起業するあなたへ!国民健康保険料の計算方法などを分かりやすく説明

サラリーマンが会社を辞めて一念発起して起業する際に心配なことは、これまでは勤務先で加入していた健康保険から国民健康保険に変更になることです。

サラリーマンの場合は社会保険は健康保険と厚生年金が給与から源泉されますが、自分で何かビジネスを始めた場合には会社の健康保険から国民健康保険に加入しないといけません。

日本の社会保険制度は医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5つの種類があり、国民健康保険は全国にある各市区町村が加入などの手続きを行っています。そのため各市区町村によって国民健康保険の保険料の計算方法なども住んでいる所によって異なります。

そこで今回はこの国民健康の加入要件・控除・年収・所得・世帯・期間などや、最も知りたい国民健康保険料の計算方法について詳しく解説していきます。

国民健康保険の加入要件

日本の健康保険制度は国民皆保険が基本方針で、サラリーマンが会社を辞めて起業する場合には国民健康保険に加入する必要があります。

1. 対象者(日本国内に住所がある人)

日本国内に住所を有し、以下のいずれにも該当しない方は、国民健康保険の加入対象となります:

  • 他の医療保険(会社の健康保険など)に加入している方およびその被扶養者

  • 生活保護を受けている方

  • 後期高齢者医療制度(主に75歳以上)に加入している方

  • 短期滞在ビザなど、短期滞在者(在留資格が3か月以下)の外国人

そのため、自営業者やフリーランス、退職後で他の公的医療保険に加入していない方は、必ず国保に加入する必要があります。

2. 外国人の加入条件(在留資格による違い)

外国籍の方でも、次の条件に当てはまる場合、国保への加入が義務となります:

  • 在留期間が3か月を超える中・長期在留者(例えば、留学や就労等の在留資格を持つ方)

  • 特別永住者、一時庇護許可者、仮滞在許可者、経過滞在者(出生または国籍喪失による)も対象

  • 在留資格が「興行」「技能実習」「家族滞在」「特定活動」「公用」で、在留期間が3か月以下でも、適切な資料(滞在予定、雇用など)で3か月以上の滞在が客観的に認められる場合も加入対象となるケースあり

  • 一方で、「短期滞在」、「外交」、医療目的の「特定活動」での滞在者などは、原則として加入対象外です。

3. 届出期限と手続きの流れ

  • 国保の加入や脱退の手続きは、原則14日以内に居住地の市区町村窓口で行う必要があります。加入すべき日に遡って取り扱われるため、遅延には注意が必要です 。

  • 上記に該当しない場合も、他の保険から切り替える必要がある際は、それぞれの窓口にて確認が必要です。

  • 外国人の方は以下のような書類が必要になることが多いです:

    • パスポート

    • 在留カード(特定活動の場合は指定書含む)、特別永住者証明書など

    • マイナンバー関連書類(マイナンバーカードまたは通知カードなど)

4. 世帯単位での加入

国民健康保険は世帯単位で加入するのが基本です。世帯の中で加入除外されるべき方がいない限り、同一世帯全員が保険加入の対象となります。

サラリーマンの方が会社を辞めた場合の3つの選択肢

サラリーマンの方が会社を辞めた場合は3つの選択肢がありますが、一つがいままで勤めていた会社の社会保険にそのまま加入する健康保険任意継続、二つ目が国民健康保険に加入することで、三つ目が被扶養者異動届を行いご主人などが加入する社会保険加入することです。

もしいままで勤めていた会社の社会保険にそのまま加入するのであれば、自分が住んでいる住所を管轄する年金事務所に行き健康保険任意継続被保険者資格取得申出書か、扶養家族がいる方であれば健康保険被扶養者届を提出します。

ただここで注意しないといけないことは健康保険任意継続の手続きは退職した日から計算して、もし20日以内に行なわないと例えどんな理由があっても手続きができないことです。さらに健康保険任意継続の手続きを行なうには、社会保険の加入期間が2カ月以上でないといけません。

国民健康保険と健康保険任意継続の違い

今まだ自分が勤めていた会社の社会保険に加入する健康保険任意継続の場合も、新たに国民健康保険に加入してもどちらも保険給付内容は同じです。ただ国民健康保険の加入期間に制限がないのに比べて、健康保険任意継続の場合は2年間という制限があります。

さらに健康保険任意継続の場合は1日でも保険料を滞納すれば、強制的に加入が取り消しになるので注意が必要です。

手続きの場所も、国民健康保険が自分が住んでいる各市区町村の役場なのに対して、健康保険任意継続の場合は協会けんぽ各都道府県支部で行ないます。必要な書類も国民健康保険の場合は社会保険の資格喪失証明書であるのに対して、健康保険任意継続の場合は資格取得申出書が必要です。

保険料も国民健康保険と健康保険任意継続とでは、国民健康保険の場合であれば自分が住んでいる各市区町村によっても異なり、健康保険任意継続の場合も都道府県によっても異なります。

ウェブ上の計算シミュレーションで自分の国民健康保険をかんたんに計算できる

国民健康保険の計算方法ですが自分が住んでいる各市区町村によっても異なりますが、1番かんたんな計算方法はウェブ上にある国民健康保険の計算シミュレーションを利用することです。

例えばまず自分が住んでいる都道府県を選びますが、仮に東京都であれば次に住んでいる市区町村を選択します。もしあなたが東京都の世田谷区に住んでいるとすれば加入者・年齢区分・税込の年収・年間の年金収入・その他収入・固定資産税をそれぞれ入力します。仮にあなたの年齢が40歳で年収が税込で400万円で、3人家族で全員が国民健康保険に加入するとします。

国民健康保険の計算シミュレーションの加入者は3人なので、まず加入者の1人目で、年齢区分は40~64歳を選択します。

次に税込の年収の項目に400万円と入力します。年金収入・その他収入・固定資産税はないと仮定しすべて0と入力し、加入者の2人目の年齢区分に自分の妻の年齢が36歳とすれば年齢区分は0~39歳を選択します。

次に妻は専業主婦で収入がなければ、税込の年収・年間の年金収入・その他収入・固定資産税をそれぞれ0を入力します。

次に子供の年齢10歳とすれば年齢区分は0~39歳を選択し、妻と同様に全ての項目に0を入力します。

後は「計算する」をクリックすると年間の国民健康保険料が37万1734円と表示されます。

月々の国民健康保険料も3万0978円と表示されるので、かんたんに自分の年間の国民健康保険料と月々の国民健康保険料を知ることができます。

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