,378円 |
| 800万円 | 610万円 | 676,647円 | 829,127円 | 876,318円 |
この表から読み取れる点が3つあります。①軽減の境目で年額が段差なく増えるわけではない:たとえば45歳単身は、給与収入100万円で年25,907円ですが、150万円になると軽減が7割から2割へ下がり、年124,106円まで跳ね上がります。収入が50万円増えるだけで税は約10万円増えます。②年収200万円の45歳単身は年202,947円で、収入の約1割にあたります。③40歳になると介護分がつく:同じ年収でも、30歳と45歳の単身の差は年収100万円で約5千円、300万円で54,560円、800万円で152,480円と、収入が上がるほど開きます。
限度額に届く所得の目安
世帯の合計限度額は113万円ですが、区分ごとに限度額があるため、届く所得は区分ごとに違います。40歳単身の場合、介護分は基準総所得金額640万円(総所得金額等683万円)で先に頭打ちになり、医療分は基準総所得金額で約793万円、子ども分は約935万円、後期支援分は約937万円で頭打ちです。4区分がすべて上限に達するのは基準総所得金額でおよそ937万円(総所得金額等で約980万円)以上。年収1,000万円を超えるあたりから、上限の年113万円に張りつきます。逆にいえば、それより低い所得の世帯は、所得が増えた分がそのまま税に反映されます。
【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円
所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円
- 医療分: 所得割 200,460円 + 均等割 96,600円 + 平等割 24,000円 ⇒ 321,060円
- 後期支援分: 所得割 66,820円 + 均等割 32,200円 + 平等割 7,200円 ⇒ 106,220円
- 介護分: 所得割 61,680円 + 均等割 18,400円 + 平等割 7,200円 ⇒ 87,280円
- 子ども分: 所得割 7,710円 + 均等割 2,382円 + 平等割 766円 ⇒ 10,858円
合計: 年間 約525,418円(月あたり約43,800円)
この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。
【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)
基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円
- 医療分: 所得割 124,020円 + 均等割 27,600円 + 平等割 24,000円 ⇒ 175,620円
- 後期支援分: 所得割 41,340円 + 均等割 9,200円 + 平等割 7,200円 ⇒ 57,740円
- 介護分: 所得割 38,160円 + 均等割 9,200円 + 平等割 7,200円 ⇒ 54,560円
- 子ども分: 所得割 4,770円 + 均等割 1,191円 + 平等割 766円 ⇒ 6,727円
合計: 年間 約294,647円(月あたり約24,600円)
単身世帯でも平等割が合計で年39,166円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。
【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円
ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。
軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)
- 医療分 233,340円 / 後期支援分 76,980円 / 介護分 72,320円 / 子ども分 8,947円 ⇒ 合計 約391,587円
非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)
- 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
- 医療分 72,324円 / 後期支援分 23,468円 / 介護分 22,672円 / 子ども分 2,760円 ⇒ 合計 約121,224円
差額は年間およそ27万円。届出書1枚でこれだけ違います。有田市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。
(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は有田市公式の保険料試算でご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。
3. 賦課限度額(保険料の上限)
- 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
- 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)
所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。
4. 有田市の軽減・減免制度
制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。
