山口県 下関市の国民健康保険|保険料・減免・申請窓口まとめ

下関市の国民健康保険|令和8年度の保険料・減免・申請窓口を完全ガイド

下関市は人口約24万人、本州最西端に位置する山口県最大の都市です。
この記事では、令和8年度の最新料率にもとづく下関市の国保料の計算方法、軽減・減免制度、会社都合退職での特例軽減、窓口情報までまとめました。
下関市は公式サイトに「国民健康保険料Q&A」を置き、4区分すべての計算過程を表にして公開しています。40歳・65歳・75歳の誕生日をまたぐときにどう計算されるかまで、具体例つきで説明している自治体は多くありません。
この記事はその公式Q&Aを軸に、下関市の料率で実際にいくらになるかを数字で追いかけます。

1. 下関市の国民健康保険の概要

下関市の国保は、勤務先の健康保険(社保)に加入していない方が対象です。自営業者、フリーランス、退職者、無職の方、パート・アルバイトで社保未加入の方、外国人住民などが該当します。

下関市の保険料は3方式(所得割+均等割+平等割)で計算します。「平等割」は世帯単位でかかる定額部分で、世帯人数が少ないほど1人あたりの負担感が大きくなります。

下関市は「保険税」ではなく「保険料」方式で、3方式(所得割+均等割+平等割)です。
4区分すべてに平等割があります(医療分21,500円・後期高齢者支援金分7,400円・介護分5,900円・子ども・子育て支援金分820円)。
子ども・子育て支援金分の均等割は「18歳以上被保険者1人につき」と定義されており、18歳未満の被保険者には均等割がかかりません。

国保のしくみそのものは国民健康保険の基礎知識まとめ、加入・脱退の手順は国民健康保険の加入手続き完全ガイドをあわせてどうぞ。

2. 保険料の計算方法|令和8年度の料率

令和8年度 下関市国民健康保険料 料率
区分所得割率均等割(1人年額)平等割(1世帯年額)賦課限度額
医療分8.00%25,000円21,500円670,000円
後期高齢者支援金分2.70%8,600円7,400円260,000円
介護分(40〜64歳)2.50%9,100円5,900円170,000円
子ども・子育て支援金分0.30%1,023円
(子ども・子育て支援金分の均等割1,023円は「18歳以上被保険者1人につき」かかります(18歳以上均等割額73円を含む)。18歳未満の被保険者の均等割額は全額軽減されます)
820円30,000円
  • 所得割の計算ベースは「前年中の総所得金額等 - 基礎控除43万円」=基準総所得金額。加入者ひとりごとに計算して世帯で合算します。
  • 40歳未満は医療分・後期支援分・子ども分のみ。40歳以上65歳未満には介護分が加わります。
  • 子ども・子育て支援金分の均等割1,023円は「18歳以上被保険者1人につき」かかります(18歳以上均等割額73円を含む)。18歳未満の被保険者の均等割額は全額軽減されます。申請は不要です。
  • 年度途中の加入・脱退は月割り計算になります。

所得割の合計は13.5%(医療8.0%+後期高齢者支援2.7%+介護2.5%+子ども0.3%/40〜64歳)。全国的にかなり高い水準で、とくに医療分の8.0%が効いています。

所得割の課税標準(賦課所得額)は[前年の所得金額 - 43万円(基礎控除額)]。土地建物等の譲渡所得は特別控除後の金額で、退職所得は含まれません。

均等割の合計は1人43,723円(医療25,000+後期支援8,600+介護9,100+子ども1,023)、平等割の合計は年35,620円。単身40〜64歳なら所得ゼロでも年79,343円が基本です(軽減の対象にはなります)。

平等割21,500円(医療分)は全国的に高めです。世帯人数が少ないほど1人あたりの負担が重くなる構造なので、単身世帯・2人世帯には効きます。

賦課限度額は医療分67万円・後期高齢者支援金分26万円・介護分17万円・子ども・子育て支援金分3万円で、合計113万円です。区分ごとに限度額が判定されます。

令和8年度の保険料率

下関市 令和8年度の国保料率(年額)
所得割均等割
(被保険者1人につき)
平等割
(1世帯につき)
賦課限度額
医療分賦課所得額×8.0%25,000円21,500円67万円
後期高齢者支援金分賦課所得額×2.7%8,600円7,400円26万円
介護分
(40〜64歳のみ)
賦課所得額×2.5%9,100円5,900円17万円
子ども・子育て支援金分賦課所得額×0.3%1,023円
(18歳以上被保険者のみ/
18歳以上均等割73円を含む)
820円3万円
合計13.5%43,723円35,620円113万円

