1.「一部負担金(いちぶふたんきん)」って何?
病気やけがをしたとき、医療機関の窓口で医療費の一部(一部負担金)を支払うだけで、診療等を受けることができます。
医療費の全額を払うと大変なので、健康保険制度では患者(あなた)の自己負担を「1〜3割」にしています。残りは保険が負担してくれる仕組みです。
2.年齢・所得(しょとく)ごとの負担割合一覧
| 年齢層 | 自己負担割合 | 備考 |
| 0〜2歳(3歳未満) | 2割(医療費の20%) | ※自治体によって無料の場合あり |
| 3〜69歳 | 3割(医療費の30%) | |
| 70〜74歳 | 1割(医療費の10%)※一定以上所得者は2割 | 2022年10月から高所得者(年金収入などで判定)は2割に |
| 75歳以上(後期高齢者) | 原則1割(医療費の10%)※高所得者は2〜3割 | 2022年10月以降、一部の方は2割・3割負担に変更 |
※一定額以上所得者
同一世帯の70歳以上の国民健康保険加入者の中に、課税所得が145万円以上の人がいる世帯の人。但し、70歳以上の国民健康保険被保険者の前年の収入合計が、2人以上の場合は520万円未満、1人の場合は383万円未満のときは、申請により1割負担になります。
3.一定以上所得者(いっていじょうしょとくしゃ)とは?
「一定以上所得者」とは、年金や給与などの収入が市区町村(しきちょうそん)が定める金額を超える人を指します。
- 70〜74歳の例:課税所得145万円以上の世帯では2割負担に(※申請で1割に戻せる場合も)
- 75歳以上の例:現役並み所得者は3割負担、一般の方は1割負担です。
詳しい金額や判定基準は、お住まいの自治体のサイトで確認しましょう。
4.高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)
薬代や入院費などで月の自己負担が高額になると、「高額療養費制度」で超えた分が後から戻ってきます。
- 仕組み:1ヶ月の自己負担が「限度額」を超えたら、超過分を払い戻し
- 限度額の目安(70歳未満・年収370〜770万円の方):約87,430円/月
- 2025年8月から限度額が引き上げ予定:制度の持続(じぞく)と公平(こうへい)を保つため
※低所得者や高齢者は、さらに低い限度額が設定されています。手続きは医療機関を通じて申請します。
5.子ども・低所得者向けの補助(ほじょ)
- 乳幼児医療費助成:多くの自治体で未就学児(6歳まで)が無料または低額に
- 生活保護世帯・非課税世帯:自己負担が軽減・免除(めんじょ)される場合あり
詳しくは自治体の窓口へ。
6.実際の支払いイメージ
- 月収30万円、40歳の会社員が医療費10万円かかった場合
- 自己負担(3割)=30,000円
- 高額療養費を申請すると、約12,000円程度まで抑えられるケースあり
- 70歳の方が通院月5万円かかった場合(一般所得)
- 自己負担(1割)=5,000円
コラム:こんなときは?
- 入院が長引きそう… → 高額療養費制度や限度額適用認定証(※事前申請で窓口負担を一時的に減らす証明書)を活用!
- 薬だけ頻繁に出る… → 薬局で「調剤医療費助成」が使える場合も。自治体ごとに確認を。
- 家族の負担を減らしたい → マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」でオンライン資格確認を。窓口での手間も減ります。
まとめ
- 自己負担は年齢や所得で「1〜3割」
- 高額療養費制度で大きい医療費も安心
- 低所得者・子どもにはさらに助成制度あり
- 申請や事前手続きで窓口負担をグッと減らせる
まずはお住まいの市区町村や加入する保険組合のサイトで最新情報をチェックし、必要な手続きを忘れずに行いましょう。安心して治療を受けられるよう、上手に制度を活用してください!