4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用
| 軽減率 | 世帯の総所得金額等が以下の額以下 |
|---|---|
| 7割軽減 | 43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 5割軽減 | 43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
| 2割軽減 | 43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1) |
軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。
4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用
未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。
4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用
令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども分の均等割1,191円は「均等割1,118円+18歳以上均等割73円」の合計で、18歳未満の被保険者には子ども分が賦課されません。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。
4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請
倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。
- 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
- 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
- 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
- 届出先: 有田市 市民部 保険年金課 保険年金係(0737-22-3506)
- 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です
有田市の非自発的失業軽減の対象は雇用保険受給資格者証の離職理由が11・12・21・22・23・31・32・33・34の方です。市は「高年齢受給資格者及び特例受給資格者の方を除く」と明記しています。対象は離職時に65歳未満で、求職者給付(基本手当等)を受けている方です。
軽減期間は離職日の翌日から翌年度末まで。市は「届出が遅れても、遡及して軽減を受けることができます」とも書いていて、あとから気づいた人にもやさしい扱いです。
この軽減で給与所得が30%に圧縮されると、軽減判定所得も同時に下がるため、7割・5割・2割の低所得軽減が新たに効いてくることがあります。有田市は均等割・平等割の合計が年8万円台と比較的大きいので、ここが効きます。
書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。
4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出
出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。
4-6. 有田市の減免制度|要申請
有田市の軽減は低所得軽減・未就学児軽減・子ども分の18歳未満免除・特定世帯の平等割軽減は申請不要、非自発的失業軽減・旧被扶養者の減免・産前産後免除は届出が必要です(旧被扶養者の減免は届出が必要かどうか市の該当ページに明記がありません。窓口で確認してください)。
| 種類 | 主な要件 | 減免内容・手続き |
|---|---|---|
| 低所得世帯の軽減 (申請不要/要・所得申告) | 世帯主・被保険者・特定同一世帯所属者の前年中の総所得金額の合計が、①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②43万円+31万円×(被保険者数+特定同一世帯所属者数)+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=5割、③43万円+57万円×(同)+10万円×(同)以下=2割 | 均等割額と平等割額を軽減。軽減判定の所得には、専従者控除額は加算し専従者所得は加算しない、65歳以上の年金所得から最大15万円を差し引く、土地の売買の特別控除は適用前の所得で計算、の3つの調整がある |
| 未就学児の均等割軽減 (申請不要) | 未就学児 | 均等割の5割軽減(国の制度)。低所得軽減と併用でき、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減 |
| 子ども分の18歳未満免除 (申請不要) | 18歳未満(18歳に達する日以後の最初の3月31日以前)の被保険者 | 子ども・子育て支援金分が賦課されない。その分を18歳以上の被保険者が1人73円ずつ負担 |