賦課所得額=前年の所得金額 - 43万円(基礎控除額)です。各区分は100円未満切捨てで計算されます。

下関市が公開している計算例

市のQ&Aにある例をそのまま追ってみます。夫婦二人(ともに60歳)世帯で、令和7年中の夫の給与支払総額が250万円、妻の収入はない場合です。

賦課所得額の計算
給与支払総額給与所得控除額基礎控除額賦課所得額
2,500,000円-830,000円-430,000円=1,240,000円
4区分の内訳(100円未満切捨て)
区分所得割均等割平等割年間保険料
医療分124万×8.0%
=99,200円
25,000円×2人
=50,000円
21,500円170,700円
後期高齢者支援金分124万×2.7%
=33,480円
8,600円×2人
=17,200円
7,400円58,000円
介護分124万×2.5%
=31,000円
9,100円×2人
=18,200円
5,900円55,100円
子ども・子育て支援金分124万×0.3%
=3,720円
1,023円×2人
=2,046円
820円6,500円
年間の保険料290,300円

給与収入250万円の2人世帯で年約29万円です。所得に対する負担率で見ると、給与収入の11.6%。均等割43,723円×2人=87,446円と平等割35,620円で、所得と関係なくかかる部分だけで123,066円あるのが大きく効いています。
子ども・子育て支援金分の均等割は夫婦2人とも1,023円ずつかかっています。「子ども分」という名前ですが、負担するのは18歳以上の被保険者です。

【計算例1】40歳夫婦+子ども2人(うち1人は未就学児)/世帯所得300万円

所得はすべて夫(40歳)のものとして計算します。基準総所得金額 = 300万円 - 43万円 = 257万円

  • 医療分: 所得割 205,600円 + 均等割 87,500円 + 平等割 21,500円 ⇒ 314,600円
  • 後期支援分: 所得割 69,390円 + 均等割 30,100円 + 平等割 7,400円 ⇒ 106,890円
  • 介護分: 所得割 64,250円 + 均等割 18,200円 + 平等割 5,900円 ⇒ 88,350円
  • 子ども分: 所得割 7,710円 + 均等割 2,046円 + 平等割 820円 ⇒ 10,576円

合計: 年間 約520,416円(月あたり約43,400円)

この世帯の総所得金額等は300万円。2割軽減の判定基準は「43万円+57万円×4人=271万円」なので、低所得軽減には届きません。

【計算例2】40歳単身/年収300万円(給与所得202万円)

基準総所得金額 = 202万円 - 43万円 = 159万円

  • 医療分: 所得割 127,200円 + 均等割 25,000円 + 平等割 21,500円 ⇒ 173,700円
  • 後期支援分: 所得割 42,930円 + 均等割 8,600円 + 平等割 7,400円 ⇒ 58,930円
  • 介護分: 所得割 39,750円 + 均等割 9,100円 + 平等割 5,900円 ⇒ 54,750円
  • 子ども分: 所得割 4,770円 + 均等割 1,023円 + 平等割 820円 ⇒ 6,613円

合計: 年間 約293,993円(月あたり約24,500円)

単身世帯でも平等割が合計で年35,620円のってきます。平等割のない自治体(横浜市や東京23区など)と比べると、この分がまるごと差になります。

【計算例3】会社都合で退職した40歳単身/前年の給与収入400万円

ここが一番お金の動くところです。給与収入400万円=給与所得276万円の方が、倒産・解雇などで離職したケース。

軽減を届け出なかった場合(基準総所得金額 276万-43万=233万円)

  • 医療分 232,900円 / 後期支援分 78,910円 / 介護分 73,250円 / 子ども分 8,833円 ⇒ 合計 約393,893円

非自発的失業者の軽減を届け出た場合(給与所得を100分の30に圧縮:276万×30%=82.8万円 → 基準総所得金額 39.8万円)

