年収の壁、どうしてる?働き控えの原因は「社会保険」が最多67.4%!
「年収の壁」という言葉、よく耳にしますよね。最近だと選挙でも年収の壁が議論になりました。特に家事や育児と仕事を両立している主婦・主夫の方々にとって、この「壁」は働き方を考える上で大きなポイントになります。
『しゅふJOB総研』が行ったアンケート調査によると、多くの人が「年収の壁」について、まだ十分に理解できていない現状や、働き控えの主な原因が「社会保険」にあることが明らかになりました。
「年収の壁」の制度、どれくらい知ってる?
まず、「年収の壁」に関する制度について、ご自身の理解度を尋ねたところ、なんと33.2%もの人が「理解していない」と回答しました。完全に理解している人はわずか5.3%にとどまっています。

年代別に見ると、30代以下では「理解していない」と答えた人が45.4%と半数近くに上り、若い世代ほど制度への理解が追いついていない傾向が見られます。経験とともに知識が深まる面もある一方で、主婦・主夫になりたての年代でもすぐに理解できるような情報発信が求められているようです。

働き控えの原因、やっぱり「社会保険」?
では、具体的に「年収の壁」として働き控えの原因になっていると感じるものは何でしょうか?最も多かったのは「社会保険(厚生年金と被用者保険)」で59.4%でした。これは、いわゆる「106万円の壁」に該当します。

「社会保険(厚生年金と被用者保険)」と、いわゆる「130万円の壁」である「社会保険(国民年金と国民健康保険)」を合わせると、働き控えの原因に「社会保険」を挙げる人は67.4%にものぼります。

制度を「理解している」人ほど、社会保険を働き控えの原因として挙げる割合が顕著に高くなっています。これは、社会保険の壁を越えると手取り額が急に減ってしまう「働き損」が生じることが原因と考えられます。


130万円の壁が変わるとどうなる?
2026年4月からは、社会保険の扶養枠上限である年収130万円の判定基準が、残業代を含めた実績・見込み額ではなく労働契約内容で判定されるようになります。この変更によって働き控えが減ると思うか尋ねたところ、「思う」と回答した人が36.8%でした。
複雑な制度改正が重なると、さらに分かりにくくなってしまう懸念もあるかもしれませんね。
みんなの声を聞いてみよう!
アンケート調査では、多くの人から具体的な声が寄せられました。いくつかご紹介します。
- 「税金の壁はまだしも、社会保険の壁を超えるのはかなりハードルが高かった」(50代:パート/アルバイト)
- 「保険料が高すぎることが全ての原因。低くなれば、年収の壁を気にする人は減るのでは」(50代:フリー/自営業)
- 「年金が増えるといっても未来の話なので、今子育てしていて苦しいのであまり年金が増えるからたくさん働こうとは思えない」(40代:パート/アルバイト)
- 「計算しながら働くのは面倒でストレスだと思う」(40代:派遣社員)
- 「手取りが少なくなると言うけれど、保険料や社会保険を企業に負担してもらい、恩恵を受けるわけだし、将来的に年金額が増えたら…扶養範囲内にこだわる人達の気持ちが正直理解に苦しみます」(50代:今は働いていない)
- 「制度が複雑すぎて、結局、自分にとって何が一番有利なのかがわかりにくい」(50代:今は働いていない)
これらの声からは、制度の複雑さや、目先の収入と将来の安心感との間で揺れる気持ちがうかがえます。
専門家からのメッセージ
しゅふJOB総研 研究顧問の川上敬太郎氏は、この調査結果を受けて「一口に年収の壁といっても、様々な種類があり制度も異なります。制度がよくわからない中で年収の壁への向き合い方を判断している人が相当数いるようです」と述べています。
さらに、「社会保険の場合、年収の壁を越えた途端に手取り額がガクンと減って、働き損が生じることが原因と考えられます」とし、「年収の壁をどうするかを考える前に『制度理解の壁』が大きく立ちはだかっている状況を改善する必要がある」と強調しています。
最後に
「年収の壁」は、多くの人にとって働き方を左右する重要な問題です。制度が複雑であるため、正確な情報を理解し、自分にとって最適な働き方を見つけることが大切ですね。
しゅふJOB総研では、これからも仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査を続けていくとのことです。
- しゅふJOB総研の過去の調査結果はこちらで確認できます。