| 特定世帯の平等割軽減 (申請不要) | 国保被保険者が1人だけで、国保から後期高齢者医療へ移った方(特定同一世帯所属者)が同じ世帯にいる世帯 | 該当してから5年間は平等割が2分の1、5年経過後の3年間は4分の1(介護分の平等割は対象外)。ただし低所得軽減の5割以上のほうが優先、2割の世帯は2割を超えた分が軽減 |
| 非自発的失業者の軽減 (要届出) | 雇用保険受給資格者証の離職理由が11・12・21・22・23・31・32・33・34の方(離職時65歳未満) | 前年中の給与所得を30/100とみなして算定。離職日の翌日から翌年度末まで、届出が遅れても遡及可 |
| 旧被扶養者の減免 (要確認) | 75歳到達、または65歳以上で障害認定を受けた方が、被用者保険から後期高齢者医療へ移ることで、65歳以上の被扶養者(旧被扶養者)が新たに国保に加入する場合。国民健康保険組合は除く | 所得割は免除。均等割は国保加入月から2年間半額。旧被扶養者のみの世帯は平等割も加入月から2年間半額 |
| 産前産後の免除 (要届出) | 出産予定または出産した被保険者(妊娠85日以上の分娩。死産・流産・早産、人工中絶を含む) | 所得割と均等割を免除。出産(予定月)の前月(多胎妊娠は3か月前)から翌々月まで。届出は出産予定日の6か月前から |
有田市の減免ページで実用上いちばん見落とされやすいのは、旧被扶養者の減免です。
家族が会社員(被用者保険の被保険者)で、その被扶養者として健康保険に入っていた65歳以上の方は、家族が75歳になって後期高齢者医療に移ると、被扶養者だった方の保険がなくなり、国保に入る必要があります。市は、このとき所得割額が免除、均等割額が国保加入月から2年間半額になると案内しています。旧被扶養者だけの世帯なら平等割も2年間半額です。
数字で見てみます。旧被扶養者の70歳・単身、所得割を除いた基準の年額を、有田市の令和8年度税率(介護分なし)で計算すると、均等割=27,600+9,200+1,191=37,991円、平等割=24,000+7,200+766=31,966円で、合計69,957円。これが半額になると、年34,979円です(低所得軽減が別にかかる場合は、軽減の優先関係が変わるので窓口で確認してください)。
軽減判定の所得の見方にも注意点があります。土地の売買による所得で特別控除が適用されている場合でも、特別控除前の所得で判定されます。マイホームを売って3,000万円特別控除を使い、課税所得がゼロになっても、国保税の軽減判定では控除前で見られます。
また「給与所得者等の数」が増えるほど、判定基準額が10万円ずつ上がります。市は「一定の給与所得者と公的年金等の支給を受ける者の合計の数」と説明しています。
産前産後の免除は、いくらくらい効くのか。市のページは免除の対象を「出産される方の所得割及び均等割額」、期間を「出産(または予定月)の前月から翌々月まで」(多胎妊娠は3か月前から)と書いています。金額の算式までは書かれていませんが、一般的な月割りの考え方で概算してみます。30歳・給与収入200万円(給与所得132万円、基準総所得金額89万円)で、介護分なしの被保険者が単胎で出産する場合、所得割は89万円×(7.8+2.6+0.3)%=95,230円、均等割は27,600+9,200+1,191=37,991円で、合計133,221円。この年額のうち4か月分(12分の4)にあたる約44,000円が免除額の目安です(市の実際の計算とは異なる場合があります)。
「出産月」と「予定月」のどちらで届出をするかも分かれ目です。市は届出を出産予定日の6か月前から受け付けており、早めに届け出ておけます(予定日と実際の出産日がずれた場合の扱いは、窓口で確認してください)。また、制度が始まった令和6年1月より前の月は免除されないと市は書いています(令和5年11月・12月に出産した方も、令和6年1月以降の該当月分のみ免除)。
届出に必要なのは、本人確認書類、母子健康手帳など出産予定日または出産日が確認できるもの、個人番号(マイナンバーカードなど)の確認ができるものの3点です。
保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。
4-7. 払えないときは滞納する前に相談
滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。
5. 納付方法
- 納付書による金融機関窓口払い(紀陽銀行・きのくに信用金庫・近畿労働金庫。eL-QRの記載がある納付書はほかの金融機関でも可)
- コンビニ納付(セブン-イレブン・ローソン・ファミリーマート・MMK設置店)
- スマートフォンアプリ決済(PayB・J-Coin請求書払い・auPAY請求書支払い・FamiPay請求書払い。eL-QR読取ならほかのアプリも可)
- 地方税お支払いサイト(クレジットカード・ネットバンキング。クレジットカードは決済システム利用料がかかる)
- 市役所の窓口(市は「金融機関の営業時間外でも市役所税務課、保険年金課及び高齢介護課で納付できます」と案内)
有田市の令和8年度の国保税(普通徴収)は年9期で、納期限は市が次のように公表しています。
第1期 7月31日/第2期 8月31日/第3期 9月30日/第4期 11月2日/第5期 11月30日/第6期 12月25日/第7期 令和9年2月1日/第8期 3月1日/第9期 3月31日。