  • 判定所得も82.8万円に下がるため均等割・平等割の2割軽減もあわせて適用されます(2割軽減の基準=43万+57万×1人=100万円以下)
  • 医療分 69,040円 / 後期支援分 23,546円 / 介護分 21,950円 / 子ども分 2,668円 ⇒ 合計 約117,204円

差額は年間およそ27万7千円。届出書1枚でこれだけ違います。下関市が対象者を自動で拾ってくれるわけではないので、心当たりのある方は窓口へ。

(注)上記は本記事による概算です。正確な金額は下関市公式サイトでご確認ください。退職直後で任意継続と迷っている方は任意継続 vs 国民健康保険もどうぞ。

3. 賦課限度額(保険料の上限)

  • 医療分 670,000円 / 後期支援分 260,000円 / 介護分 170,000円 / 子ども分 30,000円
  • 世帯合計の最大値: 年113万円(1,130,000円)

所得がどれだけ高くてもここで頭打ちです。

4. 下関市の軽減・減免制度

制度は自動で適用されるものと申請しないと適用されないものに分かれます。取りこぼしが起きるのはいつも後者です。

4-1. 低所得世帯の軽減(7割・5割・2割)|自動適用

令和8年度 軽減判定の所得基準
軽減率世帯の総所得金額等が以下の額以下
7割軽減43万円 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
5割軽減43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)
2割軽減43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数 - 1)

軽減されるのは均等割と平等割です。所得割は対象外。収入がない方も住民税の申告をしないと軽減判定が回りません。「無職なのに保険料が高い」の原因はたいていこれです(無職の人の国民健康保険)。

4-2. 未就学児の均等割5割軽減|自動適用

未就学児(小学校入学前)の均等割が所得制限なく一律5割軽減。低所得軽減との併用ができ、7割軽減世帯の未就学児は合わせて8.5割軽減になります。申請不要。

4-3. 子ども・子育て支援金分の18歳未満軽減|自動適用

令和8年度に新設された子ども・子育て支援金分は、子ども・子育て支援金分の均等割1,023円は「18歳以上被保険者1人につき」かかります(18歳以上均等割額73円を含む)。18歳未満の被保険者の均等割額は全額軽減されます。子ども本人の負担は実質ゼロです。申請不要。

4-4. 非自発的失業者の保険料軽減|要申請

倒産・解雇・雇止めなどで離職し、雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する離職時65歳未満の方は、前年の給与所得を100分の30として計算します。計算例3のとおり、効き目が別格の制度です。

  • 軽減期間: 離職日の翌日から翌年度末まで(最大2年分)
  • 離職理由コード: 特定受給資格者=11・12・21・22・31・32/特定理由離職者=23・33・34
  • 必要書類: 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の写し、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
  • 届出先: 下関市 保険年金課(083-231-1280)
  • 注意: 届け出ないと適用されません。自己都合退職は対象外です

会社都合で離職された方は、前年の給与所得を100分の30とみなして計算する非自発的失業者の軽減が使えます(離職時65歳未満、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者が対象)。
下関市は所得割の合計が13.5%と全国的に高いので、この軽減の効果はとりわけ大きくなります。市の公式計算例をそのまま使って確かめてみましょう。
夫婦二人(ともに60歳)・夫の給与支払総額250万円・妻の収入なしのケース。通常の年間保険料は290,300円でした。
ここで夫が会社都合で離職したとします。給与所得167万円は167万×30%=50.1万円とみなされ、賦課所得額は50.1万-43万=7.1万円まで下がります。
さらに、この軽減後の所得で7割・5割・2割軽減の判定も行われます。判定所得50.1万円、2人世帯・給与所得者等1人なら5割軽減の基準は43万+31万×2人=105万円。50.1万円は基準以下なので5割軽減が適用されます。
医療分:5,680円+25,000円+10,750円=41,400円
後期高齢者支援金分:1,917円+8,600円+3,700円=14,200円
介護分:1,775円+9,100円+2,950円=13,800円
子ども・子育て支援金分:213円+1,023円+410円=1,600円
合計は約71,000円。もとの290,300円から約21.9万円の減額です。
下関市は均等割43,723円+平等割35,620円=79,343円と所得に関係なくかかる部分が大きいので、5割・7割軽減に届くかどうかで年数万円の差が出ます。この軽減は届け出が必要です。離職票が届いたら、まず保険年金課(083-231-1280)へ。

