【2026年最新版】国民健康保険料が高い・払えないときの軽減・減免・免除ガイド|失業特例30%軽減・所得別の判定基準

「国民健康保険料、高すぎませんか?」――会社員時代は給料から自動で引かれていたのに、退職や独立で国保に切り替わったとたん、納付書の金額にギョッとする。よくある話です。しかも会社負担がない分、まるごと自己負担。これがけっこう重い。

でも、ここで知っておいてほしいことがあります。国保には「払えない・払うのが厳しい」世帯を助けるための、軽減・減免・免除という3段構えの仕組みがあります。知らずに滞納してしまうと、最悪は財産の差し押さえまで進む。逆に、要件を満たせば自動で安くなったり、申請で大きく下がったりします。この記事では、2026年度(令和8年度)の最新基準で、どんな人がどれだけ安くなるのか、申請はどうするのかを具体的に解説します。

3つの言葉を先に整理(これがミソ)
軽減…所得が低い世帯の「均等割・平等割」を自動で7割/5割/2割減らす(原則申請不要)
減免…失業・災害・収入激減など個別事情に応じて、申請して保険料を軽くする(審査あり)
(全額)免除…生活保護受給など、特に厳しいケースで全額をなくす
役所の人もこの3つをごっちゃに使うことがあるので、自分のケースがどれに当たるかを意識すると話が早いです。

そもそも国保料はどう決まる?――高くなる理由

国保料は「所得割(前年所得に応じる)」「均等割(加入人数×定額)」「平等割(1世帯あたり定額・自治体による)」の合計で、市区町村ごとに料率が違います。地域差は大きく、年間で10万円以上、月額2万円ほど開くこともあります。

そして高所得世帯には上限(賦課限度額)があります。2026年度(令和8年度)は、この上限が113万円に引き上げられました。内訳は医療分67万円+後期高齢者支援金分26万円+介護分17万円、さらに2026年度から新設された「子ども・子育て支援納付金分」3万円を加えた4階建てです。ただし、この新設分について18歳到達年度末までの子どもは均等割が10割軽減されるため、子育て世帯の実質負担は増えない設計になっています。

① 軽減(7割・5割・2割):低所得なら”申請不要”で安くなる

これがいちばん見落とされがち。世帯の総所得が一定以下なら、申請しなくても自動的に均等割・平等割が7割/5割/2割減ります。前年所得の申告(住民税申告など)さえしていれば、役所が判定してくれます。

2026年度(令和8年度)の判定基準は次のとおり(基礎控除43万円ベース)。

軽減割合世帯の総所得金額等の基準(令和8年度)
7割軽減43万円 + 10万円×(給与所得者等の数−1) 以下
5割軽減43万円 + 31万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数−1) 以下
2割軽減43万円 + 57万円×被保険者数 + 10万円×(給与所得者等の数−1) 以下

令和8年度は、5割軽減の乗算額が30.5万円→31万円、2割軽減が56万円→57万円に引き上げられ、軽減の対象がじわっと広がりました。物価高への配慮ですね。

計算例:単身・前年所得40万円の場合

被保険者1人。7割軽減の基準=43万円以下 → 40万円なので該当。均等割・平等割が7割引きに。たとえば均等割が年5万円なら、3万5,000円が減り、負担は1万5,000円。所得割は所得が低いのでほぼゼロ。申請不要で適用されます。

計算例:夫婦2人(被保険者2人)・前年所得100万円

5割軽減の基準=43万円+31万円×2人=105万円以下 → 100万円なので5割軽減に該当。均等割・平等割が半額に。所得申告をしていれば自動判定されるので、「申告だけは必ず」しておきましょう。無申告だと軽減されません。これが落とし穴。

② 減免:失業・災害・収入激減――申請して軽くする

軽減の基準には当てはまらなくても、個別の事情があれば「減免」を申請できます。代表的なのが次の3つ。

(A) 非自発的失業(倒産・解雇など)の特例軽減

これは超重要。倒産・解雇・雇い止めなど会社都合で離職し、雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者に該当する人は、前年の給与所得を「30/100(=3割)」とみなして国保料を計算してもらえます。所得が実質7割カットされて計算されるので、保険料が大きく下がります。離職日の翌日からその翌年度末まで対象。

申請には雇用保険受給資格者証(またはマイナポータルの離職票情報)が必要。「会社都合の失業=全額免除」と誤解されがちですが、正しくはこの”30%みなし”の軽減が主流です。それでも効果は大きい。

(B) 災害減免

地震・台風・火災などで住宅や家財に大きな被害を受けた場合、被害の程度に応じて減免されます。被災証明書(り災証明書)などが必要。農業・漁業で冷害・不漁などにより収入が激減した場合も対象になることがあります。

(C) 収入の激減による減免

事業の廃止・休止、病気・ケガで働けなくなったなど、当年の所得が前年に比べて大きく減る見込みのとき、減免を申請できます。前年所得が高いと国保料も高く算定されるため、「収入は落ちたのに保険料が高い」状況を救済する仕組み。減収幅の要件(3割以上減など)は自治体で異なります。所得や預貯金の状況を審査され、結果が出るまで時間がかかることがあります。

③ 全額免除になるのはどんなとき?