第4期の11月2日・第7期の2月1日・第8期の3月1日は、いずれも月末が土日にあたる(2026年10月31日は土曜、2027年1月31日と2月28日は日曜)ため、翌営業日に繰り下げた日付と思われます(市は理由まで書いていないので、ここは推測です)。「毎月末」と思い込んでいると11月2日を1か月早い10月末と勘違いして遅れる可能性があるので、納付書の期限日を必ず確認してください。
口座振替の情報には注意点があります。市の「市税等の納付方法」ページの口座振替の案内では、口座振替できる税目として市県民税(普通徴収)・固定資産税・軽自動車税の3つが挙げられていて、国民健康保険税は載っていません。国保税を口座振替にできるかどうかはこのページでは確認できなかったので、希望する方は先に保険年金課(0737-22-3506)に問い合わせてください。
なお、納付された国保税は年末調整や確定申告の社会保険料控除の対象です。納付書で納める場合は領収の控えを保管しておくと確定申告のときに困りません。
納付が遅れると督促状が届き、督促手数料や延滞金がかかる場合があり、放置すると財産の差押えなどの滞納処分になります。市は「滞納は納税者の不利益になるだけでなく、市の事務処理のためにも多くの時間と費用が必要」とも書いています。
6. 加入・脱退の手続き
6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 会社を退職した | 健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの |
| 他市区町村から転入 | 本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可) |
| 子どもが生まれた | 本人確認書類、母子健康手帳 |
| 生活保護が廃止された | 保護廃止(停止)通知書、本人確認書類 |
6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)
| 事由 | 必要書類 |
|---|---|
| 就職して社保に加入した | 新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類 |
| 他市区町村へ転出 | 本人確認書類(転出届と同時に手続き可) |
| 生活保護の受給開始 | 保護決定通知書、本人確認書類 |
| 死亡 | 本人確認書類、死亡を確認できる書類 |
脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。
7. 有田市の国保窓口一覧
有田市の国保の窓口は、箕島の市役所(有田市箕島50)にある市民部 保険年金課です。担当ごとに電話番号が分かれているので、用件に合わせてかけると話が早く済みます。
| 担当 | 電話番号 | 主な用件 |
|---|---|---|
| 保険年金課 保険年金係 (保険税・保険料担当) | 0737-22-3506 | 国保税の計算・賦課、軽減・減免、非自発的失業者の軽減、旧被扶養者の減免、産前産後の届出、納付のご相談 |
| 保険年金課 保険年金係 (保険資格・年金担当) | 0737-22-3504 | 国保の加入・脱退、資格確認書、年金の届出 |
| 保険年金課 保険給付係 (特定健診担当) | 0737-22-3512 | 特定健康診査・特定保健指導、30歳代健康診査 |
| 保険年金課 保険給付係 (高額療養費等給付担当) | 0737-22-3514 | 高額療養費、給付の申請 |
| ファクス | 0737-83-6205 | 保険年金課共通 |
| 税務課 収納係 | 0737-22-3572 | 国保税を含む市税の納付・納付方法のご相談(納付関係) |
市役所の所在地は〒649-0392 有田市箕島50です。市は問い合わせ専用フォームも用意しています(保険年金課のページ下部)。
保険税の金額や軽減の相談は「保険税・保険料担当(0737-22-3506)」、加入・脱退や資格確認書の相談は「保険資格・年金担当(0737-22-3504)」と分かれています。最初にかけ間違えると転送されることがあるので、用件から選んでください。
国保の資格確認書についても、市は「要配慮者の方への資格確認書交付について」など専用のお知らせを出しています。マイナ保険証を持っていない方は資格確認書が交付されるので、窓口で確認してください。
市が新しく始まった「子ども・子育て支援金制度」のリーフレット(PDF)を公開しています。児童手当の拡充など6つの事業に充てられると説明されています。
国保税の納付書が手元になく、期限を過ぎてしまいそうなときは、保険年金課か税務課の収納係(0737-22-3572)に連絡してください。市の納付方法ページには「金融機関の営業時間外でも市役所税務課、保険年金課及び高齢介護課で納付できます」とあり、平日の夜間や休日の納付についても、まずは窓口に確認するのが確実です(受付時間は市の公式サイトで確認してください)。
納付済みの領収書は必ず保管を。市は、納付方法によって領収証書の扱いが違うと案内しています。スマートフォンアプリ決済や地方税お支払いサイトでの納付は、「領収証書は発行されません」。口座振替も「領収書は発行いたしません。通帳の記帳によりご確認願います」です。確定申告で社会保険料控除を受けるときの根拠に使えるので、アプリの支払い履歴の画面を保存しておくか、納付書で支払って領収印をもらうかを選んでください。
8. よくある質問(有田市の国保)
Q1. 有田市の国保税はなぜ上がったのですか?これからも上がりますか?