書類の書き方まで含めた手順は失業したときの国保「軽減措置」完全ガイドで解説しています。

4-5. 産前産後期間の保険料軽減|要届出

出産する国保被保険者がいる世帯は、対象者の所得割額と均等割額について、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は3か月前から6か月分)が軽減されます。妊娠85日以上の出産(死産・流産・早産を含む)が対象で、出産予定日の6か月前から届出可能。産前産後の免除・軽減制度もどうぞ。

4-6. 下関市の減免制度|要申請

下関市の7割・5割・2割軽減と未就学児の均等割軽減は申請書の提出は不要です。ただし市は「所得申告等をしている世帯が対象になります」と明記しており、所得の申告は必須です。非自発的失業者の軽減・産前産後の軽減・災害減免は申請が必要です。

下関市 国民健康保険料の減免
種類主な要件減免内容・手続き
低所得者の軽減
(申請書不要/要・所得申告)
世帯の総所得金額等(軽減判定所得)が①43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=7割、②43万円+31万円×被保険者数+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=5割、③43万円+57万円×被保険者数+10万円×(給与所得者等の数-1)以下=2割均等割と平等割を軽減。被保険者数には後期高齢者医療へ移行した方を含みます
未就学児の均等割軽減
(申請不要)
6歳に達する日以後の最初の3月31日以前である被保険者均等割の半額を軽減
18歳未満の子ども・子育て支援金分均等割の軽減
(申請不要)
18歳未満の被保険者子ども・子育て支援金分の均等割は全額軽減(0円)。軽減分は18歳以上被保険者の均等割に73円上乗せして徴収されます
非自発的失業者の軽減
(要申請)
倒産・解雇・雇止め等で離職した方(離職時65歳未満)で雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者前年の給与所得を100分の30として算定。軽減判定にも反映されます
産前産後期間の軽減
(要届出)
出産(予定)の被保険者産前産後期間の保険料を軽減。保険年金課へ
後期高齢者医療への移行に伴う減額措置
(申請不要)
国保加入者が後期高齢者医療制度へ移行し、国保加入者が1人だけになった世帯平等割を5年間半額、その後3年間は4分の1軽減(特定世帯・特定継続世帯)
災害等による減免
(要申請)
災害・失業等により納付が困難になった場合保険年金課へ相談を。滞納中でも「特別の事情に関する届」「弁明書」等の提出により審査のうえ保険適用となる場合があります

下関市の軽減判定でとくに注意したいのが、「軽減判定所得」と「所得割を計算する所得」でルールが2点だけ食い違うことです。市は軽減の説明のなかでこう書いています。
「軽減判定所得の計算では保険料の計算とは違い、専従者控除はおこなわれず、専従者給与は事業所得に繰り戻されます。もちろん専従者の給与はないものとして取扱われます。また譲渡所得の特別控除は適用されません。」
①譲渡所得の特別控除。市はQ&Aでも同じ点を繰り返しています。「保険料の所得割は、特別控除後の所得に対して計算されます。特別控除分は保険料の所得割の計算の対象にはなりません。ただし、軽減判定を行なう場合は、特別控除前の金額で判定します。」
これが効くのがマイホームを売った翌年度です。3,000万円の特別控除で所得税も住民税もかからなかったのに、軽減判定では3,000万円がそのまま乗るため、それまで7割軽減だった世帯が軽減なしに転落します。下関市の場合、均等割43,723円+平等割35,620円=79,343円が軽減対象なので、7割軽減が消えると年約5.6万円の増額。所得割はほとんど増えないのに、この差が出ます。
②専従者給与。所得割では専従者控除が引けますが、軽減判定では専従者給与が事業主の所得に繰り戻され、専従者側は「給与なし」として扱われます。自営業で家族に給与を払っている世帯は、確定申告の所得の感覚で軽減を予想すると外れます。
もうひとつ、軽減判定の「被保険者数」には後期高齢者医療制度へ移行した方も含まれます。75歳になって世帯の誰かが後期へ移っても、5割・2割軽減の基準額(31万円・57万円×人数)は減りません。世帯の軽減割合が急に不利にならないための配慮です。
7割・5割・2割軽減は申請書の提出は不要ですが、「所得申告等をしている世帯が対象」です。収入ゼロでも申告をしていないと軽減されません。