「減免」をさらに進めて、保険料がゼロになる「全額免除」もあります。ただし対象は限定的。

  • 生活保護を受給している → そもそも国保の対象外になり、医療は生活保護の医療扶助でカバー
  • 天災など特別な事情で収入が壊滅的に激減した → 被害が甚大な場合に限られることが多い

注意したいのは、会社都合の失業は「全額免除」ではなく「30%みなしの軽減(減免)」が原則という点。「失業したから全額タダになる」と思い込むと、窓口で「えっ違うの?」となります。ここは誤解が本当に多い。

立場別・モデルケース

ケース1:会社都合で失業した渡辺さん(42歳・前年給与所得320万円)

勤務先の倒産で離職。雇用保険受給資格者証の離職理由コードが特定受給資格者に該当。
→ 前年給与所得320万円を「30%=96万円」とみなして国保料を再計算。所得割が大幅に下がり、年間保険料が数十万円規模で軽減された。離職票が届いたら、ハローワークと同時に役所の国保窓口へ。

ケース2:単身・前年所得が低い大学院生の中島さん(25歳)

アルバイト収入が少なく前年所得38万円。
→ 7割軽減の基準(43万円以下)に該当。住民税申告を済ませていたので、申請しなくても自動で7割減。納付書の金額が最初から軽減後の額になっていた。

ケース3:事業不振で収入が半減した自営業の小林さん(50歳)

前年所得400万円だが、今年は取引先の縮小で見込み所得が180万円に激減。
→ 軽減の基準には当てはまらないが、「収入激減による減免」を申請。減収幅が要件を満たし、当年分の保険料が減免された。預貯金・帳簿の提出を求められ、決定までに数週間かかった。

ケース4:火災で自宅が全焼した高橋さん(60歳)

火災で住宅が大きな被害。
→ り災証明書を添えて災害減免を申請。被害程度に応じて当年度の保険料が減免された。災害時は申請期限が設けられることもあるので、落ち着いたら早めに相談を。

「払えそうにない」と思ったときの動き方フロー

  1. 前年所得を申告しているか確認 → 未申告なら軽減判定されない。まず申告を
  2. 低所得なら軽減(7/5/2割)に該当しないかチェック → 多くは自動。納付書の額を確認
  3. 失業・災害・収入激減の事情があれば減免を申請 → 証明書類(受給資格者証・り災証明・帳簿等)を準備
  4. それでも厳しければ、滞納する前に窓口で相談 → 分割納付(分納)・納付猶予を提案してもらえる
  5. 生活保護水準なら福祉窓口も含めて相談

いちばん大事なのは、滞納して放置しないこと。じっとしていても保険料は減りません。未納が続くと督促・延滞金、やがて短期被保険者証や資格証明書に切り替わり、最悪は給与や財産の差し押さえへ。そうなる前に窓口へ行けば、たいてい何らかの道が用意されています。近年はオンライン予約やe-LTAXでの申請受付に対応する自治体も増えました。

よくある質問(FAQ)

Q1. 軽減は申請しないといけませんか?

7割・5割・2割の軽減は、前年所得の申告があれば原則申請不要で自動判定されます。逆に言うと、収入が少なくても住民税申告などをしていないと軽減されません。無職・無収入でも申告は必ずしておきましょう。

Q2. 会社を辞めたら全額免除になりますか?

会社都合(倒産・解雇等)の失業なら、前年給与所得を30%とみなす特例軽減が受けられますが、「全額免除」ではありません。自己都合の退職はこの特例の対象外です。全額免除は生活保護受給など限定的なケースです。

Q3. 前年は高収入、今年は無収入。高い保険料を払うしかない?

国保料は前年所得で計算されるため、いったんは高く算定されます。ただし「収入激減による減免」を申請できる可能性があります。減収幅の要件は自治体で異なるので、見込み所得が分かる資料を持って早めに相談を。

Q4. 減免の審査にはどのくらいかかりますか?

経済的理由の減免は所得・資産の審査があり、書類提出から決定まで数週間かかることがあります。一方、会社都合失業の特例軽減は事情がはっきりしているため、比較的早く処理されます。

Q5. 子どもが多いと国保料は高くなりますか?

均等割は加入人数分かかるため、家族が多いほど上がります。ただし未就学児の均等割を半額にする軽減があり、2026年度から新設の子ども・子育て支援納付金分は18歳到達年度末まで均等割10割軽減で実質負担なし。子育て世帯への配慮が進んでいます。

Q6. 引っ越したら軽減や保険料はどうなりますか?

市区町村が変わると料率・均等割額が変わり、保険料も軽減判定もやり直しになります。引っ越し後は新しい自治体で必ず確認を。料率は本サイトの市区町村別ページからも調べられます。

まとめ:保険料が高い・払えないと思ったら

  • ☑ まず前年所得を申告。していないと軽減されない
  • ☑ 低所得なら7/5/2割軽減(原則申請不要・自動)。令和8年度は対象がやや拡大
  • 会社都合の失業は前年給与所得を30%みなしの特例軽減(全額免除ではない)
  • 災害・収入激減は申請して減免。証明書類を準備
  • 全額免除は生活保護など限定的
  • 滞納する前に窓口へ。分納・猶予・減免の可能性を早めに相談

国保は、法律で守られた最低限のセーフティネット。「高いから払えない」とあきらめて滞納するのは、いちばん損な選択です。安くする手段は意外とそろっています。困ったら、まず相談。これが家計を守る近道です。軽減・減免の全ケースを網羅した「国民健康保険の軽減・減免を完全ガイド」もあわせてどうぞ。


※本記事は2026年6月時点の制度に基づきます。賦課限度額・軽減判定基準(令和8年度)・減免要件・子ども子育て支援納付金分の取り扱いは、年度や自治体によって異なり、変更されることがあります。正確な基準・必要書類は、お住まいの市区町村および厚生労働省の公式情報を必ずご確認ください。
主な出典:厚生労働省「国民健康保険の保険料(税)の賦課限度額について(第205回社会保障審議会医療保険部会)」、各市区町村(板橋区・札幌市・千葉市ほか)の国民健康保険軽減・減免案内。

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