A. 市は改正のお知らせで、理由と今後の方向をはっきり書いています。
理由は、①被保険者数の減少(少子化・人口減少、75歳での後期高齢者医療への移行、社会保険の適用拡大)、②1人あたり医療費の増加、③その結果、収入が支出に足りない状態が続いていることです。市は基金(有田市国民健康保険財政調整基金)を使って据え置いてきましたが、県の標準保険税率と乖離しているため、段階的に合わせていく必要があるとしています。
令和12年度に和歌山県内で統一(同じ所得・同じ世帯構成なら同じ保険税)を目指すという県の方針があり、令和8年度はその第一歩です。有田市の令和8年度税率はまだ県の標準保険税率(令和7年度)を下回っているため、統一までにさらに調整が続く可能性があります。ただし、いつ・どれだけ上がるかを市は示していません。今後の改正は市の公式サイトの告知で確認してください。
負担を抑える方法は国民健康保険料を下げる方法で整理しています。
Q2. 18歳以上均等割73円とは何ですか?子どもがいない世帯にも関係しますか?
A. 子ども・子育て支援金分のなかの、有田市の設計上の仕組みです。
国の制度では、18歳未満の被保険者は子ども・子育て支援金分の均等割が全額軽減されます。その軽減分の財源を、18歳以上の被保険者で分け合うのが「18歳以上均等割」で、有田市は1人年73円です。
子どもがいない世帯でも、18歳以上の被保険者は全員が73円を負担します。つまり18歳以上の方の子ども分の均等割は1,118円+73円=1,191円。この記事の計算例でも、18歳以上の被保険者には1,191円で計算しています。
73円という金額は、田辺市の82円より9円低い水準です。ただ、ほとんどの世帯にとって金額としては誤差の範囲で、子ども・子育て支援金分で家計に効いてくるのは、所得割の0.3%と平等割の766円のほうです。
Q3. 家族が75歳になって後期高齢者医療に移りました。65歳以上の私はどうなりますか?
A. 被扶養者だった方は、国保に入ることになります。ただし有田市には旧被扶養者の減免があります。
市の案内では、75歳に到達する方(または65歳以上で障害認定を受けた方)が、職場の健康保険などから後期高齢者医療制度に移ることで、その被扶養者だった65歳以上の方が新たに国保に入る場合、次の措置が受けられます。
・所得割額は免除
・均等割額は国保に加入した月から2年間半額
・旧被扶養者のみの世帯は、平等割額も加入した月から2年間半額
国民健康保険組合の被保険者だった場合は対象外です。届出が必要かどうかは市のページに明記がないため、加入手続きのときに、旧被扶養者の減免を使えるかどうかを窓口で必ず聞いてください(保険年金課 0737-22-3506)。
Q4. 4月に会社の保険に入ったのに、7月に国保の納税通知書が届きました。払う必要がありますか?
A. 4月〜加入日の前月までの分は、払う必要があります。
有田市は「6月までに社会保険や後期高齢者医療保険に加入されるなど4月以降に国保資格を喪失された方も月割で国保税が課されるため、同時期に通知されることになります」と説明しています。
国保税は4月1日から国保に入っていた期間を月割りで計算します。たとえば5月末で国保をやめた人は、4月・5月の2か月分が請求されます。
もし国保をやめた手続きをしていなかった場合は、会社の保険と国保の二重払いになり、やめたあとの月まで請求が続くので、早めに保険年金課に連絡してください。
Q5. 世帯主は会社員で、私だけ国保です。納税通知書はどちらに届きますか?