保険料が重いと感じたときの選択肢は保険料が高い・払えないときのガイドもあわせて。

4-7. 払えないときは滞納する前に相談

滞納すると督促 → 延滞金 → 財産の差押えと段階的に進みます。滞納してから相談するより、滞納する前に相談したほうが選べる手が多い。分割納付や徴収猶予の相談ができます(払えない・滞納したときの対処法)。

5. 納付方法

  • 口座振替(納め忘れがなく最も確実)
  • スマホ決済(請求書払い)
  • コンビニ納付
  • 納付書による金融機関窓口払い
  • 年金からの特別徴収(65〜74歳の一定要件の世帯)

下関市の国保料は年10回払いです。年度途中の資格の変動については、市がQ&Aで具体例つきに整理しています。
加入したとき:「保険料は資格が発生したその月から賦課されます」。市の例は「7月に会社をやめたり、市外から転入して資格が発生し、10月に加入の届出をした場合、保険料は届出をした10月分からではなく、7月分から納めなければなりません」。そして「加入日が7月1日でも7月31日でも月割計算となりますので、7月分から賦課されます」——月末に加入しても1か月分かかります。
年度途中加入の保険料は「年間保険料÷12ヵ月×加入資格発生月から年度末(3月末)までの月数」で計算します。
やめたとき:「資格を喪失した月の前月まで」です。7月に会社の保険ができた場合、7月分の国保料はかかりません(7月分は会社の保険で払うため)。ただし「届出をいただいた月の翌月から納付が始まる」「1年分を10期に分けて納める」という事情から、脱退手続き後に精算額の請求またはお知らせが届きます。「やめたのに請求が来た」と驚くケースはこれです。
40歳になるとき:誕生日の前日の月から介護分がかかります。10月7日に40歳になる方はその年度は10月〜3月の6か月分。11月に変更通知書が届きます。
65歳になるとき:誕生日の前日の前月まで介護分がかかります。ここが下関市の親切なところで、「10月9日が65歳の誕生日の方は、6月に送付する保険料の納付書の中で、あらかじめ4月から9月までの6箇月分の介護分保険料を10回にわけて計算してあります」——年度当初から見込んで10期に均等割りしてあるので、10月から急に金額が変わることはありません。
75歳になるとき:単身世帯(75歳になる方以外に国保加入者がいない場合)は、誕生月の前月までの保険料を、誕生月の前月までの期別割で払います。10月生まれなら4〜9月分を6〜9月の4回で。誕生月が5・6・7月の方は6月の1回払いになります。
複数人世帯なら「1月あたりの保険料の負担を緩和するため」、75歳になる方の分と他の加入者の分の合計を翌年3月までの期別割で払います。年金からの特別徴収だった場合は普通徴収に変更されます。
滞納した場合は「特別療養費の支給」の対象となり、医療機関の窓口で医療費をいったん全額負担することになります。ただし市は「特別の事情がある場合は、『特別の事情に関する届』や『弁明書』等の提出により、審査の上、保険適用となる場合があります」としています。払えないときこそ黙って放置せず、保険年金課へ相談してください。

6. 加入・脱退の手続き

6-1. 加入手続き(事由発生から14日以内)

状況別 加入時の必要書類
事由必要書類
会社を退職した健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーがわかるもの
他市区町村から転入本人確認書類、マイナンバーがわかるもの(転入届と同時に手続き可)
子どもが生まれた本人確認書類、母子健康手帳
生活保護が廃止された保護廃止(停止)通知書、本人確認書類

6-2. 脱退手続き(事由発生から14日以内)

状況別 脱退時の必要書類
事由必要書類
就職して社保に加入した新しい健康保険の資格確認書等、国保の保険証・資格確認書、本人確認書類
他市区町村へ転出本人確認書類(転出届と同時に手続き可)
生活保護の受給開始保護決定通知書、本人確認書類
死亡本人確認書類、死亡を確認できる書類

脱退の届出を忘れると国保料の請求が止まりません。社保と国保の二重払いになって、あとから還付手続きに走ることになります。就職時は就職したときの脱退手続き完全ガイド、引っ越し時は引っ越したときの手続き完全ガイドを参照してください。

