インフレで医療費が家計を圧迫?シニア層の半数以上が「生活費を切り詰めて捻出」と回答

物価高が医療費にも影響?シニア層の家計に広がる波紋

最近の物価高は、私たちの生活のさまざまな側面に影響を与えていますね。食費や光熱費だけでなく、医療費にもその波が押し寄せているようです。株式会社モニクルフィナンシャルが70歳以上の男女500名を対象に行った調査で、高齢者の医療費負担に関する興味深い実態が明らかになりました。

医療費の負担増、半数以上が生活費を切り詰めて捻出

調査の結果、全体の33.4%にあたる約3人に1人が、「物価高(食費や光熱費)と相まって、医療費の負担が以前よりも重く感じるようになった」と回答しました。

N=500の回答者が、風邪や持病による「普段の通院・薬代」が家計に与える影響についてどう感じているかを円グラフで示した調査結果。約4割は負担と感じていないが、物価高による負担増を訴える声も多い。

さらに、この「物価高による医療費負担の増加を感じている層」では、52.6%もの人が「生活費(食費・光熱費)をできるだけ切り詰めて捻出した」と答えています。日々の食事や冷暖房などの生活水準を抑えて、医療費や薬代を支払っている実情が見えてきます。

医療費や介護費用の支払いによる資産状況の変化と、最も「つらい」と感じたことに関するアンケート結果を示すドーナツグラフです。最も多い回答は生活費の切り詰めでした。

節約が招く「負のスパイラル」の懸念

医療費を捻出するために生活費を切り詰めている層(インフレ負担層)と、そうでない層(余裕層)で、医療費の節約方法にも違いが見られました。特に「少しの体調不良なら、受診せずに市販薬や自然治癒で済ませている」と回答したインフレ負担層は38.6%にものぼり、余裕層の約3倍という結果です。

医療費や薬代を節約するために実践していることを「インフレ負担層」と「余裕層」で比較したグラフ。インフレ負担層はジェネリック変更や市販薬利用、通院削減を積極的に行う一方、余裕層は「特に我慢はしていない」が過半数を占める。

医療費を節約するために病院に行かない選択が、体調不良の長期化や重症化を招き、結果的により大きな医療費がかかる「負のスパイラル」に陥ってしまう可能性もきっとあるでしょう。

高額療養費制度だけではカバーできない「見えない出費」

公的保険が適用されず、予想外に痛手だった出費についても調査が行われました。インフレ負担層で最も多かったのは「入院中の生活雑貨(パジャマ・オムツなど)」で43.2%、次いで「自己負担分の食事代」が29.5%でした。

入院や通院時に公的保険が適用されず、予想外の出費がかさんだと感じた費用について、インフレ負担層と余裕層の回答率を比較した棒グラフです。インフレ負担層は様々な項目で出費を感じている一方、余裕層は「予想外の出費なし」が80.4%を占めています。

高額療養費制度で医療費そのものは抑えられても、物価高の影響を直接受ける日用品や食事代といった「見えない出費」が、高齢者の家計を圧迫している実態が浮き彫りになりました。

民間保険の加入状況と不安

民間の医療保険やがん保険の加入状況についても尋ねたところ、インフレ負担層の半数以上が「古い保険なので今の医療実態に合うか不安」と感じており、さらに約2割が「保険料が高くて家計を圧迫している」と回答しています。

「余裕層」と「インフレ負担層」における民間医療保険・がん保険の加入状況と実感を示すグラフ。インフレ負担層は古い契約への不安や保険料負担が大きい割合が高く、余裕層は保障への安心感や貯蓄で不要と考える割合が高い傾向にある。

医療費の負担を感じている人ほど、加入中の保険の保険料や保障に不安を感じ、適切な見直しができていない状況がうかがえます。

今からできる備えを考えてみませんか?

モニクルフィナンシャルの担当者は、「公的制度を頼りにすべてを貯蓄で持とうとするのは、インフレ時代にはリスクになりかねない」と指摘しています。また、「健康に自信があるから大丈夫」と思っていても、病気やケガは誰にでも起こり得ることです。

70代になってから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、現役世代のうちに医療保険の検討や見直しを考えておくことが大切だと言えるでしょう。

今回の調査に関する詳しい情報は、以下のリンクで確認できます。


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