A. 世帯主に届きます。市は「国民健康保険税を納める義務は世帯主にあります。世帯主本人が国民健康保険の加入者でなくても、世帯の中に国民健康保険の加入者がいれば、世帯主に国民健康保険のお知らせ(納税通知書、資格確認書、資格情報のお知らせ等)が送られます」と説明しています。
世帯主が会社員でも、たとえば同居の親や子だけが国保に入っている世帯は、納税通知書が世帯主あてに届きます。「自分は国保に入っていないから関係ない」と放置しがちなので、世帯主の方は、家族の国保加入の状況を把握しておいてください。
納めた国保税は、年末調整・確定申告の社会保険料控除の対象になります。誰が納めたかで控除を受ける人が変わるので、支払った人(口座の名義など)を確認しておきましょう。
Q6. 軽減判定で「特定同一世帯所属者」とは誰のことですか?
A. 国保から後期高齢者医療に移った方で、国保の資格があったときから引き続き同じ世帯にいる方のことです。市は、軽減基準所得金額の説明で、こう定義しています。
たとえば夫婦2人世帯で、夫が75歳になって後期高齢者医療に移り、妻だけが国保という世帯なら、夫は「特定同一世帯所属者」になります。
この場合、①軽減判定の人数には夫も含まれる(5割・2割軽減の判定式の人数に加算)、②妻の平等割は、5年間2分の1、その後3年間4分の1に軽減されます(ただし介護分の平等割は除く。低所得の5割以上の軽減が優先。2割の世帯は2割を超えた分が軽減)。
年金暮らしの夫婦で、片方だけ75歳になった世帯は、この軽減が使えることが多いので、通知書の平等割を確認してください。
Q7. 国保の資格をやめた手続きをせずに、有田市の国保で病院にかかってしまいました。どうなりますか?
A. 国保が払った医療費を返すことになります。市の「入るとき・やめるとき」のページには、「有田市の国民健康保険の資格がなくなっているのに、有田市の国民健康保険の保険証等で診療を受けた場合は、国民健康保険で支払った医療費を返していただくことになります」と書かれています。
典型的なのは、就職して会社の健康保険に入ったのに、国保をやめる届出を出さないまま、古い保険証・資格確認書を持ち続けて受診してしまうケースです。医療費の7割分(自己負担3割の場合)を、あとから返すことになります。
市の案内でいう「保険証等」は「マイナ保険証」「保険証」「資格情報のお知らせ」「資格確認書」のすべてを指します。届出には、国保と職場などの両方の保険証等が必要です。
すでにマイナンバーカードを健康保険証として登録している方も、届出は必要です。マイナ保険証だからといって国保の資格が自動でなくなるわけではないので、国保をやめる届出は必ず出してください。
Q8. 国保の加入届を出し忘れていて、2か月遅れました。保険税はいつからかかりますか?
A. 資格を得た日にさかのぼって課税されます。市は「加入届が遅れると、さかのぼって国民健康保険税を請求します」と明記しています。
届出は事由が生じてから14日以内で、届出義務者は世帯主です。退職した本人ではなく世帯主が義務を負う、というのが市の書き方です。
遅れた分の保険税は、月割りで一括して請求されるため、まとまった金額になります。退職・転入・出産・生活保護の廃止といった事由があったら、14日以内という期限だけ先に頭に入れておいてください。手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドで解説しています。
Q9. 大学進学で子どもだけ別の市に住んでいます。国保の手続きは必要ですか?