7. 下関市の国保窓口一覧

国保料の計算・軽減・減免の相談は下関市役所本庁舎西棟1階の保険年金課が窓口です。

下関市 国保の窓口
窓口電話番号主な業務
保険年金課
〒750-8521 山口県下関市南部町1番1号
西棟1階
083-231-1280
(FAX 083-231-1153)
国保の加入・脱退、保険料の算定・賦課、低所得軽減、非自発的失業者の軽減、産前産後の軽減、各種減免、「特別の事情に関する届」「弁明書」の受付
下関市役所(代表)083-231-1111受付時間 午前8時30分〜午後5時15分(土日祝・年末年始を除く)
※本庁舎等の窓口受付時間は午前9時〜午後4時30分

本庁舎の窓口受付時間は午前9時〜午後4時30分です。電話の受付時間(8:30〜17:15)とは異なるので、来庁する場合は注意してください。

下関市は公式サイトに「国民健康保険料Q&A」を公開しています。4区分すべての計算過程と、40歳・65歳・75歳の誕生日をまたぐ場合の扱いが具体例つきで説明されています。

7割・5割・2割軽減は申請書の提出は不要ですが、所得申告をしている世帯が対象です。収入ゼロでも申告してください。

滞納して特別療養費の対象になっても、「特別の事情に関する届」や「弁明書」の提出で保険適用に戻る場合があります。放置せず相談を。

8. よくある質問(下関市の国保)

Q1. 土地を売りました。税金はかからなかったのに軽減が外れました。なぜですか?
A. 下関市では、譲渡所得の特別控除が「所得割では効く/軽減判定では効かない」ためです。市はQ&Aで明確に説明しています。
市のQ&A(Q2)はこうです。「保険料の計算にも、所得税や住民税などの税金の計算と同様の特別控除が適用されます。保険料の所得割は、特別控除後の所得に対して計算されます。特別控除分は保険料の所得割の計算の対象にはなりません。ただし、軽減判定を行なう場合は、特別控除前の金額で判定します。」
軽減のページにも同じ趣旨が書かれています。「軽減判定所得の計算では保険料の計算とは違い……譲渡所得の特別控除は適用されません。」
具体例で見ます。マイホームを売って譲渡益3,200万円、3,000万円の特別控除を使ったケース。所得割の対象は200万円で済みますが、軽減判定では3,200万円で判定されます。7割軽減も2割軽減も届きません。
下関市は均等割43,723円+平等割35,620円=79,343円が軽減の対象なので、7割軽減が消えると年約5.6万円の増額。所得割は特別控除後で計算されるためほとんど増えないのに、この分だけが跳ね上がります。
影響は売却の翌年度の1年間だけです。翌々年度には元の判定に戻ります。不動産の売却を予定している方は、その年度に軽減が外れる分を見込んでおいてください。

Q2. 月末に国保に入りました。1か月分まるまるかかりますか?
A. かかります。下関市は「加入日が7月1日でも7月31日でも月割計算となりますので、7月分から賦課されます」と明記しています。
国保料は「資格が発生したその月から」賦課されます。日割りではなく月単位なので、月末に加入しても1か月分です。
もうひとつ重要なのが「届出をした月」ではなく「資格が発生した月」からという点。市の例では「7月に会社をやめて、10月に加入の届出をした場合、保険料は届出をした10月分からではなく、7月分から納めなければなりません」。届出が遅れても保険料はさかのぼって請求されます。
逆に、やめるときは資格喪失月の前月までです。7月に会社の保険に入ったなら、7月分の国保料はかかりません(7月分は会社の保険料で払うため)。
ただし、脱退手続きのあとに精算額の請求やお知らせが届くことがあります。市の説明では「ご加入のお届けをいただいた月の翌月から納付が始まるため」「1年分を10期に分けて納めていただくため」。すでに払った分と本来の年額にズレが生じるためで、不足なら請求、払い過ぎなら還付です。
加入の届出は社会保険等の喪失日から14日以内に。市は「加入の届出が遅れると、保険料が遡って賦課されるだけではなく、医療費が全額自己負担となる可能性があります」と注意しています(国保をやめる手続き)。

