国民健康保険の基礎知識まとめ

はじめに

日本に住む全員が入ることになっている国民健康保険(国保)。

「なんとなく面倒そう」「保険料が高いから入りたくない」と思うかもしれませんが、いざというときの安心を支える大切な仕組みです。ここでは、知っておきたい基礎を8つの項目に分けてやさしく解説します。 この記事は国民健康保険って何?という方にはじめに読んで欲しい内容です。なるべく理解しやすい形にまとめているので何度か読み返してみてくださいね。

国民健康保険はどこが運営しているの?

市区町村

国民健康保険だから国が運営しているものと思われがちですが、違うんです。(^^;

日本の国民健康保険は、国民健康保険法を根拠に、主に各市町村が運営していて、国民健康保険の加入や脱退などは住民登録をしている市区町村役場で行います。「国」の名がついていますが、実際には各市区町村が住民登録者向けに運営しているんです。だから、自治体ごとに料率や手続きの細かいルールが異なります。 

国民健康保険の保険料の金額も、各市区町村ごとに計算方法が異なるため、全く同じではありません。

国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるように務め、都道府県は国民健康保険事業の運営が健全に行われるように必要な指導をしなければならないと国民健康保険法に定められています。つまり、国は運営者ではなく、運営者を指導・サポートをする役回りということです。

保険料が高いので国民健康保険には加入したくない場合は?

お金が飛んでいくイメージ



加入は義務!手続きをしないと…

日本はユニバーサルヘルスケア制度と呼ばれる国民皆保険で、日本国内に住所がある場合は、年齢に関わらず日本国民全てが公的医療保険に加入することが義務付けられています。
住民登録がある限り、必ず何らかの公的医療保険に加入しなければいけません。もし手続きを怠ると、マイナンバーと連携して未加入・未納分が自動的にさかのぼって請求され、最終的には差し押さえなどのペナルティを受けることも。面倒でも早めに窓口へ!

日本国籍でない外国人も、在留期間が1年以上ある場合は、国民健康保険など何かの健康保険に加入しなければいけません。

国民健康保険など公的医療保険に加入することは日本国民義務ですが、加入したくないと思っていても、あなたやあなたの家族が、病気や怪我で病院に入院した時に守ってくれるのが国民健康保険です。

国民健康保険に加入手続きをしなくてもバレないのでは?

国民健康保険に加入手続きをしない人

病気なんかここ何年も掛かっていないし高い保険料を払いたくないし、もし万が一病気に掛かったり交通事故などで入院しても民間の保険に加入しているから大丈夫だと思っている人もいるかもしれません。

しかしそれは大きな間違いで、日本は国民健康保険法で、日本国内に住所がある限りは、国民健康保険など何かの健康保険に加入する義務があります。

それに今はマイナンバー制度があるので、仮に勤めていた会社を退職して、国民健康保険の加入手続きをしていなくても、自動的に未納の保険料がさかのぼって請求されることになってしまいます。

どうしても国民健康保険の保険料が支払えない場合は?

国民健康保険が支払えない人

どうしても国民健康保険が払えない…そんな時のための制度もあります。会社の倒産やリストラなどで解雇された場合や、病気や怪我で病院に長期入院したりして所得がない場合などで、どうしても国民健康保険の保険料が支払えない時は、保険料の減免や免除の制度があります。

各市区町村によっても減額される金額や条件も多少は異なりますが、所得がある一定金額を下回った場合は保険料が軽減されます。

失業や病気・長期入院などで保険料を払えないときは、市区町村の国保窓口で次のような対応が可能です:

  • 分割納付:回数を増やして支払う
  • 納付猶予:支払い期限を延ばしてもらう
  • 減免申請:収入に応じて保険料を軽くしてもらう 早めに相談すれば、滞納リスクを大幅に減らせます。

もし国民健康保険の保険料を滞納するとどうなるの?

差し押さえ

国民健康保険の保険料は所得によっても違いますが、年間に30万円近い保険料を払うのが勿体ないということで、保険料を滞納する人もいます。

会社の倒産やリストラや災害や病気などでどうしても保険料が支払えない場合を除いて、払いたくないからという理由で国民健康保険の保険料を滞納することはできません。

もし、国民健康保険の保険料を滞納すると、国民健康保険の保険者証が取り上げられたり、財産の差し押さえを受けるなど段階的に処分されることになります。

上で書いたように支払いが難しい人への制度もあります。ポイントは、「払えない」ではなく「払えなくなりそう」な段階で相談窓口に駆け込みましょう。  

国民健康保険に加入しているんですが、会社に就職した時はどうするの?

就職した人


会社員になると、原則として勤務先の社会保険に切り替えます。

国民健康保険に加入している人が、会社に就職が決まった場合、国民健康保険から脱退して就職先の社会保険に加入する必要があります。

ただし、就職するからといって必ずしも社会保険に加入するとは限りません。労働時間が1週間に30時間未満であったり、就職先の会社が社会保険に加入していない場合には社会保険に加入することはできません。

国民健康保険の脱退の手続きは、国民健康保険証と運転免許証など本人確認ができるものと、加入した社会保険の保険証か社会保険の資格取得証明書を持って各市町村役場に行き行います。

国民健康保険の保険証を紛失した時はどうすればいいの?

保険証をなくした人

国民健康保険の保険証をなくした場合は、運転免許証やマイナンバーカードなど、本人確認ができるもの持参して市区町村役場で再発行の手続きを行えば大丈夫です。

そのときは必ず、警察に紛失届を出しておくこと。国民健康保険の保険証を消費者金融などで悪用する輩がいるので、気をつけましょう。

それでも心配なら、日本信用情報機構に連絡を取り、自分の信用情報を調べたり紛失したことを掲載したりすることもできます。

国民健康保険に「入らなくていい人」ってどんな場合?

入らなくて良い人の説明

国保に加入する必要がないのは、

  • 会社の健康保険に加入している方とその扶養家族
  • 船員保険に加入している方とその扶養家族
  • 75歳以上の方で後期高齢者医療制度の対象者
  • 生活保護を受けている方

これらに該当する方です。

逆に、これらの要件のいずれにも該当しない場合は、必ず国民健康保険に加入することが義務付けられているということです。

まとめ

  1. 国保は各市区町村運営、加入は義務
  2. 保険料は所得や世帯状況で減免制度あり
  3. 滞納リスクが大きいので、早めの相談が肝心
  4. 就職・脱退・再発行など、手続きの流れを把握しておく

安心して医療を受けるために、まずはお住まいの自治体サイトで最新情報をチェックしましょう!


コラム:手続きを忘れないためのチェックリスト

  • ☑ 住民票を移したら国保加入手続きをする
  • ☑ 納付通知が届いたらカレンダーに支払日を登録
  • ☑ 就職・退職の際は社会保険の切替手続きを同時に
  • ☑ 保険証の有効期限を年に一度確認
  • ☑ 紛失時は警察届と再発行を速やかに

これで国保の基礎はバッチリ。困ったときは自治体の窓口へお気軽に!

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