A. 「修学のため、別に住所を定めたとき」は届出が必要です。市の手続きページの一覧に載っており、必要なものは保険証等と在学証明書です。
この届出をしておくと、子どもは実家の世帯の国保に入ったまま、進学先で受診できる扱いになるというのが一般的な仕組みです(細部は窓口でご確認ください)。届出をしないまま進学先で住民票を移すと、進学先の市で国保に入り直すことになり、世帯割(有田市の場合は平等割)が別世帯として増えることがあります。
有田市の平等割は4区分合計で年39,166円と重めなので、子どもを実家世帯のまま置くか、進学先で別世帯にするかで税額が変わります。住民票を動かす前に、保険年金課(0737-22-3504)に相談するのが確実です。
Q10. マイナ保険証を持っていません。有田市の国保ではどうなりますか?
A. 「資格確認書」が交付されるので、これまでどおり受診できます。市の案内では、従来の国保被保険者証は令和6年12月2日に廃止され、廃止時点で発行済みのものは令和7年12月1日まで使えました(それより前に有効期限が来る場合はその期限まで)。
マイナ保険証(保険証の利用登録をしたマイナンバーカード)がない方には資格確認書が交付されます。原則は本人の申請に基づく交付ですが、「当分の間、申請なしで交付」されると市は説明しています。申請なしで交付されるのは、次のような方です。
・マイナンバーカードを取得していない方
・カードは取得したが、健康保険証の利用登録をしていない方
・利用登録を解除した方
・電子証明書の更新を失念した方
・マイナンバーカードを返納した方
マイナ保険証をお持ちの方には「資格情報のお知らせ」が交付されます。医療機関でマイナ保険証による資格確認ができないときに提示すると、安心して受診できます。マイナ保険証と一体で使うものなので、大切に保管してください。
なお、マイナ保険証の利用申込みは、医療機関・薬局の受付にあるカードリーダーでもできます(市の案内)。
Q11. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得世帯の軽減
(申請不要/要・所得申告)・未就学児の均等割軽減
(申請不要)・子ども分の18歳未満免除
(申請不要)・特定世帯の平等割軽減
(申請不要)・非自発的失業者の軽減
(要届出)・旧被扶養者の減免
(要確認)・産前産後の免除
(要届出)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。
Q12. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に有田市役所 市民部 保険年金課 保険年金係(0737-22-3506)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。
9. まとめ|有田市の国保で押さえるべきポイント
- 有田市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分7.80%・後期支援分2.60%・介護分2.40%・子ども分0.30%
- 均等割は医療分27,600円・後期支援9,200円・介護9,200円・子ども1,191円、平等割は合計で年39,166円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
- 令和8年度に約1割の値上げ。所得割+1.0pt(医療0.6・後期0.2・介護0.2)+子ども分新設、均等割は医療+2,400円・後期と介護+800円。平等割は据え置き
- 県の標準保険税率(令和7年度)より所得割・均等割は低いが、平等割は高い。市は令和12年度の県内統一に向けて段階的に合わせていくと公表
- 平等割は4区分合計で年39,166円。和歌山県内の和歌山市・橋本市・田辺市より高く、少人数世帯ほど固定分が重い
- 旧被扶養者の減免(所得割免除・均等割2年間半額)は、家族が75歳になって国保に入る65歳以上の方が見落としやすい制度
- 納期は年9期で、7月31日から3月31日まで(11月2日・2月1日・3月1日は月末が休日のための繰り下げと思われる)。国保税は市の口座振替ページの対象税目に載っていない
- 窓口は箕島の市役所・保険年金課。保険税は0737-22-3506、資格は0737-22-3504
- 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年27万円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
- 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
- 窓口は有田市役所 市民部 保険年金課 保険年金係(0737-22-3506)
出典・参考:
・有田市公式:国民健康保険税(令和8年度税率・軽減・納期)
・有田市公式:令和8年度 国民健康保険税率改正のお知らせ
・有田市公式:令和8年度から「子ども・子育て支援金制度」が始まります
・有田市公式:市税等の納付方法
※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は有田市公式サイトでご確認ください。