Q3. 年度の途中で65歳になります。10月から保険料が上がりますか?
A. いいえ、変わりません。下関市は年度当初から見込んで10期に割り振っています。
介護分がかかるのは40歳の誕生日の前日の月から、65歳の誕生日の前日の前月までです。65歳になる年度は、年度の途中で介護分が終わることになります。
市のQ&A(Q4)の説明はこうです。「10月9日が65歳の誕生日の方は、6月に送付する保険料の納付書の中で、あらかじめ4月から9月までの6箇月分の介護分保険料を10回にわけて計算してありますので、10月からも途中で保険料が変わることはありません。」
つまり4〜9月の6か月分の介護分を、6月〜3月の10期に均等に割り振ってあるということ。毎月の請求額は一定です。
逆に40歳になる年度は途中で増えます。市の例では「10月7日に40歳になる方は、その年度は10月から3月までの6箇月分の介護分保険料がかかりますので、11月に変更通知書を送付いたします」。誕生日の翌月に通知が届いて、そこから金額が変わります。
下関市の介護分は所得割2.5%+均等割9,100円+平等割5,900円。市の計算例(賦課所得額124万円・2人世帯)では年55,100円でした。6か月分ならその半分、約27,500円が年度途中から加算される計算です。
なお65歳以降は、国保料とは別に介護保険料を納めます。国保の介護分が終わっても負担がなくなるわけではありません。

Q4. もうすぐ75歳です。国保料の払い方はどうなりますか?
A. 単身世帯か複数人世帯かで払い方が変わります。下関市は両方の例を公開しています。
【単身世帯の場合】(75歳になる方以外に国保加入者がいない場合)
誕生月の前月までの保険料を、誕生月の前月までの期別割で支払います。市の例は「10月生まれの方は、4月から9月までの保険料を6月から9月の期別割でお支払いいただきます」。つまり6か月分を4回で払うことになり、1回あたりは通常より多くなります。
さらに「誕生月が5・6・7月の方は、誕生月の前月までの保険料を6月の1回でお支払いいただきます」。6月に1回だけ請求が来て終わりです。
【複数人世帯の場合】(75歳になる方以外にも国保加入者がいる場合)
市は「1月あたりの保険料の負担を緩和するため」として、75歳になる方の誕生月前月までの保険料と、他の加入者の1年分の保険料の合計を、翌年3月までの期別割で払う方式にしています。10月生まれなら、その方の4〜9月分と他の加入者の4月〜翌3月分を合わせて、6月〜翌3月の10期で分割です。こちらのほうが1回あたりの負担は軽くなります。
もうひとつ注意点。「保険料が年金から特別徴収されていた場合、普通徴収に変更されます」。年金天引きだった方は、納付書または口座振替に切り替わります。納め忘れに注意してください。
75歳からは後期高齢者医療制度の保険料が別に始まります(後期高齢者医療制度)。

Q5. 下関市の国保料は高いのですか?
A. 所得割13.5%(40〜64歳)は全国的にかなり高い水準です。平等割21,500円も高めです。
内訳は医療分8.0%+後期高齢者支援金分2.7%+介護分2.5%+子ども・子育て支援金分0.3%。とくに医療分の8.0%が効いています。全国の中核市では6〜7%台が多く、8%台は高いほうです。
平等割の合計は35,620円(医療21,500+後期支援7,400+介護5,900+子ども820)。4区分すべてに平等割があるのも負担を押し上げます。介護分や子ども分に平等割を置かない自治体も多いためです。
均等割の合計は1人43,723円。単身40〜64歳なら所得ゼロでも年79,343円が基本になります。
実額で見ると、市の計算例では夫婦2人(60歳)・給与収入250万円で年290,300円。給与収入の11.6%にあたります。
ただし平等割は世帯単位で1回なので、世帯人数が多いほど1人あたりの負担率は下がります。逆に単身世帯・2人世帯には平等割35,620円が重くのしかかる構造です。
所得が低い世帯は7割・5割・2割の軽減を必ず活用してください。均等割43,723円+平等割35,620円=79,343円が軽減の対象で、7割軽減なら年約5.6万円が減ります。軽減には所得の申告が必要です。

Q6. 保険料を滞納してしまいました。どうなりますか?
A. 「特別療養費の支給」の対象になり、医療機関の窓口で医療費を全額負担することになります。ただし相談すれば戻せる場合があります。
市のQ&A(Q6)はこうです。「特別の事情もなく、保険料を滞納している世帯主については、負担の公平性を図るため、医療機関の窓口で医療費をいったん全額負担していただく『特別療養費の支給』対象となります。」
窓口で10割払い、あとから申請して7割分(自己負担割合による)を受け取る形になります。ただし支給された分は原則として滞納分に充てられる運用をとる自治体が多く、実質的には手元に戻らないことがあります。
重要なのは次の一文です。「なお、特別の事情がある場合は、『特別の事情に関する届』や『弁明書』等の提出により、審査の上、保険適用となる場合がありますので、ご相談ください。」
「特別の事情」とは、災害、事業の廃止・休止、病気やけが、その他これらに類する事情を指します。該当するなら届や弁明書を出せば通常の保険証(資格確認書)での受診に戻れる可能性があります。
さらに市は「状況により、財産の差し押さえなどの処分を受ける場合もあります」としています。預貯金や給与が対象になり得ます。
払えないと気づいた時点で保険年金課(083-231-1280)へ相談してください。滞納してから連絡するより、納期限前に相談したほうが分割納付などの選択肢が多く残ります。会社都合の退職なら非自発的失業者の軽減で保険料そのものが大きく下がる可能性もあります。

Q7. 自動で適用される軽減と、申請が必要なものの違いは?
A. 自動適用=低所得の軽減(7割・5割・2割)、未就学児の5割軽減、18歳未満の子ども分軽減。要申請=非自発的失業軽減、産前産後軽減、低所得者の軽減
(申請書不要/要・所得申告)・未就学児の均等割軽減
(申請不要)・18歳未満の子ども・子育て支援金分均等割の軽減
(申請不要)・非自発的失業者の軽減
(要申請)・産前産後期間の軽減
(要届出)・後期高齢者医療への移行に伴う減額措置
(申請不要)・災害等による減免
(要申請)などの減免です。効き目の大きいものほど申請制——ここがミソです。

Q8. 退職後、国保の加入手続きはいつまでに?
A. 退職日の翌日から14日以内に下関市 保険年金課(083-231-1280)で。14日を過ぎても加入義務は退職日の翌日にさかのぼるので、手続きが遅れた分の保険料もまとめて請求されます。得はひとつもないので早めに。

9. まとめ|下関市の国保で押さえるべきポイント

  • 下関市は3方式(所得割+均等割+平等割)。令和8年度の料率は医療分8.00%・後期支援分2.70%・介護分2.50%・子ども分0.30%
  • 均等割は医療分25,000円・後期支援8,600円・介護9,100円・子ども1,023円、平等割は合計で年35,620円。賦課限度額は世帯合計で年113万円
  • 所得割13.5%(40〜64歳)は全国的にかなり高い。医療分8.0%・平等割21,500円が効いている
  • 公式サイトの「国民健康保険料Q&A」に4区分すべての計算過程が公開されている(夫婦2人・給与250万円で年290,300円)
  • 譲渡所得の特別控除は所得割では効くが、軽減判定では効かない。不動産を売った翌年度は軽減が外れることがある
  • 加入日が月初でも月末でも1か月分。届出が遅れても資格発生月までさかのぼって賦課される
  • 65歳になる年度は、年度当初から介護分を10期に割り振ってあるので途中で金額が変わらない
  • 滞納して特別療養費の対象になっても、「特別の事情に関する届」や「弁明書」の提出で保険適用に戻る場合がある
  • 会社都合退職なら非自発的失業軽減。年27万7千円ほど変わることもあるのに届け出ないと1円も安くならない
  • 収入がない年も住民税の申告を。しないと軽減判定が回りません
  • 窓口は下関市 保険年金課(083-231-1280)

出典・参考:
・下関市公式:国民健康保険 保険料の算定方法(令和8年度料率)
・下関市公式:国民健康保険料 Q&A
・下関市公式:国民健康保険 特別徴収と後期高齢者制度に伴う減額措置
・下関市国民健康保険条例

※本記事は2026年8月時点の令和8年度制度・料率に基づいています。最新の情報は下関市公式サイトでご確認ください。